(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光学センサと接続し、表示装置における表示光強度を測定する測定装置が、前記表示装置にて起動している所定のコンテンツ表示プログラムにより複数の異なる調整用画像を順次的に表示させ、各調整用画像を表示中の前記表示装置における光強度を、所定のタイミングで夫々順次前記光学センサを用いて測定する方法であって、
前記測定装置が、
前記コンテンツ表示プログラムによってコンテンツ要求を該測定装置へ送信させ、コンテンツを受信する都度表示させる表示制御情報を前記表示装置へ送信するステップと、
前記コンテンツ表示プログラムによるコンテンツ要求に応じて、調整用画像を含むコンテンツ及び次に表示させるコンテンツに係る表示制御情報を前記表示装置へ送信するステップと、
前記光学センサにおける測定タイミングに合わせて、送信するコンテンツを前記表示制御情報に対応するように変更する変更ステップと
を実行することを特徴とする測定方法。
光学センサと接続し、表示装置における表示光強度を測定する測定装置が、該測定装置と通信する情報処理装置と情報を送受信し、前記表示装置にて起動している所定のコンテンツ表示プログラムにより複数の異なる調整用画像を順次的に表示させ、各調整用画像を表示中の前記表示装置における光強度を、所定のタイミングで夫々順次前記光学センサを用いて測定する方法であって、
前記測定装置が、
前記コンテンツ表示プログラムによってコンテンツ要求を前記情報処理装置へ送信させ、コンテンツを受信する都度表示させる表示制御情報を前記表示装置へ送信すべく前記情報処理装置へ指示するステップと、
前記コンテンツ表示プログラムによるコンテンツ要求に応じて、調整用画像を含むコンテンツ及び次に表示させるコンテンツに係る表示制御情報を前記表示装置へ送信すべく前記情報処理装置へ指示するステップと、
前記光学センサにおける測定タイミングに合わせて、前記情報処理装置へ、送信するコンテンツを前記表示制御情報に対応するように変更させる変更ステップと
を実行することを特徴とする測定方法。
光学センサと接続するコンピュータに、複数の調整用画像を表示装置にて起動中の所定のコンテンツ表示プログラムにより表示させ、各調整用画像を表示中の前記表示装置における光強度を、夫々順次前記光学センサで測定する処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
前記コンテンツ表示プログラムによってコンテンツ要求を該コンピュータに送信させ、コンテンツを受信する都度表示させる表示制御情報を前記表示装置へ送信するステップと、
前記コンテンツ表示プログラムによるコンテンツ要求に応じて調整用画像を含むコンテンツ及び次に表示させるコンテンツに係る表示制御情報を前記表示装置へ送信するステップと、
前記光学センサにおける測定タイミングに合わせて、送信するコンテンツを前記表示制御情報に対応するように変更する変更ステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
光学センサと接続するコンピュータに、複数の調整用画像を表示装置にて起動中の所定のコンテンツ表示プログラムにより表示させ、各調整用画像を表示中の前記表示装置における光強度を、夫々順次前記光学センサで測定する処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
前記コンテンツ表示プログラムによってコンテンツ要求を他装置へ送信させ、コンテンツを受信する都度表示させる表示制御情報を前記表示装置へ送信すべく前記他装置へ指示するステップと、
前記コンテンツ表示プログラムによるコンテンツ要求に応じて、調整用画像を含むコンテンツ及び次に表示させるコンテンツに係る表示制御情報を前記表示装置へ送信すべく前記他装置へ指示するステップと、
前記光学センサにおける測定タイミングに合わせて、送信するコンテンツを前記表示制御情報に対応するように変更することを前記他装置へ指示する変更ステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
所定のコンテンツ表示プログラムを起動する表示装置と、該表示装置に接続して複数の調整用画像を前記コンテンツ表示プログラムにより表示させ、各調整用画像を表示中の前記表示装置における光強度を、所定のタイミングで夫々順次測定する光学センサと接続する手段を備える表示光強度の測定装置とを含む測定システムであって、
前記測定装置は、
前記コンテンツ表示プログラムによってコンテンツ要求を該測定装置に送信させ、コンテンツを受信する都度表示させる表示制御情報を前記表示装置へ送信する手段と、
前記コンテンツ表示プログラムによるコンテンツ要求に応じて、調整用画像を含むコンテンツ及び次に表示させるコンテンツに係る表示制御情報を前記表示装置へ送信する手段と、
前記光学センサにおける測定タイミングに合わせて、送信するコンテンツを前記表示制御情報に対応するように変更する手段と
を備え、
前記表示装置は、
前記測定装置から送信されたコンテンツ及び前記表示制御情報を受信する手段と、
受信したコンテンツを、受信した表示制御情報に基づき前記コンテンツ表示プログラムにより表示する手段と
を備えることを特徴とする測定システム。
所定のコンテンツ表示プログラムを起動する表示装置と、該表示装置に接続して複数の調整用画像を前記コンテンツ表示プログラムにより表示させ、各調整用画像を表示中の前記表示装置における光強度を、所定のタイミングで夫々順次測定する光学センサと接続する手段を備える表示光強度の測定装置と、該測定装置及び前記表示装置と通信する情報処理装置とを含む測定システムであって、
前記測定装置は、
前記コンテンツ表示プログラムによってコンテンツ要求を前記情報処理装置へ送信させ、コンテンツを受信する都度表示させる表示制御情報を前記表示装置へ送信すべく前記情報処理装置へ指示する手段と、
前記コンテンツ表示プログラムによるコンテンツ要求に応じて、調整用画像を含むコンテンツ及び次に表示させるコンテンツに係る表示制御情報を前記表示装置へ送信すべく前記情報処理装置へ指示する手段と、
前記光学センサにおける測定タイミングに合わせて、送信するコンテンツを前記表示制御情報に対応するように変更することを前記情報処理装置へ指示する手段と
を備え、
前記表示装置は、
前記情報処理装置から送信されたコンテンツ及び前記表示制御情報を受信する手段と、
受信したコンテンツを、受信した表示制御情報に基づき前記コンテンツ表示プログラムにより表示する手段と
を備えることを特徴とする測定システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来は、DTP(Desk Top Publishing )のモニタやフォトビューアとしての機能は、PCにビデオ入出力端子又はUSB(Universal Serial Bus)端子等で接続された表示装置で実現されてきた。この場合、色管理は上述のように、PCでキャリブレーション用のソフトウェアプログラムを実行させ、PCから表示装置に接続された光学センサの制御と表示装置での表示の制御とを併せて行なうことができた。
【0009】
昨今では、タブレット型情報端末装置が普及し、これらの装置は表示装置として十分に大きく高精細になる傾向にある。印刷・出版業界及びデザイン業界でも、ユーザはタブレット型情報端末装置を表示装置として、具体的にはDTPのモニタ、フォトビューア、又は電子書籍リーダーとして用いて画像を確認することが増加している。また、無線通信によりタブレット型情報端末装置から印刷装置へ直接的に画像データを送信して出力することもできる。したがってタブレット型情報端末装置における色表現の管理も重要度を増している。
【0010】
タブレット型情報端末装置はそれ自体で、操作や出力の機能、及び演算機能を持ち、ビデオ入出力端子を有さない場合がある。ビデオ入出力端子を有さないタブレット型情報端末装置に対しては、光学センサの制御と画面表示の制御とを併せて行なうことができないので、従来の表示装置に対する自動化したキャリブレーションの方法を適用することができない。タブレット型情報端末装置側にて手動で測定用画像を表示させ、その都度、キャリブレーション用ソフトウェアを実行するPCにて測定を開始する方法を採ることも出来る。しかしながら、数千、数万ともなる多数の測定用画像を手動で表示させる作業は、ユーザへの負担が非常に大きい。
【0011】
ビデオ入出力端子を有さないタブレット型情報端末装置専用のキャリブレーション用のシステムが提案されている。この場合、タブレット型情報端末装置自身にキャリブレーション用のソフトウェアを実行させ、別PCにより光学センサを制御することでキャリブレーションを自動的に行なう。これにより、ビデオ入出力端子を有さないタブレット型情報端末装置における色管理が可能である。しかしながら、この場合ソフトウェアは特定のタブレット型情報端末装置専用である。タブレット型情報端末装置には多様なものがあるから、全てに個別のキャリブレーション用のソフトウェアを用意するのは困難である。
【0012】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ビデオ入出力端子の有無など表示装置の仕様によらず、汎用的に表示装置の色表現を測定することができる表示光強度の測定方法、コンピュータに前記測定方法として実行させるコンピュータプログラム、及び測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る測定方法は、光学センサと接続し、表示装置における表示光強度を測定する測定装置が、前記表示装置にて起動している所定のコンテンツ表示プログラムにより複数の異なる調整用画像を順次的に表示させ、各調整用画像を表示中の前記表示装置における光強度を、所定のタイミングで夫々順次前記光学センサを用いて測定する方法であって、前記測定装置が、前記コンテンツ表示プログラムによってコンテンツ要求を該測定装置へ送信させ、コンテンツを受信する都度表示させる表示制御情報を前記表示装置へ送信するステップと、前記コンテンツ表示プログラムによるコンテンツ要求に応じて、調整用画像を含むコンテンツ及び次に表示させるコンテンツに係る表示制御情報を前記表示装置へ送信するステップと、前記光学センサにおける測定タイミングに合わせて、送信するコンテンツを
前記表示制御情報に対応するように変更する変更ステップとを実行することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る測定方法は、前記測定装置は、前記表示制御情報として、共に送信されるコンテンツに含まれる調整用画像を特定する情報を送信することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る測定方法は、前記測定装置は、前記表示制御情報として、自身へのコンテンツ要求を間欠的に送
信することを指示する情報を送信し、前記変更ステップは、一の調整用画像の表示中における測定終了を検知する検知ステップと、測定終了を検知した場合に、前記表示装置からのコンテンツ要求に応じて他の調整用画像を含むコンテンツに変更するステップとを更に含むことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る測定方法は、前記測定装置は、前記表示制御情報として、コンテンツを表示する時間、又は次のコンテンツ要求を送信するまでの待機時間を送信することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る測定方法は、前記測定装置は、
次に表示させるコンテンツを特定する情報を含むコンテンツ要求を該測定装置へ送信させる表示制御情報を
前記表示装置へ送信することを特徴とする。
【0018】
本発明に係る測定方法は、光学センサと接続し、表示装置における表示光強度を測定する測定装置が、該測定装置と通信する情報処理装置と情報を送受信し、前記表示装置にて起動している所定のコンテンツ表示プログラムにより複数の異なる調整用画像を順次的に表示させ、各調整用画像を表示中の前記表示装置における光強度を、所定のタイミングで夫々順次前記光学センサを用いて測定する方法であって、前記測定装置が、前記コンテンツ表示プログラムによってコンテンツ要求を前記情報処理装置へ送信させ、コンテンツを受信する都度表示させる表示制御情報を前記表示装置へ送信すべく前記情報処理装置へ指示するステップと、前記コンテンツ表示プログラムによるコンテンツ要求に応じて、調整用画像を含むコンテンツ及び次に表示させるコンテンツに係る表示制御情報を前記表示装置へ送信すべく前記情報処理装置へ指示するステップと、前記光学センサにおける測定タイミングに合わせて、前記情報処理装置へ、送信するコンテンツを
前記表示制御情報に対応するように変更させる変更ステップとを実行することを特徴とする。
【0019】
本発明に係る測定方法は、前記情報処理装置は、前記表示制御情報として、共に送信されるコンテンツに含まれる調整用画像を特定する情報を送信することを特徴とする。
【0020】
本発明に係る測定方法は、前記情報処理装置は、前記表示制御情報として、自身へのコンテンツ要求を間欠的に送
信することを指示する情報を送信し、前記変更ステップは、一の調整用画像の表示中における測定終了を検知する検知ステップと、測定終了を検知した場合に、前記情報処理装置に、前記表示装置からのコンテンツ要求に応じて他の調整用画像を含むコンテンツに変更させるステップとを更に含むことを特徴とする。
【0021】
本発明に係る測定方法は、前記情報処理装置は、前記表示制御情報として、コンテンツを表示する時間、又は次のコンテンツ要求を送信するまでの待機時間を送信することを特徴とする。
【0022】
本発明に係る測定方法は、前記情報処理装置は、
次に表示させるコンテンツを特定する情報を含むコンテンツ要求を送信させる表示制御情報を
前記表示装置へ送信することを特徴とする。
【0023】
本発明に係る測定方法は、前記測定装置が、送信したコンテンツに含まれる調整用画像を特定する情報と、前記コンテンツが含む調整用画像の表示中の測定結果とを対応付けて記憶するステップを更に実行することを特徴とする。
【0024】
本発明に係る測定方法は、前記測定装置が、測定結果に基づき、前記表示装置の色空間の変換に係る色空間情報を生成するステップを更に実行することを特徴とする。
【0025】
本発明に係るコンピュータプログラムは、光学センサと接続するコンピュータに、複数の調整用画像を表示装置にて起動中の所定のコンテンツ表示プログラムにより表示させ、各調整用画像を表示中の前記表示装置における光強度を、夫々順次前記光学センサで測定する処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、前記コンテンツ表示プログラムによってコンテンツ要求を該コンピュータに送信させ、コンテンツを受信する都度表示させる表示制御情報を前記表示装置へ送信するステップと、前記コンテンツ表示プログラムによるコンテンツ要求に応じて調整用画像を含むコンテンツ及び次に表示させるコンテンツに係る表示制御情報を前記表示装置へ送信するステップと、前記光学センサにおける測定タイミングに合わせて、送信するコンテンツを
前記表示制御情報に対応するように変更する変更ステップとを実行させることを特徴とする。
【0026】
本発明に係るコンピュータプログラムは、光学センサと接続するコンピュータに、複数の調整用画像を表示装置にて起動中の所定のコンテンツ表示プログラムにより表示させ、各調整用画像を表示中の前記表示装置における光強度を、夫々順次前記光学センサで測定する処理を実行させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、前記コンテンツ表示プログラムによってコンテンツ要求を他装置へ送信させ、コンテンツを受信する都度表示させる表示制御情報を前記表示装置へ送信すべく前記他装置へ指示するステップと、前記コンテンツ表示プログラムによるコンテンツ要求に応じて、調整用画像を含むコンテンツ及び次に表示させるコンテンツに係る表示制御情報を前記表示装置へ送信すべく前記他装置へ指示するステップと、前記光学センサにおける測定タイミングに合わせて、送信するコンテンツを
前記表示制御情報に対応するように変更することを前記他装置へ指示する変更ステップとを実行させることを特徴とする。
【0027】
本発明に係る測定システムは、所定のコンテンツ表示プログラムを起動する表示装置と、該表示装置に接続して複数の調整用画像を前記コンテンツ表示プログラムにより表示させ、各調整用画像を表示中の前記表示装置における光強度を、所定のタイミングで夫々順次測定する光学センサと接続する手段を備える表示光強度の測定装置とを含む測定システムであって、前記測定装置は、前記コンテンツ表示プログラムによってコンテンツ要求を該測定装置に送信させ、コンテンツを受信する都度表示させる表示制御情報を前記表示装置へ送信する手段と、前記コンテンツ表示プログラムによるコンテンツ要求に応じて、調整用画像を含むコンテンツ及び次に表示させるコンテンツに係る表示制御情報を前記表示装置へ送信する手段と、前記光学センサにおける測定タイミングに合わせて、送信するコンテンツを
前記表示制御情報に対応するように変更する手段とを備え、前記表示装置は、前記測定装置から送信されたコンテンツ及び前記表示制御情報を受信する手段と、受信したコンテンツを、受信した表示制御情報に基づき前記コンテンツ表示プログラムにより表示する手段とを備えることを特徴とする。
【0028】
本発明に係る測定システムは、所定のコンテンツ表示プログラムを起動する表示装置と、該表示装置に接続して複数の調整用画像を前記コンテンツ表示プログラムにより表示させ、各調整用画像を表示中の前記表示装置における光強度を、所定のタイミングで夫々順次測定する光学センサと接続する手段を備える表示光強度の測定装置と、該測定装置及び前記表示装置と通信する情報処理装置とを含む測定システムであって、前記測定装置は、前記コンテンツ表示プログラムによってコンテンツ要求を前記情報処理装置へ送信させ、コンテンツを受信する都度表示させる表示制御情報を前記表示装置へ送信すべく前記情報処理装置へ指示する手段と、前記コンテンツ表示プログラムによるコンテンツ要求に応じて、調整用画像を含むコンテンツ及び次に表示させるコンテンツに係る表示制御情報を前記表示装置へ送信すべく前記情報処理装置へ指示する手段と、前記光学センサにおける測定タイミングに合わせて、送信するコンテンツを
前記表示制御情報に対応するように変更することを前記情報処理装置へ指示する手段とを備え、前記表示装置は、前記情報処理装置から送信されたコンテンツ及び前記表示制御情報を受信する手段と、受信したコンテンツを、受信した表示制御情報に基づき前記コンテンツ表示プログラムにより表示する手段とを備えることを特徴とする。
【0029】
測定方法、コンピュータプログラム及び測定システムでは、測定用の複数の調整用画像はコンテンツとして表示装置へ通信により送信され
、表示装置にて起動しているコンテンツ表示プログラムにより受信される。測定用の調整用画像を含むコンテンツの表示タイミングが、光学センサを用いた測定タイミングと合うように制御されるべく、
前記コンテンツ表示プログラムにてコンテンツ要求を送信し、コンテンツを受信する都度表示するように表示制御情報が表示装置へ送信される。これにより測定装置側では、各調整用画像に対して順次測定するように光学センサが制御されると共に、該光学センサによる測定タイミングに合わせて、送信するコンテンツの内容が変更され、又はコンテンツ自体が変更される。
調整用画像は、輝度の異なる無彩色又は複数の有彩色の画像である。背景色を指定することにより表示される画像を含む。
コンテンツはHTML(HyperText Markup Language )ファイル、又はAdobe Flash (アドビシステムズ社の製品、登録商標)のようなドキュメントファイルであってもよい。通信プロトコルは、HTTP(HyperText Transfer Protocol )が想定されるが、これに限られない。
なお、コンテンツ及び表示制御情報は、測定装置から表示装置へ直接的に送信される構成でも、他の情報処理装置を介して表示装置へ送信される構成としてもよい。
【0030】
表示制御情報には共に送信されるコンテンツに含まれる調整用画像を特定する情報が含まれているので、測定装置は各時点で、表示装置で表示されているはずの調整用画像を特定することが可能である。これにより、表示光強度の測定タイミングを制御することが可能である。
【0031】
表示制御情報は、表示装置に測定装置へのコンテンツ要求を間欠的に送信することを指示する情報を含む。表示装置から間欠的に送信されるコンテンツ要求に対し、各時点で、表示装置で表示されているはずの調整用画像に対する測定が終了したときに初めて、他の調整用画像に変更されてコンテンツが送信される。これにより、表示装置にて表示する調整用画像の内容を制御することが可能である。
なお、表示制御情報には、コンテンツ要求の送信間隔を指示する情報が含まれている。送信間隔を、前記光学センサを用いた1つの調整用画像での測定に要する測定時間よりも短い時間間隔とすることにより、複数の調整用画像を用いた測定に要する時間を短縮化することが可能である。又は、送信間隔を測定に要する時間よりも長くすることにより、調整用画像の表示更新により画面がちらつく場合などに、これを抑制することが可能である。
【0032】
表示制御情報はコンテンツを表示する長さを指定する表示時間か、又は次に他の調整用画像へ変更すべくコンテンツ要求を送信するまでの待機時間を指示する情報を含む。なお、表示時間は絶対時刻で特定されてもよい。表示時間と待機時間は実質的にはいずれも、表示装置で受信されたコンテンツに含まれる調整用画像が表示されているはずの時間である。当該時間を測定装置側で特定できれば、測定のタイミングと合わせることが可能である。
【0033】
表示制御情報は、次に要求すべきコンテンツを特定する情報を含む。測定装置が送信するコンテンツは、調整用画像が変化しても同一の名前のコンテンツでもよいし、調整用画像毎に異なるコンテンツであってもよい。異なるコンテンツである場合に、表示するコンテンツの切り替えを表示制御情報で制御し、表示装置にて表示する調整用画像の内容を制御することが可能である。
【0034】
送信したコンテンツを特定する情報、即ち表示装置で表示されているはずの各調整用画像を特定する情報と、測定結果とが対応付けて記憶される。これにより、測定結果に基づいて色管理を行うためのICCプロファイルなどの情報を作成することが可能である。
【0035】
なお、測定結果に基づき、色空間情報を生成する処理が更に行なわれてもよい。色空間情報は、表示装置などの個々のデバイスが持つ色空間の情報であり、例えばICC規格のICCプロファイル、又はWCS(Windows (登録商標) Color System )などの規格に準じた情報である。これにより、測定装置にて自動的に色空間情報までも得ることが可能である。色空間情報は、例えば、3D−LUTであることによって、細やかな色管理をすることが可能となる。
【0036】
更に、複数の異なる表示装置に対する測定を行った結果を用いて、測定した表示装置一部又は全部に対応する色空間情報が生成されるようにしてもよい。これにより、表示装置1つずつの色空間情報ではなく、同種、同ロットなどのある程度のまとまったグループに適用する平均的な色空間情報を生成することが可能となる。
【発明の効果】
【0037】
開示する測定方法による場合、測定用の画像は通信にて表示装置で受信して表示し、表示される調整用の画像の切り替えは測定装置からの表示制御指示に応じて制御され、光学センサを用いての測定のタイミングと、表示装置での調整用画像の表示タイミングとが適切となる。これにより、測定対象の表示装置としてビデオ入出力端子が必須ではなくなり、多種多様な機器に対し汎用的に表示装置の色表現を測定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明のいくつかの実施の形態を、図面に基づいて具体的に説明する。
【0040】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における測定装置1の使用イメージを概略的に示す概念図である。測定装置1にはデスクトップ型PCを用い、ユーザは、USB(Universal Serial Bus)で接続された光学センサ2を、カラーマネジメントの対象である情報端末装置3(表示装置)の表示部32上に取り付け、複数のカラーコントロールパッチ(調整用画像。以下、カラーパッチという)を表示させて測定装置1に測定を実行させる。カラーパッチには、グレー画像も含まれる。なお、測定装置1は、以下に説明するように、通信により情報端末装置3の表示部32におけるカラーパッチの表示を制御する。したがって、ビデオ入出力端子を有しない情報端末装置3であっても、測定装置1はカラーパッチを用いて自動的に情報端末装置3の表示部32における表示光強度を測定することができる。ここで表示光強度とは、色を定量的に表示したものであり、CIE1931 表色系における三刺激値XYZなどのことである。CIELAB色空間におけるL*、a*、b*などの他の色表現形式であってもかまわない。
【0041】
実施の形態1では、測定対象の情報端末装置3は、ビデオ入出力端子を有しないiPad(製品名、登録商標)や、Android (登録商標)、又はBlackBerry(登録商標)などのOS(Operating System)を搭載したタブレットPCである。他に、携帯電話機、又はゲーム機器などの携帯型通信装置でもよい。通信機能を有したテレビジョン受像機であってもよい。測定装置1の測定対象となる装置は、測定装置1との通信を実現できればよく、ビデオ入出力端子の有無は問わない。例えば、ビデオ入出力端子を有するデスクトップ型PCのモニタ、即ちPCに接続される表示装置であってもよい。この場合、測定装置1は、PCと通信を行なって表示装置にカラーパッチを表示させる。また、通信機能を有さず、USBインタフェースを有する電子書籍リーダーなどでもよい。この場合、電子書籍リーダーに、通信機能を実現するためのPCを接続し、当該PCにて電子書籍リーダーにWebブラウザのUI(User Interface)を表示できれば測定可能である。
【0042】
以下、測定装置1を用いて情報端末装置3の表示部32における表示光強度を測定する測定システムについて説明する。
図2は、実施の形態1における測定システムの構成を示すブロック図である。測定システムは、測定装置1と、光学センサ2と、測定対象である情報端末装置3とを含む。
【0043】
測定装置1はPCを用い、制御部10、記憶部11、一時記憶部12、入出力部13、通信部14、読出部15、及び表示部16を備える。なお、実施の形態1では測定装置1は表示部16を備える構成(表示装置と接続されている構成)としているが、測定の実施に当たっては、表示部16は無くてもよい。
【0044】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit )を用いて、各構成部を制御する。更に制御部10は、記憶部11に記憶してある測定プログラム1P及びWebサーバプログラム2Pを一時記憶部12に読み出して実行することにより、PCを測定装置1として機能させる。
【0045】
記憶部11は、ハードディスクを用いる。記憶部11は、SSD(Solid State Drive )などの他の各種不揮発性メモリを用いてもよい。記憶部11は、上述の測定プログラム1P及びWebサーバプログラム2Pを記憶しているほか、カラーパッチ17を記憶している。記憶部11は、Webサーバとして機能する時に情報端末装置3へ送信するWebコンテンツを予め記憶していてもよい。また、制御部10の演算に用いる情報、及び制御部10が演算によって出力するICCプロファイルなどの測定結果に基づく情報を記憶する。なお、Webサーバプログラム2Pは、測定プログラム1Pに包含される構成であってもよい。
【0046】
一時記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory )又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のRAMを用いる。一時記憶部12は、制御部10の処理により発生した情報、例えば光学センサ2から入力した測定情報などを一時的に記憶する。
【0047】
入出力部13は、例えばUSB(Universal Serial Bus)インタフェースを用いる。入出力部13は、光学センサ2と接続されており、制御部10が出力した制御信号を光学センサ2へ送出すると共に、光学センサ2から出力された信号を入力して制御部10へ通知する。入出力部13は勿論、USBインタフェースに限られない。
【0048】
通信部14は、例えばLAN(Local Area Network)インタフェースを用いる。通信部14はネットワーク4に接続されている。通信部14はネットワーク4を介して所定の通信プロトコルに基づき情報を送受信する。実施の形態1ではHTTP通信を行なうが、これに限られない。制御部10は、通信部14を介して情報端末装置3へWebコンテンツを送信する。
【0049】
読出部15は、ディスクドライブを用いる。読出部15は、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-Ray (登録商標) Disk )、フラッシュメモリ、又はフレキシブルディスクなどである記録媒体5に記録されている情報を読み出す。記録媒体5には、測定プログラム5Pが記録されている。制御部10は、読出部15によって記録媒体5に記録されている情報を読み出し、記憶部11又は一時記憶部12に記憶する。記憶部11に記憶されている測定プログラム1Pは、記録媒体5から読み出された測定プログラム5Pの複製であってもよい。
【0050】
表示部16は、液晶パネルを用いた表示装置である。制御部10は、表示部16に処理の過程、又は処理によって得られた情報を表示させる。
【0051】
光学センサ2は、測色センサであり、USBインタフェースを有して測定装置1と接続されている。測定装置1は、入出力部13を介して光学センサ2へ測定開始の制御信号を出力し、光学センサ2から測定結果の信号を入力することが可能である。
【0052】
測定対象である情報端末装置3は、制御部30、記憶部31、表示部32、及び通信部33を備える。
【0053】
制御部30は、CPUを用いて、記憶部31、表示部32および通信部33を制御してPCとして動作させる。その上で制御部30は、オペレータによる操作に応じて記憶部31に記憶してあるWebブラウザプログラム3Pを読み出して実行することにより、Webブラウザ機能を実現する。
【0054】
記憶部31は、SSDを用いる。ハードディスクを用いてもよい。記憶部31には、制御部30が参照する各種プログラム及び情報が記憶されているほか、上述のWebブラウザプログラム3Pが記憶されている。
【0055】
表示部32は、液晶パネルを用いるタッチパネル型のディスプレイを用いる。有機EL(Electro Luminescence)を用いたものでもよい。制御部30は、WebブラウザのUI(User Interface)を表示部32に表示させる。
【0056】
通信部33は、例えば無線LANインタフェースを用いる。通信部33は、アクセスポイント41を介してネットワーク4に接続し、測定装置1と所定の通信プロトコル(HTTP通信)に基づき情報を送受信する。
【0057】
ネットワーク4は、LANである。インターネットなどの通信網を介した構成でもよい。アクセスポイント41は、無線通信によるネットワーク4との接続を実現する。
【0058】
図3は、実施の形態1における測定システムの機能を簡略化して示す機能ブロック図である。測定システムは主として、測定装置1の制御部10が測定プログラム1Pを実行することによって実現する測定エンジン101としての機能、Webサーバプログラム2Pを実行することによって実現するWebサーバ102としての機能、及び、情報端末装置3の制御部30がWebブラウザプログラム3Pを実行することによって実現するWebブラウザ301としての機能により構成される。
【0059】
測定装置1の制御部10は、測定エンジン101の機能により、光学センサ2との間の信号の入出力の制御と、情報端末装置3におけるカラーパッチの表示タイミングの制御とを行なう。また、制御部10は、Webサーバ102の機能により、測定エンジン101からの指示に基づいて情報端末装置3との通信を実現し、Webコンテンツの作成、及び、Webコンテンツの情報端末装置3への送信等の処理を行なう。具体的には、Webサーバ102はHTTP4.0に基づきWebコンテンツを作成する。なお、実施の形態1におけるWebサーバ102の機能は測定エンジン101から独立した構成としたが、測定エンジン101の一部として機能してもよい。
【0060】
情報端末装置3の制御部30は、Webブラウザ301の機能により、測定装置1と通信する。制御部30は、Webブラウザ301の機能により、測定装置1から受信したWebコンテンツに基づき、カラーパッチ34を表示部32で表示させる。
【0061】
このように構成される測定システムにて、測定装置1と情報端末装置3との間で通信により行なわれる測定処理の手順について説明する。
図4乃至
図6は、実施の形態1における測定システムにて実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0062】
測定装置1の制御部10は、測定プログラム1Pの実行を開始した場合、測定エンジン101によりWebサーバ102の起動を指示し(ステップS101)、Webサーバ102が起動する(ステップS102)。
【0063】
制御部10は測定エンジン101により、起動したWebサーバ102へ測定準備用のWebコンテンツの作成を指示し(ステップS103)、Webサーバ102にて測定準備用のWebコンテンツを作成する(ステップS104)。なお制御部10は、Webコンテンツを作成するのではなく、記憶部11又は他の装置に予め記憶してあるWebコンテンツを取得するのみでもよい。
【0064】
そして制御部10は、自身が備える表示部16に、測定対象の情報端末装置3のWebブラウザ301を起動させ、測定装置1のWebサーバ102へ接続するように指示する旨を表示させる(ステップS105)。そして制御部10は、Webサーバ102にて、情報端末装置3のWebブラウザ301から接続されたか否かを判断する(ステップS106)。制御部10は、Webブラウザ301から接続されていないと判断した場合(S106:NO)、処理をステップS106へ戻して待機する。
【0065】
一方、情報端末装置3では、オペレータが、測定装置1の表示部16に表示された接続指示に応じた操作をすることにより、制御部30がWebブラウザ301として起動する(ステップS201)。具体的には、表示部32には、測定準備用のWebページ(UI)へ接続するためのアイコン等が表示されており、オペレータがアイコンをタッチする等の操作をする。これにより、Webブラウザ301が起動する。制御部30はWebブラウザ301として起動した場合、まず、測定準備用のWebコンテンツの送信をWebサーバ102へ要求する(ステップS202)。
【0066】
測定装置1の制御部10はWebサーバ102により、Webブラウザ301から接続されたと判断した場合(S106:YES)、作成してある測定準備用のWebコンテンツを送信する(ステップS107)。制御部10は、測定エンジン101にて(又はWebサーバ102にて)、測定準備用のUI上で測定開始の操作がされたか否かを判断し(ステップS108)、操作がされていないと判断した場合(S108:NO)、処理をステップS108へ戻して操作がされるまで待機する。
【0067】
情報端末装置3の制御部30はWebブラウザ301により、Webサーバ102から送信された測定準備用のWebコンテンツを受信し(ステップS203)、受信したWebコンテンツに基づき測定準備用のUIを表示部32に表示する(ステップS204)。測定準備用のUIは、測定開始ボタンを含む。オペレータは表示部32のタッチパネルにて測定開始ボタンをタッチして測定開始を指示することが可能である。
【0068】
なおステップS204では、測定装置1の表示部16に測定開始ボタンを表示し、測定装置1を操作することによって測定を開始させるようにしてもよい。
【0069】
制御部30は、測定準備用のUI上で操作がされたか否かを判断する(ステップS205)。制御部30は、操作がされていないと判断した場合は(S205:NO)、処理をステップS205へ戻す。制御部30は、操作がされたと判断した場合(S205:YES)、操作内容の情報をWebサーバ102へ送信する(ステップS206)。制御部30は、カラーパッチ用のWebコンテンツをWebサーバ102へ要求する(ステップS207)。このとき、測定準備用のWebコンテンツには、UIにて測定開始ボタンがタッチされた場合、特定のカラーパッチ用のWebコンテンツを要求させる表示制御情報が含まれているとよい。具体的には、HTML(HyperText Markup Language )ファイルのヘッダ部に、次のHTMLファイル名が記載されているとよい。測定装置1が表示部16に、特定のカラーパッチ用のWebページへのアクセスを指示する旨を表示させておき、オペレータがWebブラウザ301のUIから指示されたページへのアクセスを試みるようにしてもよい。
【0070】
制御部10は、Webブラウザ301から送信された操作内容の情報及びコンテンツ要求をWebサーバ102で受信したことを検知することにより、測定準備用のUI上で測定開始の操作がされたと判断した場合(S108:YES)、測定を開始するため、カラーパッチを表示させるためのカラーパッチ用のWebコンテンツの作成及び送信をWebサーバ102へ指示する(ステップS109)。
【0071】
制御部10は、Webサーバ102により、指示に基づきカラーパッチ用のWebコンテンツを作成する(ステップS110)。制御部10は具体的には例えば、背景色を指定しただけのHTMLファイルをカラーパッチ用のWebコンテンツとして作成する。又は、制御部10は、既に多種のカラーパッチ毎にHTMLファイルを作成して記憶部11に記憶しておき、これを読み出して取得する構成としてもよい。制御部10は、Webサーバ102により、後述する表示制御情報と共にWebコンテンツを送信する(ステップS111)。
【0072】
Webサーバ102から送信されるWebコンテンツには、Webブラウザ301での表示タイミングを、光学センサ2を用いた測定のタイミングに合わせるように制御するための表示制御情報が含まれている。具体的には、Webブラウザ301にリロードを指示する情報であり、HTML4.0の仕様に基づく。
【0073】
図7は、実施の形態1における表示制御情報の一例を示す説明図である。
図7には、カラーパッチを表示するためのWebコンテンツを示している。
図7に示す例では、Webコンテンツは上述したようにHTML4.0の仕様に基づくHTMLファイルである。
図7に示すWebコンテンツをWebブラウザ301が受信した場合、R=255(赤)の表示光強度を測定するための画像が表示部32に表示される。
【0074】
図7に示す例では、表示制御情報として、リロード(リフレッシュ)を指示するための情報が含まれている。具体的にはHTML4.0に基づくMETAタグにて「Refresh 」が指示されており、「Refresh 」の間隔は「3」に指定されている。そして、次に要求すべきWebコンテンツは、
図7に示したHTMLファイル自体が指定され、リロードが実現される。つまり、
図7に示した表示制御情報に基づきWebブラウザ301は、「3」秒後にリロードを実行し、「URL=””」で指示されるHTMLファイル(Webコンテンツ)を要求する。なお
図7の例では、要求すべきWebコンテンツの名前に、表示しているカラーパッチが(R,G,B)=(255,0,0)であることを示す情報が含まれている。実施の形態1における表示制御情報では、Webサーバ102から送信したWebコンテンツ(HTMLファイル)の名前自体を、パッチを特定する情報(「Patch(255.000.000).html 」)としている。
【0075】
図4乃至
図6のフローチャートに戻り説明を続ける。
情報端末装置3の制御部30は、Webブラウザ301により、
図7に示したようなWebコンテンツを受信し(ステップS208)、受信したWebコンテンツに基づきカラーパッチを表示する(ステップS209)。
【0076】
このときWebブラウザ301では、自身の色空間の変換機能を無効化することが好ましい場合がある。既存のWebブラウザには、自動的にコンテンツに合わせて色空間を変換する機能を有するものがある。測定の目的によっては、色空間の変換機能が有効でない方が望ましく、カラーパッチを表示させる際に、当該機能を無効化することもあり得る。する。なお無効化指示は、測定装置1から測定準備用のWebコンテンツと共に送信されてもよいし、カラーパッチ用のWebコンテンツと共に送信されてもよい。
【0077】
測定装置1では、制御部10が測定エンジン101により表示中のカラーパッチを特定する(ステップS112)。具体的には、要求されるコンテンツのファイル名から、カラーパッチを特定する色情報を取得する。
図7に示した表示制御情報に基づきコンテンツ要求する情報端末装置3からは、「Patch(255.000.000).html 」のコンテンツ要求がされる。したがって、制御部10は表示中のカラーパッチが(R,G,B)=(255,0,0)であると特定する。制御部10は、特定したカラーパッチがこれから光強度を測定する対象のカラーパッチであるか否かを判断する(ステップS113)。制御部10は測定エンジン101により、測定対象のカラーパッチではないと判断した場合(S113:NO)、処理をステップS112へ戻し、送信してあるはずのカラーパッチ用Webコンテンツに基づき表示がされるまで待機する。
【0078】
測定装置1の制御部10は、測定対象のカラーパッチであると判断した場合(S113:YES)、光学センサ2を制御して測定を実行する(ステップS114)。なお、測定の実行は、例えば1秒程度待機してから行なうことが好ましい。送信したWebコンテンツに基づくWebページ即ちカラーパッチが表示されて安定してから測定が行なわれるようにするためである。
【0079】
この間も、情報端末装置3のWebブラウザ301からは、表示制御情報に基づき例えば「3」秒経過する都度、コンテンツ要求が送信される。制御部10は測定エンジン101により、測定が完了したか否かを判断する(ステップS115)。制御部10は、測定が完了していないと判断した場合(S115:NO)、現状のカラーパッチ用のWebコンテンツを送信し(ステップS116)、処理をステップS115へ戻して完了するまで待機する。制御部10は、測定が完了したと判断した場合(S115:YES)、処理を次のステップS117へ進める。
【0080】
この間に制御部30は、上述したような表示制御情報に基づき、リロードによって次のWebコンテンツ(HTMLファイル)の送信を要求する(ステップS210)。そして制御部30は、コンテンツ要求に対して送信されたWebコンテンツを受信する(ステップS211)。制御部30は、受信したWebコンテンツが測定終了を示すページであるか否かを判断する(ステップS212)。制御部30は、測定終了を示すページではないと判断した場合(S212:NO)、即ちカラーパッチ用のWebコンテンツを受信している間は、処理をステップS209へ戻し、受信したWebコンテンツに基づく表示とリロードを繰り返す。なおステップS212の処理は詳細には、判断処理を行なわなくてよい。終了を示すWebページが
図7に示したようなリロードさせる表示制御情報を含まない構成とすることにより、制御部30は、ステップS210の処理へ進むこと、即ちリロードを行なうことはない。
【0081】
このような処理により、測定装置1は測定完了のタイミングと次のカラーパッチ用のWebコンテンツを送信するまでのタイミングとを合わせることが可能となる。しかも、光学センサ2による測定に要する時間が「5」秒である場合、Webブラウザ301におけるリロード時間を上述した例のように「3」秒と短く設定しておくことにより、表示するカラーパッチ34を効率的に変更させることができ、全カラーパッチに対する測定時間を短縮化することができる。ただし、リロード時間の設定はこれに限らず、測定に要する時間よりも長く設定して、画面のちらつきを抑えるようにしてもよく、適切なタイミングで表示を制御できるように設定すればよい。
【0082】
制御部10は測定エンジン101により、測定が完了したと判断した場合(S115:YES)、測定結果を表示部16に表示すると共に、ステップS112にて特定したカラーパッチの情報と対応付けて記憶部11に記憶する(ステップS117)。
【0083】
ステップS115にて制御部10は、1つ前のカラーパッチに対する測定結果と比較を行なってから測定が完了したと判断するようにしてもよい。具体的には制御部10は、前の測定結果と比較して色差があるか否かを判定し、実際に情報端末装置3の表示部32におけるカラーパッチが変化していることを確認してから測定が完了したと判断する。またステップS117の処理は、測定装置1としては必須ではない。測定装置1の制御部10は測定エンジン101により、測定結果を他の情報処理装置(図示せず)へ出力するのみであってもよい。
【0084】
そして制御部10は、測定すべき全てのカラーパッチについて測定を行なったか否かを判断する(ステップS118)。制御部10は、全てのカラーパッチについて測定を行なっていないと判断した場合(S118:NO)、処理をステップS109へ戻し、他のカラーパッチ用のWebコンテンツへ変更・送信させ(S109〜S111)、以降の測定を実行する処理(S112〜S115)を行なう。例えば、
図7に示した例のHTMLファイルを送信して測定を行なっていた場合、Webサーバ102は、リロードを行なわせるためのMETAタグ内のHTMLファイル名を「Patch(255.000.000).html 」から、例えば「Patch(254.000.000).html 」などと変更して、他のカラーパッチ用のWebコンテンツを要求させ、当該Webページを表示させる。
【0085】
制御部10は、全てのカラーパッチについて処理を行なったと判断した場合(S118:YES)、Webサーバ102から終了を示すWebコンテンツを送信する(ステップS119)。このときWebサーバ102から送信されるWebコンテンツは、リロードを行なわせる表示制御情報を含まなくてよい。これにより、Webブラウザ301におけるリロードは停止する。
【0086】
情報端末装置3の制御部30は、測定終了を示すWebページであると判断した場合(S212:YES)、受信したWebコンテンツに基づく終了を示すWebページを表示部32に表示する(ステップS213)。
【0087】
測定装置1の制御部10は、終了を示すWebコンテンツを送信した後、測定結果に対する適宜処理を行ない(ステップS120)、測定結果に基づく色空間情報を生成し、記憶部11に記憶して(ステップS121)、処理を終了する。
【0088】
ステップS120における適宜処理とは例えば、カラーパッチの色別の分類などを含む。制御部10は、測定結果の取捨選択を行なってもよい。ステップS121における色空間情報とは、例えばエミュレーションのための調整目標を示すファイル、又はICCプロファイルである。より詳細には、情報端末装置3の表示部32にて例えば8ビットのRGB(255,0,0 )の色(赤)を表示すべきと指示された場合に、表示部32にて実際に表示された色が再現されるように他の表示装置において例えば10ビットのRGB空間としてRGB(1023,0,0)ではなくRGB(1001,0,0)で表示させるなどといった変換を行なうための情報である。このとき、R,G,Bを夫々次元とする3D−LUTとして、表示部32での変換を行なうための色空間情報を作成する構成としてもよい。
【0089】
なおステップS121及びS122の処理は、測定装置1としては必須ではない。他の情報処理装置が測定装置1の結果を用いて適宜処理及び色空間情報の生成・記憶を行なってもよい。
【0090】
また、ステップS204にて情報端末装置3の表示部32に表示される測定準備用のUIは、測定装置1の表示部16に表示されてもよい。そして、測定準備用のUIは、オペレータが測定に関する設定を行なうことが可能な構成であってもよい。例えば、情報端末装置3の種類、表示部32の種類などの選択を受け付けるUIを含んでいてもよい。また、測定装置1にて測定のみを実行するか、又は測定後にICCプロファイルの作成までを実行させるかの選択を受け付けるUIを含んでもよい。作成するICCプロファイルの種類の選択を受け付けるUIを含んでもよい。ここでいうICCプロファイルの種類には、3D−LUTであるか否かなどが含まれる。
【0091】
このような構成により、測定用のカラーパッチはWebコンテンツとして情報端末装置3のWebブラウザ301へ送信され、表示される。しかも、測定装置1の制御部10により、Webブラウザ301での表示タイミングが、測定のタイミングと合うように制御される。したがって、ビデオ入出力端子を有さない情報端末装置3であってもWebブラウザ301を実行することが可能であれば、カラーパッチを用いたカラーマネジメントのための測定を行なうことができる。
【0092】
しかも、測定エンジン101としての機能は基本的に、従前のビデオ入出力端子を介してカラーパッチを測定対象の機器(例えば表示部16)に表示させて測定を行なう手順と同様である。測定エンジン101としては、Webサーバ102を介してカラーパッチを測定対象の機器で表示させているのか、ビデオ入出力端子を介して表示させているのかの区別をすることなく処理を行なうことができる。したがって、従前から使用している測定用のソフトウェアリソースを用いることができる点でも、優れた効果を奏する。
【0093】
表示制御情報の他の例として測定装置1からは、リロードを指示し、コンテンツ要求を常時的に同一のHTMLファイルとして、内容のみを変更する構成としてもよい。
図8は、実施の形態1における表示制御情報の他の一例を示す説明図である。
図8の上段には、測定装置1の制御部10による変更前のWebコンテンツを示し、下段には変更後のWebコンテンツを示している。
図8の上段に示すWebコンテンツをWebブラウザ301が受信した場合、R=255(赤)の表示光強度を測定するための画像が表示部32に表示される。下段に示すWebコンテンツをWebブラウザ301が受信した場合、G=255(緑)の表示光強度を測定するための画像が表示部32に表示される。
【0094】
図8に示す例では、表示制御情報として、リロードを指示するためにMETAタグにて「Refresh」を指示しており、その間隔は「5」である。即ち、当該表示制御情報に基づきWebブラウザ301は、「5」秒後にリロードを実行し、同一のHTMLファイルを要求するのみである。そして制御装置1の制御部10は、測定後にWebコンテンツの内容のみを
図8の下段に示すように変更する。これにより、Webブラウザ301では常時的にリロードを繰り返しているのみで、測定装置1にて表示部32に表示させる内容を制御することが可能である。
【0095】
なおこの場合、測定装置1の制御部10は、送信してあるコンテンツを、Webブラウザ301からのコンテンツ要求により特定することはできない。したがって、Webサーバ102の送信中のWebページ内を文字検索し、BODYタグ内のカラーパッチを特定する情報を取得するなどの処理が必要になる。
【0096】
また、
図7及び
図8に示した例は、WebコンテンツをHTMLファイルで作成する場合の例である。Webサーバ102が作成するWebコンテンツは、HTMLファイルには限らず、Adobe Flash (アドビシステムズ社の製品、登録商標)を用いたコンテンツであってもよい。
【0097】
(実施の形態2)
実施の形態1では、1台の情報端末装置3に対して測定を行なって測定結果を記憶し、必要な場合に、当該情報端末装置3用の色空間情報を作成する処理を行なう構成とした。これに対し実施の形態2では、複数の情報端末装置3に対して測定を行ない、測定結果を平均化して、複数の情報端末装置3に適用する色空間情報を作成する構成とする。
【0098】
実施の形態2における測定システムの構成は、1台ずつの測定として考えれば実施の形態1における構成と同様であって、測定装置1の制御部10による処理手順の詳細が異なるのみである。したがって、ハードウェア構成については各構成部に同一の符号を付して詳細な説明を省略し、処理手順について以下に説明を行なう。
【0099】
図9乃至
図11は、実施の形態2における測定システムにて実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。以下に示す処理手順の内、実施の形態1における測定システムと共通する処理手順については、同一のステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0100】
測定装置1の制御部10は、測定プログラム1Pの実行を開始した場合、Webサーバ102を起動させ、1台目の情報端末装置3に対する測定処理(ステップS103〜ステップS119)を実行する。
【0101】
1台目の情報端末装置3では、測定装置1の表示部16に表示された接続指示に基づき、Webブラウザ301を起動し(S201)、測定準備用のWebコンテンツを要求し(S202)、以後、測定装置1のWebサーバ102から送信されるWebコンテンツ及び表示制御情報に基づき、カラーパッチ34を表示部32に自動的に測定処理に合わせて表示する処理を行なう(S203〜S213)。1台目の情報端末装置3にて終了を示すWebページが表示された場合、Webブラウザ301は終了する(ステップS220)。具体的には、オペレータがWebブラウザ301のUIにて終了を指示する操作を行なって終了させる。これにより、1台目の情報端末装置3における測定は終了する。
【0102】
測定装置1の制御部10は、1台目の情報端末装置3に対する測定処理を終了させた後(S119)、全ての測定対象について測定処理が終了したか否かを判断する(ステップS130)。具体的には制御部10は、表示部16に測定を終了するか否かを選択させる画面を表示し、オペレータが終了を選択した場合に、測定処理が終了したと判断する。
【0103】
制御部10は、ステップS130にて全ての測定対象について測定処理が終了していないと判断した場合(S130:NO)、処理をステップS103へ戻し、2台目以降の情報端末装置3に対する測定処理を実行する(S103〜S119)。
【0104】
測定装置1の制御部10は、ステップS130にて全ての測定対象について測定処理が終了したと判断した場合(S130:YES)、測定対象となった複数の情報端末装置3についての測定結果に対して適宜処理を行なう(ステップS131)。適宜処理とは例えば、カラーパッチの色別の分類、又は特異な測定結果を除外する等、測定結果の取捨選択を行なってもよい。測定対象とした全ての情報端末装置3の内、特定の情報端末装置3に対する測定結果が特異である場合に、当該特定の情報端末装置3の測定結果を次の処理から除外するようにしてもよい。
【0105】
測定装置1の制御部10は、測定結果の処理を行なった後(S131)、複数の情報端末装置3に対する測定結果の平均値を算出する(ステップS132)。制御部10は、ステップS132にて算出した平均値に基づき、測定対象の複数の情報端末装置3に同様に適用される色空間情報を生成し、記憶部11に記憶して(ステップS133)、処理を終了する。
【0106】
なおステップS133の処理は、測定装置1としては必須ではない。他の情報処理装置が測定装置1の結果を用いて色空間情報の生成・記憶を行なえばよい。
【0107】
上述のような処理は、例えば情報端末装置3の製造ロットによって表示部32の特性に傾向があるような場合に効果的である。同一の製造ロットの情報端末装置3の内、いくつかを抽出して測定を行ない、その測定結果を平均化しておくことにより、全ての情報端末装置3について測定を行なって各々の色空間情報を作成するよりも、処理を軽減できると共に、ある程度の夫々の特性を吸収する色空間情報を得ることができる。
【0108】
なお、測定装置1の制御部10が、実施の形態1の
図4乃至
図6の処理を行なうのか、
図9乃至
図11の処理を行なうのかは、測定装置1にて設定が可能なように構成されることが望ましい。具体的には、制御部10は測定プログラム1Pの実行を開始した場合、表示部16に、測定の種類を選択させるUIを表示させ、オペレータが選択した種類に応じて以降の処理を切り替えて行なう。測定の種類としてはまず、1台の情報端末装置3用に測定を行なって色空間情報を作成して記憶するのか(
図4乃至
図6)、複数台の情報端末装置3用に測定を行なって複数台分の色空間情報を作成して記憶するのか(
図9乃至
図11)がある。色空間情報を作成するか、測定のみ行なうのか否かが選択可能であってもよい。他に、作成する色空間情報は、ICCプロファイルなのか、他の調整目標用ファイルなのか、3D−LUTなのかそれ以外なのかが選択可能としてもよい。
【0109】
実施の形態1及び2における測定システムでは、測定装置1と情報端末装置3との間の通信はHTTP通信をHTML4.0に基づき行なうとした。しかしながら、実施の形態1及び2に示した通信に限らず、相互通信が可能なJSP(Java(登録商標) Server Pages )、Adobe Flash (登録商標)によるSocket通信、又は、HTML5のWebsocket の規格に基づき通信する構成としてもよい。情報端末装置3からの間欠的なリロードによるコンテンツ要求をさせることなしに、測定エンジン101による測定処理が終了した場合に、次のカラーパッチ用のWebコンテンツを送信して受信させる制御が可能となる。
【0110】
(実施の形態3)
実施の形態1及び2では、測定装置1が測定エンジン及びWebサーバの双方の機能を発揮した。実施の形態3では、Webサーバの機能を他の情報処理装置が備える構成とする。
【0111】
実施の形態3における測定システムの構成は、実施の形態1における測定装置1の一部機能を、他の情報処理装置が備える構成とする以外は、実施の形態1と同様である。したがって、以下に説明する実施の形態3では、実施の形態1と共通する構成については同一の符号を付し、夫々の構成についての詳細な説明は省略する。
【0112】
図12は、実施の形態3における測定システムの構成を示すブロック図である。実施の形態3では、測定システムは、測定装置1bと、光学センサ2と、測定対象である情報端末装置3と、情報処理装置6とを含む。
【0113】
測定装置1bは、PCを用い、制御部10、記憶部11、一時記憶部12、入出力13、通信部14、読出部15、及び表示部16を備える。測定装置1bの記憶部11は、測定プログラム1Pを記憶しているが、Webサーバプログラム及びカラーパッチについては記憶していない。測定装置1bの制御部10は、測定プログラム1Pを一時記憶部12に読み出して実行することにより、PCを測定エンジンの処理を実行する測定装置1bとして機能させる。
【0114】
情報処理装置6は、PCを用い、制御部60、記憶部61、一時記憶部62、及び通信部64を備える。
【0115】
制御部60はCPUを用いて各構成部を制御する。更に制御部60は、記憶部61に記憶してあるWebサーバプログラム6Pを一時記憶部62に読み出して実行することにより、PCをWebサーバとして機能させる。記憶部61は、ハードディスクを用いる。記憶部61は、SSDなど他の各種不揮発性メモリを用いてもよい。記憶部61は、上述のWebサーバプログラム6Pを記憶しているほか、カラーパッチ67を記憶している。記憶部61は、Webサーバとして機能する時に情報端末装置3へ送信するWebコンテンツを予め記憶していてもよい。一時記憶部62は、SRAM又はDRAM等のRAMを用いる。
【0116】
通信部64は、例えばLANインタフェースを用いる。通信部64はネットワーク4に接続されている。通信部64はネットワーク4を介して所定の通信プロトコルに基づき情報を送受信する。測定装置1bの通信部14と対応してHTTP通信を行なうが、他の通信プロトコルを用いてもよい。制御部60は、通信部64を介して測定装置1bからの指示を受信し、情報端末装置3へWebコンテンツを送信する。
【0117】
実施の形態3における測定システムの機能は、実施の形態1と同様である。
図3に示した実施の形態1におけるWebサーバ102の機能が、測定装置1内ではなく、情報処理装置6で実現され、測定装置1bで実現される測定エンジン101からネットワーク4を介してカラーパッチの表示切替等の指示を受け付ける点が相違する。
【0118】
したがって、実施の形態3における測定処理の手順は、実施の形態1の
図4乃至
図6に示した所定手順と同様である。相違点は上述したように、測定エンジン101とWebサーバ102との間の指示の送受信が、測定装置1内ではなく、ネットワーク4を介して行なわれる点である。具体的には、
図4に示した制御部10によるステップS101の起動指示、及びS103のWebコンテンツ作成指示は、通信部14及びネットワーク4を介して情報処理装置6で実現されるWebサーバの機能へ送信される点である。同様に、
図5に示した制御部10によるステップS109におけるカラーパッチ用のWebコンテンツの作成及び送信指示、及びステップS115でNOと判断した場合のコンテンツ送信要求は、測定エンジン101の機能から、通信部14及びネットワーク4を介して情報処理装置6で実現されるWebサーバの機能へ送信される。また同様に、
図6に示した制御部10によるステップS118にてYESと判断した場合の終了を示すWebコンテンツの送信指示も、測定エンジン101の機能から、通信部14及びネットワーク4を介して情報処理装置6で実現されるWebサーバの機能へ送信される。
【0119】
実施の形態3では、Webサーバの機能を測定装置1bから分離したことにより、複数台の情報端末装置3に対して測定を並行的に実行することが可能となる。具体的には、制御部10及び制御部60が、ステップS115において、対象となる複数の情報端末装置3全てで測定を完了しない限り、測定を完了したと判断しないようにする。これにより、対象の情報端末装置3全てで測定が完了しなければ、ステップS109の他のカラーパッチ用のWebコンテンツへの変更が指示されない。又は、カラーパッチ用のWebコンテンツを、測定対象の複数の情報端末装置3を夫々識別する情報と対応付けて区別し、測定エンジン101及びWebサーバ102の機能を非同期で複数並行的に実行するようにしてもよい。具体的には、カラーパッチ用のWebコンテンツに対応するHTMLファイル名(例えば「Patch(255.000.000).html 」)を、測定対象の複数の情報端末装置3毎に変えるようにしてもよい(例えば「001#Patch(255.000.000).html 」、冒頭の「001 」が情報端末装置3の識別情報)。これにより、複数台の情報端末装置3に対し、同時並行的に測定処理を行なうことができ、測定に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0120】
実施の形態1乃至3にて作成された調整目標用ファイルやICCプロファイルは、例えば、測定対象とした表示装置(情報端末装置3)の表示色をエミュレーションするための、参照データとして利用することが可能である。エミュレーションは、Photoshop (Adobe 社の商品名、登録商標)などのエミュレーション機能を有するアプリケーションを利用してもよいし、Color Navigator (株式会社ナナオの商品名)などの表示装置のメーカーの提供する色調整用(カラーマネジメント)アプリケーションを用いて実施してもよい。
【0121】
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。