特許第5653485号(P5653485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5653485
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】階段状歩行路
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/02 20060101AFI20141218BHJP
【FI】
   E04F11/02
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-141255(P2013-141255)
(22)【出願日】2013年7月5日
【審査請求日】2013年10月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】513170843
【氏名又は名称】日本エイドー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100098132
【弁理士】
【氏名又は名称】守山 辰雄
(72)【発明者】
【氏名】杉村 嘉男
【審査官】 南澤 弘明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−245864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 11/02
A63B 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の踏面を段差をもって連続して設けた階段状歩行路であって、
上り段差となる部分と下り段差となる部分との一方又は両方を複数として、当該複数の部分で他の部分を挟んで配置したことを特徴とする階段状歩行路。
【請求項2】
請求項1に記載の階段状歩行路において、
階段状歩行路は、複数の踏面が段差をもって連続して設けられた複数の構成器具を付け合せ連結して構成され、
前記構成器具は、連結される2つの構成器具間で、付け合わされる一対の踏面が1段分の段差をもった高さであり、且つ、これら構成器具を付け合せた状態で連結具が係合し合う位置に設けられていることを特徴とする階段状歩行路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続する複数の踏面を段差をもって設けた階段状歩行路に関し、特に、体力の維持や増進に利用して好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外の歩行路としては、平坦な歩道、傾斜のある坂道、複数の踏面が段差をもって設けられた階段などがある。
また、屋内の歩行路としては、平坦な廊下、傾斜のあるスロープ、複数の踏面が段差をもって設けられた階段などがある。
【0003】
特許文献1には、高齢者等の足の不自由な人にとっても利用し易くするため、通常階段の上或いは側部に通常階段の略半分の段差の補助段を設けた階段構造が提案されている。
また、特許文献2には、人が通行する箇所に存在する様々な段差に対して、階段を構成する踏み板の高さを任意に調整することができる無段階調整ユニットが提案されている。
【0004】
また、特許文献3乃至5には、筋力トレーニングが難しい高齢者でも健康増進のために使用できる運動施設として、踏面の傾斜が変化するバランス訓練用歩行面が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−226919号公報
【特許文献2】特開2011−42940号公報
【特許文献3】特開2007−143753号公報
【特許文献4】特開2007−143758号公報
【特許文献5】特開2007−143775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高齢者や歩行が不自由な人等でも容易に歩行できるように、階段を無くして、歩行路をできるだけ平坦化する配慮がなされている。特に、平坦路の途中に階段段差があるような場合には、階段段差に躓いてしまうことが起きる。
他方、階段の段差を上り下りすることは、筋力トレーニングになる外、バランストレーニングにもなる。
【0007】
すなわち、一般的に、高齢者や歩行が不自由な人等にとって、階段段差のある歩行路を歩くことは、筋力トレーニングやバランストレーニングといった体力の維持や増進に役立つ運動ができる利点があるといえる。
しかしながら、歩行路に単純に階段段差を設けただけでは、何段も続く階段を上ることに気後れするといったこともあり、階段段差のある歩行路を歩くことによる利点を得ることが難しかった。
【0008】
また、筋肉に指令を出す神経伝達物質(ドーパミン)の減少によって発症するとされるパーキンソン病の患者は、体の動きが不自由になることから歩行が困難となるが、多くの症例で、足の上げ下げ運動は自由に行え、階段の上り下りは容易に行えることが知られている。
【0009】
本発明は、上記従来の事情に鑑みなされたもので、歩行することにより体力の維持や増進を図ることができる階段状歩行路を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複数の踏面を段差をもって連続して設けた階段状歩行路であって、上り段差となる部分と下り段差となる部分との一方又は両方を複数として、当該複数の部分で他の部分を挟んで配置したことを特徴とする。
【0011】
複数の踏面を段差をもって連続して設けて踏面以外に平坦な部分を含まない構成(すなわち、踊り場のない連続した階段の構成)であるため、階段状歩行路を歩行することによって段差の上り下り運動が連続して行える。しかも、上り又は下りの段差部分を少なくとも3つ連続して含む構成であるため、この運動効果がより一層高められる。
このため、階段状歩行路を歩行するだけで、筋力トレーニングやバランストレーニングが行なわれて体力の維持や増進を図ることができる。
【0012】
ここで、通常、階段の段差は同じ高さにそろえるところ、例えば、上り段差となる部分と下り段差となる部分との段数を同じにして、部分としても同数となる上り段差となる部分と下り段差となる部分とを交互に配置すれば、上り下り運動しながら始点から終点へ同じ高さ位置に移動する階段状歩行路とすることができる。
また、同様にして、例えば、2つの上り段差となる部分が1つの下り段差となる部分を挟んで配置すれば、上り下り運動しながら始点から終点へ上る階段状歩行路とすることができる。
【0013】
また、本発明は、複数の踏面を同じ高さの段差をもって連続して設けた階段状歩行路であって、上り段差と下り段差の数が異なることを特徴とする。
【0014】
本発明も、上記の発明と同様に、階段状歩行路を歩行することによって段差の上り下り運動が連続して行え、筋力トレーニングやバランストレーニングが行なわれて体力の維持や増進を図ることができる。
また、本発明では、上りの段数を下りの段数より多くすれば、上り下り運動しながら始点から終点へ上る階段状歩行路とすることができ、また、この逆とすれば、上り下り運動しながら始点から終点へ下る階段状歩行路とすることができる。
【0015】
また、本発明は、階段状歩行路は、複数の踏面が段差をもって連続して設けられた複数の構成器具を付け合せ連結して構成され、前記構成器具は、連結される2つの構成器具間で、付け合わされる一対の踏面が1段分の段差をもった高さであり、且つ、これら構成器具を付け合せた状態で連結具が係合し合う位置に設けられていることを特徴とする。
これにより、複数の構成器具を連結させることで簡単に階段状歩行路を構成することができる。そして、踏面の数や上り下りの設定を種々異ならせた複数の構成器具を用意しておくことにより、設置場所に合わせて、必要に応じた態様の階段状歩行路を構成することができる。
【0016】
なお、上記本発明のいずれであっても、階段状歩行路は、屋内であると屋外であるとを問わず、ある場所からある場所へ人が移動するための通常の歩行路として利用してもよく、また、体力の維持や増進を図る運動設備として利用してもよい。
また、本発明の階段状歩行路は、健常者ばかりでなく高齢者や歩行が不自由な人等の運動設備として利用できるが、平坦路の歩行運動が困難なパーキンソン病の患者のために、階段の上り下り運動で体力の維持や増進を図る運動設備としても利用でき、また、目的地へ歩行移動できる喜びを与える歩行路としても利用できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、歩行することにより体力の維持や増進を図ることができる階段状歩行路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例に係る階段状歩行路を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係る階段状歩行路を説明する側面図である。
図3】本発明の他の一実施例に係る階段状歩行路を説明する側面図である。
図4】本発明の更に他の一実施例に係る階段状歩行路を説明する側面図である。
図5】本発明に係る階段状歩行路を構成する器具の一例を示す斜視図である。
図6図5中の連結手段を説明する拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施例に係る階段状歩行路を示す斜視図であり、図2は当該階段状歩行路を説明する側面図である。
本実施例の階段状歩行路は、図中の矢印A方向に見て、2つの上り段差部分U1,U2と、1つの下り段差部分D1を含んで構成されており、上り段差部分U1,U2で下り段差部分D1を挟んで連続した配置となっている。
【0020】
上り段差部分U1は段差をもって連続して設けた3つの踏面S1,S2,S3を有し、下り段差部分D1は段差をもって連続して設けた2つの踏面S4,S5を有し、上り段差部分U2は段差をもって連続して設けた2つの踏面S6,S7を有している。
ここで、本実施例では、これら踏面S1〜S7間の段差は、全て同じ高さに設定されている。なお、段差は全て同じ高さとするのが好ましいが、本発明では、必要に応じて段差間に高さの差を設定することもできる。
【0021】
したがって、踏面S1〜S7はそれぞれ段差をもって連続して設けられており、歩行者が図中の矢印A方向に各踏面を踏んで歩行すると、階段を上り下りする運動をすることができる。
そして、本実施例では、上り段差の総数と下り段差の総数とに差を設けているため、階段状歩行路を図中の矢印A方向へ歩行する歩行者は上り下りしながら、これら段差の総数の差分に相当する高い位置へ緩やかに移動することができる。
なお、言及するまでもないことであるが、図中の矢印Aと反対方向へ歩行すれば、歩行者は上り下りしながら、下りと上りとの段差の総数の差分に相当する低い位置へ緩やかに移動することができる。
【0022】
また、本実施例では、図1に示すように階段状歩行路を壁際に設置し、壁面に段差の上り下りに沿った手摺り1を設けてある。これにより、手摺り1を支えとして階段状歩行路を歩行することができ、高齢者等にとって階段状歩行路を歩行する運動をより容易に行なうことができる。
【0023】
また、階段状歩行路を構成する踏面の奥行き幅を歩行者の略1足分の幅に設定する態様は本発明の好ましい態様であるところ、本実施例では、段差をもって連続する各踏面S1〜S7を歩行者の略1足分の奥行き幅に設定してある。このため、階段状歩行路を歩行する歩行者は、踏面上で更に前へ歩みを進める必要なく、次の踏面へ歩みを進めることができ、連続した階段の上り下り運動を行なうことができる。
なお、本発明では、踏面の奥行き幅を必要に応じた幅に設定することができる。
【0024】
なお、本実施例では、2つの上り段差部分で1つの下り段差部分を挟んだ配置としたが、本発明では、これら上り段差部分及び1つの下り段差部分を幾つ設けるかは階段状歩行路の設計に応じて任意であり、上り段差部分と下り段差部分との一方又は両方を複数として、当該複数の部分で他の部分を挟んで配置すればよい。
【0025】
図3は本発明の他の一実施例に係る階段状歩行路を説明する側面図である。
上記の実施例では段差部分間で段差の数を異ならせたが、本実施例は上りの段差部分と下りの段差部分との段差の数を同じにしている。
【0026】
本実施例の階段状歩行路は、図中の矢印A方向に見て、2つの上り段差部分U11,U12と、2つの下り段差部分D11,D12を含んで構成されており、上り段差部分と下り段差部分とを交互に配置して連続させている。
すなわち、2つの上り段差部分U11,U12で下り段差部分D11を挟んで配置し、また、2つの下り段差部分D11,D12で上り段差部分U12を挟んで配置している。
【0027】
上り段差部分U11は段差をもって連続して設けた3つの踏面S11,S12,S13を有し、下り段差部分D11は段差をもって連続して設けた3つの踏面S14,S15,S16を有し、上り段差部分U12は段差をもって連続して設けた3つの踏面S17,S18,S19を有し、下り段差部分D12は段差をもって連続して設けた3つの踏面S20,S21,S22を有している。
なお、これら踏面S11〜S22間の段差は、全て同じ高さに設定されている。
【0028】
したがって、踏面S11〜S22はそれぞれ段差をもって連続して設けられており、歩行者が図中の矢印A方向に各踏面を踏んで歩行すると、階段を上り下りする運動をすることができる。
そして、本実施例では、上り段差の総数と下り段差の総数、及び、上り段差部分と下り段差部分を同数に設けているため、階段状歩行路を図中の矢印A方向へ歩行する歩行者は上り下りしながら、同じ高さの位置へ移動することができる。
【0029】
図4は本発明の更に他の一実施例に係る階段状歩行路を説明する側面図である。
上記の実施例では、上り段差部分U21と下り段差部分D21とをそれぞれ1つずつ設け、上りの段差部分U21と下りの段差部分D21との段差の数を異ならせている。
【0030】
本実施例の階段状歩行路は、図中の矢印A方向に見て、上り段差部分U21と下り段差部分D21を連続させて配置している。
上り段差部分U21は段差をもって連続して設けた3つの踏面S31,S32,S33を有し、下り段差部分D21は段差をもって連続して設けた2つの踏面S34,S35を有している。
なお、これら踏面S31〜S35間の段差は、全て同じ高さに設定されている。
【0031】
したがって、踏面S31〜S35はそれぞれ段差をもって連続して設けられており、歩行者が図中の矢印A方向に各踏面を踏んで歩行すると、階段を上り下りする運動をしながら、下りと上りとの段差の総数の差分に相当する高い位置へ緩やかに移動することができる。
【0032】
図5は本発明に係る階段状歩行路を構成する器具の一例を示す斜視図である。
本発明に係る階段状歩行路は、例えば、図示のような構成器具B1,B2を用意しておき、これら構成器具B1,B2を接続することで、必要な場所に構成することができる。
【0033】
図示の例では、構成器具B1は、上り段差をもって連続して設けた3つの踏面S41,S42,S43と、下り段差をもって連続して設けた1つの踏面S44を有しており、これら踏面S41〜S44はそれぞれ同じ高さの段差をもって連続して設けられている。
【0034】
また、構成器具B2は、上り段差をもって連続して設けた3つの踏面S45,S46,S47を有しており、踏面S45とS46との上り段差及びS46とS47との上り段差はそれぞれ上記と同じ高さの段差をもって設けられている。
また、踏面S45は、踏面S44に対して上記と同じ高さの下り段差をもった位置に設けられており、構成器具B1の踏面S44側と構成器具B2の踏面S45側とを付け合せると、踏面S44と踏面S45とが他と同じ高さの段差をもって連続する。
【0035】
構成器具B1,B2には、図6に詳示するような、互いを連結する連結具2が設けられており、この連結具2によって、上記のように付け合せた構成器具B1と構成器具B2とを連結することができる。
図示の連結具2は、構成器具B1に設けられた係合片3と、構成器具B2に取付軸5によって回転自在に設けられた鉤片4とを備えており、構成器具B1と構成器具B2とを付け合せた状態で、鉤片4を係合片3に係合させることで、構成器具B1と構成器具B2とを連結することができる。
【0036】
このように、上り段差や下り段差及び踏面の数を種々設定した構成器具を幾つか用意しておくことにより、必要な場所に、必要な長さで、必要な段差の並びの階段状歩行路を容易に設けることができる。
すなわち、構成器具は、連結される2つの構成器具間で、付け合わされる一対の踏面が1段分の段差をもった高さであり、且つ、これら構成器具を付け合せた状態で連結具が係合し合う位置に設けられている。
【0037】
なお、本発明の階段状歩行路は、上記のように複数の構成器具を連結することで構成する他、種々な方法で構成することができる。
例えば、地面を掘ってコンクリートを打設することにより、地面より低い半地下に階段状歩行路を構築するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、体力の維持や増進に役立つ運動設備として利用する他、通常の歩行路としても利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1・・・手摺り、
2・・・連結具、
U1,U2,U11,U12,U21・・・下り段差部分、
D1,D11,D12,D21・・・上り段差部分、
S1〜S7,S11〜S22,S31〜S35,S41〜S47・・・踏面、
B1,B2・・・構成器具、
【要約】
【課題】 歩行することにより体力の維持や増進を図ることができる階段状歩行路を提供する。
【解決手段】 本発明は、複数の踏面S1〜S7を段差をもって連続して設けた階段状歩行路であって、上り段差となる部分U1,U2と下り段差となる部分D1との一方又は両方を複数として、当該複数の部分U1,U2で他の部分D1を挟んで配置したことを特徴とする。階段状歩行路を歩行することによって段差の上り下り運動が連続して行え、しかも、上り又は下りの段差部分を少なくとも3つ連続して含む構成であるため、この運動効果がより一層高められる。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6