特許第5651312号(P5651312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5651312
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月7日
(54)【発明の名称】圧電デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H03B 5/32 20060101AFI20141211BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20141211BHJP
   H01L 23/04 20060101ALI20141211BHJP
【FI】
   H03B5/32 H
   H03B5/32 Z
   H01L21/60 311Q
   H01L23/04 D
【請求項の数】1
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2009-199916(P2009-199916)
(22)【出願日】2009年8月31日
(65)【公開番号】特開2011-55083(P2011-55083A)
(43)【公開日】2011年3月17日
【審査請求日】2012年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000104722
【氏名又は名称】京セラクリスタルデバイス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】赤川 宏明
【審査官】 畑中 博幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−311380(JP,A)
【文献】 特開2005−341045(JP,A)
【文献】 特開2005−318524(JP,A)
【文献】 特開2002−330027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03B 5/32
H01L 21/60
H01L 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚部と脚部の一方の端部の一方の主面に搭載部と脚部の他方の端部に外部接続部とが設けられた複数の外部接続リードと、脚部と脚部の一方の端部の一方の主面と他方の端部の他方の主面とに搭載部が設けられた複数の部品素子接続リードであって、前記外部接続リードの搭載部と前記部品素子接続リードの一方の主面に設けられた搭載部とに集積回路素子を搭載する集積回路素子搭載工程と、
前記集積回路素子が搭載された前記部品素子接続リードの他方の端部の他方の主面に設けられた搭載部に、部品素子を搭載する部品素子搭載工程と、
前記外部接続リード及び前記部品素子接続リードの一方の主面に搭載された前記集積回路素子と、前記部品素子接続リードに搭載された前記部品素子との間のみに樹脂を流し込み、前記樹脂を硬化させる樹脂充填工程と、
からなることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に用いられる圧電デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯用通信機器や電子計算機等の電子機器を構成する電子部品の一つとして、圧電デバイスが用いられる。
ここで、従来の圧電デバイスとして、圧電発振器及びこの圧電発振器の製造方法を例に説明する。
【0003】
圧電発振器は、例えば、複数のリードと、集積回路素子と、樹脂パッケージと、圧電振動素子と、蓋部材と、から主に構成されている。
【0004】
リードは、金属などの導電材料が用いられる。また、リードは、脚部と、この脚部の両端に搭載部と外部接続部とが設けられている。この搭載部には、後述する集積回路素子又は/及び圧電振動素子が、導電材料によって搭載されている。また、この外部接続端子は、圧電発振器の外部との接続用に用いられる。ここで、圧電発振器は、例えば、リードが4つ設けられている。
【0005】
集積回路素子は、リードに設けられた搭載部の一方の主面に搭載される。集積回路素子は、例えば、フリップチップボンディングされてリードに搭載される。また、集積回路素子は、後述する圧電振動素子の信号に基づいて発振出力を制御する発振回路の機能を備えている。
【0006】
樹脂パッケージは、リードに設けられた搭載部の他方の主面と、リードに設けられた外部接続部とが露出した状態で集積回路素子を封止している。また、この樹脂パッケージは、熱硬化樹脂が樹脂成型金型内に射出されて硬化することで設けられている。
つまり、この樹脂パッケージは、リードに搭載された集積回路素子を覆うことで、リードに設けられた搭載部の一方の主面と集積回路素子との接着強度を向上させる役割を果たしている。
【0007】
圧電振動素子は、圧電材料からなる圧電片と、圧電片の両主面に設けられた励振電極と、一方の端部が励振電極と接続し、他方の端部が圧電片の一方の端部に位置している引き回し電極と、から主に構成されている。
また、圧電振動素子は、リードに設けられた搭載部の他方の主面に搭載される。ここで、圧電振動素子は、例えば、引き回し電極と搭載部の他方の主面とが導電性接着剤で固定されてリードに搭載される。このとき、圧電振動素子の引き回し電極と所定の2つの集積回路素子端子とが電気的に接続となるように、搭載部が設けられている。
つまり、圧電振動素子は、樹脂パッケージの一方の主面に露出された搭載部の他方の主面に導電性接着剤によって固定されて搭載されている。
【0008】
蓋部材は、矩形形状の平板に設けられた蓋本体部と、矩形形状の平板であって枠形状に設けられた蓋壁部とから主に構成されている。蓋部材は、蓋本体部の一方の主面の縁部に枠形状の蓋壁部が設けられることで、一方の主面に部品素子用凹部空間が設けられている。また、この蓋部材は、蓋部材と樹脂パッケージとが接合することで、樹脂パッケージの一方の主面に搭載されている部品素子を封止している(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
このような圧電発振器の製造方法は、例えば、集積回路素子搭載工程と、集積回路素子封止工程と、圧電振動素子搭載工程と、圧電振動素子封止工程と、から主に構成されている。
【0010】
集積回路素子搭載工程は、リードに設けられた搭載部の一方の主面に集積回路素子を搭載する工程である。つまり。集積回路素子搭載工程では、集積回路素子の一方の主面に設けられた所定の集積回路素子端子と、所定のリードに設けられた搭載部の一方の主面とが、電気的に接続となるように固定されて搭載される。集積回路素子搭載工程は、例えば、フリップチップボンディングによって、集積回路素子がリードの搭載部に搭載される。
【0011】
集積回路素子封止工程は、例えば、カバー形成工程と樹脂パッケージ形成工程とから主に構成されている。
カバー形成工程は、搭載部の他方の主面と脚部と外部接続部とにカバーを設ける工程である。
樹脂パッケージ形成工程は、搭載部の一方の主面に搭載された集積回路素子を樹脂パッケージで封止する工程である。このときカバーが、搭載部の他方の主面と脚部と外部接続部に設けられている。この樹脂パッケージ形成工程では、集積回路素子が搭載されたリードを樹種成形金型内に搭置させ、この樹脂成型金型内に熱硬化性樹脂を射出させ、硬化することで、集積回路素子が封止された樹脂パッケージを設けている。
集積回路素子封止工程に於いて、集積回路素子を封止する樹脂パッケージを設けることで、集積回路素子とリードに設けられた搭載部の一方の主面との接着強度を向上させることができる。
【0012】
圧電振動素子搭載工程は、リードに設けられた搭載部の他方の主面に、圧電振動素子を搭載する工程である。ここで、圧電振動素子搭載工程では、例えば、圧電振動素子に設けられた引き回し電極が、導電性接着剤により、リードに設けられた搭載部の他方の主面に固定されて、搭載される。なお、圧電振動素子が搭載される搭載部は、集積回路素子に設けられた所定の2つの集積回路素子端子と電気的に接続となるような構造となっている。
圧電振動素子搭載工程では、搭載部の他方の主面が露出していうる樹脂パッケージの一方の主面に圧電振動素子が搭載される。
【0013】
圧電振動素子封止工程は、樹脂パッケージに搭載された圧電振動素子を蓋部材で気密封止する工程である。
蓋部材は、一方の主面に部品素子用凹部空間が設けられている。
圧電振動素子封止工程では、蓋部材の一方の主面と樹脂パッケージの一方の主面とが接合されて、この蓋部材に設けられた部品素子用凹部空間内に圧電振動素子が気密封止される。
ここで、圧電振動素子封止工程では、例えば、蓋部材と樹脂パッケージとが低融点ガラスにより接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第4238779号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従来の圧電デバイスの製造方法は、リードと集積回路素子との接着強度を上げるために、樹脂パッケージを設けて集積回路素子を封止している。
このとき、リードに設けられた搭載部の他方の主面と外部接続端子が露出するように樹脂パッケージが設けられるが、搭載部の他方の主面と外部接続部を露出させるために、搭載部の他方の主面と外部接続部とにカバーを設けた状態で、樹脂成型金型内に熱硬化性樹脂が射出されて、硬化される。
つまり、このような従来の圧電デバイスの製造方法は、搭載部の他方の主面と脚部と外部接続端部とを露出させた状態で樹脂パッケージを設けるためにカバー形成工程が必要となる。従って、このような従来の圧電デバイスの製造方法は、カバー形成工程の分だけ工程が増えるので、圧電デバイスの生産性が低下する恐れがある。
【0017】
そこで、本発明は、樹脂パッケージを用いることなく、集積回路素子とリードの接着強度を保つことができ、生産性のよい圧電デバイスの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記課題を解決するため、本発明の圧電デバイスの製造方法は、脚部と脚部の一方の端部の一方の主面に搭載部と脚部の他方の端部に外部接続部とが設けられた複数の外部接続リードと、脚部と脚部の一方の端部の一方の主面と他方の端部の他方の主面とに搭載部が設けられた複数の部品素子接続リードであって、前記外部接続リードの搭載部と前記部品素子接続リードの一方の主面に設けられた搭載部とに集積回路素子を搭載する集積回路素子搭載工程と、前記集積回路素子が搭載された前記部品素子接続リードの他方の端部の他方の主面に設けられた搭載部に、部品素子を搭載する部品素子搭載工程と、前記外部接続リード及び前記部品素子接続リードの一方の主面に搭載された前記集積回路素子と、前記部品素子接続リードに搭載された前記部品素子との間のみに樹脂を流し込み、前記樹脂を硬化させる樹脂充填工程と、からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
このような圧電デバイスの製造方法は、リードに搭載された集積回路素子とリードに搭載された部品素子との間に、樹脂を流しこみ硬化させることで、集積回路素子とリードとの接着強度を上げている。つまり、このような圧電デバイスの製造方法は、従来の圧電デバイスの製造方法のように、樹脂パッケージを設けることなく、リードと集積回路素子との接着強度を保つことができる。
このため、このような圧電デバイスの製造方法は、樹脂パッケージを設ける必要がないので、集積回路素子搭載工程に於いてカバー形成工程が不要となり、圧電デバイスの生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】(a)は、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す概念図であり、(b)は、図1(a)のA−A断面図である。
図2】本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す分解斜視図である。
図3】本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスに用いられる部品素子の分解斜視図である。
図4】本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスに用いられるリードの斜視図である。
図5】本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスに用いられる集積回路素子の斜視図である。
図6】本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスに於いて、集積回路素子にリードが搭載された状態の一例を示す概念図である。
図7】本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスに於いて、部品素子にリードが搭載された状態の一例を示す概念図である。
図8】(a)は、集積回路素子搭載工程前の状態の一例を示す概念図であり、(b)は、集積回路素子搭載工程後の状態の一例を示す概念図である。
図9】(a)は、部品素子搭載工程前の状態の一例を示す概念図であり、(b)は、部品素子搭載工程後の状態の一例を示す概念図である。
図10】(a)は、樹脂充填工程前の状態の一例を示す断面図であり、(b)は、樹脂充填工程後の状態の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、各図面において、各構成要素の状態をわかりやすくするために誇張して図示している。
【0024】
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスいついて説明する。なお、圧電デバイスを圧電振動子として説明する。
図1(a)は、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す概念図である。図1(b)は、図1(a)のA−A断面である。図2は、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの一例を示す分解斜視図である。図3は、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスに用いられる部品素子の分解斜視図である。
また、図4は、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスに用いられる部品素子の分解斜視図である。図5は、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスに用いられる集積回路素子の斜視図である。
また、図6は、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスに於いて、集積回路素子にリードが搭載された状態の一例を示す概念図である。図7は、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスに於いて、部品素子にリードが搭載された状態の一例を示す概念図である。
【0025】
本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、図1(a)に示すように、複数のリード111,112,113,114,115,116,117,118と、集積回路素子120と、部品素子である圧電振動子130と、樹脂Jと、から主に構成されている。
【0026】
部品素子である圧電振動子130は、図2及び図3に示すように、蓋部材131と、圧電振動素子132と素子搭載部材133と、から主に構成されている。
【0027】
素子搭載部材133は、例えば、図2及び図3に示すように、矩形形状の平板に設けられている。
素子搭載部材133は、図3に示すように、一方の主面に、2つ一対の圧電振動素子搭載パッドPが設けられている。また、素子搭載部材133は、図2に示すように、他方の主面に、複数の部品素子搭載端子134(134a,134b,134c,134d)が設けられている。
【0028】
2つ一対の圧電振動素子搭載パッドPは、例えば、図3に示すように、素子搭載部材133の一方の主面であって、一方の短辺側に2つ並んで設けられている。
また、2つ一対の圧電振動素子搭載パッドPには、例えば、後述する圧電振動素子132が、導電性接着剤Dによって固定されて搭載される。
【0029】
部品素子搭載端子134は、例えば、図2に示すように、4個設けられている。また、部品素子搭載端子134は、素子搭載部材133の他方の主面の4隅に一つずつ設けられている。
ここで、所定の2つの部品素子搭載端子134a,134bは、前述した2つ一対の圧電振動素子搭載パッドPと電気的に接続されている。
また、所定の他の一つの部品素子搭載端子134cは、後述する蓋部材131と電気的に接続されており、グラウンドに接続されると、後述する蓋部材131をグラウンドと同電位にするグラウンド端子の機能を備えている。
【0030】
圧電振動素子132は、例えば、図2及び図3に示すように、圧電片132aと励振電極132bと引き回し電極132cとから主に構成されている。
【0031】
圧電片132aは、図2及び図3に示すように、矩形形状の平板に設けられている。
【0032】
励振電極132bは、例えば、2つ一対となっている。また、励振電極132bは、圧電片132aの両主面にそれぞれ設けられている。
一方の励振電極132bは、圧電片132aの一方の主面の中央部に設けられている。他方の励振電極132bは、圧電片132aの他方の主面であって、一方の励振電極132bと対向する位置に設けられている。
【0033】
引き回し電極132cは、例えば、2つ一対となっている。
また、引き回し電極132cは、一方の端部が、所定の励振電極132bと接続されている。また、引き回し電極132cは、他方の端部が、所定の励振電極132bが設けられた主面と対向する圧電片132aの主面であって、圧電片132aの一方の短辺側に位置するように設けられている。
つまり、一方の引き回し電極132cは、一方の端部が、一方の励振電極132bと接続されている。また、一方の引き回し電極132cは、他方の端部が、圧電片132aの他方の主面であって、圧電片132aの一方の短辺側に位置するように設けられている。
また、他方の引き回し電極132cは、一方の端部が、他方の励振電極132bと接続されている。また、他方の引き回し電極132cは、他方の端部が、圧電片132aの一方の主面であって、圧電片132aの一方の短辺側に位置するように設けられている。
【0034】
圧電振動素子132は、この引き回し電極132cと素子搭載部材133に設けられた圧電振動素子搭載パッドPとが、例えば、導電性接着剤Dにより、固定されて搭載される。つまり、圧電振動素子132は、所定の2つ一対の励振電極132bと所定の2つの部品素子搭載端子134a,134bとが、所定の圧電振動素子搭載パッドP及び導電性接着剤Dを介して、電気的に接続されている。
【0035】
蓋部材131は、例えば、図2及び図3に示すように、蓋本体部131aと蓋壁部131bとから主に構成されている。
【0036】
蓋本体部131aは、図2及び図3に示すように、矩形形状の平板に設けられている。
【0037】
蓋壁部131bは、図2に示すように、矩形形状の平板であって、枠形状に設けられている。
【0038】
蓋部材131は、図2に示すように、蓋本体部131aの一方の主面に枠形状の蓋部材131bが設けられて、一方の主面に圧電振動素子用凹部空間131cが設けられている。この圧電振動素子用凹部空間131cは、この底面が圧電振動素子132の主面より大きい大きさとなっている。
また、蓋部材131は、図3に示すように、一方の主面が、圧電振動素子132が搭載された素子搭載部材133の一方の主面と、ロウ材RZにより接合される。つまり、蓋部材131は、素子搭載部材133と接合され、圧電振動素子用凹部空間131c内に圧電振動素子132が気密封止される。
【0039】
部品素子である圧電振動子130は、蓋部材131と素子搭載部材133とが接合されて、素子搭載部材133の一方の主面に搭載された圧電振動素子132が、圧電振動素子用凹部空間131c内に気密封止された状態となっている。
【0040】
集積回路素子120は、部品素子である圧電振動子130の信号に基づいて発振出力を制御する発振回路の機能を備えている。
集積回路素子120は、例えば、図5に示すように、一方の主面に8個の集積回路素子搭載端子121(121a,121b,121c,121d)、122(122a,122b,122c,122d)が設けられている。
【0041】
集積回路素子搭載端子121,122は、図4に示すように、一方の長辺側に沿って4個並んで設けられており、他方の長辺側に沿って4個並んで設けられている。
ここで、第一の集積回路素子搭載端子121は、図5に示すように、集積回路素子120の一方の主面の4隅に一つずつ設けられている所定の4つの集積回路素子搭載端子121である。また、第二の集積回路素子搭載端子122は、図5に示すように、所定の他の4つの集積回路素子搭載端子122である。
【0042】
第一の集積回路素子搭載端子121は、本発明の第一の実施形態に係る電子デバイス100の外部接続端子の機能を備えている。
ここで、第一の集積回路素子搭載端子121aは、集積回路素子120を稼動させるための電圧を入力する電源電圧端子の機能を備えている。
また、第一の集積回路素子搭載端子121bは、出力端子の機能を備えている。
また、第一の集積回路素子搭載端子121cは、グラウンドに接続されるグラウンド端子の機能を備えている。
【0043】
また、所定の2つの第二の集積回路素子搭載端子122a,122bは、部品素子である圧電振動子130の信号が入力される部品素子信号端子の機能を備えている。
【0044】
リード111,112,113,114,115,116,117,118は、金属などの導電材料が用いられている。
また、リード111,112,113,114,115,116,117,118は、例えば、図1(a)及び図2に示すように、8つ設けられている。
ここで、この所定の4つのリード111,112,113,114を外部接続リードとする。また、所定の他の4つのリード115,116,117,118を部品素子接続リードとする。
【0045】
リード111は、図4に示すように、脚部111aと搭載部111bと外部接続部111cとから主に構成されている。リード111は、図4に示すように、搭載部111bの一方の端部が、脚部111aの一方の端部と接続されている構造となっている。
また、リード111は、図4に示すように、搭載部111bの他方の端部が集積回路素子120側に位置するように設けられている。
また、リード111は、図6に示すように、搭載部111bの一方の主面と電源電圧端子の機能を備えた第一の集積回路素子搭載端子121aとが、例えば、バンプBにより固定され、集積回路素子120に搭載される。
【0046】
リード112は、図4に示すように、脚部112aと搭載部112bと外部接続部112cとから主に構成されている。リード112は、図4に示すように、搭載部112bの一方の端部が、脚部112aの一方の端部と接続されている構造となっている。
また、リード112は、図4に示すように、搭載部112bの他方の端部が集積回路素子120側に位置するように設けられている。
また、リード112は、図6に示すように、搭載部112bの一方の主面と出力端子の機能を備えた第一の集積回路素子搭載端子121bとが、例えば、バンプBにより固定され、集積回路素子120に搭載される。
【0047】
リード113は、図4に示すように、脚部113aと搭載部113bと外部接続部113cとから主に構成されている。リード113は、図4に示すように、搭載部113bの一方の端部が、脚部113aの一方の端部と接続されている構造となっている。
また、リード113は、図4に示すように、搭載部113bの他方の端部が集積回路素子120側に位置するように設けられている。
また、リード113は、図6に示すように、搭載部113bの一方の主面とグラウンド端子の機能を備えた第一の集積回路素子搭載端子121cとが、例えば、バンプBにより固定され、集積回路素子120に搭載される。
【0048】
リード114は、図4に示すように、脚部114aと搭載部114bと外部接続部114cとから主に構成されている。リード114は、図4に示すように、搭載部114bの一方の端部が、脚部114aの一方の端部と接続されている構造となっている。
また、リード114は、図4に示すように、搭載部114bの他方の端部が集積回路素子120側に位置するように設けられている。
また、リード114は、図6に示すように、搭載部114bの一方の主面と第一の集積回路素子搭載端子121dとが、例えば、バンプBにより固定され、集積回路素子120に搭載される。
【0049】
なお、ここでは、外部接続リード111,112,113,114は、それぞれ外部接続部111c,112c,113c,114cの他方の端部が集積回路素子120側に位置するように設けられた構造となっているが、外部接続リード111c,112c,113c,114cが脚部111a,112a,113a,114aと接続されていれば、例えば、外部接続リード111,112,113,114の他方の端部が集積回路素子120側と反対側に位置するように設けられた構造となっていてもよい。
【0050】
リード115は、図4に示すように、平板に設けられており、搭載部の機能と脚部の機能とを備えている。つまり、リード115を搭載部としてみなすことができる。
また、リード115は、図6に示すように、このリード115の一方の主面と部品素子信号端子の機能を備えた第二の集積回路素子搭載端子122aとが、例えば、バンプBにより固定され、集積回路素子120に搭載される。
また、リード115は、図7に示すように、このリード115の他方の主面と部品素子搭載端子134aとが、例えば、導電性接着剤(図示せず)により固定され、搭載される。
つまり、第二の集積回路素子搭載端子122aと部品素子搭載端子134aとが、リード115を介して電気的に接続されている。
なお、ここでは、リード115が平板に設けられている場合について説明しているが、集積回路素子搭載端子122aと部品素子搭載端子134aとを電気的に接続できる構造となっていれば、例えば、リード115が搭載部と脚部と外部接続部とから主に構成される構造となっていてもよい。
【0051】
リード116は、図4に示すように、平板に設けられており、搭載部の機能と脚部の機能とを備えている。つまり、リード116を搭載部としてみなすことができる。
また、リード116は、図6に示すように、このリード116の一方の主面と部品素子信号端子の機能を備えた第二の集積回路素子搭載端子122bとが、例えば、バンプBにより固定され、集積回路素子120に搭載される。
また、リード116は、図7に示すように、このリード116の他方の主面と部品素子搭載端子134bとが、例えば、導電性接着剤(図示せず)により固定され、搭載される。
つまり、第二の集積回路素子搭載端子122bと部品素子搭載端子134bとが、リード115を介して電気的に接続されている。
なお、ここでは、リード116が平板に設けられている場合について説明しているが、集積回路素子搭載端子122bと部品素子搭載端子134bとを電気的に接続できる構造となっていれば、例えば、リード116が搭載部と脚部と外部接続部とから主に構成される構造となっていてもよい。
【0052】
リード117は、図4に示すように、平板に設けられており、搭載部の機能及び脚部の機能を一体となって備えている。つまり、リード117は、搭載部としてみなすことができる。
また、リード117は、図7に示すように、他方の主面とグラウンド端子の機能を備えた部品素子搭載端子134cとが、例えば、導電性接着剤(図示せず)により固定され、搭載されている。
また、リード117は、図4及び図6に示すように、リード117と同じグラウンド端子の機能を備えたリード113と接続されている。
なお、ここでは、リード117は、同じグラウンド端子の機能を備えたリード113と接続されているが、グラウンドと接続することができれば、例えば、リード117を直接グラウンドに接続できる構造としてもよい。
【0053】
リード118は、図4に示すように、平板に設けられており、搭載部の機能及び脚部の機能を一体となって備えている。つまり、リード118は、搭載部としてみなすことができる。
また、リード118は、図6に示すように、一方の主面に、集積回路素子搭載端子122c,122dが、例えば、導電性接着剤Dにより固定され、搭載される。
また、リード118は、図7に示すように、他方の主面と部品素子搭載端子134dとが、例えば、導電性接着剤(図示せず)により固定され、搭載されている。
つまり、第二の集積回路素子搭載端子122c,122dと部品素子搭載端子134cとが、リード118を介して電気的に接続されている。
なお、ここでは、第二の集積回路素子搭載端子122c,122dが機能を備えていない場合のリード118について説明しているが、第二の集積回路素子搭載端子122c,122dが機能を備えている場合、それぞれの機能に合わせてリード118の他にもう一つ独立したリードを設けてもよい。
【0054】
リード111,112,113,114,115,116,117,118は、例えば、図6に示すように、バンプBにより、集積回路素子120に設けられた集積回路素子搭載端子121,122に搭載されている。
リード111は、第一の集積回路素子搭載端子121aに搭載され、電源電圧端子の機能を備えている。
また、リード112は、第一の集積回路素子搭載端子121bに搭載され、出力端子の機能を備えている。
また、リード113は、第一の集積回路素子搭載端子121cに搭載され、グラウンド端子の機能を備えている。
また、リード114は、第一の集積回路素子搭載端子121dに搭載され、集積回路素子120に合わせた機能を果たしている。このリード114は、例えば、グラウンド端子の機能を備えている。又は、この集積回路素子120に加える電圧を制御するための電圧制御用端子の機能を備えている。
また、リード115は、部品素子搭載端子134aと第二の集積回路素子搭載端子122aに搭載されている。つまり、部品素子信号端子の機能を備えた第二の集積回路素子搭載端子122aと部品素子搭載端子134aとが、リード115を介して電気的に接続されている。
また、リード116は、部品素子搭載端子134bと第二の集積回路素子搭載端子122bに搭載されている。つまり、部品素子信号端子の機能を備えた第二の集積回路素子搭載端子122bと部品素子搭載端子134bとが、リード116を介して電気的に接続されている。
また、リード117は、部品素子搭載端子134と第一の集積回路素子搭載端子121cに搭載され、グラウンド端子の機能を備えている。また、リード117は、同じグラウンド端子の機能を備えているリード113と接続されている。
また、リード118は、機能を備えていない部品素子搭載端子134d及び機能を備えていない第二の集積回路素子搭載端子122c,122dに搭載されている。つまり、リード118は、外部の影響を抑えるために、機能を備えていない部品素子搭載端子134dと集積回路素子搭載端子122c,122dを電気的に接続している。
【0055】
樹脂Jは、図1(a)及び図1(b)に示すように、部品素子である圧電振動子130と集積回路素子120との間に介在し、集積回路素子120とリード111,112,113,114,115,116,117,118との接着強度を高めている。
また、樹脂Jは、例えば、アンダーフィル材である。
また、樹脂Jは、部品素子である圧電振動子130と集積回路素子120との間に、硬化前の樹脂Jが注入され、硬化することで、集積回路素子120とリード111,112,113,114,115,116,117との接着強度を高めている。
なお、ここでは、樹脂Jが集積回路素子120の一方の主面と部品素子である圧電振動子130との間にのみ介在している場合について説明しているが、集積回路素子120が樹脂Jに覆われていてもよい。
【0056】
このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、リード111,112,113,114,115,116,117,118に搭載された集積回路素子120とリード111,112,113,114,115,116,117,118に搭載された部品素子である圧電振動子130との間に樹脂Jが介在した状態となっている。つまり、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、リード111,112,113,114,115,116,117,118と集積回路素子120との間に介在している樹脂Jが、リード111,112,113,114,115,116,117,118と集積回路素子120との接着強度を上げている状態となっている。
従って、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100は、従来の圧電デバイスのように樹脂パッケージを設けることなく、リード111,112,113,114,115,116,117,118と集積回路素子129との接着強度を保つことができるので、生産性を向上させることができる。
【0057】
次に、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの製造方法について説明する。
本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの製造方法は、集積回路素子搭載工程、部品素子搭載工程、樹脂充填工程とから主に構成されている。
図8(a)は、集積回路素子搭載工程前の状態の一例を示す概念図である。図8(b)は、集積回路素子搭載工程後の状態の一例を示す概念図である。図9(a)は、部品素子搭載工程前の状態の一例を示す概念図である。図9(b)は、部品素子搭載工程後の状態の一例を示す概念図である。図10(a)は、樹脂充填工程前の状態の一例を示す断面図である。図10(b)は、樹脂充填工程後の状態の一例を示す断面図である。
【0058】
(集積回路素子搭載工程)
集積回路素子搭載工程は、図8(a)に示すように、脚部111a,112a,113a,114aとこの脚部111a,112a,113a,114aの両端に搭載部111b,112b,113b,114bと外部接続部111c,112c,113c,114cとが設けられたリード111,112,113,114であって、この前記リード111,112,113,114に設けられた前記搭載部111b,112b,113b,114bの一方の主面に集積回路素子120が搭載される工程である。
集積回路素子搭載工程では、図8(b)に示すように、集積回路素子120に設けられた集積回路素子搭載端子121,122に、例えば、バンプBが用いられ、リード111,112,113,114,115,116,117,118が搭載される。
なお、ここでは、リード111,112,113,114,115,116,117,118が、バンプBにより、集積回路素子搭載端子121,122に搭載される場合について説明したが、所定のリード111,112,113,114,115,116,117,118と所定の集積回路素子搭載端子121,122とが電気的に接続できれば、例えば、導電性接着剤Dやワイヤーボンディングによって接合されていてもよい。
【0059】
ここで、前述したように、所定の4つのリード111,112,113,114を外部接続リードとする。この外部接続リード111,112,113,114は、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100の外部接続端子の機能を備えている。
また、所定の他の4つのリード115,116,117,118を部品素子接続リードとする。
【0060】
リード111は、図8(a)に示すように、脚部111aと搭載部111bと外部接続部111cとから主に構成されている。
また、リード111は、図8(a)に示すように、脚部111aの両端に搭載部111bと外部接続部111cとが接続されている。また、リード111は、搭載部111bの一方の端部が脚部111aと接続されており、他方の端部が集積回路素子120側に位置するように設けられた構造となっている。
また、リード111は、図8(a)に示すように、搭載部111bの一方の主面と、集積回路素子120に設けられた集積回路素子搭載端子121aと対向する位置に設けられる。
また、リード111は、図8(b)に示すように、集積回路素子搭載端子121aと、例えば、バンプBにより固定され搭載される。
【0061】
リード112は、図8(a)に示すように、脚部112aと搭載部112b外部接続部112cとから主に構成されている。
また、リード112は、図8(a)に示すように、脚部112aの両端に搭載部112bと外部接続部112cとが接続されている。また、リード112は、搭載部112bの一方の端部が脚部112aと接続されており、他方の端部が集積回路素子120側に位置するように設けられた構造となっている。
また、リード112は、図8(a)に示すように、搭載部112bの一方の主面と、集積回路素子120に設けられた集積回路素子搭載端子121bと対向する位置に設けられる。
また、リード112は、図8(b)に示すように、集積回路素子搭載端子121bと、例えば、バンプBにより固定され搭載される。
【0062】
リード113は、図8(a)に示すように、脚部113aと搭載部113b外部接続部113cとから主に構成されている。
また、リード113は、図8(a)に示すように、脚部113aの両端に搭載部113bと外部接続部113cとが接続されている。また、リード113は、搭載部113bの一方の端部が脚部113aと接続されており、他方の端部が集積回路素子120側に位置するように設けられた構造となっている。
また、リード113は、図8(a)に示すように、搭載部113bの一方の主面と、集積回路素子120に設けられた集積回路素子搭載端子121cと対向する位置に設けられる。
また、リード113は、図8(b)に示すように、集積回路素子搭載端子121cと、例えば、バンプBにより固定され搭載される。
【0063】
リード114は、図8(a)に示すように、脚部114aと搭載部114b外部接続部114cとから主に構成されている。
また、リード114は、図8(a)に示すように、脚部114aの両端に搭載部114bと外部接続部114cとが接続されている。また、リード114は、搭載部114bの一方の端部が脚部114aと接続されており、他方の端部が集積回路素子120側に位置するように設けられた構造となっている。
また、リード114は、図8(a)に示すように、搭載部114bの一方の主面と、集積回路素子120に設けられた集積回路素子搭載端子121dと対向する位置に設けられる。
また、リード114は、図8(b)に示すように、集積回路素子搭載端子121dと、例えば、バンプBにより固定され搭載される。
【0064】
リード115は、図8(a)に示すように、平板に設けられており、搭載部の機能と脚部の機能を備えている。つまり、リード115は、搭載部としてみなすことができる。
また、リード115は、図8(a)に示すように、このリード115の一方の主面と集積回路素子120に設けられた集積回路素子搭載端子122aと対向する位置に設けられる。また、リード115は、図8(b)に示すように、集積回路素子搭載端子122aと、例えば、バンプBにより固定され搭載される。
また、このリード115は、後述する部品素子搭載工程に於いて、部品素子である圧電振動子130に設けられた部品素子搭載端子134aと集積回路素子搭載端子122aとを電気的に接続する役割を果たす。
【0065】
リード116は、図8(a)に示すように、平板に設けられており、搭載部の機能と脚部の機能を備えている。つまり、リード116は、搭載部としてみなすことができる。
また、リード116は、図8(a)に示すように、このリード116の一方の主面と集積回路素子120に設けられた集積回路素子搭載端子122bと対向する位置に設けられる。
また、リード116は、図8(b)に示すように、集積回路素子搭載端子122bと、例えば、バンプBにより固定され搭載される。
また、このリード115は、後述する部品素子搭載工程に於いて、部品素子である圧電振動子130に設けられた部品素子搭載端子134bと集積回路素子搭載端子122bとを電気的に接続する役割を果たす。
【0066】
リード117は、図8(a)に示すように、平板に設けられており、リード113と接続されている。
【0067】
リード118は、図8(a)に示すように、平板に設けられている。
また、リード118は、図8(a)に示すように、リード118の一方の主面と、集積回路素子120に設けられた集積回路素子搭載端子122c,122dと対向する位置に設けられる。
また、リード118は、図8(b)に示すように集積回路素子搭載端子122c,122dと、例えば、バンプBにより固定され搭載される。
また、このリード118は、後述する部品素子搭載工程に於いて、部品素子である圧電振動子130に設けられた部品素子搭載端子134bと集積回路素子搭載端子122c,122dとを電気的に接続する役割を果たす。
【0068】
(部品素子搭載工程)
部品素子搭載工程は、図9(a)及び図9(b)に示すように、前記リード115,116,117,118に設けられた前記搭載部の他方の主面に部品素子130が搭載される工程である。
【0069】
部品素子130は、例えば、圧電振動子である。部品素子である圧電振動子130は、図3に示すように、圧電振動素子132とこの圧電振動素子132を搭載する素子搭載部材133と、素子搭載部材133に搭載された圧電振動素子132を封止する蓋部材131とから主に構成されている。
【0070】
素子搭載部材133は、一方の主面に2つ一対の圧電振動素子搭載パッドPが設けられており、他方の主面の4隅に一つずつ部品素子搭載端子134が設けられている。
また、素子搭載部材133は、所定の圧電振動素子搭載パッドPと所定の部品素子搭載端子134が電気的に接続となっている。
【0071】
圧電振動素子132は、矩形形状の平板に形成された圧電片132aと2つ一対の励振電極132bと2つ一対の引き回し電極132cとから主に構成されている。圧電振動素子132は、この圧電片132aの両主面に2つ一対の励振電極132bが設けられ、この2つ一対の励振電極132aの振動させるために、引き回し電極132cの一方の端部が圧電片132aの一方の短辺側に位置するように設けられる。
【0072】
蓋部材131は、矩形形状の平板に設けられた蓋本体部131aと矩形形状の平板であって枠形状の蓋壁部131bとから主に構成されている。つまり、蓋部材131は、蓋本体部131aの一方の主面に、枠形状の蓋壁部131bが設けられ、一方の主面に圧電振動素子用凹部空間131cが設けられている。
【0073】
部品素子である圧電振動子130は、素子搭載部材133の一方の主面に設けられた圧電振動素子搭載パッドPに、圧電振動素子132に設けられた引き回し電極132cが、例えば導電性接着剤Dにより固定され、搭載されている。
また、部品素子である圧電振動子130は、一方の主面に圧電振動素子132が搭載された素子搭載部材133と、一方の主面に圧電振動素子用凹部空間131cが設けられた蓋部材131が、ロウ材RZ(図3参照)によって接合される。部品素子である圧電振動子130は、蓋部材131と素子搭載部材133とが接合されることによって、圧電振動素子132が圧電振動素子用凹部空間133c内に封止されている。
【0074】
部品素子搭載工程では、例えば、導電性接着剤(図示せず)により、所定のリード115,116,117,118と素子搭載部材133に設けられた所定の部品素子搭載端子134(134a,134b,134c,134d)とが固定されて、搭載される。
部品素子搭載端子134aには、図9(a)及び図9(b)に示すように、リード115の他方の主面と対向する位置に設けられ、例えば、導電性接着剤により固定されて、搭載される。
部品素子搭載端子134bには、図9(a)及び図9(b)に示すように、リード116の他方の主面と対向する位置に設けられ、例えば、導電性接着剤により固定されて、搭載される。
部品素子搭載端子134cには、図9(a)及び図9(b)に示すように、リード117の搭載部117の他方の主面と対向する位置に設けられ、例えば、導電性接着剤により固定されて、搭載される。
部品素子搭載端子134dには、図9(a)及び図9(b)に示すように、リード118の搭載部118の他方の主面と対向する位置に設けられ、例えば、導電性接着剤により固定されて、搭載される。
【0075】
(樹脂充填搭載工程)
樹脂充填工程は、図10(a)及び図10(b)に示すように、前記リード111,112,113,114,115,116,117,118の一方の主面に搭載された前記集積回路素子120と、前記リード115,116,117,118に搭載された前記部品素子130との間に樹脂Jを流し込み、硬化させる工程である。
【0076】
樹脂Jは、例えば、アンダーフィル材である。また、樹脂Jは、硬化することで接着させる機能を備えている。
樹脂充填工程では、リード113,114,116の一方の主面側に搭載された集積回路素子120と、リード113,114,116の他方の主面側に部品素子である圧電振動子130との間に、図10(b)に示すように、硬化する前の樹脂Jが流し込まれ、充填された後、硬化される。
なお、ここでは、樹脂充填工程に於いて、部品素子である圧電振動子130と集積回路素子120の間に、硬化する前の樹脂Jが流し込まれている場合について説明しているが、部品素子である圧電振動子130と集積回路素子120との接着強度を上げることができれば、例えば、集積回路素子120が樹脂Jに覆われていてもよい。
【0077】
このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの製造方法は、リード111,112,113,114,115,116,117,118に搭載された集積回路素子120と部品素子である圧電振動子130との間に、硬化前の樹脂Jを流しこみ硬化させることで、集積回路素子120とリード111,112,113,114,115,116,117,118との接着強度を上げている。つまり、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの製造方法は、従来の圧電デバイスの製造方法のように、樹脂パッケージを設けることなく、リード111,112,113,114,115,116,117,118と集積回路素子120との接着強度を保つことができる。
このため、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの製造方法は、樹脂パッケージを設ける必要がないので、集積回路素子搭載工程に於いてカバー形成工程が不要となり、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイス100の生産性を向上させることができる。
【0078】
また、このような本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの製造方法は、部品素子である圧電振動子130とリード115,116,117,118とが、例えば、導電性接着剤により固定されて搭載されている。従って、本発明の第一の実施形態に係る圧電デバイスの製造方法は、予め良品である部品素子である圧電振動子130のみを搭載することができるので、生産性を向上させることができる。
【0079】
なお、ここでは、部品素子である圧電振動子に於いて、圧電振動素子用凹部空間が蓋部材の一方の主面に設けられ、圧電振動素子が圧電振動素子用凹部空間内に気密封止された場合について説明したが、素子搭載部材と蓋部材とで圧電振動素子が気密封止できる構造となるように、圧電振動素子用凹部空間が素子搭載部材の一方の主面又は/及び蓋部材の一方の主面に設けられていてもよい。
【0080】
なお、ここでは、部品素子が圧電振動子の場合について説明しているが、例えば、圧電発振器であってもよい。
【0081】
なお、ここでは、部品素子が圧電振動子の場合について説明しているが、例えば、圧電振動素子が圧電材料からなっており、圧電デバイスがセンサとして用いられてもよい。
【符号の説明】
【0082】
100 圧電デバイス
111,112,113,114 外部接続リード
115,116,117,118 部品素子接続リード
120 集積回路素子
121,122 集積回路素子搭載端子
130 圧電振動子
131 蓋部材
132 圧電振動素子
133 蓋部材
134 部品素子搭載端子
J 樹脂
D 導電性接着剤
B バンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10