(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5652815
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】小型スイッチコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 24/76 20110101AFI20141218BHJP
H01R 13/71 20060101ALI20141218BHJP
H01R 13/703 20060101ALI20141218BHJP
H01H 27/00 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
H01R24/76
H01R13/71
H01R13/703
H01H27/00 F
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2010-122184(P2010-122184)
(22)【出願日】2010年5月28日
(65)【公開番号】特開2010-278007(P2010-278007A)
(43)【公開日】2010年12月9日
【審査請求日】2013年5月7日
(31)【優先権主張番号】09007203.4
(32)【優先日】2009年5月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503168201
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ネーデルランド ビーヴイ
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Nederland BV
(74)【代理人】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブス ニコラース トイン
(72)【発明者】
【氏名】ユエルヘン ハーンス
(72)【発明者】
【氏名】イエーレン ディトネル
(72)【発明者】
【氏名】ヤン フルークステーフ
(72)【発明者】
【氏名】デニス ヘルベルスタット
(72)【発明者】
【氏名】イブ ブラム
(72)【発明者】
【氏名】パトリック マルセル ドゥケロア
(72)【発明者】
【氏名】リーベン デクロック
【審査官】
佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−141665(JP,A)
【文献】
特開平08−180762(JP,A)
【文献】
特開2004−158241(JP,A)
【文献】
特開2004−281180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 17/04
H01R 13/56−13/72
H01R 12/00−12/91
H01R 24/00−24/86
H01H 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入軸(C)に沿って挿入方向(I)に相手コネクタ(9)を受容するよう構成された、印刷回路基板に実装するためのスイッチコネクタ(1)であって、
前記スイッチコネクタは、シールド(3)、コンタクト部材(6)及びコンタクトばね(5)を具備し、
前記コンタクトばねは、少なくとも1本の固定脚(5b)、少なくとも1本の弾性変形可能なスイッチング脚(5a)、及び少なくとも1個のばね曲げ部(5c)を有し、
前記固定脚及び前記スイッチング脚は、前記ばね曲げ部から共通の方向に延びると共に前記挿入軸を通り、
前記スイッチング脚は、前記スイッチング脚が前記コンタクト部材にばね力を及ぼす停止位置から、前記スイッチング脚が前記コンタクト部材から離間したスイッチング位置まで、前記相手コネクタの挿入により移動するよう構成され、
少なくとも1本のばね力の伝達経路(8)が、前記停止位置で前記スイッチング脚から生ずると共に閉ループ内で前記固定脚に案内されるスイッチコネクタにおいて、
前記シールドは、前記ばね力の前記伝達経路に配置されており、
前記コンタクト部材はほぼU形状の輪郭を有し、
前記U形状の輪郭の開口(6d)は前記シールドの方を向くことを特徴とするスイッチコネクタ。
【請求項2】
前記シールドはクランプを形成し、
前記クランプは、前記固定脚及び前記スイッチング脚を取り囲むことを特徴とする請求項1記載のスイッチコネクタ。
【請求項3】
前記シールドは、少なくとも1個の支持部材(3e)を具備し、
前記固定脚は、前記挿入方向を向く投影方向に沿って、前記支持部材の手前側に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチコネクタ。
【請求項4】
前記固定脚は、前記挿入軸の位置で前記挿入方向に沿って前記支持部材に当接する被支持部(5e)を具備することを特徴とする請求項3記載のスイッチコネクタ。
【請求項5】
前記スイッチング脚及び前記固定脚は、前記挿入方向に対してほぼ横断する方向に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項記載のスイッチコネクタ。
【請求項6】
前記スイッチコネクタはハウジング(2)を具備し、
前記シールドは前記ハウジングを包囲することを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項記載のスイッチコネクタ。
【請求項7】
前記固定脚は少なくとも2個の突起(5j)を具備し、
前記突起間の間隙(G)は前記スイッチング脚を受容するよう構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1項記載のスイッチコネクタ。
【請求項8】
請求項1ないし7のうちいずれか1項記載の少なくとも2個のスイッチコネクタを具備するスイッチコネクタ配列(10)であって、
前記スイッチコネクタのシールドは、共通の一体シールド本体(11)から形成されていることを特徴とするスイッチコネクタ配列。
【請求項9】
請求項1ないし7のうちいずれか1項記載の少なくとも2個のスイッチコネクタを具備するスイッチコネクタ配列(10)であって、
前記スイッチコネクタのハウジングは、共通の一体ハウジング本体(14)から形成されていることを特徴とするスイッチコネクタ配列。
【請求項10】
少なくとも1個のスイッチコネクタ及び少なくとも1個の相手コネクタを具備するコネクタ組立体であって、
請求項3ないし7のうちいずれか1項記載のスイッチコネクタ、又は請求項8又は9記載のスイッチコネクタ配列を具備し、
前記相手コネクタは、スイッチング脚にスイッチング力(F)を及ぼすよう構成され、
前記スイッチング力は、支持部材に対して直交する方向を向くと共に前記支持部材の中心の方を向くことを特徴とするコネクタ組立体。
【請求項11】
前記相手コネクタは接地導体(9b)を具備し、
前記シールドはロック部(3b)を有し、
前記接地導体は相手ロック部(9d)を有し、
前記ロック部は、前記コネクタ組立体の嵌合状態で前記相手ロック部と干渉するよう構成されると共に、前記接地導体を前記シールドに電気接続するよう構成されていることを特徴とする請求項10記載のコネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入軸に沿って挿入方向に相手コネクタを受容するよう構成された、印刷回路基板に実装するためのスイッチコネクタに関する。スイッチコネクタは、シールド、コンタクト部材及びコンタクトばねを具備する。コンタクトばねは、少なくとも1本の固定脚、少なくとも1本の弾性変形可能なスイッチング脚、及び少なくとも1個のばね曲げ部を有する。固定脚及びスイッチング脚は、ばね曲げ部から共通の方向に延びると共に挿入軸を通る。スイッチング脚は、スイッチング脚がコンタクト部材にばね力を及ぼす停止位置から、スイッチング脚がコンタクト部材から離間したスイッチング位置まで、相手コネクタの挿入により移動するよう構成されている。停止位置における少なくとも1本のばね力のフラックス(flux)すなわち伝達経路は、スイッチング脚から生ずると共に固定脚まで閉ループ内で案内される。
【背景技術】
【0002】
スイッチコネクタは、外部アンテナに接続可能性を提供するために、例えば携帯電話、無線LAN装置、ラジオ及び遠隔計測装置で使用される。装置の内部アンテナは、外部アンテナが接続されるとスイッチング機能により接続解除される。
【0003】
スイッチコネクタはまた、印刷回路基板の部品の試験のために試験プローブを印刷回路基板に接続させるものとして公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5625177号明細書
【特許文献2】英国特許出願公開第2307113号明細書
【特許文献3】国際公開第98/31078号パンフレット
【特許文献4】英国特許出願公開第2351617号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第1039588号明細書
【特許文献6】欧州特許第1278274号明細書
【特許文献7】国際公開第2004/077626号パンフレット
【特許文献8】米国特許第6393698号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0175978号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2006/0128195号明細書
【特許文献11】欧州特許出願公開第1788669号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、印刷回路基板に実装されるスイッチコネクタを開示する。このスイッチコネクタは、第2同軸コネクタに対応すると共に、内部導体と、誘電体により内部導体から分離された外部導体とを有する嵌合部を具備する。スイッチコネクタは、挿入開口の下に配置されると共に印刷回路基板に電気接続された可動スイッチング脚を有する。スイッチング脚は、印刷回路基板の第2部分に電気接続された第2回路部に当接する。差込みコンタクトが挿入開口に挿入されると、ばねアームが撓むことにより、ばねアーム及び第2コンタクト部間の接触が断たれる。同時に、差込みコネクタ及びばねアーム間の電気接触も閉成する。
【0006】
特許文献2は、外部アンテナを携帯電話に接続するための同軸コネクタを開示する。このコネクタは、挿入方向に相手同軸コネクタを受容するよう構成された挿入開口を有するハウジングと、印刷回路基板に接続するための部分を有する第1及び第2のコンタクトを有するスイッチとを具備する。スイッチング脚は、第1及び第2のコンタクト間を延びる。スイッチング脚は、2個のコンタクトを電気接続する位置へ偏倚されている。差込み導体によりスイッチング脚の接触部に印加される圧力は、電気コンタクトとの接続を解除するようにスイッチング脚を弾性的に撓める。
【0007】
特許文献3は、外部アンテナを携帯電話に接続するための別の同軸コネクタを開示する。この同軸コネクタは、携帯電話等の装置内の印刷回路基板に実装される。同軸コネクタはコンタクトばねを具備し、コンタクトばねは、ハウジング内の圧入部からコンタクトピンの挿入経路を通ってコンタクト脚まで延びる1本のばね脚を有する。非嵌合状態において、コンタクトばねはコンタクト脚と接触する。相手コネクタが同軸コネクタと嵌合すると、相手コネクタの差込みコンタクトが相手ピンに当接し、相手ピンを下方へ押圧する。この結果、コンタクトばね及びコンタクト脚間の接続は遮断される。
【0008】
特許文献4は、コンタクトばねの弾性脚と相互作用してスイッチとして作動する中央ピンを有する同様の同軸コネクタを開示する。
【0009】
印刷回路基板に実装するためのスイッチコネクタは、特許文献5で公知である。このスイッチコネクタは、筒状突部によってばね脚に形成された中心コンタクトを有する。差込みコンタクトが挿入開口内に挿入されると、ばね脚は嵌合方向に移動するので、ばね脚の端部及び印刷回路基板上の相手コンタクト間の電気接触は解除される。
【0010】
特許文献6は、携帯電話内で使用される同軸スイッチコネクタ組立体を開示する。第1同軸コネクタは、携帯電話の印刷回路基板に実装されるものであり、第1コネクタに固定されるコンタクトばねを具備する。コンタクトばねは、第1同軸コネクタの内部コンタクトを形成すると共に嵌合面からの先端としてのU形状部を伴って突出する。第1及び第2の同軸コネクタの嵌合時に、コンタクトばねの内部コンタクトは、自己の接触部を相手接触部から分離するように押下される。
【0011】
これら公知のタイプのコネクタのばねの形状は、ばねの適当な撓みを得ようとすると、大きなハウジングを必要とする。
【0012】
特許文献7は、コンタクトばねを有するスイッチコネクタを開示する。コンタクトばねは、ばね曲げ部を介して相互接続された固定脚及びスイッチング脚を有する。相手差込みコンタクトがコネクタに嵌合しない場合、スイッチング脚の自由端は、コネクタのハウジングの停止部に当接した状態で停止する。停止部は金属コーティングされた表面を有する領域に属するので、スイッチング脚及び停止部間、従ってスイッチング脚及び印刷回路基板の導体間が電気接触する状態となる。差込みコンタクトは、導電性の停止部からスイッチング脚の自由端を上昇させるハウジング内に挿入される。
【0013】
絶縁ハウジングに実装されたシールドを有する同軸スイッチコネクタは、特許文献8、特許文献9、特許文献10及び特許文献11に開示されている。スイッチング機能を実行するために、スイッチコネクタは、1本の弾性変形可能な脚からなる1個のコンタクトばねを具備する。コンタクトばねは、絶縁ハウジングの一端でクランプされ、その位置から挿入開口を通って挿入方向に対して横断する方向に延びる。
【0014】
クランプ接続のため、ばね力はハウジングに直接作用する。この結果、トルクとなることにより、絶縁ハウジングの変形が大きくなる。ハウジングは、プラスチック製が代表的であるので、コネクタがリフロー炉内で半田付けされる際に弱くなる傾向がある。これらのスイッチコネクタのばね端子はクランプ部材として作用すると、コンタクトばねの半田付け時にばね端子を通る熱は、ハウジングに直接伝わるので、コンタクトばねを支持するハウジング部分を弱くする。ハウジングが弱くなると、ばねが生ずる接触力を危うくするおそれがある。というのは、コンタクトばねは、ハウジングの応力緩和のため、接触力の負荷下で動いてしまうからである。
【0015】
欧州特許出願第08004517.2号は、コンタクトばねを有するスイッチコネクタを開示する。このコンタクトばねは、固定脚と、共通方向にばね曲げ部から延びる弾性変形可能なスイッチング脚とを具備する。ばね力の支持を改善するために、スイッチング脚及び固定脚の双方はC形状コンタクト部材まで延び、スイッチング脚のストロークはコンタクト部材の全長により制限される。
【0016】
従って、本発明は、スイッチング機能の信頼性が増大した小型のスイッチコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述の目的は、ばね力の
伝達経路にシールドを配置することにより達成される。
【0018】
この解決手段により、シールドはコンタクトばねを直接支持する。絶縁ハウジングの応力緩和すなわち変形により生ずるばね力の減少が回避される。シールドはコネクタの外面に配置することができるので、スイッチング脚の最大ストロークを増大させることができる。
【0019】
ばね力のフラックスを直接受容し、又はばね力のフラックスを短くし、且つ対向する2辺から接触力を支持するようにするために、シールドは、固定脚及びスイッチング脚を取り囲むクランプを形成することができる。この有利な実施形態において、絶縁材料の比較的薄い部分をシールド及びばね脚間に配置することができ、絶縁材料の弾性変形又は応力緩和によるばね力損失を最小にする。
【0020】
別の有利な一実施形態において、シールドは少なくとも1個の支持部材を具備してもよい。固定脚は、挿入方向を向く投影方向に沿って、支持部材の
手前側に配列される。支持部材は挿入方向に固定脚の背後で係合することができるので、固定脚でばねを直接支持し、スイッチコネクタ内で力のフラックスを短くする。
【0021】
コンタクトばねからシールドへの力の伝達をさらに増大するために、固定脚は、挿入軸の位置で挿入方向に沿って支持部材に当接する被支持部を具備してもよい。このため、ばね力は、挿入開口に挿入された相手コネクタを介して作用するスイッチング力に従って支持部材に伝達される。好適には、コンタクトばねの被支持部は、挿入方向と平行に延びる挿入開口の中心平面で支持部材に当接する。この有利な解決手段により、スイッチコネクタの嵌合状態でのばね力のフラックスは、中心平面上にあり、コンタクトばねに作用する傾斜モーメントはない。
【0022】
本発明に係るスイッチコネクタの別の有利な一実施形態において、スイッチコネクタは、シールドに包囲されるハウジングを具備することができる。コンタクトばねと同様にハウジングを、シールドにより支持することができる。シールドは、スイッチコネクタ内でのコンタクトばね、コンタクト部材及びシールドの位置を確認する枠組みとして作用する。好適にはプラスチック材料製であるハウジングは、シールド、コンタクトばね及びコンタクト部材を電気的に絶縁する絶縁物として作用することができる。コンタクト部材及びシールド、コンタクトばね及びシールドの一方又は双方の間に配置されたハウジング部分は、力伝達絶縁物として作用してもよい。
【0023】
スイッチング脚のストロークすなわち可能な撓みを増大させるために、固定脚は、少なくとも2個の突起を具備することができる。これらの突起間の間隙は、スイッチング脚を受容するよう構成されている。スイッチコネクタを嵌合させる際、スイッチング脚は、相手コネクタによって固定脚の方へ撓むことができる。2個の突起を有するフォークのように固定脚を形成することにより、スイッチング脚は、固定脚を超えて突起間の間隙内へ移動することができる。
【0024】
別の有利な一実施形態において、コンタクト部材は、ほぼU形状の輪郭を有することができる。U形状の輪郭の開口はシールドの方を向く。従って、コンタクト部材の導電部を、シールドからより大きな距離に配置することができる。そして、コンタクト部材からシールドへ、又はシールドからコンタクト部材への電磁信号の漏れの可能性が低減される。
【0025】
本発明に係るスイッチコネクタの製造及び実装を容易にするために、複数のスイッチコネクタを、コネクタ配列を構築するように構成してもよい。製造コストを低減し、ばね支持部をさらに改善するために、コネクタ配列からなるスイッチコネクタのシールドは、共通の一体シールド本体で構成することができる。このシールド本体は、好適には金属板から打抜き加工されてもよい。
【0026】
製造コスト及び実装コストをさらに低減するために、コネクタ配列からなるスイッチコネクタのハウジングもまた、好適には射出成形プラスチック製の共通の一体ハウジング本体で構成することができる。
【0027】
本発明に係るスイッチコネクタを具備するコネクタ組立体の有利な一実施形態に関し、相手コネクタは、スイッチング脚にスイッチング力を及ぼすよう構成されることができる。このスイッチング力は、支持部材に対して直交する方向を向くと共に支持部材の中心の方を向く。この解決手段により、スイッチング力を、シールドによりコンタクトばねに伝達される、結果として得られた支持力に整列させることができる。このため、コネクタ組立体を製造する際に、スイッチング力に起因するトルクはなく、スイッチコネクタの負荷、変形が減少する。
【0028】
本発明に係るコネクタ組立体のさらに有利な一実施形態において、相手コネクタは接地導体を具備してもよい。スイッチコネクタのシールドはロック部を有し、接地導体は相手ロック部を有する。ロック部は、コネクタ組立体の嵌合状態で相手ロック部と干渉すると共に、接地導体をシールドに電気接続するよう構成することができる。相手コネクタのスイッチコネクタへのロック機能、電磁シールド及び接地導体を設けること、相手コネクタからスイッチコネクタにスイッチング力を伝達することを統合することにより、スイッチコネクタの寸法を大幅に小型化することができる。
【0029】
コンタクトばねのスイッチング脚の最大撓みを増大させるために、コンタクトばねは、スイッチング方向に対して横断する方向から見てほぼS形状にすることができる。スイッチング方向は、相手コネクタがスイッチコネクタ内に挿入される際にスイッチング脚又はスイッチング脚の接触部がコンタクト部材に当接する移動方向である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に係るスイッチコネクタを示す斜視図である。
【
図2】ハウジングを除いた状態の、本発明に係るスイッチコネクタを断面した斜視図である。
【
図3】ハウジングを除いた状態の、本発明に係るスイッチコネクタを示す側断面図である。
【
図4】ハウジングを除いた状態の、本発明に係るスイッチコネクタを示す平面図である。
【
図5】スイッチコネクタ及び相手コネクタを具備する、本発明に係るコネクタ組立体を示す側断面図である。
【
図6】折り返された4個のスイッチコネクタを具備する、本発明に係るスイッチコネクタ配置を示す斜視図である。
【
図7】
図6のスイッチコネクタ配置を示す別の斜視図である。
【
図8】
図6及び
図7のスイッチコネクタ配置を示す第3の斜視図である。
【
図9】
図6ないし
図8のスイッチコネクタ配置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して一実施形態の例により本発明を説明する。以下に説明する実施形態のさまざまな構造及びその実施形態で達成される利点は、上述の構成に既に見られるように、互いに独立して組み合わせたり、省略したりすることができる。
【0032】
最初に、本発明に係るスイッチコネクタの斜視図である
図1を参照して、本発明に係るスイッチコネクタ1の構造を説明する。
【0033】
スイッチコネクタ1は、シールド3が配置されたハウジング2を具備する。ハウジング2には挿入開口4が設けられている。挿入開口4は、挿入方向Iに沿って傾斜するハウジング2の漏斗状部2aにより、及びシールド3のフランジ3aにより取り囲まれる。
【0034】
挿入開口4は、好適には同軸コネクタである相手コネクタを受容するのに役立つ。相手コネクタの中心導体は挿入方向Iに沿って挿入開口4内に挿入できるのに対し、相手コネクタの接地導体はシールド3に接続される。相手接地導体をシールド3に電気的及び機械的に接続するために、フランジ3aに、環状の切欠すなわち溝として形成されたロック部3bが配置される。シールド3と電気接触するために、シールド3は、ハウジング2から突出する接触部3cを有する。シールド3の互いに対向する辺にあるクランプ部材3dは、ハウジング2を包囲すると共にハウジング2の下に係合する。クランプ部材3dにより、シールド3はハウジング2に密着して取り付けられる。
【0035】
ハウジング2には、コンタクト部材6を受容するリセプタクル2bが設けられる。コンタクト部材6は、コンタクトばね5に電気接続された非嵌合状態にある。コンタクトばね5は挿入軸Cを通って挿入方向Iに対して横断する方向に延びるので、挿入開口4内に挿入された相手コネクタの中心導体が、コンタクトばね5に当接することができる。リセプタクル2bの開口は、コンタクトばね5又は接触部3cを保護するために停止部として作用する枠2cにより取り囲まれる。ハウジング2の面取りされた縁2d及びハウジング2の上面の凹部2eにより、スイッチコネクタ1を印刷回路基板に実装する際に、スイッチコネクタ1の位置(向き)を識別することができる。
【0036】
挿入方向Iと平行に見て、スイッチコネクタ1は、ほぼ矩形又は方形を有する。ここで、正方形の横の長さは約2mmであり、スイッチコネクタ1の挿入方向Iに沿った高さは約1mmである。これらの小さな寸法のため、コンタクトばね5の弾性特性に対する特殊な要求事項がある。すなわち、ばねは、良好なスイッチ機能を実現するために、十分な変位及びばね力を有しなければならない。
【0037】
図2は、ハウジング2を除いた状態のスイッチコネクタ1の斜視図である。シールド3は部分断面して示されている。
【0038】
コンタクトばね5は、ばね曲げ部5cにより互いに連結されたスイッチング脚5a及び固定脚5bを具備する。スイッチング脚5aは、コンタクト部材6へ延びる接触部5dを有する。図示のスイッチコネクタ1の非嵌合状態で、ばね力は、接触部5bの位置でコンタクト部材6に伝達される。コンタクトばね5が発生するこのばね力は、固定脚5bにより支持されている。この目的のために、固定脚5bには、2個の被支持部5eが設けられる。被支持部5eはシールド3により支持されている。被支持部5eを支持するために、シールド3には、クランプ部材3dの位置に支持部材3eが設けられる。支持部材3eは、クランプ部材3dの一部から形成されると共にコンタクトばね5の方へ挿入方向Iに対して横断する方向に延びる。支持部材3eは、シールド3の底面に配置されるので、シールド3を例えば印刷回路基板である回路に電気接続する端子として作用することもできる。
【0039】
固定脚5bは、挿入方向Iに沿って固定脚5bに平行且つ隣接して配置された2個の突起5jを具備する。突起5jは、スイッチング脚5aの幅よりも幅広である間隙Gに隣接する。
【0040】
コンタクトばね5の被支持部5eから支持部材3eまで流れるばね力のフラックスを短くするために、被支持部5eは、挿入方向Iを向く投影方向に沿って、支持部材3eの前に配置されている。被支持部5eから支持部材3eまでの力の流れを改善するために、被支持部5eは、湾曲部5gが設けられた固定脚5bの基部5fに隣接する。ほぼS形状の湾曲部5gは、下方に配置された支持部材3eと平行且つ挿入方向Iに直交する状態に被支持部5eを配置する。
【0041】
コンタクトばね5は、固定脚5bの下に配置されると共にスイッチング脚5a及び固定脚5bとは逆向きに延びるばね端子5hを有する。
【0042】
コンタクトばね5の被支持部5eは、支持部材3e及び被支持部5e間に位置する絶縁部2e上に載置される。絶縁部2eは、好適にはプラスチックである電気絶縁材料製であり、ハウジング2の一部であってもよい。コンタクト部材6内には、別の絶縁部2fが位置する。絶縁部2eと同様に、絶縁部2fは、コンタクトばね5が発生するばね力をシールド3まで伝達する。コンタクト部材6及びシールド3間に力閉鎖すなわちばね力伝達を構築するために、絶縁部2fには、挿入方向Iに沿う向き及び挿入方向Iに向かう向きを向き、挿入方向Iに沿ってコンタクト部材6に当接すると共に挿入方向Iに向かってシールドの底面に当接する支持面が設けられる。
【0043】
投影方向Pにおいて、コンタクト部材6は、挿入方向Iに向かう向きに開いたU形状の輪郭を有する。U形状の輪郭は、スイッチコネクタの高周波性能を著しく改善する。コンタクト部材6は、シールド3の底面又はフランジ3aの方を向く開口6dを有する。こうして、U形状の輪郭により、コンタクト部材6及びシールド3間、又はコンタクト部材6の本体の主部品及びシールド3間の距離が大きくなる。このため、コンタクト部材6からシールド3へ、又はシールド3からコンタクト部材6へ伝送される電磁放射の漏れが減少する。
【0044】
コンタクトばね5の接触部5dに隣接して、コンタクト部材6の接触部6aが配置される。接触部6aは、U形状の輪郭の横壁から形成される。スイッチング脚5aの端部に配置されたコンタクトばね5の接触部5dを受容するために、コンタクト部材6の側壁は、開口6bを跨ぐ橋すなわちアーチ道のように形成される。接触部5dは、開口6b内に延びると共に、コンタクトばね5が発生するばね力のため、アーチ道の内面に押圧する。コンタクト部材6の高周波性能をさらに改善するために、接触部6aを有する側壁の両端には、凹部6cが設けられる。凹部6cは、シールド3又はフランジ3aに隣接して配置され、シールド3及びコンタクト部材6間の距離を増大させるので、高周波信号の漏れが減少する。
【0045】
ばねの脚5a,5bの延長方向に対して横断する方向Pに沿って対向する両側に、コンタクト部材6は側壁6fを有する。両側壁6fは、挿入方向Iに向かって上方へ曲げられた矩形突起から形成されている。両側壁6fの両側に側壁6fとほぼ同様な広さの間隙が配置されているので、側壁6fは、コンタクト部材6のU形状の輪郭を閉鎖しない。
【0046】
挿入方向Iに沿った向きを向くコンタクト部材6の底面の位置に、挿入方向Iに沿って延びると共に挿入軸Cの方へ曲げられた突起から、コンタクト部材端子6eが形成されている。コンタクト部材6は、半田により印刷回路基板に電気接続することができる。
【0047】
挿入開口4の挿入軸Cは、中間平面すなわち中央平面M上にある。中央平面Mは、シールド3の対称平面を形成する。シールド3のクランプ部材3d及び支持部材3eと同様に、コンタクトばね5の被支持部5eは、中央平面Mに対してほぼ対称的に配置される。相手コネクタの中心導体すなわち中心ピンが挿入開口4内に挿入されると、中心導体は挿入軸Cに整列する。このため、中心導体によりコンタクトばね5に及ぼされるスイッチング力は、挿入軸C上及び中央平面M上にある。スイッチング脚5aに作用するスイッチング力及び被支持部5eでの反作用力は中央平面M上に位置するので、相手コネクタが実装され、ばね力のフラックスが短く保たれる際に、捩れモーメントは発生しない。力及び反作用力の配置と同様に、ばね力のフラックスは、相手導体が接続される際に中央平面Mに対して対称的に延びる。
【0048】
シールド3及びコンタクト部材6と同様に、コンタクトばね5は、好適には金属板から打抜き加工される。スイッチング脚5a及び固定脚5bは、ばね曲げ部5cから始まって共通の向きに延びる。対照的に、ばね端子5hは逆向きに曲げられる。コンタクトばね5に統合された部分としてのばね端子5hは、後に固定脚5bを形成する金属条の一部から切り起こされてもよい。金属条は、ばね曲げ部5cの方向に沿って固定脚5bの支持部5eから始まって切り起こされる。ばね端子5hは、ばね曲げ部5cの下の位置までスイッチング脚5aと平行に延びる。
【0049】
コンタクトばね5は、ばね曲げ部5cの互いに対向する両側に固定部材5iを具備する。スイッチコネクタ1が実装される際に、固定部材5iは、ハウジング2の案内切欠内へ挿入される。案内切欠は、スイッチコネクタ1が実装される際にコンタクトばね5の挿入を終了させるための停止部として作用する一面を有する一端を有する。さらに、ハウジングの案内切欠内に固定部材5iを配置することにより、固定部材5iは、相手コネクタが及ぼすばね力すなわちスイッチング力のため、コンタクトばね5の傾きを回避する。
【0050】
図3は、ハウジングを除いた状態の本発明に係るスイッチコネクタの断面図である。
【0051】
半円状のばね曲げ部5cは、固定脚5bをスイッチング脚5aに連結する。ばね曲げ部5cから始まるスイッチング脚5aは、その全長の約7/8まで固定脚5bと平行に延びており、そこからコンタクト部材6の接触部6aの方向に沿って浅い角度で下方へ延びる。弾性的に撓むスイッチング脚5aは、接触部6aに抗して押圧すると共に、コンタクトばね5及びコンタクト部材6間に導電接触を生じさせる。固定脚5bの被支持部5eは、シールド3の支持部材3eからの力のフラックスを固定脚5bへ伝達する絶縁材料製の絶縁部2e上に配置される。
【0052】
ばね力のフラックス7,8は、偏倚されたコンタクトばね5によって生ずる。閉鎖した力のフラックス8は、コンタクト部材6に接触力として作用するばね力Kによって生ずる。コンタクトばね5は、スイッチング脚5aの端部にばね力Kを及ぼす。ばね力Kが接触部6aに作用する点に、反力R1が発生する。反力R1は、コンタクト部材6、絶縁部2f及びシールド3を通って、コンタクトばね5に戻る絶縁部2eに、力の流れ8を生じさせる。コンタクトばね5の被支持部5eで、第2反力R2が発生する。コンタクトばね5に作用する反力R1,R2が一直線上にないので、第3反力R3となるモーメントが発生する。反力R1,R2,R3は、それぞればね力K,S1,S2と逆向きである。
【0053】
各ばね力K,S1,S2は、ばね力のフラックス7,8内でシールド3へ案内される。従って、ばね力のフラックス7,8は、コンタクトばね5からシールド3までコンタクトばね5に戻る閉ループ内で案内される。この案内により、シールド3は、ばね力のフラックス7,8を取り巻くクランプとして作用し、シールド3を取り囲むハウジングへのばね力の影響を回避する。ハウジング(図示せず)が好適には絶縁プラスチック材料製であるので、ハウジングは、スイッチコネクタがリフロー炉で半田付けされると弱くなる傾向がある。従って、上述したコンタクトばねの支持は、ハウジング材料が軟化する際に見られる接触力の損失を回避する。
【0054】
ハウジング2の絶縁部は、挿入方向Iに向かう向きに被支持部5eからシールド3に反力を伝達することができるように、被支持部5e及びシールド3の間に配置することができる。好適には、ハウジング2は、固定脚5bの被支持部5eを受容又はクランプするスロットすなわち溝(図示せず)を具備する。スロットすなわち溝は、ばね曲げ部5cの向きに沿って、コンタクトばね5を受容するためにハウジング2の組立開口2h(
図5参照)まで、挿入方向Iに対してほぼ横断する方向に延びてもよい。
【0055】
図4は、本発明に係るスイッチコネクタ1の平面図である。
【0056】
シールド3及びコンタクトばね5は、対称の共通平面Sに対して対称的に配置される。このため、シールド3又はコンタクトばね5に作用するばね力及び反力の一方又は双方、例えば、
図3に示された支持部材3eから被支持部5eに伝達された力は、対称平面Sに関して対称的に位置する。
【0057】
挿入方向Iに対応する側の図示された線内でのコンタクトばね5の全ての力伝達部は、シールド3の直ぐ下又はシールド3に隣接して配置される。例えば、フランジ3aの底面の力伝達領域A1は、スイッチング脚5aが発生する接触力Cをシールド3に伝達する。挿入開口4の反対側では、フランジ3aの底面の力伝達領域A2は、コンタクトばね5を支持する反力を固定脚5bからシールド3に伝達する。コンタクトばね5及びシールド3と同様に、力伝達領域A1,A2は、対称平面Sに関して対称的に配置される。
【0058】
固定脚5bは、挿入方向Iに沿って固定脚5bと平行且つ隣接して配置された2個の突起5jを具備する。これらの突起5jは、挿入方向Iに向かう向きに上方へ曲げられすなわち変位され、
図3に示される絶縁部2cを配置するための空間を与える。突起5jは、スイッチング脚5aの幅よりも広い間隙Gに隣接する。これにより、スイッチング脚5aは、固定脚5bと干渉することなく挿入方向Iに撓むことができ、スイッチング脚5aのストロークすなわち最大撓みは増大する。
【0059】
図5は、本発明に係るスイッチコネクタ1及び相手コネクタ9からなるコネクタ組立体の断面図である。
図5に示されたスイッチコネクタの詳細は第1実施形態と同等であるので、差異のみを説明する。同等の機能を有する
図5の部材に関連する限り、
図1ないし
図4の参照符号が使用される。
【0060】
同軸コネクタとして形成された相手コネクタ9は、中心導体9a及び接地導体9bを有する。中心導体9a及び接地導体9bは、絶縁部材9cによって電気的に絶縁される。挿入方向Iを向く接地導体9bの端部には、スイッチコネクタ1のロック部3bと干渉するよう構成された相手ロック部9dが配置される。相手ロック部9dは、中心導体9aの方へ延びる円形突起として形成される。相手コネクタ9がスイッチコネクタ1と嵌合すると、相手ロック部9dは、シールド3の面取りされた縁3f上を切欠状ロック部3bへ摺動する。シールド3上を摺動する間、接地導体9bは弾性的に広がる。挿入方向Iを向く接地導体9bの少なくとも端部の撓みを容易にするために、接地導体9bには、挿入方向Iに沿って延びる垂直スロットを設けてもよい。
【0061】
相手コネクタ9の中心導体9aが挿入開口4内に挿入されると、スイッチング力Fは、中心導体9aを介してスイッチング脚5aに及ぶ。挿入開口4に隣接して配置されたスイッチング脚5aは、中心導体9aにより弾性的に押下される。挿入方向Iに沿ってスイッチング脚5aを移動させることにより、スイッチング脚5aの接触部5d及びコンタクト部材6の接触部6a間の電気接触が断たれる。スイッチング脚5aは挿入方向Iに対して横断方向に配置されるので、スイッチング方向、すなわちスイッチング脚5aの接触部5bの移動方向は、挿入方向Iと平行である。
【0062】
スイッチング脚5aは、ハウジング2から形成される床板2gまで移動することができる。嵌合状態において、中心導体9aは、導電性を有するコンタクトばね5に電気接続される。これにより、中心導体9aと、印刷回路基板に電気接続可能なばね端子5hとの導電接続が構築される。
【0063】
コンタクトばね5がS形状の輪郭を有するので、ハウジング2及びばね端子5h間に間隙がある。ばね端子5hは、曲げ部によりハウジング2に接続されている。この曲げ部により、ばね端子5h及びハウジング2間の距離を増大することができ、ばね端子5hはハウジング2に当接しない。このため、ばね端子5hが半田付けされると、ハウジングは、半田付け時の熱によって弱くならない。
【0064】
図6は、本発明の第2実施形態を示す。
図6に示された詳細の多くは第1実施形態と同等であるので、差異のみを詳細に説明する。
【0065】
図6は、1列に配列された4個のスイッチコネクタを具備するスイッチコネクタ配列10を示す。4個のスイッチコネクタ1の複数のシールド3は、共通の一体シールド本体11から形成される。シールド3を互いに接続するために、2個のシールド3間で、同一の金属板から形成された橋12が、シールド3を互いに接続する。
【0066】
クランプ部材3dがスイッチコネクタ配列10の両端に配置されているので、クランプ部材3d間の距離は、
図1ないし
図5の実施形態のクランプ部材3間の距離より著しく大きい。スイッチコネクタ配列10の横側に配置された別のクランプ部材13は、クランプ部材3dの支持機能を補完する。クランプ部材13はそれぞれ、1対のスイッチコネクタ1間に配置される。
【0067】
図7は、
図6のスイッチコネクタ配列10の第2斜視図である。各スイッチコネクタ1はコンタクトばね5を具備する。スイッチコネクタ1のハウジング2は、単一の一体ハウジング本体14から形成される。単一の金属板からシールド本体11を製造した後、シールド本体11は、好適には一体ハウジング本体14を形成するプラスチックによりオーバーモールドされる。
【0068】
図8は、シールドコネクタ配列を下から見た斜視図である。クランプ部材3dと同様に、クランプ部材13は、シールド本体11をハウジング本体14に機械的に接続するため、及びばね力支持部を構築するために、ハウジング本体14を包囲する。クランプ部材3d,13は、閉じた力のフラックスを構築するため、及びハウジング14に負荷をかけないために、ばね力を支持するよう作用する支持部材3e,13aを有する。
【0069】
図9は、スイッチコネクタ配列10の平面図である。
【0070】
ばね端子5hは、例えば半田付けにより印刷回路基板にばね端子5hを導電接続することを容易にするために、スイッチコネクタ配列10の横側から延びる。挿入開口4は、その下にあるコンタクトばね5のスイッチング脚5aで完全に覆われている。
【符号の説明】
【0071】
1 スイッチコネクタ
2 ハウジング
3 シールド
3b ロック部
3e 支持部材
5 コンタクトばね
5a スイッチング脚
5b 固定脚
5c ばね曲げ部
5e 被支持部
5j 突起
6 コンタクト部材
6d 開口
8 ばね力のフラックス
9 相手コネクタ
9b 接地導体
9d 相手ロック部
11 一体シールド本体
14 一体ハウジング本体
C 挿入軸
F スイッチング力
G 間隙
I 挿入方向
K ばね力