(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5652835
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】携帯端末装置
(51)【国際特許分類】
H04M 1/73 20060101AFI20141218BHJP
【FI】
H04M1/73
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-213006(P2013-213006)
(22)【出願日】2013年10月10日
(62)【分割の表示】特願2009-246419(P2009-246419)の分割
【原出願日】2009年10月27日
(65)【公開番号】特開2014-14186(P2014-14186A)
(43)【公開日】2014年1月23日
【審査請求日】2013年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】314008976
【氏名又は名称】レノボ・イノベーションズ・リミテッド(香港)
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】山本 紫乃
【審査官】
丸山 高政
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−080219(JP,A)
【文献】
特開2008−101970(JP,A)
【文献】
特開2008−079127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C21/00−21/36
23/00−25/00
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図アプリケーションプログラムを含む各種のプログラムの実行及び実行の際の動作条件の設定を指示する指示部と、
前記地図アプリケーションプログラムの表示画面を表示する表示部と、
前記地図アプリケーションプログラムに用いる位置情報及び地図情報を取得する通信部と、
ユーザの接触状態を検出する第1センサと第2センサを備え、両センサが接触状態を検出しているか否かを判定する検出部と、を備え、
前記第1センサと前記第2センサは筐体の両側に離間して配置され、
前記検出部は、両センサが接触状態を検出しているかの検出結果を、前記指示部により設定された時間毎に算出し、
前記通信部は、前記検出結果が接触状態を示す値を算出する毎に1回、前記位置情報及び地図情報を更新し、前記検出結果が接触状態ではないことを示す値の場合には前記位置情報及び地図情報の更新を行わず、
前記表示部は、前記検出結果が接触状態ではないことを示す値の場合に、前記表示画面の明るさを暗くする、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信手段等を備えた携帯端末装置に関するものであって、特に、ユーザが携帯端末装置に接するか否かを検出する携帯端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
交通情報を示すためのアプリケーションプログラムを起動することにより、ナビゲーション機能を実行する携帯端末装置(例えば、携帯電話)が知られている。この種の携帯端末装置においては、アプリケーションプログラムの起動から終了まで、GPSによる位置情報の取得またはアプリケーションプログラムの実行に必要な地図画像の取得更新を定期的に行うシステムが採用されていた。
【0003】
この種の携帯端末装置を所持し、ナビゲーション機能を利用し現在位置から目的地へ移動するユーザには、携帯端末装置の表示画面に表示される地図画像などを必要なときに観て、少なくとも現在位置および目的地という交通情報の確認が必要である。これ等交通情報の確認は、例えば複数の岐路の内から1つの進路を選択することが求められたとき、或いは現在までの進路が間違っていないことを確認するとき等に必要となる。しかしながら、ユーザは、交差点や顕著な建造物などの移動経路上の要点において一度現在位置を確認すると、その後の暫くの間は、現在位置および目的地という交通情報の確認をしないことが多い。
【0004】
このような場合、ナビゲーション機能付の携帯端末装置では、ナビゲーションのためのアプリケーションプログラムを起動させ、一旦現在位置および目的地などの交通情報の確認をすると、そのアプリケーションプログラムは起動させたまま、その後の暫くの間、例えば次の交差点に至るまでは、携帯端末装置の表示画面に表示される地図画像などを観ないことが少なくない。
【0005】
それにも拘わらず、ユーザが表示画面の確認をしない期間にも、一定の間隔で、すなわち定期的にGPSによる位置情報の取得または地図画像の取得更新を行うことは、携帯端末装置の電力を無駄に消費させる。
携帯端末装置の消費電力の軽減を図るという省電力の観点から、携帯端末装置のユーザの歩数データに基づき、GPSによる測位タイミングを自動的に設定する手法が、特許文献1で提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−92506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の携帯端末装置で適用する測位タイミング自動設定手法では、ユーザが表示画面を確認する際に用いられる位置情報は、その時までの歩数データに基づき予測したタイミングに取得したものである。そこで、特許文献1の携帯端末装置の測位タイミング自動設定手法で表示画面に表示する位置情報、必ずしもユーザが表示画面を実際に確認しているときの位置情報ではない。即ち、特許文献1の携帯端末装置では、ユーザによる確認の際に取得したデータに基づき位置情報または地図画像を更新することができない。このように、特許文献1の携帯端末装置には、適切な位置情報の取得または適切なタイミングにおける地図画像の取得更新を実行できないという解決するべき課題がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、省電力化を図りつつ、適切な位置情報の取得または適切なタイミングにおける地図画像の取得更新を実行する携帯端末装置および制御方法並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の携帯端末装置は、
地図アプリケーションプログラムを含む各種のプログラムの実行を指示する指示部と、
前記地図アプリケーションプログラムの表示画面を表示する表示部と、
前記地図アプリケーションプログラムに用いる位置情報及び地図情報を取得する通信部と、
ユーザの接触状態を検出する第1センサと第2センサを備え、両センサが接触状態を検出しているか否かを判定する検出部と、を備え、
前記第1センサと前記第2センサは筐体の両側に離間して配置され、
前記検出部は、両センサが接触状態を検出しているかの検出結果を所定時間毎に算出し、
前記通信部は、前記検出結果が接触状態を示す値の場合に、前記位置情報及び地図情報を更新し、
前記表示部は、前記検出結果が接触状態ではないことを示す値の場合に、前記表示画面の明るさを暗くする、
ものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の携帯端末装置および制御方法並びにプログラムによれば、省電力化を図りつつ、適切な位置情報の取得または適切なタイミングにおける地図画像の取得更新を実行する携帯端末装置および制御方法並びにプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態における携帯端末装置を示すブロック図
【
図2】携帯端末装置がGPSによる位置情報の取得または地図画像の取得更新を行い、表示出力の制御を行うまでの手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態となる携帯端末装置1について、図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態による携帯端末装置1の構成を示すブロック図である。本発明の実施形態による携帯端末装置1は、各種アプリケーションプログラムの実行を指示する指示部11と、該各種アプリケーションプログラムを表示する表示部8と、各種情報を受信する通信部9と、携帯端末装置とユーザが接触しているか否かを表す接触状態の検出をする検出部10と、ユーザが接するか否かの検出の結果(接触状態)に基づいて、通信部9の通信頻度を制御する通信制御部6とを備え、更に表示部8を制御する表示制御部5と、検出制御部7と、ROM13と、RAM2と、CPU4とが、バス12により接続され構成されている。
【0014】
本発明の実施形態による携帯端末装置1は、ROM13に記録されたプログラムにより実行されるものであってもよく、上記プログラムは、各種アプリケーションプログラムの実行を指示する指示部11と、該各種アプリケーションプログラムを表示する表示部8と、各種情報を受信する通信部9とを備えた携帯端末装置1のプログラムであって、ユーザが携帯端末装置1に接触しているか否かを検出する機能と、ユーザが接触しているか否かの検出結果に基づいて、通信部9の通信頻度を制御する機能とを携帯端末装置1に実行させるものである。
【0015】
以下、本発明の実施形態では、携帯端末装置1は
図3に示すようなスライド開閉式の携帯電話機として説明するが、携帯端末装置1は、ノートパソコン、その他のパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ等であってもよい。
【0016】
通信部9は、各種情報を受信するものであって、例えば、指示部11により、ナビゲーション機能(地図とユーザの歩行状況を示すもの)に関するアプリケーションプログラムの実行を指示された際、地図画像を取得するものであって、ユーザが接するか否かの検出結果に基づいて、地図画像の取得頻度を制御する。そのために、通信部9は、ネットワーク通信部9Nと、位置情報取得部9Gとを備える。ネットワーク通信部9Nは、例えば、PHS、携帯電話機、IP電話機等による通話、メール、インターネット等の機能を備えるものである。位置情報取得部9Gは、例えば、GPS通信等の機能を備えるものである。通信部9は、更に、ユーザが筐体に接触接するか否かを表す接触状態に基づき、位置情報取得部9Gの位置情報の取得頻度を制御する機能を有する。
【0017】
表示部8は、表示制御部5により制御され、各種アプリケーションプログラムを表示するものである。表示制御部5は、ユーザが接するか否かを検出部10で検出した結果(接触状態)に基づいて、表示部8の明るさを制御する。
【0018】
検出部10は、例えば、
図3に示すようにタッチセンサ10Rとタッチセンサ10Lを備えている。タッチセンサ10R及び10Lは、携帯端末装置1の筐体の右側面および左側面にそれぞれ設けてある。
タッチセンサ10Rおよびタッチセンサ10Lは、ユーザが携帯端末装置1に触れていることを検出するものである。なお、位置情報は、携帯端末装置1の位置を示すものであって、例えば、GPS信号である。
【0019】
また、携帯端末装置1は、CPU(中央処理装置)4を搭載しており、CPU4はバス12を介して装置内の各部と接続されている。上述したように、これらのうちROM(リード・オンリ・メモリ)13は、CPU4が実行するための各種の制御用プログラムや固定データを格納され、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)2は、CPU4が実行する上で一時的に必要となるデータを格納されるものである。
【0020】
なお、ナビゲーション機能付きのアプリケーションプログラムを実行する際は、現在の位置情報(位置データ)若しくは地図画像(画像データ)もこのRAM2の所定領域に格納する。
表示制御部5は表示部8の表示を制御する制御回路であり、表示部8は例えば、白黒あるいはカラーの液晶パネルあるいは有機EL(電子蛍光)、CRT等の表示装置である。
通信制御部6は通信部9を制御する制御回路であり、例えば通信部9Gは、GPS通信を行う装置である。
検出制御部7はタッチセンサ10R、タッチセンサ10Lを制御する制御回路である。タッチセンサ10R,10Lは人が触れていることを検出するセンサ装置である。また、タッチセンサ10R,10Lは、
図3に示すように本体側面のディスプレイの表示方向を基準に左右に取り付けてある。
また、指示部11は、例えば、
図3に示すように、携帯端末装置1のボタンであってもよい。
【0021】
次いで本発明の実施形態である携帯端末装置1がGPSによる位置情報の取得またはアプリケーションプログラムの実行をCPU4により行い、表示出力の制御を行うまでの手順について、
図2を参照して説明する。
ユーザが、指示部11を介して指示することにより、携帯端末装置1は、ナビゲーション機能付きのアプリケーションプログラムを起動する。そして、通信部9は、現在位置を示す1枚目の地図情報を取得し、表示部6には、地図情報の画像を表示する。
表示部6の画像表示が完了した後に、位置情報取得部9Gは、GPS信号を取得し、位置情報の取得および地図画像の更新をする。
【0022】
携帯端末装置1は、指示部11を介して、アプリケーションプログラムが起動中であるか否かを確認する(STEP1)。次に、アプリケーションプログラムが起動している場合(STEP1;YES)、タッチセンサ10Rにユーザが接触しているか否かの検出を行う(STEP2)。タッチセンサ10Rにユーザが接触している場合(STEP2;YES)、タッチセンサ10Lにユーザが接触しているか否かの検出を行う(STEP3)。STEP2及び3の何れの判断においてもYESであるとき、ユーザが表示部8の表示画面を確認している状態と判断し、位置情報取得部9Gによる位置情報の取得およびネットワーク通信部9Nによる地図情報の取得更新を実施する(STEP4)。このように、ユーザがタッチセンサ10R及びタッチセンサ10Lに接している状態において、位置情報取得部9Gによる位置情報の取得およびネットワーク通信部9Nによる地図情報の取得更新を実施するように処理を行う。
【0023】
タッチセンサ10Rにユーザが接触していない場合(STEP2;NO)、またはタッチセンサ10Lにユーザが接触していない場合(STEP3;NO)、表示制御部5は、表示部6の画面の照度を下げるように表示出力を制御する(STEP5)。
位置情報取得部9Gにより位置情報を取得するか、ネットワーク通信部9Nにより地図情報の取得更新を実施した後(STEP4)、CPU4は、所定の期間が経過したか否かを判別する(STEP6)。CPU4は、所定の期間が経過していない場合は(STEP6;NO)、所定の期間が経過するまで待機する。
一方、CPU4は、所定の期間が経過した場合は(STEP6;YES)、アプリケーションプログラムが起動しているか否か、再度確認を行い(STEP1)、フローの手順が回帰するように処理を再実行する。このようにフローの手順が回帰することにより、ユーザが携帯端末装置1に接するタイミングに位置情報の取得および地図情報の取得更新を実施することができる。
【0024】
なお、所定の期間とは、10秒、1分、30分程度の間隔、いずれであってもよい。
また、指示部11により、上述の所定の期間は、設定することが可能である。
また、
図3に示すような、携帯端末装置1の場合、ユーザが、暗くなっている表示部6を明るくしたい時に、携帯端末装置1を持ち上げた時点から、ユーザの手がタッチセンサ10R,10Lに接するため、上述したようにアプリケーションプログラムが起動された状態であったなら、自動的に位置情報の取得や地図画像の取得更新等の処理を開始することができるので、使用者が指示部11を介して指示を行う手間を省くことができる。
【0025】
携帯端末装置1は、携帯端末装置とユーザが接するか否かを検出し、ユーザが接するか否かの検出結果に基づいて、通信部9の通信頻度を制御する機能を有し、ユーザが、携帯端末装置の表示画面を確認する際にだけ、適切に取得または更新された情報を表示することができ、このことにより消費電力が多いGPSの位置情報の取得や地図情報の画像取得更新という通信の回数を抑制することが可能となり、省電力ができる。更に、ナビゲーション機能が付いていないアプリケーションプログラムの場合にも、検出部10の検出結果に基づきユーザが表示部6を確認しているか否かを判断することで、画像取得の更新回数を抑制する効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0026】
1 携帯端末装置
2 RAM
4 CPU
5 表示制御部
6 通信制御部
7 検出制御部
8 表示部
9 通信部
9G 位置情報取得部
9N ネットワーク通信部
10 検出部
10R タッチセンサ(右)
10L タッチセンサ(左)
11 指示部
13 ROM