【課題を解決するための手段】
【0008】
(概要)
本開示は、ハンドルアセンブリと、安全機構と、細長い本体部分と、ヘッド部分とを備えている外科手術器具に関する。ハンドルアセンブリは、固定ハンドルと、接近機構と、発射トリガとを含む。安全機構のレバーは、発射トリガが作動するのを妨げられる第1の位置と、発射トリガが作動することが可能である第2の位置との間で可動である。接近機構は、第2のジョー部材に対して間隔を空けた位置から接近した位置に第1のジョー部材を動かし、この場合、第2のジョー部材に対する、接近した位置から間隔を空けた位置の方への第1のジョー部材の移動は、レバーをレバーの第2の位置からレバーの第1の位置に動かす。
【0009】
一実施形態において、レバーは、レバーの第1の位置の方に付勢される。好ましい実施形態において、安全機構は、レバー上に配置されるラッチと、固定ハンドル上に配置されるラッチリテイナとを含み、この場合、ラッチおよびラッチリテイナは、レバーをレバーの第2の位置に解放可能に維持するように構成される。ラッチリテイナは、近位に付勢される。好ましい実施形態において、接近した位置から第1のジョー部材の間隔を空けた位置の方への、第1のジョー部材の所定の量の移動は、ラッチリテイナの遠位の移動を引き起こし、ラッチを解放する。
【0010】
いくつかの実施形態において、安全機構は、固定ハンドルと機械的に協働するように配置されるプレートを含み、プレートは、遠位に付勢される。プレートのリップは、好ましくはレバーの第2の位置の方へのレバーの移動を妨げる。
【0011】
レバーは、好ましくは、レバーがレバーの第1の位置にあるとき、発射トリガと機械的に係合するように構成され、発射トリガは、第1のジョーから第2のジョーと接触するように複数のファスナを発射する。
【0012】
本開示は、別の局面において、固定ハンドルと、接近機構と、複数のファスナを発射する発射トリガとを含むハンドルアセンブリを備えている外科手術器具を提供する。安全機構は、ハンドルアセンブリと機械的に協働するように配置され、ファスナの発射を妨げる第1の位置と、ファスナの発射を可能にする第2の位置との間で可動である。安全機構は、第2の位置において保持される。細長い本体部分は、ハンドルアセンブリから遠位に延びる。ヘッド部分は、細長い本体部分の遠位端に隣接して配置され、かつ第1のジョー部材と第2のジョー部材とを含み、第1のジョー部材は、第2のジョー部材に対して、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である。接近機構は、第2のジョー部材に対して間隔を空けた位置から接近した位置に第1のジョー部材を動かし、この場合、ファスナの発射の前に、第2のジョー部材に対する、接近した位置から間隔を空けた位置の方への第1のジョー部材の移動は、安全機構が、解放され、安全機構の第2の位置から安全機構の第1の位置に移動するようにする。
【0013】
いくつかの実施形態において、複数のファスナは、第2のジョーに保持される。
【0014】
好ましい実施形態において、安全機構は、第2の位置においてラッチリテイナによって保持されるレバーを含む。好ましくは、接近した位置から間隔を空けた位置の方への、第1のジョー部材の所定の量の移動は、ラッチリテイナの遠位の移動を引き起こし、ラッチを解放する。
【0015】
いくつかの実施形態において、安全機構は、固定ハンドルと機械的に協働するように配置されるプレートを含み、プレートは、遠位に付勢され、接近機構の移動によって動かされる。プレートのリップは、いくつかの実施形態において、レバーの第2の位置の方へのレバーの移動を妨げる。
【0016】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
【0017】
(項目1)
固定ハンドルと、接近機構と、発射トリガとを含むハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリと機械的に協働するように配置され、かつレバーを含む安全機構であって、該レバーは、該発射トリガが作動するのを妨げられる第1の位置と、該発射トリガが作動することが可能である第2の位置との間で可動である、安全機構と、
該ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長い本体部分と、
該細長い本体部分の遠位端に隣接して配置され、かつ第1のジョー部材と第2のジョー部材とを含むヘッド部分であって、該第1のジョー部材は、該第2のジョー部材に対して、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である、ヘッド部分と、
接近機構であって、該接近機構は、該第2のジョー部材に対して間隔を空けた位置から接近した位置に該第1のジョー部材を動かし、該第2のジョー部材に対する、該接近した位置から該間隔を空けた位置の方への該第1のジョー部材の移動は、該レバーを該第2の位置から該第1の位置に動かす、接近機構と
を備えている、外科手術ステープリング器具。
【0018】
(項目2)
上記レバーは、該レバーの第1の位置の方に付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0019】
(項目3)
上記安全機構は、上記レバー上に配置されるラッチと、上記固定ハンドル上に配置されるラッチリテイナとを含み、該ラッチおよびラッチリテイナは、該レバーを該レバーの第2の位置に解放可能に維持するように構成される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0020】
(項目4)
上記ラッチリテイナは、近位に付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
【0021】
(項目5)
上記接近した位置から上記間隔を空けた位置の方への、上記第1のジョー部材の所定の量の移動は、上記ラッチリテイナの遠位の移動を引き起こし、上記ラッチを解放する、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0022】
(項目6)
上記接近した位置から間隔を空けた上記第1のジョー部材の位置の方への、該第1のジョー部材の所定の量の移動は、上記ラッチが上記ラッチリテイナに解放可能に維持されているとき、該ラッチリテイナに該ラッチを解放させ、該ラッチの該解放は、該レバーの第1の位置に該レバーを動かす、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0023】
(項目7)
上記安全機構は、上記固定ハンドルと機械的に協働するように配置されるプレートを含み、該プレートは、遠位に付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0024】
(項目8)
上記プレートのリップは、上記レバーの第2の位置の方への該レバーの移動を妨げる、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0025】
(項目9)
上記第1のジョー部材と上記第2のジョー部材との接近は、上記プレートの近位への平行移動を引き起こし、その結果、上記レバーは該レバーの第2の位置の方に動くことが可能である、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0026】
(項目10)
上記第1のジョー部材と上記第2のジョー部材との接近は、上記プレートの近位への平行移動を引き起こし、その結果、上記リップは上記レバーの一部分を超えて近位に動かされ、結果として、該レバーが該レバーの第2の位置の方に動くことを可能にする、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0027】
(項目11)
上記レバーは、該レバーが該レバーの第1の位置にあるとき、上記発射トリガと機械的に係合するように構成される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0028】
(項目12)
上記発射トリガは、上記第1のジョー部材から上記第2のジョー部材と接触するように複数のファスナを発射する、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0029】
(項目13)
複数のファスナが上記第2のジョーに保持される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0030】
(項目14)
上記安全機構は、上記固定ハンドルと機械的に協働するように配置されるプレートを含み、該プレートは、遠位に付勢され、上記接近機構の移動によって動かされる、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0031】
本発明は、さらに以下の項目を提供する。
【0032】
(項目1A)
固定ハンドルと、接近機構と、発射トリガとを含むハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリと機械的に協働するように配置され、かつレバーを含む安全機構であって、該レバーは、該発射トリガが作動するのを妨げられる第1の位置と、該発射トリガが作動することが可能である第2の位置との間で可動である、安全機構と、
該ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長い本体部分と、
該細長い本体部分の遠位端に隣接して配置され、かつ第1のジョー部材と第2のジョー部材とを含むヘッド部分であって、該第1のジョー部材は、該第2のジョー部材に対して、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である、ヘッド部分と、
接近機構であって、該接近機構は、該第2のジョー部材に対して間隔を空けた位置から接近した位置に該第1のジョー部材を動かし、該第2のジョー部材に対する、該接近した位置から該間隔を空けた位置の方への該第1のジョー部材の移動は、該レバーを該第2の位置から該第1の位置に動かす、接近機構と
を備えている、外科手術ステープリング器具。
【0033】
(項目2A)
上記レバーは、該レバーの第1の位置の方に付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0034】
(項目3A)
上記安全機構は、上記レバー上に配置されるラッチと、上記固定ハンドル上に配置されるラッチリテイナとを含み、該ラッチおよびラッチリテイナは、該レバーを該レバーの第2の位置に解放可能に維持するように構成される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0035】
(項目4A)
上記ラッチリテイナは、近位に付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
【0036】
(項目5A)
上記接近した位置から上記間隔を空けた位置の方への、上記第1のジョー部材の所定の量の移動は、上記ラッチリテイナの遠位の移動を引き起こし、上記ラッチを解放する、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0037】
(項目6A)
上記接近した位置から間隔を空けた上記第1のジョー部材の位置の方への、該第1のジョー部材の所定の量の移動は、上記ラッチが上記ラッチリテイナに解放可能に維持されているとき、該ラッチリテイナに該ラッチを解放させ、該ラッチの該解放は、該レバーの第1の位置に該レバーを動かす、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0038】
(項目7A)
上記安全機構は、上記固定ハンドルと機械的に協働するように配置されるプレートを含み、該プレートは、遠位に付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0039】
(項目8A)
上記プレートのリップは、上記レバーの第2の位置の方への該レバーの移動を妨げる、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0040】
(項目9A)
上記第1のジョー部材と上記第2のジョー部材との接近は、上記プレートの近位への平行移動を引き起こし、その結果、上記レバーは該レバーの第2の位置の方に動くことが可能である、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0041】
(項目10A)
上記第1のジョー部材と上記第2のジョー部材との接近は、上記プレートの近位への平行移動を引き起こし、その結果、上記リップは上記レバーの一部分を超えて近位に動かされ、結果として、該レバーが該レバーの第2の位置の方に動くことを可能にする、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0042】
(項目11A)
上記レバーは、該レバーが該レバーの第1の位置にあるとき、上記発射トリガと機械的に係合するように構成される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0043】
(項目12A)
上記発射トリガは、上記第1のジョー部材から上記第2のジョー部材と接触するように複数のファスナを発射する、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0044】
(項目13A)
固定ハンドルと、接近機構と、複数のファスナを発射する発射トリガとを含むハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリと機械的に協働するように配置され、ファスナの発射が妨げられる第1の位置と、ファスナの発射が可能である第2の位置との間で可動である安全機構であって、該安全機構は該第2の位置に保持される、安全機構と、
該ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長い本体部分と、
該細長い本体部分の遠位端に隣接して配置され、かつ第1のジョー部材と第2のジョー部材とを含むヘッド部分であって、該第1のジョー部材は、該第2のジョー部材に対して、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である、ヘッド部分と、
接近機構であって、該接近機構は、該第2のジョー部材に対して間隔を空けた位置から接近した位置に該第1のジョー部材を動かし、該ファスナの発射の前に、該第2のジョー部材に対する、該接近した位置から該間隔を空けた位置の方への該第1のジョー部材の移動は、該安全機構が、解放され、該第2の位置から該第1の位置に移動するようにする、接近機構と
を備えている、外科手術器具。
【0045】
(項目14A)
上記複数のファスナは、上記第2のジョーに保持される、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0046】
(項目15A)
上記安全機構は、上記第2の位置においてラッチリテイナによって保持されるレバーを含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0047】
(項目16A)
上記接近した位置から上記間隔を空けた位置の方への、上記第1のジョー部材の所定の量の移動は、上記ラッチリテイナの遠位の移動を引き起こし、上記ラッチを解放する、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0048】
(項目17A)
上記安全機構は、上記固定ハンドルと機械的に協働するように配置されるプレートを含み、該プレートは、遠位に付勢され、上記接近機構の移動によって動かされる、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0049】
(項目18A)
上記プレートのリップは、上記レバーの第2の位置の方への該レバーの移動を妨げる、上記項目のいずれかに記載の外科手術ステープリング器具。
【0050】
(摘要)
ハンドルアセンブリと、安全機構と、細長い本体部分と、ヘッド部分とを含む外科手術器具が開示される。ハンドルアセンブリは、固定ハンドルと、接近機構と、発射トリガとを含む。安全機構のレバーは、発射トリガが作動するのを妨げられる第1の位置と、発射トリガが作動することが可能である第2の位置との間で可動である。ヘッド部分の第1のジョー部材は、ヘッド部分の第2のジョー部材に対して、間隔を空けた位置と接近した位置との間で可動である。第2のジョー部材に対する、接近した位置から間隔を空けた位置の方への第1のジョー部材の移動は、安全機構のレバーをレバーの第2の位置からレバーの第1の位置に動かす。
【0051】
ここで開示される外科手術ステープリング器具の様々な実施形態は、図面を参照して本明細書において開示される。