特許第5651651号(P5651651)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5651651
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/068 20120101AFI20141218BHJP
   H01L 31/0224 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   H01L31/06 300
   H01L31/04 262
【請求項の数】25
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2012-177820(P2012-177820)
(22)【出願日】2012年8月10日
(65)【公開番号】特開2013-175703(P2013-175703A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2012年8月10日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0018330
(32)【優先日】2012年2月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンデ
(72)【発明者】
【氏名】キム キス
【審査官】 濱田 聖司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−153670(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2421055(EP,A1)
【文献】 国際公開第2010/126038(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/162406(WO,A1)
【文献】 特表2009−509353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/04−31/078
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の前面に位置するエミッタ部と、前記エミッタ部上に位置する反射防止部と、前記基板の前面に位置する第1電極と、前記基板の前面に位置し前記第1電極に接続された第1バスバーと、前記基板の後面に位置し前記基板に接続された第2電極と、前記基板の後面に位置し前記第2電極に接続された第2バスバーを含む複数の太陽電池と、
前記エミッタ部の一部分が露出した第1開口部と前記エミッタ部の一部分が露出した一つ以上の第2開口部を含む前記反射防止部と、
前記複数の太陽電池の隣接した太陽電池の前記第1バスバーと、前記第1バスバー又は前記第2バスバーを電気的に接続するインターコネクトを含み、
前記第1電極は前記反射防止部を貫通して前記第1開口部に露出したエミッタ部に金属メッキにより接続され、前記第1バスバーは前記反射防止部を貫通して前記一つ以上の第2開口部に露出したエミッタ部に金属メッキにより接続され、
前記第1バスバーの端部分に形成される複数個の第2開口部間の間隔は前記第1バスバーの中央部分に形成される複数個の第2開口部間の間隔より狭いことを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記第1開口部によって露出したエミッタ部の抵抗値は前記複数個の第2開口部によって露出したエミッタ部の抵抗値より大きい、請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記太陽電池モジュールは、
前記第1バスバーと前記第2バスバーの内の少なくとも一つと前記インターコネクトの間に位置し、樹脂内に分散した複数の導電性粒子を含み、前記第1バスバーと前記第2バスバーの内の少なくとも一つと前記インターコネクトを電気的に接続する導電性接着フィルムをさらに含む、請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記複数の導電性粒子の内の少なくとも一つの厚さは前記導電性接着フィルムの厚さより大きいか同じである、請求項3記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記複数の導電性粒子の内の少なくとも一つは前記インターコネクト及び前記第1バスバーまたは前記第2バスバーの内の少なくとも一つの内部に没入される、請求項3記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記複数の導電性粒子の内の少なくとも一つは前記導電性接着フィルムの厚さより小さい、請求項3記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記複数の導電性粒子の内の少なくとも二つは前記インターコネクト及び前記第1バスバーまたは前記第2バスバーの内の少なくとも一つと直接接触する、請求項6記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記複数の導電性粒子の内の少なくとも二つは前記インターコネクト及び前記第1バスバーまたは前記第2バスバーの内の少なくとも一つと間接的に接触する、請求項6記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
前記導電性粒子は銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、チタン(Ti)及びマグネシウム(Mg)から選択された1種以上の金属を主成分として含む金属被覆樹脂粒子に形成される、請求項3記載の太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記導電性粒子は銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、チタン(Ti)及びマグネシウム(Mg)から選択された1種以上の金属粒子で形成される、請求項3記載の太陽電池モジュール。
【請求項11】
前記複数の導電性粒子の内の少なくとも一つは円型、楕円型、または放射形の形状からなる、請求項3記載の太陽電池モジュール。
【請求項12】
前記導電性粒子の内の少なくとも一つは非定型的または突き出された部分を有する、請求項3記載の太陽電池モジュール。
【請求項13】
前記インターコネクトは導電性金属からなる、請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項14】
前記導電性金属は1、000ppm以下の鉛成分を含む、請求項13記載の太陽電池モジュール。
【請求項15】
前記インターコネクトは前記導電性金属の表面を被覆した半田をさらに含む、請求項13記載の太陽電池モジュール。
【請求項16】
前記第1バスバーと前記第2バスバーの内の少なくとも一つは凹凸面を含む、請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項17】
前記導電性接着フィルムは前記第1バスバーと前記第2バスバーの内の少なくとも一つの幅と同一の幅を有している、請求項3記載の太陽電池モジュール。
【請求項18】
前記導電性接着フィルムは前記第1バスバーと前記第2バスバーの内の少なくとも一つの幅より大きい、請求項3記載の太陽電池モジュール。
【請求項19】
前記反射防止部は前記複数の第2開口部と離隔されており前記反射防止部または前記エミッタ部を露出する複数の溝をさらに含む、請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項20】
ニッケルケイ素化合物が前記第1電極と前記第1バスバーの内の少なくとも一つと前記基板の間に含まれる、請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項21】
前記第1電極と前記第1バスバーの内の少なくとも一つは表面に曲面が形成される金属メッキ方法によって形成される、請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項22】
前記第1電極と前記第1バスバーの内の少なくとも一つは前記基板の上にニッケル(Ni)メッキ方法からなる第1膜、前記第1膜の上に銀(Ag)または銅(Cu)メッキ方法からなる第2膜を含む、請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項23】
前記第2膜が銅(Cu)からなる時、前記第2膜の上に銀(Ag)やスズ(Sn)メッキ方法からなる第3膜をさらに含む、請求項22記載の太陽電池モジュール。
【請求項24】
前記導電性接着フィルムと接する前記第1バスバーと前記第2バスバーの内の少なくとも一つの第1面は膨らんでいる曲面を有している、請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項25】
前記導電性接着フィルムの中央部分の高さは前記導電性接着フィルムの端部分の高さより低い、請求項3記載の太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
最近石油や石炭のような既存エネルギー資源の枯渇が予測されながらこれらを取り替える代替エネルギーに対する関心が高くなりこれによって太陽エネルギーから電気エネルギーを生産する太陽電池が注目されている。
【0003】
一般的な太陽電池はp型とn型のように互いに異なる導電性タイプ(conductive type)によりp−n接合を形成する半導体部、それと互いに異なる導電性タイプの半導体部にそれぞれ接続された電極を備える。
【0004】
このような太陽電池に光が入射されれば半導体で電子と正孔が生成され、p−n接合により生成された電子はn型半導体部の方に移動し生成された正孔はp型半導体部の方に移動する。移動した電子と正孔はそれぞれp型半導体部とn型半導体部に接続された互いに異なる電極によって収集され、この電極を電線で接続して電力を得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、太陽電池モジュールの効率を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る太陽電池モジュールの一例は基板と、基板に位置するエミッタ部と、エミッタ部上に位置する反射防止部と、基板に位置する第1電極と、基板に位置して第1電極と接続された第1バスバーと、基板に位置し基板に接続された第2電極と、基板に位置し第2電極と接続された第2バスバーを含む複数の太陽電池と、エミッタ部の一部分が露出した第1開口部とエミッタ部の一部分が露出した一つ以上の第2開口部を含む反射防止部と、複数の太陽電池に隣接した太陽電池の第1バスバーと第1バスバー又は第2バスバーを電気的に接続するインターコネクトを含み、第1電極は反射防止部を貫通し第1開口部に露出したエミッタ部に電気メッキにより接続され、第1バスバーは反射防止部を貫通し一つ以上の第2開口部に露出したエミッタ部に電気メッキにより接続される。
【0007】
ここで、第1開口部によって露出したエミッタ部の抵抗値は一つ以上の第2開口部によって露出したエミッタ部の抵抗値より大きくなることができる。
【0008】
また、太陽電池モジュールは第1バスバーと第2バスバーの内の少なくとも一つとインターコネクトの間に位置し、樹脂内に分散した複数の導電性粒子を含み、第1バスバーと第2バスバーの内の少なくとも一つとインターコネクトを電気的に接続する導電性接着フィルムをさらに含むことができる。
【0009】
ここで、複数の導電性粒子の内の少なくとも一つの厚さは導電性接着フィルムの厚さより大きいか同一で有り得る。
【0010】
また、複数の導電性粒子の内の少なくとも一つはインターコネクト及び第1バスバーまたは第2バスバーの内の少なくとも一つの内部に没入されることができる。
【0011】
また、複数の導電性粒子の内の少なくとも一つは導電性接着フィルムの厚さより小さいこともある。
【0012】
ここで、複数の導電性粒子の内の少なくとも二つはインターコネクト及び第1バスバーまたは第2バスバーの内の少なくとも一つと直接接触するか、複数の導電性粒子の中で少なくとも二つはインターコネクト及び第1バスバーまたは第2バスバーの内の少なくとも一つと間接的に接触することができる。
【0013】
また、導電性粒子は銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、チタン(Ti)及びマグネシウム(Mg)から選択された1種以上の金属を主成分として含む金属被服樹脂粒子に形成されるか、導電性粒子は銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、チタン(Ti)及びマグネシウム(Mg)から選択された1種以上の金属粒子に形成されることがある。
【0014】
また、複数の導電性粒子の内の少なくとも一つは円型、楕円型、または放射状の形状となりうる。
【0015】
また、導電性粒子の内の少なくとも一つは非定型的または突き出された部分を有することがある。
【0016】
また、インターコネクトは導電性金属からなることがあり、導電性金属は1.000ppm 以下の鉛成分を含むことがある。
【0017】
また、インターコネクトは導電性金属の表面を被覆した半田をさらに含むことができる。
【0018】
また、第1バスバーと第2バスバーの内の少なくとも一つは凹凸面を含むことができる。
【0019】
また、導電性接着フィルムは第1バスバーと第2バスバーの内の少なくとも一つの幅と同一の幅を有するか、導電性接着フィルムは第1バスバーと第2バスバーの内の少なくとも一つの幅より大きいこともある。
【0020】
また、反射防止部は複数の第2開口部と離隔されており反射防止部またはエミッタ部を露出する複数の溝をさらに含むことができる。
【0021】
また、ニッケルケイ素化合物(nickel silicide)が第1電極と第1バスバーの内の少なくとも一つと基板の間に含まれることができる。
【0022】
また、第1電極と第1バスバーの内の少なくとも一つは表面に曲面が形成される金属メッキ方法によって形成されることができる。
【0023】
また、第1電極と第1バスバーの内の少なくとも一つは基板の上にニッケル(Ni) メッキ方法からなる第1膜、第1膜の上に銀(Ag)または銅(Cu)メッキ方法からなる第2膜を含み、第2膜が銅(Cu)からなる時、第2膜の上に銀(Ag)やスズ(Sn)メッキ方法からなる第3膜をさらに含むこともできる。
【0024】
また、導電性接着フィルムと接する第1バスバーと第2バスバーの内の少なくとも一つの第1面は凸な曲面を有することができる。
【0025】
また、導電性接着フィルムの中部分の高さは導電性接着フィルムの端部分の高さより小さいことがある。
【発明の効果】
【0026】
このように、凸な曲面形状を有する第1バスバーと第2バスバーの内の少なくとも一つと凸な曲面形状を有するインターコネクトとの接触を実施する場合、第1バスバーと第2バスバーの内の少なくとも一つとインターコネクトの間に柔軟性と成形性が優秀な樹脂を含んでいる導電性接着フィルムを配置して第1バスバーと第2バスバーの内の少なくとも一つとインターコネクトを接続する。これにより、外部から印加される熱と圧力によるインターコネクトの損傷の危険が減る。これにより、太陽電池モジュールの効率が向上する。
【0027】
また、第1バスバーと第2バスバーの内の少なくとも一つとその下部に位置したエミッタ部との接続のために、第1バスバーと第2バスバーの内の少なくとも一つの幅に対応する大きさだけ反射防止部に第2開口部を形成する代わり、第1バスバーと第2バスバーの内の少なくとも一つの幅より小さな幅を有する複数の第2開口部を形成する。これにより、第2開口部を形成するために印加される熱による太陽電池の効率減少を防止し、第2開口部を形成するための製造時間もまた短縮できる。
【0028】
さらに、第1バスバーと接している反射防止部に部分的に複数の溝を形成し、複数の溝に第1バスバーが満たされて、第1バスバーの接触面積が増加して第1バスバーと放射防止部及びエミッタ部との接着力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施の形態に係る太陽電池の一例に対する一部斜視図である。
図2図1に示した太陽電池をII−II線に従って切って示した断面図である。
図3】(a)と(b)はそれぞれ図2の「A」部分を拡大した図である。
図4】(a)と(b)はそれぞれ第1開口部または第2開口部の平面図である。
図5】それぞれは本発明の参考の実施の形態に係る太陽電池の前面電極部の一部とその下部に位置したエミッタ部の一部を概略的に示す平面図である。
図6】それぞれは本実施の形態に係る太陽電池の前面電極部の一部とその下部に位置したエミッタ部の一部を概略的に示す平面図である。
図7】本発明の参考の実施の形態によって反射防止部に形成された複数の第1及び第2開口部を概略的に示す平面図である。
図8】本実施の形態によって反射防止部に形成された複数の第1及び第2開口部を概略的に示す平面図である。
図9】本実施の形態によって第2開口部によって露出した第2エミッタ部分の上にメッキされた前面バスバーの一部を概略的に示す断面図である。
図10】(a)乃至(c)は本実施の形態によって第2開口部によって露出した第2エミッタ部分の上にメッキされて前面バスバーが形成される過程を概略的に示す断面図である。
図11】本発明の一実施の形態に係る太陽電池の他の例に対する一部断面図である。
図12A図1及び図2に示す太陽電池の製造方法を順次に示す図である。
図12B図1及び図2に示す太陽電池の製造方法を順次に示す図である。
図12C図1及び図2に示す太陽電池の製造方法を順次に示す図である。
図12D図1及び図2に示す太陽電池の製造方法を順次に示す図である。
図12E図1及び図2に示す太陽電池の製造方法を順次に示す図である。
図12F図1及び図2に示す太陽電池の製造方法を順次に示す図である。
図12G図1及び図2に示す太陽電池の製造方法を順次に示す図である。
図13】本発明の一実施の形態に係る太陽電池モジュールの平面図である。
図14図13で隣接した太陽電池をインターコネクトで直列接続した場合を概略的に示す側面図である。
図15】本発明の一実施の形態に係る太陽電池モジュールの概略的な分解斜視図である。
図16図13で導電性接着フィルムを利用して前面バスバーとインターコネクトの接続状態を示す多様な例の断面図である。
図17図13で導電性接着フィルムを利用して前面バスバーとインターコネクトの接続状態を示す多様な例の断面図である。
図18図13で導電性接着フィルムを利用して前面バスバーとインターコネクトの接続状態を示す多様な例の断面図である。
図19図13で導電性接着フィルムを利用して前面バスバーとインターコネクトの接続状態を示す多様な例の断面図である。
図20】(a)と(b)は比較例によって前面バスバーとインターコネクトの接続状態を示す断面図である。
図21】本発明の一実施の形態に係る太陽電池のまた他の例に対する一部斜視図である。
図22図21に示す太陽電池をXXII−XXII線に従って切って示す断面図である。
図23図21及び図21の太陽電池で反射防止部に形成された複数の第1を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では添付した図面を参照にして本発明の実施の形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施するように詳しく説明する。しかし本発明はいろいろ多様な形態に具現されることができここで説明する実施の形態に限定されない。そして図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似の部分に対しては類似の図面符号を付けた。
【0031】
図で多くの層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。層、膜、領域、基板などの部分が他の部分「上に」あると言う時、これは他の部分「真上に」ある場合だけではなくその中間に他の部分がある場合も含む。反対に何れの部分が他の部分「真上に」あると言う時には中間に他の部分がないことを意味する。
【0032】
それでは添付した図面を参照にして本発明の一実施の形態に係る太陽電池及び太陽電池モジュールに対して説明する。
【0033】
先ず、図1乃至図8を参照にし、本発明の一実施の形態に係る太陽電池1の一例に対して詳細に説明する。
【0034】
図1及び図2を参照にすれば、本発明の一実施の形態に係る太陽電池1は基板110 、光が入射される基板110 の面である前面(front surface;第1面)の方に位置したエミッタ部(emitter region)121、エミッタ部121上に位置する反射防止部130、基板110 の前面に位置し複数の前面電極(複数の第1電極)141と複数の前面電極141と接続された複数の前面バスバー(複数の第1バスバー)142を備えた前面電極部140、基板110 の前面の反対側面である基板110 の後面(back surface)(第2面) の方に位置する電界部(surface field region)172、そして電界部172上と基板110 の後面上に位置し後面電極(第2電極)151と後面電極151と接続された複数の後面バス バ(複数の第2バスバー)152を備えた後面電極部150を備える。
【0035】
基板110は第1導電性タイプ、例えばp型導電性タイプを有し、シリコン(silicon)のような半導体からなる半導体基板である。この時、半導体は多結晶シリコンまたは単結晶シリコンのような結晶質半導体である。
【0036】
基板110がp型の導電性タイプを有する場合、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などのような3価元素の不純物が基板110に、ドーピングされる。
【0037】
しかし、これとは異なり、基板110はn型の導電性タイプで有り得、シリコン以外の他の半導体物質からなることもある。基板110 がn型の導電性タイプを有する場合、基板110はりん(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)などのように5価元素の不純物が基板110にドーピングされる。
【0038】
図1及び図2に示すように、基板110の前面はテクスチャリング(texturing)され複数の突出部11と複数の凹部12を有する凹凸面であるテクスチャリング表面(textured surface)を有する。したがってテクスチャリング表面により、基板110の表面積が増加して光の入射面積が増加し基板110によって反射する光の量が減少するので、基板110に入射される光の量が増加する。
【0039】
このように、基板110の前面が複数の突出部11と複数の凹部12を有する凹凸面であるので、図1及び図2に示すように、基板110の前面の上に位置したエミッタ部121の表面とエミッタ部121の上に位置した反射防止部130の表面もまた複数の突出部21と複数の凹部22を有する凹凸面である。
【0040】
エミッタ部121は基板110の導電性タイプと反対の導電型である第2導電性タイプ、例えば、n型の導電性タイプを有する不純物がドーピングされた不純物ドーピング部として 基板110の前面の方に位置する。これのよりエミッタ部121は基板110の第1導電性タイプ部分とp−n接合を成す。
【0041】
このようなエミッタ部121は互いに異なる不純物のドーピング厚さと互いに異なる 面抵抗値を有する第1エミッタ部分1211(第1不純物ドーピング部分)と第2エミッタ部分1212(第2不純物ドーピング部分)を備えている。
【0042】
本実施の形態で、第1エミッタ部分1211の不純物ドーピング厚さは第2エミッタ部分1212の不純物ドーピング厚さ(深さ)より薄く、これにより、第1エミッタ部分1211の不純物ドーピング濃度も第2エミッタ部分1212の不純物ドーピング濃度より小さい。これにより、第1エミッタ部分1211の面抵抗値は第2エミッタ部分1212の面抵抗値より大きい。例えば、第1エミッタ部分1211の面抵抗値は約80Ω/sq.乃至120Ω/sq.であり、第2エミッタ部分1212の面抵抗値は約10Ω/sq.乃至50Ω/sq.で有り得る。
【0043】
したがって、本例のエミッタ部121は互いに異なる面抵抗値と不純物ドーピング濃度を有する第1及び第2エミッタ部分(1211、1212)を備えた選択的エミッタ構造(selective emitter structure)を有している。
【0044】
この時、第1エミッタ部分1211と基板110[すなわち、基板110の第1導電性タイプ部分]とのp−n接合面(第1接合面)と第2エミッタ部分1212と基板110とのp−n接合面(第2接合面)は互いに異なる高さに位置する。したがって、基板110の後面から第1接合面までの厚さは基板110の後面から第2接合面までの厚さより厚い。
【0045】
図1及び図2に示すように、エミッタ部121の第1エミッタ部分1211は反射防止部130下部に位置する。第2エミッタ部分1212は複数の前面電極141と複数の前面バスバー142下部に位置し、複数の前面電極141下部に位置する第2エミッタ部分1212である複数の電極用第2エミッタ部分12a(エミッタ部の第1部分)と複数の前面バスバー142下部に位置する第2エミッタ部分1212である複数のバスバー用第2エミッタ部分12b(エミッタ部の第2部分)を備える。
【0046】
この時、各電極用第2エミッタ部分12aの幅W11と各バスバー用第2エミッタ部分12bの幅W12は互いに同一である。一例として、各電極用第2エミッタ部分12aの幅W11と各バスバー用第2エミッタ部分12bの幅W12はそれぞれ約5μm乃至15μmで有り得る。
【0047】
図5及び図6に示すように、各電極用第2エミッタ部分12aは各前面電極141下部で前面電極141に沿って前面電極141と同一の方向に長く伸びていているので、各前面電極141下部には一つの電極用第2エミッタ部分12aが存在する。
【0048】
各バスバー用第2エミッタ部分12bは各前面バスバー142下部で前面バスバー142に沿って前面バスバー142と同一の方向に伸びていて互いに離隔されている複数のバスバー用第2エミッタ部分12bが存在する。したがって、隣接したバスバー用第2エミッタ部分12bの間には第1エミッタ部分1211が存在する。
【0049】
この時、図1に示すように、複数の前面電極141の延長方向と複数の前面バスバー142の延長方向は互いに交差する方向であるので、複数の前面電極141と複数の前面バスバー142は交差する部分で複数の前面電極141と複数の前面バスバー142は互いに接続されている。したがって、複数の前面電極141下部と複数の前面バスバー142下部でこれら〔141、142〕と同一の方向に伸びている電極用第2エミッタ部分12aと複数のバスバー用第2エミッタ部分12bもまた互いに交差する部分で互いに接続されている。
【0050】
したがって、複数の前面電極141と複数の前面バスバー142が互いに交差する部分を除けば、各前面バスバー142下部には互いに離隔されている複数の第2エミッタ部分1212[すなわち、バスバー用第2エミッタ部分12b]が存在する。本例では、隣接した二つのバスバー用第2エミッタ部分12bの間隔〔D11〕は15μm乃至 30μmで有り得る。
【0051】
図1及び図2そして図5及び7に示すように、本例による太陽電池1で、各前面バスバー142下部に位置した複数の第2エミッタ部分1212[すなわち、複数のバスバー用第2エミッタ部分12b]の形成間隔(D11)は一定である。
【0052】
しかし、図6及び図8に示すように、他の例では、各前面バスバー142下部に位置した複数の第2エミッタ部分1212[複数のバスバー用第2エミッタ部分12b]の間隔(D11)は互いに相異する。
【0053】
例えば、図6及び図8に示すように、複数のバスバー用第2エミッタ部分12bの間の間隔(D11)は各前面バスバー142に対応する複数のバスバー用第2エミッタ部形成幅(W3)の中部分に位置したバスバー用第2エミッタ部分12bの間隔(D11)が複数のバスバー用第2エミッタ部形成幅(W3)の端部分に位置したバスバー用第2エミッタ部(12b)の間隔(D11)より大きくなることができる。
【0054】
この時、各前面バスバー142に対応する複数のバスバー用第2エミッタ部形成幅(W3)の中央部分に位置したバスバー用第2エミッタ部分12bの間隔(D11)は互いに同一で有り得、複数のバスバー用第2エミッタ部形成幅(W3)の端部分に位置したバスバー用第2エミッタ部(12b)の間隔(D11)は同一で有り得る。
【0055】
この時、各前面バスバー142に対応する複数のバスバー用第2エミッタ部形成幅(W3)の中央部分に位置したバスバー用第2エミッタ部分12bの間隔(D11)は複数のバスバー用第2エミッタ部形成幅(W3)の端部分に位置したバスバー用第2エミッタ部(12b)の間隔(D11)に比べて約1.5乃至5倍で有り得る。
【0056】
しかし、これに限定されないで、複数のバスバー用第2エミッタ部形成幅(W3)の位置に無関係に互いに隣接した二つのバスバー用第2エミッタ部(12b)の間の間隔(D11)は互いに相異することがある。
【0057】
本例では、各前面バスバー142下部に存在する複数の第2エミッタ部分1212[すなわち、バスバー用第2エミッタ部分12b]の個数は各第2エミッタ部分1212の幅と隣接した二つのバスバー用第2エミッタ部分12bの間隔(D11)と各第2エミッタ部分12bの幅によって決まれば、例えば、約30乃至70個で有り得る。
【0058】
基板110とエミッタ部121の間に形成されたp−n接合による内部電位差(built-in potential difference)によって、基板110に入射した光によって生成された電荷である電子と正孔の中で電子はn型の方に移動し正孔はp型の方に移動する。したがって、基板110がp型でエミッタ部121がn型の場合、電子はエミッタ部121方へ移動し正孔は基板110の後面方に移動する。
【0059】
エミッタ部121は基板110とp−n接合を形成するので、これと異なり、基板110 がn型の導電性タイプを有する場合、エミッタ部121はp型の導電性タイプを有する。この場合、電子は基板110の後面方に移動し正孔はエミッタ部121の方へ移動する。
【0060】
エミッタ部121がn型の導電性タイプを有する場合、エミッタ部121には5価元素の不純物をドーピングすることができ、反対にエミッタ部121がp型の導電性タイプを有する場合エミッタ部121には3価元素の不純物をドーピングすることができる。
【0061】
第1エミッタ部分1211の面抵抗値が約80Ω/sq.以上で約120Ω/sq.以下の場合、第1エミッタ部分1211自体で吸収される光の量をもう少し減少させ、基板110に入射される光の量を増加させ、不純物による電荷損失をもう少し減少させる。
【0062】
また、第2エミッタ部分1212の面抵抗値が約10 Ω/sq.以上で約50Ω/sq.以下である場合、第2エミッタ部分1212と前面電極部140との接触抵抗が減り電荷の移動の中での抵抗による電荷損失が減る。
【0063】
既に説明したように、エミッタ部121の第1エミッタ部分1211が反射防止部130下部に位置するので、反射防止部130はエミッタ部121の第1エミッタ部分1211上に位置する。したがって、各前面バスバー142下部に位置した複数のバスバー用第2エミッタ部分12b中で、隣接した二つのバスバー用第2エミッタ部分12bの間にも第1エミッタ部分1211が存在するので、隣接したバスバー用第2エミッタ部分12bの間に位置した第1エミッタ部分1211上に反射防止部130が存在する。
【0064】
このような反射防止部130は水素化されたシリコンチッ化物(SiNx:H)、水素化されたシリコン酸化物(SiOx:H)、水素化されたシリコン酸化チッ化物(SiOxNy:H)、またはアルミニウム酸化物(AlxOy)などからなる。
【0065】
反射防止部130は太陽電池1に入射される光の反射度を減らし特定の波長領域の選択性を増加させ、太陽電池1の効率を高める。
【0066】
また反射防止部130を形成する時注入された水素(H)や酸素(O)などを通じて反射防止部130は基板110の表面及びその近くに存在するダングリングボンド(dangling bond)のような欠陥(defect)を安定した結合に変えて欠陥によって基板110 の表面の方に移動した電荷が消滅することを減少させるパッシベーション機能(passivaTiOn funcTiOn)を遂行する。したがって欠陥によって基板110の表面の方に移動した電荷が消滅することを減少させるパッシベーション機能(passivaTiOn funcTiOn)を遂行し、反射防止部130は保護部(passivaTiOn region)としても機能する。このような反射防止部130によって、欠陥によって基板110の表面及びその近傍で損失する 電荷の量が減少するので、太陽電池1の効率は向上する。
【0067】
このような反射防止部130の上部面(すなわち、前面電極部140と接している方の表面)は、既に説明したように、その下部に位置した基板110のテクスチャリング表面(すなわち、凹凸面)によって複数の第1突出部21と複数の第2凹部22を有する平坦ではない凹凸面を有してある。これにより、基板110 に入射される光の量が増加する。
【0068】
また反射防止部130の上部面の一部は前面電極141及び前面バスバー142と接している。
【0069】
この時、前面電極141及び前面バスバー142と接している反射防止部130の上部面には図3の(a)に示すように、複数の溝180を備えている。
【0070】
この時、各溝180は前面電極部140と接している反射防止部130の上部面に位置した各突出部21に位置し反射防止部130の一部が除去され形成されたことで、反射防止部130の上部面から反射防止部130の下部面(すなわち、反射防止部130の上部面の反対側に位置しエミッタ部121と接している面) の方に決まった厚さまたは深さ(D1)だけ陥没した部分である。図3の(a)で、反射防止部130の上部面の方に形成された複数の溝180は反射防止部130のみの一部が除去され形成されたことで、反射防止部130内にのみ位置する。
【0071】
しかし、図3の(b)に示すように、他の例では、前面電極部140と接する反射防止部130の部分に形成された複数の溝180は反射防止部130だけでなくその下部に位置したエミッタ部[すなわち、第1エミッタ部分1211]の一部まで除去して形成される。
【0072】
したがって、各溝180を通じて反射防止部130やエミッタ部121の第1エミッタ部分1211が現われる。
【0073】
この時、各溝180の深さ(D1)は図3の(a)に示す深さ(D1)より大きい。
【0074】
複数の溝180はレーザビームを照射して所望する位置に形成することができる、各溝180の深さ(D1)はレーザビームの強さによって変えることができる。
【0075】
本例では、各溝180の深さ(D1)は各溝180の周辺に位置した突出部を直線で接続して各溝180に形成された仮想の線から溝180の側面と並びに測定された深さ中最大値で有り得る。
【0076】
本例では、図3の (a)のように各溝180が反射防止部120のみを露出する場合、各溝180の深さ(D1)と直径は約300nm乃至10μmで有り得、図3の(b)のように各溝180が前記エミッタ部121を露出する時、各溝180の深さ(D1)と直径はそれぞれ70nm乃至120nmで有り得る。
【0077】
各溝180は第2開口部182と並びに第2開口部182に沿って同一の方向に伸びているストライプ形状を有するか円型や楕円型の形状を有することができる。
【0078】
本実施の形態で、反射防止部130は単一膜構造を有するが2重膜のような多層膜構造を有することができ、必要によって省略することができる。
【0079】
複数の前面電極141と複数の前面バスバー142を備えた前面電極部140はエミッタ部121上の及び反射防止部130上に位置しエミッタ部121の第2エミッタ部分1212と接続されている。
【0080】
したがって、反射防止部130は各前面電極141と第2エミッタ部分1212の各電極用第2エミッタ部分12aを接続するために反射防止部130の一部を除去してその下部に位置した各電極用第2エミッタ部分12aを露出させる複数の第1開口部181と各前面バスバー142と第2エミッタ部分1212のバスバー用第2エミッタ部分12bを接続するために反射防止部130の一部を除去してその下部に位置した第2エミッタ部分1212の各バスバー用第2エミッタ部分12bを露出させる複数の第2開口部182を備える。
【0081】
複数の第1及び第2開口部(181、182)は反射防止部130の該の位置にレーザビームを照射して形成することができる。
【0082】
各第1開口部181と各第2開口部182によって露出した第2エミッタ部分(12a、12b)の各両側面の形状は図4の(a)に示すように、平坦面や図4の(b)に示すように非平坦面である凹凸面で有り得る。
【0083】
第1及び第2開口部(181、182)を通じて現われた第2エミッタ部分(12a、12b)の両側面が平坦面である時、使われるレーザビーム(LB)は第1及び第2開口部(181、182)の幅と同一の幅を有するストライプ(stripe) 形状を有することができ、第1及び第2開口部(181、182)を通じて現われた第2エミッタ部分(12a、12b)の両側面が凹凸面である時、使われるレーザビーム(LB)は第1及び第2開口部(181、182)の幅と同一の幅を有するスポット(spot) 形状を有することができる。
【0084】
各第1開口部181と各第2開口部182によって露出した第2エミッタ部分(12a、12b)の各両側面の形状が凹凸面の場合、第1及び第2開口部(181、182)を通じて露出する第2エミッタ部分(12a、12b)の面積が増加するので前面電極141及び前面バスバー142と第2エミッタ部分(12a、12b)が接触する接触面積が増加するようになり、ストライプ形状を有するレーザビーム(LB)を利用して第1及び第2開口部(181、182)を形成する場合、第1及び第2開口部(181、182)の形成時間が減る。
【0085】
図7及び図8に示すように、第1及び第2開口部(181、182)それぞれの幅(W41、W42)は同一であり、各第1及び第2開口部(181、182)の幅(W41、W42)は約5μm 乃至約15μmで有り得る。
【0086】
複数の第1開口部181は複数の前面電極141を形成するための開口部(すなわち、前面電極用開口部)であり、複数の第2開口部182は複数の前面バスバー142を形成するための開口部(すなわち、前面バスバー用開口部)である。
【0087】
この時、一つの第1開口部181は一つの前面電極141を形成するための開口部であるので、反射防止部130で一つの前面電極141を形成するための形成領域(以下、「前面電極形成領域」または「第1電極形成領域」と称する)(AA)に形成される第1開口部181の個数は一つである。これにより、複数の第1開口部181の個数は複数の前面電極141の個数と同一である。
【0088】
しかし、複数の前面電極141とは異なり、約1mm乃至1.5mmの幅を有する一つの前面バスバー142を形成するためには約30個乃至約70個の第2開口部182が必要であり、これにより、一つの前面バスバー142を形成するための反射防止部130の領域(以下、「前面バスバー形成領域」または「第1バスバー形成領域」と称する)(AB)に形成される第2開口部182の個数は約30個乃至約70個である。したがって、複数の第2開口部182の個数は複数の前面バスバー142の個数よりずっと大きい。
【0089】
このように、一つの前面バスバー142を形成するため、一つの前面バスバー142の幅と少なくとも同一の幅を有する一つの第2開口部182を形成する代わり、離隔された複数の第2開口部182を形成する時、反射防止部130の前面バスバー形成領域(AB)の幅または一つの前面バスバー142に対応する複数のバスバー用第2エミッタ部形成幅(W3)に対してその下部に形成された複数の第2開口部182の全ての幅の割合は約1:0.2乃至0.5で有り得る。
【0090】
既に説明したように、複数の前面電極141は互いに離隔され決まった方向に並んで伸びており、各前面電極141は第2エミッタ部分1212の各電極用第2エミッタ部分12aと電気的及び物理的に接続されている。
【0091】
各前面電極141は各電極用第2エミッタ部分12aの上だけでは隣接した反射防止部130上にも一部位置する。したがって、図5及び図6に示すように、各電極用第2エミッタ部分12aの幅W11よりその上に位置した各前面電極141の幅(W21)がさらに大きい。一例として、各前面電極141の幅(W21)は20μm乃至40μmで有り得る。
【0092】
これにより、各前面電極141は第2エミッタ部分1212[すなわち、電極用第2エミッタ部分12a]と電気的及び物理的に接続されている。
【0093】
このような複数の前面電極141はエミッタ部121の第1エミッタ部1211を通じて第2エミッタ部分1212の電極用第2エミッタ部分12aに移動した電荷、例えば、電子を収集する。
【0094】
既に説明したように、一つの前面電極141を形成するために電極用第2エミッタ部分12aを露出させる第1開口部181の個数は一つであり、一つの前面バスバー142を形成するためにバスバー用第2エミッタ部分12bを露出させる複数の第2開口部182の個数は約30個乃至 70個で有り得る。
【0095】
本例では、一つの前面バスバー142に対応する複数のバスバー用第2エミッタ部形成幅(W3)に対してその下部に形成された複数の第2開口部182の全ての幅の割合は約1: 0.2乃至0.5で有り得る。
【0096】
一つの前面バスバー142に対応する複数のバスバー用第2エミッタ部形成幅(W3)に対してその下部に形成された複数の第2開口部182の全ての幅の割合が約1:0.2以上の場合、複数の第2開口部182を通じて露出したバスバー用第2エミッタ部分12a上に形成される一つの前面バスバー142がさらに安定的に形成され所望する幅と所望する伝導度を有する前面バスバー142が得られる。
【0097】
一つの前面バスバー142に対応する複数のバスバー用第2エミッタ部形成幅(W3)に対してその下部に形成された複数の第2開口部182の全ての幅の割合が約1: 0.5以下である場合、複数の第2開口部182を形成するのに必要となる時間をさらに節約し複数の第2開口部182形成のために熱に露出するエミッタ部121の面積をさらに減らすことができるようになる。
【0098】
複数の前面バスバー142は互いに離隔され複数の前面電極141と交差する方向に並びに伸びていて、各前面バスバー142は複数の第2開口部182を通じて現われた第2エミッタ部分1212の複数のバスバー用第2エミッタ部分12bと電気的及び物理的に接続されている。
【0099】
また隣接した二つのバスバー用第2エミッタ部分12bの間に反射防止部130が位置するので、一つの前面バスバー142は第2エミッタ部分1212[すなわち、複数のバスバー用第2エミッタ部分12b]だけでなく反射防止部130とも接続されている。
【0100】
もちろん隣接した二つのバスバー用第2エミッタ部分12bの間の反射防止部130下部に第1エミッタ部分1211が存在するので、一つの前面バスバー142下部には第2エミッタ部分1212[すなわち、複数のバスバー用第2エミッタ部分12b]だけでなく第1エミッタ部分1211で存在する。
【0101】
各前面電極141と同一に、一つの前面バスバー142下部に存在する複数のバスバー用第2エミッタ部分12bが位置した基板110の全体幅(複数のバスバー用第2エミッタ部分の形成幅)(W3)[すなわち、図5で、一つの前面バスバー142下部に存在する複数のバスバー用第2エミッタ部分12b中で最も上部(すなわち最外郭)に位置したバスバー用第2エミッタ部分12bの最側面から最も下部(すなわち、最外郭)に位置したバスバー用第2エミッタ部分12bの最側面までの距離]よりその上に位置した各前面バスバー142の幅(W22)がさらに大きい。一例として、各前面バスバー142の幅(W22)は1mm乃至1.5mmで有り得る。
【0102】
結局、各前面バスバー142は第2エミッタ部分1212の電極用第2エミッタ部分12a及び第2エミッタ部分1212のバスバー用第2エミッタ部分12bと電気的及び物理的に接続されている。
【0103】
複数の前面バスバー142は複数の前面電極141と同一層に位置し、既に説明したように、各前面電極141と交差する地点で該当の前面電極141と電気的及び物理的に接続されている。
【0104】
したがって、図1及び図3に示すように、複数の前面電極141は横または縦方向のように決まった一方向(第1方向)に伸びているストライプ(stripe) 形状を有し、複数の前面バスバー142は複数の前面電極141と交差する縦または横方向のような他の方向(第2方向)に伸びているストライプ形状を有していて、前面電極部140は基板110の前面に格子形態で位置する。
【0105】
複数の前面バスバー142は接触されたエミッタ部121の第2エミッタ部分1212から移動する電荷だけではなく複数の前面電極141によって収集されて移動する電荷を収集した後該当の方向に収集された電荷を伝送する。
【0106】
各前面バスバー142は交差する複数の前面電極141によって収集された電荷を集めて所望する方向に移動させなければならないので、各前面バスバー142の幅(W22)は各前面電極141の幅(W21)より大きい。
【0107】
この時、エミッタ部121が第1及び第2エミッタ部分(1211、1212)を備えた選択的エミッタ構造を有していて、前面電極部140への電荷移動が主に行われる第1エミッタ部分1211は低い不純物ドーピング濃度を有し、前面電極部140と接している第2エミッタ部分1212は高い不純物濃度を有してある。したがってエミッタ部121の第1エミッタ部分1211を通じて前面電極部140の方に移動する電荷の量と不純物の濃度増加による伝導度の増加で第2エミッタ部分1212で前面電極部140に移動する電荷の量が増加する。これにより、エミッタ部121で前面電極部140に収集される電荷の量が増加し、太陽電池1の効率は大きく向上する。
【0108】
追加として、前面電極部140の前面電極141及び前面バスバー142と主に接触し電荷を出力する第2エミッタ部分1212は高い不純物ドーピング濃度によって第1エミッタ部分1211より高い伝導度と低い面抵抗値を有している。これにより、第2エミッタ部分1212と前面電極部140との接触抵抗が減少し、第2エミッタ部分1212から前面電極部140に移動する電荷の伝送効率が向上する。
【0109】
この時、各前面電極141の幅(W21)より第2エミッタ部分1212の電極用第2エミッタ部分12aの幅W11が少なくて、高濃度の不純物ドーピング領域である電極用第2エミッタ部分12aの形成面積が減少する。また、各前面バスバー142の幅(W22)より複数のバスバー用第2エミッタ部分形成幅(W3)が狭く、各前面バスバー142全体が第2エミッタ部分1212と接する代わりに、各前面バスバー142が部分的に高濃度の不純物ドーピング領域であるバスバー用第2エミッタ部12bと接続されている。これにより、各前面バスバー142下部に形成された高濃度の不純物ドーピング領域[バスバー用第2エミッタ部分12b]の形成面積が減少する。したがってエミッタ部121で高濃度の不純物ドーピング領域1212が減少して不純物による電荷の損失量が大きく減少し、太陽電池1の効率が向上する。
【0110】
複数の太陽電池1を直列または並列接続して一つの太陽電池モジュールを製造するため、複数の前面バスバー142はリボン(ribbon)のようなインターコネクト(interconnector)が位置し、本例では、この複数の前面バスバー142とインターコネクトの間には導電性接着フィルムが位置し、複数の前面バスバー142とインターコネクトを電気的及び物理的に接続する。したがって、イントケネックトを通じて複数の前面バスバー142は外部装置と接続されるので複数の前面バスバー142を通じて収集された電荷(例、電子)はインターコネクトを通じて外部装置に出力される。
【0111】
また、各前面電極141と各前面バスバー142が電極用第2エミッタ部分12aとバスバー用第2エミッタ部分12bの上だけではなく反射防止部130上にも位置して各開口部(181、182)の幅より各前面電極141と各前面バスバー142の幅が大きい。これにより、各前面電極141と各前面バスバー142の表面積と断面積が増加し、各前面電極141と各前面バスバー142の伝導度が安定的に維持され電荷の移動が安定的に行われ、各前面バスバー142上に位置する導電性接着フィルムとの接触面積が増加して各前面バスバー142と導電性接着フィルムとの接着力がさらに向上する。
【0112】
既に説明したように、前面電極部140の前面電極141と前面バスバー142と接する反射防止部130の部分に反射防止部130やエミッタ部121の第1エミッタ部分1211を露出させる複数の溝180が形成されているので、反射防止部130上に位置した前面電極141と前面バスバー142は複数の溝180内にも形成される。
【0113】
これにより、前面電極141と前面バスバー142はその下部に位置した反射防止部130とエミッタ部121に接触する接触面積が増加し、前面電極141とその下部に位置した反射防止部130及びエミッタ部121との接着力及び前面バスバー142とその下部に位置した反射防止部130及びエミッタ部121との接着力が増加する。したがって前面電極141とその下部に位置した反射防止部130及びエミッタ部121との物理的な結合力と前面バスバー142とその下部に位置した反射防止部130及びエミッタ部121の物理的な結合力が向上する。
【0114】
本例では、前面電極部140はメッキ法を利用して形成される。このため、反射防止部130にエミッタ部121を露出する複数の第1及び第2開口部(181、182)が形成された後、複数の第1及び第2開口部(181、182)を通じて露出されたエミッタ部121上に電気メッキ法などのようなメッキが行われる。
【0115】
次に、図9及び図10 を参照にして、メッキ法で前面電極部140を製作する場合、形成された前面電極141と前面バスバー142の特性が示されている。図9及び図10で、概略的に示すために 基板110の表面はテクスチャリング表面ではない平坦面に示す。
【0116】
図9に示すように、反射防止部130を除去して決まった幅(Wc)を有する第2開口部182[または複数の第1開口部181]を形成した後露出した第2エミッタ部分1212上にメッキを実施する場合、反射防止部130の上部面高さからメッキされた厚さはHfであり、既に説明したように、メッキは等方成長であるので第2開口部182[または第1開口部181]の端から水平方向に反射防止部130上に行われたメッキの厚さもまたHfである。したがって、第2開口部182[または第1開口部181]を通じて露出した第2エミッタ部分1212上にメッキされた部分の上部面形状は曲面形状を有するようになる。
【0117】
したがって、メッキが行われる場合、図10の(a)に示すように、各第1開口部181(図9に図示せず)と各第2開口部182内に位置した第2エミッタ部分1212で金属メッキされて所望する金属が成長して複数の前面電極141と複数の前面バスバー142を備えた前面電極部140が形成され始めながら、次第に第1及び第2開口部(181、182)外部にまで前面電極141と前面バスバー142が成長される。
【0118】
この時、前面電極部140のための金属のメッキ成長は、既に説明したように、垂直方向だけではなく水平方向にも同一の速度である等方成長であるので、図10の(b)に示すように、第1及び第2開口部(181、182)内でメッキ成長した前面電極141と前面バスバー142が隣接した反射防止部130の上部面の高さまで成長すれば、水平方向にも金属成長が成り開口部(181、182)に隣接した反射防止部130上にも前面電極141と前面バスバー142が成長する。
【0119】
したがって、各前面電極141の上部面と各前面バスバー142の上部面は曲面形状を有するようになる。
【0120】
本例では、一つの前面バスバー142を形成するために隣接するように位置した複数の開口部182が形成されるので、図10の(c)に示すように、一つの前面バスバー142を形成するために形成された複数の第2開口部182から、近距離で隣接するように形成された二つの第2開口部182でそれぞれ成長した金属(すなわち、各前面バスバー142の一部)が反射防止部130の上で互いに会う。
【0121】
結局、互いに離隔されるそれぞれの第2開口部182内で金属メッキ成長が成っても隣接した二つの第2開口部182の間の間隔(D11)が水平方向にの金属メッキ成長範囲内に含まれているので隣接した二つの第2開口部182を中心にそれぞれ成長した金属は二つの第2開口部182の間に位置した反射防止部130の上で会うようになり一つの前面バスバー142を形成するようになる。
【0122】
したがって、最終的に形成された各前面バスバー142の幅[すなわち、反射防止部130と第2エミッタ部分1212に接している各前面バスバー142の下部面の幅]は前面バスバー形成領域(AB)の幅(D21)より大きい値を有するようになる。
【0123】
既に説明したように、金属メッキ成長は等方成長であるので、各第2開口部182を中心にメッキが行われる前面バスバー142の一部である金属の上部面[すなわち、下部面の反対側に位置した前面バスバー142の面]もやはり曲面形状を有するようになる。しかし、隣接した二つの第2開口部182を中心に金属メッキがそれぞれ行われて隣接した二つの第2開口部182 の間に位置した反射防止部130の上で重畳するので、メッキ成長した金属の重畳部分の上部面の高さが第2開口部182に露出した第2エミッタ部分1212上にメッキ成長した金属部分の上部面の高さより低くなる。
【0124】
したがって、反射防止部130上と第2開口部182を通じて露出した第2エミッタ部分1212上に形成された各前面バスバー142の上部面[すなわち、下部面の反対側に位置した前面バスバー142の面]は複数の突出部と複数の凹部を有する凹凸面を有する曲面形状を有するようになる。既に説明したように、第2開口部182を通じて露出した第2エミッタ部分1212 上に位置した前面バスバー142の上部面の高さが反射防止部130上に位置した前面バスバー142の高さより高い。
【0125】
これにより、各前面バスバー142の上部面の表面の荒さが増加して各前面バスバー142とインターコネクト間の接触面積が増加するので、前面バスバー142からインターコネクトに移動する電荷の量が増加する。
【0126】
図6及び図8に示すように、各前面バスバー142下部に位置した複数のバスバー用第2エミッタ部分12b]の間隔(D11)が位置によって互いに相異する時、各前面バスバー142の中部分で隣接したバスバー用第2エミッタ部分12b上にメッキ成長した部分の重畳面積より端部分で隣接したバスバー用第2エミッタ部分12b上にメッキ成長した部分の重畳面積が増加する。したがって各前面バスバー142の中部分と端部分間の高さ差が減少するようになり、これにより、複数の突出部と複数の凹部を有する凹凸面である各前面バスバー142の上部面の表面の平坦度がさらに増加するようになる。これにより、各前面バスバー142上に位置する導電性接着フィルムとの接着動作が容易くなり、接着力が増加するようになる。
【0127】
しかし、各前面電極141は一つの第1開口部181を利用して形成されるので複数の突出部と複数の凹部を有さない滑らかである曲面形状を有するようになる。
【0128】
図9で、メッキされた前面バスバー142の全ての幅(Wf)は(Wc+2Hf)になる。この時、メッキされた金属[例、銀(Ag)]の比抵抗値(specific line resistivity)は約2.2uΩcmであるので、銀ペーストで製作された前面バスバーの比抵抗値(約 6.7uΩcm)の約1/3にあたることが分かる。また、メッキされた物質の接触抵抗(specific contact resistivity)は約1mΩcmであり、この接触抵抗もまた銀ペーストを利用する場合の接触抵抗(約 3mΩcm)の約1/3にあたることが分かる。
【0129】
このように、メッキで製作された前面バスバー142の比抵抗値と接触抵抗値それぞれが銀ペーストで製作された前面バスバーの比抵抗値と接触抵抗値それぞれの1/3に対応されるので、メッキ法を利用して製作された前面バスバー142と銀ペーストで製作された前面バスバー142が同一の断面積を有する場合、メッキで製作された前面バスバーの動作特性(例、接触特性や伝導度)は銀ペーストで製作された前面バスバーの動作特性より約 3倍向上することが分かる。
【0130】
図9では、Wcは10μmであり、Hfもまた10μmである時、一つの第2開口部182でメッキ成長された前面バスバー142の一部断面積(A)は約257μm2である。
【0131】
一方、銀ペーストで製作された前面バスバー142と同一の配線抵抗を有する一つの前面バスバー142の断面積(A1)はR(配線抵抗)=[ρ(比抵抗値)×l(長さ)]/A1(断面積)の算出式に基づいて算出することができる。この時、銀ペーストで製作された前面バスバーとメッキで製作された前面バスバー142との長さ(l)は同一であること見なすので、上の算出式で長さ(l)に対する要素は省略する。
【0132】
したがって、銀ペーストで製作された前面バスバーの配線抵抗をRpasteであるとする時、既に説明したように、この時の比抵抗値は6.7uΩcmであり、断面積は37.500μm2 であるので、Rpaste =6.7/37500=1.786 ×10-4Ωになる。
【0133】
したがって、メッキで製作された前面バスバーの配線抵抗(Rplating)が銀ペーストで製作された前面バスバーと同一の配線抵抗(Rpaste)を有する場合の断面積(A1)は次のように算出される。この時、既に説明したように、メッキで製作された前面バスバー142の比抵抗値は2.2uΩcmである。
【0134】
Rplating = ρ/A1で、1.786×10-4Ω=2.2/A1であるので、断面積(A1)は計算により約12.313μm2となる。
【0135】
したがって、この断面積(A1)を一つの開口部182でメッキ成長した部分の断面積(A)で分ければこの断面積(A1)を得るために反射防止部130に形成される第2開口部182の個数が算出され、約10μmの幅を有する開口部182の個数は約48個になることができる。
【0136】
すなわち、幅が約1.5mmである一つの前面バスバーを形成するため、反射防止部130に約1.5mmの幅を有する一つの第2開口部を形成する代りに、約10μmの幅を有する開口部182を約48個形成した後、第2開口部182内にメッキを実施し一つの前面バスバー142を形成する場合、前面バスバー142のメッキ成長が既に説明したように、第2開口部182の上の方だけではなく左側と右側方向にも等方成長されるので、複数の第2開口部182上に形成された前面バスバー142の幅はおおよそ1.5mmを有するようになる。
【0137】
これにより、約1mm乃至1.5mmの幅を有する一つの前面バスバー142を複数の第2開口部182を通じて露出したエミッタ部121上にメッキ法を利用し形成する場合、約5μm乃至15μmの幅を有する第2開口部182が約30個乃至70個が必要となることが分かる。この時、隣接した二つの第2開口部182の間隔は約15μm乃至30μmで有り得る。第2開口部182の個数は各第2開口部182の幅と隣接した二つの第2開口部182の間の間隔によって変わる。
【0138】
隣接した二つの第2開口部182の間隔が約15μm以上の時、高濃度の不純物ドーピング部分である第2エミッタ部分12bの形成面積を減少させ第2エミッタ部分1212のバスバー用第2エミッタ部分12bによる電荷損失量がさらに安定的に減少し、隣接した二つの第2開口部182の間隔が約30μm以上の時、隣接した第2開口部182にそれぞれ成長した前面バスバー182部分がさらに安定的に接するようになって安定的な伝導度を有する一つの前面バスバー142が複数の第2開口部182上に形成される。
【0139】
このように、各前面バスバー142の形成のために一つの前面バスバー142が位置する部分の反射防止部130全体を全てレーザで除去する代わり、各前面バスバー142の形成のために一つの前面バスバー142が位置する部分の反射防止部130を部分的または選択的に除去するので、レーザビームが照射される反射防止部130の領域が減少するようになる。
【0140】
これにより、レーザビームの照射時間が減少し、レーザビームによって印加される熱によるエミッタ部121や基板110の劣化現象が減少し、太陽電池1の製造時間と特性変化の減少効果が発生する。
【0141】
本例では、一つの前面バスバー142のための複数の第2開口部182の個数が30個以上の場合、より安定的な伝導度と表面積を有する前面バスバー142が形成され、一つの前面バスバー142のための複数の第2開口部182の個数が70個以下である場合、不必要な時間の無駄とレーザの照射面積が減る。
【0142】
また、蝕刻ペーストや別途のマスクを利用した反射防止部130の除去動作の代わりに反射防止部130上に直接照射されるレーザビームを利用し反射防止部130の所望の部分を除去するので、形成される第1及び第2開口部(181、182)の幅が蝕刻ペーストやマスクを利用する時より大幅に減少するようになる。
【0143】
これにより、高濃度の不純物ドーピング部分である第2エミッタ部分1212の形成面積が減少し、前面電極141の形成幅が減少して複数の前面電極141の形成面積が減少する。
【0144】
しかし、代案的な例の太陽電池1で、図11に示すように、一つの前面バスバー182のために第2エミッタ部分1212のバスバー用第2エミッタ部分12bを露出させる第2開口部182の個数は一つで有り得る。
【0145】
この場合、各前面バスバー142と第2エミッタ部分1212のバスバー用第2エミッタ部分12bの接触面積が増加して、前面バスバー142と第2エミッタ部分1212との接着力が増加するようになる。
【0146】
この場合、各前面電極141のように、一つの前面バスバー142のためには一つの第2開口部182だけが必要であるので一つの開口部182でメッキ成長された物質によって一つの前面バスバー142が形成される。これにより、一つの第2開口部182で形成された一つの前面バスバー142の上部面の表面形状は各前面電極141の上部面の表面形状のように曲面形状を有してあり、複数の第2開口部182を通じて形成された一つの前面バスバー142の上部面より小さな粗さを有するようになり、一つの前面バスバー142の上部面の平坦度は複数の第2開口部182を通じて形成された一つの前面バスバー142の上部面の平坦度より増加する。
【0147】
本例では、複数の溝180は前面電極部140とエミッタ部121の第2エミッタ部分1212との接触のためではなく前面電極部140とその下部に位置した構成要素間の接着力を強化するためのことである。したがって、各溝180の深さ(D1)は各第1及び第2開口部(181、182)の深さ(D2)より深くなく、これら溝180と開口部(181、182)の深さ(D1、D2)はレーザビームの強さ、すなわち、波長の大きさによって変わる。これにより、複数の第1及び第2開口部(181、182)を形成するために照射されるレーザビームの強さと複数の溝180を形成するために照射されたレーザビームの強さは互いに相異することがあり、複数の第1及び第2開口部(181、182)のためのレーザビームの強さが複数の溝180のためのレーザビームの強さより大きくすることができる。
【0148】
本例では、複数の第1及び第2開口部(181、182)と複数の溝180を形成するために使われるレーザビームの波長は約350nm乃至1100nmで有り得、一例として、複数の第1及び第2開口部(181、182)を形成するためのレーザビームは532nmの波長を有するレーザビームで有り得、複数の溝180を形成するためのレーザビームは約1100nmの波長を有するレーザビームで有り得る。また、第1及び第2開口部(181、182)と溝180のためのレーザビームの出力(power)は約5W乃至20Wで有り得る。この時、レーザビームの出力、強さ(波長)または照射時間は反射防止部130の材料や厚さなどによって決まる。
【0149】
使われるメッキ法は電気メッキ法やLIP法(light induced plating、LIP) などを使うことができる。
【0150】
複数の前面電極141と複数の前面バスバー142の形成は同一のメッキ工程を通じて同時に成るので、前面電極141と前面バスバー142の膜構造と材料は同一である。また前面電極部140がメッキによって形成されるので、前面電極部140の密度は銀ペーストなどを利用したスクリーン印刷法に製造された前面電極部の密度よりずっと増加して前面電極部140の伝導度が大きく向上する。
【0151】
複数の前面電極141と複数の前面バスバー142を備えた前面電極部140は銀(Ag)のような物質からなる単一膜構造を有しているが、代案的な例で、2重膜または3重膜のような多重膜構造を有することができる。
【0152】
前面電極部140が銀からなる単一膜である場合、前面電極部140の比抵抗値(specific line resistivity)1.6μΩcm乃至2.5μΩcmで有り得、このような比抵抗値の大きさは銀ペーストを利用してスクリーン印刷法に形成された前面電極部140の比抵抗値(約6.7μΩcm)よりずっと減少する。
【0153】
前面電極部140が2重膜構造を有する場合、エミッタ部121、すなわち基板110の第2導電性タイプの部分と接している下部膜(第1膜)はニッケル(Ni)からなることができ、下部膜の上に位置した上部膜(第2膜)は銀(Ag)からなることができる。また、前面電極部140が3重膜構造を有する場合、エミッタ部121と接している下部膜(第1膜)はニッケル(Ni)からなることができ、下部膜の上に位置した中間膜(第2膜)は銅(Cu)からなり中間膜の上に位置した上部膜(第3膜)は銀(Ag)やスズ(Sn)からなることができる。この時、前面電極部140が2重膜である時、下部膜の厚さは約0.5μm乃至約1μmで有り得、上部膜は約5μm乃至約10μmであり得、前面電極部140が3重膜である時、下部膜と上部膜それぞれの厚さは約0.5μm乃至約1μmで有り得り中間膜は約5μm乃至約10μmで有り得る。
【0154】
この時、各前面電極141と各前面バスバー142の下部膜は接している第2エミッタ部分1212との接触抵抗を減少させ接触特性を向上しメッキのためのシード層(seed layer)として作用し、中間膜は費用節減のためのことで銅(Cu)のように安価ながらも良好な伝導度を有する材料からなることができる。中間膜が銅(Cu)からなる場合、この中間膜下部に位置した下部膜はシリコン(Si)との結合力の良好な銅がシリコン(Si)からなる第2エミッタ部分1212 の中に浸透(吸収)し電荷の移動を邪魔する不純物として作用することを防止する。
【0155】
また、上部膜はその下部に位置した膜(例、下部膜または中間膜)の酸化を防止し上部膜の上に位置する導電性接着フィルムとの接着力を向上するためである。
【0156】
このように、2重膜または3重膜で前面電極141と各前面バスバー142が成り、下部膜でニッケル(Ni)を利用する場合、ニッケル(Ni)とエミッタ部1212、すなわち、基板110の第2導電性タイプの部分のシリコンとの結合によって下部膜とエミッタ部1212の間にはニッケルケイ素化合物(nickel silicide)が存在する。
【0157】
一方、前面電極141と前面バスバー142とをガラスフリット(glass frit)を含む銀ペーストなどを利用したスクリーン印刷法を利用して形成する場合、ガラスフリットが反射防止部130を貫通しエミッタ部1212と接するようになるので、前面電極141 及び前面バスバー142とエミッタ部1212が接する部分にはガラスフリットの成分の中で少なくとも一つ、例えば、PbOのような鉛(Pb)系列物質、Bi23のようなビスマス(Bi)系列物質、Al23のようなアルミニウム(Al) 系列物質、B23のようなホウ素(B) 系列物質、スズ(Sn)系列物質、ZnOのような亜鉛(Zn)系列物質、TiOのようなチタン(Ti)系列物質及びP25のような燐(P)系列物質の中で少なくとも一つが検出される。
【0158】
しかし、本例の場合、前面電極141と前面バスバー142はメッキ方式により形成されるので、前面電極141及び前面バスバー142と基板110 [すなわち、エミッタ部121] の間にはガラスフリットの成分が検出されない。
【0159】
このように、前面電極部140が多層膜からなる場合、下部膜から上部膜までメッキ法を利用し順に所望の厚さを有する多層膜を形成するようになる。
【0160】
図1で、基板110に位置する前面電極141の個数、前面バスバー142の個数及び第2エミッタ部分1212の個数は一例に過ぎなく、場合によって変更可能である。
【0161】
電界部172は基板110と同一の導電性タイプの不純物が基板110より高濃度にドーピングされた不純物部として、例えば、p+領域である。
【0162】
このような基板110の第1導電性領域と電界部172の間の不純物濃度差によって電位障壁が形成され、これにより、正孔の移動方向である電界部172の方に電子移動を邪魔する一方、電界部172の方での正孔移動を容易にする。したがって、基板110の後面及びその近所で電子と正孔の再結合に損失される電荷の量を減少させ所望する電荷(例、正孔)の移動を加速化させ後面電極部150への電荷移動量を増加させる。
【0163】
後面電極部150は後面電極151と後面電極151と接続されている複数の後面バスバー152を備える。
【0164】
後面電極151は基板110の後面に位置した電界部172と接触しており、基板110の後面端と後面バスバー152が位置した部分を除けば実質的に基板110の後面全体に位置する。
【0165】
後面電極151はアルミニウム(Al)や銀(Ag)のような導電性物質を含んでいる。
【0166】
このような後面電極151は電界部172の方から移動する電荷、例えば正孔を収集する。
【0167】
この時、後面電極151が基板110より高い不純物濃度で維持する電界部172と接触しているので、基板110 、すなわち、電界部172と後面電極151の間の接触抵抗が減少して基板110から後面電極151への電荷転送効率が向上する。
【0168】
複数の後面バスバー152は後面電極151が位置しない基板110の後面上に位し隣接した後面電極151と接続されている。
【0169】
また、複数の後面バスバー152は基板110を中心に複数の前面バスバー142と対応されるように見合わせる。
【0170】
複数の後面バスバー152は複数の前面バスバー142と類似に、後面電極151から伝達する電荷を収集する。
【0171】
複数の前面バスバー142と同一に、複数の後面バスバー152上にインターコネクトが位置しこのインターコネクトを通じて外部装置と接続され、複数の後面バスバー152によって収集された電荷(例、正孔)は外部装置に出力される。この場合にも複数の後面バスバー152とインターコネクトの間に導電性接着フィルムが位置し、複数の後面バスバー152とインターコネクトを電気的及び物理的に接続する。
【0172】
このような複数の後面バスバー152は後面電極151より良好な伝導度を有する物質からなることができ、例えば、銀(Ag)のような少なくとも一つの導電性物質を含む。したがって後面電極151と後面バスバー152は互いに異なる物質からなることができる。
【0173】
後面電極151はアルミニウム(Al)や銀(Ag)を含むペーストを利用したスクリーン印刷法を通じて形成され、後面バスバー152もまた銀(Ag)を含むペーストを利用したスクリーン印刷法を通じて形成されうる。
【0174】
また、後面電極151と後面バスバー152また前面電極141と前面バスバー142のようにメッキ法を通じて形成されることができる。この場合、前面電極部140のように、後面電極151と後面バスバー152は同一のメッキ工程を通じて同時に形成され後面電極151と後面バスバー152は同一の材料からなることができる。さらに、後面電極151と後面バスバー142は前面電極141と前面バスバー152のためのメッキ工程を通じて前面電極141及び前面バスバー152と同時に形成されることができ、この場合、後面電極部150の材料は前面電極部140の材料と同一である。また、後面電極部150もまた単一膜だけではなく2重膜と3重膜のように多重膜からなることができる。
【0175】
このように、後面電極151と後面バスバー152がメッキ法に形成される場合、後面電極151及び後面バスバー152が2重膜または3重膜からなる時、後面電界部172、すなわち、第1導電性タイプの不純物が高濃度にドーピングされた基板110の部分と接する下部膜がニッケル(Ni)からなる場合、ニッケル(Ni)と後面電界部172のシリコンとの結合によって下部膜と後面電界部172の間にはニッケルケイ素化合物(nickel silicide)が存在する。
【0176】
また、後面電極151と後面バスバー152及び後面電界部172の間には PbOのような鉛(Pb)系列物質、Bi23のようなビスマス(Bi)系列物質、Al23のようなアルミニウム(Al)系列物質、B23のようなホウ素(B)系列物質、スズ(Sn)系列物質、ZnOのような亜鉛(Zn) 系列物質、TiOのようなチタン(Ti)系列物質及びP25のような燐(P)系列物質の中で少なくとも一つのようなガラスフリットの成分が検出されない。
【0177】
本例と異なり、代案的な例として、太陽電池1のエミッタ部121は選択的エミッタ構造を有さないこともある。
【0178】
このような場合、反射防止部130の下に直接位置したエミッタ部121部分の不純物ドーピング濃度、不純物ドーピング厚さ及び面抵抗値は反射防止部130が位置せず、前面電極部140直接下に位置したエミッタ部121部分の不純物ドーピング濃度、不純物ドーピング厚さ及び面抵抗値と同一である。したがって、エミッタ部121は位置に無関係に全て同一の面抵抗値、例えば、約50Ω/sq.乃至80Ω/sq.の値を有することができる。
【0179】
このような構造を有する本実施の形態に係る太陽電池1の動作は次のようである。
【0180】
太陽電池1に光が照射され反射防止部130を通じて基板110に入射されれば光エネルギーによって半導体部から電子と正孔が発生する。この時、反射防止部130によって基板110に入射される光の反射損失が減り基板110に入射される光の量が増加する。
【0181】
これら電子と正孔は基板110とエミッタ部121のp−n接合によって n型の導電性タイプを有するエミッタ部121とp型の導電性タイプを有する基板110の方にそれぞれ移動する。このように、エミッタ部121の方に移動した電子は第1エミッタ部分1211を経って第2エミッタ部分1212に移動して複数の前面電極141と複数の前面バスバー142によって収集されて複数の前面バスバー142に沿って移動し、基板110の方に移動した正孔は隣接した後面電極151と複数の後面バスバー152によって収集されて複数の後面バスバー152に沿って移動する。このような前面バスバー142と後面バスバー152をインターコネクトで接続すれば電流が流れるようになり、これを外部で電力に利用するようになる。
【0182】
この時、エミッタ部121が選択的エミッタ構造を有するエミッタ部121によって、電荷の損失量は減少し、前面電極141に移動する電荷の量は増加し、太陽電池1の効率は大きく向上する。
【0183】
また、前面電極部140がメッキ法からなり、各前面電極141の幅はペースト(paste)を利用してスクリーン印刷法に製作された各前面電極の幅(80μm乃至120μm)よりずっと小さい。これにより、光の入射を邪魔する前面電極141に形成面積が減少して太陽電池1の光の入射面積が増加する。よって、太陽電池1の効率が向上する。
【0184】
また、選択的エミッタ構造を形成する時、各前面バスバー142下部全体ではなく下部に選択的に高濃度の不純物ドーピング部である第2エミッタ部1212が位置し、また、各前面電極141の幅よりその下部に位置した第2エミッタ部1212の幅が小さいので、高濃度の不純物ドーピング領域が減少する。これにより、不純物によって失われる電荷の量が大きく減少する。
【0185】
また、第1突出部21と第1奥部22を有する反射防止部130の上部面で、前面電極部140と接触する部分に位置した複数の溝180によって、前面電極141と反射防止部130及びエミッタ部121との接触面積と前面バスバー142と反射防止部130及びエミッタ部121との接触面積が増加し、前面電極141とその下部に位置する反射防止部130及びエミッタ部121の間の接着力と前面バスバー142とその下部に位置する反射防止部130及びエミッタ部121の間の接着力が向上する。
【0186】
次に、図12A乃至図12Gを参照して、本発明の一実施の形態に係る太陽電池1の製造方法について説明する。
【0187】
先ず、図12Aに示すように、平坦面である第1導電性タイプ(例、p型)を有し単結晶シリコンまたは多結晶シリコンからなる基板110の前面に湿式蝕刻法または乾式蝕刻法を利用し複数の突出部と複数の凹部を有する凹凸面であるテクスチャリング表面を形成する。
【0188】
図12に示すように、第1導電性タイプ(例、p型)を有し単結晶シリコンまたは多結晶シリコンからなる基板110の前面の方に第2導電性タイプを有する不純物[例、燐(P)]を含むエミッタ部120を形成する。この時、エミッタ部120はイオン注入法や熱拡散法などを利用し形成することができ、基板110の第1導電性タイプの部分とp−n接合を形成することができる。このようなエミッタ部120の面抵抗値は約80Ω/sq.乃至120Ω/sq.で有り得る。このように、基板110の中に第2導電性タイプの不純物が注入されエミッタ部120が形成されるので、エミッタ部120は基板110と同一の材料である単結晶シリコンまたは多結晶シリコンのような結晶質半導体からなる。これにより、基板110とエミッタ部120は同種接合を形成する。
【0189】
代案的な例として、エミッタ部120を形成する前にまたはエミッタ部120を形成した後平坦面である基板110の前面[またはエミッタ部120の表面] または前面と後面に反応性イオン蝕刻法(reactive ion etching)のような乾式蝕刻法や湿式蝕刻法を利用して基板110の前面または前面と後面に複数の突出部と複数の凹部を有するテクスチャリング表面を形成することができる。このように、基板110 の表面がテクスチャリング表面を有する場合、基板110に入射される光の反射防止効果が向上して基板110に入射される光の量が増加する。
【0190】
その後、図12Cに示すように、プラズマ化学気相蒸着法(plasma enhanced chemical vapor deposition、PECVD) などを利用して基板110の前面の方に形成されたエミッタ部120上に反射防止部130を形成する。この時、反射防止部130は水素化されたシリコンチッ化物(SiNx:H)、水素化されたシリコン酸化チッ化物(SiOxNy:H)、水素化されたシリコン酸化物(SiOx:H)またはアルミニウム酸化物(Al23) などからなることができる。
【0191】
その後、図12Dに示すように、反射防止部130上にインクジェットプリンティング法(ink jetting)、スピンコーティング法(spin coating)、またはスクリーン印刷法などを利用し第2導電性タイプの不純物を含む不純物膜20を形成する。
【0192】
次に、図12Eに示すように、反射防止部130上に部分的にレーザビームを照射し、反射防止部130にエミッタ部120をそれぞれ複数の第1及び第2開口部(181、182)を形成する。
【0193】
第1及び第2開口部(181、182)それぞれの幅(W41、W42)は同一であり、各第1及び第2開口部(181、182)の幅(W41、W42)は約5μm乃至約15μmで有り得る。複数の第1開口部181は複数の前面電極141を形成するための開口部(すなわち、前面電極用開口部)であり、複数の第2開口部182は複数の前面バスバー142を形成するための開口部(すなわち、前面バスバー用開口部)である。
【0194】
この時、一つの第1開口部181は一つの前面電極141を形成するための開口部として、反射防止部130で一つの前面電極141を形成するための前面電極形成領域(AA)に形成され、複数の第2開口部182は前面バスバー142を形成するための開口部として、既に、図9及び図10を参照にして説明したように、約1mm乃至1.5mmの幅を有する一つの前面バスバー142を形成するためには反射防止部130の前面バスバー形成領域(AB)に約30個乃至約70個が形成される。
【0195】
このように、レーザビームが不純物膜20の塗布された反射防止部130上に照射されエミッタ部120を露出させる複数の第1及び第2開口部(181、182)を形成する場合、反射防止部130上に位置した不純物膜20に含有された第2導電性タイプの不純物が第1及び第2開口部(181、182)を通じて現われたエミッタ部120の部分に追加に注入されてドーピングされる。
【0196】
したがって、レーザビームの照射目的は反射防止部130の所望の部分を除去し反射防止部130の所望する位置に複数の第1及び第2開口部(181、182)を形成することとエミッタ部120の所望する部分に第2導電性タイプを有する不純物を追加にドーピングするためである。
【0197】
これにより、レーザビームが照射された部分エミッタ部120の部分、すなわち、複数の第1及び第2開口部(181、182)を通じて現われたエミッタ部120の部分はレーザビームが照射されなかったエミッタ部120の残り部分より高い不純物ドーピング濃度を有するようになり、これにより面抵抗値もまた最初エミッタ部120の面抵抗値より減少するようになる。
【0198】
したがって、複数の第1及び第2開口部(181、182)を通じて露出したエミッタ部120の部分はエミッタ部120の面抵抗値(80Ω/sq.乃至 120Ω/sq.)より低い面抵抗値、例えば、10 Ω/sq.乃至50Ω/sq.の面抵抗値を有する。
【0199】
これにより、レーザビームの照射動作が完了した後、エミッタ部120は反射防止部130下部に位置し約80Ω/sq.乃至120Ω/sq.の面抵抗値(第1面抵抗値)を有する第1エミッタ部分1211と複数の第1及び第2開口部(181、182)を通じて露出したエミッタ部120部分に位置し約10 Ω/sq.乃至50Ω/sq.(第2面抵抗値)を有する第2エミッタ部分1212を備えた選択的エミッタ構造のエミッタ部121になる。
【0200】
したがって、各第1及び第2開口部(181、182)の幅(W41、W42)は各第1及び第2開口部(181、182)によって形成された各第2エミッタ部分1212の幅(W11、W12)と同一でありえ、一つの前面バスバー142を形成するために形成された複数の第2開口部182中で隣接した二つの第2開口部182の間の間隔(D11)は隣接した二つの第2開口部182によって形成された隣接した二つの第2エミッタ部分1212 の間の間隔(D11)と同一で有り得る。
【0201】
その後、反射防止部130上に残存する不純物膜20をフッ酸(HF)や純水などを利用して除去する。
【0202】
このように、レーザビームの照射によって反射防止部130に形成された複数の第1及び第2開口部(181、182)はメッキ法を利用して複数の前面電極141と複数の前面バスバー142を形成する時、エミッタ部121[すなわち、第2エミッタ部分1212]と複数の前面電極141及び複数の前面バスバー142の間の接触のためである。
【0203】
このように、各前面バスバー142の形成のために一つの前面バスバー142が位置する部分の反射防止部130全体を全てレーザで除去する代わり、各前面バスバー142の形成のために一つの前面バスバー142が位置する部分の反射防止部130を部分的にまたは選択的に除去するので、レーザビームが照射される反射防止部130の領域が減少するようになる。
【0204】
これにより、レーザビームの照射時間が減少し、レーザビームによって印加される熱によるエミッタ部121や基板110の劣化現状が減少して、太陽電池1の製造時間と特性変化の減少効果が発生する。
【0205】
また、蝕刻ペーストや別途のマスクを利用した反射防止部130の除去動作代わりに反射防止部130上に直接照射されるレーザビームを利用して反射防止部130の所望する部分を除去するので、形成される第1及び第2開口部(181、182)の幅が蝕刻ペーストやマスクを利用する時よりずっと減少するようになる。
【0206】
これにより、高濃度の不純物ドーピング部分である第2エミッタ部分1212の形成面積が減少し、前面電極141の形成幅が減少して複数の前面電極141の形成面積が減少する。
【0207】
本例では、複数の第1及び第2開口部(181、182)を形成するためのレーザは532nmの波長を有するレーザで有り得、レーザの出力(power)は約5W乃至20Wで有り得る。この時、レーザの出力や照射時間は反射防止部130の材料や厚さなどによって決めることができる。
【0208】
このように、レーザビームの照射によって形成された複数の第1開口部181それぞれと複数の第2開口部182それぞれの側面形状は平坦面であるか非平坦面である凹凸面で有り得る。
【0209】
第1及び第2開口部(181、182)を通じて現われた第2エミッタ部分(12a、12b)の両側面が平坦面である時、使われるレーザビームは第1及び第2開口部(181、182)の幅と同一の幅を有するストライプ(stripe) 形状を有することができ、第1及び第2開口部(181、182)を通じて現われた第2エミッタ部分(12a、12b)の両側面が凹凸面である時、使われるレーザビームは第1及び第2開口部(181、182)の幅と同一の幅を有するスポット(spot)形状を有することができる。
【0210】
各第1開口部181と各第2開口部182によって露出した第2エミッタ部分(12a、12b)の各両側面の形状が凹凸面の場合、第1及び第2開口部(181、182)を通じて露出する第2エミッタ部分(12a、12b)の面積が増加するので前面電極141及び前面バスバー142と第2エミッタ部分(12a、12b)が接触する接触面積が増加するようになり、ストライプ形状を有するレーザビームを利用して第1及び第2開口部(181、182)を形成する場合、第1及び第2開口部(181、182)の形成時間が減少する。
【0211】
このように、メッキ法で前面電極部140を形成するために反射防止部130に複数の第1及び第2開口部(181、182)が形成されると、図12Fに示すように、複数の第1及び第2開口部(181、182)を通じて露出した第2エミッタ部分1212上にメッキを実施し複数の前面電極141と複数の前面バスバー142を備えた前面電極部140を形成する。この時、使われるメッキ法は電気メッキ法やLIP法(light induced plating、LIP) などを使うことができる。
【0212】
したがって、複数の第1及び第2開口部(181、182)を通じて露出したエミッタ部121の第2エミッタ部分1212に該当の金属イオン(例、銀イオン)を含む溶液[例、シアン化銀カリウム(KAg(CN)2)を中に沈澱させメッキを実施する。
【0213】
既に図10の(a)乃至 (c)を参照して説明したようなメッキの特性によって、各前面電極141の上部面と各前面バスバー142の上部面は曲面形状を有するようになり、一つの前面バスバー142を形成するために隣接するように位置した複数の開口部182が形成されるので、一つの前面バスバー142を形成するために形成された複数の第2開口部182から、近距離で隣接するように形成された二つの第2開口部182でそれぞれ成長した金属(すなわち、各前面バスバー142の一部)が反射防止部130の上で互いに会うようになり一つの前面バスバー142を形成するようになる。
【0214】
したがって、最終的に形成された各前面バスバー142の幅[すなわち、反射防止部130とエミッタ部分1212に接している各前面バスバー142の下部面の幅]は前面バスバー形成領域(AB)の幅(D21)より大きい値を有するようになる。
【0215】
既に説明したように、金属メッキ成長は等方成長なので、各第2開口部182を中心にメッキが行われる前面バスバー142の一部である金属の上部面[すなわち、下部面の反対側に位置した前面バスバー142の面] もまた曲面形状を有するようになる。しかし、隣接した二つの第2開口部182を中心に金属メッキがそれぞれ行われて隣接した二つの第2開口部182の間に位置した反射防止部130の上で重畳するので、メッキ成長した金属の重畳部分の上部面の高さが第2開口部182に露出した第2エミッタ部分1212上にメッキ成長した金属部分の上部面の高さより低くなる。
【0216】
したがって、反射防止部130上と第2開口部182を通じて露出した第2エミッタ部分1212上に形成された各前面バスバー142の上部面[すなわち、下部面の反対側に位置した前面バスバー142の面]は複数の突出部と複数の凹部を有する凹凸面を有する曲面形状を有するようになる。
【0217】
これにより、各前面バスバー142の上部面の表面の粗さが増加する。
【0218】
このようにメッキ法に形成される前面電極部140の各前面電極141と各前面バスバー142は銀(Ag)のような金属からなる単一膜構造を有しているが、代案的な例として、2重膜または3重膜のような多重膜構造を有することができる。
【0219】
各前面電極141と各前面バスバー142が2重膜構造を有する場合、エミッタ部121と接している下部膜はニッケル(Ni)からなることができ、下部膜の上に位置した上部膜は銀(Ag)からなることができる。また、各前面電極141と各前面バスバー142が3重膜構造を有する場合、エミッタ部121と接している下部膜はニッケル(Ni)からなることができ、下部膜の上に位置した中間膜は銅(Cu)からなり中間膜の上に位置した上部膜は銀(Ag)やスズ(Sn)からなることができる。
【0220】
この時、各前面電極141と各前面バスバー142の下部膜は接している第2エミッタ部分1212との接触抵抗を減少させ接着特性を向上するためであり、中間膜は費用節減のために銅(Cu)のように安価ながらも良好な伝導度を有する材料からなることができる。中間膜が銅(Cu)からなる場合、この中間膜下部に位置した下部膜はシリコン(Si)との結合力が良好な銅がシリコン(Si)からなる第2エミッタ部分1212の中に浸透(吸収)して電荷の移動を邪魔する不純物として作用することを防止する。
【0221】
また、上部膜はその下部に位置した膜(例、下部膜または中間膜)の酸化を防止し上部膜の上に位置する導電性テープとの接着力を向上するためである。
【0222】
このように、前面電極部140が多層膜からなる場合、下部膜から上部膜までメッキ法を利用し順に所望の厚さを有する多層膜を形成するようになる。
【0223】
複数の前面電極141と複数の前面バスバー142の形成が同一のメッキ工程を通じて同時に成るので、前面電極141と前面バスバー142の膜構造と材料は同一である。
【0224】
次に、図12gに示すように、銀(Ag)を含むペーストをスクリーン印刷法で印刷した後乾燥させ前面バスバー142と対応する基板110の後面上に部分的に後面バスバーパターン52を形成し、後面バスバーパターン52が位置しない基板110の残り後面上にアルミニウム(Al)、アルミニウム(Al)−銀(Ag)または銀(Ag)を含むペーストをスクリーン印刷法で印刷した後乾燥させて基板110の後面に部分的に位置する後面電極パター51を形成し、後面電極パター51と後面バスバーパターン52を備えた後面電極部パターン50を完成する。
【0225】
この時、後面電極パター51は隣接した後面バスバーパターン52の一部の上に位置し、隣接した後面バスバーパターン52と部分的に重畳することができ、基板110の後面端部分には形成されないこともある。
【0226】
基板110がp型である時、後面電極パター51はアルミニウム(Al)を含むペーストを使うことができ、基板110がn型である時、後面電極パター51はアルミニウム(Al)-銀(Ag)を含むペーストや銀(Ag)を含むペーストを使うことができる。
【0227】
この時、これらパターン(51、52)の乾燥温度は約120℃乃至約200℃で有り得、パターン(51、52)の形成順序では変更可能である。
【0228】
その後、後面電極部パターン50が形成された基板110を約750℃乃至約800℃の温度で熱処理工程を施行する。
【0229】
これにより、基板110と電気的に接続される後面電極151と基板110と後面電極151に接続される複数の後面バスバー152を備えた後面電極部150、そして後面電極151と接している基板110の後面に位置した後面電界部172が形成される(図1及び図2)。
【0230】
すなわち、熱処理工程によって、後面電極部パターン50の後面電極パター51と後面バスバーパターン52は基板110との化学的結合が成り、後面電極パター51と後面バスバーパターン52はそれぞれ後面電極151と複数の後面バスバー152に形成されこの時、隣接した後面電極パター51と後面バスバーパターン52との化学的結合もまた成り隣接した後面電極151と後面バスバー152の間の電気的な接続もまた形成される。
【0231】
また、熱処理工程の中に、後面電極部パターン50の後面電極パター51に含まれたアルミニウム(Al)や銀(Ag)が基板110で拡散して基板110内部に基板110より高い不純物濃度を有する不純物ドーピング部である電界部172が形成される。これにより、後面電極151は基板110より高い伝導度を有する電界部172と接触して基板110と電気的に接続されるので、基板110からの電荷収集がさらに容易に行われる。
【0232】
本例の場合、基板110の前面にだけエミッタ部121が形成されるので、基板110の後面に位置するエミッタ部との電気的な接続を遮断する側面分離工程(edge isolation)や基板110の後面に形成されたエミッタ部を除去するための別途の工程が必要ではない。したがって、太陽電池1の製造時間が短縮されて、太陽電池1の生産性が向上し製造費用が減少する。
【0233】
本例では、複数の前面電極141と複数の前面バスバー142を備えた前面電極部140を形成した後、後面電極151と複数の後面バスバー152を備えた後面電極部150を形成したが、これとは反対に後面電極部150を形成した後前面電極部140を形成することができる。
【0234】
このように、複数の前面電極141がメッキで行われるので、スクリーン印刷法を利用して形成される時より各前面電極141の幅が減少し、太陽電池1の入射面積が増加する。これにより、太陽電池1の効率が向上する。
【0235】
本例と異なり、エミッタ部121の構造が選択的エミッタ構造を有さない場合、すなわち、エミッタ部121が位置に無関係に同一の面抵抗値を有し、前面電極部140下部に位置したエミッタ部121の面抵抗値とその以外のエミッタ部121の面抵抗値が全て同一である場合、既に記述した工程の中で、図12Dの工程は省略される。
【0236】
したがって、基板110 のエミッタ部120上に反射防止部130を形成した後、直接、反射防止部130上にレーザビームが直接照射され反射防止部130に複数の第1及び第2開口部(181、182)を形成する。
【0237】
この時、エミッタ部120に追加で第2導電性タイプの不純物を注入できる別途の不純物膜が反射防止部130の上部や下部に存在せず、レーザビームの照射目的が第2導電性タイプの不純物を追加にドーピングするためではなく反射防止部130の所望の部分のみを除去するためなので、レーザビームが照射されたエミッタ部120部分には追加の不純物ドーピング工程は必要でなくなる。
【0238】
したがって、エミッタ部120でレーザビームが照射された部分とそうではない部分の不純物ドーピング濃度と面抵抗値は等しく維持される。
【0239】
このように、レーザビームの照射目的がすでに図12Eを参照にして説明したことと相異するので、この時、照射されるレーザビームの波長は355nmを有することができる。やはりレーザの出力(約5W乃至20W)や照射時間は反射防止部130の材料や厚さなどによって決まる。
【0240】
このような場合、不純物膜20の形成及び除去工程が省略されるので、太陽電池1の製造時間と製造費用が減少する。
【0241】
本例では、後面電極151はアルミニウム(Al)や銀(Ag)を含むペーストを利用したスクリーン印刷法を通じて形成され、後面バスバー152もまた銀(Ag)を含むペーストを利用したスクリーン印刷法を通じて形成される。
【0242】
しかし、代案的な例として、後面電極151と後面バスバー152また前面電極141と前面バスバー142のようにメッキ法を通じて形成することができる。
【0243】
この場合、前面電極部140のように、後面電極151と後面バスバー152は同一のメッキ工程を通じて同時に形成され後面電極151と後面バスバー152は同一の材料から形成することができる。
【0244】
さらに、後面電極151と後面バスバー142は前面電極141と前面バスバー152のためのメッキ工程を通じて前面電極141及び前面バスバー152と同時に形成されることができ、この場合、後面電極部150の材料は前面電極部140の材料と同一である。また、後面電極部150もまた単一膜だけではなく2重膜と3重膜のように多重膜から形成することができる。
【0245】
したがって、後面電極部150がメッキ法からなる場合、2重膜または3重膜で後面電極151と後面バスバー152が成り、下部膜でニッケル(Ni)を利用する場合、後面電界部172、すなわち、第1導電性タイプの不純物が高濃度にドーピングされた基板110の部分と後面電極151の間そして基板110と後面バスバー152の間にはニッケルケイ素化合物(nickel silicide)が存在し、後面電極151及び後面バスバー152と基板110 [または後面電界部172]の間にはガラスフリットの成分が検出されない。
【0246】
図12A乃至図12G図1乃至図2に示す太陽電池1を製造する方法に対して示すが、図11に示す太陽電池1を製造する場合、前面バスバー142を形成するための第2開口部182の個数と形成幅を除けば図12A乃至図12Gを参照して説明したことと同一である。
【0247】
すなわち、図11に示す太陽電池1の場合、一つの前面バスバー142のためには一つの第2開口部182が必要なので、図12Eの第1及び第2開口部(181、182)形成工程時第2開口部182の形成個数と形成幅を変更すれば良いので、図11に示す太陽電池1を製造する方法に対しては省略する。
【0248】
次に、図13を参照して、複数の太陽電池1をインターコネクトを利用して電気的に接続し製造する太陽電池モジュールに対して説明する。
【0249】
太陽電池モジュール100は複数のインターコネクト210によって電気的に接続された複数の太陽電池1、複数の太陽電池1を保護する保護膜220、複数の太陽電池1の受光面の方に位置する保護膜220上に配置される透明部材230、及び受光面の反対の方に位置する保護膜220の下部に配置される後面シート(back sheet)240を含む。
【0250】
そして太陽電池モジュール100はラミネート工程によって一体化された部品(210 −240)を輸納するフレームと複数の太陽電池1で生産された電力を収集する端子箱(junction box)をさらに含むことができる。
【0251】
後面シート240は太陽電池モジュール100の後面から湿気が浸透することを防止し複数の太陽電池1を外部環境から保護する。このような後面シート240は水気と酸素浸透を防止する層、化学的腐食を防止する層、絶縁特性を有する層のような多層構造を有することができ、不透明な材料から形成することができる。
【0252】
保護膜220は行列形態(マトリクス)に配列された複数の太陽電池1の上部及び下部にそれぞれ配置された状態でラミネート工程によって複数の太陽電池1を囲んで複数の太陽電池1と一体化になることで、外部からの湿気浸透による腐食を防止し複数の太陽電池1を衝撃から保護する。このような保護膜220はエチレンビニールアセテート(EVA、ethylene vinyl acetate)のような物質から形成することができる。
【0253】
保護膜220上に位置する透明部材230は透過率が高く、破損防止機能が優れた強化ガラスなどからなる。この時、強化ガラスは鉄成分含量が低い低鉄分強化ガラス(low iron tempered glass)で有り得る。このような透明部材230は光の散乱効果を高めるために内側面がエンボシング(embossing) 処理されることができる。
【0254】
以下、本発明の太陽電池モジュール100に備えた複数の太陽電池1の電気的接続構造に対して図14及び図15を参照して詳しく説明する。太陽電池モジュール100に備えた複数の太陽電池1は行列構造に配置されており、図13及び図14に示すように複数のインターコネクト210によって接続されている。
【0255】
この時、インターコネクト120は図15に示すように1.000ppm以下の鉛成分を含む無煙材質の導電性金属[例、銅(Cu)]212と導電性金属122の表面に被覆された有鉛材質の半田(solder)(例、SNPBAG)214からなる。場合によって、導電性金属212を被覆している物質は鉛を含まない導電性金属(例、SnAg)からなることができ、インターコネクト120は導電性金属212だけからなることができる。
【0256】
図15に示すように、インターコネクト120の上部面と下部面は平面ではなく曲面を有し、これにより、前面バスバー142と電気的に接続されるインターコネクト210の下部面で、インターコネクト210の中心部とこのインターコネクト210の周辺部は同一の高さに位置しないで高さの差(H41)が発生する。
【0257】
行列形態に配列された複数の太陽電池1で同一の行に位置し隣接した二つの太陽電池1で、一つの太陽電池1に位置した各前面バスバー142はインターコネクト210を通じて残り太陽電池1に位置した各後面バスバー152と電気的及び物理的に接続する。また、行列形態に配列された複数の太陽電池1で同一の列に位置し互いに隣接している二つの太陽電池1で、一つの太陽電池1に位置しながら隣接した他の太陽電池1と接続されない各前面バスバー142はインターコネクト210を通じて残り太陽電池1に位置しながら隣接した他の太陽電池1と繋がれない各後面バスバー152と電気的及び物理的に接続する。
【0258】
このように、複数のインターコネクト210を太陽電池1の前面バスバー142と後面バスバー152の間の接続構造に対して詳しく説明する。
【0259】
既に説明したように、本例では、各前面バスバー142と各後面バスバー152はインターコネクト210と直接接続されず、導電性接着フィルム260を通じてインターコネクト210と物理的及び電気的に接続されている。
【0260】
図15に示すように、前面バスバー142と後面バスバー152それぞれ上に導電性接着フィルム260とインターコネクト210が順に位置し前面バスバー142と後面バスバー152の延長方向に沿って導電性接着フィルム260とインターコネクト210もまた延長される。
【0261】
図15で、基板110の前面と後面に一つの前面バスバー142と後面バスバー152が位置し基板110の前面と後面にそれぞれ位置した導電性接着フィルム260とインターコネクト210それぞれの個数は一つであるが、基板110の前面に位置した複数の前面バスバー142のそれぞれの上に導電性接着フィルム260とインターコネクト120が位置し基板110の後面に位置した複数の後面バスバー152のそれぞれの上に導電性接着フィルム260とインターコネクト120が位置する。これにより、基板110の前面に位置する前面バスバー142の個数とその上に位置した導電性接着フィルム260とインターコネクト210のそれぞれの個数は同一であり、基板110の後面に位置する後面バスバー152の個数とその上に位置した導電性接着フィルム260とインターコネクト210のそれぞれの個数は同一である。
【0262】
導電性接着フィルム260は図16乃至図19に示すように樹脂262及び樹脂262に分散した複数の導電性粒子264を含む。樹脂262は接着性を有する材質であると特別には限定されない。ただし、接着信頼性を高めるためには熱硬化性樹脂を使うのが望ましい。図16乃至図19で、便宜上、一つの前面バスバー142とインターコネクト210が導電性接着フィルム260によって接続された状態のみを示すが、一つの後面バスバー152とインターコネクト210が導電性接着フィルム260によって接続された状態も図16乃至図19と同一である。
【0263】
熱硬化性樹脂ではエポキシ(epoxy)樹脂、フェノキシ(phenoxy)樹脂、アクリル(acryl) 樹脂、ポリイミド(polyimide)樹脂、ポリカーボネート(polycarbonate)樹脂の中から選択された少なくとも1種以上の樹脂を使うことができる。
【0264】
樹脂262は熱硬化性樹脂以外の任意成分として、既に知られた硬化剤及び硬化促進剤を含むことができる。例えば、樹脂262は前面バスバー142とインターコネクト210及び後面バスバー152とインターコネクト210の接着性を向上するためにシラン(silane)系カップリング(coupling)剤、チタネート(titanate)系カップリング剤 、アルミネート(aluminate)系カップリング剤などの改質材料を含むことができ、第1導電性粒子264の分散性を向上するために燐酸カルシウムや炭酸カルシウムなどの分散剤を含むことができる。また樹脂262は弾性率を制御するためにアクリルゴム、シリコンゴム、ウレタンなどのゴム成分を含むことができる。
【0265】
導電性粒子264は図16乃至図19に示すように、第1厚さ(T1)を有する複数の第1導電性粒子2641と第1厚さ(T1)より小さな第2厚さ(T2)を有する複数の導電性粒子2642を備える。これら複数の第1導電性粒子2641と複数の第2導電性粒子2642は樹脂262内に分散している。
【0266】
この時、複数の第1導電性粒子2641それぞれは図16に示すように導電性接着フィルム260の厚さ(T3)より小さいことがある。
【0267】
しかし、複数の第1導電性粒子2641それぞれは図17乃至図19に示すように導電性接着フィルム260の厚さ(T3)より大きくすることができる。このような場合、各第1導電性粒子2641の少なくとも一部は導電性接着フィルム260上に突き出されている。この時、導電性接着フィルム260の厚さは樹脂262の厚さである。
【0268】
また、代案的な例として、図16の場合、導電性粒子264は複数の第1導電性粒子2641と複数の第2導電性粒子2642の中の一つだけ含むことができ、図17乃至図19の場合、導電性粒子264は導電性粒子264の中複数の第1導電性粒子2641だけ含むことができる。
【0269】
導電性接着フィルム260が導電性接着フィルム260の厚さ(T3)より大きい第1導電性粒子2641を備える場合、第1導電性粒子の厚さ(T1)が導電性接着フィルム260の厚さ(T3)より厚いので、一つの第1導電性粒子2641だけにより前面バスバー142とインターコネクト210の電気的及び物理的な接続が成る。したがって、前面バスバー142で収集された電荷をインターコネクト210にさらに良好で安定に伝達する。
【0270】
第1導電性粒1641の厚さ(T1)と導電性接着フィルム260の厚さ(T3)より小さな複数の第1導電性粒子2641と複数の第2導電性粒子2642は図16及び図19に示すように前面バスバー142とインターコネクト210の間で少なくとも二つの第2導電性粒子2642が上下方向に重畳して前面バスバー142とインターコネクト120の間の物理的な接続通路を形成して前面バスバー142で収集された電荷を複数の第2導電性粒子1642によって形成された接続通路を通じてインターコネクト210に伝達するか互いに隣接している導電性粒子(2641、2642)の間をジャンプ(jump)して前面バスバー142からインターコネクト210に電荷移動が成る。
【0271】
したがって、前面バスバー142に位置した電荷は接している導電性粒子(2641、2642)に移動するか前面バスバー142と直接接していない隣接した導電性粒子(2641、2642)にジャンプ(jump)した後、再び隣接した導電性粒子(2641、2642)に一度以上ジャンプして前面バスバー142からインターコネクト210に電荷移動できる。
【0272】
本例では、各第1導電性粒子2641の厚さ(T1)と各第2導電性粒子2642の厚さ(T2)は約2μm乃至約30μmで有り得る。
【0273】
第1導電性粒子2641と第2導電性粒子2642は銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、チタン(Ti)及びマグネシウム(Mg)から選択された1種以上の金属を主成分で含む金属被服樹脂粒子に成るか、上の金属を主成分にする金属粒子からなることができる。
【0274】
第1及び第2導電性粒子(2641、2642)それぞれは図16及び図17に示すように、円型または楕円型の形状に形成されるか図18及び図19に示すように、放射形の形状に形成される。
【0275】
ここで、「放射形」はおおよそ球体形状を有する金属粒子の表面に複数の突起が不規則的に形成された金属粒子の形状を言う。
【0276】
第1及び第2導電性粒子(2641 2642)が円型や楕円型からなる場合、第1及び第2導電性粒子(2461、2462)の厚さ(T1、T2)は第1及び第2導電性粒子(1641 1642)の直径(楕円型の場合、最小直径)で有り得る。
【0277】
そして第1及び第2導電性粒子(2641、2642)が放射形の金属粒子からなる場合、第1及び第2導電性粒子(2641、2642)の厚さ(T1、T2)は金属粒子の表面に形成された複数の突起の端部を接続する仮想線によって形成されたおおよそ球体形状の物から測定した最短直径で有り得る。
【0278】
放射形の金属粒子からなる第1及び第2導電性粒子〈2641、2642〉は円型または楕円型からなる第1及び第2導電性粒子〈2641、2642〉に比べて前面バスバー142とインターコネクト210の中少なくとも一つとの接触面積が増加するので、接触抵抗が減る。
【0279】
樹脂262が硬化した後の前面バスバー142とインターコネクト210との安定的な接続力と接着力を維持するため、樹脂262内に分散する導電性粒子264の配合量は導電性接着フィルム260の全体体積に対して0.5体積% 乃至20体積%で有り得る。
【0280】
導電性粒子264の配合量が0.5体積%以上場合前面バスバー142からの電荷移動がさらに安定的に成り、導電性粒子264の配合量が20体積% 以下である場合前面バスバー142とのより安定的な接続及び接着が成る。
【0281】
このように、前面バスバー142とインターコネクト210との電気的な接続のために導電性接着フィルム260を利用する場合、前面バスバー142上に導電性接着フィルム260とインターコネクト210を附着するテーピング(tabbing)工程は太陽電池1の前面バスバー142に導電性接着フィルム260を接着する予備接合(pre-bonding)(第1接合) 段階とインターコネクト210と導電性接着フィルム260を接着する最終接合(final-bonding)(第2接合) 段階を備える。
【0282】
予備接合段階は前面バスバー142上に導電性接着フィルム260を安定的に配置するための段階であり、最終接合段階は前面バスバー142上に配置された導電性接着フィルム260とインターコネクト210を安定的に接着させ前面バスバー142と導電性接着フィルム260及びインターコネクト210が電気的及び物理的に安全に接続させるための段階である。したがって、予備接合段階の工程温度(すなわち、加熱温度)と導電性接着フィルム260上に加えられる圧力は最終接合段階の工程温度とインターコネクト210上に加えられる圧力より低い。
【0283】
一例として、予備接合段階の加熱温度は約100℃ 以下で、圧力は約 1MPaであり、最終接合段階の加熱温度は約140℃乃至180℃で圧力は約 2MPa乃至3MPaで有り得る。
【0284】
これにより、前面バスバー142とインターコネクト210は二つの間に位置した導電性接着フィルム260と安定的に密着されて正常な接続がなり、後面バスバー152とインターコネクト210はやはり二つの間に位置した導電性接着フィルム260と安定的に密着されて正常に接続される。
【0285】
また予備接合段階での加熱及び加圧時間はおおよそ5秒内外で設定することができ、最終接合段階での加熱及び加圧時間はおおよそ10秒位に設定することができる。これにより、前面バスバー142、導電性接着フィルム260 及びインターコネクト210が熱による損傷または変質されないようにする。
【0286】
このように、導電性接着フィルム260を利用し前面バスバー142とインターコネクト210の間の接続が成る時、予備接合段階と最終接合段階で印加される熱と圧力によって導電性接着フィルム260の樹脂262が軟化されるかとけるようになり樹脂262の中に含有された第1及び第2導電性粒子(2641、2642)の内少なくとも一つの少なくとも一部がインターコネクト201と前面バスバー142の内少なくとも一つの中に入るようになる。
【0287】
これにより、導電性接着フィルム260によって前面バスバー142とインターコネクト212が接着された状態で、導電性粒子264とインターコネクト210が接触する接触面と導電性粒子264と前面バスバー142が接触する接触面が平坦面ではない非平坦面になる。
【0288】
すなわち、図16乃至図19に示すように導電性粒子264がインターコネクト210と前面バスバー142の内部に没入され、導電性粒子264が没入されたインターコネクト210の表面形状と前面バスバー142の表面形状は導電性粒子164の表面形状と同一になる。
【0289】
インターコネクト210が導電性金属212と半田214からなる場合導電性粒子264の少なくとも一部はインターコネクト210の半田214までだけ没入されるか半田214を経って導電性金属212まで没入されることができる。
【0290】
この時、導電性粒子264は図17に示すようにテーピング作業時に加えられる圧力によって楕円形状に変形されながらインターコネクト210の内部に没入されるか、図16に示すように円型形状を維持した状態でインターコネクト210の内部に没入されることができ、導電性粒子〈2641、2642〉の硬度と強度の中で少なくとも一つはインターコネクト210の硬度と強度の中で少なくとも一つとの差によって圧力が加えられる時変形される導電性粒子〈2641、2642〉の形状を変えることができる。
【0291】
導電性接着フィルム260の線幅、インターコネクト210の線幅、前面バスバー142の線幅は互いに同一に形成するかテーピング工程の中に加圧される圧力などを調整し、図16乃至図18に示すようにテーピング工程が完了した後導電性接着フィルム260の線幅、インターコネクト210の線幅、前面バスバー142の線幅は互いに同一で有り得る。
【0292】
これとは異なり、導電性接着フィルム260の線幅はインターコネクト210の線幅及び前面バスバー142の線幅より大きく形成するかテーピング工程の中に加圧される圧力などを調整し、図19に示すようにテーピング工程が完了した後導電性接着フィルム260は前面バスバー142の幅より大幅を有するようになる。これにより、導電性接着フィルム260は前面バスバー142の両側面を覆って、場合によって前面バスバー142の両側面の端部と隣接した反射防止部130上にも位置する。このような場合。導電性接着フィルム260の接触面積が増加するので、導電性接着フィルム260の接着力が増加してさらに安定的に前面バスバー142とインターコネクト210が接着するようになる。
【0293】
図示しなかったが、代案的な例として、インターコネクト210と前面バスバー142の線幅は導電性接着フィルム260の線幅より大きく形成することができる。
【0294】
このように導電性接着フィルム260を利用して前面バスバー142とインターコネクト210を接続する時、インターコネクト210の破損や損傷なしにさらに安定的に前面バスバー142とインターコネクト210の間の接合を実施するようになる。
【0295】
すなわち、本実施の形態で、前面電極141と前面バスバー142がメッキに形成されるによって前面電極141と前面バスバー142は平面ではない曲面形状を有するようになり各前面電極141と各前面バスバー142の中部分の高さが各前面電極141と各前面バスバー142の端部分より高くなる。
【0296】
したがって、既に説明したように、前面バスバー142と電気的に接するようになるインターコネクト210の上部面と下部面やはり平坦面ではない曲面を有するようになる。
【0297】
したがって、導電性接着フィルム260を利用せず、前面バスバー142上に直接インターコネクト260を付着させる比較例の場合、前面バスバー142の上部面の曲面形状とインターコネクト260の上部面及び下部面の曲面形状によって前面バスバー142とインターコネクト260との接合に難しさが発生する。
【0298】
すなわち、インターコネクト210と接合される前面バスバー142の面(すなわち、上部面)と前面バスバー142と接合されるインターコネクト210の面(すなわち、下部面)が曲面形状を有する場合、前面バスバー142の上部面とインターコネクト210の下部面中一つは凹な曲面を有し前面バスバー142の上部面とインターコネクト210の下部面の中他の一つは膨らんでいる曲面を有する時またはその反対の時接合が容易に成る。
【0299】
しかし、図20の(a)に示すように、互いに接合される前面バスバー142の上部面とインターコネクト210の下部面全てが膨らんでいる曲面を有し前面バスバー142とインターコネクト210が直接接合の場合、前面バスバー142とインターコネクト210の中部分は互いに接するようになるが、前面バスバー142とインターコネクト210の周辺部では互いに接しないで所定の距離〈H51〉で離隔されるようになる。
【0300】
この時、前面バスバー142とインターコネクト210の離隔距離〈H51〉はインターコネクト120の中心部とこのインターコネクト120の周辺部の高さの差(H41)と前面バスバー142と中心部とこの前面バスバー142の周辺部の高さの差(H42)の合計でありえる。
【0301】
したがって、比較例によってフラックス(flux)を利用したソルダリング(soldering) 方式でインターコネクト210を直接前面バスバー142上に接着する場合、約220℃乃至260℃の温度でインターコネクト210に圧力をかけて前面バスバー142上に直接インターコネクト210を附着するようになる。
【0302】
しかし、この時、前面バスバー142とインターコネクト210が距離(H51)だけ離隔されており、樹脂より熱に強い導電性金属でインターコネクト210からなるから加えられる圧力によってインターコネクト210の一部にクラック(crack)2611が発生するかインターコネクト210の一部に千切れるもの2612のような不良が発生するようになる[図20の(b)]。また、前面バスバー142とインターコネクト210の離隔距離(H51)によって、インターコネクト210と前面バスバー142が安定的に接合されない部分が発生するようになり、前面バスバー142とインターコネクト210の間の伝導度と接合面積が減るようになる。
【0303】
さらに、隔離距離(H51)だけ離隔されており互いに見合わせているインターコネクト210の端部分と前面バスバー142の端部分を接合するため、加えられる圧力や加熱温度などを増加させる時、既に接合状態を維持している部分、例えば、前面バスバー142の中部分とインターコネクト210の中部分では過度な圧力と温度などによって割れるか破損する問題が発生し、場合によっては、熱によって前面バスバー142、インターコネクト210及びエミッタ部121の内少なくとも一つに劣化現象が発生することがある。
【0304】
しかし、本実施の形態に場合、既に説明したように、導電性金属より熱に弱い樹脂を含む導電性接着フィルム260を利用し前面バスバー142とインターコネクト610を接合するようになる。
【0305】
こういう場合、予備接合段階と最終接合段階で印加される熱によって導電性接着フィルム260の樹脂262は軟化され軟化された樹脂262は導電性金属よりずっと大きい柔軟性と成形性を有するようになる。
【0306】
したがって、加えられる圧力によって導電性接着フィルム260が前面バスバー142の上部面とインターコネクト210の下部面と密着されれば軟化された樹脂262は膨らんでいる曲面の前面バスバー142の上部面とインターコネクト210の下部面の表面形状に沿って柔らかく成形され、これにより、曲面形状の前面バスバー142の上部面及びインターコネクト210の下部面と導電性接着フィルム260は安定的に接するようになる。
【0307】
この時、既に説明したように、樹脂262の軟化現象によって樹脂262の柔軟性と成形性が増加するので、導電性接着フィルム260と前面バスバー142及びインターコネクト210の間の接着力と接触面積は増加するようになり、樹脂より小さな柔軟性と成形性を有しているインターコネクト210の割れ発生や損傷及び破損の危険が大きく減少するか防止される。
【0308】
また、樹脂262を含む導電性接着フィルム260を利用し前面バスバー142とインターコネクト210を接合する場合、樹脂262の融点が導電性金属212や半田214の融点よりずっと低いから、既に説明したように、導電性接着フィルム260を利用したテーピング工程の温度は約100℃乃至180℃で行われる一方、インターコネクト210と前面バスバー142を直接接する比較例の場合テーピング工程の温度は約220℃乃至260℃で行われる。
【0309】
したがって、工程温度が比較例の場合よりずっと低いから、前面バスバー142、インターコネクト210及びエミッタ121などの劣化現象が防止される。
【0310】
既に説明したように、一つの前面バスバー142を形成するために複数の第2開口部182を利用する場合、導電性接着フィルム260の下部面と接する前面バスバー142の上部面また曲面形状を有するようになる。しかし、既に説明したように、一つの第2開口部182を利用して一つの前面バスバー142を形成する本実施の形態の他の例と比べる時、前面バスバー142の上部面の粗さと平坦度は増加するようになる。これにより。一つの第2開口部182を利用して一つの前面バスバー142を形成する本実施の形態の他の例に比べて、導電性接着フィルム260と接するようになる前面バスバー142の接触面積が増加して導電性接着フィルム260と前面バスバー142の間の接着力が向上し、平坦度の増加によって、さらに安定的で容易に導電性接着フィルム260と前面バスバー142の間の接着が成る。
【0311】
以上で、前面バスバー142と導電性接着フィルム260及びインターコネクト210との接続構造に対して説明したが、前述の内容は後面バスバー152 の導電性接着フィルム260及びインターコネクト220の接続構造に対しても同様に適用される。
【0312】
上述の記載内容の中で基板110に形成された複数の突出部11と反射防止部130に形成された複数の突出部21の突出した高さの差による各数値(例、厚さ、深さなど)の差は無視して突出した高さの差の内で互いに異なる数値は同一の数値とする。
【0313】
以上で記載した本発明の実施の形態の場合、複数の前面電極141と複数の前面バスバー142は複数の第1及び第2開口部(181、183)を通じてすべて反射防止部130を貫通しエミッタ部121と接続されているが、図21乃至図23に示す代案的な例の太陽電池1aで、複数の前面電極141は反射防止部130を貫通しエミッタ部121に接続されいり、複数の前面バスバー142aは反射防止部130上に位置する。この時、各前面電極141と交差する部分に位置した各前面バスバー142aの部分はエミッタ部121と接続されている。
【0314】
図21乃至図23に示す太陽電池1aで図1乃至図2に示す太陽電池1と同一の構造を有する部分に対しては同じ図面符号を付与したしそれに対する詳細な説明は省略する。
【0315】
このために、図21乃至図23に示すように、図1及び図2に示す太陽電池1とは異なり各前面電極141下部にだけエミッタ部121の一部を露出させる各開口部181が位置して、各前面バスバー142a 下部には複数の開口部182が存在しない。
【0316】
したがって、図23に示すように、複数の開口部181は互いに離隔され同一の方向に形成され、この時、複数の開口部181の形成位置は複数の前面電極141の形成位置に対応し複数の開口部181の延長方向は複数の前面電極141の延長方向と同一である。
【0317】
これにより、代案的な例による太陽電池1aで、第1エミッタ部分1211より高い不純物濃度を有する第2エミッタ部分1212は各前面電極141下部にだけ位置し各前面バスバー142a下部には位置しなく、複数の前面電極141だけが第2エミッタ部分1212と接続され、複数の前面バスバー142aは反射防止部130と接続されている。また、各前面電極141が位置した各第1開口部181が各前面バスバー142aと交差する部分にも形成されているので、既に説明したように、各前面バスバー142aは各前面電極141と交差する部分ではエミッタ部121、即第2エミッタ部分1212と接続されている。
【0318】
しかし、図23に、前面電極141と前面バスバー142aが交差する部分には第1開口部181が位置しないこともあり、この場合、一つの前面電極141のための一つの開口部181は連続的ではなく前面バスバー142が位置した部分で切られるようになる。こういう場合、各前面バスバー142aは各前面電極141と交差しない部分だけではなく各前面電極141と交差する部分でもエミッタ部121と接続されないで反射防止部130上に位置して反射防止部130と直接接するようになる。
【0319】
この時、各前面電極141は既に説明したことと同様に電極メッキが行われるので、図1及び図2と同一の構造を有しており、各前面電極141は銀(Ag)からなる単一膜、ニッケル(Ni)からなる下部膜と銀(Ag)からなる上部膜のような2重膜、またはニッケル(Ni)からなる下部膜、銅(Cu)からなる中間膜及び銀(Ag)またはスズ(Sn)からなる上部膜のような3重膜などの多層膜からなることができる。
【0320】
一方、各前面バスバー142は銀(Ag)のような金属物質を含む導電性ペースト(paste)を利用したスクリーン印刷法(screen printing)で形成されることができる。
【0321】
この時、各前面電極141の高さと各前面バスバー142の高さは互いに同一であるか異なることができ、メッキ法を利用して少なくとも一つの膜からなる複数の前面電極141を形成した後スクリーン印刷法で複数の前面バスバー142を形成するか反対に複数の前面バスバー142を形成した後複数の前面電極141を形成することができる。
【0322】
図23のように、各前面電極141と各前面バスバー142aが交差する部分にも第1開口部181が形成される場合、前面電極141だけが存在することができる。しかし、これとは異なり、各前面電極141と各前面バスバー142aが交差する部分にも第1開口部181が形成される場合、前面電極141のためにメッキ方式で形成された膜と前面バスバー142aのためにスクリーン印刷法に形成された膜が同時に存在しうる。この時、メッキ方で形成された膜とスクリーン印刷法に形成された膜の順序では前面電極141と前面バスバー142の形成手順によって変わる。
【0323】
この場合、各前面バスバー142aで、各前面電極141と交差する部分での高さは交差しない部分での高さよりさらに高くなり、各前面バスバー142の表面は凹凸面を有するようになる。各前面バスバー142aの表面積が増加しインターコネクトとの接触面積が増加するようになり、また、前面電極141との接続部分で接触抵抗が減少するので、前面電極141から前面バスバー142aへの電荷移動がさらに容易に行われる。
【0324】
以上で本発明の望ましい実施の形態に対して詳細に説明したが本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなくて請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多くの変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属する。
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
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図10
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図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
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図14
図15
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図18
図19
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図22
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