特許第5651839号(P5651839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5651839
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】自動車充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20141218BHJP
   H01M 10/46 20060101ALI20141218BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20141218BHJP
   B60L 11/18 20060101ALN20141218BHJP
【FI】
   H02J7/00 301B
   H02J7/00 P
   H01M10/46 101
   H01M10/44 Q
   !B60L11/18 C
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2010-155395(P2010-155395)
(22)【出願日】2010年7月8日
(65)【公開番号】特開2012-19609(P2012-19609A)
(43)【公開日】2012年1月26日
【審査請求日】2013年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(74)【代理人】
【識別番号】100161403
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 静夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 聡
(72)【発明者】
【氏名】安藤 敦久
(72)【発明者】
【氏名】作田 征勝
(72)【発明者】
【氏名】小島 大輔
【審査官】 関口 明紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−266509(JP,A)
【文献】 特開2001−169467(JP,A)
【文献】 特開2009−065785(JP,A)
【文献】 特開2005−347203(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3047023(JP,U)
【文献】 特開平11−122714(JP,A)
【文献】 特開2002−101508(JP,A)
【文献】 特開2004−146248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00− 3/12、 7/00−13/00、
15/00−15/42、
H01M 10/42−10/48、
H02J 7/00− 7/12、 7/34− 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に給電手段を有し、該給電手段と電気自動車を通電する充電ケーブルを備える自動車充電装置であって、
該筐体の充電ケーブル保持面となる一側面の右または左側にずらした位置を内側に窪ませて窪み部を形成し、
該窪み部の上部面は、該窪み部の開口面に対して鋭角をなす角度に形成され、
該上部面に、前記充電ケーブルを前記筐体内から引き出す充電ケーブル引出部を形成し、
前記充電ケーブル保持面の前記窪み部より高い位置に、少なくとも一つのケーブル係止具を設けることで、前記充電ケーブル引出部から引き出された前記充電ケーブルが前記ケーブル保持面に対して円弧を描きながら前記ケーブル係止具に係止されていることを特徴とする自動車充電装置。
【請求項2】
該窪み部の下部面を、該窪み部の開口面に対して鋭角をなす角度に形成したことを特徴とする請求項1記載の自動車充電装置。
【請求項3】
該窪み部を、筐体側面の下側に配置したことを特徴とする請求項1または2記載の自動車充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やプラグインハイブリッドカーの普及に伴い、今後、自動車充電装置への需要増加が予想される。
【0003】
例えば、特許文献1には、自立式支柱形状の自動車充電装置の構造として、先端に充電コネクタを有する充電ケーブルを該充電装置と一体に備え、充電を行う際に、該充電装置から充電コネクタを外して、電気自動車と接続して使用する構造が記載されている。
【0004】
特許文献1記載の自動車充電装置のような自立式支柱形状の自動車充電装置では、通常、自動車充電装置の側面に充電ケーブルを引き出すケーブル引出部を設け、該ケーブル引出部から自動車充電装置の側面に対して垂直方向に充電ケーブルを引き出す構造が採用されている。
【0005】
しかし、自動車充電装置の側面に対して垂直方向に充電ケーブルを引き出す構造の場合、該ケーブル引出部付近の充電ケーブルに対して、自重や引き回しによる力が集中し、充電ケーブルの被覆等が破損するという問題があった。また、自動車充電装置の側面に対して垂直方向に引き出された充電ケーブルが自動車充電装置の側面に突出し美感を損なう上、通行等の邪魔になるという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−122714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は前記問題を解決し、充電ケーブルを、充電ケーブル引出部付近で、自重や引き回しによる力を集中させることなく、かつ、自動車充電装置の側面に突出させることなく引き出すことができる自動車充電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明の自動車充電装置は、筐体内に給電手段を有し、該給電手段と電気自動車を通電する充電ケーブルを備える自動車充電装置であって、該筐体の充電ケーブル保持面となる一側面の右または左側にずらした位置を内側に窪ませて窪み部を形成し、該窪み部の上部面は、該窪み部の開口面に対して鋭角をなす角度に形成され、該上部面に、前記充電ケーブルを前記筐体内から引き出す充電ケーブル引出部を形成し、前記充電ケーブル保持面の前記窪み部より高い位置に、少なくとも一つのケーブル係止具を設けることで、前記充電ケーブル引出部から引き出された前記充電ケーブルが前記ケーブル保持面に対して円弧を描きながら前記ケーブル係止具に係止されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の自動車充電装置において、該窪み部の下部面を、該窪み部の開口面に対して鋭角をなす角度に形成したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の自動車充電装置において、該窪み部を、筐体側面の下側に配置したことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、充電ケーブルを、充電ケーブル引出部付近で、自重や引き回しによる力を集中させることなく、かつ、自動車充電装置の側面に突出させることなく引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】自動車充電装置の全体斜視図である。
図2図1の中央縦断面図である。
図3図1の要部拡大図である。
図4図3のA−A断面図である。
図5】他の実施形態のケーブルガードを示す上面図である。
図6】充電ケーブルの種類が異なる場合を示す上面図である。
図7】他の実施形態のケーブル係止具を示す自動車充電装置の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
【0015】
図1に示すように、発明の自動車充電装置は支柱形状の筐体1の内部に給電手段を有し、該給電手段と電気自動車を通電する充電ケーブル8を備えている。該充電ケーブル8の先端部には、電気自動車に設けた給電部に接続する充電用コネクタ2を有している。
【0016】
筐体1の正面には、不使用時に、該充電用コネクタ2を筐体1に保持する充電コネクタ保持空間7を備え、該筐体1の上部には、表示装置3を備えている。また、該筐体1の右側面は点検用扉4を備え、左側面には、充電ケーブル保持面5を備えている。
【0017】
図2に示すように、筐体1の内部には、CPLT、認証装置、遮断器などを備え、これらの機器を設置する鉄製基板6が筐体左側面に設置されている。筐体1の内部中央には、充電コネクタ保持空間7が設けられ、前記鉄製基板6は充電コネクタ保持空間7を挟んで上下に分割されている。その他、筐体1の内部には、結露対策としてヒータを配置している。
【0018】
電源は地中から導入され、筐体1の内部でリレー等を経て、筐体1の左側面に設けられた窪み部9から、充電ケーブル8を介して外部に引き出される。
【0019】
図3に示すように、窪み部9は、筐体1の充電ケーブル保持面5となる一側面を内側に窪ませて形成されており、図4に示すように、該窪み部9の上部面91および下部面92は、各々、該窪み部9の開口面93に対して鋭角をなす角度に形成されている。
【0020】
該上部面91には、充電ケーブル8を筐体内から引き出す充電ケーブル引出部10が設けられている。このように、窪み部9の開口面93に対して鋭角をなす上部面91に充電ケーブル引出部10を設けることにより、充電ケーブル8を筐体1の側面から斜め下向きに引き出すことができる。従来のように、筐体1の側面に対して垂直方向に引き出した場合には、ケーブル引出部付近の充電ケーブル8に対して、自重や引き回しによる力が集中し、充電ケーブルの被覆等が破損するという問題が発生するが、本発明では前記構成により、当該問題を効果的に回避可能としている。
【0021】
該窪み部9の上部面91を、該窪み部9の開口面93に対して鋭角をなす角度に形成した上で、更に、該上部面91を筐体1の正面または背面方向に傾斜させてもよい。例えば、該窪み部9の開口面93に対して鋭角をなす角度に形成した上で、更に、該上部面91を筐体1の正面方向に上向きに傾斜させた場合、充電ケーブル引出部10が、筐体1の側面から斜め下向き、かつ、筐体の正面方向に向かって配置されるため、充電ケーブル8の引出方向が明確になる。これにより、充電ケーブル8に負荷をかけることなく自然に筐体1の側面から斜め下向き、かつ、筐体の正面方向に引出すことが可能となる。
【0022】
また、本発明では、充電ケーブル引出部10を、窪み部9の内部に配置する構成により、充電ケーブル引出部10付近の充電ケーブル8が筐体1の側面に突出して、美感を損なう問題や、通行等の邪魔になるという問題も、効果的に回避可能としている。
【0023】
更に、該窪み部の下部面を、該窪み部の開口面に対して鋭角をなす角度にする構成により、充電ケーブルの引出時に、充電ケーブルに対し、窪み部の下部面から無理な外力が掛らず、筐体外側にスムーズにガイド可能としている。
【0024】
窪み部9は、後述するケーブルガード52が設けられた面に形成されることが好ましい。窪み部9をケーブルガード52が設けられた側面に形成し、更に、該側面の中心位置に対して一方方向にずらして配置することにより、引き出された充電ケーブル8を、円弧を描くきながら、スムーズにケーブル係止具51に保持することができる。また、コ字状に形成されたケーブルガード52内に入り込み易くすることができる。
【0025】
また、窪み部9を筐体側面の下側に配置したことにより、引き出された充電ケーブル8が地面付近から引き出されることにより、ケーブル引出部にかかる充電ケーブルの自重による影響が軽減される。
【0026】
その他、図1に示すように、充電ケーブル保持面5の上部にはケーブル係止具51を備えている。該ケーブル係止具51には、不使用時の充電ケーブル8を、適当な巻数で巻きとることができる。
【0027】
筐体1の一側面に充電ケーブル8を巻き取るケーブル係止具51を備えた充電ケーブル保持面5を形成し、巻き取り保持された充電ケーブル8の外側に配置するケーブルガード52を該充電ケーブル保持面5の左右両側に沿って備えている。また、ケーブルガード52は充電ケーブル保持面5に対する垂直方向の高さを、充電ケーブル保持面5に巻き取り保持された充電ケーブル8の充電ケーブル保持面5に対する垂直方向の高さ以上としている。
【0028】
ケーブルガード52は、略コ字状に形成し、ケーブル係止具51に巻きとった充電ケーブル8の外周を保持する構造とすることが好ましい。
このような構造により、充電ケーブル8の収納あるいは引出作業に手間がかからず簡単に収納あるいは引出作業を行うことができる。また、不使用時の充電ケーブル8を、ケーブルガード52からはみ出すことなくコンパクトに保持することができるため、不使用時に収納された充電ケーブル8が外観の美観を損なったり、通行等の邪魔になる問題も回避することができる。
【0029】
ケーブルガード52の垂直方向の高さは、ケーブル係止具51に巻きとった充電ケーブル8の巻き取り方向の高さ以上とすることが好ましい。
【0030】
このように、ケーブルガード52を備える構成により、不使用時の充電ケーブル8を、ケーブルガード52からはみ出すことなくコンパクトに保持することができるため、不使用時に、ケーブル係止具51に巻きとった充電ケーブル8が外観の美観を損なったり、通行等の邪魔になる問題も回避することができる。また、充電ケーブル保持面5の付近を通行する歩行者や車両に、ケーブル係止具51に巻きとった充電ケーブル8が引っかかる等の事故を効果的に防止することができる。
【0031】
ケーブルガード52は支柱状の上下に渡り一連に形成することが好ましい。充電ケーブルを巻く時に適当に巻くため上下方向に伸張した円となるためである。ただしこれに限定されず、ケーブルガードを上下方向について部分的に設けてもよい。
【0032】
ケーブルガード52の形状は、略コ字状の他に、図5に示すように、L字、コ字の一辺を外側に傾斜、コ字の一辺を円弧上に傾斜する形状等としてもよいが、ケーブル係止具51に巻き取った充電ケーブル8の充電ケーブル保持面5に対する垂直方向の高さ以上であることが好ましい。
なお、充電ケーブル8が十分に柔らかい時には、ケーブル係止具51に巻きとった充電ケーブル8は上下方向に大きく垂下して、その外周はケーブルガード52により保持されない。この場合であっても巻き取った充電ケーブル8は、図6に示すように、ケーブルガード52の垂直方向の高さの範囲内にあるため、ケーブルガード52よりはみ出すことがなく、通行する歩行者や車両に、ケーブル係止具51に巻きとった充電ケーブル8が引っかかる等の事故を効果的に防止することができる。
【0033】
また図7に示すように、ケーブル係止具51を、上下一対に設けて充電ケーブル8を巻き取ることもできる。
【符号の説明】
【0034】
1 筐体
2 充電用コネクタ
3 表示装置
4 点検用扉
5 充電ケーブル保持面
51 ケーブル係止具
52 ケーブルガード
6 鉄製基板
7 充電コネクタ保持空間
8 充電ケーブル
9 窪み部
91 上部面
92 下部面
93 開口面
10 ケーブル引出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7