(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について当業者が容易に実施することができるように詳細に説明する。なお、本発明は多様に異なる形態で実現できるので、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。また、添付した図面では、本発明の理解を容易なものとするために、各種の層または領域を明確に表現するために厚さを拡大して示している。また、明細書全体を通じて類似な部分については同一な図面符号で示すものとする。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるとする時、これは他の部分の“直ぐ上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含み、反対にある部分が他の部分の“直ぐ上”にあるとする時には中間に他の部分がないことを意味する。
【0014】
本発明の実施形態による薄膜トランジスタ表示板を含む液晶表示装置について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態による液晶表示装置の構造を示した配置図であり、
図2、
図3および
図4は各々
図1に示す液晶表示装置を、II−II線、III−III線およびIV−IV線に沿って切って示す断面図である。
【0016】
本実施形態による液晶表示装置は、
図1〜
図4に示すように、薄膜トランジスタ表示板100(以下、「表示板100」と称する場合がある)とこれと対向している共通電極表示板200(以下、「表示板200」と称する場合がある)、そしてこれらの間に挿入されている液晶分子を含む液晶層3で構成される。
【0017】
液晶層3は、正の誘電率異方性を有することが好ましく、二つの表示板100、200に形成されている配向膜(図示せず)は互いに反対方向であり、表示板100、200面に対して水平方向に配向処理されることが好ましく、このような液晶表示装置は電気的に制御された複屈折方式(Electrically Controlled Birefringence mode:ECB mode)の一種であり、電圧を印加しない状態で最も明るい色を表示するノーマリーホワイト方式で駆動することが好ましい。
【0018】
薄膜トランジスタ表示板100には透明なガラスなどで形成される絶縁基板110上に複数のゲート線121、複数の維持電極線131および複数の遮光膜122が形成されている。
【0019】
ゲート線121は主に横方向に延びており、互いに分離されていてゲート信号を伝達する。各ゲート線121は、上に突出した複数のゲート電極124と他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い端部129を含む。ゲート信号を生成するゲート駆動回路(図示せず)は基板110上に付着される可撓性印刷回路膜(図示せず)上に装着されたり、基板110上に直接装着されたり、基板110に集積できる。ゲート駆動回路が基板110上に集積されている場合、ゲート線121が延びてこれと直接連結されてもよい。
【0020】
維持電極線131は所定の電圧が印加され、主に横方向に延びている。各維持電極線131は、維持電極133を構成する複数の突出部を含む。維持電極線131には、共通電極表示板200の共通電極270に印加される共通電圧などの予め決められた電圧を印加することができる。維持電極線131の模様および配置は多様に変更することができる。
【0021】
遮光膜122は、主に縦方向に延びており、ゲート線121および維持電極線131から分離されている。遮光膜122は互いに平行であり、互いに隣接するゲート線121と維持電極線131との間に各々配置されている。
【0022】
ゲート線121、維持電極線131、および遮光膜122は、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系の金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系の金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系の金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系の金属、もしくはクロム(Cr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)などで形成されることが好ましい。ゲート線121と維持電極線131は、物理的性質が異なる二つの膜、つまり、下部膜(図示せず)とその上の上部膜(図示せず)を含むことができる。上部膜は、ゲート線121または維持電極線131の信号遅延や電圧降下を減らすことができるように低い比抵抗の金属、例えば、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などアルミニウム系の金属から形成される。これとは異なり、下部膜は他の物質、特にITO(酸化インジウム錫)およびIZO(酸化インジウム亜鉛)との接触特性が優れた物質、例えばモリブデン(Mo)、モリブデン合金、クロム(Cr)などから形成される。下部膜と上部膜との組み合わせとしては、例えば、クロム/アルミニウム−ネオジム(Nd)合金が挙げられる。
【0023】
また、ゲート線121、維持電極線131および遮光膜122の側面は基板110の表面に対して傾斜しており、その傾斜角は約20度〜80度の範囲内にある。
【0024】
ゲート線121と維持電極線131上には、窒化珪素(SiNx)または酸化珪素(SiOx)などから形成されたゲート絶縁膜140が形成されている。
【0025】
ゲート絶縁膜140上部には、水素化非晶質珪素(以下、「a−Si」と称する)または多結晶珪素などから形成される複数の線状の半導体151が形成されている。半導体151は主に縦方向に延びており、これから複数の突出部154がゲート電極124に向かって延びており、これから複数の拡張部157が伸びている。また、半導体151は、ゲート線121および維持電極線131と交わる地点の付近で幅が広くなってゲート線121および維持電極線131を広い面積で覆っている。
【0026】
半導体151上には、複数の線状抵抗性接触部材(図示せず)および島状抵抗性接触部材165が形成されている。前記線状抵抗性接触部材は、複数の突出部163を有しており、この突出部163を含む前記線状抵抗性接触部材(必要に応じて「抵抗性接触部材163」とも称する)と島状抵抗性接触部材165とは対を成して構成され、半導体151の突出部154上に配置されている。上記各抵抗性接触部材163、165は、燐(P)などのn型不純物が高濃度でドーピングされているn
+水素化非晶質珪素などの物質で形成しても良いし、シリサイドで形成しても良い。抵抗性接触部材163、165は、その下の半導体151とその上のデータ線171およびドレイン電極175との間にだけ存在し、これらの間の接触抵抗を低下させる役割を果たす。
【0027】
半導体151と抵抗性接触部材163、165の側面は、基板110の表面に対して傾斜しており、傾斜角は30度〜80度の範囲内にある。
【0028】
抵抗性接触部材163、165およびゲート絶縁膜140上には、複数のデータ線171と複数のドレイン電極175とが形成されている。
【0029】
データ線171は、データ信号を伝達して主に縦方向(
図1を正面に見て上下方向)に延びてゲート線121と交差する。また、各データ線171は、維持電極線131と交差し、ゲート線121と維持電極線131との間に位置する部分は遮光膜122と重畳する。各データ線171は、ゲート電極124に向かってのびた複数のソース電極173と他の層または外部駆動回路との接続のために面積が広い端部179を含む。データ信号を生成するデータ駆動回路(図示せず)は、基板110上に付着される可撓性印刷回路膜(図示せず)上に装着されたり、基板110上に直接装着されたり、基板110に集積したりすることができる。前記データ駆動回路が基板110上に集積されている場合、データ線171が伸びてこれと直接連結されても良い。
【0030】
ドレイン電極175はデータ線171と分離されており、ゲート電極124を中心にソース電極173と対向して配置される。各ドレイン電極175は、維持電極133と重畳する拡張部177を含む。
【0031】
ゲート電極124、ソース電極173、およびドレイン電極175は、半導体151の突出部154と共に、薄膜トランジスタ(TFT)を構成する。薄膜トランジスタのチャンネルは、ソース電極173とドレイン電極175との間の突出部154に形成される。
【0032】
データ線171およびドレイン電極175は、クロムまたはモリブデン系の金属、タンタル、およびチタンなど耐火性金属から形成された導電膜を含むことが好ましく、モリブデン、モリブデン合金、クロムなどの下部膜(図示せず)とその上に位置したアルミニウム系金属である上部膜(図示せず)とを含む多層膜構造を有することができる。また、データ線171とドレイン電極175は、ゲート線121および維持電極線131と同様、その側面が約30度〜80度範囲内の角度で各々傾斜している。半導体151の幅がデータ線171の幅より狭い部分がほとんどであるが、前述したように、ゲート線121および維持電極線131と交差する部分で幅が広くなり、表面のプロファイルを柔かいようにすることによって、データ線171が断線されることを防止している。
【0033】
半導体151の突出部154にはソース電極173とドレイン電極175の間を始めとしてデータ線171およびドレイン電極175で覆われず露出された部分がある。
【0034】
データ線171、ドレイン電極175、および露出された半導体151の上には、無機物質である窒化珪素や酸化珪素などから形成された保護膜180が形成されており、保護膜180上部には平坦化特性が優れていて感光性を有する有機物質から形成された有機絶縁膜187が形成されている。この場合、有機絶縁膜187の表面は凹凸パターンを有している。また、ゲート線121の端部129およびデータ線171の端部179が配置されているパッド部には有機絶縁膜187が除去されていて保護膜180だけが残っている。
【0035】
保護膜180には、データ線171の端部179を露出する接触孔182が形成されており、ゲート絶縁膜140と一緒にゲート線121の端部129を露出する接触孔181が形成されている。また、保護膜180および有機絶縁膜187には、ドレイン電極175の拡張部177を露出する接触孔185が形成されている。接触孔181、182、185は多角形または円形など多様な模様で形成されても良く、その側壁は30度〜85度の範囲内で傾斜した階段型でも良い。
【0036】
有機絶縁膜187上には複数の画素電極190が形成されている。画素電極190は、透明電極192と、透明電極192上部に形成されている反射電極194とを含む。
【0037】
透明電極192は、透明な導電物質であるITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)から形成されており、反射電極194は不透明で反射度を有するアルミニウム、アルミニウム合金、銀、または銀合金などから形成されても良い。
【0038】
前述したように、有機絶縁膜187の表面は凹凸パターンを有して、有機絶縁膜187上に形成される反射電極194に凹凸パターンを誘導して反射電極194の反射効率を極大化する。画素電極190はモリブデンまたはモリブデン合金、クロム、チタンまたはタンタルなどから形成された接触補助層(図示せず)をさらに含むことができる。前記接触補助層は、透明電極192と反射電極194との接触特性を確保して、透明電極192が反射電極194を酸化させてしまうことを防止する役割を果たす。
【0039】
画素は、透過領域(TA)195と反射領域(RA)とに区分される。透過領域(TA)195は反射電極194が除去されている領域であり、反射領域(RA)は反射電極194が存在する領域である。透過領域(TA)195では、有機絶縁膜187が除去されている。また、透過領域(TA)195でのセル間隔は、反射領域(RA)でのセル間隔の約2倍である。従って、反射領域(RA)と透過領域(TA)とで、光が液晶層3を通過する光路差による影響を補償することができる。
【0040】
また、画素電極190が占める領域を除いた画素電極190の間には有機絶縁物質が除去されており、有機絶縁膜187は画素電極190の間に位置する開口部186を有する。この場合、開口部186を定義する有機絶縁膜187の側壁は、テーパ構造を有し、開口部186はデータ線171および遮光膜122と重畳している。
【0041】
このような開口部186は、透過領域(TA)と反射領域(RA)とを含む画素領域の間で、液晶分子が乱れて配列されても前記画素領域内へ液晶分子の乱れた配列が広がることを防止して、これについての詳細は追って説明する。これを通じて本発明による実施形態では遮光膜122を最小の幅で設計することができて、画素領域の開口率を極大化することができる。
【0042】
画素電極190は、接触孔185を介してドレイン電極175の拡張部177と物理的・電気的に連結されて、ドレイン電極175からデータ電圧が印加される。データ電圧が印加された画素電極190は、共通電極270と協働して電場を生成し、これにより両電極間の液晶層3の液晶分子を再配列させる。
【0043】
また、画素電極190と共通電極270とは、キャパシタ(以下、「液晶キャパシタ」と称する」を構成し、薄膜トランジスタが遮断した後にも印加された電圧を維持するが、電圧の維持能力を強化するために、液晶キャパシタと並列に連結された他のキャパシタ(この他のキャパシタを「ストレージキャパシタ」と称する)を設ける。このストレージキャパシタは、ドレイン電極175の拡張部177と維持電極133の重畳により形成される。ストレージキャパシタは、画素電極190およびこれと隣接するゲート線121の重畳で形成されても良く、この場合、維持電極線131は省略することができる。
【0044】
画素電極190は、ゲート線121およびそれに隣接するデータ線171と重畳されることにより開口率を高めているが、これに限らず、重畳されていなくても良い。
【0045】
画素電極190の材料としては、例えば透明な導電性ポリマーなどを用いても良く、反射型液晶表示装置の場合には不透明な反射性金属を用いても良い。
【0046】
上述したパッド部の保護膜180上には、接触孔181、182を通じて各々ゲート線121の端部129およびデータ線171の端部179と連結されている複数の接触補助部材81、82が形成されている。
【0047】
接触補助部材81、82は、ゲート線121の端部129およびデータ線171の端部179と外部装置との接着性を補完して、これらを保護する役割を果たす。しかしながら、これは必須ではなく、接触補助部材81、82の適用の有無は選択的である。また、これらは、透明電極192または反射電極194と同一層に形成されても良い。
【0048】
一方、薄膜トランジスタ表示板100と対向する共通電極表示板200には、透明なガラスなどの絶縁物質から形成された基板210上に、遮光部材(ブラックマトリックス)220が形成されている。遮光部材220は、画素電極190の間の光漏れを防止して、ゲート線121と薄膜トランジスタに対応する部分を含む。一方、遮光部材220は、データ線171に対応する部分を含んで、遮光部材220は、画素電極190に対応する部分に開口領域を定義する模様を取ることができるが、本発明の実施形態では、画素電極190間の縦領域で漏洩される光は、データ線171と遮光膜122とで十分に遮断することができる。この場合、遮光部材220は、データ線171に対応する縦部分は省略することができる。
【0049】
複数の色フィルター230が基板210と遮光部材220上とに形成されており、この色フィルター230は、遮光部材220とデータ線171とに囲まれた領域内に殆ど入るように配置されている。各色フィルター230は、隣接する二つのデータ線171の間に位置して、縦方向に配列された色フィルター230は、互いに連結されて一つの帯を構成することができる。各色フィルター230は赤色、緑色および青色など三原色のうちの一つを示すことができる。
【0050】
各色フィルター230には、ライトホール240が形成され、透過領域(TA)195と反射領域(RA)での光が色フィルター230を通過する個数の差による色相トーンの差を補償することができる。
【0051】
ライトホール240は、反射領域(RA)に形成されており、四角形または円形などの模様を有する。ライトホール240のサイズは、緑色フィルター230で最も広く、青色フィルター230で最も狭い。
【0052】
色フィルター230および遮光部材220上には、有機物質などで作られた蓋膜250が形成されている。蓋膜250は、ライトホール240を充填して色フィルター230の表面を平坦にして保護する役割を果たす。
【0053】
蓋膜250上には、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質から形成された共通電極270が形成されている。
【0054】
このような本発明の実施形態による液晶表示装置では互いに隣接する画素電極190の間の有機絶縁膜187に開口部186が配置され、画素領域の間で乱れた液晶分子の配列が画素領域内へ広がることを防止することができる。これを通じて画素領域の周縁で発生する光漏れ現象を遮断して遮光膜122の最適の幅で設計することにより、データ線171と遮光膜122とだけで画素領域の間の縦領域で漏洩される光を遮断することができ、遮光部材220の縦部分を省略することができる。従って、画素領域の開口率を極大化して表示装置の特性を向上させることができる。
【0055】
図5は本発明の他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の構造を示す配置図であり、
図6は
図5の薄膜トランジスタ表示板をVI−VI線に沿って切って示す断面図である。
【0056】
図5および
図6のように、本実施形態における薄膜トランジスタは、そのほとんどが、
図1〜
図4に示した構造と同一である。したがって、前述した実施形態における構成要素と同じ構成要素の説明は、重複記載を避けるため、適宜省略して説明する。
【0057】
薄膜トランジスタ表示板には、ゲート電極124を含む複数のゲート線121および維持電極を含む複数の維持電極線131が絶縁基板110上に形成されており、その上にゲート絶縁膜140が形成されている。また、その上部には、突出部154を含む半導体151および突出部163を含む複数の線状抵抗性接触部材(図示せず)および複数の島状抵抗性接触部材165が順次に形成されている。ソース電極173を含む複数のデータ線171および複数のドレイン電極175がこれら抵抗性接触部材163、165およびゲート絶縁膜140上に形成されており、その上には保護膜180と開口部186を有する有機絶縁膜187が順次に形成されている。また、有機絶縁膜187には、複数の接触孔185が形成されている。また、保護膜180上には複数の画素電極191が形成されている。
【0058】
ここで、維持電極線131は、縦方向に平行に延びた第1維持電極133aおよび第1維持電極133aを互いに連結してゲート線121が殆ど平行な第2維持電極133bを含む。
【0059】
また、ドレイン電極175の拡張部177を露出する保護膜180および有機絶縁膜187の接触孔185はドレイン電極175の境界線外まで伸びて“U”字状を形成している。
【0060】
有機絶縁膜187の開口部186を定義する画素電極191は、透明な導電物質から形成された透明性導電膜の単一膜で形成されている。このような画素電極191は、バックライト装置のランプから出る光を液晶層を通過させて画像を表示する透過型として用いられる。
【0061】
本実施形態による薄膜トランジスタ表示板を含む液晶表示装置において、共通電極表示板に形成されている遮光部材は画素領域に対応する開口領域を定義する模様を有することが好ましい。
【0062】
このような本実施形態では、互いに隣接する画素電極の間の有機絶縁膜187には開口部186が形成されていて液晶分子の乱れた配列が画素領域に広がったり、押されたりすることを防止することができて、これを通じて画素の開口率を極大化することができる。
【0063】
次に、このような薄膜トランジスタ表示板の製造方法について図面を参照して具体的に説明する。
【0064】
図7、
図9、
図11および
図13は、
図5および
図6の薄膜トランジスタ表示板の製造工程で中間段階をその工程順序によって示す工程図であり、
図8は
図7の薄膜トランジスタ表示板をVIII−VIII線に沿って切って示す断面図であり、
図10は
図9の薄膜トランジスタ表示板をX−X線に沿って切って示す断面図であり、
図12は
図11の薄膜トランジスタ表示板をXII−XII線に沿って切って示す断面図であり、
図14は
図13の薄膜トランジスタ表示板をXIV−XIV線に沿って切って示す断面図であり、
図15は
図13の薄膜トランジスタ表示板をXIV−XIV線に沿って切って示す断面図であって、
図14の次の段階を示す図面である。
【0065】
まず、透明ガラスまたはプラスチックなどから形成された絶縁基板110上に導電膜を積層してパターニングして、
図7および
図8のように、ゲート電極124および端部129を含む複数のゲート線121と第1維持電極133aおよび第2維持電極133bを含む複数の維持電極線131を形成する。
【0066】
次に、
図9および
図10に示すように、ゲート線121およびゲート電極124を覆うように窒化珪素(SiNx)または酸化珪素(SiO
2)を蒸着してゲート絶縁膜140を形成する。ゲート絶縁膜140の積層温度は約250度〜500度、厚さは2,000Å〜5,000Å程度とする。
【0067】
その次に、ゲート絶縁膜140上に真性非晶質珪素層、不純物がドーピングされた非晶質珪素層を連続して積層して、不純物がドーピングされた非晶質珪素層と真性非晶質珪素層とをフォトエッチングして、複数の突出部154を含む半導体層151および不純物がドーピングされた非晶質珪素層164を形成する。
【0068】
次に、
図11および
図12のように、不純物がドーピングされた非晶質珪素層およびゲート絶縁膜140上にスパッタリングなどの方法で導電膜を積層してマスクを用いた写真エッチング工程でエッチングしてソース電極173および端部179を含むデータ線171およびドレイン電極175を形成する。
【0069】
その次に、ソース電極173およびドレイン電極175で覆われず露出された不純物半導体層164を除去して複数の突出部163を含む複数の線状抵抗性接触部材(図示せず)と複数の島状抵抗性接触部材165を完成する一方、その下の真性半導体154部分を露出させる。この時、露出された真性半導体154部分の表面を安定化させるために酸素(O
2)プラズマ処理を実施することができる。
【0070】
次に、
図13および
図14に示すように、窒化珪素(SiNx)などをプラズマ化学気相蒸着(PECVD)で積層して保護膜180を形成した後、その上部に平坦化特性が優れていて感光性を有する有機物質を塗布して有機絶縁膜187を形成する。
【0071】
次に、マスクを用いたフォトエッチング工程で保護膜180と有機絶縁膜187とをエッチングしてドレイン電極175を露出する接触孔185を形成する。
【0072】
次に、
図5および
図15のように、有機絶縁膜187上にITOなどの透明導電層をスパッタリングで積層した後、パターニングして画素電極191を形成する。
【0073】
次に、
図6のように、画素電極191で覆われていない有機絶縁膜187の一部を除去して開口部186を形成する。
【0074】
このような薄膜トランジスタ表示板の製造方法では、開口部186を形成するために画素電極191をエッチングマスクとして用いたり、画素電極191を形成するための感光膜パターンを使用したりして、開口部186を形成するために別途のマスクが追加されない。
【0075】
次に、前述したように本発明の実施形態による液晶表示装置のように、互いに隣接する画素電極191の間の有機絶縁膜187に開口部186を配置することによって得ることができる効果について具体的に説明する。
【0076】
図16は一般的な液晶表示装置における光漏れ現象を撮影した写真を示す図であり、
図17は本発明の実施形態による液晶表示装置おける光漏れ現象を撮影した写真を示す図である。ここで、断面図の上部に示すグラフG1、G2は対応する領域で透過率を示すものである。
【0077】
本シミュレーションで液晶表示装置はECB方式であり、液晶物質は正の誘電率を有する。この時、上部および下部表示板の配向膜は水平方向に配向処理されており、配向方向は互いに反対方向であり、データ線171および遮光膜122を中心に両側に配置されている画素電極191には互いに異なる電圧が印加されている状態である。
【0078】
図16のように、互いに隣接する二つの画素電極191に互いに異なる電圧を印加した時、二つの画素電極191の間に位置する液晶分子は乱れて配列される。この場合、このような乱れ配列によって画素電極191に対応する画素領域に位置する液晶分子も乱れて配列され、画素領域の一部であったA領域でもグラフG1に示すように光漏れ現象が激しく発生することが分かる。従って、このような光漏れ現象を遮断するためには遮光膜122の幅を広げなければならず、これによって画素領域の開口率が減少する。
【0079】
これとは異なり、
図17のように、互いに隣接する二つの画素電極191の間に開口部186を配置した時には、二つの画素電極191の電圧差によって発生する液晶分子の乱れ配列が開口部186に覆われてそれ以上隣接した画素領域内へ広がらない。グラフG2で分かるように、二つの画素電極191間および画素領域周縁では光漏れ現象が現われず、透過率が急激に増加することもないので、グラフG2は、緩慢な傾斜になる。従って、本実施形態のように隣接する二つの画素電極191の間の有機絶縁膜187にトレンチである開口部186を配置して画素領域で発生する光漏れ現象を遮断することができ、これを通じて画素の開口率を極大化することができ、表示装置の特性を向上させることができる。
【0080】
本発明の実施形態では有機絶縁膜を完全に除去して開口部を形成したが、有機絶縁膜の一部だけ除去してトレンチを形成しても同一な効果を得ることができる。
【0081】
また、本発明の実施形態ではEOC方式の液晶表示装置についてだけ説明したが、本発明はツイステッドネマティック(TN)方式または垂直配向方式などの他の方式の液晶表示装置でも同一に適用することができる。
【0082】
以上、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明したが、これは単に、本発明を例示したものであって、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これもまた本発明の範囲に属することは当然である。