(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5651504
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】シート状ゴム成形装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 47/16 20060101AFI20141218BHJP
B29D 30/30 20060101ALI20141218BHJP
B29K 21/00 20060101ALN20141218BHJP
B29L 30/00 20060101ALN20141218BHJP
【FI】
B29C47/16
B29D30/30
B29K21:00
B29L30:00
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-50442(P2011-50442)
(22)【出願日】2011年3月8日
(65)【公開番号】特開2012-187712(P2012-187712A)
(43)【公開日】2012年10月4日
【審査請求日】2013年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 崇
(72)【発明者】
【氏名】池上 博
【審査官】
鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開平9−52272(JP,A)
【文献】
特開2003−11245(JP,A)
【文献】
特開2004−243732(JP,A)
【文献】
特許第2682872(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 47/00−47/96
B29D 30/00−30/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出機のダイヘッドからシート状のゴムを押し出して、所定の幅および高さを有するタイヤ構成部材を成形するシート状ゴム成形装置であって、
前記ダイヘッドを構成し、所定断面形状の開口部を有するダイボディと、
このダイボディの前方側に配置され、前記開口部の前記高さ寸法を変更可能な可変ダイリップと、
前記可変ダイリップの動作を制御するダイリップ制御部と、
前記ダイヘッドの上流側に配置されるギアポンプと、
このギアポンプの駆動を制御するギアポンプ制御部と、を備え、
前記可変ダイリップは、高さ方向の一方に位置する第1可動体と、高さ方向の他方に位置する第2可動体とにより構成され、
前記ダイリップ制御部は、成形開始時に前記第1可動体と第2可動体を閉じた状態から、第1可動体を徐々に開方向へ駆動し、所定の高さに到達した後、第1可動体と第2可動体の位置を保持し、成形終了時に第2可動体を徐々に閉方向へ駆動するように、前記可変ダイリップを制御し、
前記ダイリップ制御部により、前記可変ダイリップの制御が行われているとき、前記ギアポンプ制御部は、前記ギアポンプを制御して、前記ダイボディからのゴム吐出量を制御することを特徴とするシート状ゴム成形装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート状ゴム成形装置を用いて、押出機のダイヘッドからシート状のゴムを押し出して、所定の幅および高さを有するタイヤ構成部材を成形するシート状ゴム成形方法であって、
前記タイヤ構成部材の成形開始時に前記第1可動体と第2可動体を閉じた状態から、第1可動体を徐々に開方向へ駆動するステップと、
前記第1可動体が所定の高さに到達した後、第1可動体と第2可動体の位置を保持するステップと、
成形終了時に前記第2可動体を徐々に閉方向へ駆動するステップと、
前記ダイヘッドの上流側に配置されるギアポンプの駆動を制御するステップと、
前記可変ダイリップの制御が行われる前記成形開始時と前記成形終了時に、前記ギアポンプを制御して、前記ダイボディからのゴム吐出量を制御するステップと、を有することを特徴とするシート状ゴム成形方法。
【請求項3】
前記第1可動体と第2可動体を閉じた状態から、第1可動体を徐々に開方向へ駆動する成形開始時には、ギアポンプの回転速度が徐々に増加し、
前記第1可動体と第2可動体の位置を保持する定常時には、ギアポンプの回転速度が一定に保持され、
前記第2可動体を徐々に閉方向へ駆動する成形終了時には、ギアポンプの回転速度が徐々に減少するように制御することを特徴とする請求項2に記載のシート状ゴム成形方法。
【請求項4】
前記タイヤ構成部材を成形ドラムに直接貼り付けるステップを有することを特徴とする請求項2又は3に記載のシート状ゴム成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出機のダイヘッドからシート状のゴムを押し出して、所定の幅および高さを有するタイヤ構成部材を成形するシート状ゴム成形装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
かかるシート状のタイヤ構成部材の一例としてトレッドゴムがある。シート状のタイヤ構成部材は、
図6(a)に示すように、展開した状態では平板状であるが、タイヤ形状に成形するときは、成形ドラムの上で端部と端部を合わせる必要がある。しかし、端部同士を合わせるときに、重なりが生じたり、隙間が生じると、ユニフォミティが低下し、タイヤ性能に悪影響を及ぼす恐れがある(
図6(b)(c)参照)。
【0003】
そこで、
図7(a)に示すように、シート状のタイヤ構成部材の前後の端部を厚みが徐々に変化するように形成する必要がある。これにより、
図7(b)に示すように、端部同士を全体の厚みが均一になるように重ね合わせることができる。このような形状を有するゴムの成形を実現するために、下記特許文献1に開示される可変ダイヘッドによるゴム層成形方法が知られている。
【0004】
具体的には、特許文献1の
図6に開示されている。ダイヘッドの開口部の幅方向の寸法を徐々に変えていくように、可変ダイヘッドが制御される。また、厚みが比較的厚いトレッド部を形成するため、厚さの薄いゴムを何層も重ね合わせることで、トレッド部を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−243732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示される可変ダイヘッドは金型構成が複雑化するだけでなく、厚さの薄いゴムを何層も重ねて成形するので成形時間がかかるという問題がある。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、金型構成を複雑化させることなく、かつ、成形時間も短縮化可能なシート状ゴム成形装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明に係るシート状ゴム成形装置は、
押出機のダイヘッドからシート状のゴムを押し出して、所定の幅および高さを有するタイヤ構成部材を成形するシート状ゴム成形装置であって、
前記ダイヘッドを構成し、所定断面形状の開口部を有するダイボディと、
このダイボディの前方側に配置され、前記開口部の前記高さ寸法を変更可能な可変ダイリップと、
前記可変ダイリップの動作を制御するダイリップ制御部と、を備え、
前記可変ダイリップは、高さ方向の一方に位置する第1可動体と、高さ方向の他方に位置する第2可動体とにより構成され、
前記ダイリップ制御部は、成形開始時に前記第1可動体と第2可動体を閉じた状態から、第1可動体を徐々に開方向へ駆動し、所定の高さに到達した後、第1可動体と第2可動体の位置を保持し、成形終了時に第2可動体を徐々に閉方向へ駆動するように、前記可変ダイリップを制御することを特徴とするものである。
【0009】
かかる構成によるシート状ゴム成形装置の作用・効果を説明する。まず、ダイヘッドは上流側のダイボディと下流側の可変ダイリップにより構成される。ダイボディは固定であり、所定断面形状の開口部を有する。この開口部の高さ寸法を可変にするため、可変ダイリップは、第1可動体と第2可動体を備えている。成形開始時は、第1可動体と第2可動体は、開口部を閉じた位置にある。ついで、第1可動体を徐々に開方向へと駆動することで、押し出し成形されるゴム部材の高さ寸法が0から徐々に増加していく。第1可動体が所定の高さに到達すると、第1可動体と第2可動体は、その位置をその後しばらく保持する。これにより、一定の断面形状のゴム部材が押し出し成形される。そして、成形終了時には、第2可動体のほうを駆動して、徐々に閉方向へと移動させる。これにより、押し出し成形されるゴム部材の高さ寸法が徐々に0へと向かう。このように可変ダイリップを制御することで、
図7(b)に示すような形状のタイヤ構成部材が成形される。可変ダイリップの構成は、2つの可動体を有するだけであり、構成が複雑化することを抑制している。また、厚さの薄いゴム部材を層状に重ねるのではなく、成形時間も短縮化することができる。以上のように、金型構成を複雑化させることなく、かつ、成形時間も短縮化可能なシート状ゴム成形装置を提供することができる。
【0010】
本発明において、前記ダイヘッドの上流側に配置されるギアポンプと、このギアポンプの駆動を制御するギアポンプ制御部と、を備え、
前記ダイリップ制御部により、前記可変ダイリップの制御が行われているとき、前記ギアポンプ制御部は、前記ギアポンプを制御して、前記ダイボディからのゴム吐出量を制御することが好ましい。
【0011】
ギアポンプを設けることで、ダイヘッドへ向けて定量のゴムを供給することができる。また、成形開始時と成形終了時では、押し出し成形されるゴムの断面形状が変化するため、それに合わせてゴムの供給を行う必要がある。そこで、ギアポンプの回転数等を制御することで、押し出し成形されるゴムの断面形状に合わせて、ダイヘッドへのゴムの供給を行うことができる。
【0012】
上記課題を解決するため本発明に係るシート状ゴム成形方法は、上記特徴構成を有するシート状ゴム成形装置を用いて、押出機のダイヘッドからシート状のゴムを押し出して、所定の幅および高さを有するタイヤ構成部材を成形するシート状ゴム成形方法であって、
前記タイヤ構成部材の成形開始時に前記第1可動体と第2可動体を閉じた状態から、第1可動体を徐々に開方向へ駆動するステップと、
前記第1可動体が所定の高さに到達した後、第1可動体と第2可動体の位置を保持するステップと、
成形終了時に前記第2可動体を徐々に閉方向へ駆動するステップと、を有することを特徴とするものである。
【0013】
かかる構成によるシート状ゴム成形方法の作用・効果は、すでに述べたとおりである。すなわち、金型構成を複雑化させることなく、かつ、成形時間も短縮化可能になる。
【0014】
本発明において、前記ダイヘッドの上流側に配置されるギアポンプの駆動を制御するステップと、
前記可変ダイリップの制御が行われる前記成形開始時と前記成形終了時に、前記ギアポンプを制御して、前記
ダイボディからのゴム吐出量を制御するステップと、を更に有することが好ましい。
【0015】
かかる構成により、すでに述べたとおり、押し出し成形されるゴムの断面形状に合わせて、ダイヘッドへのゴムの供給を行うことができる。
【0016】
本発明に係る前記タイヤ構成部材を成形ドラムに直接貼り付けるステップを有することが好ましい。これにより、成形工程を短縮化し、効率よくタイヤ構成部材を成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】タイヤ構成部材であるトレッドゴムの成形工程を説明するフローチャート
【
図4A】成形工程における可変ダイリップの動作を説明する図
【
図4B】成形工程における可変ダイリップの動作を説明する図
【
図4C】成形工程における可変ダイリップの動作を説明する図
【
図4D】成形工程における可変ダイリップの動作を説明する図
【
図4E】成形工程における可変ダイリップの動作を説明する図
【
図4F】成形工程における可変ダイリップの動作を説明する図
【
図5】成形終了時の成形ドラムとダイヘッドの状態を示す図
【
図6】シート状のタイヤ構成部材の成形時に関する問題点を説明する図
【
図7】
図6の問題点を解決したシート状のタイヤ構成部材の形状を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るシート状ゴム成形装置及び方法の好適な実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、シート状ゴム成形装置の構成を示す概略図である。
【0019】
<シート状ゴム成形装置の構成>
図1において、シート状ゴム成形装置Aは、押出機1と、押出機1の下流側に設けられたギアポンプ2と、ギアポンプ2の下流側に設けられたダイヘッド3と、ダイヘッド3を構成する後述の可変ダイリップ31を駆動する可動体駆動部4とを備える。また、タイヤを構成するタイヤ構成部材を巻き付けるための成形ドラム5が設けられる。
【0020】
押出機1は、不図示のホッパーから投入されたゴムを混錬するためのスクリュー10と、このスクリュー10を回転駆動するためのスクリュー駆動部11を備えている。スクリュー10により混錬されたゴムは、ギアポンプ2へと送り込まれる。ギアポンプ2は、一対のギヤ20により構成され、ギアポンプ駆動部21により駆動される。ギアポンプ2は、定量のゴムを下流側のダイヘッド3へ供給する機能を有し、これにより、安定したゴムの供給を行うことができる。供給量は、ギアポンプ2の回転速度を制御することで行うことができる。
【0021】
ダイヘッド3は、ダイボディ30と、可変ダイリップ31により構成される。ダイボディ30は、内部にゴムの通路が設けられており、所定の断面形状を有する開口部が形成される。ダイボディ30を正面側(ゴムが吐出する側)から見ると、台形の開口部32が形成されている。この開口部32の形状は、成形するタイヤ構成部材の形状に対応しており、本実施形態では、シート状のトレッド部を成形する例を説明する。
【0022】
ダイボディ30の前方側(下流側)には、可変ダイリップ31が設けられており、第1可動体310と第2可動体311を備えている。これら第1・第2可動体310,311は、可動体駆動部4により駆動される。これら可変ダイリップ31と、可動体駆動部4の詳細については、後述する。
【0023】
ダイヘッド3から押し出し成形されたゴムは、成形ドラム5の外表面に貼り付けられる。成形ドラム5は、円筒形を有する回転体であり、ドラム駆動部50により駆動される。
【0024】
コントローラ6は、シート状ゴム成形装置Aの各部の動作を制御する機能を有する。ダイリップ制御部60は、可変ダイリップ31の駆動を制御する。ギアポンプ制御部61は、ギアポンプ2の回転速度を制御する。スクリュー制御部62は、押出機1のスクリュー10の駆動制御を行う。ドラム制御部63は、成形ドラム5の回転速度や駆動タイミング等を制御する。押出機駆動部12は、押出機1、ダイヘッド3、可動体駆動部4の全体を、成形ドラム5に対して近接・離間させるための駆動部である。押出機制御部64は、上記押出機1等を制御して、成形ドラム5との間隔が適切になるように制御する。コントローラ6は、CPU、メモリ等のコンピュータの構成を備えており、その制御は、制御プログラム65に基づいて行われる。
【0025】
<ダイヘッドの構成>
次に、
図2によりダイヘッド3の詳細な構成について説明する。
図2(a)は側断面図であり、
図2(b)は、正面図である。
図2に示すように、ダイボディ30の内部にはゴムが流れる流路33が設けられており、ギアポンプ2が配置される上流側から開口部32が形成される下流側へ向けて、徐々に断面積が小さくなるように設定されている。
【0026】
可変ダイリップ31は、第1可動体310と第2可動体311を備えており、厚みが厚いプレート状に形成される。第1可動体310は、第1駆動モータ40と、水平駆動軸41、垂直駆動軸42により
図2の上下方向に駆動される。水平駆動軸41と垂直駆動軸42とは、傘歯車により駆動伝達される。垂直駆動軸42の下部には駆動ネジ42が形成されており、これが第1可動体310に螺合している。従って、第1駆動モータ40を駆動し、垂直駆動軸42を回転させることで、第1可動体310を上下方向に駆動させることができる。
【0027】
第2可動体311も、第1可動体310と同様に、第2駆動モータ43、水平駆動軸44、垂直駆動軸45により
図2の上下方向に駆動される。垂直駆動軸45の上部には駆動ネジ45aが形成されており、これが第2可動体311に螺合している。従って、第2駆動モータ43を駆動し、垂直駆動軸45を回転させることで、第2可動体311を上下方向に駆動させることができる。
【0028】
第1駆動モータ40は、支持台46の上に搭載され、この支持台46は、ダイボディ30の上面に取り付けられている。第2駆動モータ43は、支持台47の上に搭載され、この支持台47は、ダイボディ30の下面に取り付けられている。これら支持台46,47は、垂直駆動軸42,45の軸受機能も備えている。
【0029】
図2(b)に示すように、開口部32は正面から見ると台形であり、上辺よりも下辺のほうが長さが長い。第1可動体310の下端部310aと第2可動体311の上端部311aは、成形開始前は当接しており、従って、開口部32は完全に閉鎖された状態である。この第1・第2可動体310,311を上下方向に駆動することで、開口部32が露出し、その露出した面積に対応したゴムが押し出し成形される。第1・第2可動体310,311は、上下方向にのみ駆動され、幅方向(
図2の左右方向)には駆動されない。
【0030】
<タイヤ構成部材の成形工程>
次に、タイヤ構成部材であるトレッドゴムの成形工程を説明する。
図3のフローチャートと、
図4A〜4Fにより説明する。
【0031】
まず、可変ダイリップ31は
図2に示す初期状態に設定されている。すなわち、第1可動体310と第2可動体311は、互いに当接しており、ダイヘッド3の開口部32は閉鎖されている(S1)。次に、コントローラ6のダイ
リップ制御部60により、第1駆動モータ40を制御し、第1可動体310を上方に駆動開始する(S2、
図4A)。第2可動体311は固定された状態である。これにより、徐々に開口部32が露出していき、ゴムが押し出し成形されていく。ゴムの断面形状は徐々に大きくなっていく(
図4B)。
【0032】
第1可動体310が所定の高さはで駆動された状態を
図4Cに示す(S3)。このとき、開口部32は、ほぼ露出された状態になる。この第1可動体310が所定高さまで移動する段階を成形開始時と定義し、
図7にP1で示す。
【0033】
第1可動体310が所定高さまで駆動された後、第1可動体310はその位置で保持される(S4)。また、第2可動体311は、依然として初期位置のままである。従って、この後は、一定の断面形状のゴムが押し出し成形される。具体的には、開口部32の形状のゴムが押し出し成形される。この状態を定常時と定義し、
図7にはP2で示す。
【0034】
次に、成形終了時に向かうときは、ダイリップ制御部60により、第2駆動モータ43を制御し、第2可動体311を上方に駆動開始する(S5、
図4D)。第1可動体310は、上方で停止したままである。これにより、徐々に開口部32が閉鎖していく(
図4E)。
【0035】
そして、第2可動体311が上昇して、第1可動体310の下端部310aと、第2可動体311の上端部311aが当接した時点でゴムの吐出が終了する(S6)。この第2可動体311が上昇して停止するまでの区間を成形終了時として定義し、
図7にP3で示す。このとき、
図4Fに示すように、開口部32は完全に閉鎖した状態になる。
【0036】
図4Fの状態では、第1可動体310も第2可動体311も上方へ移動した状態なので、次のタイヤ構成部材の成形を開始するまでに、
図2に示す、初期位置に復帰させる(S7)。すなわち、第1駆動モータ40と第2駆動モータ43の双方を駆動して、第1・2可動体310,311を下方へ駆動する。
【0037】
図5は、成形ドラム5の外表面に貼り付けられた状態のタイヤ構成部材Gを示す。タイヤ構成部材Gの端部同士の接合部がG1で示される。本発明による成形方法によれば、端部のゴムの厚みが徐々に薄くなっているので、それらを重ね合わせれば、全体として均一な厚みのタイヤ構成部材Gが得られる。
【0038】
次に、
図4で説明した成形工程において、ダイヘッド3と成形ドラム5の相対位置関係を説明する。成形開始時と成形終了時は、できるだけダイヘッド3が成形ドラム5に近接するように制御する。そして、成形開始時から定常時に向けて、徐々に成形ドラム5とダイヘッド3の距離が開いていくように制御する。また、定常時には、成形ドラム5とダイヘッド3の間隔は一定に保持する。そして、成形終了時に向けて、再び、ダイヘッド3が成形ドラム5に近接していくように制御する。
図5は、近接した状態が示されている。
【0039】
次に、成形開始時と成形終了時におけるギアポンプ2の制御について説明する。成形開始時と成形終了時は、押し出し成形されるゴムの断面形状が徐々に変化する。従って、ギアポンプ2からダイヘッド3へと供給するゴム量も、この断面形状の変化に連動して変化させることが好ましい。そこで、成形開始時は、徐々にギアポンプ2の回転速度が増加するように制御する。定常時は、ギアポンプ2の回転は一定速度に保持される。そして、成形終了時は、徐々にギアポンプ2の回転速度が減少するように制御する。このようにギアポンプ2の制御と連動させることで、適切な量のゴムをダイヘッド3の方へ供給することができ、押し出し成形されるゴムの形状も精度よく成形することができる。
【0040】
本発明により成形されたタイヤ構成部材を用いることで、接合部に段差が生じることなく、均一な厚みになるように接合でき、ユニフォミティが向上する。また、従来技術で説明したようなストリップビルドによる成形方法に比べると、成形時間が短縮化され、生産性が飛躍的に向上する。
【0041】
<別実施形態>
本実施形態において、ギアポンプを用いる構成を説明したが、ギアポンプがない場合でも、本発明は応用することができる。
【0042】
本実施形態において、タイヤ構成部材としてトレッド部を例示したが、トレッド部以外のタイヤ構成部材を成形する場合にも、本発明を応用することができる。また、タイヤ構成部材の断面形状についても、種々の変形例が考えられ、特定の形状に限定されるものではない。
【0043】
可変ダイリップ31の駆動機構については種々の変形例が可能である。本実施形態では、
図2に示すように第1可動体310により開口部32を閉鎖する構成を説明したが、第2可動体311により開口部32を閉鎖する構成を採用してもよい。この場合は、成形開始時において、第2可動体311が下方に駆動されて開口部32を開いていき、成形終了時には、第1可動体310が下方に駆動されて開口部32を閉鎖する形になる。従って、開口部32を開閉するときの第1・第2可動体310,311の移動方向は、特定の方向に限定されるものではない。開口部32を開閉していくときの速度は、適宜設定することができる。その他、可動体駆動部4の具体的な構成については、種々の変形例が可能である。
【符号の説明】
【0044】
A シート状ゴム成形装置
G タイヤ構成部材
G1 接合部
1 押出機
2 ギアポンプ
3 ダイヘッド
4 可動体駆動部
5 成形ドラム
6 コントローラ
10 スクリュー
20 ギヤ
30 ダイボディ
31 ダイリップ
32 開口部
60 ダイリップ制御部
61 ギアポンプ制御部
62 スクリュー制御部
63 ドラム制御部
64 押出機制御部
310 第1可動体
310a 下端部
311 第2可動体
311a 上端部