(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
予め定められた残存維持期間に応じて前記消滅特許を分類し、当該分類毎の前記消滅特許の属性情報に基づいて当該消滅特許を分類する分類判定ルールを生成する分類判定ルール生成部を備え、
前記モデル生成部は、前記分類毎に、前記維持期間算出モデルを生成し、
前記維持期間算出部は、前記存続特許に関する属性情報と前記分類判定ルールとに基づいて当該存続特許の分類を判定し、判定した分類に応じた前記維持期間算出モデルに基づいて、当該存続特許の残存維持期間の推定値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の評価支援装置。
権利化された後に消滅した特許権である消滅特許の維持期間と、当該消滅特許に関する属性情報とが記憶されている消滅特許記憶部と、権利化された後に消滅していない特許権である存続特許に関する属性情報が記憶されている存続特許記憶部と、を備えた評価支援装置による評価支援方法であって、
前記消滅特許記憶部から読み出した前記消滅特許の維持期間と属性情報との関係を示す維持期間算出モデルを生成するステップと、
前記存続特許記憶部から読み出した属性情報と、前記維持期間算出モデルとに基づいて、前記存続特許の残存維持期間の推定値を算出するステップと、
を備えることを特徴とする評価支援方法。
権利化された後に消滅した特許権である消滅特許の維持期間と、当該消滅特許に関する属性情報とが記憶されている消滅特許記憶部と、権利化された後に消滅していない特許権である存続特許に関する属性情報が記憶されている存続特許記憶部と、を備えた評価支援装置のコンピュータに、
前記消滅特許記憶部から読み出した前記消滅特許の維持期間と属性情報との関係を示す維持期間算出モデルを生成するステップと、
前記存続特許記憶部から読み出した属性情報と、前記維持期間算出モデルとに基づいて、前記存続特許の残存維持期間の推定値を算出するステップと、
を実行させる評価支援プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、特許権の経済価値を算出するために、その特許の市場における評価点や市場規模等を用いているが、このような評価点や市場規模自体を算定すること自体が困難であったり手間がかかったりする場合がある。また、どの特許がどの市場におけるものであるか等の判断は、ある程度主観的なものとなる。そこで、多数の特許権を客観的に評価することが望ましい。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、特許権の価値を客観的に評価する評価支援装置、評価支援方法、評価支援プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、権利化された後に消滅した特許権である消滅特許の維持期間と、消滅特許に関する属性情報とが記憶されている消滅特許記憶部と、権利化された後に消滅していない特許権である存続特許に関する属性情報が記憶されている存続特許記憶部と、消滅特許記憶部から読み出した消滅特許の維持期間と属性情報との関係を示す維持期間算出モデルを生成するモデル生成部と、存続特許記憶部から読み出した属性情報と、維持期間算出モデルとに基づいて、存続特許の残存維持期間の推定値を算出する維持期間算出部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、予め定められた残存維持期間に応じて消滅特許を分類し、分類毎の消滅特許の属性情報に基づいて消滅特許を分類する分類判定ルールを生成する分類判定ルール生成部を備え、モデル生成部は、分類毎に、維持期間算出モデルを生成し、維持期間算出部は、存続特許に関する属性情報と分類判定ルールとに基づいて存続特許の分類を判定し、判定した分類に応じた維持期間算出モデルに基づいて、存続特許の残存維持期間の推定値を算出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、特許権の維持期間に対応する維持費が記憶されている維持費記憶部と、維持期間算出部が算出した存続特許の残存維持期間の推定値と、維持費記憶部から読み出した維持費とに基づいて、存続特許の維持費の推定値を算出する維持費算出部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、モデル生成部は、特許権の残存維持期間の上限に応じたロジスティック曲線に基づく維持期間算出モデルを生成することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、権利化された後に消滅した特許権である消滅特許の維持期間と、消滅特許に関する属性情報とが記憶されている消滅特許記憶部と、権利化された後に消滅していない特許権である存続特許に関する属性情報が記憶されている存続特許記憶部と、を備えた評価支援装置による評価支援方法であって、消滅特許記憶部から読み出した消滅特許の維持期間と属性情報との関係を示す維持期間算出モデルを生成するステップと、存続特許記憶部から読み出した属性情報と、維持期間算出モデルとに基づいて、存続特許の残存維持期間の推定値を算出するステップと、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、権利化された後に消滅した特許権である消滅特許の維持期間と、消滅特許に関する属性情報とが記憶されている消滅特許記憶部と、権利化された後に消滅していない特許権である存続特許に関する属性情報が記憶されている存続特許記憶部と、を備えた評価支援装置のコンピュータに、消滅特許記憶部から読み出した消滅特許の維持期間と属性情報との関係を示す維持期間算出モデルを生成するステップと、存続特許記憶部から読み出した属性情報と、維持期間算出モデルとに基づいて、存続特許の残存維持期間の推定値を算出するステップと、を実行させる評価支援プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、評価支援装置が、権利化された後に消滅した消滅特許の維持期間と、消滅特許に関する属性情報との関係を示す維持期間算出モデルを生成し、権利化された後に消滅していない存続特許に関する属性情報と、維持期間算出モデルとに基づいて、存続特許の残存維持期間の推定値を算出するようにしたので、特許権を客観的に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態による評価支援装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態による特許情報のデータ例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による指標値のデータ例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態による分類結果のデータ例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による分類判定ルールのデータ例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるパラメータのデータ例を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態による残存維持期間のデータ例を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態による維持費のデータ例を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態による維持費の推定値のデータ例を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態による出力結果の例を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態による消滅特許の分類処理の動作例を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の一実施形態による分類判定ルール生成処理の動作例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の一実施形態による維持期間算出モデル生成処理の動作例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の一実施形態による存続特許の分類処理の動作例を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の一実施形態による維持期間算出処理の動作例を示すフローチャートである
【
図16】本発明の一実施形態による維持費用算出処理の動作例を示すフローチャートである。
【
図17】本発明の一実施形態による年金額算出処理の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による評価支援装置100の構成を示すブロック図である。評価支援装置100は、キーボードやマウス等の入力部、ディスプレイ等の表示部や出力部、制御部等を備えたコンピュータ装置であり、特許情報記憶部101と、指標値記憶部102と、分類結果記憶部103と、分類判定ルール記憶部104と、パラメータ記憶部105と、維持期間記憶部106と、維持費記憶部107と、維持費推定値記憶部108と、指標値算出部110と、分類処理部111と、分類判定部112と、分類判定ルール生成部113と、モデル生成部114と、維持期間算出部115と、維持費算出部116と、年金額算出部117と、結果出力部118とを備えている。
【0015】
特許情報記憶部101には、公開された特許権に関する情報が記憶されている。特許情報記憶部101に記憶される特許情報には、公開された特許情報のうち、権利化されなかった特許出願、権利化された後に消滅した消滅特許、権利化された後に消滅しておらず存続している存続特許の全ての特許に関する情報が含まれる。
図2は、特許情報記憶部101に記憶される特許情報のデータ例を示す図である。特許情報には、特許の出願番号、出願日、登録日、消滅日、請求項数、引用文献番号、優先権主張の有無等の属性情報が含まれる。出願番号は、その特許を識別する情報である。本実施形態では、特許の識別情報として出願番号を適用する例を示すが、特許を識別できる情報であれば、例えば公開番号や登録番号等を対応付けてもよいし、独自の識別番号を対応付けてもよい。以下に示す各記憶部に記憶されるデータにおいても、同様に出願番号を識別情報として適用する例を示すが、このような他の識別情報を適用することもできる。
【0016】
出願日は、その特許が出願された日を示す。登録日は、その特許が登録された日を示す。登録(権利化)されていない特許については、登録日には空情報が対応付けられる。消滅日は、その特許が消滅した日を示す。登録後、消滅していない特許については、消滅日には空情報が対応付けられる。登録日と消滅日との双方の情報が含まれる場合、登録日と消滅日との差が、その特許の維持期間を示す。請求項数は、その特許の請求項数を示す。請求項数が補正、訂正等によって変動した場合は、補正、訂正後の請求項数が対応付けられる。引用文献番号は、その特許の先行技術文献として記載された特許の出願番号を示す。優先権主張の有無は、その特許が他の出願に基づく優先権を主張しているか否かを示す。特許情報記憶部101に記憶される特許情報は、公開公報等に基づいてユーザが入力したものであってもよいし、公開公報から情報処理的に抽出したものであってもよいし、例えばXML(Extensible Markup Language)で表されて公開された整理標準化データ等であってもよい。
【0017】
指標値記憶部102には、特許情報記憶部101に記憶されている特許情報毎に、その特許情報に基づいて算出された指標値が対応付けられて記憶される。
図3は、指標値記憶部102に記憶されるデータ例を示す図である。指標値記憶部102には、出願番号に対応付けられて、基準日、登録日、請求項数、引用数、被引用数、優先権の主張の有無等の指標値が記憶される。基準日とは、対応する指標値の算出を行う基準とする日を示す。登録日、請求項数、優先権の主張の有無は、上述の特許情報に含まれる例と同様である。基準日と消滅日との差が残存維持期間である。ただし、消滅日が空情報の場合は、残存維持期間は空情報とする。引用数は、その特許の引用文献の数を示す。被引用数は、その特許が他の特許に引用された数を示す。ここで、被引用数は、特許情報記憶部101に記憶されている他の特許情報のうち、その特許情報の引用文献の項目に、自身の特許が含まれている件数によって算出できる。指標値としては、上記以外でも、公開情報から算出される定量情報であれば利用可能であり、上記記載の指標に限定されるものではない。
【0018】
分類結果記憶部103には、出願番号毎に、予め定められた特許の残存維持期間に応じて分類された分類結果が記憶される。
図4は、分類結果記憶部103に記憶される分類結果のデータ例を示す図である。ここでは、出願番号に対応付けて、予め定められた分類毎に、その出願番号によって識別される特許がその分類に該当するか否かを示す情報が記憶される。例えば、残存維持期間が10年以上20年以下である特許が長余命であることを示す分類1として分類され、残存維持期間が5年未満である特許が短余命であることを示す分類2として分類される。残存維持期間が分類1と分類2とのいずれにも該当しない場合(残存維持期間が5年以上10年未満である場合)、いずれの分類にも分類しない。具体的には、図に示すように、その出願番号によって識別される特許が分類1に分類される場合には分類1に「1」の値が対応付けられ、分類2に分類される場合には分類2に「1」の値が対応付けられ、いずれにも該当しない場合には分類1と分類2とに「0」が対応付けられる。
【0019】
分類判定ルール記憶部104には、特許情報を分類するための指標値のルールが記憶される。
図5は、分類判定ルール記憶部104に記憶される分類判定ルールのデータ例を示す図である。例えば、分類1には、被引用数が10以上であり、かつ請求項数が5以上であることなどの条件が分類判定ルールとして定められている。
【0020】
パラメータ記憶部105には、特許の指標値に基づいて残存維持期間を算出する維持期間算出モデルに応じたパラメータが記憶される。維持期間算出モデルは、以下式(1)によって表される。
【0022】
ここで、jは分類、R
jは予測維持期間、K
jは残存維持期間の上限、L
jは残存維持期間の下限、β
jkはパラメータ、x
jkは指標値を示す。このように、式(1)は、残存維持期間の上限に応じたロジスティック曲線に基づく維持期間算出モデルである。これにより、一定の上限内における残存維持期間を算出することができる。
図6は、パラメータ記憶部105に記憶されるパラメータのデータ例を示す図である。図に示すように、定められた分類毎に、式(1)に示した維持期間算出モデルに用いられるパラメータ(β
j0、β
j1、β
j2、
・・・β
jN、K
j、L
j)が対応付けられて記憶される。
【0023】
維持期間記憶部106には、出願番号毎に、その特許の登録日と、基準日と、消滅日と、残存維持期間とが対応付けられて記憶される。
図7は、維持期間記憶部106に記憶されるデータ例を示す図である。残存維持期間は、基準日と消滅日との差である。
維持費記憶部107には、特許権の維持期間に対応する特許権の維持費が記憶されている。
図8は、維持費記憶部107に記憶される維持費のデータ例を示す図である。ここには、登録日からの年数に応じて定められた基本料と請求項毎の金額とが対応付けられて記憶される。例えば、存続期間が1年から3年であれば、毎年2300円に一請求項につき200円を加えた額が維持費用である。
【0024】
維持費推定値記憶部108には、出願番号毎に、その特許が消滅するまでの維持費の推定値が対応付けられて記憶される。
図9は、維持費推定値記憶部108に記憶されるデータ例を示す図である。維持費の推定値は、維持期間記憶部106に記憶されている残存維持期間と維持費記憶部107に記憶されている維持費とに基づいて算出される。
【0025】
指標値算出部110は、特許情報記憶部101に記憶されている特許情報を読み出し、出願番号毎に指標値を算出して、指標値記憶部102に記憶させる。
分類処理部111は、指標値記憶部102に記憶されている消滅特許の指標値を読み出し、出願番号毎に、読み出した消滅特許の残存維持期間を算出する。また、分類処理部111は、算出した残存維持期間に応じて消滅特許を分類し、分類結果を対応付けて分類結果記憶部103に記憶させる。具体的には、分類処理部111は、分類に応じて予め定められた残存維持期間(例えば、10年以上であれば分類1、5年未満であれば分類2)を自身の記憶領域に予め記憶し、予め定められた残存維持期間と、読み出した消滅特許の残存維持期間とを比較して、比較結果に応じた分類結果を判定する。
分類判定部112は、指標値記憶部102に記憶されている指標値と、分類判定ルール生成部113に記憶されている分類判定ルールとに基づいて、出願番号毎の分類を判定し、分類結果を分類結果記憶部103に記憶させる。
【0026】
分類判定ルール生成部113は、分類処理部111によって予め定められた残存維持期間に応じて分類された消滅特許を、その分類毎の指標値に基づいて分類する分類判定ルールを生成する。
モデル生成部114は、分類毎に指標値記憶部102から読み出した消滅特許の残存維持期間と指標値とに基づいて、残存維持期間と指標値との関係を示す維持期間算出モデルを生成する。ここで、モデル生成部114は、上述した式(1)のように、特許権の残存維持期間の上限に応じたロジスティック曲線に基づく維持期間算出モデルにおけるパラメータを分類毎に算出し、算出したパラメータをパラメータ記憶部105に記憶させる。
【0027】
維持期間算出部115は、指標値記憶部102から読み出した存続特許の指標値と、分類結果記憶部103に記憶されているその存続特許の分類結果に応じた期間算出モデルとに基づいて、その存続特許の残存維持期間の推定値を算出する。
維持費算出部116は、維持期間算出部115が算出した存続特許の残存維持期間の推定値と、維持費記憶部107から読み出した維持費とに基づいて、存続特許の維持費の推定値を算出する。
年金額算出部117は、入力される維持期間と、維持費記憶部107から読み出した維持費とに基づいて、存続特許の年毎の納付金額である年金額を算出する。
【0028】
結果出力部118は、維持費算出部116による算出結果を表示部に表示させる。
図10は、結果出力部118が表示させる出力画面の例を示す図である。このように、結果出力部118は、維持費に応じたスコア、レーティング、カテゴリ別のスコア等を算出して、表示させることができる。スコアは、例えば存続特許全体に対する残存維持期間または維持費の偏差値である。レーティングでは、例えば上位何%はA、上位何%はB…などのラベルを判定して表示する。カテゴリ別では、例えば技術分野等のカテゴリ毎にレーティングを表示する。
【0029】
次に、図面を参照して、本実施形態による評価支援装置100の動作例を説明する。
図11は、評価支援装置100による消滅特許の分類処理の動作例を示すフローチャートである。
指標値算出部110は、特許情報記憶部101に記憶されている特許情報を読み出し、読み出した特許情報の出願番号毎に指標値を算出し、指標値記憶部102に記憶させる(ステップS1)。
【0030】
分類処理部111は、指標値記憶部102に記憶されている消滅特許の指標値を読み出す(ステップS2)。ここで、消滅特許の指標値を読み出すとは、例えば指標値のうち登録日と消滅日との双方に値が対応付けられている特許を検出し、その特許の指標値を読み出すことをいう。分類処理部111は、消滅日と基準日とに基づいて、読み出した消滅特許の残存維持期間を算出する(ステップS3)。ここで、基準日は予め定められて評価支援装置100に記憶されているか、あるいはユーザから入力された基準日が用いられる。分類処理部111は、残存維持期間に応じた分類を判定し、判定結果を分類結果記憶部103に記憶させる(ステップS4)。分類処理部111は、未処理の消滅特許が存在するか否かを判定し(ステップS5)、未処理の消滅特許が存在すると判定すれば(ステップS5:YES)、ステップS2に戻る。一方、分類処理部111は、未処理の消滅特許が存在しないと判定すれば(ステップS5:NO)、処理を終了する。
【0031】
図12は、評価支援装置100による消滅特許に基づく分類判定ルール生成処理の動作例を示すフローチャートである。
分類判定ルール生成部113は、特定の分類に分類された消滅特許の指標値を、指標値記憶部102から読み出し、指標値を説明変数とし、その消滅特許の出願番号に対応付けられて分類結果記憶部103に記憶されている分類結果を目的変数として決定木分析を行い、分類判定ルールを生成する(ステップS11)。分類判定ルール生成部113は、生成した分類判定ルールを分類判定ルール記憶部104に記憶させる(ステップS12)。分類判定ルール生成部113は、分類判定ルールを生成していない分類があれば、ステップS11に戻る。一方、分類判定ルール生成部113は、分類判定ルールを生成していない分類がなければ、処理を終了する。
【0032】
図13は、評価支援装置100による維持期間算出モデル生成処理の動作例を示すフローチャートである。
まず、分類判定部112は、分類処理部111に記憶されている分類結果を削除する(ステップS21)。そして、分類判定部112は、指標値記憶部102に記憶されている指標値を1件読み出す(ステップS22)。また、分類判定部112は、分類判定ルール記憶部104に記憶されている分類判定ルールを読み出し、指標値記憶部102から読み出した指標値を分類判定ルールによって分類し、分類結果を分類結果記憶部103に記憶させる(ステップS23)。分類判定部112は、指標値記憶部102に未処理の特許情報があるか否かを判定する(ステップS24)。分類判定部112は、指標値記憶部102に未処理の特許情報があると判定すれば(ステップS24:YES)、ステップS22に戻る。分類判定部112が、指標値記憶部102に未処理の特許情報がないと判定すれば(ステップS24:NO)、モデル生成部114は、分類毎に、その分類が対応付けられた指標値を指標値記憶部102から読み出し、読み出した指標値を説明変数とし、残存維持期間を目的変数とした最小二乗推定を行い、維持期間算出モデルのパラメータを算出する(ステップS25)。モデル生成部114は、分類毎に算出したパラメータを、パラメータ記憶部105に記憶させる(ステップS26)。
【0033】
図14は、評価支援装置100による存続特許の分類処理の動作例を示すフローチャートである。
分類判定部112は、分類結果記憶部103に記憶されている分類結果を削除する(ステップS31)。また、分類判定部112は、指標値記憶部102から、存続特許の指標値を1件読み出す(ステップS32)。ここで、存続特許の指標値を読み出すとは、例えば指標値のうち登録日に値が対応付けられているが消滅日に値が対応付けられていない特許を検出し、その特許の指標値を読み出すことをいう。分類判定部112は、分類結果記憶部103に記憶されている分類判定ルールを1件読み出して、ステップS32において読み出した指標値が、読み出した分類判定ルールに合致するか否かを判定し、指標値の出願番号に対応付けて分類結果(合致していれば「1」、合致していなければ「0」)を分類結果記憶部103に記憶させる(ステップS33)。
【0034】
ここで、分類判定部112が、指標値は分類判定ルールに合致していないと判定すれば(ステップS34:NO)、未処理の分類判定ルールがあるか否かを判定する(ステップS35)。分類判定部112が、未処理の分類判定ルールがあると判定すれば、ステップS33に戻る。分類判定部112が、未処理の分類判定ルールがないと判定すれば、ステップS37に進む。ステップS34において、分類判定部112が、指標値は分類判定ルールに合致していると判定した場合(ステップS34:YES)、未処理の分類判定ルールがあれば、その未処理の分類結果を「合致しない」(「0」)として分類結果記憶部103に記憶させる。分類判定部112は、指標値記憶部102に未処理の存続特許があれば(ステップS37:YES)、ステップS32に戻る。分類判定部112は、指標値記憶部102に未処理の存続特許がなければ(ステップS37:NO)、処理を終了する。
【0035】
図15は、評価支援装置100による存続特許の維持期間算出処理の動作例を示すフローチャートである。
維持期間算出部115は、指標値記憶部102に記憶されている存続特許の指標値を1件読み出す(ステップS41)。また、維持期間算出部115は、指標値記憶部102から読み出した存続特許の出願番号に対応付けられて記憶されている分類結果を、分類結果記憶部103から読み出す(ステップS42)。維持期間算出部115は、読み出した分類結果に対応する維持期間算出モデルのパラメータを、パラメータ記憶部105から読み出す(ステップS43)。維持期間算出部115は、存続特許の指標値と、パラメータ記憶部105から読み出したパラメータとに基づいて、上述した式(1)により残存維持期間の推定値を算出し、算出した残存維持期間の推定値を維持期間記憶部106に記憶させる(ステップS44)。維持期間算出部115は、指標値記憶部102に未処理の存続特許があれば(ステップS45:YES)、ステップS41に戻る。指標値記憶部102に未処理の存続特許がなければ(ステップS45:NO)、処理を終了する。
【0036】
図16は、評価支援装置100による維持費用算出処理の動作例を示すフローチャートである。
評価支援装置100の入力部が、ユーザから基準日の入力を受け付ける(ステップS51)。維持費算出部116は、指標値記憶部102から、存続特許の登録日と請求項数とを1件読み出す(ステップS52)。維持費算出部116は、読み出した登録日と基準日とを年金額算出部117に入力し、年金額算出部117に年金額(A)を算出させる(ステップS53)。年金額算出部117による年金額の算出処理については後述する。
【0037】
維持費算出部116は、維持期間記憶部106から、ステップS52において読み出した存続特許に対応する残存維持期間の推定値を維持期間記憶部106から読み出し、基準日に残存維持期間を合算して消滅日の推定値を算出する(ステップS54)。維持費算出部116は、登録日と消滅日の推定値とを年金額算出部117に入力し、年金額算出部117に年金額(B)を算出させる(ステップS55)。維持費算出部116は、年金額(A)から年金額(B)を引いて、年金額(A)と年金額(B)との差を、維持費推定値として算出する(ステップS56)。維持費算出部116は、算出した維持費推定値を、維持費推定値記憶部108に記憶させる(ステップS57)。結果出力部118は、維持費推定値記憶部108に記憶されている維持費の推定値を読み出し、読み出した維持費の推定値を出力する。
【0038】
図17は、評価支援装置100による年金額算出処理の動作例を示すフローチャートである。
年金額算出部117は、自身の記憶領域における変数iに0を代入し、変数jに0を代入する(ステップS61)。ここで、iは特許料年度を示し、jは年金額を示している。年金額算出部117は、登録日と指定日との入力を受け付ける(ステップS62)。指定日とは、年金額を算出する期間の範囲において、登録日を期間の始期とした場合の終期を示す日である。例えば、上述のステップS53においては基準日が指定日であり、ステップS55においては消滅日が指定日である。
【0039】
年金額算出部117は、変数Xに、登録日にi年を加算した値を代入する(ステップS63)。年金額算出部117は、変数Xが指定日より小さいか(前か)否かを判定する(ステップS64)。年金額算出部117は、変数Xが指定日より小さいと判定すると(ステップS64:YES)、維持費記憶部107からi年目の基本料と請求項金額とを読み出し、読み出した基本料に、請求項金額に請求項数を乗じた金額を算出し、変数jに加算する(ステップS65)。年金額算出部117は、変数iに1を加算し、ステップS63に戻る。
【0040】
一方、ステップS64において、年金額算出部117は、変数Xが指定日より小さくないと判定すると(ステップS64:NO)、変数Xから1年減算し、変数αに(Xから指定日までの日数÷366)の値を代入する。また、変数βに(i年目の基本料+i年目の請求項金額×請求項数)の値を代入する。そして、変数αに変数βを乗じた金額を変数jに加算し、加算結果を登録日から指定日までの年金額として出力する(ステップS68)。
【0041】
以上説明したように、本発明によれば、消滅した特許権の維持期間の実績に基づいて、存続している特許権の残存維持期間の推定値を算出することができる。またこの残存維持期間の推定値に応じて、その特許権が消滅するまでの維持費の推定値を算出することが可能になる。このような維持費の推定値は、その特許の残存価値として考えることができる。これにより、その特許の市場規模や市場価値等を個々の特許毎に判断することなく、客観的に、その特許の残存価値を算出することができる。このような残存価値は、例えば、特許の年金額が上がるタイミング(4年、7年、10年)において、その特許を存続させるか否かを判断するときに有用なものである。また、多数の特許権を保有しており、全ての特許権について市場規模やキャッシュフロー等を踏まえた評価を行うことが困難である場合に、本実施形態によって算出した残存価値に基づいて、例えば残存価値が一定以下のものや一定以上のものを選定することによってある程度のスクリーニングを行うことができる。このように選定した特許権についてのみ、市場規模やキャッシュフロー等を踏まえた評価を行えば、評価の手間を低減できる。
【0042】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより評価支援を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0043】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。