特許第5652992号(P5652992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5652992生体情報測定装置、および生体情報測定装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5652992
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】生体情報測定装置、および生体情報測定装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20141218BHJP
   H04W 12/06 20090101ALI20141218BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20141218BHJP
【FI】
   A61B5/00 A
   H04W12/06
   H04W84/10 110
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2008-90646(P2008-90646)
(22)【出願日】2008年3月31日
(65)【公開番号】特開2009-240530(P2009-240530A)
(43)【公開日】2009年10月22日
【審査請求日】2011年3月25日
【審判番号】不服2013-20548(P2013-20548/J1)
【審判請求日】2013年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズンホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101915
【弁理士】
【氏名又は名称】塩野入 章夫
(72)【発明者】
【氏名】清水 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】岡本 誠
【合議体】
【審判長】 神 悦彦
【審判官】 右▲高▼ 孝幸
【審判官】 三崎 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−61841(JP,A)
【文献】 特開2006−271763(JP,A)
【文献】 特表2004−532679(JP,A)
【文献】 特開2005−253981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部端末との間で相互認証を行って双方向通信の通信リンクを形成し、当該通信リンクを介してデータを送受信する生体情報測定装置であって、
生体情報を測定する測定部と、外部端末との間でデータの送受信を行う通信部と、前記測定部の測定動作および前記通信部の通信動作を制御する制御部と、前記外部端末の1又は複数を特定する認証コードを一時的に記憶する認証コード一次記憶部とを備え、
前記制御部は、
前記通信リンクの形成制御において、認証コードを前記認証コード一次記憶部に一時記憶させ、
双方向通信の通信リンクの形成後、ガイダンス情報を前記外部端末に送信させ、
測定動作中は
生体情報の測定を開始させる指令をトリガとして前記通信リンクを一時解除し、測定動作終了後に一時解除した通信リンクを再形成し、
前記通信リンクの再形成時に、前記一時記憶した認証コードを前記認証コード一次記憶部から読み出し、外部端末との間で相互認証を行ない、
前記再開した通信リンクによる所定の送受信動作が終了した後、通信動作を終了し、記憶している認証コードを消去することを特徴とする生体情報測定装置。
【請求項2】
前記通信リンクは、Bluetooth(登録商標)による通信であり、
前記認証コードは、Bluetooth(登録商標)によるPINコードであることを特徴とする、請求項1に記載の生体情報測定装置。
【請求項3】
生体情報を測定する測定部と、外部端末との間でデータの送受信を行う通信部と、前記測定部の測定動作および前記通信部の通信動作を制御する制御部とを備え、外部端末との間において相互認証を行って双方向通信の通信リンクを形成し、当該通信リンクを介してデータを送受信する生体情報測定装置の制御方法であって、
前記制御部は、
前記通信部による認証コードを用いた相互認証による双方向通信の通信リンクの形成制御を行った後、
前記測定部の測定を開始させる動作制御、
前記測定動作開始前に行う前記通信部の通信を停止させて通信リンクを一時解除する動作制御、
前記測定動作終了後に行う前記通信部の通信を再開させる動作制御、
の各動作制御を順に行い、
前記通信リンクの形成制御において、
認証コードを一時記憶し、
前記測定動作終了後において前記一時記憶した認証コードを読み出し、
読み出した認証コードを用いて外部端末との間で相互認証を行い、
前記再開させる動作制御において、
外部端末との間で相互認証による双方向通信の通信リンクを再度行って通信リンクを再形成させ、
前記再開した通信リンクによる所定の送受信動作が終了した後、
通信動作を終了し、
記憶している認証コードを消去することを特徴とする生体情報測定装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体情報の測定に関し、測定した血圧等の生体情報を携帯電話やPC等の外部端末に送信する生体情報測定装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血圧計や心拍計等の生体情報測定装置で測定した生体情報を、この生体情報測定装置と別に設けたデータ収集装置に送信し、データ収集装置においてデータ表示、データ解析、データ保存等のデータ処理を行う技術として、生体情報装置からデータ収集装置に向けての送信を微弱電波通信や赤外線通信による単方向通信で行う方法が一般的である。
【0003】
図10は、生体情報測定装置から外部端末に向けて単方向通信によって測定結果を送信する構成例を示す図である。
【0004】
図10に示す構成例において、生体情報測定装置110Aは測定部115Aを備え、この測定部115Aで測定した生体情報を、演算/制御部112Aの制御によって送信回路111Aから外部端末120Aに向けて送信される。
【0005】
この構成では、生体情報測定装置110Aと外部端末120Aとの間で単方向通信を形成するために、外部端末120A側に専用無線のための受信回路130Aを外付けユニットとして付加している。外部端末120Aは、生体情報測定装置110Aから送信された測定データをデータ収集するデータ収集装置であって、制御/解析/保存部122Aや表示/報知部123A等で構成され、例えばPCや携帯電話の形態である。
【0006】
図11は、生体情報測定装置から外部端末に単方向通信で測定データを送信する送信状態を説明するための状態図である。
【0007】
生体情報測定装置から外部端末に向けて単方向通信で送信を行う場合には、はじめに導入初期状態において、生体情報測定装置と外部端末との間で通信を確立するためにセットアップを行う。
【0008】
セットアップで通信を確立した後、通常測定動作において、生体情報測定装置から外部端末に向けて機器情報や個人情報を送信して外部端末に表示させた後、測定を行う。生体情報測定装置が測定中の間は、外部端末は測定データ待ちの状態にある。
【0009】
生体情報測定装置は測定が終了した後に測定結果を外部端末に送信し、外部端末は受信した測定結果を表示する。
【0010】
この単方向通信では、生体情報測定装置が測定中にあるときには、送信動作は停止している。
【0011】
上記した単方向通信に対して双方向通信が知られている。近距離通信を双方向通信で行う手法として、Bluetooth(登録商標)無線通信が知られている。Bluetooth(登録商標)無線通信は、2.4GHz帯の双方向無線であり、Bluetooth(登録商標)の無線規格に準拠した、携帯電話等の機器間毎に通信リンクを確立することができるという特徴を有している。また、セキュリティを確保するために、接続時にPINコードと呼ばれる認証コードを取り交わすペアリング認証が必要としている他、混信や盗聴を防ぐ目的から、周波数ホッピングと呼ばれる手法によって常に周波数を変更しながら通信を行っている。
【0012】
なお、Bluetooth(登録商標)を用いて双方向通信は、例えば特許文献1など多数知られている。また、間欠的な双方向通信において、電池状態が所定状態を検出した際に、無線通信機能以外の所定の負荷部も駆動を禁止することで、無線通信品質を維持することが知られている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2004−329300号公報(段落0005,0033,0034等)
【特許文献2】国際公開番号 WO 02/073770A1(第4欄第8行−第17行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
生体情報測定装置において、単に測定結果を外部端末に送信するのみである場合には、従来から用いられている単方向通信で充分である。しかしながら、生体情報測定装置に高機能化や高精度化に伴って使用方法が複雑化し、また、利用者が運動しながらあるいは移動しながら生体情報を測定すると共に、測定結果を身体に装着した携帯自在の外部端末によって確認するといった使用形態の変化などから、生体情報測定装置から外部端末に向かう単方向通信ではなく、外部端末から生体情報測定装置に向かう通信も可能とした双方向通信が求められている。この双方向通信によれば、外部端末から生体情報測定装置に向けた利用者に係わる、例えば、年齢、身長、体重等の身体情報を送信することができ、生体情報の測定を多機能化することが可能となる他、利用者の測定データの管理も容易となる。
【0014】
このような双方向通信を生体情報測定装置に適用する際には、通信リンクを確立する上で2通りのリンク方法が考えられる。一つは、生体情報を測定した後に、双方向通信の無線通信リンクを確立するリンク方法であり、他方は、生体情報を測定する前に双方向通信の無線通信リンクを確立しておく方法である。
【0015】
生体情報測定では、測定前に利用者に測定方法や測定情報測定装置の使用方法を案内する必要があるため、上記した2通りのリンク方法の内、生体情報を測定する前に双方向通信の無線通信リンクを確立しておく方法が好適である。
【0016】
図12は、生体情報測定装置において、外部端末との間の通信を双方向通信で行う場合の構成例を示している。
【0017】
図12に示す構成例において、生体情報測定装置110Bは測定部115Bを備え、この測定部115Bで測定した生体情報を、演算/制御部112Bの制御によって通信部111Bから外部端末120Bに向けて送信される。
【0018】
この構成では、生体情報測定装置110Bと外部端末120Bとの間で双方向通信を形成するために、外部端末120Bは双方向通信の機能を有する通信部121Bを備えている。外部端末120Bは、生体情報測定装置110Aから送信された測定データをデータ収集するデータ収集装置であって、通信部121Bの他、制御/解析/保存部122Bや表示/報知部123B等を備え、例えば双方向通信の機能を組み込ませることによってPCや携帯電話の形態で構成することができる。
【0019】
図13は、生体情報測定装置と外部端末との間を双方向通信によって送受信する状態を説明するための状態図である。
【0020】
Bluetooth(登録商標)を用いた双方向通信では、はじめに認証コードを用いてペアリング認証動作を行って通信リンクを確立させた後、生体情報測定装置から外部端末に向けて機器情報や個人情報を送信して外部端末に表示させた後、外部端末からの測定開始指示に基づいて測定を開始する。生体情報測定装置が測定中の間は、外部端末は測定データ待ちの状態にある。
【0021】
生体情報測定装置は測定が終了した後に測定結果を外部端末に送信し、外部端末は受信した測定結果を表示する。測定結果の表示が終了した後、ペアリングを解除して双方向通信を終了する。
【0022】
この双方向通信では、生体情報測定装置が測定中にあいても、前記したように、混信や盗聴を防ぐために、周波数ホッピングによって常に周波数を変更しながら通信を行っている。この周波数ホッピングでは、例えば1600回/秒の周期で電波の送受信が行われている。
【0023】
上記した生体情報測定装置と外部端末との間を双方向通信で行う構成では、生体情報測定装置が測定と通信との両動作を同時に行うことにより、測定中の通信によって発生するノイズが測定部に影響を与える点、および測定動作と通信動作の両動作を行うために大きな電力を要する点で問題がある。
【0024】
Bluetooth(登録商標)を用いた双方向通信では、測定中においてもホッピングによって2.4GHzという高周波帯域の通信が行われている。そのため、この高周波帯域は測定部のセンサ部に対してはノイズの要因となる。一般に、ノイズの影響を低減させる手法として電磁界シールドで覆うことが知られているが、生体情報測定装置の測定部が備えるセンサ部は、生体との接触が不可避であるため、電磁界シールドによってセンサ部を完全に覆うことが難しく、隙間から侵入するノイズを避けることは困難である。例えば、生体情報として血圧を測定する場合には、腕等の身体をカフで圧迫する必要からカフに空気を供給する空気路が必要であり、センサ部を電磁界シールドで完全に覆うことは困難である。
【0025】
また、Bluetooth(登録商標)を用いた双方向通信では、通信のために例えば40〜100mAの消費電流を要する。生体情報測定装置では、この通信に要する消費電流に加えて、生体情報を測定するために測定部を駆動するための駆動電流が必要である。例えば、血圧を測定する場合には、カフに空気を供給するためにポンプを駆動する必要がある。したがって、双方向通信を行う生体情報測定装置では、測定動作と通信動作の両動作を行うために大きな電力を要する。
【0026】
なお、この特許文献1では、電力消費を抑制するために、リアルタイム性が求められる場合には通信周期を短くし、リアルタイム性が求められない場合には通信周期を長くして、省電力モードにおける通信周期を設定する点が記載されている。
【0027】
そこで、本発明は従来の課題を解決し、双方向通信を行う生体情報測定装置において、測定動作と通信動作の両動作を行うことによるノイズの発生および消費電力の増大の課題を解消することを目的とする。
【0028】
本発明は、上記の課題を解決するために、双方向通信において、生体情報測定装置が測定を行うときには通信を停止して測定のみを行う構成とする。これによって測定中におけるノイズの発生を防ぐと共に、通信に要する電力を不要とすることができる。
【0029】
この本発明の構成を双方向通信に適用した際には、双方向通信に伴う課題が生じる。双方向通信では、はじめに認証コードを用いてセキュリティを確保した後、共通キーを形成して通信リンクを形成している。
【0030】
双方向通信では、通常、通信リンクが形成された後は、データの送受信を行わない待機状態であっても形成された通信リンクを解除することなく維持し、通信を終了する時点で通信リンクを解除している。通信リンクを解除した後は、再度通信リンクの形成を行うことで双方向通信を行っている。このように、双方向通信は、常に通信リンクを維持している。
【0031】
このような、双方向通信は常に通信状態を維持するという特性を有しているため、本発明の測定中に通信を停止させる構成とは相容れないことになる。生体情報測定装置において、測定中に通信を停止させる構成とするには、双方向通信において測定前に通信リンクを一旦解除し、測定後に通信リンクを再開させる必要がある。通信リンクは、通常、通信リンクが形成された後では、認証コードは消去され、共通キーを用いて通信リンクの形成が維持されている。なお、Bluetooth(登録商標)を用いた双方向通信では、この共通コードはリンクキーが用いられている。
【0032】
したがって、双方向通信において測定前に通信リンクを一旦解除し、測定後に通信リンクを再開させるには、この共通コードを記憶しておき、通信リンクを再開する際に共通コードを読み出すことによって再度通信リンクを形成することが考えられる。
【0033】
しかしながら、この共通コードを用いた通信リンクの再開には以下のような問題がある。図14は生体情報測定装置と外部端末との間を双方向通信で行う構成を説明するための図であり、共通キー(ここではリンクキー)を一時記憶することで通信リンクの一時解除と再開を行う場合を示している。
【0034】
図14(A)は、通信リンクが成立して状態を示している。この状態では、生体情報測定装置Aと外部端末aとは共通するリンクキーによって通信リンクを形成し、リンクキーを一時的に記憶する。
【0035】
図14(B)は、測定中の状態を示している。生体情報測定装置Aにおいて測定を行っている間は、通信リンクを停止させることによってノイズの影響を回避する。
【0036】
図14(C)は、通信リンクを再開した場合の各状態を示している。
【0037】
図14(c1)は、外部端末aにリンクキーを一時記憶する機能を有している場合である。この場合には、外部端末aが記憶するリンクキーを用いることで通信リンクを再開することができる。
【0038】
しかしながら、外部端末a側では、生体情報測定装置Aが測定を行っている間は、測定と動作上は切り離された状態にあるため、利用者の操作あるいは外部端末aの機能等によって電源がOFFされる場合がある(図14(c2))。このように、測定中に外部端末aの電源がOFF状態となると、外部端末aがリンクキーを一時記憶する機能を有している場合であっても、リンクキーは消去される。この場合には、生体情報測定装置Aと外部端末aとでは、共通するリンクキーが存在しないため、通信リンクが不成立となる。
【0039】
また、PCや携帯電話等の外部端末では、必ずしもリンクキーを一時記憶する機能を有するとは限らない(図14(c3))。このように、外部端末aがリンクキーを一時記憶する機能を有していない場合には、リンクキーを一時記憶することができない。この場合には、生体情報測定装置Aと外部端末aとでは、共通するリンクキーが存在しないため、通信リンクが不成立となる。
【0040】
また、外部端末aがリンクキーを一時記憶する機能を有している場合であっても、通信リンクを再開する際に、外部端末aが再開を行う前に別の外部端末bが先に通信リンクを形成する場合がある。これは、生体情報測定装置Aは、外部端末aと外部端末bとを識別することはできず、外部端末bの通信を制限することはできないため、外部端末bが外部端末aよりも先に通信リンクの形成を要求した場合には、外部端末bとの間で先に通信リンクが形成される(図14(c4))。
【0041】
このように、外部端末bとの間で先に通信リンクが形成された場合には、生体情報測定装置Aが測定した外部端末aに送るべき測定データが、外部端末bに送信される事態が生じ、測定データが対象としない外部端末に送信されるという問題が生じることになる。
【0042】
上記図14(C2)〜(C4)に示したように、通信リンクで用いられる共通コード(リンクキー)を用いて通信リンクの一時解除と再開を行う構成では、通信リンクの形成が不成立となる場合があるという問題がある。
【0043】
そこで、双方向通信を行う生体情報測定装置において、測定動作と通信動作の両動作を行うことによるノイズの発生および消費電力の増大の課題を解決するために、生体情報測定装置が測定を行うときに通信を停止して測定のみを行う構成において、通信リンクの形成を不成立させることなく、通信リンクの一時解除と再開を行う構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0044】
本発明は、外部端末との間において相互認証を行って双方向通信の通信リンクを形成し、この通信リンクを介してデータを送受信する生体情報測定装置であって、双方向通信において、双方向通信の通信リンクの形成後、測定動作中は通信リンクを一時解除し、測定動作終了後に一時解除した通信リンクを再形成し、生体情報測定装置が測定を行うときには通信を停止して測定のみを行う構成とする。
【0045】
これによって測定中におけるノイズの発生を防ぐと共に、通信に要する電力を不要とする。
【0046】
また、本発明はさらに詳細な構成において、生体情報測定装置の態様、および生体情報測定装置の制御方法の態様とすることができる。
【0047】
本発明の生体情報測定装置は、外部端末との間において相互認証を行って双方向通信の通信リンクを形成し、当該通信リンクを介してデータを送受信する生体情報測定装置であって、生体情報を測定する測定部と、外部端末との間でデータの送受信を行う通信部と、前記測定部の測定動作および前記通信部の通信動作を制御する制御部とを備える。
【0048】
制御部は、通信部による相互認証による双方向通信の通信リンクの形成制御を行った後に以下の各動作制御を順に行い、この動作制御の内、再開させる動作制御において、外部端末との間で相互認証による双方向通信の通信リンクを再度行って通信リンクを再形成させる。
【0049】
通信リンクの形成制御を行った後において順に行う各動作制御は、測定部の測定を開始させる動作制御、前記測定動作開始前に行う前記通信部の通信を停止させて通信リンクを一時解除する動作制御、および測定動作終了後に行う前記通信部の通信を再開させる動作制御である。
【0050】
認証コードを用いた相互認証は、認証コードの記憶手段への記憶を要することを要さない。そのため、双方向通信の通信リンクの形成を、認証コードを用いた外部端末との間の相互認証を行うことによって、外部端末側に共通キー(リンクキー)を一時記憶する機能を設けることなく通信リンクの再形成を行うことができる。また、測定中に外部端末の電源のON状態およびOFF状態に係わらず、認証コードを用いた外部端末との間の相互認証を行うことができる。
【0051】
また、生体情報測定装置は、個人を特定する認証コードを一時的に記憶する認証コード一時記憶部を備える。
【0052】
制御部は、通信リンクの形成制御において、認証コードを認証コード一時記憶部に記憶し、測定動作終了後において、認証コード一時記憶部から認証コードを読み出し、読み出した認証コードを用いて外部端末との間で相互認証を行なう。
【0053】
制御部は、再開した通信リンクによる所定の送受信動作が終了した後、通信部の通信動作を終了させ、認証コード一時記憶部に記憶している認証コードを消去する。
【0054】
制御部は、通信リンクが形成された後、通信部を制御して、ガイダンス情報を外部端末に送信させる。ガイダンス情報としては、例えば、生体情報測定によって測定する際に利用者が行う操作内容とすることができる。
【0055】
制御部は、測定部の測定を開始させる指令をトリガとして通信部を制御し、通信部の通信を停止させる。
【0056】
生体情報は血圧値とすることができ、測定部は血圧値を測定する血圧計とすることができる。
【0057】
また、通信リンクはBluetooth(登録商標)による通信とし、認証コードはBluetooth(登録商標)におけるPINコードとすることができる。
【0058】
本発明の生体情報測定装置によれば、生体情報の測定中に通信による生じるノイズの影響を回避することができる。
【0059】
また、生体情報測定装置によれば、測定動作と通信動作とをそれぞれ独立して行うことができるため、同時に動作することによる消費電力の増加を抑制することができ、生体情報測定装置に用いる電源の容量を下げることができ、小型化の電源とすることができる。
【0060】
また、生体情報測定装置によれば、通信リンクの再形成において、通信リンクに用いる共通コードを記憶する代わりに、利用者を特定する認証コードを用いることによって、外部端末に特殊な機能に設けることなく、一般性の高い外部端末との間で通信リンクを形成することができる。
【発明の効果】
【0061】
本発明の生体情報測定装置および生体情報測定装置の制御方法によれば、測定動作と通信動作の両動作を行うことによるノイズの発生および消費電力の増大を解消することができる。
【0062】
また、本発明の生体情報測定装置および生体情報測定装置の制御方法によれば、生体情報測定装置が測定を行うときに通信を停止して測定のみを行う構成において、通信リンクの形成を不成立させることなく、通信リンクの一時解除と再開を行う構成を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
以下、本発明の生体情報測定装置について図を用いて詳細に説明する。
【0064】
以下、本発明の生体情報測定装置を使用する形態例を図1を用いて説明し、本発明の生体情報測定装置の構成例について、概略構成を図2を用いて説明し、血圧計に適用した場合の構成例について図3を用いて説明し、本発明の生体情報測定装置の動作例について、図4,5のフローチャート、図6図8の状態図を用いて説明し、生体情報測定装置と外部端末との間を双方向通信で行う場合の通信リンクを図9を用いて説明する。
【0065】
[生体情報測定装置を使用する状態例:図1]
図1は、本発明の生体情報測定装置を使用する形態例を示している。
【0066】
血圧計、心拍計、体脂肪率計、骨密度計など、生体に係わる種々の生体情報を測定する測定装置の使用形態として、これらの測定装置を公共の場所や自宅、勤務先等の各所に配置し、様々な場所で生体情報を測定し、測定データを各自が携帯する携帯電話等の外部端末にデータ収集する使用形態がある。この使用形態によれば、種々の場所において生体情報を収集することができるため、自己の健康をきめ細かく管理することが可能となる。
【0067】
このような使用形態では、生体情報測定装置A〜M側から見ると、外部端末a〜nとの接続は1対1の接続ではなく不特定多数の接続となる。また外部端末a〜nから見た場合においても、生体情報測定装置A〜M側との接続は、生体情報測定装置A〜M側から接続する生体情報測定装置を選択するものの固定した接続関係ではない。
【0068】
したがって、生体情報測定装置A〜M側と外部端末a〜nとの接続関係は、それぞれ1対1で固定された対応関係でないため、接続する度に相互に認証を行う必要がある。この相互認証は、外部端末あるいは利用者に対して認証コードを定め、通信リンクを形成しようとする生体情報測定装置と外部端末に対して同じ認証コードを入力することで設定することができる。
【0069】
[装置概略説明:図2]
図2は、本発明の生体情報測定装置の概略構成を説明するための図である。
【0070】
図2に示す構成例において、生体情報測定装置1は測定部15を備え、この測定部15で測定した生体情報を、演算/制御部12の制御によって通信部11から外部端末2に向けて送信される。
【0071】
この構成では、生体情報測定装置1と外部端末2との間で双方向通信を形成するために、外部端末2は双方向通信の機能を有する通信部21を備え、生体情報測定装置1の通信部11との間で双方向通信を行う。
【0072】
測定部15は、生体情報を測定するためのセンサを含む検出部15b、検出部15bを駆動する駆動部15a、および検出部15bで検出した検出信号について信号増幅やノイズ除去等の各種信号処理を施す信号処理部15cを備える。
【0073】
演算/制御部12は、測定部15の駆動部15aに駆動信号を出力して駆動制御を行う他、信号処理部15cから得られた検出信号を演算処理することによって、生体情報を算出する。例えば、血圧計の場合には血圧値を算出し、心拍計の場合には心拍数を算出する。算された生体情報は、通信部11から外部端末2に向けて送信される。
【0074】
また、演算/制御部12には、通信部11および測定部15の他に、表示/報知部13および操作/入力部14が接続されている。表示/報知部13は、演算/制御部12で算出した生体情報を表示する他、各種の情報を表示し、また、必要に応じては報知を行う。表示内容は、例えば、生体情報を測定するために利用者が行う操作を指示する操作内容、生体情報に係わる健康状態等の他、任意の内容することができる。また、報知内容は、例えば、測定の中止等を指示するものなどがある。なお、これら表示/報知部13に表示あるいは報知する内容は、外部端末2が備える表示/報知部23に表示させてもよい。
【0075】
本発明の通信部11には、双方向通信において、外部端末2との間に通信リンクを形成するためのペアリング制御部16と、通信リンクを一時停止した際に通信リンクを再開させるために認証コードを一時的に記憶する認証コード一時記憶部17を備える。
【0076】
また、通信部11と測定部15とは、演算/制御部12によって連携して駆動制御され、測定部15による測定時には通信部11の通信リンクを一時解除し、通信リンクの周波数信号が測定部15に対してノイズとならないようにする。また、測定部15の測定が終了した後は通信部11の通信リンクを再開させ、通信リンクを介して外部端末2に測定データを送信する。
【0077】
演算/制御部12は、測定部15の開始動作と通信部11の停止動作を同期させる制御を行う他、測定部15の停止動作と通信部11の再開動作を同期させる制御を行う。測定部15の開始動作と通信部11の停止動作を同期させる制御は、測定部の測定を開始させる指令をトリガとして通信部11の停止動作を開始することで行うことができる。また、測定部15の停止動作と通信部11の再開動作を同期させる制御は、測定部の測定を終了した信号あるいは検出信号の取得をトリガとして通信部11の再開動作を開始することで行うことができる。
【0078】
ペアリング制御部16は、認証コードを用いて生体情報測定装置1と外部端末2との間のペアリング認証を行った後、共通コード(例えばリンクキー)を形成して通信リンクを形成する。なお、Bluetooth(登録商標)による通信では、認証コードを用いてペアリング認証を行った後、初期キーの生成を経てリンクキー等の形成を行っているが、ここでは詳細な説明は省略する。なお、認証コード一時記憶部17の構成は、通常のBluetooth(登録商標)による通信機能が備える構成ではなく、本発明が固有に備える特徴的な構成である。
【0079】
なお、通信部11および通信部21は、Bluetooth(登録商標)による双方向通信を行う場合には、Bluetooth(登録商標)機能を組み込んだBluetooth(登録商標)モジュールを用いることができる。
【0080】
外部端末2は、生体情報測定装置1から送信された測定データをデータ収集するデータ収集装置であって、通信部21の他、制御/解析/保存部22や表示/報知部23等を備え、例えば双方向通信の機能を組み込ませることによってPCや携帯電話の形態で構成することができる。
【0081】
制御/解析/保存部22は、通信部21で受信した信号を解析して生体情報を表示/報知部23に表示させる他、生体情報を保持することができる。保持した生体情報は、図示しない出力ポートから出力することができる。この保持部によれば、測定して得られた生体情報をPC等に出力し、PC側でデータ管理させることができる。
【0082】
なお、認証コードは、生体情報測定装置1では操作/入力部14から入力することができ、また、外部端末2では、図示しない入力部から入力する他に、外部端末2内の記憶手段(図示していない)に記憶させておいてもよい。
【0083】
[血圧計の概略説明:図3]
図3に示す構成は、本発明の生体情報測定装置を血圧計に適用した場合の構成例を示している。
【0084】
なお、図3に示す血圧計1mの構成例は、図2に示す構成例の測定部15の構成が血圧測定部15mである点で相違し、その他の構成は同様とすることができる。図3では、血圧測定を行う血圧測定部15mについてのみ説明し、その他の構成については説明を省略する。なお、図3に示す各構成に付した符号は、図12に示した各構成と共通する構成については同符号とし“m”を付加して示している。
【0085】
血圧計1mが備える血圧測定部15mは、血圧を測定する圧力センサ15mb、圧力センサ15mbで血圧測定を行うための駆動部15ma、および圧力センサ15mbで検出した検出信号について信号増幅やノイズ除去等の各種信号処理を施す信号処理部15mcを備え、駆動部15maは身体を加圧するカフ15ma-2と、このカフ15ma-2に空気を供給する加圧ポンプ15ma-1とを備える。
【0086】
加圧ポンプ15ma-1は、演算/制御部12mの制御信号によって駆動制御される。演算/制御部12mの制御信号は、操作/入力部14mによる操作開始指令、あるいは操作開始指令で開始する測定プログラムに従って形成される。
【0087】
通信部11mと血圧測定部15mとは、演算/制御部12mによって連携して駆動制御され、血圧測定部15mによる血圧測定時には通信部11mの通信リンクを一時解除し、通信リンクの周波数信号が圧力センサ15mbに対してノイズとならないようにする。また、血圧測定部15mの測定が終了した後は通信部11mの通信リンクを再開させ、通信リンクを介して外部端末2に測定データを送信する。
【0088】
演算/制御部12mは、血圧測定部15mの開始動作と通信部11の停止動作を同期させる制御を行う他、血圧測定部15mの停止動作と通信部11mの再開動作を同期させる制御を行う。血圧測定部15mの開始動作と通信部11mの停止動作を同期させる制御は、血圧測定部の測定を開始させる指令、例えば加圧ポンプ15ma-1を駆動する駆動信号とトリガとして通信部11mの停止動作を開始することで行うことができる。また、血圧測定部15mの停止動作と通信部11mの再開動作を同期させる制御は、信号処理部15mcからの検出信号の取得をトリガとして通信部11mの再開動作を開始することで行うことができる。
【0089】
以下、本発明の生体情報測定装置において、測定動作中には通信を解除し、測定が終了した後に解除した通信を再開する動作について、Bluetooth(登録商標)による双方向通信を例として、図4,5のフローチャート、図6図7図8の状態図を用いて説明する。なお、図6図7は生体情報測定装置と外部端末との間を双方向通信によって送受信する状態を説明するための状態図であり、図7はより詳細な状態を示している。図8は通信フェーズ、同期確立フェーズ、待ち受けフェーズの各フェーズ状態を示している。
【0090】
双方向通信を行う場合には、生体情報測定装置と外部端末との間で通信リンクを形成する必要がある。通信リンクを形成するために、問い合わせおよび呼び出しを行った後、生体情報測定装置と外部端末は共に共通の認証コード(PINコード)を入力する。この認証コードは、利用者あるいは使用する外部端末に固有に定められたコードであり、生体情報測定装置によって生体情報を測定する際に、生体情報測定装置および外部端末の両装置に入力することによって認証確認を行う。なお、外部端末側では、利用する毎に認証コードを入力する他、外部端末が備える記憶手段内に予め記憶させておくこともできる(S1)。
【0091】
生体情報測定装置は、入力された認証コードを用いてペアリング認証の認証処理を行う(S2)。この認証処理では、例えば、両装置で認証コードと乱数を用いて初期キー等のキーコードを生成し、これらのキーコードを照合することで行うことができる。認証処理の後、通信リンクに使用する共通コード(例えばリンクキー)を生成し(S3)、通信リンクを確立する(S4)。
【0092】
なお、認証処理、共通コードの生成、および通信リンクの確立は、Bluetooth(登録商標)による双方向通信等において知られているため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0093】
生体情報測定装置は、通常は通信リンクの生成過程において認証コード(PINコード)を消去し記憶することはしない。本発明は、この認証コード(PINコード)を認証コード一時記憶部に記憶し、通信リンクの再開時に使用する(S5)。
【0094】
通信リンクが形成された後、生体情報測定装置から外部端末に機器情報、個人情報、ガイダンス等の各種情報が送信される。機器情報は生体情報測定装置に係わる情報であって、例えば測定を行う生体情報の内容等とすることができる。個人情報は、例えば利用者の過去の生体情報の測定記録とすることができ、生体情報測定装置に記録された情報を読み出すことで送信することができる。ガイダンスは、利用者が生体情報測定装置を用いて生体情報を測定する際の操作を案内する操作手順とすることができる。送信するデータは音声データや画像データとすることができる。
【0095】
外部端末は、生体情報測定装置から受信した情報を表示する。ガイダンスを画像や音声で表示することによって、利用者の生体情報測定の操作手順を案内する(S6)。
【0096】
利用者は、表示されたガイダンスにしたがって生体情報測定装置を操作して測定を開始始する。測定を開始する開始指令は、外部端末から生体情報測定装置に向けて送信する他、生体情報測定装置を直接操作してもよい。
【0097】
生体情報測定装置は、測定開始指令を検出すると(S7)、外部端末とのペアリングを一時停止して通信リンクを解除する(S8)。この通信リンクの解除において、例えば通信部の電源をOFFとすることで送信を停止し、ノイズの要因となる周波数信号の発生を停止する(S9)。
【0098】
これによって、生体情報測定装置と外部端末との間は停波状態となる。図6,7において、生体情報測定装置と外部端末との間に示す矢印は両者の間で行う送受信状態を示し、Bluetooth(登録商標)による双方向通信では周波数ホッピングによって所定周波数範囲内で周波数を変更しながら送受信を行って混信や盗聴を防いでいる。
【0099】
生体情報測定装置は測定を開始する(S10)。停波中には、生体情報測定装置と外部端末との間で送受信は行われないため、送受信で発生する周波数信号が測定部に侵入してノイズとなることを防ぐことができる。
【0100】
生体情報測定装置は、測定が終了すると(S11)、測定結果を取得して表示手段に表示する(S12)。停波中には、外部端末は測定データの受信を待つ測定データ待ちの状態にあり、外部端末の電源を停止させてもよい。
【0101】
生体情報測定装置は、測定が終了した後、通信部の電源をONにする(S13)。認証コード一時記憶部に記憶しておいた認証コード(PINコード)を読み出し(S14)、ペアリング認証を行い(S15)、共通コードを生成して(S16)、通信リンクを確立する(S17)。
【0102】
通信リンクが再開された後、生体情報測定装置は外部端末に向けて測定結果を送信する(S18)。外部端末は、受信した測定結果を表示部に表示する。表示部への表示は、測定結果の他、測定結果を解析した解析内容や、種々のガイダンスを表示することができる。
【0103】
生体情報測定装置は、通信リンクを停止し(S19)、ペアリングを完全に解除し(S20)、認証コード一時記憶部に記憶しておいた認証コード(PINコード)を消去し(S21)、装置の電源をOFFとして終了する(S22)。
【0104】
図8の状態図において、本発明は通信接続フェーズにおいて、最初のペアリング認証で通常は廃棄してしまう認証コードを記憶しておき、中断後の再接続において記憶しておいた認証コードを用いることで通信リンクを生成する。
【0105】
図9は生体情報測定装置と外部端末との間を双方向通信で行う構成を説明するための図であり、認証コード(PINコード)を一時記憶することで通信リンクの一時解除と再開を行う場合を示している。
【0106】
図9(A)は、通信リンクが成立した状態を示している。この状態では、生体情報測定装置Aと外部端末aとは共通するリンクキーによって通信リンクを形成し、リンクキーの作成に当たってペアリング認証に用いた認証コード(PINコード)を一時的に記憶する。
【0107】
図9(B)は、測定中の状態を示している。生体情報測定装置Aにおいて測定を行っている間は、通信リンクを停止させることによってノイズの影響を回避する。
【0108】
図9(C)は、通信リンクを再開した場合の各状態を示している。
【0109】
図9(c1)は、生体情報測定装置Aに認証コード(PINコード)を一時記憶し、この認証コードを用いることで通信リンクを再開する。
【0110】
この通信リンクの再開時に、外部端末a以外の外部端末bが生体情報測定装置Aとの間で通信リンクの生成を試みた場合には、生体情報測定装置Aが記憶する認証コード(PINコード)と外部端末bに入力される認証コード(PINコード)とは一致していないため、通信リンクは不成立となる(図9(c2))。
【0111】
また、生体情報測定装置と外部端末bとの間において、通常のペアリング認証を経て通信リンクが形成された場合であっても、生体情報測定装置が記憶する認証コード(PINコード)を用いて外部端末bと照合することで、外部端末aでないことが確認されるため、外部端末aに送信すべき測定データを誤って外部端末bに送信することを防ぐことができる。
【0112】
なお、上記説明では、双方向通信としてBluetooth(登録商標)による双方向通信の例を示しているが、本発明はこの通信方法に限られるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の生体情報測定装置は、心拍計や血圧計に適用する他、脈波を用いる身体機能測定装置に適応することができる。
【0114】
また、本発明の生体情報測定装置は、生体情報に限らず、任意の測定に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
図1】本発明の生体情報測定装置を使用する形態例を示す図である。
図2】本発明の生体情報測定装置の概略構成を説明するための図である。
図3】本発明の生体情報測定装置を血圧計に適用した場合の構成例を示す図である。
図4】本発明の生体情報測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明の生体情報測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図6】本発明の生体情報測定装置と外部端末との間を双方向通信によって送受信する状態を説明するための状態図である。
図7】本発明の生体情報測定装置と外部端末との間を双方向通信によって送受信する状態を説明するための状態図である。
図8】本発明の生体情報測定装置の通信フェーズ、同期確立フェーズ、待ち受けフェーズの各フェーズ状態を示す図である。
図9】本発明の生体情報測定装置と外部端末との間を双方向通信で行う構成を説明するための図である。
図10】生体情報測定装置から外部端末に向けて単方向通信によって測定結果を送信する構成例を示す図である。
図11】生体情報測定装置から外部端末に単方向通信で測定データを送信する送信状態を説明するための状態図である。
図12】生体情報測定装置において外部端末との間の通信を双方向通信で行う場合の構成例を示す図である。
図13】生体情報測定装置と外部端末との間を双方向通信によって送受信する状態を説明するための状態図である。
図14】生体情報測定装置と外部端末との間を双方向通信で行う構成を説明するための図である。
【符号の説明】
【0116】
1 生体情報測定装置
1m 血圧計
2 外部端末
11 通信部
11m 通信部
12 制御部
12m 制御部
13 報知部
14 入力部
14m 入力部
15ma-2 カフ
15ma-1 加圧ポンプ
15 測定部
15ma 駆動部
15mb 圧力センサ
15mc 信号処理部
15a 駆動部
15b 検出部
15c 信号処理部
15m 血圧測定部
16 ペアリング制御部
17 認証コード一時記憶部
21 通信部
22 制御/解析/保存部
23 表示/報知部
110A 生体情報測定装置
110B 生体情報測定装置
111A 送信回路
111B 通信部
112A 制御部
112B 制御部
115A 測定部
115B 測定部
120A 外部端末
120B 外部端末
121B 通信部
122A 制御/解析/保存部
122B 制御/解析/保存部
123A 表示/報知部
123B 表示/報知部
130A 受信回路
A 生体情報測定装置
A−M 生体情報測定装置
a−n 外部端末
b 外部端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14