(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5651275
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】テノホビルアラフェナミドヘミフマレート
(51)【国際特許分類】
C07F 9/6561 20060101AFI20141211BHJP
A61K 31/664 20060101ALI20141211BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20141211BHJP
A61P 31/18 20060101ALI20141211BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
C07F9/6561 ZCSP
A61K31/664
A61K45/00
A61P31/18
A61P31/20
【請求項の数】31
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-526164(P2014-526164)
(86)(22)【出願日】2012年8月15日
(65)【公表番号】特表2014-528924(P2014-528924A)
(43)【公表日】2014年10月30日
(86)【国際出願番号】US2012050920
(87)【国際公開番号】WO2013025788
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2014年5月27日
(31)【優先権主張番号】61/524,224
(32)【優先日】2011年8月16日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501362319
【氏名又は名称】ギリアード サイエンシス インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【弁理士】
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】リュー ダザン
(72)【発明者】
【氏名】シー ビン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ユー リチャード フン チウ
【審査官】
青鹿 喜芳
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第02/008241(WO,A2)
【文献】
米国特許第07390791(US,B2)
【文献】
米国特許第07803788(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テノホビルアラフェナミドヘミフマレート。
【請求項2】
請求項1記載のテノホビルアラフェナミドヘミフマレートを含む組成物であって、前記組成物におけるテノホビルアラフェナミドに対するフマル酸の比が、0.5±0.1である、組成物。
【請求項3】
テノホビルアラフェナミドに対するフマル酸の比が、0.5±0.05である、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
テノホビルアラフェナミドに対するフマル酸の比が、0.5±0.01である、請求項2記載の組成物。
【請求項5】
テノホビルアラフェナミドに対するフマル酸の比が、0.5である、請求項2記載の組成物。
【請求項6】
固体である、請求項2記載の組成物。
【請求項7】
6.9±0.2°および8.6±0.2°なる2θの値を含むX-線粉末回折(XRPD)パターンを有する、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート。
【請求項8】
前記XRPDパターンが、6.9±0.2°、8.6±0.2°、11.0±0.2°、15.9±0.2°および20.2±0.2°なる2θの値を含む、請求項7記載のヘミフマレート。
【請求項9】
131±2℃なる示差走査熱量法(DSC)の立上がり吸熱温度を持つ、請求項1記載のヘミフマレート。
【請求項10】
131±1℃なるDSCの立上がり吸熱温度を持つ、請求項9記載のヘミフマレート。
【請求項11】
請求項1記載のヘミフマレートおよび製薬上許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項12】
更に、追加の治療薬を含む、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記追加の治療薬が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロテアーゼ阻害化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド系阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、およびCCR5阻害剤からなる群から選択される、請求項12記載の医薬組成物。
【請求項14】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症を治療するための組成物であって、該治療を必要とする対象に投与され、治療上有効な量の請求項1記載のヘミフマレートを含む、前記組成物。
【請求項15】
HIV感染症を治療するための請求項11記載の医薬組成物であって、該治療を必要とする対象に、治療上有効な量で投与される、前記組成物。
【請求項16】
前記対象が、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド系阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、およびCCR5阻害剤からなる群から選択される、1種またはそれ以上の追加の治療薬を更に服用している、請求項14記載のHIV感染症を治療するための組成物。
【請求項17】
B型肝炎ウイルス(HBV)感染症を治療するための組成物であって、該治療を必要とする対象に投与され、治療上有効な量の請求項1記載のヘミフマレートを含む、前記組成物。
【請求項18】
HBV感染症を治療するための請求項11記載の医薬組成物であって、該治療を必要とする対象に、治療上有効な量で投与される、前記組成物。
【請求項19】
請求項1記載のヘミフマレートと、製薬上許容される賦形剤とを混ぜ合わせて、医薬組成物を提供する工程を含む、医薬組成物の製造方法。
【請求項20】
テノホビルアラフェナミドヘミフマレートを製造する方法であって、a)非プロトン性有機溶媒、b)フマル酸、c)テノホビルアラフェナミド、およびd)1またはそれ以上のテノホビルアラフェナミドヘミフマレートの種晶を混合する工程、及び追加のテノホビルアラフェナミドヘミフマレートを結晶化させる工程を含む、前記方法。
【請求項21】
前記溶媒がアセトニトリルを含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記溶液を、0℃〜75℃なる範囲の温度に暴露する、請求項20記載の方法。
【請求項23】
毎日多数回の服用量で投与される、請求項14記載のHIV感染症を治療するための組成物。
【請求項24】
毎日1回の服用量で投与される、請求項14記載のHIV感染症を治療するための組成物。
【請求項25】
毎日多数回の服用量で投与される、請求項17記載のHBV感染症を治療するための組成物。
【請求項26】
毎日1回の服用量で投与される、請求項17記載のHBV感染症を治療するための組成物。
【請求項27】
固体である、請求項3記載の組成物。
【請求項28】
固体である、請求項4記載の組成物。
【請求項29】
固体である、請求項5記載の組成物。
【請求項30】
テノホビルアラフェナミドヘミフマレートを製造する方法であって、以下の工程、
a)水、イソプロピルアルコール、アセトン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、イソプロピルアセテート、ヘプタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、またはこれらの混合物を含む溶媒、b)フマル酸、c)テノホビルアラフェナミド、およびd)1またはそれ以上のテノホビルアラフェナミドヘミフマレートの種晶を混合する工程、及び、
追加のテノホビルアラフェナミドヘミフマレートを0℃〜70℃の温度で結晶化させる工程、
を含む、前記方法。
【請求項31】
前記溶媒が、アセトニトリル及び50体積%までの塩化メチレンを含む、請求項30記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引照
本件特許出願は、2011年8月16日付で出願された米国仮特許出願第61/524,224号に基く優先権の利益を請求するものであり、該米国仮特許出願の内容全体を、ここに参考として組入れるものとする。
【背景技術】
【0002】
米国特許第7,390,791号および同第7,803,788号(これら米国特許各々の内容全体を、ここに参考として組入れる)は、治療において有用な、幾つかのホスホネートヌクレオチド類似体のプロドラッグを開示している。このようなプロドラッグの一つは、9-[(R)-2-[[(S)-[[(S)-1-(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニンである。この化合物は、またL-アラニン N-[(S)-[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]フェノキシホスフィニル]-1メチルエチルエーテルなるケミカルアブストラクト名によって公知である。米国特許第7,390,791号および同第7,803,788号も、モノフマレート形のこの化合物およびその製造方法(例えば、実施例4を参照のこと)を開示している。
【発明の概要】
【0003】
ヘミフマレート形の9[(R)2[[(S)[[(S)-1-(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニンがここに記載される。9[(R)2[[(S)[[(S)-1-(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニンの名称は、テノホビルアラフェナミド(tenofovir alafenamide)である。該ヘミフマレート形のテノホビルアラフェナミドは、ここではまた、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートとも呼ばれる。
【0004】
本発明による一態様においては、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートが提供される。
【0005】
もう一つの態様においては、テノホビルアラフェナミドに対する対フマル酸の比が、0.5±0.1、または0.5±0.05、または0.5±0.01、または約0.5である、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートが提供される。
【0006】
一態様においては、固体状態にあるテノホビルアラフェナミドヘミフマレートが提供される。
【0007】
一態様においては、X-線粉末回折(XRPD)パターンが、6.9±0.2°および8.6±0.2°なる2θの値を含む、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートが提供される。もう一つの態様においては、該XRPDパターンが、6.9±0.2°、8.6±0.2°、11.0±0.2°、15.9±0.2°および20.2±0.2°なる2θの値を含む、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートが提供される。
【0008】
一態様においては、131±2℃または131±1℃なる、示差走査熱量法(DSC)による立上がり吸熱温度(onset endotherm)を持つテノホビルアラフェナミドヘミフマレートが提供される。
【0009】
一態様においては、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートおよび製薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物が提供される。もう一つの態様においては、更に追加の治療薬をも含む医薬組成物が提供される。更なる態様において、該追加の治療薬は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のプロテアーゼを阻害する化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド系阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、およびCCR5阻害剤からなる群から選択される。
【0010】
一態様においては、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症を治療するための方法が提供され、該方法は、該治療を要する対象に、治療上有効な量のテノホビルアラフェナミドヘミフマレートを投与することを含む。もう一つの態様において、本発明は、HIV感染症の治療方法を提供し、該方法は、該治療を要する対象に、治療上有効な量の、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートを含有する医薬組成物を投与することを含む。更なる態様において、該方法は、該対象に、1またはそれ以上の追加の治療薬をも投与することを含み、ここで該追加の治療薬は、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド系阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、およびCCR5阻害剤からなる群から選択される。
【0011】
一態様においては、B型肝炎ウイルス(HBV)感染症を治療するための方法が提供され、該方法は、該治療を要する対象に、治療上有効な量のテノホビルアラフェナミドヘミフマレートを投与することを含む。もう一つの態様において、本発明は、HBV感染症の治療方法を提供するものであり、該方法は、該治療を要する対象に、治療上有効な量の、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートを含有する医薬組成物を投与することを含む。
【0012】
一態様においては、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートと、製薬上許容される賦形剤とを混ぜ合わせて医薬組成物を得る工程を含む、医薬組成物の製造方法が提供される。
【0013】
一態様においては、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートを製造する方法が提供され、該方法は適当な溶媒、フマル酸、テノホビルアラフェナミド、および場合により1またはそれ以上のテノホビルアラフェナミドヘミフマレートの種晶を含む溶液を、該フマル酸および該テノホビルアラフェナミドの結晶化をもたらす条件に曝す工程を含む。一態様において、該溶媒はアセトニトリルを含む。もう一つの態様において、該溶液は、約0℃〜約75℃なる範囲の温度に曝される。
【0014】
一態様においては、医学的な治療において使用するための、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートが提供される。
【0015】
一態様においては、HIV感染症の予防的または治療的処置のための、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートの使用が提供される。もう一つの態様においては、HIV感染症を治療するための、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートの使用が提供される。更なる態様においては、HIV感染症治療用の医薬を調製または製造するための、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートの使用が提供される。更なる他の態様においては、HIV感染症の治療において使用するための、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートが提供される。
【0016】
一態様においては、HBV感染症の予防的または治療的処置のための、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートの使用が提供される。もう一つの態様においては、HBV感染症を治療するための、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートの使用が提供される。更なる態様においては、HBV感染症治療用の医薬を調製または製造するための、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートの使用が提供される。更なる他の態様においては、HBV感染症の治療において使用するための、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートが提供される。
【0017】
本発明の幾つかの態様において、前記治療方法等は、多数回に及ぶ毎日の服用量の投与を含む。他の態様において、該治療方法等は、一回の毎日の服用量での投与を含む。
【0018】
本発明の一態様においては、本質的にテノホビルアラフェナミドヘミフマレートからなる組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートの、X-線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0020】
【
図2】
図2は、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートのDSC分析のグラフを示す図である。
【0021】
【
図3】
図3は、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートに関する熱重量分析(TGA)データのグラフを示す図である。
【0022】
【
図4】
図4は、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートの動的蒸気収着(DVS)分析のグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の説明において、基、置換基、および範囲について列記される特定の値は、単に例示のためであり、これらは、他の定義された値、または該基および置換基に関する定義された範囲内の他の値を排除するものではない。
【0024】
一態様においては、ヘミフマレート形状にあるテノホビルアラフェナミド(即ち、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート)が提供される。このヘミフマレート形は、0.5±0.1、0.5±0.05、または0.5±0.01、または約0.5またはその他の、テノホビルアラフェナミドに対するフマル酸の比(即ち、化学量論比またはモル比)を持つことができる。
【0025】
一態様において、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、0.5±0.1なる比の、フマル酸およびテノホビルアラフェナミドからなっている。
【0026】
一態様において、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、0.5±0.1なる比の、フマル酸およびテノホビルアラフェナミドから本質的になっている。
【0027】
一態様において、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、6.9±0.2°、8.6±0.2°、10.0±0.2°、11.0±0.2°、12.2±0.2°、15.9±0.2°、16.3±0.2°、20.2±0.2°、および20.8±0.2°なる2θ値を含む、XRPDパターンを持つ。
【0028】
一態様において、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、6.9±0.2°、8.6±0.2°、10.0±0.2°、11.0±0.2°、12.2±0.2°、15.9±0.2°、16.3±0.2°、20.2±0.2°、および20.8±0.2°から選択される少なくとも4つの2θ値を含む、XRPDパターンを持つ。
【0029】
一態様において、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、131±2℃または131±1℃なるDSC立上がり吸熱温度を持つ。
【0030】
一態様において、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート組成物は、約5質量%未満のテノホビルアラフェナミドモノフマレートを含む。
【0031】
一態様において、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート組成物は、約1質量%未満のテノホビルアラフェナミドモノフマレートを含む。
【0032】
一態様において、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート組成物は、約0.5質量%未満のテノホビルアラフェナミドモノフマレートを含む。
【0033】
一態様において、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート組成物は、検出し得るほどのテノホビルアラフェナミドモノフマレートを含むことはない。
【0034】
テノホビルアラフェナミド(即ち、化合物:9[(R)2[[(S)[[(S)-1-(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン)は、米国特許第7,390,791号に記載されているようにして製造することができる。
【0035】
選択的結晶化
一態様において、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、選択的結晶化法を用いて製造することができる。この製法の反応式の一例は以下に示す通りである:
【化1】
【0036】
この方法は、a) 適当な溶媒、b) フマル酸、c) テノホビルアラフェナミド、および場合によりd) 1またはそれ以上のテノホビルアラフェナミドヘミフマレートの種晶を含む溶液を、フマル酸およびテノホビルアラフェナミドの結晶化をもたらす条件に曝すことによって実施することができる。該出発溶液は、テノホビルアラフェナミドの単一のジアステレオマーまたはテノホビルアラフェナミドと1種またはそれ以上のその他のジアステレオマー(例えば、米国特許第7,390,791号に記載されているような、GS7339)との混合物を含むことができる。
【0037】
前記選択的結晶化法は、任意の適当な溶媒中で行うことができる。例えば、該結晶化法は、プロトン性溶媒または非プロトン性溶媒、またはこれらの混合物中で行うことができる。一態様において、該溶媒は、プロトン性溶媒(例えば、水またはイソプロピルアルコール)を含む。もう一つの態様において、該溶媒は、非プロトン性有機溶媒(例えば、アセトン、アセトニトリル(ACN)、トルエン、酢酸エチル、イソプロピルアセテート、ヘプタン、テトラヒドロフラン(THF)、2-メチルTHF、メチルエチルケトン、またはメチルイソブチルケトン、またはこれらの混合物)を含む。一態様において、該溶媒は、ACNまたはACNと約50%(体積基準)までの塩化メチレンとの混合物を含む。該選択的結晶化は、また任意の適当な温度にて、例えば約0℃〜約70℃なる範囲の温度にて実施し得る。一特定の態様において、上記分割は、約0℃の温度にて行われる。
【0038】
ヘミフマレート形のテノホビルアラフェナミドの、該モノフマレート形のアラフェナミドを越える主な利点の一つは、該活性薬剤成分における主なジアステレオマー性の不純物である、GS7339(即ち、例えば、米国特許第7,390,791号に記載されている9[(R)2[[(R)-[[(S)-1-(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン)を取り除く例外的な能力である。即ち、テノホビルアラフェナミドのヘミフマレート形は、そのモノフマレート形よりも一層容易かつた易く不純物から分離することができる。テノホビルアラフェナミドヘミフマレートの、該モノフマレート形を凌駕する他の主な利点は、改善された熱力学的および化学的な安定性(長期保存安定性を含む)、優れた工程再現性、優れた薬物製品含有率の均一性、およびより高い融点を含む。
【0039】
テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、ヒトまたは動物における1またはそれ以上のウイルス感染症の治療および/または予防において有用であり、ここで該ウイルス感染症は、DNAウイルス、RNAウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、CMV、HSV 1、HSV 2、VZV)、レトロウイルス、ヘパドナウイルス(例えば、HBV)、パピローマウイルス、ハンタウイルス、アデノウイルスおよびHIVによって引起される感染症を含む。米国特許第6,043,230号(その内容全体をここに参考として組入れる)およびその他の刊行物は、ヌクレオチド類似体、例えばテノホビルジソプロキシルの抗-ウイルス特異性を記載している。テノホビルジソプロキシルと同様に、テノホビルアラフェナミドは、テノホビルのもう一つのプロドラッグ形であり、また同様な状態の治療および/または予防において使用することができる。
【0040】
テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、治療すべき状態に適した任意の経路によって投与することができる。適当な投与経路は、経口、経直腸、経鼻、局所(眼球内、頬内、舌下投与を含む)、経膣、および腸管外(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、鞘内、および硬膜外経路を含む)を包含する。一般に、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、経口経路を通して投与されるが、ここにおいて言及した上記他の経路の何れを通して投与することもできる。
【0041】
従って、医薬組成物は、経口、経直腸、経鼻、頬、舌下、経膣、または腸管外(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、鞘内、および硬膜外経路を含む)投与を包含する、局所的または全身的投与にとって適したものを含む。該処方物は、単位投与剤形にあり、また調剤術の分野において周知の方法の何れかによって調製される。
【0042】
経口による治療的投与のために、前記テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、1種またはそれ以上の賦形剤と混ぜ合わせることができ、また摂取可能な錠剤、バッカル錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、カシェ剤等の形状で使用することができる。このような医薬組成物および製剤は、典型的に少なくとも0.1%のテノホビルアラフェナミドヘミフマレートを含むであろう。該組成物および製剤におけるこの活性化合物の割合(%)は、勿論変更することができ、また有利には与えられた単位投与剤形の質量の、約2%〜約60%なる範囲またはそれ以上であり得る。このような治療上有用な医薬組成物における活性化合物の量は、好ましくは有効投薬レベルが、一回の単位服用量を投与(例えば、錠剤で)した際に得られるような量である。他の投薬処方物は、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートを準-臨床的に有効な量で反復的に投与した際に、該ヘミフマレートの治療上有効な量を与えることができる。好ましい単位服用量の処方物は、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートを、毎日の用量(例えば、毎日一回の用量)を含む処方物並びに毎日の準-臨床的な単位用量を含む処方物、またはその適当な部分(例えば、多数回に渡る毎日の用量)を含む処方物を包含する。
【0043】
経口投与に適した医薬組成物は、各々所定量のテノホビルアラフェナミドヘミフマレートを含有するカプセル剤、カシェ剤、または錠剤等の別々の単位として、散剤または顆粒剤として、水性液体または非水性液体形状にある液剤または懸濁剤として、あるいは油中水型の液状エマルションまたは水中油型の液状エマルションとして与えることができる。また、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、大型丸剤、舐剤またはペースト剤として与えることもできる。
【0044】
テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、好ましくは医薬組成物または処方物の一部として投与される。このような医薬組成物または処方物は、1種またはそれ以上の製薬上許容される担体/賦形剤、および場合により他の治療成分と共に、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートを含んでいる。該担体/賦形剤は、該処方物の他の成分に対して相溶性であり、かつ投与すべき患者にとって有害ではないという意味で「許容性」でなければならない。賦形剤とは、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートに対するビヒクルまたは媒体(例えば、希釈担体)として機能し得る物質を含むが、これらに限定されない。これらは硬質または軟質シェルゼラチンカプセル内に収容することができ、また圧縮して錠剤とすることができ、あるいは上記患者の食事内の食物に直接配合することができる。
【0045】
従って、前記錠剤、トローチ剤、ピル剤、カプセル剤等は、また、非限定的に、以下に列挙するものをも含む:バインダ、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース;フィラー、例えば微晶質セルロース、α-化澱粉、澱粉、マニトール、またはラクトース一水和物;崩壊剤、例えばクロスカルメロースナトリウム、架橋ポビドン、またはナトリウムデンプングリコレート;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはその他の金属ステアレート;甘味料、例えばスクロース、フルクトース、ラクトース、またはアスパルターム;および/または香味料、例えばペパーミント、冬緑油、またはチェリー香料。上記単位投与剤形が、カプセルである場合、該カプセルは、上記型の物質に加えて、液状担体、例えば植物油またはポリエチレングリコールを含むことができる。様々なその他の材料が、被覆として存在し、あるいはまた該固体の単位投与剤形の物理的な形状を改良するために存在し得る。例えば、錠剤、ピル剤またはカプセル剤は、ゼラチン、ポリマー、ワックス、セラック、または砂糖等で被覆することができる。勿論、任意の投与剤形を調製する際に使用するあらゆる材料は、典型的に製薬上許容されるものであり、しかもその使用される量において、実質的に無害である。加えて、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、持続放出型の製剤およびデバイスに組入れることができる。
【0046】
目または他の外部組織、例えば口および皮膚の感染症に対して、上記医薬組成物は、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートを含有する局所投与用の軟膏剤またはクリームとして適用することが好ましく、ここで該ヘミフマレートは、例えば0.01〜10%(w/w)なる範囲(、0.1%(w/w)なる段階的な増量にて0.1%〜5%なる範囲内の、例えば0.6%(w/w)、0.7%(w/w)等の量で活性成分を含む)、好ましくは0.2〜3%(w/w)なる範囲、および最も好ましくは0.5〜2%(w/w)なる範囲の量で含まれる。軟膏剤として処方される場合、該活性成分は、パラフィン系または水-混和性軟膏用基剤の何れかと共に使用し得る。あるいはまた、該活性成分は、油中水型のクリーム用基剤と共に、クリームに処方し得る。
【0047】
口腔内に局所投与するのに適した医薬組成物は、香味付けした基剤、例えばスクロースおよびアカシアまたはトラガカンス中にテノホビルアラフェナミドヘミフマレートを含有する飴(錠剤、ドロップ);不活性基剤、例えばゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシア中に該活性成分を含む香錠;および適当な液状担体中に該活性成分を含む口内洗浄薬を含む。
【0048】
経直腸投与用の処方物は、ココアバターまたはサリチレート等を含む適当な基剤を含有する坐剤として提供することができる。
【0049】
腸管外投与に適した薬剤処方物は、無菌であり、また酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および該処方物を、意図されたレシピエントの血液に対して等張性とする溶質を含むことのできる水性および非水性注射用液剤、および沈殿防止剤および増粘剤を含むことのできる、水性および非水性の無菌懸濁剤を包含する。これらの処方物は、単位用量または多重-用量の容器、例えば封止されたアンプルおよびエラストマー製の栓を備えたバイアルビン内に収納して提供することができ、また使用の直前に無菌液状担体(例えば、注射用の水)を添加することのみを必要とする、フリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することができる。注射用液剤および懸濁剤は、前に記載したような類の無菌粉末、顆粒剤、および錠剤から調製することができる。
【0050】
前に詳細に述べた成分に加えて、本発明の医薬組成物/処方物は、問題とする処方物の型を考慮して、当分野において伝統的な他の成分を含むことができる。
【0051】
もう一つの態様においては、獣医学的組成物が提供され、該組成物は、該組成物用の獣医学的担体と共に、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートを含む。獣医学的担体は、該組成物をネコ、イヌ、ウマ、ウサギ、およびその他の動物に投与するという目的にとって有用な材料であり、不活性であり、あるいは獣医学分野において許容され、しかも該活性成分と相溶性の固体、液体、またはガス状物質であり得る。これらの獣医学的組成物は、経口、腸管外、または任意の他の望ましい投与経路によって投与することができる。
【0052】
前記テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、マトリックスまたは吸収材料および本発明の活性成分を含む制御放出型薬剤処方物を得るために使用することができ、該制御放出型薬剤処方物において、該活性成分の放出は、低頻度での服用を可能とし、あるいは該化合物の薬物動態学的または有害なプロフィールを改善するように、制御しかつ調節することを可能とする。別々の単位が本発明の化合物を含んでいる、経口投与に適した制御放出型処方物は、従来法に従って製造することができる。
【0053】
テノホビルアラフェナミドヘミフマレートの有用な服用量は、インビトロ活性および動物モデルにおけるインビボ活性を比較することによって決定し得る。マウスおよび他の動物における有効量/服用量から、ヒトにおける治療上有効な量/服用量を推定する方法は、当分野において公知である。
【0054】
治療における使用のために必要なテノホビルアラフェナミドヘミフマレートの量は、投与経路、治療すべき状態の特徴、および年齢および患者の状態を含むがこれらに限定されない幾つかのファクタにより変動し、最終的に該投与量は、主治医または臨床医の裁量に委ねられるであろう。該テノホビルアラフェナミドヘミフマレートの治療上有効な量/用量は、少なくとも治療すべき状態の特徴、あらゆる毒性または薬物の相互作用の問題、該化合物が予防の目的で使用(例えば、しばしばより低い容量が必要とされる)または進行中の疾病または状態に対して使用されるのか否か、薬物の送達方法、および該薬剤処方物に依存し、また従来の用量漸増研究を利用する臨床医によって決定されるであろう。
【0055】
一態様において、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートを経口投与する際の用量は、1日当たり約0.0001〜約100mg/kg体重なる範囲、例えば1日当たり約0.01〜約10mg/kg体重なる範囲、1日当たり約0.01〜約5mg/kg体重なる範囲、1日当たり約0.5〜約50mg/kg体重なる範囲、1日当たり約1〜約30mg/kg体重なる範囲、1日当たり約1.5〜約10mg/kg体重なる範囲、1日当たり約0.05〜約0.5mg/kg体重なる範囲の値であり得る。非限定的な一例として、体重約70kgの成人のヒトに対する毎日の候補上の用量は、約0.1mg〜約1,000mgなる範囲、または約1mg〜約1,000mgなる範囲、または約5mg〜約500mgなる範囲、または約1mg〜約150mgなる範囲、または約5mg〜約150mgなる範囲、または約5mg〜約100mgなる範囲内にあり、その投与剤形は、一回の用量または多数回の用量からなる形状であり得る。
【0056】
本明細書において記載する医薬組成物は、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートに加えて、更に1種またはそれ以上の治療薬を含むことができる。本発明の一特定の態様において、該追加の治療薬は、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド系阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、およびCCR5阻害剤からなる群から選択することができる。
【0057】
治療法は、該治療を要する対象/患者に、治療的または予防的な処置として、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートを投与することを含む。即ち、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、医学上の疾患を持つ対象/患者に、あるいは該疾患に罹患する可能性のある対象に投与することができる。当業者は、このような治療が、或る疾患(再発した疾患を含む)の症状または一群の症状を、改善し、予防し、遅延し、治癒させ、および/または該症状の重篤度を軽減するために施されることを理解するであろう。この治療は、また対象の生存期間を延長することを可能とし、例えばこのような治療がなされなかった際に予想される生存期間を越えて生存することをも可能とする。テノホビルアラフェナミドヘミフマレートを用いて治療し得る医学上の疾患は、本明細書において論じた諸疾患を含み、例えばHIV感染症およびHBV感染症を含むがこれらに限定されない。
【実施例】
【0058】
以下に与えられるものは、非限定的かつ例証的な実施例である。
【0059】
実施例1
テノホビルアラフェナミドモノフマレート固体(5.0g)および9-[(R)-2-[[(R)-[[(S)-1-(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(GS-7339)モノフマレート固体(0.75 g)を、22℃にて35gのMTBE中に装入し、得られたこの混合物を1時間に渡り攪拌した。スラリーが生成され、これをロータリーエバポレータで乾燥した。58gのアセトニトリル(ACN)をここで得た固体に装入し、得られた混合物を加熱還流して、該固体を溶解させた。得られたこの溶液を攪拌しつつ自然冷却させた。スラリーが生成したが、このスラリーを氷-水浴により更に冷却した。これらの固体を濾過により単離し、5gのACNにより洗浄した。該固体を40℃にて一夜、真空オーブン内で乾燥した。5.52gの灰白色固体を得た。該固体をXRPDにより分析したところ、該固体が、テノホビルアラフェナミドモノフマレート、GS-7339モノフマレート、およびテノホビルアラフェナミドヘミフマレートを含むことが分かった。
【0060】
実施例2:選択的結晶化によるテノホビルアラフェナミドヘミフマレートの製造
ACN中に分散されたスラリー状態にある、9-[(R)-2-[[[[(S)-1-(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(9.7kgのスラリー、13.8質量%、1.0kg(2.10M、1モル当量)の9-[(R)-2-[[(S)-[[(S)-1-(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニンおよび0.35kgの9-[(R)-2-[[(R)-[[(S)-1-(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニンとのジアステレオマー混合物)を、反応器に装入し、予めジクロロメタン(5kg)ですすいだ。この混合物を、ジャケット温度40℃以下にて、減圧条件下で約3Lとなるまで濃縮した。次いで、得られた濃縮物を、ジャケット温度40℃以下にて減圧条件下で、約3Lとなるまで、ACN(6kg)と共に同時蒸発させた。この濃縮物を、ACN(8.5kg)で希釈し、40-46℃に加温した。この加温した混合物を、第二の反応器に濾し取り、該濾液を19-25℃まで冷却した。
【0061】
上記溶液に、フマル酸(0.13kg、1.12M、0.542モル当量)に装入し、次いでACN(1kg)を添加し、この混合物を67-73℃に加熱した。この加熱混合物を、研摩フィルタ(polishing filter)を通して反応器に移し、次いでその温度を54-60℃に調節した。ヘミフマレート形状にあるテノホビルアラフェナミドの種結晶(5g)を投入(例えば、この混合物は実施例1において作成された、またはその後の製造によるテノホビルアラフェナミドヘミフマレートを用いて播種することができる)し、得られた混合物を約30分間に渡り54-60℃にて攪拌した。この混合物を0-6℃なる温度に、最低でも4時間に渡り冷却し、次いで0-6℃にて最適でも1時間に渡り攪拌した。得られたスラリーを濾過し、冷却(0-6℃)されたACN(2kg)で濯いだ。この生成物を、45℃以下にて減圧条件下で、乾燥損失(LOD)および有機揮発性不純物(OVI)の限界が、条件(LOD≦1.0%、ジクロロメタン含有率≦0.19%、アセトニトリル含有率≦0.19%)を満たすまで乾燥させて、白色乃至灰白色の粉末としての、ヘミフマレート形状にあるテノホビルアラフェナミドの最終的な化合物を得た(典型的な収量は、約0.95kgである)。
1H NMR (400 MHz, d6 DMSO): δ 1.06 (d, J = 5.6 Hz, 3H)、1.12-1.16 (m, 9H)、3.77 (dd, J = 10.4, 11.6 Hz, 1H)、3.84-3.90 (m, 2H)、3.94 (m, 1H)、4.14 (dd, J = 6.8, 14.8 Hz, 1H)、4.27 (m, 1H)、4.85 (ヘプテット、J = 6.0 Hz, 1H)、5.65 (t, J = 11.2 Hz, 1H)、6.63 (s, 1H)、7.05 (d. J = 7.6 Hz, 2H)、7.13 (t, J = 7.2 Hz, 1H)、7.24 (s, 2H)、7.29 (t, J = 7.6 Hz, 2H)、8.13 (t, J = 13.6 Hz, 2H);
31P NMR (162 MHz, d6 DMSO): δ 23.3。
【0062】
実施例3:テノホビルアラフェナミドヘミフマレートの製造
オーバーヘッド攪拌機を備えたジャケット付き反応器に、9[(R)-2-[[(S)-[[(S)-1-(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニン(10 g)、フマル酸(1.22 g)、およびACN(100 mL)を装入した。この混合物を70-75℃に加熱して、該固体を溶解させた。溶解しなかったあらゆる粒子を、カートリッジ式フィルタを通して濾過することにより除去した。この濾過処理した溶液を60-65℃に冷却し、1%(質量基準)のテノホビルアラフェナミドヘミフマレートを用いて播種した。得られたスラリーを30分間熟成させ、また0-5℃にて2時間に渡り冷却した。該スラリーのこの温度を1-18時間に渡り維持し、また得られるスラリーを濾過し、2mLの冷却したACN(0-5℃)で洗浄した。得られた固体を50℃にて減圧下で乾燥させて、ヘミフマレート形状にあるテノホビルアラフェナミドを得たが、これを以下のようにして特徴付けした。
【0063】
実施例3由来のテノホビルアラフェナミドヘミフマレートの特徴付け
実施例3で作成したテノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、9[(R)-2-[[(S)-[[(S)-1-(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニンおよび1/2等量のフマル酸からなっている。テノホビルアラフェナミドヘミフマレートは、無水かつ非吸湿性であり、また約131℃なる立上がり吸熱温度を持つ。
【0064】
X-線粉末回折
テノホビルアラフェナミドヘミフマレートのXRPDパターンは、以下のような実験的設定において得られた:45KV、45mA、Kα1=1.5406Å、走査角度:2〜40°、ステップサイズ:0.0084°、計測時間:8.25秒。テノホビルアラフェナミドヘミフマレートに関するXRPDパターンを
図1に示した。該化合物の特性ピークは以下のものを含む:6.9±0.2°、8.6±0.2°、10.0±0.2°、11.0±0.2°、12.2±0.2°、15.9±0.2°、16.3±0.2°、20.2±0.2°、および20.8±0.2°。
【0065】
単結晶X-線回折
結晶のサイズは0.32x0.30x0.20mm
3であった。このサンプルを、123Kに維持し、得られるデータを、1.59〜25.39°なる範囲の角θにおいて、波長0.71073Åを使用して集めた。この単結晶X-線回折の条件および該分析により集められたデータを、以下の表1に示す。
【表1】
【0066】
DSC分析
2.517mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマレートを用いて、DSC分析を行った。このサンプルを40〜200℃なる温度範囲に渡り、10℃/分なる昇温速度にて加熱した。このサンプルの立上がり吸熱温度は、131℃であることが分かった(
図2)。
【0067】
TGAデータ
4.161mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマレートを用いて、TGAデータを得た。このサンプルを25〜200℃なる温度範囲に渡り、10℃/分なる昇温速度にて加熱した。このサンプルは、溶融する前に0.3%の質量を失った(
図3)。この化合物は無水形状にあるものと判断された。
【0068】
DVS分析
4.951mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマレートを用いて、DVS分析を行った。この物質を10%〜90%なる範囲の相対湿度にて、窒素中で25℃に維持し、各段階は、120分間に渡り平衡化させた。その収着等温曲線を
図4に示す。この物質が、非吸湿性であり、また90%なる相対湿度において0.65%の水を吸収することを見出した。
【0069】
ジアステレオマー系不純物の除去(パージング)
テノホビルアラフェナミドの以前の合成において、主な不純物の一つは、典型的に9-[(R)-2-[[(R)-[[(S)-1-(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニンである。実施例3由来のヘミフマレート形のテノホビルアラフェナミドは、モノフマレート形の該化合物(米国特許第7,390,791号に記載されている)の能力と比較して、例外的に高い、このジアステレオマー系不純物を除去する能力を有している。表2(以下に与えられる)におけるデータは、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート(バッチ2)が、出発濃度の1/10未満にまで、該ジアステレオマー系不純物を除去し、一方でモノフマレート形のテノホビルアラフェナミド(バッチ1)が、ほんの僅かに該ジアステレオマー系不純物を除去するに過ぎないことを立証している。
【表2】
【0070】
化学的安定性
上記ヘミフマレート形のテノホビルアラフェナミドに関する化学的な安定性を、上記モノフマレート形のテノホビルアラフェナミドと比較した。表3(以下に与えられる)に示したように、同一条件の下で、該ヘミフマレート形のテノホビルアラフェナミドは、該モノフマレート形の該化合物よりも有意に低い分解(全分解生成物の割合(%))と共に、化学的により安定であり、かつより良好な長期間の保存安定性を示した。評価条件は温度、相対湿度(RH)、および容器キャップの開放または閉鎖状態を含む。
【表3】
TA
*:これはテノホビルアラフェナミドを表す。
【0071】
熱力学的安定性
テノホビルアラフェナミドヘミフマレートの安定型スクリーニングは、殆どの溶媒、例えばACN、トルエン、酢酸エチル、メチルt-ブチルエーテル(MTBE)、アセトン、THF、および2-メチルTHFにおいて、該ヘミフマレート形が熱力学的に安定であることを示した。上記モノフマレート形の該化合物の同様な安定型スクリーニングは、上に列挙した溶媒において、該モノフマレート形が熱力学的に安定ではないことを示した。これらの溶媒中に懸濁させた場合、テノホビルアラフェナミドのモノフマレート形は、周囲温度において、THFおよび2-メチルTHF中では完全にそのヘミフマレート形に転化され、またACN、酢酸エチル、MTBE、およびアセトン中では、部分的にそのヘミフマレート形に転化される。
【0072】
熱安定性
上記DSCデータによって示されたように、上記テノホビルアラフェナミドのヘミフマレート形は、上記モノフマレート形の融点よりも約10℃高い融点を持つが、このことは、該ヘミフマレート形が、該モノフマレート形と比較して改善された熱安定性を持つことを示している。
【0073】
全ての刊行物、特許および特許文献は、恰も個々に参考として組入れられている如く、参考として本明細書に組入れられるものである。以上、本発明を、様々な、特別かつ好ましい態様および技術を参照しつつ説明した。しかし、多くの変更および改良を施すことが可能であり、これら変更、改良は本発明の精神および範囲内に維持されるものであることを理解すべきである。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕テノホビルアラフェナミドヘミフマレート。
〔2〕テノホビルアラフェナミドに対するフマル酸の比が、0.5±0.1であることを特徴とする、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート。
〔3〕テノホビルアラフェナミドに対するフマル酸の比が、0.5±0.05である前記〔2〕記載のヘミフマレート。
〔4〕テノホビルアラフェナミドに対するフマル酸の比が、0.5±0.01である前記〔2〕記載のヘミフマレート。
〔5〕テノホビルアラフェナミドに対するフマル酸の比が、約0.5である前記〔2〕記載のヘミフマレート。
〔6〕固体状態にある、前記〔1〕〜〔5〕の何れか1項に記載のヘミフマレート。
〔7〕X-線粉末回折(XRPD)パターンが、6.9±0.2°および8.6±0.2°なる2θの値を含む、テノホビルアラフェナミドヘミフマレート。
〔8〕前記XRPDパターンが、6.9±0.2°、8.6±0.2°、11.0±0.2°、15.9±0.2°および20.2±0.2°なる2θの値を含む、前記〔7〕記載のヘミフマレート。
〔9〕131±2℃なる示差走査熱量法(DSC)の立上がり吸熱温度を持つ、前記〔1〕記載のヘミフマレート。
〔10〕131±1℃なるDSCの立上がり吸熱温度を持つ、前記〔9〕記載のヘミフマレート。
〔11〕前記〔1〕〜〔10〕の何れか1項に記載のヘミフマレートおよび製薬上許容される賦形剤を含むことを特徴とする、医薬組成物。
〔12〕更に、追加の治療薬を含む、前記〔11〕記載の医薬組成物。
〔13〕前記追加の治療薬が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロテアーゼ阻害化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド系阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、およびCCR5阻害剤からなる群から選択される、前記〔12〕記載の医薬組成物。
〔14〕ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症を治療する方法であって、該治療を必要とする対象に、治療上有効な量の前記〔1〕〜〔10〕の何れか1項に記載のヘミフマレートを投与することを特徴とする、前記方法。
〔15〕HIV感染症を治療する方法であって、該治療を必要とする対象に、治療上有効な量の前記〔11〕記載の医薬組成物を投与することを特徴とする、前記方法。
〔16〕更に、前記対象に、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド系阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、およびCCR5阻害剤からなる群から選択される、1種またはそれ以上の追加の治療薬を投与することをも含む、前記〔14〕または〔15〕記載のHIV感染症の治療方法。
〔17〕B型肝炎ウイルス(HBV)感染症を治療する方法であって、該治療を必要とする対象に、治療上有効な量の前記〔1〕〜〔10〕の何れか1項に記載のヘミフマレートを投与することを特徴とする、前記方法。
〔18〕HBV感染症を治療する方法であって、該治療を必要とする対象に、治療上有効な量の前記〔11〕記載の医薬組成物を投与することを特徴とする、前記方法。
〔19〕前記〔1〕〜〔10〕の何れか1項に記載のヘミフマレートと、製薬上許容される賦形剤とを混ぜ合わせて、医薬組成物を得ることを特徴とする、医薬組成物の製造方法。
〔20〕テノホビルアラフェナミドヘミフマレートを製造する方法であって、a)適当な溶媒、b)フマル酸、c)テノホビルアラフェナミド、およびd)1またはそれ以上のテノホビルアラフェナミドヘミフマレートの種晶を含む溶液を、該フマル酸および該テノホビルアラフェナミドの結晶化をもたらす条件に曝す工程を含む、前記方法。
〔21〕前記溶媒がアセトニトリルを含む、前記〔20〕記載の方法。
〔22〕前記溶液を、約0℃〜約75℃なる範囲の温度に暴露する、前記〔20〕記載の方法。
〔23〕医学的治療において使用するための前記〔1〕〜〔10〕の何れか1項に記載のヘミフマレート。
〔24〕HIV感染症の予防的または治療的処置のための、前記〔1〕〜〔10〕の何れか1項に記載のヘミフマレートの使用。
〔25〕HIV感染症を治療するための前記〔1〕〜〔10〕の何れか1項に記載のヘミフマレートの使用。
〔26〕HIV感染症を治療するための医薬を調製または製造するための、前記〔1〕〜〔10〕の何れか1項に記載のヘミフマレートの使用。
〔27〕HIV感染症の治療において使用するための、前記〔1〕〜〔10〕の何れか1項に記載のヘミフマレート。
〔28〕HBV感染症の予防的または治療的処置のための、前記〔1〕〜〔10〕の何れか1項に記載のヘミフマレートの使用。
〔29〕HBV感染症を治療するための前記〔1〕〜〔10〕の何れか1項に記載のヘミフマレートの使用。
〔30〕ヒトにおけるHBV感染症を治療するための医薬を調製または製造するための、前記〔1〕〜〔10〕の何れか1項に記載のヘミフマレートの使用。
〔31〕HBV感染症の治療において使用するための、前記〔1〕〜〔10〕の何れか1項に記載のヘミフマレート。
〔32〕前記ヘミフマレートが、毎日多数回の服用量で投与される、前記〔14〕記載のHIV感染症を治療する方法。
〔33〕前記ヘミフマレートが、毎日1回の服用量で投与される、前記〔14〕記載のHIV感染症を治療する方法。
〔34〕前記ヘミフマレートが、毎日多数回の服用量で投与される、前記〔17〕記載のHBV感染症を治療する方法。
〔35〕前記ヘミフマレートが、毎日1回の服用量で投与される、前記〔17〕記載のHBV感染症を治療する方法。
〔36〕テノホビルアラフェナミドヘミフマレートから本質的になる組成物。
〔37〕テノホビルアラフェナミドに対するフマル酸の比が0.5±0.1である、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートから本質的になる組成物。
〔38〕前記テノホビルアラフェナミドに対するフマル酸の比が0.5±0.05である、前記〔37〕記載の組成物。
〔39〕前記テノホビルアラフェナミドに対するフマル酸の比が0.5±0.01である、前記〔37〕記載の組成物。
〔40〕前記テノホビルアラフェナミドに対するフマル酸の比が約0.5である、前記〔37〕記載の組成物。
〔41〕固体形状にある、前記〔36〕〜〔40〕の何れか1項に記載の組成物。
〔42〕XRPDパターンが、6.9±0.2°および8.6±0.2°なる2θの値を含む、テノホビルアラフェナミドヘミフマレートから本質的になる組成物。
〔43〕前記XRPDパターンが6.9±0.2°、8.6±0.2°、11.0±0.2°、15.9±0.2°および20.2±0.2°なる2θの値を含む、前記〔42〕記載の組成物。
〔44〕131±2℃なるDSCの立上がり吸熱温度を持つ、前記〔36〕記載の組成物。
〔45〕131±1℃なるDSCの立上がり吸熱温度を持つ、前記〔44〕記載の組成物。
〔46〕前記〔36〕〜〔45〕の何れか1項に記載の組成物および製薬上許容される賦形剤を含むことを特徴とする、医薬組成物。
〔47〕更に、追加の治療薬を含む、前記〔46〕記載の医薬組成物。
〔48〕前記追加の治療薬が、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド系阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、およびCCR5阻害剤からなる群から選択される、前記〔47〕記載の医薬組成物。
〔49〕HIV感染症を治療する方法であって、該治療を必要とする対象に、治療上有効な量の前記〔36〕〜〔45〕の何れか1項に記載の組成物を投与することを含む、前記治療方法。
〔50〕HIV感染症を治療する方法であって、該治療を必要とする対象に、治療上有効な量の前記〔46〕記載の医薬組成物を投与することを含む、前記治療方法。
〔51〕更に、前記対象に、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド系阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド系阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、およびCCR5阻害剤からなる群から選択される、1種またはそれ以上の追加の治療薬を投与することを含む、前記〔49〕または〔50〕記載の、HIV感染症を治療する方法。
〔52〕HBV感染症を治療する方法であって、該治療を必要とする対象に、治療上有効な量の前記〔36〕〜〔45〕の何れか1項に記載の組成物を投与することを含む、前記治療方法。
〔53〕HBV感染症を治療する方法であって、該治療を必要とする対象に、治療上有効な量の前記〔46〕記載の医薬組成物を投与することを含む、前記治療方法。
〔54〕前記〔36〕〜〔45〕の何れか1項に記載の組成物と、製薬上許容される賦形剤とを混ぜ合わせて、医薬組成物を得ることを特徴とする、医薬組成物の製造方法。
〔55〕医学的治療において使用するための、前記〔36〕〜〔45〕の何れか1項に記載の組成物。
〔56〕HIV感染症の予防的または治療的処置のための、前記〔36〕〜〔45〕の何れか1項に記載の組成物の使用。
〔57〕HIV感染症を治療するための、前記〔36〕〜〔45〕の何れか1項に記載の組成物の使用。
〔58〕HIV感染症を治療するための医薬を調製または製造するための、前記〔36〕〜〔45〕の何れか1項に記載の組成物の使用。
〔59〕HIV感染症の治療において使用するための、前記〔36〕〜〔45〕の何れか1項に記載の組成物。
〔60〕HBV感染症の予防的または治療的処置のための、前記〔36〕〜〔45〕の何れか1項に記載の組成物の使用。
〔61〕HBV感染症を治療するための、前記〔36〕〜〔45〕の何れか1項に記載の組成物の使用。
〔62〕ヒトにおけるHBV感染症を治療するための医薬を調製または製造するための、前記〔36〕〜〔45〕の何れか1項に記載の組成物の使用。
〔63〕HBV感染症の治療において使用するための、前記〔36〕〜〔45〕の何れか1項に記載の組成物。
〔64〕前記ヘミフマレートが、毎日多数回の服用量にて投与される、前記〔49〕記載のHIV感染症の治療方法。
〔65〕前記ヘミフマレートが、毎日1回の服用量にて投与される、前記〔49〕記載のHIV感染症の治療方法。
〔66〕前記ヘミフマレートが、毎日多数回の服用量にて投与される、前記〔52〕記載のHBV感染症の治療方法。
〔67〕前記ヘミフマレートが、毎日1回の服用量にて投与される、前記〔52〕記載のHBV感染症の治療方法。