【実施例】
【0083】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。
プロトン核磁気共鳴スペクトル(
1H−NMR)は、Varian社製INOVA500 Spectrometer(500MHz)を用いて測定し、化学シフトは、テトラメチルシランに対するδ単位(ppm)で記録し、カップリング定数はヘルツ(Hz)で記録した。
パターンは、s;シングレット、d;ダブレット、d,d;ダブルダブレット、t;トリプレット、m;マルチプレット、b;ブロード、b.s;ブロードシングレットを意味する。
液体クロマトグラフィー(HPLC)は、Shimadzu社製LC−2010A HTを用いて測定した。測定条件は以下のとおりである。
Column:YMC A302 S−5
UV:254nm
ESI−MSは、Shimadzu社製LCMS−2010Aを用いて測定した。Columnとして、Inertsil ODS−3を用いた。
分析薄層クロマトグラフィー(TLC)はプレコートしたシリカゲルプレート(60F−254)上で行い、UV光、エタノール性リンモリブデン酸を用いて視覚化検出した。
【0084】
実施例
(2,9−ビス(6−((メトキシメチルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−1,10−フェナントロリン) (20)
【0085】
【化13】
【0086】
アルゴン気流中、2,9−ジブロモ−1,10−フェナントロリン(化合物(
10);3.25g;9.6mmol)を無水ジメチルホルムアミド(45mL)に溶解した。2−メトキシメチルオキシメチルピリジン−6−イルトリブチルすず(化合物(
12);17g;9.6mmol)およびトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド(3.83g;4.8mmol)を反応溶液に加え、反応溶液を70℃で22時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却し、ロッシェル塩を加えた後に、反応混合物を食塩水に注ぎ、次いで酢酸エチルを反応混合物に加えた。不溶物を濾別し、濾液を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮することにより、油状物を得た。アルゴン気流中、得られた油状物を無水ジメチルホルムアミド(45mL)に溶解し、化合物(
12)(17g 9.6mmol)およびトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド(2.72g ;3.38mmol)を加え、反応液を70℃で20時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、ロッシェル塩を加えた後に、反応液を食塩水に注ぎ、次いで酢酸エチルを反応液に加えた。不溶物を濾別し、濾液を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮することにより、残渣を得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト(SiO
2,200g;展開溶媒:クロロホルム/メタノール=30/1〜20/1〜10/1)にて分離精製し、標記化合物(
20)1.1g(収率:23.7%)を得た。
【0087】
1H NMR (DMSO−d
6)δ:3.38 (s, 3H), 4.80〜4.83 (m, 8H), 7.64(d, J = 8Hz, 2H), 8.07〜8.20 (m, 4H), 8.65〜8.84 (m, 4H), 8.92 (d, J = 7Hz, 1H)
HPLC 移動相:40−95%アセトニトリル−水(0.1% トリフルオロ酢酸) ピーク保持時間:5.7分
ESIMS (positive) m/z 483.1, (M
+H) (F.W = 482.53 for C
28H
26N
4O
4)
【0088】
2,9−ビス(6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル)−1,10−フェナントロリン (21)
【0089】
【化14】
【0090】
化合物(
20)(1.09g;2.26mmol)に6N−塩酸(5mL)およびメタノール(25mL)を加え、反応溶液を60℃にて4時間攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、溶媒が残っている状態で、5%炭酸ナトリウム水溶液にてアルカリ性にし、析出した固体を濾取した。得られた固体をクロロホルム/メタノール=3/1に溶解した後、不溶物を除き、濾液を減圧下濃縮し、標記化合物(
21)0.72g(収率:81%)を得た。
【0091】
1H NMR (DMSO−d
6)δ:4.76 (d, J = 5.5Hz, 1H), 5.58 (t, J = 6Hz, 2H), 7.65 (d, J =7.5Hz, 2H), 8.08 (s, 2H), 8.15 (t, J = 7.5Hz, 2H), 8.65 (d, J = 8.5Hz, 2H), 8.84 (d, J = 8.5Hz, 2H), 8.87 (d, J = 8.5Hz, 2H)
HPLC 移動相:30−80%アセトニトリル−水(0.1%トリフルオロ酢酸) ピーク保持時間:2.7分
ESIMS (positive) m/z 395.1, (M
+H) (F.W = 394.43 for C
24H
18N
4O
2)
【0092】
2,9−ビス(6−(クロロメチル)ピリジン−2−イル)−1,10−フェナントロリン (22)
【0093】
【化15】
【0094】
アルゴン気流中、化合物(
21)(0.7g;1.77mmol)を氷冷下、ジクロロメタン(15mL)に懸濁した。トリエチルアミン(0.54g;5.32mmol)および塩化チオニル(0.51g;4.25mmol)を反応混合物に順次加えた。反応混合物を室温で24時間攪拌した。反応混合物を5%炭酸ナトリウム水溶液でアルカリ性にした後、減圧下濃縮した。得られた残渣をクロロホルム/メタノール=3/1に溶かし、メンブレンフィルター濾過をして無機物を除いた。濾液を減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト(SiO
2,200g)(クロロホルム/メタノール=10/1〜5/1〜3/1)にて分離精製し、標記化合物(
22)0.49g(収率:64%)を得た。
【0095】
1H NMR (DMSO−d
6)δ:4.98 (s, 4H), 7.74 (d, J =7.5Hz, 2H), 8.11 (s, 2H), 8.20 (t, J=7.5Hz, 2H), 8.69 (t, J = 8.5Hz, 2H), 8.84 (t, J = 8 Hz, 2H), 8.97 (d, J = 8.5Hz, 2H)
HPLC 移動相:30−80%アセトニトリル−水(0.1%トリフルオロ酢酸) ピーク保持時間:8.8分
ESIMS (positive) m/z 432.09, (M
+H) (F.W = 431.32 for C
24H
15C
l2N
4)
【0096】
2,5−ビス−tert−ブチルオキシカルボニルメチル−2,5−ジアゾ[6]−(5’,5’)−シクロ−2,9−ジ−(2’−ピリジル)−1,10−フェナントロリノファン (23)
【0097】
【化16】
【0098】
アルゴン気流中、化合物(
22)(0.71g;1.64mmol)をエチルメチルケトン(100mL)に溶解し、反応溶液にN,N’−ジ−tert−ブチルオキシカルボニルメチル−1,2−エチレンジアミン(0.81g;4.92mmol)、ヨウ化カリウム(0.82g;4.92mmol)および炭酸ナトリウム(0.87g;8.2mmol)を加えた。反応混合物を110℃にて44時間攪拌還流した。反応混合物を室温まで冷却後、不溶物を除き、濾過後、減圧下濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト(SiO
2,200g)(クロロホルム/メタノール=20/1〜10/1)にて分離精製し、標記化合物(
23)1.04g(収率:80%)を得た。
【0099】
1H NMR (CDCl
3)δ:1.53 (s, 18H), 2.91 (b.s, 4H), 3.52 (b.s, 4H), 4.10 (b.s, 4H), 7.34 (d, J = 7.5Hz, 2H), 7.57 (s, 2H), 7.61 (t, J = 7.5Hz, 2H), 8.17 (d, J = 8.5Hz, 2H), 8.74 (d, J = 8.5Hz, 2H), 8.80 (d, J = 8.5Hz, 2H)
HPLC 移動相:40−95%アセトニトリル−水(0.1%トリフルオロ酢酸) ピーク保持時間:12.2分
ESIMS (positive) m/z 647.1, (M
+H) (F.W = 646.78 for C
38H
42N
6O
4)
【0100】
2,5−ビス−カルボキシメチル−2,5−ジアゾ[6]−(5’,5’)−シクロ−2,9−ジ−(2’−ピリジル)−1,10−フェナントロリノファン (24)
【0101】
【化17】
【0102】
アルゴン気流中、化合物(
23)0.44gをジクロロメタン(3.5mL)に懸濁し、反応混合物にアニソール(0.4mL)およびトリフルオロ酢酸(1.5mL)を室温にて加えた。反応混合物を室温で19時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮後、得られた残渣に1N塩酸を加えた後、減圧下濃縮した。得られた残渣をHP−20SS(30mL)を用いて、10%,20%=アセトニトリル/水の溶出液で溶出した成分を集め、凍結乾燥し、標記化合物(
24)を150mg得た。
【0103】
1H NMR (DMSO−d
6)δ:3.04 (s, 4H), 3.61 (s, 4H),4.08 (s, 4H), 7.23 (d, J = 7.5Hz, 2H), 7.47 (s, 2H), 7.66 (t, J = 7.5Hz, 2H), 8.09 (d, J = 8.5Hz, 2H), 8.35 (d, J = 8.5Hz, 2H), 8.46 (d, J = 7.5Hz, 2H)
HPLC 移動相:20−90%アセトニトリル−水(0.1% トリフルオロ酢酸) ピーク保持時間:5.3分
ESIMS (positive) m/z 535(M
+H) (F.W = 534.57 for C
30H
26N
6O
4)
【0104】
参考例1
1−メチル−1,10−フェナントロリニウム ヨウ化物 (1)
【0105】
【化18】
【0106】
アルゴン気流中、1,10−フェナントロリン(23g;127mmol)をニトロベンゼン(500mL)に溶解した。35℃でヨウ化メチル(45.29g;319mmol)を反応溶液に3.5時間かけて滴下した。35℃で反応溶液を24時間攪拌した。反応溶液を氷冷し、濾過を行い、得られた固体をニトロベンゼン、ベンゼンおよびエタノールで順次洗浄した後、減圧下乾燥して、標記化合物(
1)36g(収率:88%)を得た。
【0107】
1H NMR (DMSO−d
6)δ:5.29 (s, 3H), 8.07 (d,d, J1 = 8Hz, J2 = 4.5Hz, 1H), 8.43 (d, J = 2.5Hz, 1H), 8.43 (q, J = 9Hz, 2H), 8.81 (d,d, J1 = 8.5Hz, J2 = 1.5Hz, 1H), 9.32〜9.60 ( m,3H)
【0108】
参考例2
1−メチル−1,10−フェナントロリン−2(1H)−オン (2)
【0109】
【化19】
【0110】
フェリシアン化カリウム(92.2g;280mmol)水溶液(1.12L)に、氷冷下(内温10〜15℃)攪拌しながら、化合物(
1)(37.6g;117mmol)および水酸化ナトリウム(69.3g;1.73mol)水溶液(200mL)を交互に、20分間かけて加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌し、析出した粗結晶を濾別し、乾燥した。得られた粗結晶をトルエン(1.1L)およびベンゼン(450mL)に溶解し、濾過することで不溶物を除去した。濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣をイソプロピルエーテルおよび酢酸エチルで洗浄し、乾燥し、標記化合物(
2)を23.7g(収率:75%)得た。
【0111】
1H NMR (DMSO−d
6)δ:4.22 (s, 3H), 6.84 (d, J = 9Hz, 1H), 7.69 (d,d, J1 = 8Hz, J2 = 2Hz, 1H), 7.77 (d, J =8Hz, 1H), 7.82 (d, J = 8.5Hz, 1H), 8.08 (d, J = 9.5Hz, 1H), 8.46 (d,d, J1 =8Hz, J2 = 2Hz, 1H), 9.0 (d,d, J1 = 9.5Hz, J2 = 2Hz, 1H)
【0112】
参考例3
2−クロロ−1,10−フェナントロリン (3)
【0113】
【化20】
【0114】
アルゴン気流中、化合物(
2)(8g;38mmol)に氷冷下、オキシ塩化リン(72mL)および五塩化リン(9.8g;4 7.6mmol)を加えた。反応溶液を8時間攪拌還流した後、減圧下過剰のオキシ塩化リンを除去した後、反応濃縮物に、氷水および濃アンモニア水を加え、反応混合物をアルカリ性にすることで粗結晶が析出した。粗結晶を濾取し、水洗した後、減圧下乾燥して、標記化合物(
3)6.1g(収率:75%)を得た。
【0115】
1H NMR (DMSO−d
6)δ:7.80〜7.88 (m, 2H), 8.07 (s, 2H), 8.54(d, J =8.5Hz, 1H), 8.60 (d, J = 8.5Hz, 1H), 9.14 (d, J = 7Hz, 1H)
【0116】
参考例4
9−クロロ−1−メチル−1,10フェナントロリニウム ハイドロジェンサルフェ−ト (4)
【0117】
【化21】
【0118】
アルゴン気流中、化合物(
3)(5.2g;24.2mmol)にジメチル硫酸(22.1g;175mmol)を室温で10分間かけて加えた。反応温度を120℃に昇温して、反応溶液を1時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、反応溶液にジエチルエーテルを加え、析出した淡茶色の粗結晶を濾別した。粗結晶をジエチルエーテル/エタノール=1/1〜1/2の溶液で洗浄後、減圧下乾燥して、標記化合物(
4)6.17gを得た。
【0119】
1H NMR (DMSO−d
6)δ:5.12 (s, 3H), 8.18 (d, J =8.5Hz, 1H), 8.40〜8.50 (m 3H), 8.88 (d, J = 9Hz, 1H), 9.42 (d, J = 9Hz, 1H), 9.60 (d, J = 7Hz, 1H)
【0120】
参考例5
9−クロロ−1−メチル−1,10−フェナントロリン2(1H)−オン (5)
【0121】
【化22】
【0122】
氷冷攪拌下、フェリシアン化カリウム(22.1g;673mmol)水溶液(200mL)に、化合物(
4)(6.17g;26.9mmol)および水酸化ナトリウム(16.14g;404mmol)水溶液(110mL)を交互に20分間かけて加えた。同温度で反応混合物を攪拌し、更に室温で3.5時間攪拌した。析出した固体を濾別し、乾燥後メタノールに溶解し、活性炭処理を行った。濾液を減圧下濃縮して、標記化合物(
5)を4.26g(化合物(
3)より収率:72%)得た。
【0123】
1H NMR (DMSO−d
6)δ:4.35 (s, 3H), 6.87 (d, J = 9Hz, 1H), 7.76 (d, J = 8.5Hz, 1H), 7.83 (d, J = 8.5Hz, 1H), 7.89 (d, J = 8.5Hz, 1H), 8.09 (d, J = 9Hz, 1H), 8.54 (d, J = 9Hz,1H)
【0124】
参考例6
2,9−ジクロロ−1,10−フェナントロリン (6)
【0125】
【化23】
【0126】
アルゴン気流中、氷冷下にて、化合物(
5)(4.26g;17.4mmol)にオキシ塩化リン(39mL)および五塩化リン(4.48g;21.8mmol)を加えた。反応溶液を7時間攪拌還流した。反応溶液を減圧下濃縮してオキシ塩化リンを除去し、残渣に氷水および濃アンモニア水を加えてアルカリ性にして、析出した固体を濾別し、水洗した後、減圧下乾燥を行い、標記化合物(
6)4.06g(収率:94%)を得た。
【0127】
1H NMR (DMSO−d
6)δ:7.90 (d, J =8.5Hz, 1H), 8.12 (s, 2H), 8.63 (d, J = 8.5Hz, 1H)
HPLC 移動相:20−90%アセトニトリル−水(0.1%トリフルオロ酢酸) ピーク保持時間:13.2分
【0128】
参考例7
2−ブロモ−1,10−フェナントロリン (7)
【0129】
【化24】
【0130】
アルゴン気流中、化合物(
2)(10g;47.6mmol)に五臭化リン(28g;65mmol)およびオキシ臭化リン(50g;174mmol)を室温にて加えた。反応温度を80℃に昇温後、反応溶液を6時間攪拌した。反応溶液を氷冷後、氷水に注ぎ、濃アンモニア水にてアルカリ性にした。反応混合物をクロロホルムで抽出し、有機層を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト(SiO
2 250g)(トルエン/酢酸エチル=5/1〜3/1〜1/1〜酢酸エチル)にて分離精製し、標記化合物(
7)6.9g(収率:94%)を得た。
【0131】
1H NMR (CDCl
3)δ:7.66 (d,d, J1 = 8Hz, J2 =4.5Hz, 1H), 7.76〜7.79 (m,2H), 7.83 (d, J = 8.5Hz, 1H), 8.08 (d, J = 8.5Hz, 1H), 8.26 (d,d, J1 = 8Hz, J2 = 2Hz, 1H), 9.24 (d, J1 = 4.5Hz, J2 = 2Hz, 1H)
HPLC 移動相:20−90%アセトニトリル−水(0.1%トリフルオロ酢酸) ピーク保持時間:4.2分
ESIMS (positive) m/z 260.9, 258.2 (M
+H) (F.W = 259.1 for C
12H
7BrN
2)
【0132】
参考例8
9−ブロモ−1−メチル−1,10−フェナントロリニウム ハイドロジェンサルフェ−ト (8)
【0133】
【化25】
【0134】
アルゴン気流中、化合物(
7)(24.4g;94.2mmol)にジメチル硫酸(77g;610mmol)を氷冷下20分間かけて加えた。反応温度を120℃に昇温して、反応溶液を1時間攪拌した後、反応溶液に氷冷下、ジエチルエーテルを加え、析出した固体を濾別し、ジエチルエーテル/エタノール混合溶液(1/1〜1/2)にて洗浄し、減圧下乾燥して、標記化合物(
8)33.6g(収率:96%)を得た。
【0135】
1H NMR (DMSO−d
6)δ:5.19 (s, 3H), 8.29 (d, J =8.5Hz, 1H), 8.43〜8.50 (m 3H), 8.77 (d, J = 8.5Hz, 1H), 9.44 (d, J = 8.5Hz, 1H), 9.64 (d, J = 6Hz, 1H)
HPLC 移動相:20−90%アセトニトリル−水(0.1%トリフルオロ酢酸) ピーク保持時間:5.2分
ESIMS (positive) m/z 274.9, 272.9 (M
+H) (F.W = 274.14 for C
13H
10BrN
2)
【0136】
参考例9
9−ブロモ−1−メチル−1,10−フェナントロリン−2(1H)−オン (9)
【0137】
【化26】
【0138】
フェリシアン化カリウム(100g;303mmol)を含む水溶液(1.1L)に、氷冷下(内温4〜6℃)攪拌しながら、化合物(
8)(42.7g;115mmol)および水酸化ナトリウム(76g;1.9mol)水溶液(110mL)を交互に、25分間かけて加えた。反応溶液を氷冷下、1時間反応後、さらに室温で3.5時間攪拌した、析出した粗結晶を濾別し、水洗し、乾燥した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマト(SiO
2 800g)(クロロホルム/メタノール=50/1〜30/1〜20/1)にて分離精製し、乾燥し、標記化合物(9)27.4g(収率:82%)得た。
【0139】
1H NMR (CDCl
3)δ:4.39 (s, 3H), 6.92 (d, J = 9.5Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.5Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.5Hz, 1H), 7.61 (d, J = 8.5Hz, 1H), 7.77 (d, J = 9.5Hz, 1H), 8.01 (d, J = 8.5Hz, 1H)
HPLC 移動相:20−90%アセトニトリル−水(0.1% トリフルオロ酢酸) ピーク保持時間:14.2分
ESIMS (positive) m/z 290.9, 288.2 (M
+H) (F.W = 289.13 for C
13H
9BrN
2O)
【0140】
参考例10
2,9−ジブロモ−1,10−フェナントロリン (10)
【0141】
【化27】
【0142】
アルゴン気流中、化合物(
9)(8.4g;29.1mmol)に氷冷下、オキシ臭化リン(3 25g;174mmol)および五塩化リン(15.4g;35.8mmol)を加えた。反応温度を65〜75℃に昇温して、反応溶液を5.5時間攪拌した。反応溶液を氷冷した後、減圧濃縮して、過剰のオキシ臭化リンを除去し、反応濃縮液を氷水に注ぎ、濃アンモニア水にてアルカリ性にした。析出した固体を濾別しながら、水洗し、粗製の標記化合物(
10) を得た。これを乾燥後、シリカゲルカラムクロマト(SiO
2 300g)(CHCl
3/メタノール=50/1〜40/1〜30/1)にて、分離精製し標記化合物(
10)8g(収率:81%)を得た。
【0143】
1H NMR (CDCl
3)δ:8.02 (d, J =8.5Hz, 2H), 8.12 (s, 2H), 8.51 (d, J = 8.5Hz, 2H)
HPLC 移動相:20−90%アセトニトリル−水(0.1% トリフルオロ酢酸) ピーク保持時間:16分
ESIMS (positive) m/z 340.8, 338.8, 336.8 (M
+H) (F.W = 338.00 for C
12H
6Br
2N
2)
【0144】
参考例11
2−ブロモ−6−((メトキシメチルオキシ)メチル)ピリジン (11)
【0145】
【化28】
【0146】
アルゴン気流中、(6−ブロモピリジン−2−イル)メタノール(10g;53.2mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解した。氷冷下、反応溶液にジイソプロピルエチルアミン(9.6g;74.5mmol)およびクロロメチルメチルエーテル(5.35g;66.5mmol)を加え、更に反応溶液を室温で17時間攪拌した。反応溶液を氷水にあけ、クロロホルムで抽出し、有機層を水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト(SiO
2,200g)(トルエン/酢酸エチル=10/1)にて、分離精製し、標記化合物(
11)12.15g(収率:98%)を得た。
【0147】
1H NMR (CDCl
3) δ:3.42 (s, 3H),4.69 (s, 2H), 4.77 (s, 2H), 7.38〜7.44 (m, 2H),7.56 (t, J = 7.5Hz, 1H)
【0148】
参考例12
2−((メトキシメチルオキシ)メチル)−6−(トリブチルスタンニル)ピリジン (12)
【0149】
【化29】
【0150】
アルゴン気流中、化合物(
11)(24.7g;106mmol)を無水テトラヒドロフラン(270mL)に溶解し、−65〜−70℃で、反応溶液に1.54M n−ブチルリチウムヘキサン溶液を50分間かけて滴下し、同温で反応溶液を1時間攪拌した。反応溶液に塩化トリブチルすず40g(122mmol)のテトラヒドロフラン溶液(100mL)を30分間で滴下した。次第に反応溶液の温度を昇温(−20℃)しながら、同温度で20時間攪拌した。反応溶液に水(250mL)を加え、ジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧下濃縮し、粗製の標記化合物(
12)58gを得た。この化合物は、さらに精製することなく次の工程で使用した。