(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記貯液部は、当該液体噴霧装置を前記振動源側に傾けたときに前記液体が前記振動源の前記先端部と前記メッシュ部材との接触部近傍にまで到達し、且つ、当該液体噴霧装置を水平状態に保ったときは前記液体が前記接触部近傍には到達しないように形成され、
前記凹部は、当該液体噴霧装置を前記振動源側に傾ける方向に沿うように延びて設けられる、
請求項1から4のいずれかに記載の液体噴霧装置。
前記メッシュ部材を前記振動源の前記先端部側に投影する投影視において、前記メッシュ部材の傾斜している方向と前記凹部の前記延在方向とが互いに交差するように、前記メッシュ部材は前記振動源の前記先端部に対して取り付けられる、
請求項8に記載の液体噴霧装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に基づいた各実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。各実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。特に制限が無い限り、各実施の形態に示す構成を適宜組み合わせて用いることは、当初から予定されていることである。
【0022】
[実施の形態1]
(液体噴霧装置100)
図1を参照して、本実施の形態における液体噴霧装置100について説明する。
図1は、液体噴霧装置100の外観構成を示す斜視図である。液体噴霧装置100は、本体部20およびボトルユニット30を備える。
【0023】
(本体部20)
本体部20は、表面に電源スイッチ21を有する。本体部20の内部には、液体噴霧装置100を駆動する(後述するホーン振動子40を振動させる)ための電源(図示せず)および電気回路(図示せず)などが設けられる。ボトルユニット30は、本体部20に対して着脱可能に取り付けられる。
【0024】
(ボトルユニット30)
以下、ボトルユニット30の詳細について、
図2〜
図8を参照して説明する。
図2は、ボトルユニット30を示す斜視図である。
図3は、ボトルユニット30の分解した状態を示す第1斜視図である。
図4は、ボトルユニット30の分解した状態を示す第2斜視図である。
図5は、ボトルユニット30の分解した状態を示す断面図である。
【0025】
図6は、
図2中のVI−VI線に沿った矢視断面の斜視図である。
図6においては、図示上の便宜のため、メッシュ部材1(
図3〜
図5参照)(詳細は後述する)は図示されていない。
図6においては、同様に、メッシュ部材1、支持部材50,52、密閉支持パッキン51、および外側メッシュキャップ55についても図示されていない(これらについても詳細は後述する)。
図7は、
図6に対応する断面図である。
図8は、
図7中におけるメッシュ部材1の付近を拡大して示す断面図である。
【0026】
図2〜
図5に示すように、ボトルユニット30は、メッシュ部材1(
図1,
図3〜
図5参照)、ボトル部31(貯液部)、および、ホーン振動子40(振動源)(
図3〜
図5参照)を備える。
【0027】
(メッシュ部材1)
メッシュ部材1は、多数の微細孔(図示せず)を有する。メッシュ部材1は、たとえば、所定の比率で合金されたNi−Pd(ニッケル−パラジウム)から構成される。詳細は後述されるが、メッシュ部材1(
図1,
図3〜
図5参照)は、ホーン振動子40の先端部41の表面42に当接するように配置される。
【0028】
(ボトル部31)
図5〜
図8を参照して、ボトル部31の底面は、傾斜するように形成される。ボトル部31の内部には、薬液などの液体L(
図7参照)が貯留される。
【0029】
ボトル部31には、ホーン振動子40とは反対側に位置する注液口33と、ホーン振動子40に近づくにつれ徐々に細くなる先端開口32とが設けられる。注液口33を閉塞するように、キャップ35が取り付けられる。キャップ35は、支持部35Tによって矢印AR35方向(
図2参照)に回動可能に支持される。
【0030】
キャップ35がボトル部31に取り付けられることによって、ボトル部31の注液口33は閉塞される。キャップ35が注液口33を閉塞した状態は、キャップ35の上部に設けられた固定部35Kによって保持される。
【0031】
ボトル部31の先端開口32は、ホーン振動子40の先端部41に対向している。詳細は後述されるが、ボトル部31内に貯留された液体Lは、ホーン振動子40の先端部41の外側から、先端部41の表面42に供給される。
【0032】
ここで、ボトル部31は、ボトル部31は、液体噴霧装置100(
図1参照)を水平状態(
図7に示す水平状態)に保ったときには、ホーン振動子40の先端部41の表面(
図3等における表面42)とメッシュ部材1との接触部(霧化部)近傍に液体Lが到達しないように形成される。一方、ボトル部31は、液体噴霧装置100(
図1参照)をホーン振動子40側に傾けた噴霧状態(
図9に示す傾斜状態)においては、ホーン振動子40の先端部41の表面(
図3等における表面42)とメッシュ部材1との接触部(霧化部)近傍まで液体Lが到達するように形成される。
【0033】
具体的には、本実施の形態においては、ボトル部31は、大容量部分Bと、この大容量部分Bに先端開口32を通じて連通し、ホーン振動子40の先端部41に対向する小容量部分bとを有する。小容量部分bは、霧化された薬液を噴霧するボトルユニット30の開口部60の内壁62(
図6参照)とホーン振動子40の先端部41との間において、環状の空間S(
図5参照)を形成する。
【0034】
小容量部分bは、液体Lが小容量部分bの内部の空間S(
図5参照)に到達した状態においては、この液体L(
図9における液体LL)が霧化部近傍に接触するように形成される。小容量部分bは、空間S内に供給された液体LL(
図9参照)が僅かな液量であっても、液体LLが霧化部に達するように形成される。当該構成によって、液体噴霧装置100(
図1参照)をホーン振動子40側に傾けた噴霧状態(
図9に示す傾斜状態)においては、ボトル部31の大容量部分Bから小容量部分bに流入した液体LL(
図9参照)は、ホーン振動子40の先端部41の周囲および表面42に付着する。
【0035】
空間Sを形成する内壁62とホーン振動子40の先端部41との間隔は、大容量部分Bの液体Lが無くなる直前の微少量時に小容量部分bの液体LLが、霧化部近傍までメッシュ部材1と先端部41との間の表面張力により供給されるように設定されるとよい。
【0036】
ボトル部31は、通常の噴霧時(
図9の傾斜状態)以外の仮置き時の姿勢(たとえば
図7に示す水平状態)において、大容量部分Bの液体Lが一定量以下になったときに、大容量部分Bの液体Lと小容量部分bの液体LLとが互いに分離するように形成される。小容量部分bが大容量部分Bよりも高い位置にあるので、大容量部分Bに液体Lが一杯に入っておらず、しかも液面が先端開口32よりも下に位置する場合、小容量部分bの液体LLがホーン振動子40の先端部41の周囲に僅量残るだけで、他の液体Lは大容量部分Bに貯留される。
【0037】
なお、ボトル部31にキャップ35を取り付け、開口部60に後述する外側メッシュキャップ55および内側メッシュキャップ57を取り付けた状態では、ボトル部31の内部は、キャップ35に形成された外気導入用の穴(図示せず)を除いて液密に保持される。
【0038】
(ホーン振動子40)
図5および
図6を参照して、上述のとおり、ホーン振動子40は、ボトル部31の先端開口32に対向するように配置される。ホーン振動子40は、ボトルユニット30に設けられた開口部60の下側に位置する。ホーン振動子40の上側において、開口部60に対して後述する外側メッシュキャップ55および内側メッシュキャップ57が着脱可能に取り付けられる。
【0039】
(支持部材50・支持部材52)
図7および
図8(ならびに
図3〜
図5)を参照して、支持部材50および支持部材52は、メッシュ部材1を支持部材50および支持部材52の間に挟んだ状態で、互いに嵌合可能に構成される。メッシュ部材1は、ホーン振動子40の先端部41上において、互いに嵌合する支持部材50および支持部材52よって挟持される。支持部材50および支持部材52は、メッシュ部材1を挟持しつつ、メッシュ部材1がホーン振動子40の表面42に対して当接するようにメッシュ部材1を固定する。
【0040】
(密閉支持パッキン51・内側メッシュキャップ57・外側メッシュキャップ55)
互いに嵌合する支持部材50および支持部材52は、環状に形成される密閉支持パッキン51の内周部に取り付けられる。互いに嵌合する支持部材50および支持部材52は、密閉支持パッキン51によって、内側メッシュキャップ57に取り付けられる。密閉支持パッキン51の外周部が、内側メッシュキャップ57に嵌合する。密閉支持パッキン51によって、支持部材50,52と内側メッシュキャップ57との間の空隙が密閉される。
【0041】
内側メッシュキャップ57は、ボトルユニット30に設けられた開口部60を覆うように、開口部60の周りに取り付けられる。内側メッシュキャップ57は、内側メッシュキャップ57の支持部57Tが、ボトル部31側に設けられた支持部38Tによって回動可能に軸支される。内側メッシュキャップ57の外側を覆うように、外側メッシュキャップ55が設けられる。
【0042】
内側メッシュキャップ57が開口部60の周りに取り付けられた状態においては、密閉支持パッキン51によって、内側メッシュキャップ57と開口部60との間に形成される空隙が密閉される。当該密閉によって、ボトル部31内に貯留された液体Lおよび液体LLは、ボトル部31から外部に漏れないように保たれる。これにより、液体噴霧装置100を傾けた場合であっても、ボトル部31の内部の液体Lおよび液体LLが外部に漏れることはない。
【0043】
ここで、メッシュ部材1は、ホーン振動子40の先端部41の表面42に適度な力で接触させておく必要がある。製作上に生じる各部品の寸法ばらつき、または、各部品を組み付ける際に生じるばらつきなどによって、メッシュ部材1の表面42に対する接触圧には、ばらつきが生じる場合がある。
【0044】
本実施の形態における液体噴霧装置100においては、メッシュ部材1を挟持する支持部材50,52が、密閉支持パッキン51により支持される。メッシュ部材1は、密閉支持パッキン51を通してホーン振動子40の先端部41の表面42に接触するため、密閉支持パッキン51自身の弾性により上記のばらつきが吸収される。したがって液体噴霧装置100においては、メッシュ部材1と先端部41の表面42との安定な位置関係が保持されている。
【0045】
上述のとおり、内側メッシュキャップ57の支持部57Tが、ボトル部31側に設けられた支持部38Tによって回動可能に軸支される。当該構成によって、内側メッシュキャップ57は、内側メッシュキャップ57の内側にメッシュ部材1、支持部材50,52、および密閉支持パッキン51を一体的に取り付けた状態で、開口部60に対して着脱自在に取り付けられる。
【0046】
内側メッシュキャップ57にメッシュ部材1が取り付けられているため、内側メッシュキャップ57を開口部60に対して取り外す(内側メッシュキャップ57を回動させる)ことで、メッシュ部材1を容易に洗浄することが可能となっている。
【0047】
(液体噴霧装置100の動作)
ボトルユニット30を本体部20(
図1参照)に取り付けた液体噴霧装置100を机上などに置いた状態では、
図7のようにボトルユニット30は水平になり、ボトル部31内の液体Lはボトル部31の底部に溜まっている。
【0048】
液体噴霧装置100を手で持ってホーン振動子40側に傾けると、
図9のようにボトルユニット30が傾き、ボトル部31の大容量部分Bの液体Lが先端開口32から小容量部分bの空間S内に流入する。空間S内の液体LLは、ホーン振動子40の先端部41の外側から、先端部41の表面42とメッシュ部材1との接触部近傍に到達する。
【0049】
この状態で、本体部20の電源スイッチ21(
図1参照)を押せば、ホーン振動子40が超音波振動し、メッシュ部材1とホーン振動子40の先端部41の表面42との超音波振動により、液体LLがメッシュ部材1の微細孔を通して噴出され、開口部60(
図3〜
図5参照)から霧状の液体LLが噴霧される。この噴霧中において、本実施の形態における液体噴霧装置100には、先端部41の表面42に凹部43(詳細は後述する)が形成されているため、小容量部分bから液体L(液体LL)が少量ずつメッシュ部材1まで安定して供給される。
【0050】
ボトル部31の大容量部分Bの液体Lが微少量になっても(
図9参照)、小容量部分bの液体LLは、上記したようにホーン振動子40の先端部41と内壁62(
図6参照)との表面張力により、霧化部近傍まで上昇し、さらにホーン振動子40の振動によりメッシュ部材1まで供給されることができる。
【0051】
一方、通常の使用時以外の状態(たとえば、一時的に噴霧動作を休止したり、液体噴霧装置100を机上などに置いた場合)では、ボトル部31の大容量部分Bに満杯に近い液体Lが入っている以外は、液体Lは小容量部分bの内壁62にわずかに付着し、液体Lのほとんどは大容量部分Bに貯留される。電源スイッチ21を切り忘れた場合などでも、液体Lが無駄に消費されることが防止される。液体Lが無くなった時のオートパワーオフ機能と組み合わせれば、電池の無駄な消費も防げる。
【0052】
また、通常の噴霧時以外のとき(
図7に示す水平状態のとき)は、ホーン振動子40の先端部41の表面42とメッシュ部材1との接触部には液体Lが供給されない。メッシュ部材1には液体Lが供給されないため、液体Lの滲み出しおよび液体Lの液漏れが生じることもない。ボトル部31内の液体L,LLが外部に漏れることもない。
【0053】
(ホーン振動子40)
ここで、
図10〜
図14を参照して、本実施の形態における液体噴霧装置100(
図1参照)に用いられるホーン振動子40について詳細に説明する。
図10は、本実施の形態におけるホーン振動子40を示す斜視図である。
図11は、ホーン振動子40を示す平面図である。
図12はホーン振動子40の先端部41の表面42の近傍を示す側面図である。
図13は、
図12中のXIII−XIII線に沿った矢視断面図である。
図14は、ホーン振動子40の噴霧時の状態を示す断面図である。
【0054】
図10〜
図14に示すように、ホーン振動子40の先端部41の表面42には、表面42の略直径方向に沿って、溝状に延在する凹部43が設けられる。ホーン振動子40は、液体噴霧装置100をホーン振動子40側に傾ける方向に沿って凹部43が延在するように、回転方向における位相が位置決めされた状態で固定されるとよい。
【0055】
本実施の形態における凹部43は、第1端部43aおよび第2端部43bを有する。第1端部43aおよび第2端部43bは、凹部43の延在方向に沿って互いに対向している。第2端部43bは、第1端部43aの反対側に位置している。本実施の形態における凹部43は、第1端部43aおよび第2端部43bの双方が、先端部41の外周面に到達するように延びて設けられている。
【0056】
図11に示すように、本実施の形態におけるホーン振動子40の先端部41の表面42は、円形状に形成される。表面42の直径は、たとえば約3.5mmである。凹部43の延在方向(
図11紙面上下方向)に対して直交する方向(
図11紙面左右方向)における凹部43の幅43Dは、たとえば約1.0mmである。幅43Dは、表面42の直径の5%以上50%以下であるとよい。凹部43の幅43Dが広くなり過ぎる(表面42の面積が過度に減少する)と、噴霧状態が不安定となり、良好な噴霧が得られない場合がある。一方、凹部43の幅43Dが小さくなり過ぎると、凹部43本来の効果が得られない場合がある。したがって、幅43Dは、表面42の直径の5%以上50%以下であるとよい。
【0057】
図12および
図13を参照して、凹部43の表面42からの深さ43Hは、たとえば約0.1mmである。深さ43Hは、0.03mm以上1.0mm以下であるとよい。深さ43Hの値が当該範囲内に含まれなくなると、噴霧状態が不安定となり、良好な噴霧が得られない場合がある。凹部43の幅が狭く、深さ43Hが深すぎると、清掃面で好ましくない場合もある。また、凹部43の深さ43Hが浅すぎると、凹部43本来の効果が得られない場合がある。したがって、深さ43Hは、0.03mm以上1.0mm以下であるとよい。また、凹部43の底面43cの表面は、表面42の表面よりも粗く形成される(底面43cの表面粗さ>表面42の表面粗さ)。
【0058】
図13を参照して、ホーン振動子40の先端部41の表面42の外縁は、所定の加工半径41R(面取り寸法)を有するR面取り加工が施されている。加工半径41Rは、0.1mm(R0.1mm)より大きく、たとえば約0.2mmである。
【0059】
先端部41の表面42からの凹部43の深さ43Hは、加工半径41Rよりも小さく設けられるとよい。凹部43がエンドミルなどによって切削形成された場合、凹部43の第1端部43aまたは第2端部43bには、バリが形成される場合がある。凹部43の形成の後に表面42の外縁にR面取り加工が施される場合、先端部41の表面42からの凹部43の深さ43Hが加工半径41Rよりも小さく設けられることによって、バリを除去することが可能となる。
【0060】
R面取り加工に限られず、ホーン振動子40の先端部41の表面42の外縁は、所定の面取り寸法を有するC面取り加工が施されていてもよい。この場合も、面取り寸法は、0.1mm(C0.1mm)より大きく、たとえば約0.2mmであるとよい。当該構成によっても、上記のバリを除去することが可能となる。
【0061】
図14を参照して、ホーン振動子40の先端部41の表面42に凹部43が設けられていることによって、メッシュ部材1と表面42との間には、凹部43の形状に対応する空間が形成されている。上述のとおり、ボトル部31からホーン振動子40側に向かって液体L(液体LL)が供給される。液体L(液体LL)は、ホーン振動子40の先端部41の外側から、先端部41の表面42に供給される。
【0062】
さらに、液体L(液体LL)は、先端部41の外側から、ホーン振動子40における先端部41の表面42とメッシュ部材1との間に供給される。この際、液体L(液体LL)は、先端部41の外側から、凹部43によって形成された空間内に流れつつ、メッシュ部材1の下面側にも到達することができる(
図14中の矢印AR参照)。
【0063】
凹部43内には、液体Lが溜まる。メッシュ部材1に供給される液体L(液体LL)の量は、表面42に凹部43が設けられることによって、メッシュ部材1と表面42との間で局所的に増加する。メッシュ部材1には、安定して液体L(液体LL)が供給されることが可能となる。
【0064】
メッシュ部材1に安定して液体L(液体LL)が供給されている状態で、本体部20(
図1参照)の電源スイッチ21が押される。ホーン振動子40が超音波振動し、メッシュ部材1とホーン振動子40の先端部41の表面42との超音波振動により、小容量部分bの液体LLがメッシュ部材1まで供給され、液体LLがメッシュ部材1の微細孔から液滴として放出され、開口部60から噴霧される。噴霧中においても、凹部43を通して液体L(液体LL)が少量ずつメッシュ部材1まで確実に供給される。
【0065】
メッシュ部材1に対して液体L(液体LL)が途切れることなく安定して供給される。したがって、本実施の形態における液体噴霧装置100によれば、安定して液体L(液体LL)を噴霧することができる。
【0066】
また、液体噴霧装置100をホーン振動子40側に傾ける方向に沿ってホーン振動子40の凹部43が延在している場合(
図14に示す状態)、メッシュ部材1に対して液体L(液体LL)はより一層途切れることなく安定して供給されることができる。
【0067】
また、凹部43が表面42の中央に設けられている場合、ホーン振動子40の振動エネルギーは表面42の中央に集中するため、より安定して連続する噴霧状態を得ることが可能となる。
【0068】
また、本実施の形態における凹部43は、第1端部43aおよび第2端部43bの双方が、先端部41の外周面に到達するように延びて設けられている。凹部43の両端部が開放されているため、液体Lがメッシュ部材1に対して過度に供給される(オーバーフロー)ことが抑制される。
【0069】
[実施の形態2]
図15〜
図17を参照して、本実施の形態における液体噴霧装置について説明する。ここでは、上述の実施の形態1における液体噴霧装置100(
図1参照)との相違点について説明する。
【0070】
図15に示すように、ホーン振動子40の表面42には、表面42に凹部43が設けられることによって、4つの角部Pが形成される。先端部41の表面42の外縁にR面取り加工が施されない場合であっても、同様に4つの角部Pが形成される。
【0071】
メッシュ部材1が、ホーン振動子40の先端部41の表面42に対して平行な状態で、表面42に当接しているとする。この場合、メッシュ部材1は、先端部41の表面42との超音波振動により、4つの角部Pから局所的な応力を受けて、メッシュ部材1のうちの角部Pと接触する部分は破損し易くなる。
【0072】
図16は、本実施の形態における液体噴霧装置に用いられるホーン振動子40を示す平面図である。
図17は、
図16中のXVII−XVII線に沿った矢視断面図である。
【0073】
図16および
図17を参照して、本実施の形態においては、メッシュ部材1が、ホーン振動子40の先端部41の表面42に対して所定の角度θ1(
図17参照)で傾斜するように取り付けられる。当該構成によれば、メッシュ部材1のうちの角部Pと接触する部分が2つに減る。メッシュ部材1の破損する部分が減るとともに、メッシュ部材1の破損する可能性を低減することが可能となる。
【0074】
[実施の形態3]
図18および
図19を参照して、本実施の形態における液体噴霧装置について説明する。ここでは、上述の実施の形態2における液体噴霧装置(
図16,
図17)との相違点について説明する。
【0075】
図18および
図19を参照して、メッシュ部材1は、ホーン振動子40の先端部41の表面42に対して所定の角度θ1(
図19参照)で傾斜するように取り付けられる。換言すると、メッシュ部材1は、矢印DR1方向に傾斜するように取り付けられる。
【0076】
図18に示すように、本実施の形態においては、メッシュ部材1をホーン振動子40の先端部41側に投影する投影視において、メッシュ部材1の傾斜している方向(矢印DR1方向)と凹部43の延在している方向(矢印DR2)方向とが互いに交差するように、メッシュ部材1はホーン振動子40の先端部41の表面42に対して取り付けられる。
【0077】
すなわち、上記の投影視においては、メッシュ部材1の傾斜している方向(矢印DR1方向)と凹部43の延在方向(矢印DR2)方向との間には、所定の角度θ2が設けられている。
【0078】
当該構成によれば、メッシュ部材1は、先端部41の表面42に対して、角部Pには接触せず、角部P以外の縁部Rにおいて接触することとなる。メッシュ部材1の破損する可能性をより一層低減することが可能となる。
【0079】
[実施の形態4]
図20を参照して、本実施の形態における液体噴霧装置について説明する。本実施の形態における液体噴霧装置においては、ホーン振動子40Aが用いられる。ホーン振動子40Aにおいては、先端部41の表面42に、凹部43Aが設けられる。
【0080】
本実施の形態における凹部43Aは、第1端部43aが先端部41の外周面に到達するように形成される。第2端部43bは、先端部41の外周面には到達していない。本実施の形態のように、凹部43Aが表面42を横断するように設けられていない場合、表面42上に供給された液体Lは、凹部43A内において貯留されることができる。
【0081】
凹部43A内において液体Lが貯留されることによって、液体Lは、メッシュ部材1に対して途切れることなく安定して供給されることができる。結果として、液体Lは、安定して噴霧されることが可能となる。
【0082】
また、実施の形態4の構成に、上述の実施の形態2または上述の実施の形態3の構成を適用することによって、メッシュ部材1の破損する可能性を低減することが可能となる。
【0083】
[実施の形態5]
図21を参照して、本実施の形態における液体噴霧装置について説明する。本実施の形態における液体噴霧装置においては、ホーン振動子40Bが用いられる。ホーン振動子40Bにおいては、先端部41の表面42に、凹部43Bが設けられる。凹部43Bは、先端部41の表面42において半球状に窪むように設けられる。この場合も、上述の実施の形態4と同様に、表面42上に供給された液体Lは、凹部43B内において貯留されることができる。
【0084】
凹部43B内において液体Lが貯留されることによって、液体Lは、メッシュ部材1に対して途切れることなく安定して供給されることができる。結果として、液体Lは、安定して噴霧されることが可能となる。
【0085】
[実施の形態5の変形例]
図22を参照して、凹部43Bは、本変形例における液体噴霧装置をホーン振動子40側に傾けた状態においては、ホーン振動子40の先端部41の表面42上における重力方向の下側に位置するように設けられているとよい。当該構成によれば、凹部43B内に液体Lが溜まり易くなる。
【0086】
凹部43B内において液体Lが貯留されることによって、液体Lは、メッシュ部材1に対してより一層途切れることなく安定して供給されることができる。結果として、液体Lは、安定して噴霧されることが可能となる。
【0087】
[実施の形態6]
図23は、本実施の形態における液体噴霧装置200を示す斜視図である。ここでは、上述の実施の形態1との相違点について説明する。本実施の形態における外側メッシュキャップ55は、ボトル部31に対して着脱可能に構成され、かつ、ボトル部31に対して位置決めされない状態で取り付けられる(外側メッシュキャップ55は、矢印DR方向において、任意の角度で取り付けられる)。
【0088】
外側メッシュキャップ55に保持されたメッシュ部材1は、メッシュ部材1とホーン振動子40(図示せず)の先端部41(図示せず)の表面42(図示せず)とが互いに当接した状態を維持しつつ、ホーン振動子40に対して回転可能となる。
【0089】
たとえば、使用者が、外側メッシュキャップ55をメッシュ部材1とともにボトル部31から取り外し、メッシュ部材1を洗浄したとする。使用者が、メッシュ部材1を外側メッシュキャップ55とともにボトル部31に対して再び取り付ける。外側メッシュキャップ55は、ボトル部31に対して回転方向の位置決めがなされない状態で取り付けられる(任意の位相で取り付けられる)。
【0090】
メッシュ部材1のホーン振動子40(図示せず)に対する取付状態は、外側メッシュキャップ55の着脱のたびに変更されることが企図される。当該構成によれば、メッシュ部材1に対してホーン振動子40の表面42(図示せず)の当接する姿勢が毎回変更されることが企図される。メッシュ部材1と凹部43(図示せず)との当接位置が毎回変更されることが企図される(メッシュ部材1に対する負荷が集中することが抑制される)ため、メッシュ部材1の破損する可能性を低減することが可能となる。
【0091】
以上、本発明に基づいた各実施の形態について説明したが、今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。たとえば、凹部43,43A,43Bの数は複数であってもよい。ホーン振動子40の先端部41の表面42には、液体噴霧装置100を傾斜しなくても供給されるように構成されてもよい。
【0092】
したがって、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。