(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明において膨潤ゲルとは、液体を含有して膨潤した状態の重合体であり、実質的に水に不溶であって実質的に流動性を失った固体の状態にある。好ましくは、膨潤ゲルは、重合体と架橋剤との反応(以下、「架橋反応」ということもある)によって構成される架橋構造、好ましくは網目構造中に液体を取り込んで膨潤した状態の架橋重合体である。ここで、膨潤ゲルが含有する液体は、架橋重合体に含有されて、膨潤状態が生じる限り特に限定されない。本明細書において、膨潤ゲル中の液体が実質的に水である場合、本明細書において、その膨潤ゲルを特にハイドロゲルということもある。
なお、架橋重合体以外の形態の膨潤ゲルとしては、例えば、極めて高分子量が高く不溶性を示す重合体、不溶性の構成単位を含む不溶性を示す重合体又は共重合体を挙げることができる。
【0015】
本発明においてCO
2キャリヤとは、CO
2を吸収又は吸着して担持するものであって、担持したCO
2を放出可能な物質である。
【0016】
本発明の光合成生物の光合成促進方法において用いられる膨潤ゲルは、下記一般式(1)
【化2】
(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表される構成単位を含む膨潤ゲルである。本発明の光合成生物の光合成促進方法において用いられる膨潤ゲルは、好ましくは、上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体と架橋剤とを反応させて得られる架橋重合体に液体を含有させ、架橋重合体を膨潤させることで得られる。
なお、架橋反応の際に、上記一般式(1)で表される構成単位の一部は架橋剤と反応して上記一般式(1)で表される構造とは異なる構造をとるが、上記一般式(1)で表される構成単位の全てが架橋剤と反応するわけではないため、本発明の光合成生物の光合成促進方法において用いられる膨潤ゲル、又は上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体と架橋剤とを反応させて得られる架橋重合体には上記一般式(1)で表される構成単位が含まれる。
【0017】
上記一般式(1)で表される構成単位を形成する単量体の例としては、モノアリルアミン、N−メチルアリルアミン、N−エチルアリルアミン、N−プロピルアリルアミン、N−ブチルアリルアミン等が挙げられる。
【0018】
上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体は、上記一般式(1)で表される構成単位を、重合体の総質量に対して、10質量%以上含むことが好ましく、30質量%以上含むことがより好ましい。さらには、CO
2吸収性の観点及び重合体の水溶性の観点からは、上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体は、上記一般式(1)で表される構成単位のみからなることが特に好ましい。上記一般式(1)で表される構成単位のみからなる重合体としては、例えば、ポリアリルアミン、ポリ(N−メチルアリルアミン)、ポリ(N−エチルアリルアミン)、ポリ(N−プロピルアリルアミン)、ポリ(N−ブチルアリルアミン)を挙げることができ、1級アミノ基を有しCO
2吸収性が特に良好な点から、ポリアリルアミンが最も好ましい。
【0019】
上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体は、上記一般式(1)で表される構成単位を形成する単量体と、この単量体と共重合可能な単量体との共重合体でもよい。上記一般式(1)で表される構成単位を形成する単量体と共重合可能な単量体の例としては、N,N−ジメチルアリルアミン、N,N−ジエチルアリルアミン、N,N−メチルエチルアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、N−エチルジアリルアミン、N−プロピルジアリルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ジアリルアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)ジアリルアミン、N−(3−ヒドロキシプロピル)ジアリルアミン、N,N−ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、N,N−ジエチルジアリルアンモニウムクロリド、N,N−ジプロピルジアリルアンモニウムクロリド、N,N−ジブチルジアリルアンモニウムクロリド、ビニルピロリドン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、アクリルアミド、アクリロニトリル、ヒドロキシエチルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン、アクリル酸、塩化ビニル、ビニルイソシアネート、メタクリロニトリル、メタクリル酸、メチルビニルケトン、メチルビニルエーテル、ビニルピリジン、アクロレイン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル等が挙げられる。
【0020】
上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体中のアミノ基は、一部が酸性化合物との塩を形成していてもよい。ここで酸性化合物としては、例えば、塩酸、酢酸、硫酸、アミド硫酸等が挙げられる。
【0021】
上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体の分子量は、架橋反応により膨潤ゲルを生じる限り特に限定されない。例えば、上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体の分子量はとしては、1,000〜1,000,000が挙げられる。この範囲の中でも、膨潤ゲル形成時に架橋重合体が有するアミノ基量と膨潤ゲル中の溶液とのバランスが良く、膨潤ゲルのCO
2吸収性が高いことから、上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体の分子量は、好ましくは、5,000〜100,000であり、より好ましくは、10,000〜50,000である。
ここで、分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量を意味する。
【0022】
架橋剤は、架橋反応を通じて、上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体中の2つのアミノ基を他の原子を介して又は直接的に連結可能な化合物であれば特に制限はないが、上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体中のアミノ基と共有結合を生成可能な官能基を、少なくとも2個含有する化合物が好ましい。このような官能基としては、例えば、ハロゲン基、アルデヒド基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、酸ハライド基、N−クロロホルミル基、クロロホルメート基、イミドエーテル基、アミジニル基、イソシアネート基、ビニル基等が挙げられる。また、ホルムアルデヒドは、アミノ基2個と反応してアミナールを形成できるため、架橋剤として好適に使用できる。
【0023】
架橋剤としては、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、エピクロロヒドリン、トルエンジイソシアネート、エチレンビスメタクリルアミド、エチリデンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2−エタンジオールジグリシジルエーテル、1,3−ジクロロプロパン、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジブロモプロパン、1,2−ジブロモエタン、スクシニルジクロリド、ジメチルスクシネート、アクリロイルクロリド、ピロメリティックジアンヒドリド等が挙げられる。これらの中でも、上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体との架橋性に優れるため、エピクロロヒドリン、メチレンビスアクリルアミド、1,4−ブタンジオールジクリシジルエーテル、1,2−エタンジオールジグリシジルエーテル(エチレングリコールジグリシジルエーテル)、1,3−ジクロロプロパン、1,2−ジクロロエタン、1,3−ジブロモプロパン、1,2−ジブロモエタン、スクシニルジクロリド、ジメチルスクシネート、トルエンジイソシアネート、アクリロイルクロリド及びピロメリティックジアンヒドリドからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、エピクロロヒドリン又はメチレンビスアクリルアミドがより好ましい。
【0024】
架橋剤は、上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体中のアミノ基の総モル量に対して、1.5〜15モル%を用いることが好ましい。架橋剤の量が1.5モル%以上であれば、架橋反応によるゲル化を十分進行させることが容易であり、15モル%以下であれば、得られる膨潤ゲルが含有できる液体の量の著しい低下を抑制できる。さらには、膨潤ゲルが含有できる液体の量が著しく増加することから、架橋剤の量は、上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体中のアミノ基の総モル量に対して、2〜4モル%であることがより好ましく、2.5〜3.5モル%であることがさらに好ましい。
【0025】
架橋重合体を膨潤させる液体については、架橋重合体に含有されて架橋重合体を膨潤させることができ、CO
2を溶解可能であり、かつ光合成生物の生育に実質的な悪影響を与えない液体であれば特に限定されない。液体は、好ましくは水であるが、水とCO
2吸収液との混合液体であっても良い。CO
2吸収液であって、架橋重合体を膨潤させることができ、かつ光合成生物の生育に悪影響を与えないものとしては、例えば、低分子量ポリアリルアミン水溶液、炭酸カリウム水溶液及び炭酸ナトリウム水溶液を挙げることができる。
ここで、「光合成生物の育成に実質的な悪影響を与えない」とは、液体の濃度やpHを調節することで、液体と光合成生物とが接触等しても光合成生物の生育に実質的な悪影響を与えないことと、液体と光合成生物との接触等を制限することができ、それにより光合成生物の生育に実質的な悪影響を与えないこと、の両方を含む。
【0026】
架橋反応は、均一なゲルの効率的な製造という観点から、溶媒の存在下で行われることが好ましい。溶媒としては、水、極性溶媒、水と極性溶媒との混合溶媒が挙げられる。極性溶媒としては、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」ということもある)等を挙げることができる。膨潤の際の液体として利用可能であることから、溶媒としては水が好ましい。
溶媒の使用量は、上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体の総量1質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましい。
水を含む溶媒の存在下で架橋反応を進行させるため、上記一般式(1)で表される構成単位を含む重合体は水溶性であることが好ましい。
【0027】
架橋反応の反応条件については特に限定されないが、CO
2の削減に貢献するという観点からは、加熱及び加圧を行わずに室温常圧条件で架橋反応が進行することが好ましい。また、均一なゲルの効率的な製造という観点からは、この反応条件において、ゲル化開始時間が重合体と架橋剤を混合した後10〜60分であることが好ましい。そして、このような架橋反応が生じる重合体、架橋剤及び溶媒を前記した範囲から選択することが好ましい。なお、ゲル化の開始とは、溶液が固化することを意味する。
ここで、室温とは、10〜35℃の範囲の温度をいう。
また、常圧とは、1013±50hPaの範囲の圧力のことであり、自然界における大気圧の変動範囲とほぼ一致する。
【0028】
架橋重合体の膨潤は、架橋反応と同時に溶媒を架橋重合体に含有させることで行ってもよく、又は、架橋重合体を凍結乾燥等により乾燥させた後、乾燥した架橋重合体に液体を含有させることで行ってもよい。
【0029】
本発明の光合成生物の光合成促進方法において用いられる膨潤ゲルの膨潤度は、下記式(a)により求められる。
膨潤度=(W
wet−W
dry)/W
dry (a)
ここで、W
wetは、膨潤ゲルを蒸留水で洗浄した後、表面の水をティッシュペーパーで除去し、次いで、液体中に浸漬して膨潤ゲルを膨潤させ、最後に表面の余分な液体をティッシュペーパーで除去した後に測定した膨潤ゲルの重量である。W
dryは、膨潤ゲルを重量が一定値となるまで60℃の真空オーブンで乾燥させ、次いで、乾燥器内で冷却した後に測定した膨潤ゲルの重量である。
本発明の光合成生物の光合成促進方法において用いられる膨潤ゲルがとる膨潤度としては、5〜250を挙げることができる。CO
2吸収性が高いことから、膨潤ゲルの膨潤度は、20〜80であることが好ましく、CO
2吸収性が特に高いことから、40〜60であることがより好ましく、45〜55であることがさらに好ましい。
【0030】
本発明の光合成生物の光合成促進方法のCO
2吸収工程は、CO
2を含むガス又は液体と、前述した本発明で用いられる膨潤ゲルとを接触させ、膨潤ゲルにCO
2を吸収させ、CO
2キャリヤを製造する工程である。
【0031】
大気中に放出されるCO
2の削減に貢献するという観点からは、CO
2を含むガスと膨潤ゲルを接触させて、膨潤ゲルにCO
2を吸収させることが好ましい。また、特に大気中のCO
2の削減に貢献することから、大気中のCO
2又は排気ガス中のCO
2を膨潤ゲルに吸収させることがより好ましく、CO
2の吸収量が多くなることから、CO
2を高濃度に含む排気ガス中のCO
2を膨潤ゲルに吸収させることがさらに好ましい。
【0032】
本発明の光合成生物の光合成促進方法のCO
2吸収工程で用いられる排気ガスには特に制限はなく、各種燃焼機関、各種化学プロセス、又は各種熱処理プロセスから排出される各種の排気ガスを用いることができる。CO
2低減の効果が高く、また、CO
2吸収の効率が高いことからCO
2濃度の高い排気ガスが好ましく、そのCO
2濃度が、例えば、1〜30%であり、好ましくは5〜30%であるものが好ましく用いられる。
排気ガスの排出源は特に限定されないが、例えば、自動車、工場や家庭用ボイラーや火力発電所を挙げることができる。排気ガスの温度にも特に制限はないが、好ましくは20から80℃、更に好ましくは、20から45℃である。
【0033】
本発明の光合成生物の光合成促進方法のCO
2吸収工程において、本発明で用いられる膨潤ゲルにCO
2を吸収させる温度は特に限定されないが、大気中又は排気ガス中のCO
2を吸収する場合には排気ガスの温度に依存して、例えば、10〜100℃の条件を挙げることができる。CO
2削減という観点からは、CO
2吸収の際に加熱又は冷却を行わないことが好ましい。一方、膨潤ゲルによるCO
2の吸収効率という観点からは、CO
2吸収量に優れるため、吸収温度は、0〜40℃であることが好ましく、10〜30℃であることがより好ましい。
【0034】
本発明の光合成生物の光合成促進方法のCO
2吸収工程において、本発明で用いられる膨潤ゲルにCO
2を吸収させる圧力は特に限定されない。CO
2削減という観点からは、CO
2吸収の際に加圧又は減圧を行わず、常圧でCO
2を吸収が行われることが好ましい。一方、膨潤ゲルによるCO
2の吸収効率という観点からは、CO
2吸収量に優れるため、1〜10MPaの加圧条件でCO
2を吸収させることが好ましい。
【0035】
本発明の光合成生物の光合成促進方法において用いられるCO
2キャリヤは、前述した本発明で用いられる膨潤ゲルに、前述したようにCO
2を吸収させることで製造される。
【0036】
本発明で用いられるCO
2キャリヤは、CO
2キャリヤに含まれる膨張ゲルの乾燥質量1gあたり、例えば、5〜100mmolのCO
2を吸収可能である。光合成生物の光合成促進効果が高いことから、本発明で用いられるCO
2キャリヤとしては、CO
2キャリヤに含まれる膨張ゲルの乾燥質量1gあたり15mmol以上のCO
2を吸収したものを用いることが好ましい。
【0037】
本発明の光合成生物の光合成促進方法において用いられるCO
2キャリヤは、前述した本発明で用いられる膨潤ゲルの表面が透析膜で覆われていてもよい。特にCO
2キャリヤを溶液中で用いる場合に、透析膜が膨潤ゲルの表面に存在することで、膨潤ゲルが溶液内で拡散することを予防し、膨潤ゲルと光合成生物との接触を防止し、また、CO
2を溶液中に容易に拡散することができる。また、膨潤ゲルを膨潤させる液体としてCO
2吸収液を用いた場合、膨潤ゲルの表面がCO
2吸収液の分子量を透過させない透析膜で覆われていることで、光合成生物とCO
2吸収液との接触を防止できる。
利用可能な透析膜としては、その材質が、例えば、再生セルロース、セルロースアセテート、ポリエーテルスルホンである、透析チューブ又は限外濾過フィルターを挙げることができ、成形が容易なことから透析チューブが好ましい。
ここで、膨潤ゲルを透析膜で覆った状態でCO
2を吸収させても、膨潤ゲルにCO
2を吸収させてから透析膜で覆ってもよい。
【0038】
本発明の光合成生物の光合成促進方法のCO
2放出工程は、前述した本発明のCO
2吸収工程により製造されたCO
2キャリヤを、光合成生物の生育温度にある環境下に配置し、このCO
2キャリヤから放出されるCO
2を光合成生物に供給して、光合成生物の光合成を促進する工程である。光合成生物の光合成が促進されることで、一般的に、光合成生物の生長や増殖が促進される。
【0039】
本発明の光合成生物の光合成促進方法のCO
2放出工程において、CO
2キャリヤは、少なくとも10時間継続してCO
2を放出し、好ましくは少なくとも24時間以上継続してCO
2を放出し、より好ましくは少なくとも48時間以上継続してCO
2を放出し、さらに好ましくは少なくとも72時間以上継続してCO
2を放出する。また、光合成生物の光合成を有効に促進する上での、本発明で用いられるCO
2キャリヤのCO
2放出継続時間は、CO
2の放出開始から96〜120時間であることが好ましい。ここで、CO
2放出継続時間は、CO
2キャリヤを蒸留水中に浸漬してCO
2キャリヤからCO
2を放出させた場合に、周囲のpH変化が飽和する時間として求めることができる。
【0040】
本発明の光合成生物の光合成促進方法のCO
2放出工程において、光合成が促進される光合成生物は、光合成を行う生物であれば特に限定されないが、好適な光合成生物としては、例えば、野菜、果実、花、藻類、ラン色細菌、光合成細菌を挙げることができる。中でも、本発明の光合成生物の光合成促進方法による光合成促進が容易なことから、光合成生物としては、藻類、ラン色細菌、光合成細菌が好ましく、藻類がより好ましい。
野菜、果実、花の中でも、例えば、トマト、パプリカ、キュウリ、イチゴ、スイカ、メロン、キク等の温室で栽培を行う栽培植物が好ましい。温室のような閉鎖された空間の方が、温室内に配置されたCO
2キャリヤから栽培植物へのCO
2供給が容易だからである。また、CO
2キャリヤから植物へのCO
2供給がより容易な点から、イチゴ等の背の低い栽培植物がより好ましい。
藻類としては、例えば、クロレラ、クラミドモナス等の緑藻類やミドリムシ等のユーグレナ藻類を挙げることができる。
ラン色細菌としては、例えば、シネココッカス属、シネコシスティス属、グロエオバクター属、グロエオカプサ属、デルモカルパ属、プレウロカプサ属、オッシラトリア属、スピルリナ属、トリコデスミウム属、アナベナ属、カラトリックス属、ノストック属、フィシエレラ属、マスティゴクラドウス属、スティゴネマ属に属する菌が挙げられる。
光合成細菌としては、例えば、クロロビウム属、クロマティウム属、ロドシュードモナス属、ロドスピルラム属、ロドバクター属に属する菌が挙げられる。
藻類や細菌類の光合成促進にCO
2キャリヤを用いる場合、CO
2キャリヤは藻類の培養液中に浸漬して用いることでより効率的にCO
2キャリヤから藻類や細菌類へCO
2を供給することができる。また、藻類や細菌類の中でも、大量の油脂や炭化水素等を蓄積し、バイオ燃料の供給源となりうるものを選択することが、産業上の利用性の観点からは好ましい。藻類や細菌類の中でも、バイオ燃料としての利用可能性が高いことから、緑藻類が特に好ましい。
【0041】
本発明の光合成生物の光合成促進方法のCO
2放出工程において光合成が促進される光合成生物の生育温度に特に制限はないが、好ましい温度範囲としては、5〜70℃を挙げることができ、15〜50℃が好ましい。
【0042】
本発明で用いられる膨潤ゲルは、固体であり、容易に運搬ができ又は形状を加工できる程度の硬度を有するため、ハンドリング性が良好である。そのため、本発明の光合成生物の光合成促進方法におけるCO
2吸収工程が行われる場所とCO
2放出工程が行われうる場所とは、遠隔地であってもよい。CO
2吸収工程によって製造されたCO
2キャリヤを密閉可能な容器に密封して運搬し、遠隔地の光合成生物の生育環境においてそのCO
2キャリヤを開封してCO
2を放出させ、光合成生物の光合成を促進することができる。
特に、家庭等の小規模分散型排出源で排出される排気ガスから、本発明で用いられる膨潤ゲルにCO
2を吸収させ、各小規模分散型排出源で製造されたCO
2キャリヤを植物工場や大規模藻類培養槽に集積して、光合成生物の光合成を促進することで、効率的に大気中のCO
2を光合成生物の光合成により固定化し、CO
2の削減に貢献できる。
【0043】
本発明の光合成生物の光合成促進方法におけるCO
2放出工程においてCO
2を放出した後の膨潤ゲルは、CO
2吸収工程において再びCO
2を吸収させることで、CO
2キャリヤとして再生することができる。CO
2吸収工程とCO
2放出工程を繰り返すことで、本発明の光合成生物の光合成促進方法を用いて効率的にCO
2の削減に貢献できる。
【0044】
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0045】
[実施例1−CO
2ガスを吸収させたPAAハイドロゲルを含むCO
2キャリヤを用いた緑藻の光合成促進]
【0046】
(1)PAAハイドロゲルの製造
先ず、実施例で製造するPAAハイドロゲルの架橋反応収率及び膨潤度の算出方法を示す。
【0047】
PAAハイドロゲルの架橋反応収率は、下記式(b)で算出した。
架橋反応収率(%)=100×W
gel/(W
PAA+W
架橋剤) (b)
ここで、W
gelはポリアリルアミン(以下、「PAA」ということもある)と架橋剤とを架橋反応させて得られるPAAハイドロゲルを凍結乾燥させて得られる乾燥ゲルの重量である。W
PAAは架橋反応に使用したPAAの重量である。W
架橋剤は架橋反応に使用した架橋剤の重量である。
【0048】
PAAハイドロゲルの膨潤度は、下記式(a)により算出した。
膨潤度=(W
wet−W
dry)/W
dry (a)
PAAハイドロゲルの場合において、W
wet測定時のPAAハイドロゲルの膨潤は蒸留水中に浸漬して行った。
ここで、PAAハイドロゲルが十分量の蒸留水中で膨潤平衡に達した際のW
wetにより求められる膨潤度を、特に最大膨潤度と呼ぶ。
【0049】
PAAハイドロゲルは、PAAと架橋剤であるメチレンビスアクリルアミド(以下、「MBA」ということもある)とを反応させた後、洗浄、乾燥、再膨潤させることで製造した。
具体的には、PAA(日東紡績社製、商品名:PAA−25、重量平均分子量:25,000)の10.3重量%水溶液10ml(PAA中のアミノ基の総量18mmol相当分)に、MBA(東京化成工業株式会社製社製)の6.0重量%DMSO溶液1.44ml(MBA0.54mol相当分、PAA中のアミノ基の総モル量に対して3.0mol%相当分)を加え、25℃の条件で、20時間撹拌しながら架橋反応を進行させ、PAAハイドロゲルを得た。この架橋反応における架橋反応収率は79%であった。この架橋反応の際、ゲル化は反応開始後15分から観察された。ここで、用いるMBAの量を調節することで、最大膨潤度の異なるPAAハイドロゲルを製造することができる。
次いで、PAAハイドロゲルを蒸留水に浸漬し、1日ごとに蒸留水を交換しながら10日間振とう洗浄を行い、未反応のPAAと架橋剤を除去した。
次いで、洗浄したPAAハイドロゲルを凍結乾燥機(東京理科器株式会社製)で質量が一定となるまで乾燥させた。
次いで、凍結乾燥させたPAAハイドロゲルの中から直径が500μm以下のものをふるいにより選別した。選別された凍結乾燥させたPAAハイドロゲルを50mlの蒸留水中に浸漬して再膨潤させ、PAAハイドロゲルを得た。ここで、再膨潤の際に、凍結乾燥させたPAAハイドロゲルに含有させる蒸留水の量を調節することにより、任意の膨潤度のPAAハイドロゲルを得ることができる。
【0050】
得られたPAAハイドロゲルのIRスペクトルは
図1に示すとおりであり、アミド構造由来の吸収が1610cm
−1(C=O伸縮振動)、1487cm
−1(NH変角振動)に観測され、アリルアミン骨格由来の吸収が3400cm
−1(NH伸縮振動)、1568cm
−1(NH変角振動)に観測されたことから、アミド構造を架橋部位に有するPAAハイドロゲルであることが確認された。
【0051】
架橋剤であるMBAの濃度に応じて、表1に示すようなPAAハイドロゲルが得られた。なお、表中のMBA濃度は、PAA中のアミノ基の総モル量に対するモル比を表している。
【0052】
【表1】
【0053】
(2)PAAハイドロゲルを含むCO
2キャリヤの製造
先ず、実施例で製造されるPAAハイドロゲルを含むCO
2キャリヤのCO
2吸収量の評価方法を示す。
【0054】
CO
2キャリヤのCO
2吸収量は、
図2に示す装置を用いて測定した。
具体的には、
図2においてCO
2キャリヤを120℃に加熱してCO
2を放出させ、目盛り付きの円筒中の水位が下がった量を見積もることによりCO
2吸収量(体積ml)を決定した。この吸収量をモル数に変換し、使用した乾燥ゲルの重量(g)で割ることにより、CO
2吸収量(mmol/g)を算出した。
なお、
図2中に示す酸性溶液としては1mol/l塩酸水溶液を用いた。
【0055】
CO
2キャリヤは、前述した方法で作成したPAAハイドロゲルに加圧下又は常圧下でCO
2を吸収させることにより作成した。
具体的には、PAAハイドロゲルにCO
2吸収を加圧下で行わせる場合には、先ず、PAA中のアミノ基の総モル量に対して3.0mol%相当分の架橋剤を用いて、前記(1)に記載の方法で作成した所定の膨潤度のPAAハイドロゲルを透析チューブ(PIERCE社製、商品名:ShakeSkin Pleated Dialysis Tubing、直径:22mm、分子量カットオフ:3500)で包んでオートクレーブ(耐圧硝子工業株式会社製)に加え、次いで、オートクレーブ中のCO
2圧力が5.0MPaになるように加圧して、PAAハイドロゲルにCO
2を所定の温度で20時間吸収させて、CO
2キャリヤを製造した。
また、PAAハイドロゲルにCO
2吸収を常圧下で行わせる場合には、先ず、前記(1)で作成した所定の膨潤度のPAAハイドロゲルを
図3に示す装置の丸底フラスコ内に加え、次いで、フローメーターを用いてCO
2流量を0.15ml/minに調節し、吸湿器を通して飽和蒸気圧にしたCO
2を所定の温度で20時間かけてPAAハイドロゲルに吸収させて、CO
2キャリヤを製造した。
【0056】
PAAハイドロゲルの製造時に用いた架橋剤、PAAハイドロゲルの膨潤度、CO
2ガス吸収時の圧力条件及び温度に応じて、表2に示すようなCO
2キャリヤが得られた。なお、表2中、ECHは、MBAに代えて、エピクロロヒドリン(6.0%DMSO溶液、東京化成工業株式会社製)を架橋剤として用いたことを意味している。
【0057】
【表2】
【0058】
前述した方法で製造されたCO
2キャリヤのCO
2徐放性を以下の方法で確認した。
乾燥時重量が0.15gであり膨潤度が50であるPAAハイドロゲルに、前述した方法で25℃の加圧条件でCO
2を吸収させたCO
2キャリヤを、三角フラスコ中の蒸留水に浸漬し、次いで、三角フラスコ中の蒸留水にpHメーター(CUSTOM社製)を設置し、三角フラスコに綿栓をし、綿栓の上からアルミホイルをかけて、pHの変化を測定した。
1つの実験では、CO
2キャリヤを72時間継続して蒸留水に浸漬しながらpHを測定し(
図4(A)参照)、別の実験では、CO
2キャリヤを蒸留水に24時間浸漬後に取り出して、pHの変化を測定した(
図4(B)参照)。なお、これら2つの実験で用いたCO
2キャリヤは、PAAハイドロゲルを膨潤させた日やCO
2を吸収させた日が異なるため、そのCO
2吸収量は、厳密には一致しない可能性がある。
図4(A)に示すよう、CO
2キャリヤを72時間後継続して蒸留水に浸漬した場合、72時間後でもpHは5.2程度であった。一方、CO
2を吸収させないPAAハイドロゲルを蒸留水に浸漬した場合には、pHが約9となった(図示せず。)。
図4(A)と
図4(B)を比較すると、
図4(A)ではpHがほぼ一定の比較的緩やかなペースで変化するのに対し、
図4(B)ではCO
2キャリヤを取り出した後は、取り出す前よりも速いペースでpHが変化し、CO
2キャリヤを蒸留水に浸漬して70時間後にはpHがほぼ一定値となった。
図4(B)におけるpH変化の勾配の変化は、CO
2キャリヤからのCO
2放出がなくなったためである。また、72時間ほぼ一定のペースでpHが変化することは、CO
2キャリヤは72時間継続してCO
2を放出していることを示している。
以上の結果より、前述した方法で製造されたCO
2キャリヤがCO
2徐放性を有することが確認された。
【0059】
(3)CO
2キャリヤを用いた緑藻の光合成促進
上述の(1)に記載の方法で製造された、乾燥時重量が0.15gであり、PAA中のアミノ基の総モル量に対して3.0mol%のMBAを用いて架橋された、膨潤度が50であるPAAハイドロゲルに、前述した方法で25℃の加圧条件でCO
2を吸収させて得たCO
2キャリヤを、クラミドモナス培養液中に投入してクラミドモナスの培養を行った。培養液中のクロロフィル濃度を測定し、CO
2キャリヤが有する緑藻の光合成促進性を評価した。
具体的には以下のようにしてクラミドモナスの培養及び光合成促進性の評価を行った。なお、以下の操作において、クロロフィル濃度は、クリーンベンチ内で培養液200mlから1mlをサンプリングし、常法により求めた。ここで、培養液のサンプリングは3回行い、それぞれに調製、定量を行い、各サンプリングの平均値をクロロフィル濃度とした。
【0060】
i)培養液の前処理
200ml三角フラスコにHSM培地200mlを入れた。この三角フラスコに綿栓をし、綿栓及びフラスコの口をアルミ箔で覆った。
次いで、高温高圧滅菌器(TOMY精工社製)中に三角フラスコを静置し、HSM培地を滅菌した。
次いで、クリーンベンチ内でクラミドモナスの前培養液10mlをHSM培地に加えた。
ii)培養
クリーンベンチ内でCO
2キャリヤを培養液中に投入し、気温23℃の条件で、蛍光灯照射下に、撹拌しながら培養を行った。
iii)クロロフィル量評価
培養2日後の培養液中のクロロフィル増加量を評価した。評価結果を表3に示す。表3において、クロロフィル増加量は、クロロフィル濃度を、同じ前培養液を用いて、CO
2キャリヤを投入せずに同一条件で2日間培養した場合のクロロフィル濃度を1としたときの比率で表現したものである。
ここで、クロロフィル増加量をクロロフィル濃度の比率で表現するのは、実験シリーズが異なると前培養液中のクラミドモナス量、温度、湿度、光条件等を完璧に同一にするのが困難なためである。
【0061】
表3に示すように、CO
2キャリヤを加えた培養液とCO
2キャリヤを加えなかった培養液を比較して、CO
2キャリヤを加えた培養液ではクロロフィル濃度が著しく増加した。
【0062】
さらに、CO
2キャリヤを加えた培養液、CO
2の代わりにN
2を吸収させたPAAハイドロゲルを加えた培養液において、培養4日目に、それぞれ、CO
2キャリヤ又はN
2を吸収させたPAAハイドロゲルを交換させたところ、
図5に示すように、CO
2キャリヤを交換した場合のみ、クロロフィル濃度は著しく増加した。
図5(A)は、クロロフィル濃度の変化を示す。(A)中の凡例「CO
2」は、培養液にCO
2ガスを吸収させたPAAハイドロゲルを含むCO
2キャリヤを加えた場合、凡例「N
2」はCO
2ガスに代えてN
2吸収させたPAAハイドロゲルを加えた場合、blankはCO
2キャリヤ等を加えなかった場合を示す。また、(A)中の矢印は、CO
2キャリヤ又はN
2吸収させたPAAハイドロゲルを投入、又は交換したタイミングを示す。
図5(B)は、培養開始0〜6日後の培養液の外観を示す。これらは、各時点において、培養液を少量サンプリングした後に培養液を撮影したものである。なお、培養開始0日後とは、CO
2ガスを吸収させたPAAハイドロゲルを投入した直後を意味し、培養開始1日後とは、投入してから24時間後を意味する。
【0063】
また、MBAの代わりに、エピクロロヒドリン(6%DMSO溶液、東京化成工業株式会社製)を架橋剤として用いたPAAハイドロゲルを用いて同様のクラミドモナス培養を行ったところ、架橋剤の種類が異なる場合でも、クロロフィル濃度の増加が確認された。
【0064】
これらの結果より、CO
2ガスを吸収させたPAAハイドロゲルを含むCO
2キャリヤから、CO
2が常温・常圧で放出され、藻類の光合成を促進したことが確認された。
【0065】
[実施例2−排気ガスを吸収させたPAAハイドロゲルを含むCO
2キャリヤを用いた緑藻の光合成促進]
上述の実施例1(1)に記載の方法で製造された、乾燥時重量が0.15gであり、PAA中のアミノ基の総モル量に対して3.0mol%のMBAを用いて架橋された、膨潤度が50であるPAAハイドロゲルに排気ガスを吸収させて得たCO
2キャリヤを、クラミドモナス培養液中に投入してクラミドモナスの培養を行った。
【0066】
具体的には、工場ボイラーの排気ガス排出口にPAAハイドロゲルを1時間静置し、排気ガスをPAAハイドロゲルに吸収させた。ここで、排気ガスの温度は、排気ガスの自動冷却により変動し、30〜45℃であった。また、排気ガスのCO
2濃度は8.6%であり、排気ガスが含む水分量は18mg/lであった。
【0067】
工場ボイラーの排気ガスを吸収させたPAAハイドロゲルは、サンプル管瓶中に入れて密閉され、240時間、運搬及び保存された。
【0068】
工場ボイラーの排気ガスを吸収させたPAAハイドロゲルを120℃に加熱し、放出されたガスをガスクロマトグラフィー(島津製作所製)により解析したところ、
図6に示すように、CO
2が検出された。この結果より、工場ボイラーの排気ガスを吸収させたPAAハイドロゲルがCO
2キャリヤであることが確認された。
【0069】
CO
2ガスを吸収させたPAAハイドロゲルを含むCO
2キャリヤに代わり、工場ボイラーの排気ガスを吸収させたPAAハイドロゲルを含むCO
2キャリヤを用いた他は、実施例1と同様の条件で緑藻の培養を行った。
【0070】
その結果を表3に示す。表3に示すように、工場ボイラーの排気ガスを吸収させたPAAハイドロゲルを含むCO
2キャリヤに藻類の光合成促進効果が確認された。
【0071】
[比較例1−CO
2ガスを吸収させたポリ乳酸を用いた緑藻の培養]
PAAハイドロゲルに代えて、PAAハイドロゲルと乾燥重量が同量のポリ乳酸(ALDRICH社製、分子量:75,000〜120,000)に、25℃の加圧条件下でCO
2ガスを吸着させたものを用いた他は、実施例1と同様の条件で緑藻の培養を行った。なお、CO
2ガスの吸収量は、1.5mmol/gであった。
【0072】
その結果を表3に示す。表3に示すように、ポリ乳酸を用いた場合には、PAAハイドロゲルを用いた場合程の藻類の光合成促進効果は得られなかった。
【0073】
[比較例2−CO
2ガスを吸収させたイオン交換樹脂を用いた緑藻の培養]
PAAハイドロゲルに代えて、PAAハイドロゲルと乾燥重量が同量であり、乾燥重量に対して50倍の水を加えたイオン交換樹脂(三菱化学社製、ダイヤイオンSA12A;強塩基性陰イオン交換樹脂であって4級アミノ基を有する)に、25℃の加圧条件下でCO
2ガスを吸着させたものを用いた他は、実施例1と同様の条件で緑藻の培養を行った。なお、CO
2ガスの吸収量は、10.4mmol/gであった。
【0074】
その結果を表3に示す。表3に示すように、イオン交換樹脂を用いた場合には、PAAハイドロゲルを用いた場合程の藻類の光合成促進効果は得られなかった。
【0075】
【表3】