(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
2重化されたコンピュータ装置が送信するフレームを中継して2重化されたネットワークに接続された他のネットワーク中継装置に送信し、前記他のネットワーク中継装置から前記2重化されたネットワークを介して受信したフレームを前記2重化されたコンピュータ装置に中継するネットワーク中継装置であって、
前記2重化されたネットワークから到着したフレームの到着順を管理すると共に、前記他のネットワーク中継装置によって前記フレームが送信された順序を示す通信番号を、前記他のネットワーク中継装置毎に管理する受信管理テーブルと、
前記2重化されたコンピュータ装置のうち、一のコンピュータ装置から、前記フレームのうち、特定の宛先に対して送信された、特定の宛先の障害を監視する監視フレームを受信した場合には、前記2重化されたネットワークのうち、片系のネットワークにそのまま前記監視フレームを送出し、前記一のコンピュータ装置から、前記監視フレーム以外の通常フレームを受信した場合には、前記2重化されたネットワークのうち、両系のネットワークに前記通信番号を付加して前記通常フレームを送出するフレーム伝送制御部と、を備える
ネットワーク中継装置。
前記フレーム伝送制御部は、前記特定の宛先から前記監視フレームに対する応答フレームを受信した場合には、前記監視フレームを送信した前記一のコンピュータ装置に対して前記応答フレームを送信する
請求項1記載のネットワーク中継装置。
前記ネットワーク中継装置は、前記特定の宛先が前記2重化されたネットワークに接続された前記他のネットワーク中継装置である場合に、前記監視フレームを他のネットワーク中継装置に中継し、前記他のネットワーク中継装置から受信した応答フレームを前記一のコンピュータ装置に中継する
請求項4記載の障害監視システム。
前記ネットワーク中継装置は、前記特定の宛先が前記2重化されたネットワーク接続装置のうち、一方の前記ネットワーク接続装置である場合に、前記監視フレームを一方の前記ネットワーク接続装置に中継し、前記一方の前記ネットワーク接続装置から受信した前記応答フレームを前記一のコンピュータ装置に中継する
請求項5記載の障害監視システム。
前記ネットワーク中継装置は、前記特定の宛先が前記2重化されたネットワークに接続された他の2重化されたネットワーク接続装置のうち、一方のネットワーク接続装置である場合に、前記監視フレームを一方の前記ネットワーク接続装置に中継し、前記一方の前記ネットワーク接続装置から受信した前記応答フレームを前記一のコンピュータ装置に中継する
請求項5記載の障害監視システム。
前記2重化されたネットワーク接続装置は、前記ネットワーク接続装置毎に独立して動作し、前記2重化された2分岐接続装置は、前記2分岐接続装置毎に独立して動作する
請求項6又は7記載の障害監視システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態例(以下、「本実施の形態例」という)について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態例では、2重化されたネットワークを用いて行うフレームの伝送処理の信頼性を高めた2重化ネットワークシステム6に適用した例について説明する。この2重化ネットワークシステム6は、コンピュータがプログラムを実行することにより、後述する内部ブロックを連携させた障害監視方法を実現する障害監視システムとしても用いられる。
【0016】
図1は、2重化ネットワークシステム6の構成例を示すネットワーク接続図である。
2重化ネットワークシステム6は、1系ネットワーク5aと2系ネットワーク5bである、2重化されたネットワーク(以下、「2重化ネットワーク5」と総称する)とを備える。2重化ネットワーク5は、例えば、光ファイバによって配設された広帯域の幹線伝送路であり、高速でフレームを転送することが可能である。
【0017】
この2重化ネットワークシステム6は、マスタとして決定される1系ネットワーク中継装置2aと、スレーブとして決定される2系ネットワーク中継装置2b(以下、「2重化ネットワーク中継装置2」と総称する)を備える。以下の説明において、2重化された2系統のネットワークや、2重化された装置のうち、マスタとして決定されたネットワーク及び装置が「現用系」として実際のフレーム処理を行う。一方、スレーブとして決定されたネットワーク及び装置は、「待機系」として現用系を補助し、現用系に障害が発生した場合には、代わりにフレーム処理を行うものとする。
【0018】
以下、現用系について構成及び動作を説明するが、待機系においても現用系と同じ構成及び動作を行うものとする。なお、現用系としては、1系ネットワーク中継装置2a、2分岐接続装置10a(後述する
図2参照)、1系コンピュータ1aであり、待機系としては、2系ネットワーク中継装置2b、2分岐接続装置10b(後述する
図2参照)、2系コンピュータ1bである。
【0019】
2重化ネットワーク中継装置2には、それぞれ1系コンピュータ1a、2系コンピュータ1bである、2重化されたコンピュータ装置(以下、「2重化コンピュータ1」と総称する)が接続され、フレームを送受信する。2重化コンピュータ1には、2分岐接続装置10a,10bが接続され、1系コンピュータ1a、2系コンピュータ1bは、それぞれ独立して動作する。2分岐接続装置10a,10bは、1系コンピュータ1a、2系コンピュータ1bがそれぞれ送受信する経路を分岐しており、それぞれ独立して動作する。
【0020】
1系コンピュータ1aから受信したフレームの送信元となる1系ネットワーク中継装置2aは、2重化コンピュータ1が送信するフレームを中継して1系ネットワーク5aに接続され、他の駅に設置された1系ネットワーク中継装置2aに送信する。一方、フレームの宛先となる他の駅に設置された1系ネットワーク中継装置2aは、送信元の1系ネットワーク中継装置2aから2重化ネットワーク5を介して受信したフレームを、宛先の2重化コンピュータ1に中継している。フレームには、宛先のコンピュータ、宛先のネットワーク中継装置を特定するための符号(例えば、MACアドレス、IPアドレス)と共に、送信元の1系ネットワーク中継装置2aが中継するフレーム毎に通信番号が付されている。このため、宛先の1系ネットワーク中継装置2aは、2重化ネットワーク5から2つの同じフレームを受信しても、フレームに付された通信番号に基づいて既に中継したフレームであるか判断することができる。
【0021】
図1に示す2重化ネットワーク5には、それぞれ1系ネットワーク接続装置3a,2系ネットワーク接続装置3bである、2重化されたネットワーク接続装置(以下、「2重化ネットワーク接続装置3」と総称する)を介して2重化ネットワーク中継装置2が設置される。2重化ネットワーク接続装置3は、2重化ネットワーク5に接続され、2重化ネットワーク中継装置2から受信したフレームを2重化ネットワーク5に送信し、2重化ネットワーク5から受信したフレームを2重化ネットワーク中継装置2に送信する。また、2重化ネットワーク中継装置2は、駅毎に設置されているため、駅間でのフレーム通信は2重化ネットワーク5を介して行われる。そして、1系ネットワーク接続装置3aと2系ネットワーク接続装置3bは、それぞれ独立して動作する。
【0022】
ここで、第1の駅に設置された1系ネットワーク接続装置3aは、1系ネットワーク5aに接続され、2系ネットワーク接続装置3bは、2系ネットワーク5bに接続される。また、第1の駅に設置された2重化ネットワーク中継装置2には、それぞれ1系コンピュータ1aと2系コンピュータ1bが接続される。
【0023】
2重化コンピュータ1、2重化ネットワーク中継装置2は、いわゆるホットスタンバイの2重化方式が採られている。そして、1系コンピュータ1aは、予め定められたアプリケーションプログラムを実行する現用系として動作し、1系ネットワーク中継装置2aは、現用系として2重化ネットワーク5にフレームを中継する。また、2系コンピュータ1bは、そのアプリケーションプログラムの実行を待機している待機系として動作し、2系ネットワーク中継装置2bは、待機系として1系ネットワーク中継装置2aの動作が異常となった場合に、2重化ネットワーク5にフレームを中継する。
【0024】
ホットスタンバイの2重化コンピュータ1は、現用系の1系コンピュータ1aの正常機能が喪失した場合や、1系コンピュータ1aと2重化ネットワーク接続装置3との間の通信に障害が発生した場合等に以下の動作を行う。すなわち、このような場合には現用系の1系コンピュータ1aが待機系となり、それまでの待機系の2系コンピュータ1bが現用系となって、所定のアプリケーションを継続して実行する。
【0025】
なお、第2及び第3の駅についても、2重化コンピュータ1、2重化ネットワーク中継装置2、2重化ネットワーク接続装置3がそれぞれ設置されるが、重複する説明を省略する。また、2重化ネットワーク中継装置2及び2重化ネットワーク接続装置3を接続する支線伝送路、並びに2重化ネットワーク中継装置2と2重化コンピュータ1を接続する支線伝送路を略称して「支線」と言うこともある。支線は、システムの構成に応じて増減することが可能である。そして、支線内で接続された各装置については「ネットワークノード」と呼ぶ。また、例えば、誤ってケーブル等が接続されると、2重化コンピュータ1や2重化ネットワーク中継装置2が受信したフレームは廃棄する仕様としてある。
【0026】
次に、2重化ネットワーク中継装置2の詳細な構成例について説明する。
図2は、2重化ネットワーク中継装置2の内部構成の例を示すブロック図である。
【0027】
2重化ネットワーク5は、それぞれ、リング状のネットワークとして構成され、1系ネットワーク5aと2系ネットワーク5bは、互いに独立に動作する。従って、第1の駅に設置された2重化コンピュータ1から送出されたフレームは、2重化ネットワーク中継装置2によって、2つの同一のフレームに分離される。分離されたフレームはそれぞれ別個に、2重化ネットワーク5を経由して、例えば、第2の駅に設置された宛先となる2重化コンピュータ1へ送信される。ただし、実際に第2の駅に設置された2重化コンピュータ1が受信するのは、先に到着したフレームだけであり、後に到着したフレームは宛先の2重化ネットワーク中継装置2によって廃棄される。
【0028】
2重化ネットワーク中継装置2が備えるネットワークスイッチ20は、例えば、一般のスイッチングハブなどを用いて構成することができる。その基本機能は、2重化ネットワーク5で通信されるフレームから2重化ネットワーク中継装置2に接続されている2重化コンピュータ1宛のフレームを取り出し、その取り出したフレームを2重化コンピュータ1へ送信することにある。
【0029】
なお、ネットワークスイッチ20は、他の駅に設置された1系ネットワーク5aから送信された、特定の宛先の障害を監視する監視フレームに応答して、所定の応答フレームを返送する機能など、一般のスイッチングハブが有していない通信経路を診断する機能なども有している。
【0030】
また、2分岐接続装置10は、1つの伝送路を2つの伝送路に分岐すると共に、2つの伝送路を1つの伝送路に合流させる機能を有する。すなわち、2分岐接続装置10は、2重化コンピュータ1に接続された伝送路を、1系ネットワーク5aに到る伝送路と2系ネットワーク5bに到る伝送路とに分岐する。また、1系ネットワーク5aからの伝送路と2系ネットワーク5bからの伝送路とを、2重化コンピュータ1に接続された伝送路に合流させる。
【0031】
図3は、2重化ネットワーク中継装置2において、現用系のコンピュータと2重化ネットワーク5との間に構成されるフレームの通信経路の例を示した図である。
図3Aは、1系コンピュータ1aが現用系である場合における動作中の伝送路を示し、
図3Bは、2系コンピュータ1bが現用系である場合における動作中の伝送路を示す。なお、
図3において、太い実線は、動作中の通信経路を表し、破線は、待機中の通信経路を表す。
【0032】
図3Aに示すように、1系コンピュータ1aが現用系であるときには、1系コンピュータ1aは、動作中の伝送路により、2分岐接続装置10a、ネットワークスイッチ20a及び1系ネットワーク接続装置3aを介して1系ネットワーク5aに接続される。さらに、1系コンピュータ1aは、2分岐接続装置10a、ネットワークスイッチ20b及び2系ネットワーク接続装置3bを介して2系ネットワーク5bに接続される。
【0033】
また、
図3Bに示すように、2系コンピュータ1bが現用系であるときには、2系コンピュータ1bは、動作中の伝送路により、2分岐接続装置10b、ネットワークスイッチ20a及び1系ネットワーク接続装置3aを介して1系ネットワーク5aに接続される。さらに、2系コンピュータ1bは、2分岐接続装置10b、ネットワークスイッチ20b及び2系ネットワーク接続装置3bを介して2系ネットワーク5bに接続される。
【0034】
以上のように、ネットワークスイッチ20及び2分岐接続装置10の基本機能は、いずれも、2重化コンピュータ1と2重化ネットワーク接続装置3との間の伝送路を切替えることにある。
【0035】
続いて、
図4を参照して、2重化ネットワーク中継装置2のさらに詳細な構成及び機能について説明する。
図4は、ネットワークスイッチ20及び2分岐接続装置10の詳細な構成例を示すブロック図である。
【0036】
上述したように、2分岐接続装置10においては、2重化コンピュータ1に接続された伝送路11は、1系ネットワーク5aに到る伝送路12と2系ネットワーク5bに到る伝送路13とに分岐される。
【0037】
一般に、伝送路は、送信伝送路と受信伝送路がペアになって構成されているが、2分岐接続装置10におけるフレームの送受信処理は、送信伝送路と受信伝送路とでは、一部異なっているので、以下に補足する。
【0038】
2分岐接続装置10において、2重化コンピュータ1からフレームが送信される側の送信伝送路については、伝送路11を、電気的に単純に、伝送路12と伝送路13とに分岐するものであればよい。そうすれば、現用系の1系コンピュータ1aから出力されたフレームは、2分岐接続装置10によって同じフレームが1系ネットワーク5a側の伝送路12にも、2系ネットワーク5b側の伝送路13にも送出されることになる。なお、待機系の2系コンピュータ1bからは、1系ネットワーク5a又は2系ネットワーク5bに到るフレームは送出されない。
【0039】
それに対し、2重化コンピュータ1がフレームを受信する側の伝送路については、伝送路11〜13は、ハードウェアの構成として切り離される。これは、伝送路12からのフレームと伝送路13からのフレームとの衝突を回避することを目的としたものである。そこで、2分岐接続装置10には、フレームの衝突を調整するための伝送制御を行う受信フレーム伝送制御部14が設置されている。
【0040】
すなわち、受信フレーム伝送制御部14には、例えば、受信フレームを一時的に記憶するバッファメモリ15が設置される。そして、1系ネットワーク5aからの受信フレーム及び2系ネットワーク5bからの受信フレームは、一旦バッファメモリ15に記憶された後、順次、2重化コンピュータ1に接続された伝送路11に送出される。
【0041】
次に、ネットワークスイッチ20の詳細な構成及び機能について説明する。
ネットワークスイッチ20は、フレーム伝送制御部21、経路切替部22、監視フレーム伝送制御部23、現用系接続スイッチ制御部24、重複フレーム廃棄処理部25、受信管理テーブル26、送信管理テーブル27、バッファメモリ28を備える。
【0042】
フレーム伝送制御部21は、いわゆる一般のスイッチングハブそのものに対応する構成及び機能を有し、1系ネットワーク5a又は2系ネットワーク5bの幹線伝送路の一部を構成する。
【0043】
すなわち、フレーム伝送制御部21には、図示しない複数の通信ポートが設置されている。各通信ポートは、入力伝送路及び出力伝送路の接続端子を有している。フレーム伝送制御部21は、ある通信ポートの入力伝送路から入力したフレームに含まれる宛先アドレス(MACアドレス等)に応じて、適宜、そのフレームを出力する通信ポートを決定する。そして、フレーム伝送制御部21は、入力したフレームを、決定した通信ポートに接続された出力伝送路へ送出する。このとき、フレーム伝送制御部21は、フレームの送信順を示す通信番号をフレームに付して送信する。
【0044】
ここで、フレーム伝送制御部21は、全てのフレームに通信番号を付していない。フレーム伝送制御部21は、2重化コンピュータ1のうち、1系コンピュータ1a又は2系コンピュータ1bのいずれかから、フレームのうち、特定の宛先に対して送信された監視フレームを受信した場合には、そのまま監視フレームを送出する。ここで、フレーム伝送制御部21は、特定の宛先として、ポート番号が指定されたフレームを監視フレームとして識別している。このポート番号を用いると、支線と幹線、1系ネットワーク5aと2系ネットワーク5bに対してどのようにフレームを中継するかが判断される。一方、1系コンピュータ1a又は2系コンピュータ1bのいずれかから、監視フレーム以外の通常フレームを受信した場合には、通信番号を付加して通常フレームを送出するようにしている。
【0045】
また、フレーム伝送制御部21は、1系コンピュータ1a又は2系コンピュータ1bのいずれかから、特定の宛先に対して送信された監視フレームを受信した場合には、2重化ネットワーク5のうち、片系のネットワークである1系ネットワーク5a又は2系ネットワーク5bのいずれかに監視フレームを送出する。1系コンピュータ1a又は2系コンピュータ1bのいずれかから、通常フレームを受信した場合には、2重化ネットワーク5のうち、両系のネットワークである1系ネットワーク5a及び2系ネットワーク5bに、通信番号を付加して通常フレームを送出する。また、フレーム伝送制御部21は、特定の宛先から監視フレームに対する応答フレームを受信した場合には、監視フレームを送信した、支線内の1系コンピュータ1a又は2系コンピュータ1bのいずれかに対して応答フレームを送信している。
【0046】
また、フレーム伝送制御部21は、2重化ネットワーク5から1対多の通信方式(例えば、ブロードキャスト)でフレームが到着すると、フレームから取得した通信番号を送信元の2重化ネットワーク中継装置2毎に受信管理テーブル26に書込む。そして、2重化ネットワーク5から1対1の通信方式(例えば、ユニキャスト)でフレームが到着すると、フレームから取得した通信番号、及びコンピュータを特定する識別符号を送信元の2重化ネットワーク中継装置2毎に受信管理テーブル26に書込んで、フレームの着順を通信方式毎に管理する。
【0047】
このように宛先の2重化ネットワーク中継装置2が2重化ネットワーク5から受信するフレームの通信番号を通信方式毎に管理する。このため、送信元の2重化ネットワーク中継装置2は、ブロードキャストで送信したフレームの送信通信番号を管理する。一方、宛先の2重化ネットワーク中継装置2は、ユニキャストで受信したフレームの受信通信番号と、2重化コンピュータ1のMACアドレスを管理してフレームを中継する2重化コンピュータ1を特定している。このため、ユニキャストとブロードキャストが混在したフレームが到着しても、宛先の2重化ネットワーク中継装置2は、正しくフレームが受信したことを識別することができる。
【0048】
経路切替部22は、フレーム伝送制御部21に接続されている伝送路21aに接続すべき伝送路を、1系コンピュータ1aに到る伝送路22a及び2系コンピュータ1bに到る伝送路22bから一方を選択し、その接続関係を切替える装置である。伝送路22aには、スイッチSWaが設置され、伝送路22bには、スイッチSWbが設置され、そのうち一方がオンし、他方がオフする。なお、
図4では、スイッチSWaがオン、スイッチSWbがオフしている。
【0049】
スイッチSWa,SWbのオン又はオフの制御は、現用系接続スイッチ制御部24から供給される現用系指示信号によって行われる。ここで、現用系指示信号は、1系コンピュータ1a又は2系コンピュータ1bのいずれかを現用系として指示する信号である。スイッチSWa,SWbは、現用系となっている1系コンピュータ1a又は2系コンピュータ1b側に接続される伝送路22a,22b上のものがオンし、他方がオフする。
【0050】
従って、ネットワークスイッチ20a,20bは、現用系となっている1系コンピュータ1a又は2系コンピュータ1bに到る伝送路を接続する。そして、待機系となっている2系コンピュータ1b又は1系コンピュータ1aに到る伝送路を切断する。
【0051】
なお、これらのスイッチSWa,SWbは、ハードウェア的に伝送路を切断するものに限定されるものではない。例えば、ネットワークスイッチ20にマイクロプロセッサが設置される場合には、そのマイクロプロセッサがプログラム制御で2重化コンピュータ1との間でフレームの送受信をするか、又は、送受信を停止するかによって、スイッチSWa,SWbのオン又はオフを実現してもよい。
【0052】
監視フレーム伝送制御部23は、2重化コンピュータ1から自装置(ネットワークスイッチ20)宛に送信された監視フレームを受信すると、そのとき自装置が正常に動作している場合には、自装置が正常であることを示す情報を含んだ応答フレームを、送信元の2重化コンピュータ1のそれぞれに返送する。
【0053】
ここで、2重化コンピュータ1から送信される監視フレームには、自身の動作状態を示す情報、すなわち、自身が現用系であるか又は待機系であるかを示す情報が含まれている。現用系接続スイッチ制御部24は、監視フレーム伝送制御部23によって受信された監視フレームからその現用系であるか又は待機系であるかを示す情報を取り出し、その情報に基づき、経路切替部22に対し、現用系指示信号を出力する。現用系指示信号は、例えば、1ビットのフラグ信号であり、“0”の場合、1系コンピュータ1aが現用系、“1”の場合、2系コンピュータ1bが待機系と定める。
【0054】
上述したように2重化ネットワーク5は互いに独立してフレームを伝送する。ここで、現用系の1系コンピュータ1aから送信されたフレームは、1系ネットワーク5a及び2系ネットワーク5bの両方を経由して、宛先となる現用系の1系コンピュータ1aへ届けられる。その場合、宛先の現用系の1系コンピュータ1aは、同じフレームが2重に到着しており、一方のフレームを廃棄する必要がある。
【0055】
重複フレームの廃棄処理は、現用系の1系コンピュータ1a自身が行うことができる。そこで、2重化ネットワーク中継装置2が備えるネットワークスイッチ20a,20bのそれぞれに重複フレーム廃棄処理部25を設け、重複フレーム廃棄処理部25で重複フレームの一方のフレームを廃棄する。重複フレーム廃棄処理部25は、送信元の2重化ネットワーク中継装置2が2重化ネットワーク5で同じフレームを送信する場合に、フレーム伝送制御部21から渡されたフレームの内、ネットワークから先着したフレームは受信処理を行ってフレーム伝送制御部21に返す。そして、先着したフレームと同じ通信番号が付されてネットワークから後着したフレームは廃棄処理を行う処理を行う。
【0056】
具体的には、ネットワークスイッチ20aの重複フレーム廃棄処理部25は、フレーム伝送制御部21が受信したフレームから現用系の1系コンピュータ1a宛のフレームを取り出す。そして、同じ2重化ネットワーク中継装置2内にある他方のネットワークスイッチ20bの重複フレーム廃棄処理部25で同様にして取り出されたフレームと比較する。この比較に際して、後述するようにフレームに付された通信番号が参照される。
【0057】
例えば、受信したフレームと同じフレームが他方のネットワークスイッチ20bの重複フレーム廃棄処理部25で既に取り出されていた場合、すなわち、先着のフレームがあった場合には、その取り出した後着のフレームを廃棄する。これにより、現用系の1系コンピュータ1aは、重複したフレームを受信しなくて済む。
【0058】
上記の処理は、1系コンピュータ1aが待機系であり、2系コンピュータ1bが現用系である場合にも同様に行われる。このときには、上記の処理で現用系及び待機系として説明した処理ブロックを逆に入れ替えればよい。
【0059】
なお、フレームに付される通信番号は、2重化ネットワーク中継装置2にフレームが到着した順で受信管理テーブル26を用いて管理される。2重化ネットワーク中継装置2は、2重化ネットワーク5に2重化ネットワーク接続装置3を介して接続される全ての2重化ネットワーク中継装置2毎に受信管理テーブル26を作成しておく。この受信管理テーブル26は、2重化ネットワーク5から到着したフレームの到着順を管理すると共に、送信元の2重化ネットワーク中継装置2によってフレームが送信された順序を示す通信番号を、送信元の2重化ネットワーク中継装置2毎に管理する。そして、受信管理テーブル26は、ネットワークスイッチ20a,20bのそれぞれに設けてあり、2重化ネットワーク5に接続される各駅の2重化ネットワーク中継装置2毎に複数ある。このため、2重化ネットワーク5から受信したフレームの送信元である2重化ネットワーク中継装置2について個別にフレームの通信番号を管理することができる。
【0060】
フレーム伝送制御部21は、ネットワークスイッチ20aが現用系に設定されると、現用系の受信管理テーブル26に書き込んだ内容を適宜待機系の受信管理テーブル26に同期させる。これにより、ネットワークスイッチ20aが待機系に変更され、ネットワークスイッチ20bが現用系に変更された場合であっても、ネットワークスイッチ20bは、自身が持つ受信管理テーブル26によってフレームの受信状況の管理を引き継ぐことができる。
【0061】
また、2重化コンピュータ1が送信するフレームに付される通信番号は、2重化ネットワーク中継装置2が送信する順に送信管理テーブル27を用いて管理される。送信管理テーブル27は、ネットワークスイッチ20a,20bのそれぞれに設けてあり、2重化ネットワーク5に接続される各駅の2重化ネットワーク中継装置2毎に複数ある。
【0062】
フレーム伝送制御部21は、ネットワークスイッチ20aが現用系に設定されると、現用系の送信管理テーブル27に書き込んだ内容を適宜待機系の送信管理テーブル27に同期させる。これにより、ネットワークスイッチ20aが待機系に変更され、ネットワークスイッチ20bが現用系に変更された場合であっても、ネットワークスイッチ20bは、自身が持つ送信管理テーブル27によってフレームの受信状況の管理を引き継ぐことができる。
【0063】
次に、フレームの構成例を説明する。
図5は、2重化ネットワーク中継装置2が中継するフレームのフレームフォーマットの例を示す説明図である。
【0064】
このフレームフォーマットは、2重化ネットワーク中継装置2が中継するフレームに適用される。このフレームフォーマットには、MACアドレスフィールド、IPアドレスフィールド、ユーザ情報フィールド、送受信の番号フィールドが含まれる。なお、これらのフィールド以外の情報も含まれる場合があるが、ここでは説明を省略する。
【0065】
MACアドレスフィールドには、ユニキャスト通信が行われる際に宛先のコンピュータを特定するMACアドレスが書き込まれる。
IPアドレスフィールドには、ネットワーク中継装置に割り振られるIPアドレスが書き込まれる。
ユーザ情報フィールドには、フレームがユニキャスト通信又はブロードキャスト通信のうち、いずれの通信方式で送信されたかが書き込まれる。この通信方式の情報は、ユーザ情報の一例として挙げたものであり、他にも様々な情報が含まれる。
送信通信番号フィールドには、送信するフレームの通信番号が書き込まれる。
受信通信番号フィールドには、受信するフレームの通信番号が書き込まれる。
なお、送受信の番号フィールドの数は、2重化ネットワークシステム6で用いる通信方式の数に応じて増減することが可能であり、「トレーラ」とも呼ばれる。このトレーラは、上述したように監視フレームには付されず、通常フレームに付される。
【0066】
ブロードキャストを用いてフレームを送受信する場合には、例えば、ICMP(Internet Control Message Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)が用いられる。また、ユニキャストを用いてフレームを送受信する場合には、例えば、ICMP,UDP,TCP(Transmission Control Protocol)が用いられる。
【0067】
2重化ネットワーク中継装置2は、支線内の2重化コンピュータ1からフレームを受信すると、送受信の通信番号フィールドを加え、2重化ネットワーク接続装置3を介して2重化ネットワーク5にフレームを中継する。このようにフレームに送受信の通信番号フィールドを加える処理を「カプセル化処理」と呼ぶ。逆に、2重化ネットワーク中継装置2は、2重化ネットワーク5から2重化ネットワーク接続装置3を介して受信したフレームから送受信の通信番号フィールドの内容を読み取った後、送受信の通信番号フィールドをフレームから除いて、支線内の2重化コンピュータ1にフレームを中継する。このようにフレームから送受信の通信番号フィールドを除く処理を「デカプセル化処理」と呼ぶ。
【0068】
ここで、送受信の通信番号フィールドは、フレームの最後尾に追加することが望ましい。例えば、フレームの送信中にネットワーク障害が発生した場合には、2重化ネットワーク5の途中にアナライザを入れてフレームの内容及び2重化ネットワーク5の通信状況を解析する運用が行われている。このアナライザは、一般的にMACアドレスフィールド、IPアドレスフィールド、ユーザ情報フィールドの並び順でフレームから取り出した内容を確認し、プロトコルの解析を行う。このため、アナライザによる解析が行いやすいように送受信の通信番号フィールドの配置する箇所を検討する必要がある。本実施の形態例に係るフレームでは、ユーザ情報フィールドの後ろに送受信の通信番号フィールドを設けることによって、従来から行っているアナライザでの解析やジャーナル機能の実行に影響することなく、アナライザの解析範囲を一般的なフィールドの並びに従わせることができる。
【0069】
次に、監視フレームと応答フレームの通信経路の例について、
図6〜
図15を参照して説明する。
図6は、監視フレームと応答フレームの通信経路の例を説明するための基本構成図である。
図6は、ほぼ
図1に示すネットワーク接続図と共通するが、2分岐接続装置10a,10bを加えた点が異なる。そして、監視フレームの送信元は第1の駅に設置された1系コンピュータ1a又は2系ネットワーク5bのいずれかとし、監視フレームの宛先は第2又は第3の駅に設置された各装置とする。また、各装置には、その装置名以外に装置間の区別を容易にするために、A〜Fの符号を付けている。また、以降の図における実線の矢印は、フレームが宛先の装置に届くことを表し、破線の矢印は、フレームが宛先とは異なる他の装置に届くものの、破棄等されることを表す。
【0070】
図7は、ユニキャストとブロードキャストの通信経路の例を示すネットワーク接続図である。
図7Aは、ユニキャストを用いた通信経路の例を示し、
図7Bは、ブロードキャストを用いた通信経路の例を示す。
【0071】
図7Aは、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aが、第2の駅に設置された1系コンピュータ1aにユニキャストを用いて、監視フレーム以外の通常フレーム(pingコマンドを含む)を送信する場合を示す。ここで、通常フレームとは、2重化ネットワークシステム6に設置された各装置や2重化ネットワーク5の診断に用いられないフレームをいう。
【0072】
通常フレームは、第1の駅に設置された2分岐接続装置10aによって分岐され、1系ネットワーク中継装置2a(A)と、2系ネットワーク中継装置2b(B)に到達する。待機系である2系ネットワーク中継装置2b(B)は、この通常フレームを破棄するが、現用系である1系ネットワーク中継装置2a(A)は、通常フレームにカプセル化処理を行って、1系ネットワーク接続装置3a(A)と2系ネットワーク接続装置3b(B)に中継する。
【0073】
第1の駅に設置された1系ネットワーク接続装置3a(A)は、1系ネットワーク5aに通常フレームを送信し、第2の駅に設置された1系ネットワーク接続装置3a(C)が通常フレームを受信する。同様に、第1の駅に設置された2系ネットワーク接続装置3b(B)は、2系ネットワーク5bに通常フレームを送信し、第2の駅に設置された2系ネットワーク接続装置3b(C)が通常フレームを受信する。
【0074】
1系ネットワーク接続装置3a(C)は、受信した通常フレームを第2の駅に設置された1系ネットワーク中継装置2a(C)と2系ネットワーク中継装置2b(D)に送信する。同様に、2系ネットワーク接続装置3b(D)は、受信した通常フレームを1系ネットワーク中継装置2a(C)と2系ネットワーク中継装置2b(D)に送信する。ここで、待機系である2系ネットワーク中継装置2b(D)は、1系ネットワーク接続装置3a(C)と2系ネットワーク接続装置3b(D)から受信した通常フレームを廃棄する。
【0075】
一方、1系ネットワーク中継装置2a(C)は、第2の駅に設置された2分岐接続装置10aに通常フレームを中継し、この2分岐接続装置10aは、第2の駅に設置された1系コンピュータ1aに通常フレームを渡す。このようにして、ユニキャストを用いると、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aから第2の駅に設置された1系コンピュータ1aに2重化ネットワーク5を介して通常フレームを送信することができる。
【0076】
なお、1系ネットワーク中継装置2a(A)は、各装置のアドレスを学習する前の時点では、第1の駅に設置された2分岐接続装置10aから受信した通常フレームを、支線内の他のコンピュータ1′に中継してしまう。ただし、他のコンピュータ1′に中継された通常フレームは、他のコンピュータ1′までの経路を辿っても他のコンピュータ1′で破棄される。
【0077】
また、第3の駅に設置された1系ネットワーク接続装置3a(E)と2系ネットワーク接続装置3b(F)は、各装置のアドレスを学習する前の時点では、それぞれ通常フレームを1系ネットワーク中継装置2a(E)と2系ネットワーク中継装置2b(F)に送ってしまう。1系ネットワーク中継装置2a(E)は、支線内の不図示の装置に通常フレームを中継してしまうが、第3の駅に設置された不図示のコンピュータは通常フレームの宛先にふくまれていないため、通常フレームを処理に用いない。しかし、2系ネットワーク中継装置2b(F)は通常フレームを破棄する。
【0078】
このように2重化ネットワーク5を経由して行われる監視フレーム及び応答フレームの送受信に際して、現用系の2重化ネットワーク中継装置2が搭載するネットワークスイッチが支線内の2重化コンピュータ1のMACアドレスを学習する前は、支線内の2重化コンピュータ1に監視フレームを中継している。ただし、ネットワークスイッチがMACアドレスを学習した後は、支線内の2重化コンピュータ1を宛先としない監視フレームの中継を行わない。
【0079】
図7Bは、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aが、ブロードキャストを用いて通常フレームを送信する場合を示す。このとき、
図7Aでは破線で表されていた通信経路は全て実線で表される。つまり、2重化ネットワークシステム6内に配置された各装置に対して、一斉に通常フレームが送信されたことが分かる。
【0080】
このように、送信元の2重化コンピュータ1は、1系ネットワーク中継装置2aに通常フレームを送信すると、1系ネットワーク中継装置2aは、通常フレームをカプセル化処理して2重化ネットワーク5に送る。そして、宛先の1系ネットワーク中継装置2aは、受け取った通常フレームをデカプセル化処理して宛先の2重化コンピュータ1に中継する。このデカプセル化処理において、通常フレームから通し番号が読み出されるため、宛先の1系ネットワーク中継装置2aは、1系ネットワーク5aと2系ネットワーク5bの両方から届く通常フレームのうち、先着したものをデカプセル化処理し、後着したものを廃棄する。これにより、宛先の1系コンピュータ1aは、通常フレームを重複して受信することがない。
【0081】
次に、
図8と
図9を参照して、1系ネットワーク中継装置2a(C),2系ネットワーク中継装置2b(D)への監視フレーム及び応答フレームの通信経路について説明する。
【0082】
従来の2重化ネットワークシステムでは、送信元となる2重化コンピュータ装置が同一のフレームを2重化ネットワークで送出することにより、宛先の2重化コンピュータ装置がフレームを取りこぼさないようにするため、監視フレームも2重化されて送出されていた。ここで、2重化ネットワークや装置の一方に障害が発生しても、他方のネットワークや装置によって、監視フレームに対する応答フレームが返されると、監視フレームの送信元のコンピュータ装置は、障害が発生したことを速やかに把握できない。このため、本実施の形態例に係る2重化ネットワークシステム6では、監視フレームを2重化ネットワーク5の片系のネットワークで送出し、通常フレームを2重化ネットワーク5の両系のネットワークで送出するようにしている。
【0083】
図8は、第1の駅に設置された1系コンピュータ1a(図中では2重化コンピュータ1と表す)が、1系ネットワーク5aを介して1系ネットワーク中継装置2a(C)とフレーム送受信を行う場合の通信経路の例を示すネットワーク接続図である。
図8Aは、1系ネットワーク中継装置2a(C)へ監視フレームを送信する場合の通信経路の例を示し、
図8Bは、1系ネットワーク中継装置2a(C)から応答フレームを受信する場合の通信経路の例を示す。
【0084】
図8Aに示すように、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aが、1系ネットワーク中継装置2a(C)に監視フレームを送信する場合を想定する。この1系コンピュータ1aは、2分岐接続装置10aに監視フレームを送信し、2分岐接続装置10aは、分岐した監視フレームを1系ネットワーク中継装置2a(A)と2系ネットワーク中継装置2b(B)に送信する。このとき、2系ネットワーク中継装置2b(B)は受信した監視フレームを廃棄する。
【0085】
一方、1系ネットワーク中継装置2a(A)は、1系ネットワーク中継装置2a(C)を宛先とするポート番号(60050,60051,60053)に監視フレームが送信されたことを認識すると、カプセル化処理を行わずに、監視フレームを1系ネットワーク接続装置3a(A)に送信する。ここで、ポート番号(6005*)は、幹線に中継される幹線コマンドであり、ポート番号(6004*)は、幹線に中継されず、支線に中継される支線コマンドであることを表す。1系ネットワーク接続装置3a(A)は、受信した監視フレームを1系ネットワーク5aに送信する。
【0086】
1系ネットワーク接続装置3a(C)は、1系ネットワーク5aから受信した監視フレームを1系ネットワーク中継装置2a(C)と2系ネットワーク中継装置2b(D)に送信する。ここで、2系ネットワーク中継装置2b(D)は、監視フレームが自装置を宛先としていないため廃棄する。一方、1系ネットワーク中継装置2a(C)は、自装置を宛先とする監視フレームを受け取ったため、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aに応答フレームを送信する処理を行う。
【0087】
このように1系ネットワーク中継装置2a(C)に監視フレームを送信する際、1系ネットワーク中継装置2a(A)と2系ネットワーク中継装置2b(B)は、それぞれUDPのポート番号にてカプセル化処理を行わないまま監視フレームを中継する。監視フレームを受信した1系ネットワーク中継装置2a(C)は、MACアドレスが自分宛てである場合には応答フレームを返す。しかし、2系ネットワーク中継装置2b(D)は、MACアドレスが自分宛てでなければ、別の駅に設置された2重化ネットワーク中継装置2が宛先と判断して監視フレームを廃棄する。
【0088】
図8Bに示すように、1系ネットワーク中継装置2a(C)は、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aに応答フレームを送信する。この応答フレームは、1系ネットワーク中継装置2a(C)によってカプセル化処理がなされない。そして、1系ネットワーク接続装置3a(C)、1系ネットワーク接続装置3a(A)及び1系ネットワーク中継装置2a(A)は、応答フレームをそのまま中継する。この応答フレームは、2分岐接続装置10aを経て、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aに到達する。
【0089】
図9は、1系ネットワーク5aを介して2重化ネットワーク中継装置2がフレームを送受信する際における通信経路の例を示すネットワーク接続図である。
図9Aは、2系ネットワーク中継装置2b(D)へ監視フレームを送信する場合の通信経路の例を示し、
図9Bは、1系ネットワーク中継装置2a(D)から応答フレームを受信する場合の通信経路の例を示す。
【0090】
図9Aと
図9Bに示すように、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aは、2系ネットワーク中継装置2b(D)に1系ネットワーク5aを経由して監視フレームを送信する。そして、2系ネットワーク中継装置2b(D)は、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aに1系ネットワーク5aを経由して応答フレームを送信する。このとき、1系ネットワーク中継装置2a(A)は、監視フレームのカプセル化処理を行わない。したがって、2系ネットワーク中継装置2b(D)は、応答フレームのカプセル化処理を行っていない。
【0091】
図8と
図9に示したように、第1の駅に設置された1系ネットワーク中継装置2a(A)は、監視フレームを送信する際にカプセル化処理を行うことなく、1系ネットワーク5aにだけ監視フレームを送信している。また、1系ネットワーク中継装置2a(C)と2系ネットワーク中継装置2b(D)も応答フレームを送信する際にカプセル化処理を行うことなく、1系ネットワーク5aにだけ応答フレームを送信している。そして、監視フレームと応答フレームは、いずれも1系ネットワーク5aだけを経由して送受信され、2系ネットワーク5bは経由しない。
【0092】
次に、
図10と
図11を参照して、第1の駅に設置された2系コンピュータ1b(図中では2重化コンピュータ1と表す)から1系ネットワーク中継装置2a(C),2系ネットワーク中継装置2b(D)への監視フレーム及び応答フレームの通信経路について説明する。
図10は、2系ネットワーク5bを介して1系ネットワーク中継装置2a(C)とフレーム送受信を行う場合の通信経路の例を示すネットワーク接続図である。
図10Aは、1系ネットワーク中継装置2a(C)へ監視フレームを送信する場合の通信経路の例を示し、
図10Bは、1系ネットワーク中継装置2a(C)から応答フレームを受信する場合の通信経路の例を示す。
【0093】
図10Aは、第1の駅に設置された2系コンピュータ1bが、1系ネットワーク中継装置2a(C)に監視フレームを送信する場合を示す。この2系コンピュータ1bは、2分岐接続装置10bに監視フレームを送信し、2分岐接続装置10bは、分岐した監視フレームを1系ネットワーク中継装置2a(A)と2系ネットワーク中継装置2b(B)に送信する。このとき、2系ネットワーク中継装置2b(B)は受信した監視フレームを廃棄する。
【0094】
一方、1系ネットワーク中継装置2a(A)は、1系ネットワーク中継装置2a(C)を宛先とするポート番号(60055,60056,60058)に監視フレームが送信されたことを認識すると、カプセル化処理を行わずに、監視フレームを2系ネットワーク接続装置3b(B)に送信する。2系ネットワーク接続装置3b(B)は、受信した監視フレームを2系ネットワーク5bに送信する。
【0095】
1系ネットワーク接続装置3b(D)は、2系ネットワーク5bから受信した監視フレームを1系ネットワーク中継装置2a(C)と2系ネットワーク中継装置2b(D)に送信する。ここで、2系ネットワーク中継装置2b(D)は、監視フレームが自装置を宛先としていないため廃棄する。一方、1系ネットワーク中継装置2a(C)は、自装置を宛先とする監視フレームを受け取ったため、第1の駅に設置された2系コンピュータ1bに応答フレームを送信する処理を行う。
【0096】
図10Bに示すように、1系ネットワーク中継装置2a(C)は、第1の駅に設置された2系コンピュータ1bに応答フレームを送信する。この応答フレームは、1系ネットワーク中継装置2a(C)によってカプセル化処理されない。そして、2系ネットワーク接続装置3b(B)と1系ネットワーク中継装置2a(A)は、応答フレームをそのまま中継する。この応答フレームは、2分岐接続装置10bを経て、第1の駅に設置された2系コンピュータ1bに到達する。
【0097】
図11は、2系ネットワーク5bを介して2重化ネットワーク中継装置2がフレームを送受信する際における通信経路の例を示すネットワーク接続図である。
図11Aは、2系ネットワーク中継装置2b(D)への監視フレームの通信経路の例を示し、
図11Bは、1系ネットワーク中継装置2a(D)からの応答フレームの通信経路の例を示す。
【0098】
図11Aと
図11Bに示すように、第1の駅に設置された2系コンピュータ1bは、2系ネットワーク中継装置2b(D)に2系ネットワーク5bを経由して監視フレームを送信する。そして、2系ネットワーク中継装置2b(D)は、第1の駅に設置された2系コンピュータ1bに2系ネットワーク5bを経由して応答フレームを送信する。このとき、1系ネットワーク中継装置2a(A)は、監視フレームのカプセル化処理を行わない。したがって、2系ネットワーク中継装置2b(D)は、応答フレームのカプセル化処理を行っていない。
【0099】
図10と
図11に示したように、1系ネットワーク中継装置2a(A)は、監視フレームを送信する際にカプセル化処理を行うことなく、2系ネットワーク5bにだけ監視フレームを送信している。また、1系ネットワーク中継装置2a(C)と2系ネットワーク中継装置2b(D)も応答フレームを送信する際にカプセル化処理を行うことなく、2系ネットワーク5bにだけ応答フレームを送信している。このため、監視フレームと応答フレームは、いずれも2系ネットワーク5bだけを経由して送受信され、1系ネットワーク5aは経由しない。
【0100】
次に、
図12〜
図15を参照して、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aから1系ネットワーク接続装置3a(A),2系ネットワーク接続装置3b(B),1系ネットワーク接続装置3a(C),2系ネットワーク接続装置3b(D)への監視フレーム及び応答フレームの通信経路について説明する。
【0101】
図12は、1系ネットワーク接続装置3a(A)とフレーム送受信を行う場合の通信経路の例を示すネットワーク接続図である。
図12Aは、1系ネットワーク接続装置3a(A)へ監視フレームを送信する場合の通信経路の例を示し、
図12Bは、1系ネットワーク接続装置3a(A)から応答フレームを受信する場合の通信経路の例を示す。
【0102】
図12Aは、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aが、1系ネットワーク接続装置3a(A)に監視フレームを送信する場合を示す。この1系コンピュータ1aは、2分岐接続装置10aに監視フレームを送信し、2分岐接続装置10aは、分岐した監視フレームを1系ネットワーク中継装置2a(A)と2系ネットワーク中継装置2b(B)に送信する。このとき、2系ネットワーク中継装置2b(B)は受信した監視フレームを廃棄する。
【0103】
一方、1系ネットワーク中継装置2a(A)は、1系ネットワーク接続装置3a(A)を宛先とするポート番号(60013,60018,60019)に監視フレームが送信されたことを認識すると、カプセル化処理を行わずに、監視フレームを1系ネットワーク接続装置3a(A)に送信する。ここで、ポート番号(6001*)は、ポート番号(6005*)のいずれかに含まれる幹線コマンドであることを表す。
【0104】
図12Bに示すように、1系ネットワーク接続装置3a(A)は、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aに応答フレームを送信する。この応答フレームは、1系ネットワーク中継装置2a(A)によってカプセル化処理されずに、2分岐接続装置10aを経て、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aに到達する。2系ネットワーク中継装置2b(B)は、受信した応答フレームを廃棄する。
【0105】
図13は、2系コンピュータ1bから2系ネットワーク接続装置3b(B)とフレーム送受信を行う場合の通信経路の例を示すネットワーク接続図である。
図13Aは、2系ネットワーク接続装置3b(B)へ監視フレームを送信する場合の通信経路の例を示し、
図13Bは、2系ネットワーク接続装置3b(B)から応答フレームを受信する場合の通信経路の例を示す。
【0106】
図13Aは、第1の駅に設置された2系コンピュータ1bが、2系ネットワーク接続装置3b(B)に監視フレームを送信する場合を示す。この2系コンピュータ1bは、2分岐接続装置10bに監視フレームを送信し、2分岐接続装置10bは、分岐した監視フレームを1系ネットワーク中継装置2a(A)と2系ネットワーク中継装置2b(B)に送信する。このとき、2系ネットワーク中継装置2b(B)は受信した監視フレームを廃棄する。
【0107】
一方、1系ネットワーク中継装置2a(A)は、2系ネットワーク接続装置3b(B)を宛先とするポート番号(60013,60018,60019)に監視フレームが送信されたことを認識すると、カプセル化処理を行わずに、監視フレームを2系ネットワーク接続装置3b(B)に送信する。
【0108】
図13Bに示すように、2系ネットワーク接続装置3b(B)は、第1の駅に設置された2系コンピュータ1bに応答フレームを送信する。この応答フレームは、1系ネットワーク中継装置2a(A)によってカプセル化処理されずに、2分岐接続装置10bを経て、第1の駅に設置された2系コンピュータ1bに到達する。2系ネットワーク中継装置2b(B)は、受信した応答フレームを廃棄する。
【0109】
図14は、1系ネットワーク接続装置3a(C)とフレーム送受信を行う場合の通信経路の例を示すネットワーク接続図である。
図14Aは、1系ネットワーク接続装置3a(C)へ監視フレームを送信する場合の通信経路の例を示し、
図14Bは、1系ネットワーク接続装置3a(C)から応答フレームを受信する場合の通信経路の例を示す。
【0110】
図14Aに示すように、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aが、1系ネットワーク接続装置3a(C)に監視フレームを送信する場合を想定する。この1系コンピュータ1aは、2分岐接続装置10aに監視フレームを送信し、2分岐接続装置10aは、分岐した監視フレームを1系ネットワーク中継装置2a(A)と2系ネットワーク中継装置2b(B)に送信する。このとき、2系ネットワーク中継装置2b(B)は受信した監視フレームを廃棄する。
【0111】
一方、1系ネットワーク中継装置2a(A)は、1系ネットワーク接続装置3a(C)を宛先とするポート番号(60013,60018)に監視フレームが送信されたことを認識すると、カプセル化処理を行わずに、監視フレームを1系ネットワーク接続装置3a(A)に送信する。1系ネットワーク接続装置3a(A)は、受信した監視フレームを1系ネットワーク5aに送信し、1系ネットワーク接続装置3a(C)は、1系ネットワーク5aから監視フレームを受信して応答する。なお、1系ネットワーク接続装置3a(C)は、1系ネットワーク中継装置2a(C)と2系ネットワーク中継装置2b(D)に監視フレームを送信するが、1系ネットワーク中継装置2a(C)と2系ネットワーク中継装置2b(D)は、自身を宛先としていない受信した監視フレームを廃棄する。
【0112】
図14Bに示すように、1系ネットワーク接続装置3a(C)は、第1の駅に設置された1系コンピュータ1aに1系ネットワーク5aを介して応答フレームを送信する。この応答フレームは、1系ネットワーク接続装置3a(A)により1系ネットワーク中継装置2a(A)と2系ネットワーク中継装置2b(B)に送信される。ここで、1系ネットワーク中継装置2a(A)は、応答フレームを2分岐接続装置10aに送信し、2分岐接続装置10aは、1系コンピュータ1aに応答フレームを送信する。一方、2系ネットワーク中継装置2b(B)は、受信した応答フレームを廃棄する。
【0113】
図15は、第1の駅に設置された2系コンピュータ1bが1系ネットワーク接続装置3a(D)とフレーム送受信を行う場合の通信経路の例を示すネットワーク接続図である。
図15Aは、1系ネットワーク接続装置3a(D)へ監視フレームを送信する場合の通信経路の例を示し、
図15Bは、1系ネットワーク接続装置3a(D)から応答フレームを受信する場合の通信経路の例を示す。
【0114】
図15Aは、第1の駅に設置された2系コンピュータ1bが、1系ネットワーク接続装置3a(D)に監視フレームを送信する場合を示す。この2系コンピュータ1bは、2分岐接続装置10bに監視フレームを送信し、2分岐接続装置10bは、分岐した監視フレームを1系ネットワーク中継装置2a(A)と2系ネットワーク中継装置2b(B)に送信する。このとき、2系ネットワーク中継装置2b(B)は受信した監視フレームを廃棄する。
【0115】
一方、1系ネットワーク中継装置2a(A)は、1系ネットワーク接続装置3a(D)を宛先とするポート番号(60013,60018)に監視フレームが送信されたことを認識すると、カプセル化処理を行わずに、監視フレームを2系ネットワーク接続装置3b(B)に送信する。2系ネットワーク接続装置3b(B)は、受信した監視フレームを2系ネットワーク5bに送信し、2系ネットワーク接続装置3b(D)は、2系ネットワーク5bから監視フレームを受信すると応答を行う。なお、2系ネットワーク接続装置3b(D)は、1系ネットワーク中継装置2a(C)と2系ネットワーク中継装置2b(D)に監視フレームを送信するが、1系ネットワーク中継装置2a(C)と2系ネットワーク中継装置2b(D)は、受信した監視フレームを廃棄する。
【0116】
図15Bに示すように、2系ネットワーク接続装置3b(D)は、第1の駅に設置された2系コンピュータ1bに2系ネットワーク5bを介して応答フレームを送信する。この応答フレームは、2系ネットワーク接続装置3b(B)により1系ネットワーク中継装置2a(A)に送信される。ここで、1系ネットワーク中継装置2a(A)は、応答フレームを2分岐接続装置10bに送信し、2分岐接続装置10bは、2系コンピュータ1bに応答フレームを送信する。一方、2系ネットワーク中継装置2b(B)は、受信した応答フレームを廃棄する。
【0117】
以上説明した一実施の形態例に係る2重化ネットワーク中継装置2によれば、監視フレームの送信元である1系コンピュータ1a又は2系ネットワーク5bのいずれかから監視フレームを受信した場合には、監視フレームに通信番号を付加せずに中継する。一方、1系コンピュータ1a又は2系ネットワーク5bのいずれかから通常フレームを受信した場合には、1系ネットワーク5a又は2系ネットワーク5bの両系のネットワークに通常フレームを送出する。この際、通常フレームには、通信番号を付加している。そして、宛先のネットワーク中継装置2が2重化ネットワーク5から受信する通常フレームの通信番号を通信方式毎に管理する。このため、送信元のネットワーク中継装置2は、通常フレームの送信通信番号を管理する。一方、宛先のネットワーク中継装置2は、受信した通常フレームの受信通信番号と、2重化コンピュータ1のMACアドレスを管理して通常フレームを中継する2重化コンピュータ1を特定している。このため、宛先のネットワーク中継装置2は、正しくフレームが受信したことを識別することができる。
【0118】
また、監視フレームは、通常フレームと異なり、送信元と宛先の1系コンピュータ1aが互いに送受信する必要がない。ここで、監視フレームには通信番号が付加されていないため、宛先のネットワーク中継装置2に通信番号が記録されない。これにより、宛先のネットワーク中継装置2は、通常フレームの通信番号の規則性を保ちながら記録することができる。
【0119】
また、2重化ネットワーク中継装置2は、1系ネットワーク5a又は2系ネットワーク5bのいずれか片系のネットワークに監視フレームを送出する。監視フレームは、2重化ネットワーク5のうち、片系のネットワークに送出されるだけであるため、監視対象となる宛先の装置に至る経路に障害が発生していた場合には、他系のネットワークから応答フレームが返ることがない。このため、監視フレームの送信元である1系ネットワーク5a又は2系ネットワーク5bが誤って片系のネットワークに障害が発生していないと判断することがない。
【0120】
また、ネットワーク中継装置2は、2重化ネットワーク5に2重化ネットワーク接続装置3を介して接続される全てのネットワーク中継装置2毎に受信管理テーブル26を作成しておく。このため、2重化ネットワーク5から受信したフレームの送信元であるネットワーク中継装置2について個別にフレームの通信番号を管理することができる。
【0121】
また、ネットワーク中継装置2は、送信するフレームの先頭から宛先のコンピュータに付されるMACアドレス、IPアドレス、ユーザ情報、通信番号の順にフィールドを配置する。これにより、2重化ネットワーク5の通信状況を、アナライザを用いて解析する際に、アナライザの解析範囲を一般的なフィールドの並びに従わせることができる。
【0122】
そして、上記の2重化ネットワーク接続装置3による監視、2重化された1系ネットワーク中継装置2aと2系ネットワーク中継装置2b間での監視を組み合わせることによって、2重化ネットワーク中継装置2及びLAN等のケーブル障害を確実に検出し、速やかに対応することが可能となる。このため、2重化ネットワークシステム6における可用性を高めることができる。
【0123】
なお、上述した2重化ネットワークシステム6は、駅間のフレーム通信だけでなく、遠隔地のサーバがクライアントに対してフレームを送信したり、処理速度の異なるコンピュータが共に処理を行ったりする場合にも有効である。
【0124】
また、1対多の通信方式の例としてブロードキャストに適用した例を説明したが、マルチキャスト、エニーキャストに適用していてもよい。また、2重化ネットワーク5のネットワーク・トポロジーは、リング型で構成したが、メッシュ型、2重化されたバス型ネットワーク、2重化されたスター型等の各種の接続形態を採用することもできる。
【0125】
また、カプセル化処理及びデカプセル化処理は、2重化ネットワークシステム6だけでなく、VLAN(Virtual Local Area Network)等の各種のネットワークシステムに適用することも可能である。
【0126】
また、上述した実施の形態例における一連の処理は、ハードウェアにより実行することができるが、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、又は各種の機能を実行するためのプログラムをインストールしたコンピュータにより、実行可能である。例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に所望のソフトウェアを構成するプログラムをインストールして実行すればよい。
【0127】
また、上述した実施の形態例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給してもよい。また、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPU等の制御装置)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、本実施の形態例と同様の機能が実現されることは言うまでもない。
【0128】
この場合のプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0129】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態例の機能が実現される。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施の形態例の機能が実現される場合も含まれる。
【0130】
また、本発明は上述した実施の形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。