特許第5653362号(P5653362)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5653362
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】光学的平滑ライト・ガイドの製作
(51)【国際特許分類】
   B29D 11/00 20060101AFI20141218BHJP
   B29C 47/00 20060101ALI20141218BHJP
   B29C 43/02 20060101ALI20141218BHJP
   B29C 43/52 20060101ALI20141218BHJP
   G02B 3/08 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   B29D11/00
   B29C47/00
   B29C43/02
   B29C43/52
   G02B3/08
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-542315(P2011-542315)
(86)(22)【出願日】2009年12月14日
(65)【公表番号】特表2012-512075(P2012-512075A)
(43)【公表日】2012年5月31日
(86)【国際出願番号】US2009067949
(87)【国際公開番号】WO2010075048
(87)【国際公開日】20100701
【審査請求日】2012年12月13日
(31)【優先権主張番号】12/335,551
(32)【優先日】2008年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500046438
【氏名又は名称】マイクロソフト コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(72)【発明者】
【氏名】ジェンキンス,カート・アレン
【審査官】 関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−082437(JP,A)
【文献】 特開2006−088649(JP,A)
【文献】 特開昭63−109043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 11/00
B29C 43/02
B29C 43/52
B29C 47/00
G02B 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
楔形状のライト・ガイドの製作方法であって、
光学的に透明の楔形状の押し出し成型品を形成するために、熱可塑性ポリマーをダイを通して押し出すステップと、
前記光学的に透明の楔形状の押し出し成型品を切断して固定幅の部分にするステップと、
前記固定幅の部分の厚い側面を加工して、前記固定幅の部分の前記厚い側面に沿って湾曲を形成するステップと、
前記加工後に、加工された前記厚い側面を、フレネル・レンズに対して相補的な、ミクロン・サイズからミリメートル・サイズの構造を有する加熱モールド表面と接触状態に維持して、前記厚い側面の表面層を軟化または溶融するステップと、
前記加工の後、加工された前記固定幅の部分の面を、加熱され平坦の光学的に平滑なモールド表面と接触状態に維持して、前記面の表面層を、前記面の下の前記熱可塑性ポリマーを溶融または軟化させることなく軟化または溶融するステップと、
前記厚い側面および前記面がそれらの対応する加熱モールド表面と接触状態に維持されている間、前記厚い側面および前記面をサブミクロン・スケールで平滑にして前記楔形状のライト・ガイドを生成するために前記押し出し成型品に圧力を加えるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記熱可塑性ポリマーが、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、およびポリカーボネートのうち1つ以上を含む、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、熱可塑性ポリマーをダイを通じて押し出す前記ステップが、四辺形の断面を有する楔状押し出し成型品を形成することを含む、方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の方法において、固定幅の部分の前記厚い側面を加工する前記ステップが、鋭角の中心角によって包囲される円筒形の切片を形成するよう加工することを含む、方法。
【請求項5】
請求項1からのいずれかに記載の方法において、圧縮モールドを通して、前記固定幅の部分に前記圧力を加える、方法。
【請求項6】
請求項記載の方法において、前記固定幅の部分に前記圧力を加えている間、前記圧縮モールドを冷却することを更に含む、方法。
【請求項7】
請求項1からのいずれかに記載の方法において、前記固定幅の部分の寸法がある固定の値になるまで、前記固定幅の部分に前記圧力を加える、方法。
【請求項8】
請求項1からのいずれかに記載の方法において、前記加熱されたモールド表面と接触状態に維持された前記面が、対応する複数の加熱したモールド面と接触状態に維持された複数の面のうちの1つである、方法。
【請求項9】
請求項1からのいずれかに記載の方法において、面を前記加熱されたモールド表面と接触状態に維持する前記ステップが、前記面をフロート・ガラス表面と接触状態に維持することを含む、方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の方法において、前記面を加熱モールド面と接触状態に維持するステップが、前記面を、平均粗さが10ナノメートル未満である表面と接触状態に維持することを含む、方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の方法において、前記面を加熱モールド面と接触状態に維持するステップが、前記面を、平均粗さが2ナノメートル未満である表面と接触状態に維持することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【従来技術】
【0001】
ディスプレイ・デバイスは、ライト・ガイドを含むことができ、このライト・ガイドが画像を表示面に伝え、画像を検出器上に合焦するか、または双方を行う。用途によっては、ライト・ガイドが楔形をしていたり、1つ以上の可視、紫外線、および/または赤外線波長範囲において透過性であったり、少なくとも1対の対向面を備えていることもある。光は、内部反射によって、対向面からライト・ガイド全体を伝搬し、少なくとも一方の面から平行画像として現れることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
ディスプレイ・デバイスによって供給される画像の品質は、内部反射が行われるライト・ガイドの対向面の粗さに依存する場合がある。用途によっては、±2ナノメートル未満の平均粗さが、最高の画質のために望まれることもある。用途によっては、ある種の光学構造、例えば、フレネル・レンズ構造をライト・ガイド内に設けるとよい場合もある。これらの構造にも、高い平滑度および寸法上の忠実性が望まれることがあり、特殊な光学材料および/または複雑なエッチングや研磨手順を用いて達成することができる。しかしながら、このような材料および手順を用いて作られたライト・ガイドは、多くの用途にとって高価過ぎる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0003】
したがって、一実施形態では、ライト・ガイドの製作方法を提供する。この方法は、熱可塑性ポリマーをダイによって押し出し成形して押し出し成形品を形成するステップと、この押し出し成形品を1つ以上の固定寸法まで加工するステップと、押し出し成形品の面を加熱モールド面と接触したまま維持して、圧力を押し出し成型品に加えながら、押し出し成型品の面を軟化または溶融させるステップとを備えている。
【0004】
以上の摘要は、詳細な説明において以下で更に説明する概念から選択したものを、簡略化した形態で紹介するために設けられていることは理解されよう。この摘要は、特許請求する主題の主要な特徴や必須の特徴を特定することを意図するのではない。主題の範囲は、詳細な説明の後に続く特許請求の範囲によって定められる。更に、特許請求する主題は、先に記した欠点や、本開示のいずれの部分において記されるいずれの欠点を解決する実施態様にも限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、本開示にしたがってライト・ガイドを製作する方法の実施形態例を示す。
図2図2は、本開示にしたがってライト・ガイドを製作するための押し出し成型ダイの実施形態例を示す。
図3図3は、本開示にしたがってライト・ガイドを製作する元となる、押し出し成型品を切断したときの実施形態例を示す。
図4図4は、本開示にしたがってライト・ガイドを製作する元となる押し出し成型品を仕上げたときの実施形態例を示す。
図5図5は、本開示にしたがってライト・ガイドを製作する元となる押し出し成型品を仕上げたときの実施形態例からのインセット(inset)を示す。
図6図6は、本開示にしたがってライト・ガイドを製作する表面層圧縮成型装置の実施形態例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、ライト・ガイドを製作する方法例10を示す。この方法は12において開始し、ここで溶解された熱可塑性ポリマーまたはその他の熱可塑性材料を押し出し成型ダイに通過させる。この熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリアクリレート、ポリアクロニトリル、ポリアミド、および/またはポリカーボネートを含むことができる。実施形態によっては、熱可塑性ポリマーが、2つ以上のこのようなポリマーの混合を含むこともできる。熱可塑性材料は、1つ以上の可視、紫外線、および/または赤外線波長範囲における透過性に合わせて選択することができる。光学画像を表示するおよび/または収集するためにのみライト・ガイドを用いる実施形態では、可視光範囲の透過性があれば十分と考えられる。しかしながら、一部のライト・ガイドは、物体検出のために赤外線または紫外線光を投射および/収集するように構成することができるとよい。これらの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、種々の赤外線および/または紫外線範囲における透過性に合わせて選択することもできる。
【0007】
図2は、溶融熱可塑性ポリマーを通過させることができる押し出し成型ダイの一例14の断面図を示す。この断面は形状が四辺形であり、寸法例が図に示されている。溶融熱可塑性ポリマーをこの形状のダイに押し込んで通過させると、1対の対向するほぼ平行な面、および四辺形の断面を有する、実質的に楔形状の押し出し成型品が得られる。他の実施形態では、ダイを異なる形状にして、異なる形状の押し出し成型品を供給することもできる。例えば、押し出し成型ダイの形状を矩形にして、シート状(即ち、直角プリズム状)押し出し成型品を得ることができる。尚、これらの押し出し成型品の形状の具体的な例は、例示を目的として紹介したのであって、それらに限定されることは全く意図していないことは言うまでもない。
【0008】
図1を参照すると、方法10は16に進み、ここで冷却した押し出し成型品を、固定の幅を含むがこれには限定されない、1つ以上の固定寸法に切断する。押し出し成型品を切断するには、鋸またはミルを用いるとよい。図3は、切断した押し出し成型品の一例18を示す。これは、固定の幅に切断されており、その一例が図面に示されている。他の実施形態では、固定の幅は、ライト・ガイドの任意の所望の幅とすればよく、ライト・ガイドを取り付けるディスプレイ・デバイスの寸法に基づいて選択すればよい。
【0009】
再度図1に戻って、方法10は20に進み、ここで、切断された押し出し成型品を、次の処理に適した形状および適した寸法に仕上げる(refine)。実施形態によっては、適した形状が、望まれるライト・ガイドの最終形状と同様であってもよく、そして適した寸法が、望まれる最終寸法と同一であっても、または多少大きくてもよい。押し出し成型品の仕上げは、例として、加工(machining)、切断、切削加工(milling)、エッチング、および/または研磨を含むことができる。エッチングは、ウェットまたはドライ機械的エッチング(例えば、サンダー仕上げまたはやすり仕上げ)、および/または化学的エッチングを含むことができる。表面構造を導入する等のために、制御可能な態様でエッチング深さを変化させるためのマスク(例えば、フォトマスク)の補助によって、任意のエッチング・プロセスを実行することができる。
【0010】
また、20における押し出し成型品の仕上げは、押し出し成型品の断面を変更することを含んでもよい。つまり、実施形態によっては、プロセス・ステップ12では、最終的なライト・ガイドの断面形状と一致する断面形状を有する押し出し成型品が得られ、一方他の実施形態では、押し出し成型品が、仕上げ前では矩形のシート形状を有し、20において最終的なライト・ガイドの断面形状と一致する断面形状を有するように仕上げることもできる。
【0011】
図4は、前述のようにして切断した押し出し成型品18から形成することができる、仕上げ押し出し成型品22を示す。この仕上げ押し出し成型品は、対向面24および26、薄い側面28、ならびにこの薄い側面と反対側の厚い側面30を含む。この例では、仕上げ押し出し成型品の厚い側面において切削して、鋭角の中心角によって包囲された円筒形の切片を定める。このようにして定められたこの切片の曲率半径は、ライト・ガイドを取り付けるディスプレイ・デバイスの形状に基づいて決定することができる。
【0012】
実施形態によっては、ライト・ガイドの1つ以上の側面(例えば、薄い側面28、厚い側面30)は、レンズとして機能することができ、その場合、曲率半径がレンズの焦点距離を定める。具体的には、ライト・ガイドの1つ以上の側面が、ライト・ガイドの外部にある点光源、例えば、プロジェクターからの光を平行化するように構成することができ、またはライト・ガイドからの平行光を外部検出器に合焦するように構成することもできる。つまり、その側面に形成される任意の切片の曲率半径は、画像源の位置、またはライト・ガイドに対する検出器の位置に依存する場合があり得る。図4の例では、仕上げ押し出し成型品の厚い側面30に適した曲率半径は、631ミリメートルとするとよい。
【0013】
図5に、一実施形態における厚い側面30の詳細な断面図を示す。この図は、仕上げ押し出し成型品の厚い側面に沿って水平に延びる、実質的に平面状のファセットのアレイを示す。これらのファセットは、仕上げ押し出し成型品の厚い側面にフレネル・レンズを形成するように形作ることができる。非限定的な一例では、27個のファセットを仕上げ押し出し成型品の厚い側面に形成することができ、約840ミクロン離間され、厚い側面の上縁または下縁から約80ミクロン突出した一連の水平な稜を形成する。他の実施形態では、押し出し成型品の厚い側面は、任意の他の適した形状および/または輪郭を有することができる。
【0014】
この位置に形成されたフレネル・レンズは、ライト・ガイドが取り付けられるディスプレイ・デバイスにおいて種々の機能を果たすことができる。例えば、プロジェクターからライト・ガイドに入る合焦画像を平行化する、またはライト・ガイドからの平行画像を検出器上に合焦する。他の実施形態では、実質的に平面状のファセットのアレイを、仕上げ押し出し成型品の任意の側面に配置することもできる。
【0015】
プロジェクターからライト・ガイドを通過して検出器に伝えられた光線には、ライト・ガイド内において複数の内部反射が生じる。その中には、対向面24および26からの反射が含まれる。光線が所望の忠実度で、そして過度の損失を生ずることなく画像を伝えるためには、対向面を高度に平面および平滑に形成するとよい。実施形態によっては、10ナノメートルの平均粗さが望まれる場合もあり、他の実施形態では、2ナノメートルの平均粗さが望まれることもある。
【0016】
熱可塑性ポリマーの押し出し成型は、それ自体では、対向面24および26が十分に平面で平滑なライト・ガイドを提供できない場合もある。これは、一部の材料において冷却時に発生する、押し出し成型されたポリマーにおいて潜在的に不可避な収縮、およびダイにおける不規則性による引っ掻きによるものである。モノマーから調製される流し込みポリマー(cast polymer)には、収縮の方が一層大きな問題となる可能性がある。場合によっては、射出成型によって容認可能な結果を得ることができるが、射出成型は、固化のための長い冷却時間により、比較的厚いモノリス(monolith)にはコスト高になる場合もあることがわかっている。
【0017】
したがって、方法10は図1における34および後続のステップに進み、ここで仕上げ押し出し成型品22に更に処理を行う。34において、仕上げ押し出し成型品を圧縮モールドの中に入れる。
【0018】
図6は、表面層圧縮成型装置の一例36を断面図で示す。ここでは、仕上げ押し出し成型品は、プラテン38によって少なくとも4つの面で閉じ込められる。図に示すプラテンは、平滑なモールド面40を仕上げ押し出し成型品に対し呈し、仕上げ押し出し成型品を収容するための空隙(void)を包囲する。この空隙および押し出し成型ダイ14の矩形開口は、1つ以上の寸法を実質的に共通に有する。
【0019】
実施形態によっては、モールド面40が本来平滑な材料、例えば、マイカまたはフロート・ガラスを含むとよい場合がある。他の実施形態では、モールド面は、本来平滑な材料と接触するように設定された熱可塑性材料で成型することができる。このように、仕上げ押し出し成型品に対し呈するモールド面の平均粗さは、10ナノメートル未満にすることができ、実施形態によっては2ナノメートル未満にすることもできる。実施形態によっては、仕上げ押し出し成型品に対し呈するモールド面は、1つ以上の光学的に平滑な表面を含むことができる。
【0020】
図6において、プラテン38は複数のモールド面40を仕上げ押し出し成型品22に対し呈する。このような実施形態では、複数のモールド面のうち任意のものが、平滑なだけでなく単調である(featureless)のであってもよい。一実施形態では、例えば、仕上げ押し出し成型品の薄い側面28および厚い側面30と接触するように配されたモールド面が、平滑で単調であってもよい。
【0021】
しかしながら、仕上げ押し出し成型品の薄い側面28および厚い側面30と接触するように配されたモールド面は、種々の構造(feature)を含むこともできる。具体的には、これらの表面はサブミクロン・スケールでは平滑であるが、ミクロン・サイズからミリメートル・サイズの構造を含むことができる。一実施形態では、仕上げ押し出し成型品の厚い側面と接触するように配された特定のモールド面が、ライト・ガイドのその面に形成される、フレネル・レンズの構造と相補的な構造を含むことができる。この実施形態の異形も考えられる。第1の異形では、図5に示すようなフレネル・レンズ構造を有する仕上げ押し出し成型品を用意し(前述のようにして)、次いで押し出し成型品に既に存在する構造に対して相補的な構造を含む圧縮モールドの中に入れる。第2の異形では、フレネル・レンズ構造がない仕上げ押し出し成型品を用意し、次いでライト・ガイドにおいて望まれる構造に対して相補的な構造を含む圧縮モールドの中に入れる。この異形では、ライト・ガイドのフレネル・レンズ構造をレンダリングする際、後続の表面層溶融および圧縮成型(以下で説明する)を拠り所とする。
【0022】
加熱可能なプラテン38に統合されている加熱エレメントによって、モールド面40を加熱することができる。この加熱エレメントは、例えば、抵抗性または誘導性電気加熱エレメントとするとよい。実施形態によっては、プラテンの周囲または表面層圧縮成型装置36うちのいずれかの場所を流れる冷媒によって、プラテンを冷却することもできる。仕上げ押し出し成型品22に圧力を加えるには、仕上げ押し出し成型品を包囲しているプラテンを、油圧プレス44の金敷42の間に挟むとよい。
【0023】
再度図1に戻る。方法10は46に進み、ここで1つ以上のモールド面40を、実質的に熱可塑性ポリマーの融点温度または軟化温度まで加熱する。この行為によって、仕上げ押し出し成型品の表面層を溶融させるが、表面層の下にある仕上げ押し出し成型品の少なくとも一部は溶融しない。他の実施形態では、1つ以上のモールド面を加熱すると、仕上げ押し出し成型品の表面を軟化させるが、溶融させないでおくことができる。
【0024】
方法10は、48に進み、ここで圧縮モールド36によって圧力を仕上げ押し出し成型品22に加える。仕上げ押し出し成型品の1つ以上の面が、1つ以上の加熱されているモールド面と接触したまま維持されており、表面層の連続軟化または溶融を促進する。一実施形態では、モールド表面40が設定点温度に達した後所定の時間期間だけ圧力を加えるとよい。他の実施形態では、仕上げ押し出し成型品22の1つ以上の寸法(および/またはプラテン38間の距離)を監視しつつ、圧力を維持することができる。加熱および加圧は、仕上げ押し出し成型品の1つ以上の寸法が固定値に達したときに中止するとよい。
【0025】
次に、方法10は50に進み、ここで、圧縮成型された押し出し成型品を冷却する。圧縮成型された押し出し成型品は、前述のように、表面層圧縮成型装置36の周囲を流れるまたは通過する1つ以上の冷媒によって冷却することができる。実施形態によっては、圧縮成型押し出し成型品を冷却している間、仕上げ押し出し成型品22に加えられる圧力の少なくとも一部を圧縮成型の間維持するとよい場合がある。
【0026】
次に、方法10は52にて終了し、圧縮成型された押し出し成型品が圧縮モールドから放出される。
本明細書において記載および/または図示したプロセス・ステップの一部は、実施形態によっては、本開示の範囲から逸脱することなく、省略してもよいことは言うまでもない。同様に、示したプロセス・ステップのシーケンスは、意図した結果を得るために常に必要とされる訳ではなく、図示および説明を容易にするために示したに過ぎない。図示した行為、機能、または動作の1つ以上は、用いられる個々の方策によっては、繰り返し実行することもできる。
【0027】
最後に、本明細書において説明したシステムおよび方法は、性質上例示であること、そして多数の変形が考えられるので、これらの具体的な実施形態または例は限定的な意味で解釈してはならないことは言うまでもない。しがって、本開示は、本明細書において開示した種々のシステムおよび方法の全ての新規で非自明なコンビネーションおよびサブコンビネーション、ならびにその均等物のうち任意のものおよび全てを含むものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6