【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用 〔博覧会名〕 2010 東京国際包装展 〔主催者名〕 社団法人 日本包装技術協会 〔開催日〕 平成22年10月5日(火)〜8日(金)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ロータリー式包装機の、円盤型ロータの中心から前記包装機の包袋供給位置を結ぶ半径方向の延長線上に、包袋供給機構を配置し、包袋供給機構の包袋を、袋口側を上にして開口させて起立させる包袋開口起立機構を備え 、
起立した包袋の開口した袋口に一対のヘラを挿入して、包袋の袋底の封止縁に対して、袋口が交差する方向にヘラを拡開しつつ、ロータリー式包装機側に回転する袋口拡開機構を備えた、
ことを特徴とする請求項1に記載のテトラ包装袋用包装機。
ロータリー式包装機の、円盤型ロータの中心から前記包装機の包袋供給位置を結ぶ半径方向の延長線と直角の位置に、包袋供給機構を配置し、包袋供給機構の包袋を、袋口側を上にして開口させて起立させる包袋開口起立機構を備え、
起立した包袋の開口した袋口に一対のヘラを挿入して、包袋の袋底の封止縁に対して、袋口が交差する方向にヘラを拡開してロータリー式包装機のクランプアーム側に移動する袋口拡開機構を備えた、
ことを特徴とする請求項1に記載のテトラ包装袋用包装機。
袋口拡開機構に保持された包袋の袋口を上部から挟持してロータリー式包装機のクランプアーム側に包袋を受け渡す受渡し機構を備えた、請求項1又は2又は3に記載のテトラ包装袋用包装機。
包袋開口起立機構、袋口拡開機構、受渡し機構を包袋搬送コンベアとは切り離してワンユニットとし、包袋供給機構を直接にロータリー式包装機に接合可能とする請求項4に記載のテトラ包装袋用包装機。
ロータリー式包装機と、包袋搬送コンベアや袋箱のような包袋供給機構との受渡しの間で、包袋の袋底の封止縁に対して、袋口を交差する方向に拡開することにより、ロータリー 式包装機に包袋を受け渡す過程において、包袋をテトラ形状とするテトラ包装袋の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施例1)
以下において、本実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施例1のテトラ包装袋用包装機の全体概略平面図、
図2は平袋からテトラ形状の包装袋になる過程を示す平面図である。
【0015】
図1及び
図2は、ロータリー式包装機1の円盤型ロータ2の中心から包袋供給位置3を結ぶ半径方向の延長線4(以下において、包袋供給位置の延長線と称す)上に、包袋供給機構の一種である長尺な包袋搬送コンベア5を配置し、この包袋搬送コンベア5とロータリー式包装機1の間で、包袋(平袋)6をテトラ形状に開いて、ロータリー式包装機1に供給する機構が示されている。
図1において、7は真空ポンプ等が収納された作動部で、8は操作部である。
【0016】
まず、前記包袋搬送コンベア5からロータリー式包装機1に包袋6を受け渡すまでの概略を説明する。包袋搬送コンベア5上には、包袋(平袋)6が重ねられて伏した状態で載置されており、コンベア全長に張られた2本の紐状のゴムベルト9が包袋6を先端側に送り出す。
図4に示すように、包袋搬送コンベア5の先端部に、包袋6を包袋開口起立機構10に受け渡すための包袋捲り上げ機構11が設けられている。
【0017】
前記包袋捲り上げ機構11の上方に、包袋開口起立機構10が設けられ、包袋捲り上げ機構11から包袋6を受け取って、この包袋6の袋口12を上にして開口させて起立させる。さらに、包袋搬送コンベア5の先端右側部には、
図6に示すような袋口拡開機構13が設けられ、起立した包袋6の開口した袋口12に一対のヘラ14A、14Bを挿入して、包袋6の袋底の封止縁16に対して、袋口12が交差する方向にヘラ14A、14Bを拡開して緊張しつつ、受渡し機構17側に回転して送り出す。
【0018】
さらに、前記袋口拡開機構13に隣接し、ロータリー式包装機1の外周縁部に、
図10に示すような、受渡し機構17が配置され、袋口拡開機構13に保持された包袋6の袋口12を上部から挟持してロータリー式包装機1のクランプアーム18側に回転して包袋6を受け渡す。
【0019】
以上のように、包袋搬送コンベア5上の包袋6は、包袋開口起立機構10、袋口拡開機構13、受渡し機構17を経て、ロータリー式包装機1の包袋供給位置3で、クランプアーム18のクランプ19に受け渡される。その間、袋口拡開機構13において、平袋の包袋6をテトラ形状に開き、包袋搬送コンベア5からロータリー式包装機1に受け渡す間にテトラ形状の包袋6を準備することができる。以下において、包袋6の流れに従って、包袋搬送コンベア5から受渡し機構17について順次説明する。
【0020】
(包袋搬送コンベア)
図3は包袋搬送コンベアの正面図である。この包袋搬送コンベア5は、長尺なコンベア本体20に複数のプーリー21が配置され、本体下部に配置された搬送モータ22に、紐状のゴムベルト9が掛け渡されて回転し、コンベア本体20上に伏して重ねて載置された包袋6をコンベアの前方に搬送する。
【0021】
さらに、コンベア本体20の上方部には、包袋搬送コンベア1上の包袋6を前方に押し出す補助ベルト24が配置され、包袋捲り上げ吸盤11Aにより確実に吸着できるように絶えず包袋6をコンベアの先端に送り出す。包袋6が確実に先端に送り出されているか否かは接触センサー(図示せず)により検知する。
【0022】
なお、包袋供給機構に包袋搬送コンベア5を用いたが、このコンベア5の代わりに一般的な袋箱(図示せず)を用いたものであってもよい。
【0023】
図4に示すように、包袋捲り上げ機構11は、前記コンベア本体20の先端側部に配置された平行リンク25に、コンベア5の幅方向全長にわたって2本の平行なパラレルバー26が掛け渡され、このパラレルバー26の両端近くに、一対の支持ブロック15が固定され、この支持ブロック15に包袋捲り上げ吸盤11Aを備えている。
【0024】
この包袋捲り上げ吸盤11Aに吸着された包袋6が後軸28の回転で下側のリンク29が回転して包袋捲り上げ吸盤11Aが先端の包袋6を小さく持ち上げた後、さらに後軸28の回転により下側のリンク29と共に上側のリンク30も大きく回転して、包袋6を大きく捲り上げて包袋開口起立機構10に受け渡す。なお、
図4の平行リンク25の下部に設けられた部材はストッパー31である。
【0025】
(包袋開口起立機構)
包袋開口起立機構10は、包袋捲り上げ吸盤11Aから受け取った包袋6の袋口12を、一対の閉じたヘラ14A、14Bが挿入できる程度に開口すると共に、袋口12を上にして包袋6を起立(吊り下げる)させる作用をはたす。
【0026】
この包袋開口起立機構10は、
図4及び
図5に示すように、第1横回動軸32に設けられた回動アーム33の先端にロッド34が水平方向に取付けられると共に、前記回動アーム33に添ってリフター35が取り付けられている。回動アーム33が回動し、下部位置では前記包袋捲り上げ吸盤11Aから包袋6を受け取り、上部位置では包袋6の袋口12を上にして起立させ、閉じたヘラ14A、14Bが挿入できる程度に袋口12を開口する。
【0027】
前記ロッド34には一方の吸盤36が一対取り付けられ、リフター35の下端に他方の吸盤37が取り付けられている。リフター35は棒体がバネにより、常時、他方の吸盤37が一方の吸盤36から離間する方向に付勢されている。吸盤36と吸盤37が包袋6の袋口12を開口するには、一方の吸盤36で包袋6の下面のシート面を吸着し、第1横回動軸32と同軸のクランク軸38に設けられた押片39の回転によりリフター35の頭部40を押えて他方の吸盤37で包袋6の上面のシートを吸着した後、クランク軸38のさらなる回転により、押片39がリフターの頭部40から離れる方向に回転するとリフター35がバネの付勢力により上昇して袋口12が開口する。
【0028】
(袋口拡開機構)
図6は袋口拡開機構の全体側面図、
図7は
図6の部分拡大図、
図8は部分正面図である。この袋口拡開機構13は、一対のヘラ14A、14Bで包袋6の袋口12を袋底の封止縁16に対して交差する方向に拡開して緊張すると共に、包袋6を受渡し機構17に受け渡すために、ロータリー式包装機1側に回転する。
図9は袋口拡開機構17が回転する状態を示す平面図である。
【0029】
袋口拡開機構13は、機構を収納するケーシング41が、ポール42上部に支持されている。ポール42内にはケーシング41を回動する第1縦回動軸43と、この回動軸43と同軸の中軸44が挿入されている。ヘラ14A、14Bを上下させるために、第1縦回動軸43と中軸44は、ボール42の下部のレバー45によって上下動する。
【0030】
さらに、第1縦回動軸43は、図示しない溝カムによりケーシング41を回動している。中軸44は、ボール42の下部のバネ46によって、中軸44上部に設けたリンク62を反時計方向に付勢している。
【0031】
図8に示すように、袋口拡開機構13のケーシング41内側下部の長手方向に、スライドレール47が取付けられ、このスライドレール47に一対のスライダー48が嵌め込まれている。さらに、
図7に示すように、このスライダー48にL字形のブラケット49,50が取付けられ、このブラケット49,50の先端部に下方向に突出するヘラ14A、14Bが取付けられている。
【0032】
一対のヘラ14A、14Bにより袋口12を一直線状に拡開して包袋6を保持し、さらに、ヘラ14A、14Bの両側に挟持片51を設けて
袋口12を内外から挟み付けて確実に保持しながら、受渡し機構17に受け渡す。
【0033】
前記挟持片51は、ブラケット49,50上部に取り付けられたブロック状軸受52に回動可能に軸支された支軸53の先端に取り付けられている。挟持片51は、ヘラ14A、14Bの厚みより幾分か大きいスリットが形成され、前記支軸53に外嵌したコイルバネ54によってヘラ14A、14B側に付勢され、スリットにヘラ14A、14Bが嵌まり込むように構成されている。
【0034】
図9に示すように、支軸53の後端に後端片55が直角に取り付けられ、この後端片55の後端にローラ56が取付けられている。挟持片51の開動は前記ローラ56を挟持片用のエアーシリンダ57により押し下げることにより行われる。エアーシリンダ57はケーシング41の上部に上下方向に取り付けられており、このエアーシリンダ57のピストンの下端に、長い押えレバー58が取り付けられている。
【0035】
前記のようにコイルバネ54の付勢力により、ヘラ14A、14Bと挟持片51で、内外から包袋6の袋口12を挟み付けて保持するが、包袋6を開放しなければならない場合は、エアーシリンダ57の押さえレバー58でローラ56を押し下げて支軸53を回転し、挟持片51から包袋6を開放する。
【0036】
次に、ヘラ14A、14Bの動作について説明する。
図8の中央の一対のヘラ14A、14Bは、閉じた状態を示し、両サイドの一対のヘラ14A、14Bは開いた状態を示している。包袋開口起立機構10で袋口を開口させて起立させ、閉じたヘラ14A、14Bの真下に開口した包袋6が起立したとき、
図6に示すレバー45によって第1縦回転軸43と中軸44を下降させ、閉じられた状態のヘラ14A、14Bを袋口12内に挿入する。この時、エアーシリンダ57は押えレバー58を引き上げて、コイルバネ54によって、前記挟持片51は内側に閉じて、袋口12をヘラ14A、14Bと挟持片51で内外から挟んで保持する。
【0037】
ヘラ14A、14Bが閉じられた狭い状態は、
図9の上下方向にケーシング41が位置するときである。この時のリンク62の先端は、
図9に示すように長穴63の内側に位置する。
【0038】
図8に示すように、各L字形ブラケット49,50に、ピニオン61を上下から挟むように歯合するラック59、60の一端が取付けられ、他端はフリーである。このラック59、60は前記ブラケット49,50とスライダー48と共にケーシング41の長手方向に移動可能で、ピニオン61を介して一方のラック59の移動により他方のラック60が反対方向に同距離移動するよう構成されている。前記リンク62の先端は、ケーシング41に形成された長穴63を通して、
図8、
図9に示すように、ロータリー式包装機1から遠い側の一方のブラケット49の上部と連結している。
【0039】
ヘラ14A、14Bが袋口12内に挿入された状態で、ポール42内の回転軸43によりケーシング41を時計周りに回転しても、中軸44は第1縦回転軸43と同じように回転しない。逆にバネ46によって反時計方向に付勢されているので、リンク62の先端は
図9の矢印B方向に回転しながら、矢印Aに示すように長穴63の内側から外側に位置する。
【0040】
図8の状態で、中央の一対のヘラ14A、14Bが停止した状態から、回転軸43の時計周りの回転によって相対的にケーシング41が右方向に移動すると、ケーシング41の中央に軸支しているピニオン61も移動する。左側のブラケット49にリンク62の先端が接続して移動が規制された状態において、ケーシング41及びピニオン61が右方向に移動すればピニオン61は反時計方向に回転する。このピニオン61と歯合する上側のラック59は、ケーシング41に対して左方向に水平移動する。上側のラック59が左方向に移動すると、このラック59にブラケット49を介して接合する左側のヘラ14Aが同様に左方向に移動し、左端の仮想線で示すブラケット49、ヘラ14Aの位置に停止する。
【0041】
逆に、下側のラック60は、ピニオン61の反時計方向の回転によって、ケーシング41に対して
図8の右方向に水平移動する。下側のラック60が右方向に移動すると、このラック60にブラケット50を介して接合する右側のヘラ14Bが同様に右方向に移動する。結果として一対のヘラ14A、14Bは離間する方向に移動し、包袋6の袋口12を拡開する。
【0042】
前記のように、第1縦回転軸43の時計方向への回転に伴いケーシング41も回転し、
図9に示すように、一方のブラケット49がケーシング41の一端に取付けられたストッパー64に当接する。ケーシング41が時計方向に回転すると共に、リンク62の先端も時計方向(矢印B方向)に回転する。そして、最終的には、
図9に示すように、ケーシング41が、移動前と移動後で45度時計方向に回転した時点でケーシング41の回転は停止する。
【0043】
この時点で、包袋6は受渡し機構17のクリップ機構67によって上部中央が保持されて挟持片51の役割は終わる。エアーシリンダ57は押えレバー58を押し下げて挟持片51を外側に開いてヘラ14A、14Bから離す。同時に、ケーシング41はレバー45によって上昇するのでヘラ14A、14Bは袋口12から引き抜かれる。第1縦回転軸43は図示しない溝カムによって反時計方向に逆転するので、ケーシング41は
図9の実線に示す上下方向の配置に復する。なお、上下のラック59,60とピニオン61は前記の動きとは逆の動きをするため、開いていたヘラ14A、14Bは閉じる方向に移動する。なお、袋のサイズに応じてストッパー64の長さを調整する。
【0044】
(受渡し機構)
図10は受渡し機構の正面図、
図11は平面図、
図12はクリップ機構の拡大図である。この受渡し機構17は、
図9の袋口拡開機構13のケーシング41が45度回転した状態でヘラ14A、14Bと挟持片51で保持されている包袋6の袋口12の中央部を上方から挟持してロータリー式包装機1のクランプアーム18側にさらに45度回転して包袋6を受け渡す。従って、袋口拡開機構13とこの受渡し機構17の回転により、袋口拡開機構13が包袋開口起立機構10から包袋6を受け取ってから90度回転してロータリー式包装機1に受け渡す。
【0045】
受渡し機構17は支柱65に軸支された長尺アーム66の先端にクリップ機構67を備えている。クリップ機構67は、一対の逆T字形板片の一方に滑り止めが付いたクリップ69が開閉して、袋口拡開機構13のヘラ14A、14Bと挟持片51で保持された包袋6を上部から挟持する。
図10に示すようにクリップ14が包袋6の上部を挟持することにより、ヘラ14A、14Bが抜けた後の袋口12の上部両サイドをクランプアーム18のクランプ19が挟むことができる。
【0046】
クリップ69は、長尺アーム66の先端に垂直方向に取り付けられた板体70に回動自在に軸支しており、クリップ69を構成する各逆T字形板片には扇形歯車71が設けられており、両歯車17が歯合して一方が回転すると他方は逆方向に回転して包袋の袋口12を挟持する。
【0047】
一方の扇形歯車71の後端から棒状の延設部72が延設しており、この延設部72の先端とエアーシリンダ73が連結棒74で連結し、エアーシリンダ73の伸縮により、クリップ69が開閉する。
【0048】
長尺アーム66の後端は、支柱65に回動自在に軸支されており、その回動軸75が、支柱65の近くに立設する駆動柱76の駆動軸77と連結し、駆動軸77の回動により、長尺アーム66が回動し、クリップ機構67が包袋6をロータリー式包装機1に受け渡す。
【0049】
(実施例2)
以下において、実施例2について図面を用いて説明する。
図13は実施例2のテトラ包装袋用包装機の平面図である。この実施例2のテトラ包装袋用包装機は前記実施例1と基本的な機構は類似しているので、以下において相違を中心に説明し、同一構成要素については同一の符号を使用して詳細な説明を省略する。
【0050】
この実施例2の包装機は、包袋供給位置の延長線4に対して、包袋搬送コンベア(包袋供給機構の一種)5の中心線が90度交差している。この包袋搬送コンベア5には平袋6が平積されている。
【0051】
この包袋搬送コンベア5の先端には包袋6を捲り上げる包袋捲り上げ機構11Aが設けられ、さらに、包袋搬送コンベア11の先端上部に、包袋開口起立機構10が配置されているが、この点は前記実施例1と同様である。包袋搬送コンベア5上の平袋6は包袋捲り上げ機構11により捲り上げられ、包袋開口起立機構10により、袋口12が包袋供給位置の延長線4と同方向に開かれ、起立して吊るされる。
【0052】
包袋搬送コンベア5の前方で、包袋供給位置の延長線4上に、袋口拡開機構13が配置されている。この袋口拡開機構13は前記実施例1とは相違して、前記包袋供給位置の延長線4上を直線的に往復動して、受渡し機構17に、袋口12を拡開した包袋を受け渡す。前記包袋開口起立機構10により起立する包袋に、袋口拡開機構13のヘラ14A,14Bが挿入されて拡開し、包袋供給位置の延長線4と交差する方向に袋口12が拡開される。このため、袋口12は袋底の封止縁16に対して十字に交差する。
【0053】
受渡し機構17は、円盤型ロータ2と、前記袋口拡開機構13の間に配置され、前記包袋供給位置の延長線4上を往復動して前記包袋6をロータリー式包装機1に受け渡す。以下において、各機構について詳細に説明する。
【0054】
(包袋搬送コンベア)
図15は包袋搬送コンベアの正面図である。この実施例では、包袋供給機構に包袋搬送コンベア5を用いたが、このコンベア5の代わりに袋箱を用いてもよい。
【0055】
包袋捲り上げ機構11は、コンベア5上の包袋6を捲り上げて袋口拡開機構13に受け渡す点は基本的に前記実施例1と同じであるが、構成が相違する。即ち、
図14、
図15に示すように、この包袋捲り上げ機構11は、前記コンベア本体20の前方下部に、第2横回動軸80が配置されて、この回動軸80に回動リンク体81が軸支している。
【0056】
図14に示すように、前記回動リンク体81は、前記第2横回動軸80に前記コンベア本体20の上部まで延びる回動ロッド82が軸支し、この回動ロッド82の先端に右側方に延びる上部回動片83が軸支し、前記横回動軸80に左方向に延びる逆三角形状の下部回動片84が軸支し、この上部回動片83の右端と下部回動片84の下部頂点とが、前記回動ロッド82を斜めにクロスするように、補助ロッド85で連結されている。
【0057】
前記上部回動片83には、包袋搬送コンベア5の幅方向、水平に2本の平行なパラレルバー26の一端が固定され、このパラレルバーの両端部近くに一対の支持ブロック15が取り付けられ、この支持ブロック15に包袋捲り上げ吸盤11Aが設けられている。
【0058】
次に、前記包袋捲り上げ機構11の作用について説明する。
図14の第2横回動軸80が反時計方向に回転すると、仮想線で示す回動ロッド82と下部回動片84が反時計方向に回転する。回動ロッド82は実線で示す位置で回転は停止するが、下部回動片84だけがさらに反時計方向に回転し、下部の水平な位置で停止する。
【0059】
前記下部回動片84に連結する補助ロッド85によって、上部回動片83を介して、支持ブロック15は引っ張られて時計方向に回転するので、支持ブロック15に設けられた包袋捲り上げ吸盤11Aも時計方向、下向きに回転し、前記吸盤11Aが包袋6に接触する状態になる。その包袋捲り上げ吸盤11Aに負圧がかけられ、包袋捲り上げ吸盤11Aは包袋搬送コンベア5の先端部上の1枚の包袋6を吸着する。
【0060】
こんどは、逆に、第2横回動軸80が時計方向に回転すると、下部回動片84のみが回転し始め、補助ロッド85により支持ブロック15が反時計方向に回転し、包袋捲り上げ吸盤11Aも反時計方向に回転して持ち上げられて、包袋6が1枚だけ捲り上げられる。
【0061】
下部回動片84がさらに時計方向に回転すると、下部回動片84の左底角に取り付けられた当接体86が回動ロッド82に当接し、下部回動片84と回動ロッド82が時計方向に回転する。この回動ロッド82の時計方向の回転により、支持ブロック15及び包袋捲り上げ吸盤11Aが第2横回動軸80を中心に回転するので、包袋6を吸着した包袋捲り上げ吸盤11Aは包袋開口起立機構10の方向に回転し、開いていない包袋6の袋口12が包袋開口起立機構10の真下に位置し、包袋6を包袋開口起立機構10に受け渡す状態になる。
【0062】
(包袋開口起立機構)
包袋開口起立機構10は、前記実施例1と構成も同じであって、作用も包袋捲り上げ吸盤11Aから受け取った包袋6の袋口12を、開く前の一対のヘラ14A、14Bが挿入できる程度に開口すると共に、袋口12を上にして包袋6を起立(吊り下げる)させる点も同様である。
【0063】
(袋口拡開機構)
この実施例2の袋口拡開機構13は、一対のヘラ14A、14Bで包袋6の袋口12を袋底の封止縁16に対して交差する方向に拡開すると共に、包袋6を受渡し機構17に受け渡すために水平移動するが、実施例1のようにケーシング41が回動することはない。従って、袋口拡開機構13のケーシング14が包袋搬送コンベア5の搬送方向に対して、直角の方向でしかも、包袋供給位置の延長線4上を移動する。
【0064】
図16は、
図15の部分拡大図であって袋口拡開機構の背面図である。この実施例2のケーシング内は
図8に示す実施例1と略同一であるが、この実施例2はリンク62が無く、L字形のブラケット49はケーシング内部の上部に配置されたヘラ開閉エアーシリンダ90により摺動し、ラック59,60とピニオン61を介して一対のヘラ14A、14Bが左右に拡開する。
【0065】
図15及び
図17に示すように、包袋供給位置の延長線4と並行で、包袋搬送コンベア5の中心線と直行して、長いサイドフレーム91が配置され、このサイドフレーム91に1本の長尺な横方向レール92が取り付けられている。この横方向レール92に一対のスライダー93が嵌め込まれ、ケーシング41が横方向レール92に沿ってスライドする。
【0066】
前記一対のスライダー93には取付板94が架け渡して固定されており、この取付板94に短尺な縦方向レール95が取り付けられている。この縦方向レール95にもスライダー96が嵌め込まれており、このスライダー96はケーシング41側部に取り付けられた側板97を介して前記ケーシング41に取り付けられている。上記構成により、ケーシング41は横方向レール92に沿って包袋供給位置の延長線4上を横方向に往復移動すると共に、縦方向レール95に沿って縦方向に昇降動する。
【0067】
ケーシング41の横方向の往復移動は、一対のスライダー93に固定された取付板94と連結するクランク機構98により横方向に往復移動する。ケーシング41の縦方向の昇降動は、昇降ポール100により縦方向に昇降動するが、以下において、この昇降動する構成について説明する。
【0068】
図15に示す、昇降ポール100の昇降軸101の上端にL字形ブラケット102が取り付けられ、このL字形ブラケット102の先端に、長い押上レール103がケーシング41の移動方向に向けて取り付けられている。この押上レール103は、ケーシング41側部の側板97の下部の回転輪104を押し上げて、縦方向レール95に沿ってケーシング41を昇降動させる。
【0069】
次に、袋口拡開機構13が、包袋6を包袋開口起立機構10から受け取って、袋口12を袋底の封止縁16と十字に交差する方向に拡開した後、包袋を受渡し機構17に受け渡す過程を説明する。
【0070】
図16に示すように、包袋開口起立機構10が包袋6の袋口をヘラ14A、14Bを差し込める程度に開いて吊り下げる状態に支持すると、ケーシング41を持ち上げていた押上レール103が下降して、狭められたヘラ14A,14Bが袋口内に挿入される。
【0071】
袋口にヘラ14A,14Bが挿入されると、ケーシング41内のヘラ開閉エアーシリンダ90が作動して一方のL字形ブラケット49がスライダー48により側方向に移動すると共に、ヘラ14Aも移動する。
【0072】
一方のL字形ブラケット49が移動すると、上側のラック59とピニオン61によって下側のラック60が逆方向に移動するので、このラック60に取り付けられた他方のL字形ブラケット50と他方のヘラ14Bが前記ヘラ14Aとは反対方向の外側方向に移動し、袋底の封止縁16と交差する方向に袋口が拡開されて緊張する。
【0073】
ヘラ14A、14Bの両側に挟持片51を設けて包袋6を挟み付けて包袋6を保持する点も前記実施例1と同様である。また、挟持片51の開動は、前記ローラ56をエアーシリンダ57下端の押えレバー58により押し下げることにより行われる。
【0074】
前記のようにして、ヘラ14A,14Bが袋口12を拡開しながら、袋口拡開機構13の受渡し機構17側への移動は、クランク機構98により行われる。ケーシング41が横方向レール92の中程に到着したところで、ヘラ14A、14Bで拡開した包袋6の袋口12の中央部分を受渡し機構17のクリップ機構67で上方から挟持する。
【0075】
包袋6を受渡し機構のクリップ69でしっかり挟持した段階で、エアーシリンダ57で押さえレバー58を引き上げて、包袋6を側方から押さえていた挟持片51を解放した後、昇降軸101により押上レール103を押し上げて、ケーシング41を上昇させると共に、ヘラ14A、14Bを包袋6から引き抜く。さらに、クランク機構98により、ケーシング41を後方にひき戻し、次の包袋6を保持する動作に移り、受渡し機構17への包袋6の受け渡しは完了する。
【0076】
(受渡し機構)
図18は受渡し機構の正面図である。この受渡し機構17は、袋口拡開機構13のヘラ14A、14Bと挟持片51で保持されている包袋6の袋口12を上方から挟持してロータリー式包装機1のクランプアーム18側に包袋を受け渡す作用は前記実施例1と同様である。しかし、この受渡し機構17は、実施例1と移動方法が相違する。
【0077】
この実施例2の受渡し機構17は、前記袋口拡開機構13が往復移動する同じ横方向レールによって、包袋供給位置の延長線4上を水平に往復移動する。この受渡し機構17の往復移動は、前記袋口拡開機構13のクランク機構98とは別のクランク機構107により行われる。
【0078】
前記横方向レール92に、受渡し機構用のスライダー108が嵌め込まれ、このスライダー108に取付板109が取り付けられ、この取付板109に長尺アーム66が水平に取り付けられ、このアーム66の先端にクリップ機構67が取り付けられている。このアーム66の先端部に取り付けられたクリップ機構67は前記実施例1と同様であるので、詳細は省略する。
【0079】
前記のように、袋口拡開機構13から包袋6を受け取った受渡し機構17はクランク機構107により、横方向レール92に沿って円盤型ロータ2の方向に移動する。そして、包袋がクランプアーム18のクランプ19の回転軌道位置に達した時点で停止し、クランプ19が包袋の上部側部を挟持した時点でクリップ69を開いて包袋を離す。そして、クランク機構107が逆方向に回転して、受渡し機構17を袋口拡開機構13から包袋6を受け取る位置に戻す。
【0080】
以上のような、包袋搬送コンベア5、包袋開口起立機構10、袋口拡開機構13、受渡し機構17、ロータリー式包装機1の一連の動作により、平袋がテトラ包装袋となる。
【0081】
(他の実施例)
前記実施例1では、ロータリー式包装機1の、包袋供給位置の延長線4上に、包袋搬送コンベア5を配置し、前記延長線4上を包袋が受け渡されながら平袋がテトラ形状の包装袋となって、ロータリー式包装機1のクランプアーム18側に包袋6を受け渡す。
【0082】
これに対して、前記実施例2では、ロータリー式包装機1の、包袋供給位置の延長線4と直角の位置に、包袋搬送コンベア5を配置し、包袋が包袋搬送コンベア5からロータリー式包装機に直角に受け渡されながら平袋がテトラ形状の包装袋となる。
【0083】
しかし、本発明は、包袋供給機構5とロータリー包装機1の間で、直線状や直角での包袋の受け渡しに限定されるものではなく、包袋6のロータリー式包装機1の受け渡し角度は支障の無い範囲で変えてもよい。即ち、ロータリー式包装機1の包袋供給位置の周縁部に、包袋搬送コンベア5を配置し、包袋搬送コンベア5や包袋開口起立機構10、袋口拡開機構13、受渡し機構17の配置を変えてもよい。
【0084】
前記実施例1,2では、袋口拡開機構13に保持された包袋6の袋口12を上部から挟持してロータリー式包装機のクランプアーム18側に包袋6を受け渡す受渡し機構17を備えた構成としたが、この受渡し機構17を無くして、袋口拡開機構13から直接、クランプ19に、包袋6を受け渡す構成にしてもよい。
【0085】
また、包袋開口起立機構10、袋口拡開機構13、受渡し機構17をワンユニットとし、包袋搬送コンベア5とは切り離し、包袋搬送コンベア5を直接にロータリー式包装機に接 合することにより平袋に被包装物を充填することが可能となる。なお、ユニットの動力源 は独立させ、ユニットと他の機構とは電子的に制御する。