特許第5653338号(P5653338)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5653338
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】コーティング方法及びコーティング装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/00 20060101AFI20141218BHJP
   A61F 2/30 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   A61L27/00 F
   A61F2/30
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-281607(P2011-281607)
(22)【出願日】2011年12月22日
(65)【公開番号】特開2012-130706(P2012-130706A)
(43)【公開日】2012年7月12日
【審査請求日】2012年4月20日
(31)【優先権主張番号】10 2010 055 560.6
(32)【優先日】2010年12月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508316210
【氏名又は名称】ヘレーウス メディカル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Medical GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100112793
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳大
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(74)【代理人】
【識別番号】100156812
【弁理士】
【氏名又は名称】篠 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100167852
【弁理士】
【氏名又は名称】宮城 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン フォークト
(72)【発明者】
【氏名】クラウス−ディーター キューン
【審査官】 山村 祥子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07563324(US,B1)
【文献】 特表2007−510446(JP,A)
【文献】 特開平01−113058(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0251824(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 27/00
A61F 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用インプラント、少なくとも医療用インプラントの部分をコーティングする方法において、
コーティングされる表面を有する医療用インプラントを提供し、
医療用インプラントのコーティングされる表面を、少なくとも1つの医薬的に活性の物質を含有する少なくとも1つの液体に浸漬させ、液体を、浸漬により医療用インプラントの表面に転移させ、
医療用インプラントのコーティングされる表面を液体から引き出し、液体の一部が、医療用インプラントのコーティングされる表面に付着したままであり、前記液体は、開口を有する容器に提供されており、医療用インプラントを、コーティングされる表面をコーティングするために開口を通じて導入し、医療用インプラントを、該医療用インプラントを液体に浸漬する前に、液体が配置された容器に導入し、医療用インプラントへの液体の転移後に容器から引き出し、転移された液体の一部を、容器から医療用インプラントを引き出す時に、ワイパにおいて拭い落とすものであり、
前記ワイパ(6,16)がディスク状であり、ディスク(6)の上側と下側とを接続する少なくとも1つの切欠(17)を有する、又は、前記ワイパ(6,16)が、円錐のエンベロープ(16)又は半球面状の形状であり、該円錐又は該半球の先端が液体(8)に向けられており、該円錐のエンベロープ(16)又は該半球が、前記ワイパ(6,16)の上側と下側とを接続する少なくとも1つの切欠を有することを特徴とする、医療用インプラント、少なくとも医療用インプラントの部分をコーティングする方法。
【請求項2】
医療用インプラントを液体に浸漬させる前に、前記医療用インプラントを膜に押し通すか又は膜を開放させ、膜は、少なくとも液体の領域をカバーしている、請求項1記載の方法。
【請求項3】
治療シナリオに合致する液体を提供し、治療シナリオに合致する抗生物質又は抗生物質の混合物を液体に導入する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
医療用インプラントの表面の少なくとも50%をコーティングする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
医療用インプラントを浸漬する前に、第2の液体を転移手段を介して医療用インプラントの表面に転移させる、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
医療用インプラントへの液体の転移後に、該医療用インプラントの濡れた表面に粉末を塗布し、医療用インプラントを粉末に浸漬するものであり、該粉末は少なくとも1つの医薬的に活性の物質を含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
医療用インプラントのコーティングされた領域を色によって識別することができるように、液体は着色されるように形成される、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法によって医療用インプラント、少なくとも医療用インプラントの部分をコーティングするための装置(1,11)において、
少なくとも1つの医薬的に活性の物質を含有する液体(8)を含む容器(4,14)が設けられており、該容器(4,14)が、医療用インプラントを導入及び抜出するための開口を有しており、開口と液体(8)との間の開口の領域に配置されたワイパ(6,16)が設けられており、
前記ワイパ(6,16)がディスク状であり、ディスク(6)の上側と下側とを接続する少なくとも1つの切欠(17)を有する、又は、前記ワイパ(6,16)が円錐のエンベロープ(16)又は半球面状の形状であり、該円錐又は該半球の先端が液体(8)に向けられており、該円錐のエンベロープ(16)又は該半球が、前記ワイパ(6,16)の上側と下側とを接続する少なくとも1つの切欠を有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法によって医療用インプラント、少なくとも医療用インプラントの部分をコーティングするための装置(1,11)。
【請求項9】
前記開口が、引抜き式蓋によって閉鎖されている、請求項8記載の装置(1,11)。
【請求項10】
前記液体(8)の上方に、医療用インプラントに第2の液体を転移するために使用することができる転移手段が配置されており、第2の液体が転移手段に含まれている、請求項8又は9記載の装置(1,11)。
【請求項11】
医薬的に活性の物質が、医薬的に活性の用量で抗生物質及び/又は有機防腐剤を含有している、請求項8から10までのいずれか1項記載の装置(1,11)。
【請求項12】
真空源に接続することができかつ好適にはワイパ(6,16)と液体(8)との間に配置された真空接続部が設けられている、請求項8から11までのいずれか1項記載の装置(1,11)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用インプラント、好適には人工関節又は関節用固定具の少なくとも一部をコーティングする方法に関する。
【0002】
本発明は、前記方法を使用して、医療用インプラントの少なくとも一部をコーティングするための装置にも関する。
【背景技術】
【0003】
医薬的作用物質による医療用インプラントのコーティングに対する注目が近年高まっている。インプラント材料表面の抗生物質保護は、このようなコーティング方法の主な用途である。骨の一体化(osseointegration)を改良するための、医療用インプラント若しくは非セメント式医療用インプラントの表面適合性の改良は、別の重要な用途である。
【0004】
内部人工器官のあらゆるインプランテーション、及び骨接合材料のあらゆるインプランテーションには、微生物汚染のリスクが関係する。インプラント表面における微生物病原体の定着が成功すると、術後の骨炎又は骨髄炎の症状発現につながる恐れがある。骨炎又は骨髄炎は、患者にとって深刻な合併症であり、さらには、著しいコストに関係する。
【0005】
ゲンタマイシンがドーピングされたPMMA骨セメントは、セメント式内部人工器官において、長年医療現場で使用されており、大きな成功を収めている。骨セメントに含有される広帯域抗生物質、ゲンタマイシンは、骨セメントの表面を細菌感染から有効に保護する。
【0006】
非セメント式内部人工器官及び骨接合材料に関して、インプラント表面の局所的な抗生物質保護をも達成するために多くのアプローチが提案されている。
【0007】
例えば、低水溶性の抗生物質塩の使用が、複数の特許文献に記載されている。典型的な目的のために、欧州特許出願公開第0623349号明細書、欧州特許出願公開第1470829号明細書、欧州特許出願公開第1374923号明細書、独国特許出願公開第10142465号明細書、及び独国特許出願公開第4404018号明細書をここで引用することができる。前記低水溶性の塩は、体液の作用の結果、そこに含まれる抗生物質を解放しながら溶解する。作用物質の長期の解放は有利である。しかしながら、前記塩の困難な製造は不利である。
【0008】
択一的に、水溶性の抗生物質塩を使用することも可能である。これは、インプラント表面への抗生物質の固定に関連する問題に関係する。
【0009】
ここまで説明したコーティングの大部分は、好適には、工業的条件の下での、コーティングされたインプラントの製造のために意図されている。これは、前記インプラントの工業的コーティングが、工業的製造が十分に高いスループットにより経済的であることを保証することができるように、大規模使用のために関連する幾つかの作用物質のみを用いることができることを意味する。
【0010】
しかしながら、特に抗生物質コーティングの場合には、MRSA及びMRSE等の、ますます蓋然的な耐性ステータス及び多耐性病原体のその後の増大した発現を考慮し、インプラント表面の有効初期抗生物質保護を保証するため、一段又は二段敗血症内部人工器官交換における修正内部人工器官のコーティングのために、手近に細菌に特に適応された抗生物質又は抗生物質の組合せを使用することが関心事である。
【0011】
医療用インプラントをコーティングする方法は比較的困難であるという点で、これは不都合である。可変短期適用は適していない。従って、様々なシナリオは、様々な患者の要求を満たすために様々なコーティングされた医療用インプラントの貯蓄を必要とする。これは、広範囲な貯蓄を必要とし、特定のケースのための一般的でない混合を回避する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0623349号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1470829号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1374923号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10142465号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第4404018号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の課題は、従来技術の欠点を克服することである。特に、この目的のために、進行中の手術(OR)を妨害することなく医療用内部人工器官をコーティングするために使用することができる単純でかつ容易に使用される方法及び装置が提供される。その目的は、同じ方法及び同じ装置を使用してできるだけ多くの異なる医療用インプラントをコーティングできるようにすることである。さらに、この方法及び装置は、医療ニーズ、特に患者のための適切な医療、に適合させることができるように、使用するために可変であるべきである。手術室において要求される清浄度は、考慮すべき別の要因である。
【0014】
あらゆる製造者からの極めて異なるインプラントを医薬製剤でコーティングするために、最小限の時間消費で、進行中の手術中のORスタッフによって使用することができる、できるだけ単純なコーティング方法を開発することも、本発明の課題である。さらに、できるだけ少ない努力でOR条件下でインプラントをORスタッフがコーティングすることを可能にする単純なコーティング装置を開発することは、本発明の課題である。さらに、装置は、できるだけ、コーティングの製造により生じる余分な材料がORエリアを汚染することができないように設計されるべきである。別の課題は、装置が特に非セメント式内部人工器官及び骨接合材料のコーティングに適しているべきであるということである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の課題は、コーティングされる表面を有する医療用インプラントが提供され、コーティングされる医療用インプラント表面が、少なくとも1つの医薬的に活性の物質を含有する液体に浸漬され、浸漬により液体が医療用インプラントの表面へ転移され、コーティングされる医療用インプラント表面が液体から引き出され、液体の一部が、コーティングされる医療用インプラント表面に付着したままとなることによって、達成される。
【0016】
本発明による方法は、医療用インプラントを挿入する前に行われる。従って、前記方法は"生体外で(ex vivo)"進行する。
【0017】
本発明によれば、医薬的に活性の物質は、医薬的に有効な手段、又は薬理学的な効果を有する手段、及び薬理学的な効果を補助するか又はあらゆるその他の形式で生体の自然治癒力を補助する手段であると理解される。その例は、抗生物質、有機防腐剤、銅塩、酸化銅、ガリウム塩、ストロンチウム塩、リチウム塩、銀塩、酸化銀、ビスホスホネート、成長因子、ステロイドホルモン、非ステロイドホルモン、止血剤、抗炎症剤、プラスミド、コスミド、リニアDNA、及びこれらの混合物を含む。
【0018】
本発明によれば、浸漬は、大量の液体に浸漬することだけを意味しないと理解されるべきである。液体容器の形状が、コーティングされる医療用インプラントの形状に合致するならば、少量の液体でも、コーティングされる医療用インプラント表面全体をコーティングするために十分であることができる。次いで、液体は医療用インプラントと液体容器との間で上方へ押し上げられる。
【0019】
発明の範囲は、適用可能であるならば、コーティングされるインプラントが、繰り返し液体に導入されかつ液体から引き出されることをも含む。
【0020】
さらに、発明は、コーティングされる医療用インプラントが、人工股関節、人工肩関節、人工肘関節、骨髄釘、及び骨接合プレートから選択されることを規定することができる。
【0021】
本発明の範囲は、液体が抗生物質の水溶液を含むこと、好適には、10.0〜88.0質量%の硫酸ゲンタマイシン含有量を有する水性硫酸ゲンタマイシン溶液が使用されることを規定することもでき、その場合、75.0〜80.0質量%の硫酸ゲンタマイシン含有量を有する硫酸ゲンタマイシン溶液を使用することが特に好適である。前記硫酸ゲンタマイシン溶液は、油性−粘性稠性を有しており、金属表面に極めて良好に付着する。
【0022】
これに関連して、本発明はさらに、一般的な医薬的安定剤が硫酸ゲンタマイシン溶液に含有されていることを規定することもできる。これらは、塗布される液体の耐久性及び使用適性を改善する。
【0023】
本発明は、液体又は液体の成分としての、硫酸トブラマイシン、硫酸アミカシン、硫酸ネチルマイシン、硫酸シソマイシンの水溶液等の、他のアミノグリコシド系抗生物質溶液の使用も規定することができる。バンコマイシン、ダルババンシン、ラモプラニン、ダプトマイシン、モキシフロキサシン、クリンダマイシン、及びリンコマイシンの水溶液を使用することも適している。
【0024】
さらに、本発明の範囲は、液体として、様々な抗生物質の溶液の組合せの使用を規定することができる。その例は、硫酸ゲンタマイシンと塩酸バンコマイシンの2つの抗生物質の組合せ、ダプトマイシンと硫酸ゲンタマイシンの2つの抗生物質の組合せ、硫酸ゲンタマイシンとクリンダマイシンの2つの抗生物質の組合せ、及び硫酸ゲンタマイシンと、塩酸バンコマイシンと、塩酸クリンダマイシンの3つの抗生物質の組合せを含む。
【0025】
本発明はさらに、液体として使用される防腐剤溶液、特に、クロロヘキシジンジグルコネート、二酸化水素化オクテニジン、及びポリヘキサニドの溶液を規定することができる。
【0026】
特に有利な改良によれば、本発明は、液体が、開口を有する容器に提供され、医療用インプラントが、コーティングされる表面をコーティングするために開口を通じて導入されることを規定することができる。
【0027】
本発明による方法は、医療用インプラントを液体に浸漬する前に医療用インプラントが膜に押し通されるか又は膜が開放され、膜が、液体の少なくとも一部をカバーし、好適には膜が容器における液体の全てをカバーすることを特徴とすることもできる。これらの2つの手段により、使用される装置は容易に搬送されるので、方法は様々な場所で容易に使用される。
【0028】
本発明による方法の別の改良は、治療シナリオに合致する液体が提供されることを規定することができる。
【0029】
本発明は、治療シナリオに合致する抗生物質又は抗生物質の混合物が液体に導入されることを規定することができる。これらの2つの手段により、それぞれの患者の実際の治療シナリオへの個々の適応が可能になる。
【0030】
これに関連して、本発明は、医療用インプラントを液体に浸漬する前に、医療用インプラントが、液体が配置された容器に導入され、医療用インプラントへの液体の転移後に容器から引き出されることを規定することができる。
【0031】
本発明は、医療用インプラントを液体に浸漬する前に医療用インプラントが膜に押し通されるか又は膜が開放され、膜は液体の少なくとも一部をカバーしており、好適には、膜は容器における液体の全てをカバーしている。膜は、使用前に液体の汚染を防止する。膜に穿孔することは、保護膜が使用の直前に初めて開放されることを保証する。この目的のために、膜の構造は、膜の断片又はその他の部分が液体に進入するか又は医療用インプラントに付着することができないようになっているべきである。
【0032】
特に医療用インプラントを容器から引き出す時に、転移された液体の一部が、ワイパにおいて拭い落とされ、ワイパがこの目的のために設計されていることは特に好ましい。これは、液体による周囲環境、すなわち特にORエリアの汚染を防止又は少なくとも低減することができる。これは、抗生物質の使用時に特に推奨される。なぜならば、これにより、ORエリアにおける耐性病原体の発展が防止されるからである。
【0033】
さらに、本発明は、医療用インプラントの表面の少なくとも50%、好適には医療用インプラントの表面の少なくとも80%、特に好適には少なくとも90%がコーティングされることを規定することができる。
【0034】
本発明による方法は、好適には少なくとも1つの医薬的に活性の物質を含有する第2の液体が、医療用インプラントを浸漬する前に医療用インプラントの表面に転移手段を介して転移されることも特徴とする。
【0035】
これに関して、本発明は、医療用インプラントが、弾性変形することができる転移手段上を摺動させられ、これにより、転移手段上を摺動しながら第2の液体が転移手段から、コーティングされる医療用インプラント表面へ転移されることを規定することができる。弾性変形することができる転移手段を使用して達成することは、転移手段によって塗布される第2の液体を、不規則に成形された医療用インプラントに、広範囲にわたって塗布することもできるということである。転移手段が多孔質であり、第2の液体が転移手段の孔に貯蔵されることも特に好ましい。転移手段を、第2の液体が(第1の)液体に滴下することなく(第1の)液体の上方に配置することができる。これは、特に(第1の)液体をカバーするための膜との組合せにおいて有利である。
【0036】
本発明は、医療用インプラントへの液体の転移後に医療用インプラントの濡れた表面に粉末が提供され、好適には、医療用インプラントが粉末に浸漬され、粉末が、好適には、少なくとも1つの骨成長促進物質を含有することを規定することもできる。
【0037】
コーティングされた領域及びコーティングの完了を可視化するために、本発明は、医療用インプラントのコーティングされた領域を色によって識別することができるように液体は着色されるように形成されることを規定することができる。
【0038】
これに関して、本発明は、コーティングされる領域のコーティングの完了が前記着色によって試験されることを規定することができる。
【0039】
本発明は、コーティングされる医療用インプラント表面の完全なコーティングが達成されるために必要なだけ頻繁に方法が繰り返されることを規定することもできる。特に、液体の着色及び前記着色によるコーティングの完了の試験に関連して、本発明によればこれは十分にコーティングされた医療用インプラントを得るために有利である。
【0040】
インプラントが導入された容器が閉鎖及び/又は封止されることは有利であることができる。これは、この目的のために設計された蓋を閉鎖することによって行うことができる。
【0041】
本発明は、インプラントが封入された容器がその後に短時間だけ振られることを規定することができる。
【0042】
本発明の課題は、前記方法を使用して医療用インプラント、少なくとも医療用インプラントの部分をコーティングするための装置によっても達成され、この装置は、少なくとも1つの医薬的に活性の物質を含有する液体を有する容器を有し、容器は、医療用インプラントを導入及び抜出するための開口を有している。
【0043】
これに関して、本発明は、開口が、引抜き式蓋によって閉鎖されることを規定することができる。これにより、容器の内部の汚染が防止される。
【0044】
本発明の特に有利な改良は、装置が、好適には開口の領域、特に開口と転移手段との間に配置されたワイパを有することを規定することができる。
【0045】
これに関して、本発明は、ワイパがディスク状であり、ディスクの上側と下側を接続する少なくとも1つの切欠を有することを規定することができる。インプラントを、前記少なくとも1つの切欠を通じて装置に導入することができる。ワイパに形成された半径方向の切欠を有することが特に有利である。これにより、コーティングが完了した後にインプラントの外周面全体を拭い、コーティングされたインプラント表面から余分な量の溶液又は懸濁液を除去することができる。さらに、インプラントを液体から引き出す間に生じる恐れがある、液体の液滴の解放を有効に防止することができる。これにより、手術中の汚染が大幅に防止される。
【0046】
さらに、本発明は、ワイパが円錐のエンベロープ(an envelope of cone)又は半球面状に成形されており、円錐又は半球の先端は液体に向けられており、円錐のエンベロープ又は半球は好適には、ワイパの上側と下側とを接続する少なくとも1つの切欠を有することを規定することができる。
【0047】
本発明は、転移手段が、医療用インプラントに第2の液体を転移させるために使用することができる液体の上方に配置され、第2の液体が転移手段に含有されていることを規定することもできる。
【0048】
これに関して、本発明は、転移手段が孔を有しており、転移手段の孔が第2の液体を、好適には溶液及び/又は懸濁液の形態で含有しており、第2の液体が好適には第2の医薬的に活性の物質を含有することを規定することができる。
【0049】
本発明の改良は、転移手段が、第2液体をコーティングされる医療用インプラント表面へ転移させるために使用することができる少なくとも1つのローラ、少なくとも1つの回転可能な球体及び/又は少なくとも1つのスポンジを有することを規定することができる。これにより、第2の液体の量が減じられ、(第1の)液体との大量の第2の液体の意図しない混合が防止される。
【0050】
特に好適な改良によれば、本発明は、提供されるコーティングが医薬的に活性の用量を含むような形式で、医薬的に活性の物質が、好適には第2の医薬的に活性の物質も、抗生物質及び/又は有機防腐剤を含有することを規定することができる。
【0051】
さらに、本発明は、装置が、真空源に接続することができかつ好適にはワイパと液体との間に配置された真空接続部を有することを規定することができる。これは、付加的に、液体の液滴の吸入、及び適用可能であるならば残留粉末の吸入により、薬剤による手術室の汚染が生じないことを保証することができる。
【0052】
本発明は、ワイパが、生体適合性エラストマ、熱可塑性材料、金属箔、又は金属−エラストマ組合せ又は金属−プラスチック組合せから製造された複合材から形成されていることを規定することもできる。
【0053】
さらに、本発明は、リングとしてのワイパを規定することができ、リングは、容器の中心に関して半径方向に配置された剛毛を含む。前記剛毛は、プラスチック材料から形成することができ、剛毛の機械的安定性及び係止は、前記剛毛が破断又は分離されないように十分に強くなっている。
【0054】
改良によれば、本発明は、弾性接続手段を介して容器に接続された回転可能又は回転不能なローラ及び/又は球体の形態のワイパを提供する。前記構造により、余分な液体、適用可能であるならば余分な粉末は、特に容易に拭い落とされる。
【0055】
装置を薬剤の粉末、溶液及び/又は懸濁液で予め充填することができ、ORスタッフは単に装置を開放することだけが必要であり、次いで即座にインプラントをコーティングすることに進むことができる。これに関して、前記コーティングの時間の消費は数秒であり、貴重なOR時間をこれにより節約することができる。
【0056】
択一的に、予め充填されていない装置に、薬剤の溶液又は懸濁液の噴射により及び/又は粉末を充填することにより、まさに手術室において1つ又は2つ以上の薬剤を提供することも可能である。抗生物質コーティングの場合、これは、既存の耐性条件に基づく抗生物質又は抗生物質の組合せの適切な選択を可能にし、これにより、コーティングが抗生物質感受性パターンに合致することを保証する。
【0057】
予め充填されていない装置に、手術前にそれぞれの病院薬局において薬剤の適切な溶液又は懸濁液を充填することも可能であり、手術中に遅れることなくコーティングを行うことができる。
【0058】
これに関して、使用することができる医薬的に活性の物質の例は、抗生物質、有機防腐剤、銅塩、酸化銅、ガリウム塩、ストロンチウム塩、リチウム塩、銀塩、酸化銀、ビスホスホネート、成長因子、ステロイドホルモン、非ステロイドホルモン、止血剤、消炎剤、プラスミド、コスミド、リニアDNA、及びこれらの混合物を含む。
【0059】
本発明によれば、抗生物質の水溶液、好適には10.0〜88.0質量%の硫酸ゲンタマイシン含有量の水性硫酸ゲンタマイシン溶液を、液体として提供することができ、75.0〜80.0質量%の硫酸ゲンタマイシン含有量の硫酸ゲンタマイシン溶液が、特に好ましい。前記硫酸ゲンタマイシン溶液は、油性−粘性稠性を有しており、金属表面に極めて良好に付着する。さらに、一般的な医薬安定剤が、硫酸ゲンタマイシン溶液に存在してもよい。
【0060】
本発明の範囲は、硫酸トブラマイシン、硫酸アミカシン、硫酸ネチルマイシン、硫酸シソマイシンの水溶液等の、他のアミノグリコシド系抗生物質溶液の使用も含む。バンコマイシン、ダルババンシン、ラモプラニン、ダプトマイシン、モキシフロキサシン、クリンダマイシン、及びリンコマイシンの水溶液を使用することも可能である。様々な抗生物質の溶液の組合せの使用も発明の範囲に含まれる。その例は、硫酸ゲンタマイシンと塩酸バンコマイシンの2つの抗生物質の組合せ、ダプトマイシンと硫酸ゲンタマイシンの2つの抗生物質の組合せ、硫酸ゲンタマイシンとクリンダマイシンの2つの抗生物質の組合せ、及び硫酸ゲンタマイシンと、塩酸バンコマイシンと、塩酸クリンダマイシンの3つの抗生物質の組合せを含む。さらに、抗生物質溶液の代わりに防腐剤溶液を使用することも可能である。その例は、クロロヘキシジンジグルコネート、二酸化水素化オクテニジン、及びポリヘキサニドの溶液を含む。
【0061】
発明の範囲は、溶媒として有機溶媒又は有機溶媒の組合せ又は有機溶媒と水の組合せを含有する、抗生物質及び防腐剤の溶液の使用も含む。
【0062】
これは、例えば、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等の低水溶性抗生物質塩が使用されることも許容する。さらに、水性懸濁液の形態の低水溶性抗生物質又は抗生物質塩を使用することもできる。
【0063】
好適には、使用される粉末は、適用可能であるならば、骨成長促進物質を含有する。前記骨成長促進物質は、例えば、β−リン酸三カルシウム、α−リン酸三カルシウム、非晶質リン酸カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸オクタカルシウム、ヒドロキシルアパタイト、フルオロアパタイト、硫酸カルシウム半水化物、硫酸カルシウム二水和物、無水硫酸カルシウム、粉末抗生物質、有機防腐剤、銅塩、酸化銅、ガリウム塩、ストロンチウム塩、リチウム塩、銀塩、酸化銀、ビスホスホネート、成長因子、ステロイドホルモン、非ステロイドホルモン、止血剤、消炎剤、プラスミド、コスミド、リニアDNA、及びこれらの混合物から選択することができる。粉末は、ワイパからインプラント表面へ転移される薬剤を備えた、低水溶性複合剤又は塩を形成する、錯化剤又は塩を含むこともできる。つまり、粉末は、例えば、ゲンタマイシン又はその他の陽イオン抗生物質と共に低水溶性複合剤を形成するテイコプラニンを含むことができる。例えば、粉末は、脂肪酸の又はアルキル硫酸のN−メチルグルカンモニウム塩を含むことも可能であり、これは、反復塩交換により、陽イオン抗生物質の水溶液に曝されると、低水溶性脂肪酸塩又は抗生物質のアルキル硫酸を形成することができる。この手段は、インプラント表面への、薬剤、特に抗生物質の低水溶性複合剤又は塩の提供を可能にする。
【0064】
水の存在において硬化する、非晶質に形成されたリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、硫酸カルシウム半水化物等の、反応性無機粉末を使用することが特に有利である。つまり、安定したコーティングを形成することが可能である。例えば硫酸カルシウム半水化物が粉末として使用される場合、硫酸カルシウム半水化物に、核形成剤としての少量の硫酸カルシウム二水和物及び促進剤としての硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム又は硫酸カリウムを付加することにより、僅か数秒以内での硬化を達することができる。さらに、水性酸、特にリンゴ酸、酒石酸、及びクエン酸の影響に曝した時に僅か数秒以内に硬化するβ−リン酸三カルシウム、α−リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウムの使用も有利である。
【0065】
発明の範囲は、さらに、薬品として又は医薬品としての装置の提供を含む。
【0066】
本発明による装置と、医療用インプラントとの組合せも提供することができる。前記組合せは、装置とインプラントとによって形成され、前記組合せは、0.1秒の最短寿命を有する。組合せはコーティングプロセスの間に生じる。
【0067】
本発明は、単にインプラントを液体に浸漬することによってインプラントの使用の直前でさえも、医療用インプラントをコーティングするために使用される液体を医療用インプラントに塗布することができるという驚くべき発見に基づく。従って、単純な方法及び装置はORにおける使用適性も保証する。
【0068】
初期抗生物質保護のためには、インプラント表面に24〜72時間、十分に高い濃度の1つ又は複数の抗生物質を有すると十分である。従って、医療用インプラントの十分な一時的な局所的抗生物質保護を、単なる水溶性抗生物質の局所的導入によって達成することもできる。
【0069】
従って、製造中に極めて早期に医療用インプラントをコーティングするのではなく、挿入する直前に医療用インプラントをコーティングすることもできる。これにより、比較的短期作用型コーティングを使用することができる。さらに、依然として液体の層を使用することもでき、これは、新たな適用分野を開拓し、新たな作用物質を適用可能にする。
【0070】
発明の典型的な実施の形態を、発明の範囲を制限することなく、2つの概略的な図面に基づき以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】容器における本発明による転移手段の概略的な断面図である。
図2】本発明による装置の概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1は、本発明による装置1の概略的な断面図を示している。装置1は、上部において開放したジャーの形態の容器4を有する。容器4の側壁は、円筒状で均一な厚さを有している。開口の領域、つまり開口のすぐ下方において容器の内部にワイパ6が配置されており、このワイパ6は、開口を閉鎖している。
【0073】
容器4の底及び側壁、及びワイパ6は、疎水性材料から製造されているか又は疎水性層でコーティングされている。ワイパ6の中心から、ワイパ6には、8つの方向にスリット又は切欠が形成されている。
【0074】
8つのスリット若しくは切欠(図示せず)は、容器4の側壁まで完全には延びておらず、これは、ワイパ6を通って医療用インプラントの導入を可能にすることを意味する。つまり、ワイパ6は、医療用インプラントが導入又は抜出される時に、医療用インプラントを拭う8つのフレキシブルなセグメントを有しており、これは、これらのセグメントがインプラントの表面上を摺動することを意味する。これは、特に医療用インプラントが引き出される時に、ワイパ6が医療用インプラントの実質的に全表面に亘って摺動し、これにより、拭うことを保証する。
【0075】
医療用インプラントを浸漬することができる液体8が、容器4の内部に含まれている。膜9が、液体8の上方に配置されており、容器4の内部の全横断面を占めている。液体8は、医療用インプラントをコーティングするために使用される抗生物質を含有する水溶液である。
【0076】
膜9は、ワイパ6の下方において容器4の内部に配置されたブラケットリング10を介して支持されている。膜9は、汚染物が外部から膜9の下方の領域に進入することができないように、容器4を封止しながら閉鎖している。
【0077】
図示された装置1は、本発明による方法を実施するために使用することができる。医療用インプラント(図示せず)はワイパ6を通って押し込まれる。その後、医療用インプラントは膜9を穿孔し、この膜9は、それまでは、その下方に配置された液体8を外部環境から保護している。次いで、医療用インプラントは液体8に浸漬される。医療用インプラントは、液体8によって濡らされる。その後、医療用インプラントは液体8から引き出される。液体8の一部は医療用インプラントに付着したままとなる。
【0078】
医療用インプラントの表面がコーティングされると、医療用インプラントは容器4から引き出される。医療用インプラントのコーティングされた表面は、この過程でワイパ6を通って引き出される。余分な液体8は医療用インプラントの表面から拭い取られる。次いで、容器4から引き出された医療用インプラントはコーティングされており、もはや滴下しない。この手段は、液体8が周囲環境を汚染することを防止する。次いで、液体8でコーティングされた医療用インプラントは手術において使用される。
【0079】
コーティング装置1は、ポリプロピレンから製造されており、25cmの高さと、6cmの直径とを有する。ワイパ6もポリプロピレンから成る。膜9はアルミニウム化合物箔から製造されている。膜9のブラケットリング10は、ポリプロピレンから製造されており、容器4の内部空間に押し込まれて、プレスばめされている。使用前には、容器4を、容器4の開口を閉鎖するアルミニウム化合物箔(図示せず)によって、細菌防止形式で閉鎖することができる。
【0080】
図2は、本発明による方法のための、本発明による第2の装置11の概略的な斜視図を示している。装置11は、容器14と、この容器14を上部において完全に閉鎖するワイパ16とを有する。フレキシブルなワイパ16は6つのスリット若しくは切欠17を有しており、これらのスリット若しくは切欠は、ワイパ16の上側を容器14の内側に面したワイパ16の下側に接続しており、これにより、スリット17に沿ってワイパ16を通って医療用インプラント(図示せず)を容器14の内部に導入することができ、この状況においてワイパ16は折り畳まれる。
【0081】
医療用インプラントを浸漬することができる液体(図示せず)は、容器14の内部に含まれている。液体は、医薬的に活性の物質を含有し、この物質は、医薬的に活性の物質が溶解させられた液体の溶媒が蒸発させられるやいなや医療用インプラントをコーティングするために使用される。
【0082】
本発明によれば、一般的なZweymueller人工股関節を、液体が満たされた装置1,21内へ、ステムの端部まで短時間だけ挿入し、次いで、即座に再び引き出すことができる。Zweymueller人工股関節はこれにより、ステムの表面において液体8の膜が形成される。液体の膜が乾燥すると、Zweymueller人工股関節はステムの表面において、医薬的に活性の物質が含有された白色コーティングを有していてよい。ここで、人工股関節は、手術において使用される。
【0083】
液体8によるコーティングの後、医療用インプラントを、医療用インプラントを挿入することができる第2の容器に含まれた粉末によってコーティングすることもできる。第2の容器における粉末は、好適には第2の膜によってカバーされており、この第2の膜は、医療用インプラントによって穿孔されかつ開放される。粉末は、リン酸カルシウム等の骨成長促進物質を含有する。医療用インプラントにおける液体膜は、粉末を医療用インプラントの表面に良好に付着させる。これは、コーティングされる医療用インプラント表面における液体−粉末コーティングを生じる。
【0084】
本発明による方法のための液体及び粉末の製造の例、及び本発明による装置の別の例が、以下に示される。
【実施例】
【0085】
実施例1:硫酸ゲンタマイシンを含有するコーティング溶液の製造
合計で16.0gの硫酸ゲンタマイシン(Fujian Fukang Ltd.)が室温で4.0mlの発熱物質なしの滅菌水と混合された。室温で、24時間、電磁撹拌機によって撹拌した後、油性−粘性の黄色溶液が形成された。これにより、医療用インプラントをコーティングするための液体としての硫酸ゲンタマイシンを含有するコーティング溶液が得られた。
【0086】
実施例2:硫酸ゲンタマイシン及び塩酸クリンダマイシンの二成分組合せを含有するコーティング溶液の製造
合計で12.0gの硫酸ゲンタマイシン(Fujian Fukang Ltd.)が、室温で、4.0gの塩酸クリンダマイシン(Sigma-Aldrich)及び4.0mlの発熱物質なしの滅菌水と混合された。室温で、24時間、電磁撹拌機で撹拌した後、油性−粘性の黄色溶液が形成された。
【0087】
実施例3:硫酸ゲンタマイシン、塩酸クリンダマイシン、及び塩酸バンコマイシンの三成分組合せを含有するコーティング溶液の製造
合計で4.0gの硫酸ゲンタマイシン(Fujian Fukang Ltd.)、4.0gの塩酸クリンダマイシン(Sigma-Aldrich)、及び4.0gの塩酸バンコマイシン(Sigma-Aldrich)が、室温で、8.0mlの発熱物質なしの滅菌水と混合された。室温で、24時間、電磁撹拌機で撹拌した後、粘性の黄色溶液が形成された。
【0088】
実施例4:硫酸ゲンタマイシン及びリンゴ酸を含有するコーティング溶液の製造
100mgのリンゴ酸及び16.0gの硫酸ゲンタマイシン(Fujian Fukang Ltd.)の合計が、室温で、4.0mlの発熱物質なしの滅菌水と混合された。電磁撹拌機によって、24時間、室温で撹拌した後、油性−粘性の黄色の溶液が形成された。
【0089】
実施例5:硫酸ゲンタマイシン及びクエン酸を含有するコーティング溶液の製造
100mgのクエン酸及び16.0gの硫酸ゲンタマイシン(Fujian Fukang Ltd.)の合計が、室温で、4.0mlの発熱物質なしの滅菌水と混合された。電磁撹拌機によって、24時間、室温で撹拌した後、油性−粘性の黄色の溶液が形成された。
【0090】
実施例6−10:医療用インプラントのコーティング
上記の実施例1−5のコーティング溶液をそれぞれ5ml吸入するために、慣用の10mlプラスチック注射器が使用された。次いで、本発明による装置の容器に、4mlの対応する薬剤溶液を注入するために、充填されたプラスチック注射器が使用された。医療用インプラントを容器へ導入し、医療用インプラントを容器から取り出すことによって、医療用インプラントは、実施例1−5に記載された溶液でコーティングされた。これにより、それぞれの場合に使用された溶液に含有された抗生物質によってコーティングされた医療用インプラントが得られた。
【0091】
実施例11−15:抗生物質及び骨成長刺激物質による医療用インプラントのコーティング
実施例11−15における手順は、実施例6−10において使用された手順と一致するが、医療用インプラントは、容器から引き出された後、第2の容器へ移し替えられ、次いで、前記容器から引き出された。第2の膜によって閉鎖された第2の容器には、150gの硫酸カルシウム半水化物(ふるい分級<64μm)、15.0gの硫酸カルシウム二水和物(ふるい分級<64μm)、及び1.5gの硫酸アンモニウム(ふるい分級<64μm)の粉末混合物が充填されていた。
【0092】
実施例16−20:抗生物質及びその他の骨成長刺激物質による医療用インプラントのコーティング
実施例16−20における手順は、実施例6−10において使用された手順と一致するが、医療用インプラントは、容器から引き出された後、第2の容器へ移し替えられ、次いで、前記容器から引き出された。前記第2の容器は、100gの硫酸カルシウム半水化物(ふるい分級<64μm)、50.0gの炭酸カルシウム(ふるい分級<64μm)、15.0gの硫酸カルシウム二水和物(ふるい分級<64μm)、及び1.5gの硫酸アンモニウムの粉末混合物が充填されていた。
【0093】
実施例21−25:抗生物質及びその他の骨成長刺激物質による医療用インプラントのコーティング
実施例21−25における手順は、実施例6−10において使用された手順と一致するが、医療用インプラントは、容器から引き出された後、第2の容器へ移し替えられ、次いで、前記容器から引き出された。前記第2の容器には、150gのβ−リン酸三カルシウム(ふるい分級<64μm)が充填されていた。
【0094】
実施例26−30:抗生物質及びその他の骨成長刺激物質による医療用インプラントのコーティング
実施例26−30における手順は、実施例6−10において使用された手順と一致し、医療用インプラントは、容器から引き出された後に、第2の容器へ移し替えられ、次いで、引き出された。前記第2の容器には、150gのα−リン酸三カルシウム(ふるい分級<64μm)が充填されていた。
【0095】
それぞれの実施例11−30において、使用された抗生物質及び使用された骨成長刺激物質でコーティングされた医療用インプラントが得られた。前記明細書、請求の範囲、図面、及び典型的な実施の形態に開示された発明の特徴は、単独で、またあらゆる組合せでの発明の様々な実施の形態の実施にとって必須であることができる。
【符号の説明】
【0096】
1,11 装置、 4,14 容器、 6,16 ワイパ、 8 転移手段、 17 スリット又は切欠
図1
図2