特許第5653085号(P5653085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5653085
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】安全機構を有する外科手術器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20141218BHJP
【FI】
   A61B17/11 310
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2010-145679(P2010-145679)
(22)【出願日】2010年6月25日
(65)【公開番号】特開2011-15964(P2011-15964A)
(43)【公開日】2011年1月27日
【審査請求日】2013年4月26日
(31)【優先権主張番号】61/224,855
(32)【優先日】2009年7月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/781,622
(32)【優先日】2010年5月17日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507362281
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】キース ミリマン
【審査官】 毛利 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−212041(JP,A)
【文献】 特表2006−501950(JP,A)
【文献】 特開平05−208017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定ハンドルと、接近機構と、発射トリガとを含むハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリと機械的に協働するように配置され、かつレバーを含む安全機構であって、該レバーは、該発射トリガが作動するのを妨げられる第1の位置と、該発射トリガが作動することが可能である第2の位置との間で可動である、安全機構と、
該ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長い本体部分と、
該細長い本体部分の遠位端に隣接して配置され、かつ第1のジョー部材と第2のジョー部材とを含むヘッド部分であって、該第1のジョー部材は、該第2のジョー部材に対して、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である、ヘッド部分と
を備え、
該接近機構は、該第2のジョー部材に対して間隔を空けた位置から接近した位置に該第1のジョー部材を動かし、該第2のジョー部材に対する、該接近した位置から該間隔を空けた位置の方への該第1のジョー部材の移動は、該レバーを該第2の位置から該第1の位置に自動的に動かす、外科手術ステープリング器具。
【請求項2】
前記レバーは、該レバーの第1の位置の方に付勢される、請求項1に記載の外科手術ステープリング器具。
【請求項3】
前記安全機構は、前記レバー上に配置されるラッチと、前記固定ハンドル上に配置されるラッチリテイナとを含み、該ラッチおよび該ラッチリテイナは、該レバーを該レバーの第2の位置に解放可能に維持するように構成される、請求項1または2に記載の外科手術ステープリング器具。
【請求項4】
前記ラッチリテイナは、近位に付勢される、請求項3に記載の外科手術ステープリング器具。
【請求項5】
前記接近した位置から前記間隔を空けた位置の方への、前記第1のジョー部材の所定の量の移動は、前記ラッチリテイナの遠位の移動を引き起こし、前記ラッチを解放する、請求項3に記載の外科手術ステープリング器具。
【請求項6】
前記接近した位置から間隔を空けた前記第1のジョー部材の位置の方への、該第1のジョー部材の所定の量の移動は、前記ラッチが前記ラッチリテイナに解放可能に維持されているとき、該ラッチリテイナに該ラッチを解放させ、該ラッチの該解放は、該レバーの第1の位置に該レバーを動かす、請求項3に記載の外科手術ステープリング器具。
【請求項7】
前記安全機構は、前記固定ハンドルと機械的に協働するように配置されるプレートを含み、該プレートは、遠位に付勢される、請求項1〜6のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【請求項8】
前記プレートのリップは、前記レバーの第2の位置の方への該レバーの移動を妨げる、請求項7に記載の外科手術ステープリング器具。
【請求項9】
前記第1のジョー部材と前記第2のジョー部材との接近は、前記プレートの近位への平行移動を引き起こし、その結果、前記レバーは該レバーの第2の位置の方に動くことが可能である、請求項8に記載の外科手術ステープリング器具。
【請求項10】
前記第1のジョー部材と前記第2のジョー部材との接近は、前記プレートの近位への平行移動を引き起こし、その結果、前記リップは前記レバーの一部分を超えて近位に動かされ、結果として、該レバーが該レバーの第2の位置の方に動くことを可能にする、請求項8に記載の外科手術ステープリング器具。
【請求項11】
前記レバーは、該レバーが該レバーの第1の位置にあるとき、前記発射トリガと機械的に係合するように構成される、請求項1〜10のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【請求項12】
前記発射トリガは、前記第1のジョー部材から前記第2のジョー部材と接触するように複数のファスナを発射する、請求項1〜10のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【請求項13】
複数のファスナが前記第2のジョーに保持される、請求項1〜12のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【請求項14】
前記安全機構は、前記固定ハンドルと機械的に協働するように配置されるプレートを含み、該プレートは、遠位に付勢され、前記接近機構の移動によって動かされる、請求項13に記載の外科手術ステープリング器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
本出願は、2009年7月11日に出願された仮出願第61/224,855号に対する優先権を主張し、該仮出願の内容全体が本明細書に参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、概して体組織に外科手術ステープルを適用する外科手術器具に関する。より詳細には、本開示は、中空の組織器官の内壁に対する円形の吻合および/または治療を実行することに適した外科手術ステープリング器具に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
吻合は、別個の中空の器官の部分の外科手術接合である。典型的には、吻合処置は、中空の組織の罹患した部分または欠陥のある部分が除去され、残りの端部分が接合される外科手術の後に行われる。所望の吻合処置に従って、端部分は、円形、端部対端部、端部対側部、または側部対側部のいずれかの器官再建方法によって接合され得る。
【0004】
円形の吻合処置において、器官の部分の2つの端部はステープリング器具によって接合され、該ステープリング器具は、各器官部分の端部分を通って円形のアレイのステープルを打ち込み、同時に、打ち込まれた円形のアレイのステープルの任意の組織内部の芯を抜き、管状の通路を開通させる。中空の器官の円形の吻合を実行する器具の例は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、および特許文献8に説明され、それらの各々は、その内容全体が本明細書に参考として援用される。典型的には、これらの器具は、近位端に器具を作動させるハンドル部分と、遠位端に配置されるステープル保持構成要素とを有する細長いシャフトを含む。アンビルヘッドが取り付けられたアンビルロッドを含むアンビルアセンブリは、ステープル保持構成要素に隣接して器具の遠位端に取り付けられる。ステープルで留められる、中空の器官の組織の向かい合う端部分は、アンビルヘッドとステープル保持構成要素との間でクランプされる。典型的には、第1の作動機構は、アンビルヘッドとステープル保持構成要素とを接近させ、組織をクランプするために用いられる。クランプされた組織は、ステープル保持構成要素から1または1より多いステープルを打ち込むことによってステープルで留められ、その結果、ステープルの端部は、組織を通過し、アンビルヘッドによって変形させられる。典型的には、第2の作動機構が、ステープルを発射するために用いられる。環状のナイフが同時に前進させられ、中空の器官内で組織の芯を抜き、器官内で環状の通路を開通させることもまた一般的である。
【0005】
中空の器官の吻合の他に、円形の吻合を実行する外科手術ステープリング器具は、直腸における内痔核を治療するために用いられてきた。典型的には、痔治療のために円形のステープリング器具を使用している間に、外科手術ステープリング器具のアンビルヘッドおよびステープル保持構成要素は、アンビルヘッドおよびステープル保持構成要素が開放位置または接近していない位置の状態で、肛門を通って直腸の中に挿入される。その後、巾着縫合糸が、内痔核組織をアンビルヘッドの方に引くために用いられる。次に、アンビルヘッドおよびステープル保持構成要素は、接近させられ、アンビルヘッドとステープル保持構成要素との間にある痔組織をクランプする。ステープリング器具は、発射され、痔組織を除去し、切断組織をステープルで留める。痔外科手術の他の使用法において、ステープリング器具は、直腸内において痔を後退させるように引き、症状を低減させるために、痔の真上の組織を除去するために用いられる。ステープルは、上直腸動脈枝の血流を妨げ、組織への血液供給を遮断し、従って、痔を縮小させる。
【0006】
いくつかの外科手術器具は、アンビルヘッドとステープル保持構成要素との接近の前にステープルが発射されるのを防ぐ安全装置を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,303,106号明細書
【特許文献2】米国特許第6,053,390号明細書
【特許文献3】米国特許第5,588,579号明細書
【特許文献4】米国特許第5,119,983号明細書
【特許文献5】米国特許第5,005,749号明細書
【特許文献6】米国特許第4,646,745号明細書
【特許文献7】米国特許第4,576,167号明細書
【特許文献8】米国特許第4,473,077号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(概要)
本開示は、ハンドルアセンブリと、安全機構と、細長い本体部分と、ヘッド部分とを備えている外科手術器具に関する。ハンドルアセンブリは、固定ハンドルと、接近機構と、発射トリガとを含む。安全機構のレバーは、発射トリガが作動するのを妨げられる第1の位置と、発射トリガが作動することが可能である第2の位置との間で可動である。接近機構は、第2のジョー部材に対して間隔を空けた位置から接近した位置に第1のジョー部材を動かし、この場合、第2のジョー部材に対する、接近した位置から間隔を空けた位置の方への第1のジョー部材の移動は、レバーをレバーの第2の位置からレバーの第1の位置に動かす。
【0009】
一実施形態において、レバーは、レバーの第1の位置の方に付勢される。好ましい実施形態において、安全機構は、レバー上に配置されるラッチと、固定ハンドル上に配置されるラッチリテイナとを含み、この場合、ラッチおよびラッチリテイナは、レバーをレバーの第2の位置に解放可能に維持するように構成される。ラッチリテイナは、近位に付勢される。好ましい実施形態において、接近した位置から第1のジョー部材の間隔を空けた位置の方への、第1のジョー部材の所定の量の移動は、ラッチリテイナの遠位の移動を引き起こし、ラッチを解放する。
【0010】
いくつかの実施形態において、安全機構は、固定ハンドルと機械的に協働するように配置されるプレートを含み、プレートは、遠位に付勢される。プレートのリップは、好ましくはレバーの第2の位置の方へのレバーの移動を妨げる。
【0011】
レバーは、好ましくは、レバーがレバーの第1の位置にあるとき、発射トリガと機械的に係合するように構成され、発射トリガは、第1のジョーから第2のジョーと接触するように複数のファスナを発射する。
【0012】
本開示は、別の局面において、固定ハンドルと、接近機構と、複数のファスナを発射する発射トリガとを含むハンドルアセンブリを備えている外科手術器具を提供する。安全機構は、ハンドルアセンブリと機械的に協働するように配置され、ファスナの発射を妨げる第1の位置と、ファスナの発射を可能にする第2の位置との間で可動である。安全機構は、第2の位置において保持される。細長い本体部分は、ハンドルアセンブリから遠位に延びる。ヘッド部分は、細長い本体部分の遠位端に隣接して配置され、かつ第1のジョー部材と第2のジョー部材とを含み、第1のジョー部材は、第2のジョー部材に対して、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である。接近機構は、第2のジョー部材に対して間隔を空けた位置から接近した位置に第1のジョー部材を動かし、この場合、ファスナの発射の前に、第2のジョー部材に対する、接近した位置から間隔を空けた位置の方への第1のジョー部材の移動は、安全機構が、解放され、安全機構の第2の位置から安全機構の第1の位置に移動するようにする。
【0013】
いくつかの実施形態において、複数のファスナは、第2のジョーに保持される。
【0014】
好ましい実施形態において、安全機構は、第2の位置においてラッチリテイナによって保持されるレバーを含む。好ましくは、接近した位置から間隔を空けた位置の方への、第1のジョー部材の所定の量の移動は、ラッチリテイナの遠位の移動を引き起こし、ラッチを解放する。
【0015】
いくつかの実施形態において、安全機構は、固定ハンドルと機械的に協働するように配置されるプレートを含み、プレートは、遠位に付勢され、接近機構の移動によって動かされる。プレートのリップは、いくつかの実施形態において、レバーの第2の位置の方へのレバーの移動を妨げる。
【0016】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
【0017】
(項目1)
固定ハンドルと、接近機構と、発射トリガとを含むハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリと機械的に協働するように配置され、かつレバーを含む安全機構であって、該レバーは、該発射トリガが作動するのを妨げられる第1の位置と、該発射トリガが作動することが可能である第2の位置との間で可動である、安全機構と、
該ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長い本体部分と、
該細長い本体部分の遠位端に隣接して配置され、かつ第1のジョー部材と第2のジョー部材とを含むヘッド部分であって、該第1のジョー部材は、該第2のジョー部材に対して、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である、ヘッド部分と、
接近機構であって、該接近機構は、該第2のジョー部材に対して間隔を空けた位置から接近した位置に該第1のジョー部材を動かし、該第2のジョー部材に対する、該接近した位置から該間隔を空けた位置の方への該第1のジョー部材の移動は、該レバーを該第2の位置から該第1の位置に動かす、接近機構と
を備えている、外科手術ステープリング器具。
【0018】
(項目2)
上記レバーは、該レバーの第1の位置の方に付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0019】
(項目3)
上記安全機構は、上記レバー上に配置されるラッチと、上記固定ハンドル上に配置されるラッチリテイナとを含み、該ラッチおよびラッチリテイナは、該レバーを該レバーの第2の位置に解放可能に維持するように構成される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0020】
(項目4)
上記ラッチリテイナは、近位に付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
【0021】
(項目5)
上記接近した位置から上記間隔を空けた位置の方への、上記第1のジョー部材の所定の量の移動は、上記ラッチリテイナの遠位の移動を引き起こし、上記ラッチを解放する、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0022】
(項目6)
上記接近した位置から間隔を空けた上記第1のジョー部材の位置の方への、該第1のジョー部材の所定の量の移動は、上記ラッチが上記ラッチリテイナに解放可能に維持されているとき、該ラッチリテイナに該ラッチを解放させ、該ラッチの該解放は、該レバーの第1の位置に該レバーを動かす、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0023】
(項目7)
上記安全機構は、上記固定ハンドルと機械的に協働するように配置されるプレートを含み、該プレートは、遠位に付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0024】
(項目8)
上記プレートのリップは、上記レバーの第2の位置の方への該レバーの移動を妨げる、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0025】
(項目9)
上記第1のジョー部材と上記第2のジョー部材との接近は、上記プレートの近位への平行移動を引き起こし、その結果、上記レバーは該レバーの第2の位置の方に動くことが可能である、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0026】
(項目10)
上記第1のジョー部材と上記第2のジョー部材との接近は、上記プレートの近位への平行移動を引き起こし、その結果、上記リップは上記レバーの一部分を超えて近位に動かされ、結果として、該レバーが該レバーの第2の位置の方に動くことを可能にする、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0027】
(項目11)
上記レバーは、該レバーが該レバーの第1の位置にあるとき、上記発射トリガと機械的に係合するように構成される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0028】
(項目12)
上記発射トリガは、上記第1のジョー部材から上記第2のジョー部材と接触するように複数のファスナを発射する、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0029】
(項目13)
複数のファスナが上記第2のジョーに保持される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0030】
(項目14)
上記安全機構は、上記固定ハンドルと機械的に協働するように配置されるプレートを含み、該プレートは、遠位に付勢され、上記接近機構の移動によって動かされる、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0031】
本発明は、さらに以下の項目を提供する。
【0032】
(項目1A)
固定ハンドルと、接近機構と、発射トリガとを含むハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリと機械的に協働するように配置され、かつレバーを含む安全機構であって、該レバーは、該発射トリガが作動するのを妨げられる第1の位置と、該発射トリガが作動することが可能である第2の位置との間で可動である、安全機構と、
該ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長い本体部分と、
該細長い本体部分の遠位端に隣接して配置され、かつ第1のジョー部材と第2のジョー部材とを含むヘッド部分であって、該第1のジョー部材は、該第2のジョー部材に対して、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である、ヘッド部分と、
接近機構であって、該接近機構は、該第2のジョー部材に対して間隔を空けた位置から接近した位置に該第1のジョー部材を動かし、該第2のジョー部材に対する、該接近した位置から該間隔を空けた位置の方への該第1のジョー部材の移動は、該レバーを該第2の位置から該第1の位置に動かす、接近機構と
を備えている、外科手術ステープリング器具。
【0033】
(項目2A)
上記レバーは、該レバーの第1の位置の方に付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0034】
(項目3A)
上記安全機構は、上記レバー上に配置されるラッチと、上記固定ハンドル上に配置されるラッチリテイナとを含み、該ラッチおよびラッチリテイナは、該レバーを該レバーの第2の位置に解放可能に維持するように構成される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0035】
(項目4A)
上記ラッチリテイナは、近位に付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
【0036】
(項目5A)
上記接近した位置から上記間隔を空けた位置の方への、上記第1のジョー部材の所定の量の移動は、上記ラッチリテイナの遠位の移動を引き起こし、上記ラッチを解放する、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0037】
(項目6A)
上記接近した位置から間隔を空けた上記第1のジョー部材の位置の方への、該第1のジョー部材の所定の量の移動は、上記ラッチが上記ラッチリテイナに解放可能に維持されているとき、該ラッチリテイナに該ラッチを解放させ、該ラッチの該解放は、該レバーの第1の位置に該レバーを動かす、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0038】
(項目7A)
上記安全機構は、上記固定ハンドルと機械的に協働するように配置されるプレートを含み、該プレートは、遠位に付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0039】
(項目8A)
上記プレートのリップは、上記レバーの第2の位置の方への該レバーの移動を妨げる、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0040】
(項目9A)
上記第1のジョー部材と上記第2のジョー部材との接近は、上記プレートの近位への平行移動を引き起こし、その結果、上記レバーは該レバーの第2の位置の方に動くことが可能である、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0041】
(項目10A)
上記第1のジョー部材と上記第2のジョー部材との接近は、上記プレートの近位への平行移動を引き起こし、その結果、上記リップは上記レバーの一部分を超えて近位に動かされ、結果として、該レバーが該レバーの第2の位置の方に動くことを可能にする、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0042】
(項目11A)
上記レバーは、該レバーが該レバーの第1の位置にあるとき、上記発射トリガと機械的に係合するように構成される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0043】
(項目12A)
上記発射トリガは、上記第1のジョー部材から上記第2のジョー部材と接触するように複数のファスナを発射する、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0044】
(項目13A)
固定ハンドルと、接近機構と、複数のファスナを発射する発射トリガとを含むハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリと機械的に協働するように配置され、ファスナの発射が妨げられる第1の位置と、ファスナの発射が可能である第2の位置との間で可動である安全機構であって、該安全機構は該第2の位置に保持される、安全機構と、
該ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長い本体部分と、
該細長い本体部分の遠位端に隣接して配置され、かつ第1のジョー部材と第2のジョー部材とを含むヘッド部分であって、該第1のジョー部材は、該第2のジョー部材に対して、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である、ヘッド部分と、
接近機構であって、該接近機構は、該第2のジョー部材に対して間隔を空けた位置から接近した位置に該第1のジョー部材を動かし、該ファスナの発射の前に、該第2のジョー部材に対する、該接近した位置から該間隔を空けた位置の方への該第1のジョー部材の移動は、該安全機構が、解放され、該第2の位置から該第1の位置に移動するようにする、接近機構と
を備えている、外科手術器具。
【0045】
(項目14A)
上記複数のファスナは、上記第2のジョーに保持される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0046】
(項目15A)
上記安全機構は、上記第2の位置においてラッチリテイナによって保持されるレバーを含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0047】
(項目16A)
上記接近した位置から上記間隔を空けた位置の方への、上記第1のジョー部材の所定の量の移動は、上記ラッチリテイナの遠位の移動を引き起こし、上記ラッチを解放する、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0048】
(項目17A)
上記安全機構は、上記固定ハンドルと機械的に協働するように配置されるプレートを含み、該プレートは、遠位に付勢され、上記接近機構の移動によって動かされる、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0049】
(項目18A)
上記プレートのリップは、上記レバーの第2の位置の方への該レバーの移動を妨げる、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0050】
(摘要)
ハンドルアセンブリと、安全機構と、細長い本体部分と、ヘッド部分とを含む外科手術器具が開示される。ハンドルアセンブリは、固定ハンドルと、接近機構と、発射トリガとを含む。安全機構のレバーは、発射トリガが作動するのを妨げられる第1の位置と、発射トリガが作動することが可能である第2の位置との間で可動である。ヘッド部分の第1のジョー部材は、ヘッド部分の第2のジョー部材に対して、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である。第2のジョー部材に対する、接近した位置から間隔を空けた位置の方への第1のジョー部材の移動は、安全機構のレバーをレバーの第2の位置からレバーの第1の位置に動かす。
【0051】
ここで開示される外科手術ステープリング器具の様々な実施形態は、図面を参照して本明細書において開示される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1図1は、本開示の実施形態に従う、接近していない位置において例示されるここで開示される外科手術ステープリング器具の斜視図である。
図2図2は、接近した位置において例示される、図1の外科手術ステープリング器具の斜視図である。
図3図3は、発射された位置において例示される、図1および図2の外科手術ステープリング器具の側面図である。
図4図4は、接近していない位置における外科手術ステープリング器具の一部分および第1の位置における安全機構の第1の部分の長手方向断面図である。
図5図5は、接近していない位置における外科手術ステープリング器具の一部分および第1の位置における安全機構の第2の部分の長手方向断面図である。
図6図6は、接近していない位置における外科手術ステープリング器具の一部分および第1の位置における安全機構の第1の部分および第2の部分の長手方向断面図である。
図7図7は、接近した位置における外科手術ステープリング器具の一部分および第2の位置における安全機構の第1の部分の長手方向断面図である。
図8図8は、接近した位置における外科手術ステープリング器具の一部分および第2の位置における安全機構の第2の部分の長手方向断面図である。
図9図9は、接近した位置における外科手術ステープリング器具の一部分および第2の位置における安全機構の第1の部分および第2の部分の長手方向断面図である。
図9A図9Aは、図9の外科手術ステープリング器具の一部分の拡大図である。
図10図10は、図5図6図8図9および図9Aに例示されるような安全機構の第2の部分の安全プレートおよびラッチリテイナの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
(詳細な説明)
本明細書で開示される外科手術ステープリング器具の実施形態は、ここで図面を参照して詳細に説明され、図面において同様の参照数字は、いくつかの図の各々において同一かまたは対応する要素を示す。
【0054】
この説明を通して、用語「近位」は、オペレータにより近い、器具の一部分をいい、用語「遠位」は、オペレータからより遠くに離れている、器具の一部分をいう。
【0055】
図1図3は、本明細書で開示される外科手術ステープリング器具の一実施形態を例示し、該外科手術ステープリング器具は、全体に参照番号10として参照される。簡潔にいうと、外科手術ステープリング器具10は、ハンドルアセンブリ12と、湾曲した細長い外部管14aを含む細長い本体部分14と、ヘッド部分16とを含む。代わりに、痔疾の治療などいくつかの実施形態において、実質的にまっすぐな本体部分を有することが望ましい。本体部分14およびヘッド部分16の長さ、形状および/または直径が特定の外科手術処置に適するように変更され得ることも本明細書において意図される。
【0056】
引き続き、図1図3を参照すると、ハンドルアセンブリ12は、固定ハンドル18と、発射トリガ20と、回転可能接近機構22とを含む。ヘッド部分16は、第1のジョー部材(例えば、アンビルアセンブリ30)と、第2のジョー部材(例えば、シェルアセンブリ31)とを含む。アンビルセンブリ30は、シェルアセンブリ31に対して間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である。
【0057】
引き続き、図1図3を参照すると、動作時、接近機構22がアンビルアセンブリ30に固定されているアンビルリテイナ38(図1)と機械的に係合されているので、接近機構22の回転は、シェルアセンブリ31に対して、間隔を空けた位置(図1)と接近した位置(図2および図3)との間でアンビルアセンブリ30を移動させる。接近機構22の第1の方向(例えば、時計回り)への回転がアンビルアセンブリ30を近位(すなわち、アンビルアセンブリの接近した位置の方)に動かし、接近機構22の第2の方向(例えば、反時計回り)への回転がアンビルアセンブリ30を遠位(すなわち、アンビルアセンブリの間隔を空けた位置の方)に動かすことが予想される。接近の詳細は、例えば米国特許第7,303,106号に開示され、該特許の内容全体は本明細書に参考として援用される。
【0058】
発射トリガ20の作動(すなわち、図1の矢印「A」の方向への旋回)は、シェルアセンブリ31からアンビルアセンブリ30の方にステープルを排出させる。すなわち、発射トリガ20は、(例示される実施形態において明示されていない)プッシャと機械的に協働するように配置され、その結果、発射トリガ20の作動は、プッシャを前進させ、ステープルと接触させ、プッシャは、アンビルアセンブリ30のステープル変形ポケットの中にステープルを排出する。発射の詳細は、例えば米国特許第7,303,106号に開示され、該特許の内容全体は本明細書に参考として援用される。
【0059】
ここで図4図9を参照すると、接近機構22はねじストップ40と機械的に係合し、ねじストップ40はアンビルアセンブリ30(図示されていない)と機械的に係合する。ここで、接近機構22の第1の方向への回転は、ねじストップ40を近位に動かし、このことは、次にアンビルアセンブリ30を近位に動かす。ねじストップ40が近位に動くと、以下に詳細に論議されるように、ねじストップ40の部分42(図9Aを参照されたい)は、安全機構200の一部分(すなわち、プレート250)をプレートスプリング260の付勢に対抗して近位に進める。その結果、レバー210は、図6における矢印「C」の方向に旋回し、外科手術ステープリング器具10の発射を可能にする。すなわち、レバー210がレバー210の第1の妨害位置(図4図6)にあるとき、発射トリガ20の作動が妨げられる。
【0060】
より詳細には、引き続き、図4図9を参照すると、(第1の部分200a(図4および図7)と、第2の部分200b(図5および図8)とに分解される)安全機構200は、以下にさらに詳細に論議されるように、ハンドルアセンブリ12と機械的に協働するように配置され、アンビルアセンブリ30とシェルアセンブリ31とが接近させられるまで、開放位置(図4図6)に発射トリガ20を維持する。安全機構200はまた、アンビルアセンブリ30が、シェルアセンブリ31に対して、アンビルアセンブリ30の接近した位置からアンビルアセンブリ30の間隔を空けた位置に動かされるとき、発射トリガ20の作動を妨げるように構成される。すなわち、アンビルアセンブリ30およびシェルアセンブリ31が、(例えば、組織をクランプして)アンビルアセンブリ30とシェルアセンブリ31とが接近した位置にあり、次いで(例えば、組織をクランプしない)アンビルアセンブリ30とシェルアセンブリ31との間隔の空いた位置に動く場合、安全機構200は、アンビルアセンブリ30およびシェルアセンブリ31がアンビルアセンブリ30とシェルアセンブリ31とが接近した位置に戻るまで、発射トリガ20の作動を妨げる。従って、理解され得るように、安全機構200は、ステープルが早まって発射されるのを妨げるように助ける。
【0061】
安全機構200の様々な構成要素は、図4図9に示され、明快さのためにいくつかの図においていくつかの構成要素が省略される。図4図6は、安全機構200の第1のロック位置にある安全機構200を例示する。図7図9は、安全機構200の第2のロックされない位置にある安全機構200を例示する。視覚の明快さを容易にするために、上記のように、安全機構200は、(図4および図7に個々に示される)第1の部分200aと、(図5および図8に個々に示される)第2の部分200bとに分解されている。安全機構200の第1の部分200aおよび第2の部分200bの両方は、図6および図9に示される。
【0062】
最初に図4および図7を参照すると、安全機構200の第1の部分200aは、ラッチ212を有するレバー210と、安全ばね230とを含む。レバー210は、固定ハンドル18に対して旋回可能に配置される。レバー210と一体に形成され示されるラッチ212は、レバー210上に斜めの表面216を有する歯214を含む。距離「d」は、レバー210の歯214と表面216との間に規定される(図4を参照されたい)。
【0063】
安全ばね230の遠位部分222は、レバー210のアパーチャ218と機械的に係合(例えば、旋回可能に係合)するように構成される。安全ばね230の近位部分224は、固定ハンドル18の一部分と係合する(例えば、固定ハンドル18にピン留めされる)。安全ばね230は、図4における実質的に矢印「B」の方向にレバー210を付勢するように構成される。
【0064】
安全機構200の第2の部分200bは、図5および図8に例示される。第2の部分200bは、プレート250(この拡大図は図10に示される)と、プレートスプリング260と、ラッチリテイナ270と、リテイナばね280とを含む。プレート250は、固定ハンドル18内に配置され、上記に論議されるように、プレート250は、ねじストップ40の一部分によって係合するように構成される。より具体的には、ねじストップ40が近位に動くと、ねじストップ40は、プレート250の遠位部分252に接触し(図9Aおよび図10を参照されたい)、従って、プレート250に対する近位の力を作る。プレートばね260であって、これも固定ハンドル18内に配置される、プレートばね260は、プレート250の近位部分254と機械的に協働し、ねじストップ40によってプレート250に加えられる近位の力に対してプレート250を遠位に付勢するように構成される。リブ44は、固定ハンドル18内に配置され、プレート250の遠位の平行移動を制限するように位置を決められる(図5図8および図9Aを参照されたい)。より具体的には、プレート250のタブ253(図10を参照されたい)の少なくとも1つはリブ44と係合するように構成される。
【0065】
図5および図8において安全機構200の第2の部分200bを引き続き、参照すると、ラッチリテイナ270およびリテイナばね280が例示される。ラッチリテイナ270は、プレート250と機械的に協働するように配置され、プレート250とスライド可能に係合される。ラッチリテイナは、プレート250において壁に隣接した開口部258と係合するいくつかの移動止めを有する。リテイナばね280は、固定ハンドル18に配置され、プレート250に対して近位にラッチリテイナ270を付勢するように構成される。リテイナスプリング280の遠位部分282がプレート250の部分256と機械的に係合する(図10を参照されたい)ことが予想される。以下に詳細に論議されるように、ラッチリテイナ270と、リテイナばね280と、プレート250との間の相互作用は、ラッチ212とラッチリテイナ270との解放可能な係合を可能にするように構成される。リテイナばね280の近位部分284は、ラッチリテイナ270の一部分と機械的に係合する。
【0066】
使用時、図6図9および図10を参照すると、プレート250の遠位リップ257は、レバー210(図5)のブロッキング表面220と接触し、従って、回転を妨げる(すなわち、図6における、レバー210の実質的に矢印「C」の方向において、遠位リップ257がレバー210のブロッキング表面220を近位に通過するようにプレート250が十分な距離を近位に動かされるまで)。アンビルアセンブリ30とシェルアセンブリ31とが接近するような接近ノブ22の回転は、ねじストップ40が十分な距離を近位に平行移動するようにさせ、それでタブ部分42は、遠位リップ257が(プレートばね260の付勢に対抗して)ブロッキング表面220を近位に通過するようにさせることが予想される。すなわち、アンビルアセンブリ30とシェルアセンブリ31とが接近させられる(例えば、アンビルアセンブリ30とシェルアセンブリ31との間に組織をクランプする)と、レバー210は、(安全ばね230の付勢に対抗して)実質的に矢印「C」の方向にレバー210の第1のブロッキング位置(図4図6)からレバー210の第2のイネーブリング位置(図7図9)に(例えば、手動で)自由に回転し、従って、発射トリガ20の作動を可能にする。
【0067】
図9Aに関して、ラッチ212とラッチリテイナ270との間の相互作用の拡大図が示される。レバー210がレバー210の第1のブロッキング位置からレバー210の第2のイネーブリング位置に回転するとき、ラッチ212はラッチリテイナ270と係合する。より詳細には、ラッチ212の斜めの表面216は、最初にラッチリテイナ270と接触するように構成される。レバー210の回転によって加えられる力は、ラッチ212の斜めの表面216がリテイナばね280の付勢に対抗してプレート250に対してラッチリテイナ270を遠位に平行移動させるようにする。ラッチリテイナ270が遠位に平行移動させられ、ラッチ212の歯214がラッチリテイナ270の固定部材272を通過した後に、ラッチリテイナ270はリテイナばね280の付勢によって近位に平行移動
させられ、その結果、固定部材272は、レバー210の歯214と表面216との間の距離「d」の中に進ませられる。この位置において、ラッチ212は、ラッチリテイナ270によって解放可能に保持され、発射トリガ20の作動が可能となる。
【0068】
アンビルアセンブリ30およびシェルアセンブリ31が(例えば、第2の方向への接近ノブ22の回転によって)アンビルアセンブリ30とシェルアセンブリ31との間隔を空けた位置の方に動かされ、従って多分組織をクランプしない場合、安全機構200は、レバー210がレバー210の第1のブロッキング位置に動き、従ってステープルの発射を妨げるように構成される。特に、アンビルアセンブリ30およびシェルアセンブリ31がアンビルアセンブリ30とシェルアセンブリ31との間隔を空けた位置の方に動かされると、ねじストップ40が遠位に動かされる。従って、プレート250の遠位部分252と接触し、プレート250の遠位部分252を近位に進めるねじストップ40の部分42もまた、遠位に動く。結果として、プレートばね260の遠位の付勢は、十分抵抗されないで、プレート250は遠位に平行移動させられる。プレート250が遠位に平行移動すると、ラッチリテイナ270およびリテイナばね280もまた(下記に論議されるように、解放点まで)遠位に平行移動し、その結果、ラッチリテイナ270はラッチ212を解放する。安全ばね230によって行使される付勢と共に、ラッチ212の解放は、レバー210がレバー210の第1のブロッキング位置の方に動くようにさせる。従って、組織のクランプを外した後、安全機構200は、発射トリガ30の作動を妨げる(すなわち、アンビルアセンブリ30およびシェルアセンブリ31は、アンビルアセンブリ30とシェルアセンブリ31との間隔を空けた(接近しない)位置の方に動かされる)。
【0069】
理解され得るように、安全機構200の様々な構成要素の公差は、レバー210をレバー210の第1のブロッキング位置に戻すのに十分なクランプしない量を決定するのを助ける。例えば、解放点は、ラッチ212とラッチリテイナ270の固定部材272との間のオーバラップ「O」(図9A)によって決まり得る。オーバラップ「O」は、例えば、所望の効果によって、約0.010インチ〜約0.080インチであり得る。他の距離もまた意図される。そのような例において、オーバラップ「O」が小さければ小さいほど、レバー210がレバー210の第1のブロッキング位置に戻るようにするのに必要なクランプしない量が少なくなり、逆もまた同様である。
【0070】
本開示はまた、図4図9に示されるように、インジケータ機構100の使用を意図する。第1の位置において、インジケータ102は、器具が開放の接近していない位置にあるという表示を外科医に提供する。第2の位置において、インジケータ102は、器具が接近して、現在、発射準備完了位置にあるという表示を外科医に提供する。第3の位置において、インジケータ102は、器具が発射されたという表示を外科医に提供する。インジケータ機構のさらなる詳細は、本明細書に参考として援用される米国特許第7,303,106号に示されかつ説明される。
【0071】
本開示はまた、外科手術処置を実行する方法に関する。方法は、上記に説明のように外科手術器具を提供し、外科手術部位に隣接して外科手術器具の位置を決め、シェルセンブリ31に対してアンビルアセンブリ30をアンビルアセンブリ30の接近した位置からアンビルアセンブリ31の間隔を空けた位置の方に動かし、安全機構200の部分(例えば、レバー210)を安全機構200の第2の位置から安全機構200の第1の位置に動かす、ステップを包含する。
【0072】
接近アセンブリ、発射アセンブリ、およびロックアウト機構などの外科手術器具10の他の特徴の更なる詳細は、同一人が所有の米国特許第7,168,604号および第7,303,106号に開示され、該特許の各々の内容全体が本明細書に参考として援用される。
【0073】
本明細書において開示される実施形態に対して様々な修正がなされ得ることは理解される。例えば、開示される安全機構は、例えば、直線のジョー部材を有する外科手術ステープリング器具、湾曲したジョー部材を有する外科手術器具、および脈管閉鎖器具などの組織を接合する他のタイプの外科手術器具と共に用いられ得る。直線の外科手術ステープリング器具のさらなる詳細は、Millimanらへの同一人が所有の米国特許第6,953,139号に詳細に説明され、該特許の内容全体が本明細書に参考としてここに援用される。同一人所有の脈管閉鎖器具の例は、米国特許第7,118,570号に開示され、該特許の内容全体が本明細書に参考としてここに援用される。従って、上記の説明は、限定することとして解釈されるべきではなく、単に、開示される実施形態の実例として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲および精神内における他の修正を予想する。
【符号の説明】
【0074】
10 外科手術ステープリング器具
12 ハンドルアセンブリ
14 細長い本体部分
16 ヘッド部分
18 固定ハンドル
20 発射トリガ
22 接近機構
30 アンビルアセンブリ
31 シェルアセンブリ
40 ねじストップ
44 リブ
100 インジケータ機構
102 インジケータ
200 安全機構
210 レバー
212 ラッチ
214 歯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図9A
図10