(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記報知手段は、前記検索手段により検索された未返信の電子メールの一覧を表示することで、ユーザに未返信の電子メールが存在する旨を報知することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
前記報知手段で報知された未返信の電子メールに対して返信メールを作成するか否かの選択を受け付ける選択受付手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
前記検索手段により検索される対象となる未返信の電子メールの条件の設定を受け付ける条件設定受付手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
前記取得手段は、ユーザにより電子メールの送信指示がなされた場合に、当該送信指示がなされた電子メールの送信先として設定されたアドレスを取得することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第一の実施例)
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態で用いられる情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。情報処理装置100は、ネットワーク150を介してメールサーバー160に電子メールを送受信する。
【0013】
情報処理装置100の送信先アドレス指定部110は、KB209等を介した操作者の操作に応じて、情報処理装置100が送信する電子メールの送信先のアドレスを指定する。本実施形態においては、送信先アドレス指定部110は、一般的な、電子メールを送受信し管理するアプリケーションと同様に、Toフィールド(送信先部)、CCフィールド(カーボンコピー部)、BCCフィールド(ブラインドカーボンコピー部)に個別に送信先のアドレスを指定することができる。
【0014】
情報処理装置100の本文作成部120は、KB209等を介した操作者の操作に応じて、情報処理装置100が送信する電子メールの本文部分を作成する。
【0015】
情報処理装置100のアドレス帳130は、外部メモリ211等に記憶されており、送信先の電子メールのアドレスと、氏名、組織等の複数の宛名属性(属性情報)と、が対応付けられたアドレス情報を複数含んでいる。
【0016】
情報処理装置100の誤送信防止部140は、情報処理装置100が送信する電子メールが誤った送信先へ送信する等、望ましくない送信を防ぐ処理を実行する。
図2に示されるように、誤送信防止部140は、宛名特定処理部141と、宛名アドレス特定処理部142と、アドレス検査処理部143と、送信制御処理部144と、を含む。
【0017】
情報処理装置100の宛名特定処理部141は、本文作成部120で作成された電子メールの本文を走査し、アドレス帳130に格納されている氏名等の宛名属性文字列を検出し、送信先に対する宛名を特定する。
【0018】
情報処理装置100の宛名アドレス特定処理部142は、宛名特定処理部141で特定された宛名に対応する電子メールアドレス(宛名アドレス)を特定する。
【0019】
情報処理装置100のアドレス検査処理部143は、宛名アドレス特定処理部142で特定した宛名アドレスと、送信先アドレス指定部110で指定された電子メールアドレス(送信先アドレス)と、の整合性の検査を行う。
【0020】
情報処理装置100の送信制御処理部144は、アドレス検査処理部143の検査結果に応じて、電子メールの送受信を制御する。
ネットワーク150には情報処理装置100が接続されている。
【0021】
メールサーバー160は、情報処理装置100からネットワーク150を介して送信された電子メールを、ネットワーク外部へ送信する。
【0022】
図2は、本発明の実施形態における、情報処理装置(コンピュータ)のハードウェア構成を示す図である。
【0023】
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。またROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0024】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202若しくは外部メモリ211よりRAM203にロードして、プログラムを実行することで後述する機能、又はフローチャートに係る処理を実現するものである。
【0025】
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボード209や不図示のマウス等のポインティングデバイスからの入力を制御する。
【0026】
ビデオコントローラ(VC)206は、CRTディスプレイ(CRT)210等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTだけでなく、液晶など他の方法を用いたディスプレイでも構わない。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。 メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピー(登録商標)ディスク(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0027】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0028】
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT210上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0029】
本発明を実現するためのプログラム212は外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、本発明に係わるプログラム212が用いる定義ファイル213及び各種情報テーブル214は外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明は後述する。
【0030】
次に、本発明の実施形態を実現するために、未返信メールを受信メールより抽出する抽出条件を設定する必要がある。電子メール送受信装置は、動作の前提として、アドレス毎に
図9の条件テーブルを作成する。条件テーブルによって、アドレス毎に未返信メールの定義を行う。
【0031】
図9の条件テーブルには、条件として「アドレス」、「件名」、「宛先区分」、「時間」、「重要度」が設定されている。
【0032】
「アドレス」の項目には、未返信メールを抽出する対象となるメールアドレスが設定される。メールアドレスを設定しておくことにより、設定したメールアドレスからメールを受信した時、設定したメールアドレスにメールを送信する時などに、未返信メールテーブルを生成する対象のメールアドレスであれば、未返信メールテーブルが生成または更新される。
【0033】
「件名」は、未返信メールとして抽出される文字列が設定される。「宛先区分」には、受信する側(自分)のメールアドレスがどの宛先区分に入っているかを設定する。例えば、「To」の宛先として自分が設定されているのか「Cc」の宛先として自分が設定されているのか、「To」、「Cc」のいずれかに設定されているのかで、未返信メールとしてピックアップされるか否かが決定する。また、この項目に何も設定をしない場合「null」には、「To」、「Cc」、「Bcc」のいずれでも未返信メールとしてピックアップされる。「時間」には、メールを受信した時間から、未返信メールとして抽出される時間が設定される。「重要度」は、受信するメールに設定されている重要度項目のレベルである。
【0034】
例えば、
図9で例示している条件テーブルを基にすると、受信メールの差出人が、「sample@xxx.co.jp」であり、受信メールの件名に「“要返信”」の文字列を含み、抽出対象時間が、「24時間以内に受信したメール」に当てはまるメールが、未返信メールとして
図10(B)の未返信メールテーブルにリストアップされることとなる。
【0035】
なお、
図9の設定画面で、設定値を登録しなかった項目については、未返信メールを抽出する際の条件が設定されていない項目として扱われる。例えば、
図9で「件名」の項目に何も設定されていない場合には、同設定中の「アドレス」に設定されているメールアドレスから受信したメールの件名は水に、「24時間以内」に受信したメールを全て未返信メールテーブルにピックアップする。
【0036】
次に、
図14は、情報処理装置100のCRTディスプレイ(CRT)210に表示する、未返信メールテーブルを作成するための条件設定画面である。設定された未返信メールの抽出条件は、先述の
図9の条件テーブルに格納する。
【0037】
また、未返信メールの設定において、「時間」の設定方法としては、“メールを受信した後、○時間以内”という設定の他に、“メールを受信した後、○時間経過したもの”という方法も考えられる。この方法によれば、「要返信」として受信したにもかかわらず、返信をせずに放置したメールについて、所定時間経過後に未返信メールテーブルから削除されることなく、表示し続けることが可能である。
【0038】
上記のように、条件テーブルの条件設定方法は、限定されるものはなく、ユーザにより本発明を適用した情報処理装置が利用される場合に、利便性のよい使い方で設定されることが望ましい。作成した条件テーブルを基に、アドレス毎に未返信メールテーブルを作成する。
【0039】
なお、
図9の条件テーブルが作成されると、「アドレス」の項目で紐付く条件設定アドレステーブル(
図15)が生成される。
図15の条件設定アドレステーブルは、未返信メールの抽出条件設定を行ったアドレスが値に格納され、当該アドレスに紐付いて
図9の条件テーブルと、
図10(B)の未返信メールテーブルが記憶される構成となっている。
【0040】
これら、
図9、
図10(B)および
図15のデータテーブルは、情報処理装置100の外部メモリ211の所定パスに記憶格納されるものであり、各データテーブルの読出し時には、これらをRAM202に一時的に記憶させ、データテーブルのレコード追加、更新を行って、同じく書込み時には、所定のパスに記憶させるものである。
【0041】
次に、
図3〜8を用いて、本発明のの実施形態における一連の処理について説明をする。まず、
図3は、本発明の実施形態における電子メール送受信装置のメール送信時の処理を表すフローチャート図である。
図3で示す処理は、先述した
図9の条件テーブルが記憶されている状態で、電子メール送受信装置で、メールの作成時に、ユーザインターフェースに表示される送信ボタンの押下を受け付けた時に実行する処理である。
【0042】
まず、ステップS101において、情報処理装置100のCPU201は、送信メール設定ボックス(具体的には、送信メールのToのボックス)に設定されている、これからメールを送信する宛先のメールアドレスの未返信メールテーブルを更新し、受信メールのうち未返信メールがあるか否かを検索する。テーブル更新の詳細処理および未返信メールテーブルからの検索方法については、
図4および
図7のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0043】
次に、ステップS102において、情報処理装置100のCPU201は、送信するメールの宛先アドレスの未返信メールテーブルに、未返信メールがあるか否かを判定する。未返信メールテーブルに、未返信メールがない場合(NO)には、ステップS114で、現在情報処理装置100で作成していたメールを宛先のメールアドレスに送信(ステップS115)して本処理を終了とする。
【0044】
ステップS102で、未返信メールがあると判定された場合(YES)には、ステップS103に進み、情報処理装置のCPU201は、「未返信メールがあります。メール一覧を表示しますか?」という旨の警告を表示する。このときに表示される警告画面は、
図11のダイアログ画面である。
【0045】
図11の第一の警告画面は、「以下のアドレスの未返信メールが存在します。未返信メールを表示しますか。」という警告が、対象となっている宛先アドレスと共に表示されている(1101)。ここで、「未返信メールを表示しますか?」という問合せに対し、ステップS104において、「はい」ボタン(1102)の押下を受け付ける(YES)と、ステップS105に進み、対象となっているメールアドレスの未返信メールを、受信メール一覧から抽出し、表示部に表示する。
【0046】
また、
図11の第一の警告画面から、「いいえ」ボタン(1103)の押下を受け付ける(ステップS104のNO)と、ステップS107に進む。また、ステップS105で表示される「未返信メールテーブル表示画面」は、
図10で示すとおりである。
【0047】
ステップS104で「はい」を受け付けた場合、ステップS105で未返信メールを抽出するメールアドレスから受信したメールを取得する。具体的には、送信対象メールアドレスのクエリ文を生成して、電子メール送受信装置の受信トレイを検索して、未返信メールとして抽出すべきではない受信メールをリストから削除する処理を実行する。
【0048】
具体的には、受信メールを取得すると、ステップS106で、取得した受信メールのステータスを確認する。具体的には、
図16の受信メールテーブルのうち、「ステータス」の項目1603が「返信済み」もしくは、「リスト対象外」となっている受信メールを、未返信メールテーブルにピックアップする対象から外す。「返信済み」のステータスは、受信メールに対する返信がなされたときに、「未返信」から「返信済み」に更新される。また、「リスト対象外」のステータスは、未返信メールテーブルには列挙しない(一度削除された)メールである。
【0049】
図10の未返信メールテーブル表示画面には、未返信メールの件名(1001)、差出人(1002)、送信日時(1003)が表示されており、また、削除ボタン(1005)、優先返信ボタン(1006)、そのまま送信ボタン(1007)、キャンセルボタン(1008)が表示されているものとする。ここでの差出人(1002)とは、本実施形態でのメール送信時の宛先アドレスと同一である。
【0050】
未返信メールテーブル表示画面では、対象となる未返信メール一覧の脇に表示されるチェックボックスにチェックを入れ、削除ボタン1005、もしくは、優先返信ボタン1006の押下を受け付けることにより、チェックボックスで選択を受け付けた未返信メールを一覧から削除、若しくは優先的に返信することが可能である。
【0051】
チェックボックスにチェックを入れて削除ボタン1005を押下することで、選択した未返信メールを未返信メールテーブルから削除する。未返信メールテーブルから削除された受信メールは、ステータスが「リスト対象外」となる。この時に、
図16の受信メールテーブルの「ステータス」の項目1603を「未返信」から「リスト対象外」に更新する。
【0052】
また、「優先返信」の指示を受け付けた時には、選択を受け付けたメールに対しての返信を、現在送信しようとしているメールよりも先に行うことを意味しており、本処理は、後述のステップS113において説明する。
【0053】
引き続き、
図3の説明に戻り、ステップS106において、情報処理装置100のCPU201は、表示部に一覧表示した未返信メールのうち、不要なメール(今後、未返信メールと表示する必要のないメール)の選択をユーザ操作に応じて受け付け、一覧から削除する。削除されたメールは、未返信メールテーブルから削除するため、今後未返信メールとして表示されない。
【0054】
情報処理装置100のCPU201は、ステップS106で、一通り未返信メールテーブルからの削除を受け付け、
図10の「そのまま送信ボタン1007」の押下を受け付けると、ステップS107において、「未返信メールがありますが、メールを送信しますか?」という旨の第二の警告画面を表示する。ここで表示される第二の警告画面は、
図12で示すとおりである。
【0055】
ステップS108において、情報処理装置100のCPU201は、
図12の第二の警告画面で、「はい」が選択された場合(YES)には、現在送信しようとしているメールを送信し、本図での処理を終了する。また、
図12の第二の警告画面で、「いいえ」が選択された場合(NO)には、ステップS109に進む。
【0056】
ステップS109において、情報処理装置100のCPU201は、現在送信しようとしているメールの送信を中止し、草稿箱にメールを保存する。
【0057】
次に、ステップS110において、情報処理装置100のCPU201は、「未返信メールに対して返信処理を行いますか?」という旨のダイアログ画面を表示する。ここで表示されるダイアログ画面は、
図13で示すとおりである。
【0058】
ステップS111において、情報処理装置100のCPU201は、
図13のダイアログ画面で、「はい」の選択を受け付けた場合(YES)に、ステップS112に進み、再び、
図10の未返信メールテーブル表示画面を表示する。また、
図13のダイアログ画面で、「いいえ」の選択を受け付けた場合(NO)には、本図での処理を終了する。
【0059】
ステップS112において、情報処理装置100のCPU201は、
図10の未返信メールテーブル表示画面を表示し、先に返信処理を行うべき未返信メールの選択を受け付ける。選択の方法は、先述のとおり、未返信メール一覧の脇に表示されているチェックボックスにチェックを受け付け、優先送信ボタン1006の押下を受け付けることで実現する。
【0060】
図3の処理によれば、これから送信するメールの宛先として設定されているメールアドレスについて、条件テーブルに設定されている条件に応じて、メールの送信時に未返信メールの一覧を抽出して表示することで、未返信メールに対して先に返信をするか、現在送信しようとしているメールを先に送信するか、をユーザに選択させることが可能になる。
【0061】
次に、
図4を用いて本発明の実施形態における未返信メールテーブルを検索する処理について説明をする。
図4は、未返信メールテーブル検索の処理工程を示すフローチャートであり、
図3のステップS101(未返信メール検索)の詳細処理について説明するものである。
【0062】
まず、ステップS201において、情報処理装置100のCPU201は、現在送信しようとしているメールの宛先アドレスに対して、
図9の条件テーブルの設定がされているか否かをチェックする。条件テーブルが設定されているか否かのチェックは、情報処理装置の外部メモリ211の所定のパスに記憶されている条件設定アドレステーブル(
図15)のレコードをチェックし、該当するメールアドレスのレコードがあり、条件テーブルの存在があることを確認する。ステップS201での条件テーブルのチェックにおいて、未返信メールの条件設定が設定されてるアドレスではないと判定された場合には、本図での処理を終了する。
【0063】
ステップS201での条件テーブルのチェックにおいて、未返信メールの条件設定が設定されてるアドレスと判定された場合には、ステップS202に進み、情報処理装置100のCPU201は、現在送信しようとしているメールは、該当する宛先アドレスの未返信メールに対する返信メールであるか否かを判定する。ステップS202で、未返信メールに対する返信メールではない、つまり、電子メール送受信装置の「新規作成」ボタン押下を受け付けることにより、新規作成画面でメールの編集をしている場合には、ステップS204に進む。
【0064】
具体的な判定の方法は、現在送信しようとしているメールのヘッダーの値を確認し、<In−reply−to>のタグと、受信メールの識別情報が附与されているか否かを確認する。<In−reply−to>のタグがあれば、受信したメールに対する返信メールであることが確認できる。
【0065】
ステップS203において、情報処理装置100のCPU201は、ステップS202で、未返信メールテーブル内のメールに対する返信であると確認されたメールを、一時的に未返信メールテーブルから除外する。
【0066】
ステップS204において、未返信メールテーブル(
図10の(B))に、未返信メールがまだあるか否かを確認する。
【0067】
未返信メールテーブルにメールまだ含まれている場合には、ステップS205において、未返信メールテーブルに未返信メールが存在するとして、
図1のフローチャートに戻り、ステップS102に進む。
【0068】
未返信メールテーブルに1件もメールが含まれていない場合には、未返信メールが存在しないとして、
図1のフローチャートに戻り、ステップS102に進む。
【0069】
次に、
図5〜8を用いて、
図10の未返信メールテーブルの更新処理について説明する。未返信メールテーブルを更新するタイミングは以下の4通りがある。
1.メールを送信する場合(
図3のステップS101のタイミング)
2.メールを受信した場合
3.[更新]ボタンを押した場合
4.条件テーブルが新規作成、または更新された場合
以下、各タイミングでの処理方法を説明する。
【0070】
<1.メールを送信した場合(
図3のステップS101のタイミング)について>
図5は、未返信メールテーブルの更新処理(メールを送信した場合)を示すフローチャートである。
図5のフローチャートで示す処理工程は、メールを送信した直後に、以下の処理を行う。
【0071】
ステップS301において、情報処理装置100のCPU201は、送信したメールが未返信メールに対する返信メールであったかチェックする。チェックの方法は、先述のとおりであるが、
図9の条件テーブルに当てはまるようにチェックをすると、「sample@xxx.co.jp」から受信したメールであり、受信メールの件名に「“要返信”」の文字列を含み、抽出対象時間が、「24時間以内」に受信したメールであったか否かをチェックする。
【0072】
チェックの結果、未返信メール一覧テーブルにあったメールに対しての返信であった場合には、ステップS302に進み、情報処理装置100のCPU201は、未返信メールに対して返信を行ったため、
図16の受信メールテーブルの「ステータス」の項目1603を「未返信」のステータスから「返信済み」のステータスに変更する。そして、未返信メールテーブルから当該返信処理をしたメールを削除する。また、同時に複数件のメールを送信した場合には、ステップS303において、次の未返信メールテーブルの更新対象メールがあるか否かを確認し、全ての返信メールの確認が終了するまで、S301とS302の処理を繰り返す。
【0073】
<2.メールを受信した場合について>
図6は、メールを受信した場合に未返信メールテーブルの更新処理を示す図である。まず、ステップS401において、情報処理装置100のCPU201は、受信したメールの差出人メールアドレスが、
図15の条件設定アドレステーブルに設定されている、未返信メールテーブルを生成する対象の差出人メールアドレスであるか否かをチェックする。
【0074】
図15の条件設定アドレステーブルに差出人メールアドレスが含まれていない場合には、未返信メールテーブルの更新処理は行わずに、本図の処理を終了する。
図15の条件設定アドレステーブルに設定されている場合、ステップS402で、情報処理装置100のCPU201は、メールアドレスに紐付く条件テーブル(
図9)で設定されてる条件を基にして、受信したメールが当該条件に基づく未返信メールとして、未返信メールテーブルにピックアップされる受信メールである否かの判定をする。
【0075】
例えば、
図9で例示している条件テーブルを基にすると、受信メールの差出人が、「sample@xxx.co.jp」であり、受信メールの件名に「“要返信”」の文字列を含み、抽出対象時間が、「24時間以内に受信したメール」、重要度が「やや高い」以上である受信メールが、未返信メールとして未返信メールテーブルに追加される。S401で、受信したメールが条件テーブルに設定されていないメールアドレスからの受信であった場合や、上記の条件に合致しない場合には、本図の処理を終了する。
【0076】
ステップS401で、受信メールが未返信メールであると判定された場合には、ステップS402において、受信メールを未返信メールテーブル(
図10の(B))に追加する。ステップS403において、未返信メールテーブルに、受信メールを追加する。
【0077】
なお、同時に複数件のメールを受信した場合には、ステップS403において、次の未返信メールテーブルの更新対象メールがあるか否かを確認し、なければ、次の未返信メールテーブルの更新対象メールがあるか否かを確認し、全ての返信メールの確認が終了するまで、S401とS402の処理を繰り返す。
【0078】
<3.[更新]ボタンを押した場合>
図7は、電子メール送受信装置のユーザインターフェースにある[更新]ボタンを押した場合の、未返信メールテーブルの更新処理を示すフローチャートである。
【0079】
まず、ステップS501において、情報処理装置100のCPU201は、メモリ211に記憶されている
図15の条件テーブルに設定されているアドレスの一つを抽出し、各条件テーブルに設定されている条件に基づいて、送受信以外の条件で未返信メールテーブルから削除される受信メールがあるか否かについてチェックをする。例えば、条件テーブルの時間の項目に、「24時間以内に受信したメール」と設定がある場合、受信後24時間以上経過したメールをテーブルから削除しなければならない可能性がある。
【0080】
ステップS501で、未返信メールとして抽出される条件を満たさなくなる受信メールがあると判定された場合には、ステップS502において、情報処理装置100のCPU201は、条件テーブルの条件を満さなくなった対象受信メールを、未返信メールテーブルから削除する(ステップS503)。それと共に、未返信メールテーブルから削除するメールのステータスを変更する必要があるため、
図16の受信メールテーブルのうち「ステータス」の項目1603を「未返信」から「リスト対象外」というステータスに変更する。
【0081】
ステップS504では、現在更新処理を行っているメールアドレスの未返信メールテーブルに、他のレコード(未返信メール)が残っているか否かの確認を行う。他の未返信メールがある場合には、再びS501へ進み、未返信メールテーブルから確認すべきレコードがなくなるまでS501〜S503の処理を繰り返す。
【0082】
全ての未返信メールの確認がなされた場合(S504でNO)には、ステップS505へ進み、
図15の条件テーブルで、次に未返信メールテーブルの更新を行うメールアドレスがあるか否かの確認を行う。
図15の条件テーブルのうち、全てのメールアドレスの未返信メールテーブルの更新処理が終了した場合(S505でNO)には、本図の処理を終了する。全てのメールアドレスの未返信メールテーブルの更新処理が終了していない場合(S505でYES)には、再びS501へ進み、未返信メールテーブルから確認すべきレコードがなくなるまでS501〜S503の処理を繰り返す。
【0083】
なお、同時に複数件のメールを受信した場合には、ステップS503において、次の未返信メールテーブルの更新対象メールがあるか否かを確認し、なければ、本図での処理を終了する。
【0084】
<4.条件テーブルが新規作成、または更新された場合>
図8は、条件テーブルが新規作成、または既存の未返信メール条件が変更された場合の未返信メールテーブルの新規作成および更新処理を示すフローチャートである。
【0085】
まず、ステップS601において、情報処理装置100のCPU201は、条件設定を更新したアドレスの条件テーブルについて、一度未返信メールテーブルを削除する。なお、新規に条件テーブルを作成したアドレスに対する処理である場合には、このステップの処理は省略をする。
【0086】
次に、ステップS602において、情報処理装置100のCPU201は、未返信メールテーブルの条件設定をしたメールアドレスから受信したメールを全て抽出する。そして、ステップS603で、新規作成した未返信メールの条件設定、若しくは変更した条件設定に基づいて、受信メールのうち、未返信メールに当てはまるメールがあるか否かのチェックを行う。
【0087】
チェックの条件としては、先述の通り、条件テーブルに設定されている条件に合致する受信メールがあるか否かを抽出する。
図9に例示した条件テーブルを基にすれば、受信メールの件名に「“要返信”」の文字列を含み、抽出対象時間が、「24時間以内に受信したメール」に当てはまるメールがあるか否かのチェックを実行することになる(「アドレス」に関しては、既にステップS602において、更新対象となるアドレスを選定し、そこから受信メールを抽出しているので、ステップS603でのチェックは行わなくてもよい。)。
【0088】
チェックの結果、未返信メールになる場合には、ステップS604に進み、未返信メールテーブルに該当する受信メールを追加し、未返信メールにならない場合には、ステップS605に進み、次の受信メールがあるか否かの確認をして、チェック対象の受信メールがある場合には同様のチェックを実行する。
【0089】
また、現在市場に流通している電子メール送受信装置(メールソフト)には、ユーザが受信したメールに対する「返信期限」を手動で設定しておくと、当該返信期限を設定した受信メールが「タスク」という名のフォルダに格納され、メールソフトが「タスク」フォルダを監視して、受信メールの返信済み、未返信のステータスを監視する機能が備わっているものがある(例えば、リムアーツ社のメールソフト「Becky! Internet Mail」(http://www.rimarts.co.jp/becky−j.htm)が上記の機能を備えている)。本実施の形態は、この機能と連携をすることにより、本実施の形態で生成される未返信メールテーブルに、既存機能である「タスク」フォルダに格納されている監視対象メールをリストアップさせて相互で未返信メールに対する補完をする。
【0090】
具体的な方法として、
図14の条件設定画面に表示される1401のチェック項目にチェックをすることで、メールソフトの既存機能で抽出される未返信メールも未返信メールテーブルにリストアップすることができる。1401には、「メールソフトの「タスク」に入っている未返信メールもリストアップさせる。」という選択肢が表示されている。
【0091】
図14の未返信メール条件設定画面で「タスク」に入っている未返信メールのリストアップをする選択をした場合、
図10の未返信メールテーブル表示画面の1009に示すように「タスク」フォルダに格納されている未返信メールが、どのメールであるかがわかるように表示される。
図10の1009では、メールの件名の頭に[タスク]と表示している。なお、このとき未返信メールテーブル表示画面に表示される「タスク」フォルダに格納しているメールは、抽出対象のメールアドレスと一致したメールアドレスからの受信メールに限られる。
【0092】
以上、本発明の第一の実施例によれば、メールを送信する際に未返信のメールがある際のメール送信に警告を表示するシステムを提供することが可能になる。
【0093】
具体的には、メールの送信先となる宛先アドレスに対して返信をしていない未返信メールを抽出するための条件を記憶する情報処理装置において、ユーザ操作によりメールの送信指示がなされた場合、送信メールの宛先アドレスを取得する取得し、前記記憶している前記未返信メールを抽出するための条件を用いることにより抽出される宛先アドレスから受信をしたメールのうち、前記予め記憶している前記未返信メールを抽出するための条件に基づいて、当該宛先アドレスに対して返信をしていない未返信メールがあるか否かを検索し、前取得手段で取得した前記宛先アドレスから受信をしたメールのうち、前記検索手段により未返信メールが検索された場合に、当該未返信メールが存在する旨の警告を報知することを特徴とする。
(第二の実施例)
【0094】
第一の実施例においては、電子メール送受信装置(メールソフト)をインストールした情報処理装置100において、メールを送信する際に、宛先アドレスから受信したメールのうち、未返信のメールがあるか否かを確認する実施形態について説明をしたが、次の第二の実施形態においては、情報処理装置100とメールサーバ(不図示)とがインターネットに代表されるネットワークを介して接続し、電子メールの送受信を行うウェブメールシステムを用いて本発明を実施する場合の、処理工程について説明をする。
【0095】
第二の実施例において、ウェブメールシステムとは、情報処理装置100のウェブブラウザで利用することができるウェブメールシステムのことを指す。受信したメールを閲覧するために閲覧画面を生成して情報処理装置100に送信し、また、新規メッセージの作成・送信時には、情報処理装置100のウェブブラウザに表示されるメール作成画面を用いてメールのテキスト編集を行い、送信指示を情報処理装置100から実行する。送信指示されたメールのテキストや添付ファイルは、一度メールサーバで受信をして、メールの生成を実行する。
【0096】
情報処理装置100にメールソフトをインストールしてメールの送受信を管理するウェブメールシステムとは異なり、すべてのメール送受信をサーバ側で管理するため、ユーザは、ウェブブラウザを用いることでどこにいてもメールの作成、受信、閲覧を行うことが可能である。なお、クライアントであるウェブブラウザとサーバ間の通信は、セキュリティ上の理由から、HTTPSスキームを使用するのが一般的である。
【0097】
なお、第二の実施例の各処理工程において、本発明の第一の実施例と同様の処理工程を行うステップについての説明は省略する。
【0098】
第二の実施例において、
図9、
図10の(B)
図15および
図16の各データテーブルは、メールサーバの外部メモリ211に記憶されることを前提とする。記憶のさせ方としては、
図14の条件テーブルの設定画面の画面情報、メールサーバで生成し、情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、ウェブブラウザを用いて生成された画面情報を解析して、
図14の設定画面を表示する。
図14の必要な箇所に設定値を入力をして、OKボタンの押下を受け付けると、設定値がメールサーバに送信され、
図9の条件テーブルの各項目に値がセットされる。
【0099】
上記の処理工程のように、メールサーバでは、情報処理装置100で表示するための画面情報を生成し、情報処理装置100に送信をする。情報処理装置100は、ウェブブラウザを用いて受信した画面情報を解析し、ディスプレイに表示をしてそれぞれの画面で設定が必要な項目の入力を受け付ける。受け付けた設定値(パラメータ)は、情報処理装置100より送信指示がなされると、メールサーバに送信され、メールサーバは、受信したパラメータを適切なデータテーブルの項目に設定をするのが基本的な構成となっている。
【0100】
上記の処理前提を基に、各処理工程の説明に関して、第一の実施例で説明をした
図3〜
図15を用いることで進める。
【0101】
まず、情報処理装置100のCPU201は、ウェブメール編集を行うインターフェース(不図示)の[送信]メールの押下を受け付ける。
【0102】
ステップS101〜102、メールサーバが実行をする。未返信メールが存在する場合、メールサーバは、
図11の第一の警告画面と、
図10(A)の未返信メールテーブル表示画面と、
図12の第二の警告画面を表示するための画面情報を生成し、情報処理装置100に送信する。
【0103】
ステップS103〜107は、情報処理装置100が実行をする。情報処理装置100は、
図11の第一の警告画面を表示し、「はい」が押下されると、
図10の未返信メールテーブル表示画面を表示し、一覧に表示されているメールのうち不要なメールを削除し、ステップS107で
図12の第二の警告画面を表示し、「はい」の押下を受け付ける。
【0104】
ステップS108〜110は、メールサーバが実行をする。メールサーバは、情報処理装置100より優先送信ボタンの押下と、第二の警告画面の「はい」の指示を受け付けると、編集中であったメールを一度メールサーバで保存し、
図13のダイアログ画面の画面情報を生成し、情報処理装置100に送信する。
【0105】
ステップS111では、情報処理装置100で表示された
図13のダイアログ画面で「はい」の押下を受け付けると、指示がメールサーバへ送信され、メールサーバは、再び
図10(A)の未返信メールテーブル表示画面情報を生成し、情報処理装置100へ送信する。
【0106】
また、
図4の未返信メール検索処理、
図5〜
図8の未返信メールテーブルの更新処理については、その時々に、情報処理装置100より情報を受信し、メールサーバにおいて各処理工程を実現し、その結果を情報処理装置100に再び送信することで実現可能である。
【0107】
以上によれば、ウェブメールシステムにおいて、第一の実施例と同様に、メールを送信する際に未返信のメールがある際のメール送信に警告を表示するシステムの提供することが可能になる。
【0108】
以上、実施形態、具体例を主に詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0109】
本発明におけるプログラムは、
図3〜
図8に示すフローチャートの処理に従って情報処理装置100としてのコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は
図3〜
図8の処理方法を情報処理装置100が実行可能なプログラムを記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは
図3〜
図8の各装置の処理方法ごと、別の独立したプログラムであってもよい。
【0110】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0111】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0112】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0113】
また、情報処理装置100が読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0114】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0115】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0116】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0117】
また上記のソフトウェアで実現する各処理を、ファームウェアやハードウェア構成にして、各処理を各手段として実現することも可能であり、本発明の技術的範囲はこのようなファームウェアやハードウェア構成による実現も含むものである。