(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
円柱状、略円柱状、円筒状又は略円筒状に形成されたカーテンポール(11)又はカーテンレール(51)と、前記ポール(11)又は前記レール(51)に遊嵌されカーテンを前記ポール(11)又は前記レール(51)に沿って移動可能に吊下げるためのリング状のカーテンランナ(12)とを備えたカーテンランナの組付構造であって、
前記ランナ(12)にリング状の一部を切欠いて切欠き部(12a)が形成され、
前記切欠き部(12a)の開口寸法が前記ランナ(12)の前記ポール(11)又は前記レール(51)への遊嵌時に前記ポール(11)又は前記レール(51)の外径より小さくなりかつ前記ランナ(12)の前記ポール(11)又は前記レール(51)へ着脱時又は取付け時に前記ポール(11)又は前記レール(51)の外径より大きくなるように前記ランナ(12)の一部が弾性変形するように構成され、
前記ランナ(12)が、剛性を有し前記切欠き部(12a)が形成されたランナ本体(13)と、前記切欠き部(12a)を形成する前記ランナ本体(13)の一対の端部のうちの少なくとも一方に設けられ前記切欠き部(12a)の開口寸法が前記ポール(11)又は前記レール(51)の外径より大きくなるように弾性変形する弾性変形手段(14)とを備え、
前記弾性変形手段(14)が前記ポール(11)又は前記レール(51)の外周面に圧接されて弾性変形可能な弾性変形部であり、
前記弾性変形部を前記ポール(11)又は前記レール(51)の外周面に圧接することにより前記弾性変形部が弾性変形し前記切欠き部(12a)の開口寸法が広がって前記ランナ(12)が前記ポール(11)又は前記レール(51)に着脱されるように構成された
ことを特徴とするカーテンランナの組付構造。
円柱状、略円柱状、円筒状又は略円筒状に形成されたカーテンポール(11)又はカーテンレール(51)と、前記ポール(11)又は前記レール(51)に遊嵌されカーテンを前記ポール(11)又は前記レール(51)に沿って移動可能に吊下げるためのリング状のカーテンランナ(82)とを備えたカーテンランナの組付構造であって、
前記ランナ(82)にリング状の一部を切欠いて切欠き部(82a)が形成され、
前記切欠き部(82a)の開口寸法が前記ランナ(82)の前記ポール(11)又は前記レール(51)への遊嵌時に前記ポール(11)又は前記レール(51)の外径より小さくなりかつ前記ランナ(82)の前記ポール(11)又は前記レール(51)へ着脱時又は取付け時に前記ポール(11)又は前記レール(51)の外径より大きくなるように前記ランナ(82)の一部が弾性変形するように構成され、
前記ランナ(82)が、剛性を有し前記切欠き部(82a)が形成されたランナ本体(83)と、前記切欠き部(82a)を形成する前記ランナ本体(83)の一対の端部のうちの少なくとも一方に設けられ前記切欠き部(82a)の開口寸法が前記ポール(11)又は前記レール(51)の外径より大きくなるように弾性変形する弾性変形手段(84)とを備え、
前記弾性変形手段(84)が、前記ポール(11)又は前記レール(51)の外周面に圧接される圧接部(84a)と、前記圧接部(84a)を前記切欠き部(82a)の開口寸法を狭める方向に付勢するばね(84b)とを有し、
前記圧接部(84a)を前記ばね(84b)の弾性力に抗して前記切欠き部(82a)の開口寸法を広げる方向に前記ポール(11)又は前記レール(51)の外周面に圧接することにより前記ランナ(82)が前記ポール(11)又は前記レール(51)に取付けられるように構成された
ことを特徴とするカーテンランナの組付構造。
前記弾性変形手段(14)である弾性変形部が、前記ポール(11)又は前記レール(51)の外周面に圧接される圧接部(14a)と、前記圧接部(14a)を前記切欠き部(12a)の端部に接続するヒンジ部(14b)とを有し、前記圧接部(14a)を前記ポール(11)又は前記レール(51)の外周面に圧接することにより前記ヒンジ部(14b)が弾性変形し前記切欠き部(12a)の開口寸法が広がって前記ランナ(12)が前記ポール(11)又は前記レール(51)に着脱されるように構成された請求項1記載のカーテンランナの組付構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の特許文献1に示されたポール及びランナでは、ランナの脱落防止のためにポールの両端にキャップが取付けられているため、ランナを追加したり、或いはランナを交換する場合には、キャップを外さなければならず、ランナの追加又は交換の作業性が悪い問題点があった。また、上記従来の特許文献2に示されたカーテンポール用カーテンランナでは、カーテンの重量に加えてカーテンの開閉操作による力がランナに作用すると、ランナ全体が弾性変形してリング部の切断された両端の間が広がり、ランナがポールから離脱してしまうおそれがあった。
【0006】
本発明の第1の目的は、ポールの両端に取付けられたキャップを外すことなく、カーテンランナのポールへの着脱を容易に行うことができる、カーテンランナの組付構造を提供することにある。本発明の第2の目的は、カーテンの重量やカーテンの開閉操作による力がカーテンランナに作用しても、カーテンランナがカーテンポールから離脱しない、カーテンランナの組付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、
図1及び
図2に示すように、円柱状、略円柱状、円筒状又は略円筒状に形成されたカーテンポール11又はカーテンレールと、このポール11又はレールに遊嵌されカーテンをポール11又はレールに沿って移動可能に吊下げるためのリング状のカーテンランナ12とを備えたカーテンランナの組付構造であって、ランナ12にリング状の一部を切欠いて切欠き部12aが形成され、切欠き部12aの開口寸法がランナ12のポール11又はレールへの遊嵌時にポール11又はレールの外径より小さくなりかつランナ12のポール11又はレールへ着脱時又は取付け時にポール11又はレールの外径より大きくなるようにランナ12の一部が弾性変形するように構成され
、ランナ12が、剛性を有し切欠き部12aが形成されたランナ本体13と、切欠き部12aを形成するランナ本体13の一対の端部のうちの少なくとも一方に設けられ切欠き部12aの開口寸法がポール11又はレールの外径より大きくなるように弾性変形する弾性変形手段14とを備え、弾性変形手段14がポール11又はレールの外周面に圧接されて弾性変形可能な弾性変形部であり、この弾性変形部をポール11又はレールの外周面に圧接することにより弾性変形部が弾性変形し切欠き部12aの開口寸法が広がってランナ12がポール11又はレールに着脱されるように構成されたことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に
図11及び図13〜図15に示すように、
円柱状、略円柱状、円筒状又は略円筒状に形成されたカーテンポール11又はカーテンレールと、ポール11又はレールに遊嵌されカーテンをポール11又はレールに沿って移動可能に吊下げるためのリング状のカーテンランナ82とを備えたカーテンランナの組付構造であって、ランナ82にリング状の一部を切欠いて切欠き部82aが形成され、切欠き部82aの開口寸法がランナ82のポール11又はレールへの遊嵌時にポール11又はレールの外径より小さくなりかつランナ82のポール11又はレールへ着脱時又は取付け時にポール11又はレールの外径より大きくなるようにランナ82の一部が弾性変形するように構成され、カーテンランナ
82が、剛性を有し切欠き部
82aが形成されたランナ本体
83と、切欠き部
82aを形成するランナ本体
83の一対の端部のうちの少なくとも一方に設けられ切欠き部
82aの開口寸法がポール11又はレールの外径より大きくなるように弾性変形する弾性変形手段
84とを備え
、弾性変形手段84が、ポール11又はレールの外周面に圧接される圧接部84aと、圧接部84aを切欠き部82aの開口寸法を狭める方向に付勢するばね84bとを有し、圧接部84aをばね84bの弾性力に抗して切欠き部82aの開口寸法を広げる方向にポール11又はレールの外周面に圧接することによりランナ82がポール11又はレールに取付けられるように構成されたことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の観点は、
第1又は第2の観点に基づく発明であって、更に
図6〜
図8に示すように、レール51が長手方向に延びる長溝51aを有することにより略円筒状に形成され、弾性変形手段14が切欠き部12aを形成するランナ本体13の一対の端部のうちの一方に設けられ、切欠き部12aを形成するランナ本体13の一対の端部のうちの他方に長溝51aに挿入可能であって切欠き部12aを狭める方向に延びる突起13eが設けられ、弾性変形手段14の先端と突起13eの先端との間隔がレール51の外径より小さく形成され、突起13eを長溝51aに挿入したときに弾性変形手段14がレール51の外周面に圧接されて切欠き部12aの開口寸法を大きくする方向に弾性変形することによりランナ12がレール51に着脱又は取付けられるように構成されたことを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の観点は、第
1の観点に基づく発明であって、更に
図1及び
図2に示すように、弾性変形手段14である弾性変形部が、ポール11又はレールの外周面に圧接される圧接部14aと、圧接部14aを切欠き部12aの端部に接続するヒンジ部14bとを有し、圧接部14aをポール11又はレールの外周面に圧接することによりヒンジ部14bが弾性変形し切欠き部12aの開口寸法が広がってランナ12がポール11又はレールに着脱されるように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1
又は第2の観点の組付構造では、カーテンランナの切欠き部の両端をカーテンポール又はカーテンレールの外周面に圧接すると、ランナの
端部の弾性変形手段が弾性変形することにより、
切欠き部の開口寸法が広がって、ランナをポール又はレールから離脱させたり、或いはランナをポール又はレールに遊嵌させることができる。この結果、ポール等の両端に取付けられたキャップを外すことなく、ランナのポール等への着脱又は取付けを容易に行うことができる。またランナにカーテンを吊下げない状態で、ポール等を部屋の壁等に取付けるときに、ランナのポール等に対する移動や回転が生じても、ランナの一部を弾性変形させてポール等からランナを離脱させる程大きな力は作用しないので、或いはランナの切欠き部の開口寸法がポール等の外径より大きくなることがないので、ランナがポール等から離脱することはない。またポール等に遊嵌したランナにカーテンを吊下げた状態で、ポール等を部屋の壁等に取付けるときに、カーテンの自重がポール等からランナを離脱させる方向に意図せずに作用したり、或いは上記ポール等を部屋の壁等に取付けてランナにカーテンを取付けた後に、カーテンを開閉操作したときに、ポール等からランナを離脱させる方向の力が意図せずにランナに作用しても、カーテンの自重やカーテンの開閉操作による力はランナの一部を弾性変形させてポール等からランナを離脱させる程大きくないので、或いはランナの切欠き部の開口寸法がポール等の外径より大きくなることがないので、ランナがポール等から離脱することはない。更にカーテンの重量に加えてカーテンの開閉操作による力がランナに作用すると、ランナ全体が弾性変形してリング部の切断された両端の間が広がり、ランナがポールから離脱してしまうおそれのあった従来のカーテンポール用カーテンランナと比較して、本発明では、カーテンの重量に加えてカーテンの開閉操作による力がランナに作用しても、カーテンの自重とカーテンの開閉操作による力との合力はランナの一部を弾性変形させてポール等からランナを離脱させる程大きくないので、或いはランナの切欠き部の開口寸法がポール等の外径より大きくなることがないので、ランナがポール等から離脱することはない。
【0013】
本発明の
第1又は第2の観点の組付構造では、カーテンランナの切欠き部の両端をカーテンポール又はカーテンレールの外周面に圧接すると、
ランナの端部の弾性変形手段が弾性変形することにより、上記と同様に、ランナをポール又はレールから離脱させたり、或いはランナをポール又はレールに遊嵌させることができる。この結果、ポール等の両端に取付けられたキャップを外すことなく、ランナのポール等への着脱又は取付けを容易に行うことができる。またランナにカーテンを吊下げない状態で、ポール等を部屋の壁等に取付けるときに、ランナのポール等に対する移動や回転が生じても、弾性変形手段を弾性変形させてポール等からランナを離脱させる程大きな力は作用しないので、或いはランナの切欠き部の開口寸法がポール等の外径より大きくなることがないので、ランナがポール等から離脱することはない。更にポール等に遊嵌したランナにカーテンを吊下げた状態で、ポール等を部屋の壁等に取付けるときに、カーテンの自重がポール等からランナを離脱させる方向に意図せずに作用したり、或いは上記ポール等を部屋の壁等に取付けてランナにカーテンを取付けた後に、カーテンを開閉操作したときに、ポール等からランナを離脱させる方向の力が意図せずにランナに作用しても、カーテンの自重やカーテンの開閉操作による力は弾性変形手段を弾性変形させてポール等からランナを離脱させる程大きくないので、或いはランナの切欠き部の開口寸法がポール等の外径より大きくなることがないので、上記と同様に、ランナがポール等から離脱することはない。
【0014】
本発明の第3の観点の組付構造では、カーテンランナの突起をカーテンレールの長溝に挿入し、突起を中心にランナを回転させると、弾性変形手段が弾性変形することにより、上記と同様に、ランナをレールから離脱させたり、或いはランナをレールに遊嵌させることができる。この結果、レールの両端に取付けられたキャップを外すことなく、ランナのレールへの着脱又は取付けを容易に行うことができる。またランナにカーテンを吊下げない状態で、レールを部屋の壁等に取付けるときに、ランナのレールに対する移動や回転が生じても、弾性変形手段を弾性変形させてレールからランナを離脱させる程大きな力は作用しないので、或いはランナの切欠き部の開口寸法がレールの外径より大きくなることがないので、ランナがレールから離脱することはない。更にレールに遊嵌したランナにカーテンを吊下げた状態で、レールを部屋の壁等に取付けるときに、ランナの突起が意図せずにレールの長溝に挿入されて、カーテンの自重がレールからランナを離脱させる方向に意図せずに作用したり、或いは上記レールを部屋の壁等に取付けてランナにカーテンを取付けた後に、カーテンを開閉操作したときに、ランナの突起が意図せずにレールの長溝に挿入されてレールからランナを離脱させる方向の力が意図せずにランナに作用しても、カーテンの自重やカーテンの開閉操作による力は弾性変形手段を弾性変形させてレールからランナを離脱させる程大きくないので、或いはランナの切欠き部の開口寸法がレールの外径より大きくなることがないので、上記と同様に、ランナがレールから離脱することはない。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、カーテンポール11は木やプラスチックや金属等により円柱状に形成され、カーテン(図示せず)をポール11に沿って移動可能に吊下げるためのリング状のカーテンランナ12はポール11に遊嵌される。ランナ12にはリング状の一部を切欠いて切欠き部12aが形成される。このランナ12は、剛性を有し略逆C字状に形成されたランナ本体13と、切欠き部12aを形成するランナ本体13の一対の端部のうちの少なくとも一方に設けられ切欠き部12aの開口寸法がポール11の外径より大きくなるように弾性変形する弾性変形手段14とを備える。ランナ本体13は、アルミ合金等の軽合金により略逆C字状に形成され剛性を有するランナ剛性体13aと、ランナ剛性体13aの内周面に沿って延びるC型溝13bに挿着され内周面がポール11の外周面に接触するプラスチック製の略C字状のランナ摺動体13cとを有する。
【0017】
切欠き部12aを形成するランナ本体13の一対の端部のうち、即ち切欠き部12aの存在によりランナ摺動体13cに形成された一対の端部のうち一方の端部には、ランナ剛性体13aの一方の端部を被覆するとともに切欠き部12aを狭める方向に延びる第1突起13dが設けられる。また切欠き部12aを形成するランナ本体13の一対の端部のうち、即ち切欠き部12aの存在によりランナ摺動体13cに形成された一対の端部のうち他方の端部には、ランナ剛性体13aの他方の端部を被覆するとともに切欠き部12aを狭める方向に延びる第2突起13eが設けられる。弾性変形手段14はランナ摺動体13cの一方の端部に設けられ、ポール11の外周面に接触して圧接される圧接部14aと、圧接部14aを切欠き部12aの端部に接続するヒンジ部14bとを有する。即ち、上記圧接部14aとヒンジ部14bとは第1突起13dに切込み13fを形成することにより設けられる。この切込み13fは第1突起13dと第2突起13eとを結ぶ最短直線に対して略直角方向に延びて設けられる。第1突起13d、第2突起13e、圧接部14a及びヒンジ部14bはランナ摺動体13cと一体的にプラスチックにより形成される。更にランナ剛性体13a及びランナ摺動体13cには吊り具16の基端が挿通され、吊り具16の先端にはカーテンのフック17が係合する円環16aが設けられる。上記吊り具16は弾性変形手段14及び第1突起13dの近傍のランナ剛性体13a及びランナ摺動体13cに挿通される。
【0018】
一方、第1突起13dの先端と第2突起13eの先端との間隔、即ち圧接部14aの外面と第2突起13eの先端との間隔は、ポール11の外径より小さく形成され、かつ後述する取付ブラケット18の受け部26の厚さより大きく形成される。弾性変形手段14は、ランナ本体13の切欠き部12aの開口寸法がランナ12のポール11への遊嵌時にポール11の外径より小さくなり、かつランナ12のポール11へ着脱時にポール11の外径より大きくなるように弾性変形する。即ち、圧接部14aをポール11の外周面に圧接することにより、ヒンジ部14bが弾性変形し切欠き部12aの開口寸法が広がってランナ12がポール11に着脱されるように構成される。
【0019】
なお、
図2に示すように、ポール11の外径をD
1(mm)とし、第1突起13dに形成された切込み13fの幅をt
1(mm)とするとき、第1突起13dの先端と第2突起13eの先端との間隔、即ちランナ本体13の切欠き部12aの開口寸法B
1(mm)は、(D
1−t
1)<B
1<D
1の範囲内に設定される。ここで、開口寸法B
1を(D
1−t
1)<B
1<D
1の範囲内に限定したのは、(D
1−t
1)以下では弾性変形手段14が弾性変形してもランナ12をポール11から離脱させたり或いはポール11に遊嵌することが難しくなり、D
1を越えるとヒンジ部14bが弾性変形しなくてもランナ12がポール11から意図せずに離脱するおそれがあるからである。但し、開口寸法B
1は弾性変形手段14の材質や肉厚により(D
1−t
1)<B
1<D
1の範囲内の最適な値に設定される。
【0020】
一方、ポール11は取付ブラケット18を介して壁19に取付けられる(
図1)。取付ブラケット18は、角柱状のブラケット本体21と、ビス23により壁19に取付けられる板状のベース部22と、ブラケット本体21の基端をベース部22に離脱可能に係合させる基端係止具24と、ブラケット本体21の先端に設けられポール11を保持する受け部26とを備える。ブラケット本体21及びベース部22はアルミ合金等の軽合金のダイカスト法により形成されることが好ましい。
【0021】
基端係止具24は、
図3〜
図5に示すように、ブラケット本体21の基端上部の左右に突設された一対のアッパ爪24aと、ブラケット本体21の基端下部の左右に突設された一対のロア爪24bと、ベース部22の上部に設けられ一対のアッパ爪24aがそれぞれ係合する一対のアッパ受け部24cと、ベース部22の下部に設けられ一対のロア爪24bがそれぞれ係合する一対のロア受け部24dと、ブラケット本体21にビス24eにより取付けられブラケット本体21及びベース部22間に介装されたプラスチック製のレバー24fと、ベース部22に取付けられレバー24fを押上げる方向に付勢する押上げ手段24gと、レバー24fの上下方向中央に突設された一対のミドル爪24hと、ベース部22の上下方向中央に形成され一対のミドル爪24hがそれぞれ係合する一対のミドル孔24iとを有する。押上げ手段24gは、ベース部22に上下方向に摺動可能に嵌め込まれた押上げ本体24jと、ベース部22と押上げ本体24jとの間に介装され押上げ本体24jを押上げる方向に付勢する圧縮コイルばね24kとからなる。
【0022】
また受け部26は、
図1に示すように、ブラケット本体21の先端にこのブラケット本体21と一体的に設けられ、ポール11の下面を受けるように略U字状に湾曲して形成される。上記受け部26には段付孔26aが形成され、この段付孔26aに対向するポール11下面にはねじ孔11aが形成される。上記段付孔26aにはビス27が挿通され、このビス27は上記ねじ孔11aに螺合される。これによりポール11が受け部26に固定される。
【0023】
このように構成されたカーテンポール11を取付ブラケット18を介して壁19に取付ける手順を説明する。予めベース部22に押上げ本体24gを組付けておく。またブラケット本体21の基端にレバー24fをビス24eにより取付けておく。先ずベース部22をビス23により壁19に取付ける(
図3(a))。次いでブラケット本体21を基端係止具24を介してベース部22に取付ける(
図3(b)及び(c)、
図4及び
図5)。具体的には、アッパ爪24aを
図3(b)の二点鎖線矢印で示すようにアッパ受け部24cに係合させると同時にロア爪24bを
図3(b)の一点鎖線矢印で示すようにロア受け部24dに係合させる(
図4)。これによりレバー24fが圧縮コイルばね24kの弾性力に抗して押上げ本体24jを押下げて、ミドル爪24hがミドル孔24iに係合する(
図5)。このような簡単な作業でブラケット本体21をベース部22に取付けることができる。なお、ブラケット本体21をベース部22から外す場合には、レバー24fの上端を壁19から離す方向に引く。これによりミドル爪24hがミドル孔24iから離脱し、押上げ手段24gがレバー24fを押上げるので、アッパ爪24aがアッパ受け部24cから離脱すると同時にロア爪24bがロア受け部24dから離脱する。
【0024】
次に複数のランナ12をポール11の一端側から遊嵌した後に、ポール11の両端にランナ12の抜止め用のキャップ(図示せず)を取付ける。この状態でポール11を取付ブラケット18の受け部26に載せた後に、ビス27を段付孔26aに挿通してねじ孔11aに螺合することにより、ポール11を受け部26に固定する(
図3(c))。このような極めて簡単な作業で、ポール11を取付ブラケット18を介して壁19に固定することができる。なお、ポール11に遊嵌したランナ12にカーテンを吊下げた状態で、ポール11を壁19に取付けるときに、カーテンの自重がポール11からランナ12を離脱させる方向に意図せずに作用しても、カーテンの自重は弾性変形手段14を弾性変形させてポール11からランナ12を離脱させる程大きくないので、ランナ12がポール11から離脱することはない。
【0025】
更にランナ12の吊り具16にカーテンのフック17を係合させてカーテンを吊下げると、ポール11の外径がランナ12の切欠き部12aの開口寸法より大きいので、カーテンを開閉してもランナ12がポール11から意図せずに離脱することを防止できる(
図1)。なお、ランナ12をポール11に沿って移動させたときに、ランナ12が受け部26に接触することなく、ランナ12の切欠き部12aが取付ブラケット18の受け部26を通過するので、取付ブラケット18によるポール11の固定位置に拘らず、ポール11に遊嵌されたランナ12をポール11の全長にわたって移動させることができる。また、ポール11を壁19に取付けてランナ12にカーテンを取付けた後に、カーテンを開閉操作したときに、ポール11からランナ12を離脱させる方向の力がランナ12に意図せずに作用しても、カーテンの開閉操作による力は弾性変形手段14を弾性変形させてポール11からランナ12を離脱させる程大きくないので、ランナ12がポール11から離脱することはない。
【0026】
次にポール11にランナ12を追加する手順を説明する。追加するランナ12の切欠き部12aの両端をポール11に圧接する方向にランナ12をポール11に押付ける(
図2(b))。これにより弾性変形手段14のヒンジ部14bが弾性変形して切込み13fの幅が小さくなり(
図2(c))、ランナ12の切欠き部12aの開口寸法B
1がポール11の外径D
1と等しくなった後、
図2(c)の二点鎖線で示すように、ヒンジ部14bの復元力により第1突起13dの切込み13fが元の幅に戻って、ランナ12がポール11に遊嵌される。このような簡単な作業でランナ12をポール11に遊嵌することができる。この結果、ポール11の両端に取付けられたキャップを外すことなく、ランナ12をポール11に遊嵌することができる。
【0027】
次にポール11に遊嵌されたランナ12を交換する手順を説明する。先ず交換を必要とする使用済みのランナ12をポール11から取外す。具体的には使用済みのランナ12の切欠き部12aの両端をポール11の外周面に圧接する方向にランナ12を引っ張る。これにより弾性変形手段14のヒンジ部14bが弾性変形して切込み13fの幅が小さくなり、ランナ12の切欠き部12aの開口寸法B
1がポール11の外径D
1と等しくなって、使用済みのランナ12がポール11から離脱する。次に上述したランナ12の追加手順と同様の手順で、新しいランナ12をポール11に遊嵌する。この結果、ポール11の両端に取付けられたキャップを外すことなく、ランナ12をポール11に脱着することができる。
【0028】
<第2の実施の形態>
図6〜
図10は本発明の第2の実施の形態を示す。
図6〜
図10において
図1〜
図3と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、カーテンレール51が略円筒状に形成される。このレール51は長手方向に延びる長溝51aを有し、これによりレール51の横断面形状は略逆C字状となる。レール51の内部には、横断面略T字状の2本の補強リブ51b,51cがレール51と一体的にレール51の長手方向に延びて設けられる。レール51はアルミ合金等の軽合金の押出し成形又は引抜き成形により形成されることが好ましい。
【0029】
弾性変形手段14は、第1の実施の形態と同様に、切欠き部12aを形成するランナ本体13の一対の端部のうち、即ち切欠き部12aの存在によりランナ摺動体13cに形成された一対の端部のうちの一方(第1突起13d)に設けられる。また第2突起13eは、第1の実施の形態と同様に、切欠き部12aを形成するランナ本体13の一対の端部のうち、即ち切欠き部12aの存在によりランナ摺動体13cに形成された一対の端部のうち他方の端部に設けられる。そして第1突起13dは曲率半径を大きくして長溝51aに挿入不能に構成され、第2突起13eは曲率半径を小さくして長溝51aに挿入可能に構成される。本明細書において、第1突起13dの曲率半径を大きくして第1突起13dを長溝51aに挿入不能に構成することには、第1突起13dがレール51の長溝51aに臨んで僅かに挿入される場合も含むものとする(
図9)。第1突起13dがレール51の長溝51aに僅かに挿入される場合には、レール51の横断面において長溝51aの形成された部分とは反対側にその分だけ半径方向外側に僅かに突出させることが好ましい。これにより第1突起13dがレール51の長溝51aに係合して弾性変形手段14が弾性変形しても、ランナ12がレール51から意図せずに離脱することを阻止できる。なお、この第2の実施の形態のカーテンランナ12は、第1の実施の形態のカーテンランナと同一符号を付しているけれども、この第2の実施の形態のカーテンランナ12は、第1の実施の形態のカーテンランナと同一形状のみならず相似形状であってもよい。
【0030】
一方、弾性変形手段14の先端と第2突起13eの先端との間隔、即ちランナ本体13の切欠き部12aの開口寸法はレール51の外径より小さく形成される(
図8)。また第2突起13eを長溝51aに挿入したときに弾性変形手段14がレール51の外周面に圧接されて切欠き部12aの開口寸法を大きくする方向に弾性変形することによりランナ12がレール51に着脱されるように構成される(
図7)。具体的には次のように構成される。
図7(a)に示すように、弾性変形手段14が弾性変形していないときの第1突起13dの切込み13fの幅をt
1(mm)とする。また第2突起13eをレール51の長溝51aに挿入した状態で、第1突起13dをレール51の外周面に圧接し、ランナ12をレール51に着脱するときであって、弾性変形手段14が最も大きく変形したとき、即ち第1突起13dの切込み13fの幅が
図7(c)の実線で示すように最も小さくなったときの切込み13fの幅をt
2(mm)とする。そして切込み13fの幅t
2が0≦t
2<t
1の範囲内になるように、レール51の外径、長溝51aの幅、第1突起13dの先端と第2突起13eの先端との間隔(ランナ本体13の切欠き部12aの開口寸法)、第2突起13eの外径等が設定される。ここで、切込み13fの幅t
2を0≦t
2<t
1の範囲内に限定したのは、切込み13fの幅t
2が0未満になることはありえず、t
1以上ではヒンジ部14bが弾性変形しなくてもランナ12がレール51から意図せずに離脱するおそれがあるからである。但し、第1突起13dの切込み13fの最小幅t
2は弾性変形手段14の材質や肉厚により0≦t
2<t
1の範囲内の最適な値に設定される。
【0031】
一方、取付ブラケット58は、角柱状のブラケット本体61と、ビス23により壁19に取付けられる板状のベース部22と、ブラケット本体61の基端をベース部22に離脱可能に係合させる基端係止具24と、ブラケット本体61の先端に設けられレール51の長溝51aを離脱可能に嵌着させる先端係止具66とを備える。
【0032】
先端係止具66は、
図6及び
図10に示すように、ブラケット本体61の先端にビス66bにより取付けられた略クランク状の枠部66aと、この枠部66aに摺動可能に収容された係止具用摺動体66cと、枠部66aの先端に突設されレール51の長溝51aの上縁に係合するアッパ係止部66dと、係止具用摺動体66cの先端に突設されレール51の長溝51aの下縁に係合するロア係止部66eと、係止具用摺動体66cを斜め下方に押下げる押下げ手段66fと、係止具用摺動体66cの下面に突設され係止具用摺動体66cを押下げ手段66fの押下げ力に抗して斜め上方に押上げるための操作用突起66gとを有する。枠部66a及びアッパ係止部66dは鋼板のプレス加工により一体的に形成される。係止具用摺動体66c、ロア係止部66e及び操作用突起66gはプラスチックにより一体的に形成される。押下げ手段66fは枠部66aと係止具用摺動体66cとの間に介装され係止具用摺動体66cを斜め下方に押下げる方向に付勢する圧縮コイルばねである。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0033】
このように構成されたカーテンレール51を取付ブラケット58を介して壁19に取付ける手順を説明する。予めベース部22に押上げ本体24gを組付けておく。またブラケット本体61の基端にレバー24fをビス24eにより取付けるとともに、ブラケット本体61の先端に先端係止具66をビス66bにより取付けておく。先ずベース部22をビス23により壁19に取付ける。次いでブラケット本体61を第1の実施の形態と同様に基端係止具24を介してベース部22に取付ける(
図10(a))。次に複数のランナ12をレール51の一端側から遊嵌した後に、レール51の両端にランナ12の抜止め用のキャップ(図示せず)を取付ける。この状態でレール51の長溝51aの上縁を先端係止具66のアッパ係止部66dに係合させた後に(
図10(a))、レール51の長溝51aの下縁を先端係止具66のロア係止部66eに係合させる(
図10(b))。
【0034】
このときロア係止部66eの上面を先細りに形成しておけば、レール51を
図10(a)の実線矢印の方向に回転させることにより、レール51の長溝51aの下縁が係止具用摺動体66cを押下げ手段66fの弾性力に抗して斜め上方に押上げた後に、レール51の長溝51aの下縁が先端係止具66のロア係止部66eに係合する(
図10(b))。そしてロア係止部66eが押下げ手段66fにより斜め下方に押下げる方向に付勢されるので、レール51が取付ブラケット58から意図せずに離脱することはない。またレール51の長溝51aは壁19側の斜め下方に位置するため、室内側からは殆ど見えず、レール51の見栄えを損なわない。このような極めて簡単な作業で、レール51を取付ブラケット58を介して壁19に固定することができる。なお、レール51に遊嵌したランナ12にカーテンを吊下げた状態で、レール51を壁19に取付けるときに、ランナ12の第2突起13eが意図せずにレール51の長溝51aに挿入されてカーテンの自重がレール51からランナ12を離脱させる方向に意図せずに作用しても、カーテンの自重は弾性変形手段14を弾性変形させてレール51からランナ12を離脱させる程大きくないので、ランナ12がレール51から離脱することはない。
【0035】
更にランナ12の吊り具16にカーテンのフック17を係合させてカーテンを吊下げると、レール51の長溝51aがランナ12の第2突起13eに係合せずにずれるので、カーテンを開閉してもランナ12がレール51から意図せずに離脱することを防止できる(
図6)。なお、ランナ12をレール51に沿って移動させたときに、ランナ12が先端係止具66に接触することなく、ランナ12の切欠き部12aが取付ブラケット18の先端係止具66を通過するので、取付ブラケット18によるレール51の固定位置に拘らず、レール51に遊嵌されたランナ12をレール51の全長にわたって移動させることができる。また、レール51を壁19に取付けてランナ12にカーテンを取付けた後に、カーテンを開閉操作したときに、ランナ12の第2突起13eが意図せずにレール51の長溝51aに挿入されてレール51からランナ12を離脱させる方向の力がランナ12に意図せずに作用しても、カーテンの開閉操作による力は弾性変形手段14を弾性変形させてレール51からランナ12を離脱させる程大きくないので、ランナ12がレール51から離脱することはない。
【0036】
次にレール51にランナ12を追加する手順を説明する。先ず追加するランナ12の第2突起13eをレール51の長溝51aに挿入する(
図7(a))。この状態で第2突起13eを中心にランナ12を回転させて、第1突起をポールの外周面に圧接する(
図7(b))。これにより弾性変形手段14のヒンジ部14bが弾性変形して、切込み13fの幅が次第に小さくなり、切込みの幅が最も小さくなった後に(
図7(c))、ヒンジ部14bの復元力により第1突起13dの切込み13fが元の幅に戻り(
図7(d))、ランナ12が
図7(d)の二点鎖線で示すようにレール51に遊嵌される。このような簡単な作業でランナ12をレール51に遊嵌することができる。この結果、レール51の両端に取付けられたキャップを外すことなく、ランナ12をレール51に遊嵌することができる。
【0037】
次にレール51に遊嵌されたランナ12を交換する手順を説明する。先ず交換を必要とする使用済みのランナ12をレール51から取外す。具体的には使用済みのランナ12の第2突起13eをレール51の長溝51aに挿入した後、ランナ12を上記とは反対方向に回転させる。これにより弾性変形手段14のヒンジ部14bが弾性変形して、切込み13fの幅が次第に小さくなり、切込みの幅が最も小さくなった後に、ヒンジ部14bの復元力により第1突起13dの切込み13fが元の幅に戻り、使用済みのランナ12がレール51から離脱する。次に上述したランナ12の追加手順と同様の手順で、新しいランナ12をレール51に遊嵌する。この結果、レール51の両端に取付けられたキャップを外すことなく、ランナ12をレール51に脱着することができる。
【0038】
<第3の実施の形態>
図11〜
図15は本発明の第3の実施の形態を示す。
図11〜
図15において
図1及び
図2と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、弾性変形手段84が、カーテンポール11の外周面に圧接される圧接部84aと、圧接部84aをカーテンランナ82の切欠き部82aの開口寸法を狭める方向に付勢するばね84bとを有する(
図11及び
図13〜
図15)。ランナ82は、剛性を有し略逆C字状に形成されたランナ本体83と、切欠き部82aを形成するランナ本体83の一対の端部のうちの少なくとも一方に設けられ切欠き部82aの開口寸法がポール11の外径より大きくなるように弾性変形する弾性変形手段84とを備える。ランナ本体83は、アルミ合金等の軽合金により略逆C字状に形成され剛性を有するランナ剛性体83aと、ランナ剛性体83aの内周面に沿って延びるC型溝83bに挿着され内周面がポール11の外周面に接触するプラスチック製の略C字状のランナ摺動体83cとを有する。
【0039】
切欠き部82aを形成するランナ本体83の一対の端部のうち、即ち切欠き部82aの存在によりランナ摺動体83cに形成された一対の端部のうち一方の端部には、ランナ剛性体83aの一方の端部を被覆するとともに切欠き部82aを狭める方向に延びる第1突起83dが設けられる。また切欠き部82aを形成するランナ本体83の一対の端部のうち、即ち切欠き部82aの存在によりランナ摺動体83cに形成された一対の端部のうち他方の端部には、ランナ剛性体83aの他方の端部を被覆するとともに切欠き部82aを狭める方向に延びる第2突起83eが設けられる。弾性変形手段84の圧接部84aは第1突起83dを兼ねる。また第2突起83eはランナ摺動体83cと一体的にプラスチックにより形成される。ランナ摺動体83cの一端には略円周方向に延びる凹部83fが形成され、この凹部83fには圧接部84aが凹部83fの長手方向に沿って摺動可能に挿入される(
図11及び
図12)。凹部83fの一端面には第1ばね穴83gが形成され、圧接部84aには第2ばね穴84cが形成される。ばね84bの一端は第1ばね穴83gに挿入され、ばね84bの他端は第2ばね穴84cに挿入される。これにより圧接部84aは凹部83fの他端側にばね84bの弾性力にて圧接される。
【0040】
一方、第1突起83dの先端と第2突起83eの先端との間隔、即ち圧接部84aの外面と第2突起83eの先端との間隔は、圧接部84aが凹部83fの他端側に圧接された状態で、ポール11の外径より小さく形成され、かつ取付ブラケット18の受け部26の厚さより大きく形成される。弾性変形手段84は、ランナ本体83の切欠き部82aの開口寸法(第1突起83dの先端と第2突起83eの先端との間隔)が、ランナ82のポール11への遊嵌時にポール11の外径より小さくなり、かつランナ82のポール11へ取付け時にポール11の外径より大きくなるように弾性変形する。即ち、弾性変形手段84の圧接部84aをばね84bの弾性力に抗して凹部83fの一端側に移動させることにより、切欠き部82aの開口寸法が広がってランナ82がポール11に取付けられるように構成される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0041】
上記カーテンポール11を取付ブラケット18を介して壁19に取付ける手順は、第1の実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。なお、ポール11に遊嵌したランナ82にカーテンを吊下げた状態で、ポール11を壁19に取付けるときに、カーテンの自重がポール11からランナ82を離脱させる方向に意図せずに作用しても、圧接部84aがばね84bの弾性力により凹部83fの他端側に圧接された状態に保たれており、ランナ82の切欠き部82aの開口寸法がポール11の外径より大きくなることがないので、ランナ82がポール11から離脱することはない。
【0042】
またランナ82の吊り具16にカーテンのフック17を係合させてカーテンを吊下げると、ポール11の外径がランナ82の切欠き部82aの開口寸法より大きいので、カーテンを開閉してもランナ82がポール11から意図せずに離脱することを防止できる(
図11)。なお、ランナ82をポール11に沿って移動させたときに、ランナ82が受け部26に接触することなく、ランナ82の切欠き部82aが取付ブラケット18の受け部26を通過するので、取付ブラケット18によるポール11の固定位置に拘らず、ポール11に遊嵌されたランナ82をポール11の全長にわたって移動させることができる。また、ポール11を壁19に取付けてランナ82にカーテンを取付けた後に、カーテンを開閉操作したときに、ポール11からランナ82を離脱させる方向の力がランナ82に意図せずに作用しても、圧接部84aがばね84bの弾性力により凹部83fの他端側に圧接された状態に保たれており、ランナ82の切欠き部82aの開口寸法がポール11の外径より大きくなることがないので、ランナ82がポール11から離脱することはない。
【0043】
次にポール11にランナ82を追加する手順を説明する。追加するランナ82の切欠き部82aの両端をポール11に圧接する方向にランナ82をポール11に押付ける(
図13)。これにより弾性変形手段84の圧接部84aがばね84bの弾性力に抗して凹部83fの一端側に移動し(
図14)、ランナ82の切欠き部82aの開口寸法がポール11の外径と等しくなった後、
図15に示すように、ばね84bの弾性力により圧接部84aが凹部83fの他端側に移動し、ランナ82がポール11に遊嵌される。このような簡単な作業でランナ82をポール11に遊嵌することができる。この結果、ポール11の両端に取付けられたキャップを外すことなく、ランナ82をポール11に遊嵌することができる。
【0044】
次にポール11に遊嵌されたランナ82を交換する手順を説明する。先ず交換を必要とする使用済みのランナ82をポール11から取外す。具体的には使用済みのランナ82の弾性変形手段84の圧接部84aをばね84bの弾性力に抗して凹部83fの一端側に移動させる。これにより使用済みのランナ82の切欠き部82aの開口寸法がポール11の外径より大きくなるので、この状態で使用済みのランナ82をポール11から取外す。次に上述したランナ82の追加手順と同様の手順で、新しいランナ82をポール11に遊嵌する。この結果、ポール11の両端に取付けられたキャップを外すことなく、ランナ82をポール11に取付けることができる。
【0045】
なお、第1及び第2の実施の形態では、弾性変形手段が弾性変形することによりランナをポール又はレールに着脱したが、ランナ自体が弾性変形することによりランナをポール又はレールに着脱してもよい。また、第1〜第3の実施の形態では、ポール又はレールを取付ブラケットを介して壁に固定したが、ポール又はレールを取付ブラケットを介して天井又は窓枠に固定してもよい。また、第1の実施の形態では、ポールを円柱状に形成したが、外周面の一部に凹部又は凸部を有する略円柱状に形成したり、円筒状に形成したり、或いは外周面の一部に凹部又は凸部を有する略円筒状に形成してもよい。また、第3の実施の形態では、ポールを円柱状に形成したが、外周面の一部に凹部又は凸部を有する略円柱状に形成したり、円筒状に形成したり、外周面の一部に凹部又は凸部を有する略円筒状に形成したり、或いは第2の実施の形態と同様の略円筒状に形成してもよい。更に、第2の実施の形態では、長溝が壁側の斜め下方に位置するようにレールを取付ブラケットに取付けたが、長溝が壁に対向するようにレールを取付ブラケットに取付けたり、或いは長溝が壁側の斜め上方に位置するようにレールを取付ブラケットに取付けてもよい。この場合、ランナの切欠き部が取付ブラケットの先端係止具を通過するように、吊り具のランナへの取付け位置を変更する必要がある。