特許第5651841号(P5651841)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5651841
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】表示装置収納用箱の施錠構造
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/30 20060101AFI20141218BHJP
   E05B 1/00 20060101ALI20141218BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20141218BHJP
   E05C 9/04 20060101ALI20141218BHJP
   H05K 7/18 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   H02B1/08 F
   E05B1/00 311H
   E05B65/00 N
   E05C9/04
   H05K7/18 M
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-407(P2011-407)
(22)【出願日】2011年1月5日
(65)【公開番号】特開2012-143099(P2012-143099A)
(43)【公開日】2012年7月26日
【審査請求日】2013年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(74)【代理人】
【識別番号】100161403
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 静夫
(72)【発明者】
【氏名】茶之木 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大島 秀雄
【審査官】 出野 智之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0036344(US,A1)
【文献】 特開平07−324528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/30
E05B 1/00
E05B 65/00
E05C 9/04
H05K 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体内部に表示装置を収納し、該筺体の前面開口部を開閉自在に覆う前面扉に形成した開口窓より、表示装置のディスプレイ画面を筐体外部から視認可能とした表示装置収納用箱の施錠構造であって、
筐体の前面扉の他、背面扉あるいは側面板の少なくとも何れかを開閉自在とし、
該前面扉を施錠・開閉操作する施錠開錠手段を、筐体の内側に設け、
該施錠開錠手段が、ハンドルの操作により一対のロッド棒を動作させるハンドル装置と、ロッド棒の先端が係合して扉を固定するロッド棒受部とからなり、
前記の前面扉で覆われた筐体の前面開口部が、前面扉に対して垂直方向に立ち上げた立上辺と、立上辺の端部を前面扉に対して平行方向に折り返した折返辺とからなる水切部を備え、
前記ハンドル装置を、前記水切部と表示装置の間に配置した
ことを特徴とする表示装置収納用箱の施錠構造
【請求項2】
ハンドル装置はクランプ部を有し、該クランプ部が係合して扉を固定するクランプ部受部を有することを特徴とする請求項1記載の表示装置収納用箱の施錠構造
【請求項3】
該施錠開錠手段が、筐体本体の内側に設けたハンドル取付金具を介して配設されたハンドル装置と前面扉の裏面に設けたロッド棒受部、あるいは前面扉の裏面に設けたハンドル取付金具を介して配設されたハンドル装置と筐体本体の内側に設けたロッド棒受部の何れかからなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の表示装置収納用箱の施錠構造
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置収納用箱の施錠構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、分電盤や配電盤などに使用される電気機器収納用箱の構造としては、四角枠状に組み立てたフレームの側面板の開口枠部に側板、扉等を取り付け、扉の開閉操作用のハンドルを、扉の外側に露出して取付形成した構造が広く一般的に採用されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかし、電気機器収納用箱が、近年急速に普及している電子看板等の表示装置として使用され、筺体の扉に電子広告を表示する表示部を備えている場合、表示部に隣接して配置されるハンドルの存在が美観上好ましくない問題があった。また、広告機能を奏し人目を引くことを目的とする表示部に隣接したハンドルも、不可避的に人目につくこととなるため、悪戯の対称となりやすいという問題もあった。
【0004】
また、遠方からも視認可能なサイズの大型の表示部を設ける場合には、電気機器収納用箱も大型化する必要がある。筺体の大型化に伴い、例えば扉の上部および下部の2か所に施錠部を設け、複数の施錠部によって扉の施錠を行うことが想定されるが、複数か所に施錠部を設けた場合には、何れかの施錠部における施錠忘れ等の事故が生じやすくなる問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−061884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は前記問題を解決し、表示装置収納用箱の前面扉を開閉操作する機能を有するハンドルの存在によって扉の外観を損ねることなく、また、ハンドルへの悪戯を防止し、更に、扉の複数か所存在する施錠部のうち、何れかを施錠忘れする事故を効果的に回避することができる表示装置収納用箱の施錠構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明の表示装置収納用箱の施錠構造は、筺体内部に表示装置を収納し、該筺体の前面開口部を開閉自在に覆う前面扉に形成した開口窓より、表示装置のディスプレイ画面を筐体外部から視認可能とした表示装置収納用箱の施錠構造であって、筐体の前面扉の他、背面扉あるいは側面板の少なくとも何れかを開閉自在とし、該前面扉を施錠・開閉操作する施錠開錠手段を、筐体の内側に設け、該施錠開錠手段が、ハンドルの操作により一対のロッド棒を動作させるハンドル装置と、ロッド棒の先端が係合して扉を固定するロッド棒受部とからなり、前記の前面扉で覆われた筐体の前面開口部が、前面扉に対して垂直方向に立ち上げた立上辺と、立上辺の端部を前面扉に対して平行方向に折り返した折返辺とからなる水切部を備え、前記ハンドル装置を、前記水切部と表示装置の間に配置したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の表示装置収納用箱の施錠構造において、ハンドル装置はクランプ部を有し、該クランプ部が係合して扉を固定するクランプ部受部を有することを特徴とするものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の表示装置収納用箱の施錠構造において、該施錠開錠手段が、筐体本体の内側に設けたハンドル取付金具を介して配設されたハンドル装置と前面扉の裏面に設けたロッド棒受部、あるいは前面扉の裏面に設けたハンドル取付金具を介して配設されたハンドル装置と筐体本体の内側に設けたロッド棒受部の何れかからなることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る表示装置収納用箱は、背面扉あるいは側面板の少なくとも何れかを開閉可能な構造とすることにより、前面扉を開放することなく、筐体内部から施錠開錠手段の操作により、該前面扉を施錠・開閉操作することができる。したがって、本発明の構成によれば、前面扉を開閉操作する機能を有するハンドルの存在によって扉の外観が損なわれることがなく、また、ハンドルへの悪戯を効果的に回避することができる。更に、ハンドル装置を水切部と表示装置の間に配置することにより、筐体内のスペースを有効に活用することができ、幅狭の場所におけるハンドル操作性の向上もはかることができる。
【0012】
また、本発明に係る表示装置収納用箱は、該施錠開錠手段を、ハンドルの操作により一対のロッド棒を動作させるハンドル装置と、ロッド棒の先端が係合して扉を固定するロッド棒受部とから構成することにより、一回のハンドル操作で、複数本のロッド棒を摺動させて複数か所での施錠を可能とし、扉の複数か所存在する施錠部のうち、何れかの施錠を忘れる事故を効果的に回避可能としている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の表示装置収納用箱の前面全体図である。
図2】本実施形態の表示装置収納用箱の背面全体図である。
図3】(a)図1の前面扉を開放した図である。(b)(a)の別の角度からの図である。
図4図3のA部拡大図である。
図5図2の背面扉を開放した図である。
図6】ハンドルの施錠機構説明図である。
図7図3のB部の上方向から見た断面図である。
図8図3のB部の上方向から見た断面図である(他の実施形態)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。図1および図2において、1は前面扉、2は透明パネル、3は背面扉、4は冷却装置、5は外側ハンドル、6は筐体、8は基台を示している。
【0015】
図1および図2に示すように、本実施形態の表示装置収納用箱は、基台8の上に筐体6本体を配置して構成され、筐体6は、前面扉1と背面扉3が開閉自在な構造を有している。
【0016】
筐体6内部には、図3に示すように、液晶テレビ、PDP(プラズマディスプレイパネル)などの表示装置7や分電盤や配電盤などの電気機器を備え、前面扉1に形成された開口窓により、該表示装置7のディスプレイ画面を筐体外部から視認可能となっている。該開口窓は、透明パネル2で覆われている。透明パネル2は、図7および図8に示すように、前面扉に形成された開口窓の周縁に、クランク状に形成したパネル保持部21に挟み込んで保持されている。また、前面扉1と筐体6との当接面には、防水・防塵用のパッキン22が配設され、筐体6内の気密性が確保されている。
【0017】
表示装置7の下部には、図5に示すように、筐体1内部の空気の循環を促すクロスフローファン10や、表示装置7に表示情報を提供するCPUなどのハードが内蔵されている。
【0018】
筐体6内部の左右側面板には、図5に示すように、複数の取付レール9が形成され、該取付レール9には、開閉器・LAN・モデムなどの複数の機器取付部を取付ることができる。
【0019】
本実施形態では、図5に示すように、左右の取付レール9間に渡して設けた表示装置取付金具11によって、表示装置7を筐体6内に取り付けている。その他、取付レール9に設けたL字状のハンドル取付金具12によって、ハンドル13を筐体6内に取り付けている。
【0020】
ハンドル13の施錠機構は、図6に示すように、操作部20によって操作されるクランプ部16とロッド棒15を備えている。ロッド棒15の一方はクランプ部16の先端に取り付け形成されており、操作部20を開閉操作することによりクランプ部16が回動し、それによりロッド棒15が動作するように形成されている。また、ロッド棒15の他方は操作部20に連動して動作する開閉機構23に取付されているものである。なお、図3に示すように、筐体6の上下位置には、ロッド棒案内部19が形成されており、ロッド棒15がそれぞれ上下動作するように形成されているものである。本発明では、ハンドル13を筐体6内のハンドル取付金具12に設けているため、ハンドル13の存在によって前面扉1側の美観を損ねる問題や、ハンドルへの悪戯を効果的に回避することができる。本発明ではハンドル13が筐体6の側位置に形成するものであるため、ロッド棒15が上下動作するものであるが、前面扉1が上開きもしくは下開きの扉のようなハンドル13が上下位置に形成する場合においては、ロッド棒15は左右動作するように形成されるものである。
【0021】
図5に示すように、ハンドル13の操作部20は、筐体6内で背面扉3に向けて配置されているため、ハンドル13の操作を行って施錠あるいは解錠を行う際には、まず、背面扉3の外側に配置された外側ハンドル5を操作し、背面扉3を開放して筐体6内の操作部20へとアクセスすればよい。
【0022】
本実施形態では、図3図5図7に示すように、ハンドル13が筐体6の内側に設けたハンドル取付金具12を介して配設され、前面扉1の裏面にロッド棒15の先端を受けるロッド棒受部14が前面扉1の上下に設けられ、操作部20の操作に伴なって、図6に示すように、クランプ部16が回動し、これに連動してロッド棒15が摺動し、ロッド棒受部14とロッド棒の先端が係合することにより前面扉1の上下が固定される構造を有している。また、前面扉1の裏面のハンドル13に対応する位置にクランプ部受部17を形成しており、クランプ部14が回動し、クランプ部14がクランプ部受部17に係合することにより前面扉1の中央が固定される構造を有している。ハンドル13の裏側にも当該構成を採用することにより、一回の操作で上下・中央の3箇所を施錠することが可能となり、施錠忘れを効果的に回避することができる。更に、ハンドル13を筐体6内のハンドル取付金具12に設けているため、ハンドル13の存在によって、前面扉1側の美観を損ねる問題や、ハンドル13への悪戯を効果的に回避することができる。
【0023】
他の実施形態として、図8に示すように、ハンドル13が前面扉1の裏面に設けたコ字状のハンドル取付金具12を介して配設され、ロッド棒受部14が筐体6の内側に設けられる構造を採用することもできる。このような実施形態においては筐体6の取付レール9にL字状のロッド棒受部14を取り付け、ハンドル13を回動操作することによって、ロッド棒15の先端が筐体6に取り付けたロッド棒受部14に係合することにより扉の開放を防ぐものである。こちらの構造も同様に、ハンドル13のクランプ部14が係合するクランプ部受部17も筐体6の取付レール9に形成されているものである。本実施形態においてもハンドル13の存在によって前面扉1側の美観を損ねる問題や、ハンドル13への悪戯を効果的に回避することができる。
【0024】
前面扉1で覆われた筐体6の前面開口部には、前面扉1に対して垂直方向に立ち上げた立上辺18aと、立上辺18aの端部を前面扉に対して平行方向に折り返した折返辺18bとからなる水切部18が形成されている。図7または図8に示すように、ハンドル13は、水切部18と表示装置7の間に配置されている。このような構造を採用することにより、筐体6内の幅狭のスペースであっても、操作部20を前後方向にスムーズに動作することができる。なお、横幅に余裕がある場合には、操作する際に操作部20を前方に突出させ回転させて施錠を行う平面ハンドルを使用しても良い。
【0025】
なお、ハンドル13の施錠操作時には、前面扉1が閉じていることが必要であり、ハンドル13の施錠操作時に、作業者が前面扉1の表側から手で押さえながら作業をおこなってもよく、その他の形態として、前面扉1の内側に取っ手を形成して、作業者が取っ手を引きながらハンドル13の施錠操作をする形態や、ラッチなどを形成して前面扉1を閉じると自動的にその状態を保持することができる仮固定装置を使用する形態を採用することもできる。
【符号の説明】
【0026】
1 前面扉
2 透明パネル
3 背面扉
4 冷却装置
5 外側ハンドル
6 筐体
7 表示装置
8 基台
9 取付レール
10 クロスフローファン
11 表示装置取付金具
12 ハンドル取付金具
13 ハンドル
14 ロッド棒受部
15 ロッド棒
16 クランプ部
17 クランプ部受部
18 水切部
19 ロッド棒案内部
20 操作部
21 パネル保持部
22 パッキン
23 開閉機構
図1
図4
図6
図2
図3
図5
図7
図8