(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明によるインターホンシステムのブロック構成図である。
【0014】
本インターホンシステムはインターホン子機1と本発明によるインターホン親機3とが通信線路2を介して接続されている。
【0015】
インターホン子機1は、通信線路2を介してインターホン親機3の子機インタフェース部301と接続される親機インタフェース部101と、状態を表示する状態表示ランプ102と、インターホンとして通話を行うスピーカ103とマイク104と、インターホン親機3を呼び出す呼出ボタン105と、インターホン親機3からの指示を受けて、玄関ドア6のドアロック部601に対して開錠・施錠信号を出力するロック制御信号出力部106とから構成されている。
【0016】
インターホン親機3は、通信線路2を介してインターホン子機1と接続する子機インタフェース部301と、各部を制御する制御部310と、インターホン子機1との通話を行うマイク304とスピーカ303と、インターホン子機1からの呼び出しに応答する応答ボタン305と、インターホン子機1のロック制御信号出力部106に対してドアの開錠を指示する開錠ボタン306と、本発明による呼出ボタン105の呼出パターンまたは通知先端末5から指示する特定コマンドに対応する動作を記憶する呼出パターン登録部311と、通信回線4を介してあらかじめ登録された通知先(通知先端末5)に操作案内メールを送信するための操作案内通知先記憶部322とメール送信部323と、通知先端末からの特定コマンドを受信するコマンド受信部324と、通信回線制御部321から構成されている。
【0017】
また外部機器制御部325は、制御部310からの指示によって、セキュリィテイシステムやエアコン等の外部機器7を起動・停止する制御信号を出力する。
【0018】
尚、本実施例では、インターホン親機に対して1台のインターホン子機を収容される形態を示しているが、インターホン親機に複数の子機インタフェース部を設けて、複数のインターホン子機を収容してもよい。
【0019】
通常、来訪者がインターホン子機1の呼出ボタン105を1回押下すると、インターホン親機3の制御部310は、その呼出パターンを検知して、スピーカ303から呼出チャイム音を出力し、インターホン親機の応対者に着信を知らせ、応対者が応答ボタン305を押下すると応答し、インターホン子機1とインターホン親機3との通話路を接続して通話中状態とする。
【0020】
また制御部310は、通話終了を示す応答ボタン305の再押下を検出すると、インターホン子機1とインターホン親機3との通話路を解放して待機状態に戻る。
【0021】
ここで、家族や支援者などの特定来訪者が、インターホン子機1の呼出ボタン105を所定の回数(本実施例では7回)連続で押下すると、制御部310は、特定来訪者によるログイン操作であると認識し、インターホン子機の状態表示ランプ102を遅い点滅状態とするよう指示し、次の(第二の)呼出ボタンの押下操作を待つ。
【0022】
次に、第二の呼出ボタン押下待ち状態において、特定来訪者がインターホン子機1の呼出ボタン105を所定の回数(本実施例では9回)連続で押下すると、制御部310は、ドア開錠要求操作であると認識して、インターホン子機1の状態表示ランプ102を3秒間早い点滅状態とするよう指示した後、ロック制御信号出力部106に対して、開錠指示を送出する。
【0023】
これにより、インターホン子機1のロック制御信号出力部106は、玄関ドア6のドアロック部601に対して開錠信号を出力し、玄関ドア6の施錠が解除される。
【0024】
また第二の呼出ボタン押下待ち状態において、特定来訪者がインターホン子機1の呼出ボタン105を所定の回数(本実施例では2回)連続で押下すると、制御部310は、特定来訪者(所定の相手先)に対する操作案内メールの送信要求操作であると認識して、インターホン子機1の状態表示ランプ102を3秒間早い点滅状態とするよう指示した後、操作案内通知先記憶部322から対応する相手先(通知先)のメールアドレスを取得し、メール送信部323と通信回線制御部321を介して、所定の相手先毎に対応する動作内容と、前記動作を起動するための呼出ボタン105の呼出パターン操作方法及び通知先端末5から指示する特定コマンドとを示した操作案内メールM323(一例を
図5に示す)を送信する。
【0025】
またインターホン親機と所定の相手先とが接続されている状態において、コマンド受信部324が通知先端末5からの特定コマンドを受信した場合にも、制御部310は、ドア開錠要求操作であると認識して、インターホン子機1の状態表示ランプ102を3秒間早い点滅状態とするよう指示した後、ロック制御信号出力部106に対して、開錠指示を送出する。
【0026】
これにより、操作案内メールを受信した通知先の対応者は、インターホン子機1の呼出ボタン105を案内された呼出パターンに従って操作する、または通知先端末5を操作して案内されたコマンドをインターホン親機3に送ることにより、目的の操作を実行する。
【0027】
尚、本実施例では、インターホン子機1からアクセスできる操作を、玄関ドアの開錠操作と操作案内メールの送信操作として示しているが、家電製品のリモコン機能と連携させて照明やエアコンのON/OFFを制御したり、またセキュリティシステムと連携させて警戒モードのON/OFF等を制御してもよい。
【0028】
図2は、本発明によるインターホン親機の制御部の動作フローチャートである。
【0029】
本フローは、インターホン親機3の電源が投入され、インターホン子機1との通信接続を確立した後に開始される。
【0030】
本フローが開始されると、インターホン親機3は、インターホン子機1の状態表示ランプ102を点灯するよう指示する(S3001)。
【0031】
次に、インターホン子機1の呼出ボタン105が押下されたことを制御部310で検知すると(S3010,Y)、当該呼出ボタンが連続して押下された回数をカウントする(S3011)。
【0032】
次に、カウントした連続押下回数の値が、
図4に示す第一の呼出パターンの内、支援者のログイン(V306)または家族のログイン(V307)に一致した場合(S3020,Y)、第二の呼出ボタンの押下を受付可能なことを示すため、インターホン子機1の状態表示ランプ102を遅い点滅状態とするよう指示する(S3021)。
【0033】
続いて、インターホン子機1の呼出ボタン105が再び押下されたことを検知すると(S3030,Y)、当該呼出ボタンが連続して押下された回数をカウントする(S3032)。
【0034】
ステップ3040において、カウントした連続押下回数の値が、
図4に示す第二の呼出パターンの内、操作案内メール通知(V312、V323)に一致した場合(S3040,Y)は、インターホン子機1の状態表示ランプ102を3秒間早い点滅状態とするよう指示した後(S3041)、操作案内通知先記憶部322から対応する通知先のメールアドレスを抽出し、メール送信部323と通信回線制御部321を介して、対応する通知先に操作案内メール(一例を
図5に示す)を送信して(S3042)、待機状態(S3000)に戻る。
【0035】
またステップ3031において、所定の期間、第二の呼出パターン(呼出ボタンの押下)を検知しなかった場合(S3031,Y)にも、インターホン子機1の状態表示ランプ102を3秒間早い点滅状態とするよう指示した後(S3041)、操作案内通知先記憶部322から対応する通知先のメールアドレスを抽出し、メール送信部323と通信回線制御部321を介して、対応する通知先に操作案内メールM323(一例を
図5に示す)を送信して(S3042)、待機状態(S3000)に戻る。
【0036】
またステップ3050において、カウントした連続押下回数の値が、
図4に示す第二の呼出パターンの内、ドア開錠(V311、V321)に一致した場合(S3050,Y)は、インターホン子機1の状態表示ランプ102を3秒間早い点滅状態とするよう指示した後(S3051)、インターホン子機1のロック制御信号出力部106に対して玄関ドアの開錠を行うよう指示して(S3052)、待機状態(S3000)に戻る。
【0037】
尚、カウントした連続押下回数の値がステップ3040及びステップ3050で示すいずれの条件にも一致しなかった場合には(S3040,N、S3050,N)、待機状態(S3000)に戻る。
【0038】
ステップ3020において、第一の呼出パターンに一致しなかった場合には(S3020,N)、インターホン親機3のスピーカ303から呼出チャイム音を送出して、インターホン子機1からの呼び出しを通知する(S3061)。
【0039】
次に、インターホン親機3の応答ボタン305が押下されたことを検知すると(S3070,Y)、インターホン親機3とインターホン子機1の通話路を接続して、通話中状態とする(S3071)。
【0040】
尚、図示しないが、通話中状態において開錠ボタン306が押下されると、インターホン子機1のロック制御信号出力部106に対して、玄関ドアの開錠を指示する信号を送出する。
【0041】
次に、インターホン親機3とインターホン子機1とが通話中状態において、再度インターホン親機3の応答ボタン305が押下されたことを検知すると(S3080,Y)、インターホン親機3とインターホン子機1の通話路を解放した後(S3081)、待機状態(S3000)に戻る。
【0042】
尚、本実施例では、呼出ボタンを連続して押下した回数を基準として特定の呼出パターンを検知しているが、呼出ボタンの呼出パターンは、モールス符号のように呼出ボタンの長期間押下(長点)/短期間押下(短点)/休止期間(単語間隔)を複数組み合わせて構成してもよい。
【0043】
尚、セキュリティ強化のため、該当しない呼出パターンを繰り返し検知した場合、以降、該当する呼出パターンを検出しても、所定の動作を実行しないよう規制することも有用である。
【0044】
尚、本実施例では、呼出ボタンを連続して押下した回数を基準として特定の呼出パターンを検知しているが、呼出パターンは、
図7に示すようにモールス符号に類した呼出ボタンの短時間オンや長時間オンの回数または組合せで構成してもよい。
【0045】
図3は、特定コマンドの受信に関するインターホン親機の制御部の動作フローチャートである。
【0046】
インターホン親機3のコマンド受信部324は、通信回線制御部321を介して通知先端末5が送出したDTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号を受信する機能を有している。
【0047】
待機状態(S3100)において、制御部310が通信回線制御部321によって着信が到来したことを検知すると(S3101,Y)、操作案内通知先記憶部322の記憶内容(
図6に一例を示す)に従って当該着信の発信元が操作案内メールを送信した相手先であるか否かを判断し、操作案内メールを送信した相手先からの着信であると判断した場合(S3102,Y)、当該着信に応答し、通知先端末5とインターホン親機3との通話路を接続する(S3103)。
【0048】
次に、コマンド受信部324によって通知先端末5からの特定コマンド(DTMF信号)を受信すると(S3110,Y)、検知したDTMF信号と呼出パターン登録部311に記憶された特定コマンド(V305)を照合する(S3120、S3130、S3140、S3150)。
【0049】
受信したDTMF信号が、ドア開錠動作を示す値(V311またはV321)であった場合には(S3120,Y)、インターホン子機1の状態表示ランプ102を3秒間早い点滅状態とするよう指示した後(S3121)、インターホン子機1のロック制御信号出力部106に対して玄関ドアの開錠を指示し(S3122)、通話を切断した後(S3160)、待機状態(S3100)に戻る。
【0050】
また受信したDTMF信号が、ドア施錠動作を示す値(V322)であった場合には(S3130,Y)、インターホン子機1の状態表示ランプ102を3秒間早い点滅状態とするよう指示した後(S3131)、インターホン子機1のロック制御信号出力部106に対して玄関ドアの施錠を指示し(S3132)、通話を切断した後(S3160)、待機状態(S3100)に戻る。
【0051】
また受信したDTMF信号が、警備モードの設定動作を示す値(V325)であった場合には(S3140,Y)、インターホン子機1の状態表示ランプ102を3秒間早い点滅状態とするよう指示した後(S3141)、外部機器制御部325から外部機器7(本実施例の場合、セキュリティシステム)に対して、警戒モードを起動するよう指示し(S3142)、通話を切断した後(S3160)、待機状態(S3100)に戻る。
【0052】
また受信したDTMF信号が、警備モードの解除動作を示す値(V326)であった場合には(S3150,Y)、インターホン子機1の状態表示ランプ102を3秒間早い点滅状態とするよう指示した後(S3151)、外部機器制御部325から外部機器7(本実施例では、セキュリティシステム)に対して、警戒モードを解除するよう指示し(S3152)、通話を切断した後(S3160)、待機状態(S3100)に戻る。
【0053】
尚、本実施例では、通知先端末5からの特定のDTMF信号をコマンド受信部324で検知するものとして説明したが、特定コマンドは、コマンド受信部324にWEBサーバ機能を持たせて、通知先端末5がそのWEBサーバ機能の特定URL(Uniform Resource Locator)にアクセスしたことを検知したり、コマンド受信部324と通知先端末5との間で、専用のプロトコルと専用のメッセージを用いて伝達してもよい。
【0054】
図4は、呼出パターン登録部311の内容の一例を示す図である。
【0055】
来訪者区分(V301)を識別する第一の呼出パターン(V303)と、該来訪者毎に設けられた動作(V302)を選択する第二の呼出パターン(V304)及び特定コマンド(V305)との関係(V311〜V313、V321〜V326)とが記憶されている。
【0056】
尚、呼出パターン登録部311への内容登録には、インターホン親機3に表示器や入力ボタンを設けて入力したり、制御部310に外部端末インタフェースを設けて外部端末から入力したり、データ受信部を設けて通信回線制御部321を介して外部の通信端末から入力する方法がある。
【0057】
図5は、所定の動作内容と各動作を起動する呼出ボタンの呼出パターン(操作方法)及び特定コマンドを案内するメッセージの一例を示す図である。
【0058】
各動作に対応する呼出ボタンの呼出パターン(本実施例では連続押下回数)と通知先端末から指示するコマンド(本実施例では特定のDTMF信号を出力するダイヤルキーの押下方法)とが、電子メールの本文として記述されている。
【0059】
尚、本実施例では、電子メールを用いて操作案内を通知先端末に通知しているが、操作案内の通知手段には、音声ガイダンスやファクシミリ等、他の伝達手段を用いてもよい。
【0060】
図6は、操作案内通知先記憶部の記憶内容の一例を示す図である。
【0061】
通知先区分(V331)毎に、対応する操作案内を通知する通知先のメールアドレス(V322)と、特定コマンドの受信に際して着信に応答するか否かを判断するための発信元電話番号(V333)が記憶されている(V341、V342)。
図7は、呼出ボタンの短時間オンや長時間オンの組合せによる呼出パターンの構成例を示す図である。
【0062】
インターホン子機1の呼出ボタン105を、予め定めた時間よりも短い呼出動作である短時間オン、また予め定められた時間よりも長い呼出動作である長時間オンの回数や組合せにより呼出パターンを呼出パターン登録部311に登録する。
【0063】
例えば、図示するようなドア開錠動作に対応する呼出パターン(V1051〜V1052)、ドア施錠動作に対応する呼出パターン(V1053〜V1054)、警備モード設定動作に対応する呼出パターン(V1055〜V1056)、警備モード解除動作に対応する呼出パターン(V1057〜V1058)がある。