(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5651705
(24)【登録日】2014年11月21日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】映像表示アセンブリを含むモーションベース型アトラクション
(51)【国際特許分類】
A63G 31/00 20060101AFI20141218BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
A63G31/00
G03B21/14 E
【請求項の数】24
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-541999(P2012-541999)
(86)(22)【出願日】2010年7月12日
(65)【公表番号】特表2013-512729(P2013-512729A)
(43)【公表日】2013年4月18日
(86)【国際出願番号】US2010041670
(87)【国際公開番号】WO2011068566
(87)【国際公開日】20110609
【審査請求日】2013年7月11日
(31)【優先権主張番号】12/630,911
(32)【優先日】2009年12月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】コーテルユー ロバート ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ブラム スティーヴン シー
(72)【発明者】
【氏名】クー ティエリー ジャン−アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】マクィラン ブライアン
【審査官】
高木 亨
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−082709(JP,A)
【文献】
特開2005−352492(JP,A)
【文献】
特開平06−027873(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0053029(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 31/00
G03B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路に沿って移動可能な複数の隔置されたゲスト支持体と連動できるモーションベース型アトラクション装置であって、
前記複数の隔置されたゲスト支持体と一時的に及び個別に同期するように構成された回転式カルーセルと、
前記ゲスト支持体に向いて配置された視聴部分を各々が有し、前記ゲスト支持体を一時的に覆うように動くことができる、前記カルーセルによって支持された少なくとも1対のドームと、
各ドームによって支持され、前記視聴部分上に映像を表示するように構成された映像投影アセンブリと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ゲスト支持体が、乗車用の乗り物、浮かんだ船、又は吊るされた座席を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のモーションベース型アトラクション装置。
【請求項3】
前記ゲスト支持体が、軌道上を移動可能であり、又はレーザ誘導される、
ことを特徴とする請求項1に記載のモーションベース型アトラクション装置。
【請求項4】
前記カルーセルの駆動軸に結合されて、前記カルーセルを双方向に回転させるように構成されたモータをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のモーションベース型アトラクション装置。
【請求項5】
前記駆動軸に結合されたブレーキアセンブリをさらに備える、
ことを特徴とする請求項4に記載のモーションベース型アトラクション装置。
【請求項6】
前記カルーセルの下面に係合可能な、ガイドに取り付けられた複数のキャスタをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のモーションベース型アトラクション装置。
【請求項7】
前記カルーセルが、ハブから外向きに広がる径方向ビームを含み、前記径方向ビームを、前記ハブの周囲を円周方向に走る水平ストラットが横切って網目状のネットワークを形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のモーションベース型アトラクション装置。
【請求項8】
前記カルーセルが、地面、壁又は天井に結合された複数のブロックによって支持される、
ことを特徴とする請求項1に記載のモーションベース型アトラクション装置。
【請求項9】
前記少なくとも1対のドームが、複合繊維ガラス又は炭素繊維で製造される、
ことを特徴とする請求項1に記載のモーションベース型アトラクション装置。
【請求項10】
各ドームを構造的に支持するように構成されたドームアセンブリをさらに備え、該ドームアセンブリが、
前記ドームの外面に結合された1対の1次垂直支柱と、
前記カルーセルに取り付けられて、前記1次垂直支柱の各々を連結するように位置付けられた1次水平支柱と、
第1の端部の接合部において前記1次垂直支柱及び前記1次水平支柱の各々に結合され、前記カルーセルのハブに近接する第2の端部において他方の支柱に結合された1対の2次水平支柱と、
前記1次垂直支柱の各々及び前記1次水平支柱に結合された1対の2次垂直支柱と、
含むことを特徴とする請求項1に記載のモーションベース型アトラクション装置。
【請求項11】
前記ドームが、ドームの背をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のモーションベース型アトラクション装置。
【請求項12】
前記ドームに少なくとも2つの移動度を与えるように構成されたドームアクチュエータをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のモーションベース型アトラクション装置。
【請求項13】
前記ドームアクチュエータが、油圧モータを含む、
ことを特徴とする請求項12に記載のモーションベース型アトラクション装置。
【請求項14】
前記映像投影アセンブリが、フレームによって支持されたデジタル投影機を含み、前記フレームが、前記ドームの頂部に結合されるとともに、ぶら下がり底部及び開口部を有し、前記デジタル投影機が、前記ドームの前記視聴部分上に映像を投影するために前記開口部に向いて配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のモーションベース型アトラクション装置。
【請求項15】
前記ゲスト支持体、前記ドームアセンブリ、及び前記映像投影アセンブリの各々に取り付けられた一連のセンサをさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のモーションベース型アトラクション装置。
【請求項16】
前記一連のセンサと通信するプロセッサをさらに備える、
ことを特徴とする請求項15に記載のモーションベースアトラクション装置。
【請求項17】
モーションベース型アトラクション装置のゲストスループットを高める方法であって、 映像を表示するための視聴部分を含む複数のドームを有する回転式カルーセルを提供するステップと、
前記カルーセルに近接する経路に沿って複数のゲスト支持体を移動させるステップと、 前記複数のドームの各々を前記複数のゲスト支持体の各々と同期させて、前記複数のゲスト支持体の各々と同期した前記ドームの各々に表示される前記映像の各々を同時に開始させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記カルーセルが、モータ及びブレーキアセンブリを含み、
前記ゲスト支持体が、軌道上を移動可能な乗車用の乗り物を含み、
前記複数のドームが、前記カルーセルによって支持されたドームアセンブリに結合される、
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
フレームによって支持されたデジタル投影機を備えた映像投影アセンブリを提供するステップを含み、前記フレームが、前記ドームの頂部に結合されるとともにぶら下がり底部及び開口部を有し、前記デジタル投影機が、前記ドームの前記視聴部分上に映像を投影するために前記開口部に向いて配置される、
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記複数のドームの各々を前記複数のゲスト支持体の各々と同期させるステップが、前記ゲスト支持体、前記ドームアセンブリ、及び前記映像投影アセンブリの各々に取り付けられた一連のセンサを提供するステップを含む、
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記複数のドームの各々を前記複数のゲスト支持体の各々と同期させるステップが、前記一連のセンサと通信するプロセッサを提供するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記複数のドームの各々を前記複数のゲスト支持体の各々と同期させるステップが、
第1のゲスト支持体を第1のドームと同期させるステップと、
前記第1のドームの視聴部分上に物語の形で映像を表示するステップと、
第2のゲスト支持体を第2のドームと同期させるステップと、
前記第2のドームの視聴部分に前記物語の形で映像を表示するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記複数のドームの各々を前記複数のゲスト支持体の各々と同期させるステップが、前記ドームに少なくとも2つの移動度を提供するように構成されたドームアクチュエータを提供するステップをさらに含み、前記ドームが、前記ゲスト支持体を部分的に封入するように構成される、
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記ドームアクチュエータが、油圧モータを含む、
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーマパークアトラクションに関する。より詳細には、本発明は、映像の視聴を含むモーションベース型アトラクションに関する。
【背景技術】
【0002】
幅広い分野で、及び多くの異なる目的でシミュレータが使用されている。パイロット訓練用のフライトシミュレータ及び兵士訓練用の軍事シミュレータがよく知られている。アミューズメントパークのアトラクションという背景でのシミュレータの使用もよく知られている。一般に、この背景では、シミュレータは、1又はそれ以上の座席を有するモーションベースと、所定の一連の駆動信号に基づいてモーションベースを停止位置から動かす複数のプログラム可能アクチュエータとを含む。モーションベースの動きは、モーションベースに直接取り付けられた又は周辺環境内の投映スクリーン上に照らし出される動画又は物語と同期する。
【0003】
例えば、米国特許第4,798,376号には、動画を見ている乗客を動かして傾けるモーションベースが記載されている。フレームを保持した複数の乗客全員が、別個の組のアクチュエータにより同期して動く。乗客には、静止スクリーン上で映画を表示する。フレームを保持した乗客は、2つの主として垂直なアクチュエータのみで支持されたビーム上で上下に枢動されるが、2対のリンク又はアームがビームの動きを制限する。
【0004】
テーマパークアトラクションによっては、視覚スクリーンに相関付けられた回転運動(すなわち、横揺れ、縦揺れ及び偏揺れ)を利用して所望の効果を生み出すものもある。例えば、米国特許第5,584,697号には、システムコントローラを有するアトラクションシステムとともに使用するモーションベースが記載されており、このシステムコントローラは、ゲストにモーションベースの動きと同期させて一連のオーディオビジュアル映像信号を表示するためのコマンド信号を生成する。このモーションベースは反転し、6つの自由度をもつ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,798,376号明細書
【特許文献2】米国特許第5,584,697号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した例のような現在のテーマパークアトラクションの多くでは、一度に1組の人々しかシミュレーションに参加できないので、スループットが大きく制限される。さらに、これらのアトラクションは、ゲストが経路に沿って移動してシミュレート環境に出入りできる状況に取り組まなければならない。入場及び退場を考慮しなければならない状況では、ゲスト車輌と視覚映像の間に厳密な相関関係が存在しなければならない。さらに、異なるスクリーン間を移行中に、ゲストが、スクリーンの枠の端、及び望ましくない角度での視聴などの望ましくない光景にさらされることもある。
【0007】
従って、モーションベース型テーマパークアトラクションでは、スループットを高めながら、映像を視聴する質を向上させることも望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、モーションベース型アトラクション、及びモーションベース型アトラクションのゲストスループットを高める方法について説明する。
【0009】
ある実施形態では、本発明は、経路に沿って移動可能な複数の隔置されたゲスト支持体と連動できるモーションベース型アトラクション装置を提供し、この装置は、前記複数の隔置されたゲスト支持体と一時的に及び個別に同期するように構成された回転式カルーセルと、前記ゲスト支持体に向いて配置された視聴部分を各々が有し、前記ゲスト支持体を一時的に対象とするように可動な、前記カルーセルによって支持された少なくとも1対のドームと、前記ドームによって支持され、前記視聴部分上に映像を表示するように構成された映像投影アセンブリとを備える。
【0010】
本発明の別の実施形態では、モーションベース型アトラクション装置のゲストスループットを高める方法を提供する。この方法は、映像を表示するための視聴部分を有する複数のドームを有する回転式カルーセルを提供するステップと、前記カルーセルに近接する経路に沿って複数のゲスト支持体を移動させるステップと、前記複数のドームの各々を前記複数のゲスト支持体の各々と同期させるステップとを含み、前記複数のゲスト支持体の各々と同期した前記ドームの各々に表示される前記映像の各々が同時に開始する。
【0011】
添付図面に関連して行う以下の説明を参照することにより、本開示のその他の特徴及び利点が明らかになる。
【0012】
ここで、添付図面を簡単に参照する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】回転式カルーセルによって支持された複数のドームの斜視図である。
【
図2】
図1のカルーセルによって支持された複数のドームを上から見た図である。
【
図3】
図1及び
図2のカルーセルによって支持された複数のドームの側面図である。
【
図4】本発明のさらなる実施形態による段階的方法を示すフロー図である。
【
図5】本発明の1つの実施形態によるモーションベース型アトラクション装置の斜視図である。
【
図6】本発明の1つの実施形態による映像投影アセンブリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
複数の図面を通じて、同じ参照符号は同じ又は対応する構成要素及び装置を示し、これらの図面は、別途指示しない限り縮尺通りに示しているわけではない。
【0015】
本発明の1つの実施形態は、ゲスト支持体に向いて位置付けられた視聴部分を含む、回転式カルーセルによって支持された少なくとも1対のドームを有するモーションベース型アトラクション装置に関する。本発明によりもたらされる2つの格別の利点は、視聴部分への入場及び退場中にゲストの視野をスムーズに移行させつつ、ゲストスループットを高める能力である。
【0016】
添付図面を参照しながら以下で説明する本発明の特定の構成及び配列は例示目的に過ぎない。添付の請求項の思想及び範囲から逸脱することなく、当業者の認識範囲内にあるその他の構成及び配列を実施し、使用し、又は販売することができる。例えば、本明細書では、アミューズメントパークの乗り物に関連して本発明のいくつかの実施形態を説明するが、当業者であれば、モーションベースのシミュレーションが有利となるあらゆる背景で本発明の実施形態を実施できると認識するであろう。例えば、いくつかの非限定的な例として、パイロット及び軍事訓練プログラムを挙げることができる。
【0017】
本明細書では、単数形で記載された「1つの(英文不定冠詞)」に続く要素又は機能は、複数を除外すると明記しない限り、複数の前記要素又は機能を除外するものではないと理解されたい。さらに、本発明の「1つの実施形態」という表現は、記載した特徴を同様に含む追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈すべきではない。
【0018】
アトラクションの同期化
本発明の1つの実施形態は、複数の隔置されたゲスト支持体と連動できるモーションベース型アトラクション装置に関する。この複数の隔置されたゲスト支持体は、乗り物、船、及びゲストキャリアに取り付けられたロボットアームなどを含むことができる。ゲスト支持体は、軌道又はレーザーガイドなどの経路に沿って移動することができる。このゲスト支持体に、複数のドームが同期化される。
【0019】
ここで
図1を参照すると、モーションベース型アトラクション装置を参照番号100で全体的に示している。モーションベース型アトラクション100は、回転式カルーセル102、複数のドーム104、及びカルーセル102によって支持された個々のドーム104用の映像投影アセンブリ106を備えることができる。
【0020】
この実施形態では、カルーセル102が、カルーセル102に十分な回転力を与えて所望の速度で回転させるように構成された、当業で公知の電気ACモータなどのモータ108で動作する。この点、カルーセルは、(ゲストが乗り降りする間などに)所望の位置に到達するとカルーセルを停止するように構成されたブレーキアセンブリ110をさらに備える。ブレーキアセンブリ110は、(油圧、空気圧、電磁、ばね係合などにより)ディスクの両側にキャリパを押し付けて駆動軸を停止させるディスクブレーキシステムを備えることができる。本発明では、その他のブレーキアセンブリ(空気ブレーキ、ドラムブレーキなど)も適用可能であると理解されたい。移行をスムーズにするために、クラッチ(図示せず)をさらに設けてもよい。
【0021】
カルーセル102は、複合物質又は金属物質などの適度に強固かつ耐久性のある構成要素で構成することができ、例えば、強度、耐久性及び質量などに基づいて既知の方法で選択することができる。カルーセルは、カルーセル102のハブ(
図2を参照)に、駆動軸から径方向に広がるスイープ120を有することができ、これについては
図2を参照しながらさらに詳細に説明する。このスイープ120は、一連の径方向ビーム122に重なることができ、このビーム122を、カルーセル102によって支持されたドーム104に安定性を与えるように配置できる一連のストラット124が約80度〜90度の角度で横切る。カルーセル102は、複数のブロック126によって支持することができ、これらのブロック126を、カルーセル102の荷重に耐えるように、安定した面(地面、強化壁、天井など)に結合することができる。
【0022】
図1をさらに参照すると、カルーセル102によって複数のドーム104a〜fが支持されている。個々のドーム104a〜fは、独自の視聴部分112a〜fを含むことができるが、
図1では視聴部分112a、e及びfしか見えない。ドーム104は、ドームアセンブリ114の1つの構成要素であり、このドームアセンブリ114は、1次垂直支柱128、2次垂直支柱132、1次水平支柱130、及び2次水平支柱134をさらに含む。全体として見た場合、支柱128〜134の各々が組み合わさって、これらの相対位置においてドーム104の完全性が維持される。例えば、
図1に示す本発明の例示的な実施形態では、1次垂直支柱128が、ドーム104の外面上などの、ドーム104の非視聴部分に取り付けられる。垂直支柱128は、例えばボルト又は溶接によってドーム104に固定してもよく、或いは、ドーム104がカルーセルに対して可動であることが望ましい場合には、ヒンジ接合などのベアリングによってドーム104に結合することができる。1次垂直支柱128は、カルーセル102に取り付けることができる1次水平支柱130を介して連結される。2次水平支柱134は、2次水平支柱134の第1の端部の接合部において1次水平支柱130及び1次垂直支柱128に結合される。2次水平支柱134a及び134bの各々の第2の端部は、カルーセル102のハブ部分の近くに結合されて、ドーム104を配置するための三角形の基部を形成する。2次垂直支柱132は、1次水平支柱130及び1次垂直支柱128に結合されて、ドームアセンブリ114にさらなる安定性を与える。個々の支柱は、接着、溶接、又は既知の方法で一般的に固定できると理解されたい。ドームは、繊維ガラス、炭素繊維などで製造することができる。
【0023】
本発明の任意の実施形態では、映像をより正確にゲスト支持体と同期させるために、ドームを回転させて水平に枢動させる(すなわち傾斜させる)などの異なる方向に動かすことが望ましい場合もある。この実施形態では、ドームが回転するときにドームを上下に持ち上げることができる油圧モータにドーム104を結合することができる。
【0024】
図1をさらに参照すると、モーションベース型アトラクション100は、ドーム104に支持されてドーム104の視聴部分112上に映像を表示するように構成された映像投影アセンブリ106をさらに備える。図示のように、個々のドーム104a〜fは、ドームの視聴部分112上に映像を表示するための、対応する映像投影装置106a〜fを有する。映像投影アセンブリ106は、デジタル投影機140、フレーム142及びブレース144を含むことができる。
【0025】
図示のように、
図1の例示的な実施形態では、デジタル投影機140が、ドーム104の頂部に結合されたフレーム142によって支持される。フレーム142は、デジタル投影機140をフレーム上に安全に保持するために、互いに連結された(すなわち、接着及び溶接を通じて)合金金属で構成することができる。フレーム142は、ぶら下がり底部146及び開口部148を有して配置される。デジタル投影機140は、開口部148に向いて配置され、ドーム104の視聴部分112上に映像を投影するように構成される。フレーム142a〜fの各々は、ブレース144で他のフレームにさらに結合され、このブレース144は、ブレース溶接物150でドーム104にさらに結合される。
【0026】
ここで
図2を参照すると、
図1のカルーセル102によって支持された複数のドーム104を上から見た図を全体的に200で示している。
図2で最もよく分かるが、この例示的な実施形態に示すように、カルーセル102は全体的に六角形であり、このように6つのドーム104を収容することができる。これよりも多くの又は少ないドーム104が望ましい場合もあり、これに伴ってカルーセル102の形状を変更してもよいと理解されたい。カルーセル102は、ハブ202、シェル204、ドームの背206及びケーブル208をさらに含む。ケーブル208は、さらなる支持のためにドームの背206をフレーム142に結合する。スイープ120は、カルーセルの駆動軸210から径方向に広がり、モータ108及びブレーキアセンブリ110から成る駆動機構を少なくとも部分的に取り囲むように構成される。ハブ202からは、一連の径方向ビーム122が延び、これをハブ204の周囲をカルーセル102の周縁部まで円周方向に走るストラット124が横切って、網目状のネットワークを形成する。本発明の任意の実施形態では、ドーム104を可動(すなわち、複数方向に偏る)とすることができる。この実施形態では、動作中にドームの背206及びケーブル208が支持を行う。
【0027】
次に
図3を参照すると、
図1及び
図2のカルーセル102によって支持された複数のドーム104の側面図を参照番号300で示している。この特定の図には、カルーセル102によって支持された3つのドーム104a〜cを示しており、個々のドームは、視聴部分112a〜c上に映像を投影する映像投影アセンブリ106a〜cを有する。ドーム104の非視聴部分には、1次垂直支柱128が取り付けられる。ドームがカルーセル102に対して可動であることが望ましい場合、この垂直支柱をヒンジ接合などのベアリングによってドーム104に結合することができる。1次垂直支柱128は、カルーセル102に取り付けることができる1次水平支柱130に結合される。
【0028】
図3で最もよく分かるように、カルーセル102の下部構造は、複数のキャスタ302をさらに含み、これがガイド304に固定されて、最終的に柱126によって支持される。キャスタホイール306の寸法を、カルーセル102の下面に取り付けられたベルト308に対応するように定める。このようにして、モータ108が駆動軸(図示せず)を駆動し、キャスタホイール306が、カルーセル102に回転運動を与えるガイドとして動作するように構成することができる。
【0029】
本発明の別の実施形態では、本発明は、モーションベース型アトラクションのゲストスループットを高める方法を提供し、この方法は、ドームを支持する回転式カルーセルを提供するステップと、カルーセルに近接する経路に沿って複数のゲスト支持体を動かすステップと、ドームとゲスト支持体を同期させるステップとを含む。
【0030】
ここで
図4を参照すると、モーションベース型アトラクション装置のゲストスループットを高める方法を例示するのにより役立つフロー図を全体的に400で示している。このフロー図には、例示的な段階的方法を示しているが、当業者であれば、ステップを再構成又は並べ換えしながら同様の結果を維持できると理解されたい。
【0031】
ドームの視聴部分上に映像を表示するための複数のドームを有する回転式カルーセルを提供するステップ402は、
図1〜
図3に示す例示的な装置などの装置を提供するステップを含む。一般に、ゲスト支持体の近くに位置するこのような装置は、回転式カルーセルと、複数のドームと、個々のドーム用の映像投影アセンブリとを備えることができ、これについては
図5を参照しながらさらに詳細に説明する。
【0032】
カルーセルに近接する経路に沿って複数のゲスト支持体を移動させるステップ404は、ゲスト支持体が存在する1対の軌道を提供するステップを含むことができる。本発明の他の実施形態では、経路を流れ落ちる水を介して、又はレーザで誘導できるレーザ誘導式自動車型乗り物によってゲスト支持体に動きを与えることができる。
【0033】
複数のドームの各々を複数のゲスト支持体の各々と同期させて、複数のゲスト支持体の各々と同期したドームの各々に表示される映像の各々が同時に開始するようにするステップ406は、カルーセル及びドームアセンブリが、特にドームアセンブリに対する個々のゲスト支持体の位置及び進行に関してゲスト支持体と通信するようにハードウェア及びソフトウェアを提供するステップを含むことができる。
【0034】
この同期化ステップは、ゲストが異なる時点で物語を視聴できるようにすることによりゲストスループットを高める。例えば、これまでの既知のアトラクションでは、ゲスト又はゲストグループが支持体に入り、それから物語又はビデオの語りを開始することができる。次のゲストグループは、恐らく2〜3分後に物語が終了するまで入ることができない。従って、一度にたった1つのゲストグループ(例えば、3分間のセッション当たり20人のゲスト)しかサービスを受けることができない。しかしながら、本発明の例示的な実施形態では、個々のゲストグループが、異なる時点で開始する物語を視聴することができる。例えば、あるゲストグループが第1のゲスト支持体に入り、軌道の周囲を移動し始めることができる。次に、カルーセルを介してドームの1つをこのゲスト支持体と同期させて、ゲスト支持体内のゲストが、適当な時点に開始するドームの視聴部分上の物語を視聴できるようにすることができる。第1のゲスト支持体が乗り場から出発した後、第2のゲストグループが第2のゲスト支持体に入り、軌道の周囲を移動し始めることができる。次に、カルーセルを介して第2のドームをこのゲスト支持体と同期させて、ゲスト支持体内のゲストが、このドームに固有の適当な時点に開始するドームの視聴部分上の物語を視聴することができる。このようにして、たとえ物語が3分を超える場合でも、別のゲストグループは、第1のグループが物語を全て見終わるのを待つ必要がないので、(乗降時間にほぼ等しい)30秒〜1分ごとにサービスを受けることができる。
【0035】
本発明の任意の実施形態では、複数のドームの各々を複数のゲスト支持体406の各々と同期させるステップが、カルーセルと一緒にドームを移動させるステップをさらに含むことができる。例えば、映像をより正確にゲスト支持体と同期させるために、ドームを回転させて水平に枢動させる(すなわち傾斜させる)などの異なる方向に動かすことが望ましい場合もある。この実施形態では、ドーム104を油圧モータに結合することができる。
【0036】
移行中の望ましくない光景の低減
本発明の別の実施形態では、あるドームに関連するゲスト支持体の入場及び退場中の移行時間に基づいて、スクリーンの端などの望ましくない光景が移行中のゲストに見えるのを最低限に抑えるように映像を調整するためのモーションベース型アトラクション装置を
図5に関連して示す。一般に、投影された映像を使用する既知のアトラクションでは、固定映像に対してゲストが移動するにつれ、映像の形が変わるように見える。例えば、ゲストがゲスト支持体内で軌道上を移動する場合、ゲストが映像処理装置に近づくと、結像面に対して映像が引き延ばされたように見え、より映像に近づくと、結像面に対して映像が明らかに短くなったように見えることがあり、従ってアトラクションの感覚が現実的でなくなる。
【0037】
ここで
図5を参照すると、ゲストグループ506を運ぶ軌道504上に存在するゲスト支持体502の斜視図を、カルーセル102によって支持された、映像投影アセンブリ106を有するドームアセンブリ104と関連付けて全体的に500で示している。ゲスト支持体502は、中央処理装置(マイクロプロセッサ、コントローラ、メインコンピュータなど)を通じてカルーセル102及びドーム104と通信できる軌道位置センサ510を備える。この点、カルーセル及びドームは、カルーセルの位置を感知するための、カルーセル102上の一連のカルーセルセンサ510、及びドームの位置をさらに感知するための、ドーム104上のドームセンサ512を備えることもできる。提供するコントローラ又はプロセッサは、ゲスト支持体が、矢印508で示すように軌道504を下って移動するにつれ、ゲストが入場及び退場中にスムーズな移行を楽しめるようにドーム104の位置が変位するように、ゲスト支持体502に対してカルーセル102及びドーム104の位置を自動的に変位させるように構成される。例えば、中央処理装置(図示せず)が、ゲスト支持車両502、カルーセル102、ドーム104、映像投影アセンブリ106、モータ108、及びドームアクチュエータ514と(センサ510、512などを介して)通信することができる。
【0038】
この中央処理装置を、モータ108に自動的に信号を送信して、矢印516で示すようにゲスト支持体502の位置に応じてカルーセル102を回転させるように構成することができる。中央処理装置は、矢印518で示すようにゲスト支持体502の位置に対してドームを傾斜させるように構成されたドームアクチュエータ514を作動させることもできる。このように、ゲストがドーム104に近づくにつれてドームの映像部分(
図1〜
図3を参照のこと)がゲストの視点になるので、ゲスト506が映像スクリーンの端部などの望ましくない光景に決して気付かないようにすることができる。さらに、ドームが回転することにより、入場及び退場時に生じる映像の歪み(伸縮など)がもはや問題でなくなる。この点、映像(すなわち、物語)が軌道504の周辺でゲストに追随し、乗車時間にわたって望ましい視野角を生み出すことができる。
【0039】
本発明の別の実施形態では、モーションベース型アトラクション装置が、経路に沿って移動可能な複数の隔置されたゲスト支持体と連動可能であるとともに、移動するゲスト支持体に近接する回転式カルーセルと、ゲスト支持体に向いて配置された視聴部分を有する、カルーセルによって支持された少なくとも1つのドームと、カルーセルによって支持され、視聴部分上に映像を表示するように構成された映像投影アセンブリとを備え、この映像投影アセンブリは、ゲストがドームアセンブリに出入りする際に映像を調整するように構成される。この実施形態の装置は、
図1〜
図3に示すようなものとすることができる。
図1〜
図3に示すような、参照番号106によって識別できる映像投影アセンブリは、デジタル投影機140を含む。このデジタル投影機を、ゲストがドームアセンブリに出入りする際に映像を調整するように構成することができる。
【0040】
図6に、例示的な映像投影アセンブリを示している。この映像投影アセンブリ106はドーム104に取り付けられ、ドーム104の視聴部分112上に映像を表示するように構成される。デジタル投影機140は、ドームの背206を通じてドーム104の頂部に結合されたフレーム142によって支持される。フレーム142は、その上にデジタル投影機140を安全に保持するために、互いに連結された(すなわち、接着及び溶接を介して)合金金属で構成することができる。フレーム142は、ぶら下がり底部146及び開口部148を有して配置される。デジタル投影機140は、開口部148に向いて配置され、ドーム104の視聴部分112上に映像を投影するように構成される。
【0041】
本発明の任意の実施形態では、本明細書にその他の多くの視覚的及び機械的な特別な効果を組み入れ、これらを個別に又は連携して使用できると理解されたい。例えば、ドーム(又はゲスト支持体)に風の要素又は香りの要素を導入することができる。
図1〜
図3及び
図5〜
図6に示す例示的な実施形態では、映像を視聴するための結像面としてドームを使用したが、この結像面は、カルーセルによって支持され動かすことができるフラットスクリーンなどのいずれの所望の形状及びサイズであってもよいことをさらに理解されたい。
【0042】
現時点で最も実用的かつ好ましい実施形態と考えられるものに関連して本発明を説明したが、本発明は本明細書で開示したこれらの実施形態に限定されるものではないと理解されたい。むしろ、本発明は、添付の請求項の思想及び範囲に含まれる様々な修正物及び同等の構成を全て含むことが意図されている。
【0043】
図面によって、本発明の様々な実施形態の特定の特徴を示したものもそうでないものもあるが、これは便宜のために過ぎない。本発明の原理によれば、1つの図面の(単複の)特徴を、その他の図面のいずれかの特徴の一部又は全てと組み合わせることができる。本明細書で使用する「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」及び「伴う(with)」という単語は、広範かつ包括的に解釈されるべきものであり、いずれの物理的相互接続にも限定されるものではない。さらに、本明細書で開示したあらゆる実施形態を、唯一考えられる実施形態として解釈すべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲には、修正物及びその他の実施形態も含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0044】
100:モーションベースアトラクション
102:カルーセル
104a:ドームa
104b:ドームb
104c:ドームc
104d:ドームd
104e:ドームe
106a:映像投影アセンブリ
106b:映像投影アセンブリ
106c:映像投影アセンブリ
106d:映像投影アセンブリ
106e:映像投影アセンブリ
106f:映像投影アセンブリ
108:モータ
110:ブレーキアセンブリ
112a:視聴部分a
112e:視聴部分e
112f:視聴部分f
114:ドームアセンブリ
120:スイープ
122:径方向ビーム
124:支柱
126:ブロック
128:1次垂直支柱
130:1次水平支柱
132:2次垂直支柱
134:2次水平支柱
134b:2次水平支柱
140:デジタル投影機
142a:フレームa
142b:フレームb
142c:フレームc
142d:フレームd
142e:フレームe
142f:フレームf
144:ブレース
146:ぶら下がり底部
148:開口部
150:ブレース溶接物
152:ケーブル