(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5653493
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】組み合わせ可能なアクセサリを有する流動食品又は飲料用の装置
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20141218BHJP
A47J 31/34 20060101ALI20141218BHJP
A47J 31/00 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
A47J31/44 Z
A47J31/34
A47J31/00 Z
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-170594(P2013-170594)
(22)【出願日】2013年8月20日
(62)【分割の表示】特願2010-537413(P2010-537413)の分割
【原出願日】2008年12月9日
(65)【公開番号】特開2013-252447(P2013-252447A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2013年9月17日
(31)【優先権主張番号】07123009.8
(32)【優先日】2007年12月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599132904
【氏名又は名称】ネステク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114270
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 朋也
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】カーエン, アントワン
(72)【発明者】
【氏名】カイザー, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】コレップ, アレキサンドレ
(72)【発明者】
【氏名】クラウチ, フランク
(72)【発明者】
【氏名】オザンヌ, マティユ
【審査官】
土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−100138(JP,U)
【文献】
特表2004−527893(JP,A)
【文献】
特開平11−253330(JP,A)
【文献】
実開昭51−135081(JP,U)
【文献】
実開昭55−128626(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/44
A47J 31/00
A47J 31/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動食品又は飲料を調製するための装置であって、原料を受容し、液体を前記原料に送るように構成された流動食品又は飲料用のモジュール(2)の少なくとも一部をシールドするように構成される面(91、91’、92、92’、94)を有する最も外側のハウジング(9)を備え、前記ハウジングの面のうちの1つの面が、器具(8a、8b、8c、8d、8e、8f)に接続する接続手段(30)を有する、装置において、
前記接続手段を有する前記ハウジングの面(91、91’)が、前記器具を機械的に支持するように構成され、前記接続手段が、コードレスであり、ユーザによって前記器具に接続解除可能に接続可能であり、それによって前記ハウジング(9)は、前記器具が、ユーザによって前記ハウジングの面に脱着可能であるように構成され、
前記ハウジング(9)は、プラットフォーム(1)を形成する足部を有し、前記プラットフォームは、前部、第1側方縁部(1’)、前記第1側方縁部(1’)の反対側にある第2側方縁部(1’’)、後部を備え、前記前部にはドリップトレイ(6)が組み立てられ、前記第1側方縁部(1’)には前記モジュール(2)が隣接して上向きに延在し、前記第2側方縁部(1’’)には前記ハウジングの面(91)が隣接して設置されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ハウジングの面(91,91‘)は、前記器具(8a、8b、8c、8d、8e、8f)を機械的に支持するように平坦及び水平に構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記器具(8a、8b、8c、8d、8e、8f)が、前記モジュール(2)から機能的に独立している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プラットフォーム(1)が、前記接続手段(30)を有する前記ハウジングの面(91)を支える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ハウジング(9)が、前記接続手段(30)を有する前記面(91’)を形成する上部を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記器具が、ミルク泡立て器(8a)、ケトル(8b)、及びカップ加熱器(8c、8d、8e、8f)から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記器具が、取っ手のないミルク泡立て器(8a)であり、前記取っ手のないミルク泡立て器(8a)が、泡立てられるミルクを収容するためのタンク(80)と、人の手によって掴むことができるグリップ構造を形成する外側の直立面(80’)とを有し、それにより前記器具が、前記グリップ構造を掴むことによって片手で運搬及び移動でき、外面が、前記グリップ構造を手で保持し易くするために、テクスチャ付き外側直立壁(80’)を有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記面(91、91’)が、第1の取り外し可能な器具を支持し、前記第1の取り外し可能な器具が、前記面の前記接続手段(30)に接続解除可能に接続可能である第1のコネクタ(31’)と、第2の器具に接続解除可能に接続可能である第2のコネクタ(31’’)とを有し、前記第1の取り外し可能な器具がない場合、前記第2の器具が、前記面(91、91’)の前記接続手段(30)に直接、接続解除可能に接続可能である、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記面(91、91’)が、前記器具(8a、8b)を支持するための第1の部分(34)と、1つ又は複数のカップを支持するように構成され、カップ予熱手段に関連している第2の部分(35)とを有する、前記請求項のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置、及び複数の様々な器具(8a、8b、8c、8d、8e、8f)を含むセットであって、前記装置が、接続手段(30)を有し、前記器具が、前記接続手段に接続解除可能に接続可能である、セット。
【請求項11】
コードレスのコネクタ(31、31’、31’’)を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置用のカップ加熱器、又は請求項10に記載のセット用のカップ加熱器(8c、8e、8f)。
【請求項12】
複数のカップ(85)を保持及び加熱するための少なくとも1つの加熱可能なプラットフォーム(81)を有する、請求項11に記載のカップ加熱器。
【請求項13】
複数の積み重ねられたプラットフォーム(81、82)を有し、前記積み重ねられたプラットフォーム(81、82)が、カップ(85)を加熱するために電気的に相互接続され及び/又は個々に作動可能である、請求項11に記載のカップ加熱器。
【請求項14】
カップ(85)を保持するためのシート部(83)を有し、前記シート部が、前記カップに対しての熱を閉じ込めるための少なくとも1つの周壁(84)を有する、請求項11に記載のカップ加熱器。
【請求項15】
前記周壁(84)が、カップの取っ手(85’)が通過することを可能にするための開口部(84’)を有する、請求項11に記載のカップ加熱器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、別の器具と組み合わせるように構成された飲料用の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の飲料又は食品を調製するための装置は、エキス抽出又は溶解されることになる原料を含むカプセルを使用し、他の装置については、原料は、装置内で保管されると共に自動的に投与され、さもなければ原料は、飲料の調製時に加えられる。
【0003】
大部分のコーヒー装置は、冷たい水源からの液体、又は発熱抵抗体、サーモブロック、又は同様なものなどの加熱手段によって実際に加熱された水源からの液体をポンプする通常水の液体用のポンプを含む充填手段をハウジング内に有する。
【0004】
EP1 864 598は、自律的であり、ドッキングステーションに取り付けることができるそのようなコーヒー装置を開示している。この飲料装置は、ドッキングステーションに接続されていようが、ドッキングステーションから接続解除されていようが動作可能であるように構成される。
【0005】
EP1 878 368は、ハウジング内で支持台に回転可能に取り付けられた機能ブロックを有する飲料装置を開示している。この支持台は、そのような回転を可能にする飲料装置用の電源コネクタを有する。この機能ブロックは、支持台から取り外し可能であるように設計することができる。この支持台は、ミルク泡立て装置を取り付けるための電源コネクタを備えた拡張部を有することもできる。
【0006】
FR2 544 185は、熱水、スチーム調製モジュール、及び複数の異なるコーヒー調製モジュールが、装置的及び電気的に並んで接続できる古いエスプレッソ装置を開示している。その目的は、いくつかのエスプレッソを同時に調製することを可能にするように、バーで普通に使用するのに必要な十分な平行したコーヒーの出口を備えるシステムを提供することである。
【0007】
流動食品又は飲料を調製するための装置(流動食品又は飲料用装置)の汎用性を増大させる必要性が未だにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、単純な構成を備える流動食品又は飲料を調製するための装置を提供することである。なお、この単純な構成とは、ユーザが、流動食品又は飲料に関連があるユーザにとって便利な種々の付随的機能を追加及び置換することを可能にするためのものをいう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、具体的にはカプセル又はポッドに含まれた原料などの事前に小分けにされた飲料又は食品の原料から流動食品又は飲料を調製する装置に関する。
【0010】
この装置は、原料を受容し、液体をこの原料に送るように構成された流動食品又は飲料用のモジュールの少なくとも一部をシールドするように構成される面を有する最も外側のハウジングを備える。典型的には、モジュールの食品又は飲料出口は、ハウジングの外側に延在することになる一方、モジュールのほぼ全ての残りの部分が、ハウジング内に含まれることになる。
【0011】
この装置は、例えば、コーヒー、茶、又はスープを調製するための装置である。具体的には、この装置は、熱水又は冷水、或いは別の液体を、挽いたコーヒー、又は茶、又はチョコレート、又はカカオ、又は粉ミルクなどの調製される飲料又は流動食品の原料を含むカプセル又はポッドに通過させることによって、流動食品又は飲料用のモジュール内で飲料又は流動食品を調製するように構成される。
【0012】
本発明によれば、ハウジングの面のうちの1つが、器具に接続する手段を有する。接続手段を備えるこのハウジングの面は、そのような器具を機械的に支持するように構成される。また、この接続手段は、ユーザによってこの器具に接続解除可能に接続可能である。このハウジングは、そのような器具が、ユーザによって接続手段を備えるハウジングの面に脱着可能であるように構成される。
【0013】
典型的には、この器具は、流動食品又は飲料用のモジュールから機能的に独立している。例えば、モジュールが、コーヒー又は茶を調製するように構成される場合、この器具は、カップを予熱、又は泡立てたミルク、又は熱水若しくは沸騰水を用意するように構成されてもよい。
【0014】
接続手段は、特にコードレスのタイプであってもよい。例えば、接続手段には、ストリックス(STRIX)(商標)システム、又は別のプラグ及びソケットコネクタシステム、或いは均等なシステムが含まれる。
【0015】
一実施形態では、ハウジングは、プラットフォームを形成する足部を有し、このプラットフォームが、接続手段を有するハウジングの面を支える。適宜、流動食品又は飲料用のモジュールが、このプラットフォームの第1の縁部に隣接してハウジング内で概ね上向きに延在し、接続手段を備えるハウジングの面が、第1の縁部の向かい側の第2の縁部などのプラットフォームの第2の縁部に概ね隣接して設置される。プラットフォームを備えるこのハウジングは、ほぼL形又は逆T形断面を有してもよい。
【0016】
プラットフォームは通常、流動食品又は飲料用のモジュールのための電源装置を含む。このプラットフォームは、制御システム、ポンプ、加熱器、及び液体を、具体的には、最も外側のハウジングの外部の液体のリザーバから
流通させるための配管構成のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0017】
別の実施形態では、このハウジングは、接続手段を有する面を形成する上部を、具体的には流動食品又は飲料用モジュールの上に有する。
【0018】
また、典型的には、ハウジングは、最も外側のハウジングの外部の液体リザーバに隣接して後壁を有する。このリザーバは通常、流動食品又は飲料用のモジュールと流体連通しており、後壁に対して及び/又は存在すれば装置のプラットフォームに機械的に取り付けられてもよい。典型的には、リザーバとモジュールの間の流体接続部は、存在すれば、ハウジングのプラットフォームを貫いて延在する。液体リザーバは、ハウジングの側壁とほぼ同一平面である1つ又は複数のリザーバの壁、具体的にはハウジングの側壁とほぼ同一平面である先端を有する半円形の直立したリザーバの壁を有してもよい。
【0019】
流動食品及び飲料用の装置に接続解除可能に接続可能なそのような器具は、典型的には、ミルク泡立て器、ケトル8b、カップ加熱器から選択できる。
【0020】
例えば、そのような器具は、ハンドルフリーのミルク泡立て器であり、このミルク泡立て器は、泡立てられるミルクを収容するためのタンクと、人の手によって掴むことができるグリップ構造を形成する外側のほぼ直立面とを有する。したがって、そのような器具は、このグリップ構造を掴むことによって片手で保持及び持ち上げできる。具体的には、外面、例えば器具の外側コンテナの表面は、器具を手で保持し易くするためにテクスチャ付き外側直立壁、具体的には、波形又は畝状の直立面を有する。直立面のほぼ水平に延在する平行で交互の隆起部及び溝の存在は、器具の持ち上げ、保持、及び操作のために器具をかなり握持し易くする。片手で器具を快適に保持することを可能にするために、グリップ部の直径は、約4〜15cm、特に約6〜12cmであってもよい。
【0021】
接続手段を備えるハウジングの面は、カップ加熱器などの第1の取り外し可能な器具を支持してもよく、この第1の取り外し可能な器具が、ハウジングの面の接続手段に接続解除可能に接続可能である第1のコネクタと、ミルク泡立て器又はケトルなどの第2の器具に接続解除可能に接続可能である第2のコネクタとを有する。第1の取り外し可能な器具がない場合、この第2の器具は適宜、このハウジングの面の接続手段に直接、接続解除可能に接続可能である。
【0022】
接続手段を備えるハウジングの面は、そのような接続可能な器具を支持するための第1の部分と、1つ又は複数のカップを支持するように構成され、カップ予熱手段に関連していてもよい第2の部分とを有してもよい。
【0023】
本発明の別の態様は、上記の流動食品及び飲料用の装置と、複数の様々な器具とを含むセットであって、この装置が、接続手段を有し、この器具が、そのような接続手段に接続解除可能に接続可能である、セットに関する。
【0024】
本発明のさらなる態様は、具体的には流動食品又は飲料用装置のための、又は上記のセットのためのカップ加熱器に関する。カップ加熱器は、コードレスのコネクタを有する。
【0025】
カップ加熱器は、複数のカップを保持及び予熱するための少なくとも1つの加熱可能なプラットフォームを有してもよい。このカップ加熱器は、複数の積み重ねられたプラットフォームを有してもよく、この積み重ねられたプラットフォームは、適宜、カップを加熱するために電気的に相互接続され及び/又は個々に作動可能である。
【0026】
カップ加熱器は、カップを保持するためのシート部を有してもよく、このシート部は、具体的には、そのようなカップに対しての熱を閉じ込めるための少なくとも1つの周壁を有する。適宜、この周壁は、カップ加熱器からのカップの取り出しを容易にするために、そのようなカップの取っ手が通過することを可能にするための開口部を有する。
【0027】
さらに、本発明は、泡立てられるミルクを収容するためのタンクを有するミルク泡立て器具、具体的には上記の装置又はセット用の器具にも関する。このミルク泡立て器具は、取っ手がないと共に、人の手によって掴むことができるグリップ構造を形成する外側のほぼ直立面を有し、この器具は、前記グリップ構造を掴むことによって片手で運搬及び移動できるようになっている。この泡立て器具は、具体的には流動食品又は飲料用の装置の対応する接続手段、又は支持台に接続するためのコードレスのコネクタを有する。
【0028】
好ましくは、そのようなグリップは、例えば、ユーザが意図せず器具を落とした場合に起こり得るような器具の損傷又は変形の危険性なく、器具の全重量が、このグリップによって支持できるように構成されるべきである。また、このグリップは、十分な高さにわたって延在すべきであり、このグリップの外周は、ユーザが、全重量の状態で器具を安全に運搬するのに十分、手でしっかりと掴むことを可能にするために、通常の人の手の形及び大きさ(capacity)に適合するべきである。適宜、グリップ構造は、人の手に対して摩擦を与えて、確実な握持を達成するために必要な必要握持力を低減させる表面構造又は組成など、具体的には滑り止め表面である手段を含む。
【0029】
典型的には、直立面は、手による握持を容易にするために、テクスチャ付き又は筋付きの部分を有する。この部分は、手による握持を容易にするために、ほぼ直立した畝若しくは波形を有してもよい。
【0030】
ミルク泡立て器具は、前記タンク内のミルクを撹拌する撹拌器と、前記撹拌器を駆動するためのアクチュエータとを備えることもできる。適宜、この撹拌器は、ウィスク(wisk)又はスターラ(stirrer)を備え、及び/又はこのアクチュエータは、互いに隣接したタンク及びアクチュエータを収容するハウジング内に設置される。グリップ構造を備える表面は、具体的にはこのハウジングの外面を形成してもよい。
【0031】
したがって、本発明のミルク泡立て器具は、器具に接続した取っ手を必要とすることなく、ユーザが、この器具を持ち上げ及び/又は移動するための単純なグリップ用構造を与える。このグリップ用構造は、人の手が収まるのに適し、器具を保持及び運搬するのにただ1本の手が必要とされるようにして器具を持ち歩くのに十分安全な手による握持を実現するに適した器具の外面の適切な形状から直接もたらされ得る。
【0032】
次に、本発明を、概略図を参照して説明することにする。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明による、流動食品又は飲料調製用の装置と、種々の接続可能な器具とを含むセットを示す図である。
【
図2a】本発明によるカップ加熱器を示す図である。
【
図2b】本発明による別のカップ加熱器を示す図である。
【
図3】本発明による、ミルク泡立て器具を備えた流動食品又は飲料調製用の装置を示す図である。
【
図4】本発明による装置の流動食品又は飲料用のモジュールを示す図である。
【
図5】本発明による、ミルク泡立て器具を備えた別の流動食品又は飲料調製用の装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、流動食品又は飲料を調製するための装置と、一連の器具8a、8b、8c、8dとの本発明によるセットを示す。この装置は、原料を受容し、液体をこの原料に送るように構成された流動食品又は飲料用のモジュール2の少なくとも一部をシールドするように構成される面を備える最も外側のハウジング9を有する。ハウジング9の面91のうちの1つの面は、そのような器具の対応するコネクタ31、31’を介して、器具8a、8b、8c、8d、8e、8fのうちのいずれか1つに接続する、ストリックスコネクタの形態の手段30を有する。
【0035】
飲料又は流動食品用装置のための接続解除可能なコネクタ、及び取り付け可能な器具は、例えば、国際公開第03/075629号パンフレット、及び国際出願PCT/EP08/056349により詳細に開示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
コネクタ30を有するハウジング面91は、前記器具8a、8b、8c、8d、8e、8fを機械的に支持するように概ね平坦及び水平に構成される。また、接続手段30は、ユーザによって前記器具8a、8b、8c、8d、8e、8fに接続解除可能に接続可能である。ハウジング9及び器具8a、8b、8c、8d、8e、8fは、任意の器具8a、8b、8c、8d、8e、8fが、ハウジングの面91にユーザによって脱着可能であるように構成される。したがって、ユーザは、前記器具8a、8b、8c、8d、8e、8fを容易に交換でき、又は当てはまる場合、器具の中身を送り出すために前記器具を容易に取り外すことができる。
【0037】
ミルク泡立て器具8a、ケトル8b、単一カップ加熱器8c、又は単一高さ複数カップ加熱器8d、8f若しくは複数高さ複数カップ加熱器8eなどの種々の器具が、コネクタ30を有する面91上へ取り付けることができる。
【0038】
前記器具8a、8b、8c、8d、8e、8fは、モジュール2から機能的に独立している。言い換えれば、モジュール2は、飲料又は流動食品機能を実行するために器具8a、8b、8c、8d、8e、8fからの寄与を必要とせず、逆も同様である。しかし、ある種の流動食品又は飲料調製は、一方で、流動食品及び飲料調製用の装置のモジュール2を用いて調製される構成物質と、他方で、面91及びコネクタ30に取り付け可能な器具8aを用いて調製される構成物質とを組み合わせることを必要とし得る。
【0039】
例えば、カプチーノは、ミルク泡立て器具8a内でミルクを泡立て、面91から泡立て器8aを取り外し、泡立てたミルクをカップ85に注ぎ、次いで泡立てたミルクの入ったカップ85をモジュール2のコーヒー出口95の下に配置し、コーヒー出口からコーヒーを送り出すことによって調製することができる。典型的には、取り外しのステップ、注ぎのステップ、及びカップ配置のステップは、ユーザによって行われることになる。しかし、モジュール2及び器具8aの各飲料調製機能を実行するためには、モジュール2も器具8aも互いを必要としない。適した泡立てシステムの詳細は、例えば、上記の国際公開第03/075629号パンフレット、及び国際出願PCT/EP08/056349に開示されており、それらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
使用される器具、具体的には、動作のためにかなりの量のエネルギーを必要とする器具のタイプに応じて、モジュール2と前記器具の組み合わせが、限られた利用可能な電力を典型的にはコンセントから割り当てる電力管理装置を必要とすることも可能である。しかし、かかる場合でも、器具の各機能は、別個である。
【0041】
図1及びより詳細には
図3に見られるように、ハウジング9は、コネクタ30を有するハウジングの面91を支えるプラットフォーム1を形成する足部を有する。モジュール2の部分は、プラットフォーム1の中に、具体的には
図4に示すようにプラットフォーム1の後部に配置される水リザーバ7への流体接続部に延在する。ドリップトレイ6は、プラットフォーム1の前部に組み立てられる。流動食品又は飲料用のモジュール2は、プラットフォーム1の第1の側方縁部1’に隣接してハウジング9内で概ね上向きに延在し、ハウジングの面91は、第1の縁部1’’の反対側でプラットフォーム1の第2の側方縁部に隣接して概ね位置し、それにより、ハウジング9は、断面がL形を概ね形成する。
【0042】
変形形態では、ほぼ逆T形断面を有するハウジングにプラットフォームの中間部分から上向きに延在する流動食品又は飲料用モジュールを設けることも可能である。この場合は、1つの器具がモジュールの各側部にある2つの器具が、装置に同時に取り付け及び接続できるように、コネクタを逆T形流動食品又は飲料用の装置の両側に設けることも可能である。
【0043】
(
図4により詳細に示される)流動食品又は飲料用のモジュール2は、プラットフォーム1に取り付けられている下方向に延在する側壁92を備えるハウジング9に囲まれている。複数の側壁92は、ほぼ垂直及び平行であり、流動食品又は飲料用モジュール2の上部分の実質的に全体を覆う。側壁92は、上部92’、前壁部94、壁94に向き合う後壁、及びプラットフォーム1と協働して、最も外側のハウジング9を形成する。前壁部94は、飲料をモジュール2から送り出すための、ハウジング9を貫いて延在する飲料出口95に関連している。出口95は、ドリップトレイ装置6の上方に設置される。さらに、ハウジング9は、出口95の下に取り外し可能に挿入されるカプセル容器96を格納する。
【0044】
プラットフォーム1は、流体及び電力管理に関して少なくとも最小限の機能を有し、プラットフォーム1は、流動食品又は飲料用のモジュール2に電力、及びハウジング9の外部からベースプラットフォームに取り付けられ、ハウジング9の後壁に隣接した水タンク7からの水を供給している。また、タンク7は、側壁92とほぼ同一平面である先端を備える半円形の直立した壁71を有する。
【0045】
この例によるプラットフォーム1は、コンセントに接続される集積電気回路を備える。主スイッチ3は、接続可能な器具8a、8b、8c、8d、8e、8fに電力を供給するためのコネクタ30を含む装置をスイッチオン及びスイッチオフするために設けられる。
【0046】
加えて、図示のプラットフォームは、水タンク7と、プラットフォーム1の上面に配置された流体コネクタとを接続する給水ラインを備える。
【0047】
図3に示すように、ミルク泡立て器8aの形態の器具は、流動食品又は飲料用の装置のハウジング9に取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0048】
ミルク泡立て器8aは、泡立てられるミルクを含む上タンク80と、タンク80の下方に泡立て器8aの電気部品、具体的にはアクチュエータを含む下空所(図示せず)とを保持するコンテナ80’’を有する。泡立て器8aの加熱、冷却、及び/又はミルク撹拌器のアクチュエータを制御するためのユーザスイッチ80’’’は、コンテナ80’’の直立壁80’を貫いて延在する。これらの部品のさらなる詳細は、上記の国際公開第03/075629号パンフレット、及び国際出願PCT/EP08/056349、並びに国際公開第2008/046837号パンフレットに開示されており、それらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
ミルク泡立て器8aは、ハンドルフリーであるが、片手で保持可能及び持ち上げ可能である。具体的には、コンテナ80’’の直立壁は、ミルク泡立て器8aを手で保持し易くするためにテクスチャ付き外面80’、具体的には畝状又は波形の(corrugated or undulated)直立面80’を有する。ほぼ水平に延在する平行で交互の隆起部及び溝が面80’に存在することは、ミルク泡立て器8aの持ち上げ、保持、及び操作のために器具を握持し易くする。片手で器具を快適に保持することを可能にするために、グリップ部の直径は、約8〜10cmであってもよい。
【0050】
ハウジング面91は、泡立て器8a又はケトル8bなどの器具を保持するための第1の部分34と、加熱システムに適宜関連している、具体的には、器具を予熱するために1つ又は複数のカップ85を支持するように構成され、ハウジング9と一体化した隣接部分35とを有してもよい。
【0051】
変形形態では、部分35は、2つの器具が、面91に直接同時に取り付けられ、2つの器具それぞれの機能を一緒に実行できるように、第2の器具に接続する第2のコネクタを支えてもよい。例えば、ミルク泡立て器8aは、第1のコネクタに接続されてもよく、カップ加熱器8cは、第2のコネクタに接続されてもよい。
【0052】
図2a及び
図2bは、飲料又は流動食品用装置のハウジングの面91のコネクタ30に接続するためコードレスコネクタ31、31’を有する2つのカップ加熱器8e及び8fを示す。
【0053】
カップ加熱器8eは、直立スペーサ82’によって垂直に離間した一対の積み重ねられた水平加熱トレイ81、82を有する。加熱トレイ81、82間の間隔は、カップ85が加熱トレイ81、82間に配置されるのに十分である。各トレイは、加熱器、具体的には抵抗加熱器に関連し得る。加熱器は、下トレイ81又は上トレイ82に載っているカップ85を加熱するために電気的に相互接続及び/又は個々に作動可能であってもよい。流動食品又は飲料用装置のコネクタ30に接続するコネクタ31は、下加熱トレイ81の一端に設けられる。加熱トレイ81は、ハウジングの面91に適合するような寸法を有する。具体的には、この部分が、カップを予熱するために別々に加熱される必要がない場合には、下加熱トレイ81は、面91の前部35に載っていてもよい。
【0054】
カップ加熱器8fは、カップ85を支持及び予熱するための水平加熱トレイ81を1枚だけ有する。加熱トレイ81は、2つのコネクタ31’、31’’に関連している。第1のコネクタ31’は、下方向きであり、流動食品又は飲料用装置のコネクタ30に適合するように構成される。第2のコネクタ31’’は、上方向きである。このコネクタ31’’は、例えば略水平円板として成形された支持部材31’’’に関連しており、流動食品又は飲料用装置のハウジングの面91のコネクタ30及び部分34と形状及び機能が実質的に同一であってもよい。したがって、泡立て器8a又はケトル8bなどの第2の器具は、コネクタ31’’に取り付け、カップ加熱器8fの円板31’’’を支持することができる。カップ加熱器8fは、コネクタ31を1つだけ含むカップ加熱器8dの変形形態である。
【0055】
図1は、加熱器8d、8e、8fとは異なり、一度に1つのカップ85を予熱するように構成される第4のカップ加熱器8cを示す。カップ加熱器8cは、カップ85を保持するための上シート部83と、加熱用制御装置及びコネクタを底面に含む基部83’とを有し、このコネクタは、流動食品又は飲料用装置のコネクタ30に接続することができる。シート部83は、カップ85に対しての熱を閉じ込めるためのほぼ円形の直立した周壁84を有する。また、周壁84は、カップ85の取っ手85’が通過することを可能にするための垂直に延在する貫通開口部84’を有し、それにより取っ手85’に手が届くようにすることによって、予熱した際にカップ85を掴み、シート部83からカップ85を採り出すことを容易にする。取っ手85’が、開口部84’を介して予熱用シート部83から突き出ることを可能にすることによって、予熱は、カップ85のコンテナ部に集中し、取っ手85’には集中せず、これにより手で掴むのに快適な低い温度のままとすることができる。
【0056】
図4には、例えば、
図1及び
図3に示したような、具体的には、最も外側のハウジング9(図示せず)内に設置された流動食品又は飲料用モジュール2である、本発明の流動食品又は飲料用装置の部分的な内側の図が示されている。
【0057】
モジュール2は、開閉ハンドル11’と、例えばコーヒーのカプセルなどの物質含有カプセルを保持する手段と、飲料ダクト95などの飲料送出手段とを備える抽出ユニット11を含む。
【0058】
典型的には、保持手段は、カプセルホルダ及び抽出ケージ、水をカプセルに注入するための流体注入システム、並びにレバー及びニージョイント機構などの閉鎖装置を含む。適したエキス抽出モジュールは、EP1 859 713に開示されている。
【0059】
サーモブロック12又は類似のサーマルブロック慣性式加熱器(thermal bloc inertia−type heater)などの給湯器が、モジュール2に設けられる。この給湯器は、プライミングバルブ13及び柔軟な管状ライン14、15を介して抽出ユニット11に接続される。接続を簡単にするために、クリッピング手段を用いて管状ラインを様々な要素に接続することができる。
【0060】
圧力ポンプ17は、高圧で水を給湯器に供給するように設けられる。したがって、圧力ポンプは、柔軟な管状ライン16によって給湯器に関連付けられる。このポンプは、ピストンポンプであってもよい。流量計18も、ポンプの上流に設けて、ポンプによって吸い込まれ給湯器に分配される水量を計数し、したがって正確な飲料量の管理を可能にする。水ライン19は、水接続部入口21に入り、流量計18に至る冷水を表す。水ライン20は、プライミングバルブ13から来て水接続部出口22から出る冷水ラインを表す。このライン20は、システムのプライミング動作中に空気及び/又は水をパージすることによって流体回路中の圧力の平衡を保つものである。このバルブは、EP1 798 457により詳細に説明されている。
【0061】
水ライン19、20、及びプライミングバルブ13は、流動食品又は飲料用装置のハウジング9の足部又はプラットフォーム1の中に延在する。
【0062】
電子回路23も、モジュール2内に、その様々な要素、具体的には給湯器、ポンプ及び流量計を制御するために配設される。
【0063】
1つ又は2つのボタンのプリント(button print)24も、モジュールの側面に配置されており、ボタンのプリント24は、電子回路23に電子的に接続される。ボタンのプリント24は、それ自体が知られており、典型的にはポンプを運転するための電子回路の開閉を可能にする柔軟なパッドであってもよい。各プリント24は、プログラムした水量が、飲料のサイズ、例えば、短いエスプレッソコーヒー40mL、又は長いコーヒーカップ110mLに応じてポンプされるのに役立ち得る。
【0064】
例示のように、流動食品又は飲料用モジュール2は、使用済カプセル容器96(図示せず)を受容するための内側ハウジング97の周りにきつく配置される。
【0065】
同じ符号が一般に同じ要素を示している
図5に示す流動食品及び飲料用装置は、
図1及び
図3に示すものと同様である。
【0066】
しかし、
図5に示すハウジング9は、ハンドル11’を備える流動食品又は飲料用モジュールの上に、
図1〜
図3に関連して述べたタイプの器具8a、8b、8c、8d、8e、8fに接続解除可能に接続可能なコネクタ(図示せず)を備えるハウジング9のハウジングの面91’を有する。
図5に見られるように、ハウジング9は、
図1〜
図3の例示におけるのと異なりプラットフォームの足部を形成する側方底部拡張部を有しない。
【0067】
先の実施形態のように、ハウジングの面91’は、器具、具体的にはミルク泡立て器具8aを支持する後部34と、カップ85を支持するための前部35とを有する。前部35は、前部35に載っているカップを予熱するために、流動食品又は飲料用モジュール内の流体を加熱するようにサーモブロック又は他の加熱手段に適宜つながれる加熱システム、例えば抵抗加熱装置を組み込むこともできる。
【0068】
図5に示す流動食品又は飲料用装置の操作のために、流動食品又は飲料用装置の前面94は、タッチスクリーンインタフェース94’を支える。ミルク泡立て器8aは、制御ボタン80’’’を介して別々に制御されてもよい。