(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態の建物は、2.5階建ての住宅であり、2階の上に、2階床より半階高いスキップ床が設けられてなるものである。
1階の間取りは以下のようになっている。すなわち、
図5に示すように、建物の南側の中央部より若干東側には、玄関1が建物の南側の外壁から奥まって設けられており、この玄関1の北側にホール2が設けられている。ホール2の西側にはキッチン3が設けられており、このキッチン3の南側にダイニングルーム4がキッチン3と連続して設けられている。ダイニングルーム4の東側には、リビングルーム5がダイニングルーム4と連続して設けられている。
【0017】
ダイニングルーム4は、天井高の高い高天井部屋4となっており、その上方には2階の床が設けられている。キッチン3とリビングルーム5の天井は、ダイニングルーム4の天井より低くなっており、これらキッチン3とリビングルーム5の上方には、中間階の床が設けられている。
リビングルーム5の東側の壁には、地窓6が設けられており、この地窓6は玄関ポーチ1aに面している。
【0018】
キッチン3の北側には、洗面室7と浴室8とが東西に隣接して設けられており、洗面室7には、ホール2から出入りできるようになっている。また、ホール2には階段9が1階の床と中間階の床との間に設けられており、階段9の北側にはエレベータ室10が1階の床から中間階の床を抜け、さらに2階の床を抜けて2階の天井まで延びて設けられている。このエレベータ室10にエレベータ10aが設けられており、該エレベータ10aは1階、中間階、2階のそれぞれで開閉するようになっている。
ホール3の北側には、土間11が設けられており、この土間11は1階の収納室12に隣接している。
【0019】
収納室12は天井高が0.9〜1.4m程度の低天井室であり、土間11と収納室12とを仕切る壁には、収納室12用の出入口が形成されている。この出入口の高さも0.9〜1.4m程度である。収納室12の床の一部12aは土間11の床と連続して面一となっているが、収納室の床の他部12bは一段高くなっており、ホール2の床と面一となっている。
また、玄関1の東側には土間13が収納室12の南側に隣接して設けられている。この土間13は例えば工房として使用されるもので、この土間13と収納室12とを仕切る壁には、収納室12用の出入口が形成されている。この出入口の高さは0.9〜1.4m程度である。また、土間13には玄関1および玄関ポーチ1aの双方から出入できるようになっている。
また、前記ホール2の東側には、階段14が1階の床と中間階の床との間に設けられている。
さらに、収納室12の北側には、階段15が1階の床と中間階の床との間に設けられている。この階段15が設けられる階段室は1階の内部とは壁によって仕切られており、外部から出入するようになっている。
【0020】
2階の間取りは以下のようになっている。すなわち、
図6に示すように、2階のほぼ中央部にホール16が設けられており、このホール16に前記階段9の下り口が設けられている。ホール16の南側には、バルコニー17と部屋(上階の部屋)18とが東西に隣接して設けられている。バルコニー17は2階の南側の外壁から奥まって設けられたものであり、その上方には屋根はなく開放されている。バルコニー17と部屋18とを仕切る壁には、バルコニー17と部屋18とを行き来可能とするサッシ窓19aが設けられており、このサッシ窓19aの上方には高窓19bが設けられている(
図3参照)。
また、部屋18は天井高の高い高天井部屋となっており、この部屋18の天井は2.5階にあるスキップ床29上の天井とほぼ等しい高さとなっている。
さらに、バルコニー17とホール16とを仕切る壁には、バルコニー17とホール16とを行き来可能とするサッシ窓19cが設けられており、このサッシ窓19cの上方には高窓19dが設けられている(
図1参照)。なお、ホール16も天井高の高い高天井部屋となっており、このホール16の天井は2.5階にあるスキップ床29上の天井とほぼ等しい高さとなっている。
前記部屋18は1階の高天井部屋であるダイニングルーム4と平面的に隣接しており、
図1に示すように、該部屋18の床は、ダイニングルーム4の床より低くなっている。ダイニングルーム4の天井と、部屋18の床との間にある壁は、通風透光壁20となっている。
【0021】
前記通風透光壁20は以下のように構成されている。すなわち、
図4に示すように、通風透光壁20は、開口部21aが設けられた壁本体21と、この壁本体21の開口部21aにはめ込まれたガラス板22と、同開口部21にaにはめ込まれた面格子23とによって構成されている。
開口部21aは長方形状に形成されており、この開口部21aの内周面のうち、内側(部屋18側に、ガラス板22がはめ込まれており、外側に面格子23がはめ込まれている。ガラス板22はその横寸法が開口部21aの横寸法より短く形成された透明なものであり、したがって、該ガラス板22の左右側の縁部と、開口部21aの左右側の縁部との間には所定幅の隙間24,24が設けられている。面格子23はその縦横の寸法が開口部21aの縦横の寸法とほぼ等しく形成されたものであり、したがって、面格子23は開口部21aにピッタリとはめ込まれている。面格子23は木製のものであり、ガラス板22と所定間隔をあけてはめ込まれている。したがって、空気は前記隙間24,24、面格子23とガラス板22との間の隙間、面格子23に形成されている多数の貫通部を通して、部屋18とダイニングルーム4との間を流通できるようになっている。
また、前記通風透光壁20は、前記サッシ窓19aは対向しており、これによって、サッシ窓19aから部屋18に入り込む光を通風透光壁20を通して1階のダイニングルーム4に導くことができる。
【0022】
前記ホール16の北側には部屋27が設けられており、この部屋27の西側には収納室28が設けられている。この収納室28は、2階の床上にスキップ床29を設け、このスキップ床29と2階の床との間に設けられたものであり、天井高が0.9〜1.4m程度になっている。収納室28と部屋27とを仕切る壁には、出入口30が設けられている。
また、ホール16の西側には収納室31が前記収納室28の南側に隣接して設けられている。この収納室31もスキップ床29と2階の床との間に設けられたものであり、天井高が0.9〜1.4m程度になっている。収納室31とホール16とを仕切る壁には、出入口32が設けられている。また、前記収納室28とホール16とを仕切る壁には、出入口33が設けられている。
【0023】
また、前記バルコニー17の東側には、部屋33が設けられており、この部屋33の北側には部屋34が設けられている。部屋33と部屋34はそれより西側にある部屋等からある程度独立している。すなわち、部屋34は部屋27やホール16とは壁35によって完全に仕切られており、部屋33はバルコニー17に隣接している。そして部屋33にはキッチンが設置されており、該部屋33はLDKとして使用される。部屋33内には階段ホール33aが設けられており、この階段ホール33aと前記ホール16と仕切る壁に出入口が設けられている。
また、前記部屋34は1階の収納室12上に設けられているので、部屋33より半階ほど低くなっており、該部屋34には前記階段14の途中の踊り場14aに面している出入口34aから出入するようになっている。また、部屋34には前記階段15を通って出入できるようになっている。
【0024】
2.5階の間取りは以下のようになっている。すなわち
図7に示すように、建物内の西側には、主寝室として使用される部屋37が設けられている。また、部屋37の東側には洗面室38が設けられている。これら部屋37および洗面室38は、1階のダイニングルーム4と2階の収納室31と収納室28の上にあるスキップ床29上に設けられている。
部屋37には2階のホール16から階段40を上って、その階段40の下り口から出入りするようになっている。階段40は2階の床とスキップ床29との間に設けられている。
また、部屋37と2階の部屋18の上部とを仕切る壁には開口部が設けられており、この開口部にはガラス板41がはめ込まれている。したがって、部屋37から部屋18を見ることができる。なお、ガラス板41の内側(部屋37側)には、面格子で構成された引戸が設けられている。
【0025】
建物内の東側には、部屋43と水回り系の部屋44とが南北に隣接して設けられており、この水回り系の部屋44には部屋43から出入りするようになっている。水回り系の部屋44は洗面室兼トイレと浴室とを備えている。部屋43の南側には階段45の下り口が設けられており、この下り口から部屋43に出入りするようになっている。また、部屋43と水回り系の部屋44とは、前記部屋34上に設けられており、部屋44の床は前記部屋37の床より若干低くなっている。
【0026】
また、建物の屋根には複数の天窓が設けられている。すなわち、
図2および
図3に示すように、天窓46a,46bは2階のホール16の上方に設けられており、2階のほぼ中央にあるホール16への採光を確保するものである。天窓46cは部屋33への採光を確保するものである。天窓46dは階段45,14への採光を確保するものである。
【0027】
本実施の形態によれば、1階の高天井部屋であるダイニングルーム4の天井と、2階の部屋18の床との間にある壁が、通風可能でかつ透光可能な通風透光壁20であるので、この通風透光壁18を通して2階の部屋18と、1階のダイニングルーム4との間において通風や採光を確保できる。
特に夏季は高天井部屋であるダイニングルーム14の上部に滞留する空気を、通風透光壁20を通して、2階の部屋18に排気できる。部屋18へ排気された空気は該部屋18に隣接しているバルコニー17に排気できる。
【0028】
また、通風透光壁20が、開口部21aが設けられた壁本体21と、この壁本体21の開口部21aにはめ込まれたガラス板22とを備え、ガラス板22の縁部と、開口部21aの縁部との間に所定幅の隙間24,24が設けられているので、ガラス板22によって採光を確保でき、隙間24,24によって通風を確保できる。
さらに、2階の部屋18に隣接して、バルコニー17が設けられており、このバルコニー17と2階の部屋18との間にあるサッシ窓19aが、通風透光壁20と対向配置されているので、バルコニー17からサッシ窓19aを通して2階の部屋18に採光でき、この部屋18から通風透光壁20を通して下階のダイニングルーム4に採光できるので、建物の外側からダイニングルーム4に容易に採光できる。
また、1階のダイニングルーム4の上部に滞留した空気が通風透光壁20を通して2階の部屋18に抜け、さらに、サッシ窓19aから外部に抜けるので、1階のダイニングルーム4の上部に滞留した空気を建物の外部に容易に排気できる。
【0029】
また、2階の部屋18が天井高の高い高天井部屋となっており、この高天井部屋18とバルコニー17とを仕切る壁の上部に高窓19bが設けられているので、建物の外側から高窓19bを通して部屋18へ採光できるので、採光量を多くできる。
また、1階のダイニングルーム4の上部から通風透光壁20を通して2階の部屋18に抜けた空気を高窓19bを通して容易に排気できる。
さらに、2階の床上に、スキップ床29が設けられており、このスキップ床29と2階の床との間に天井高が0.9〜1.4mの収納空間28,31が設けられているので、収納空間28,31が2階の床から出入可能となり、使い勝手のよい収納空間となる。