特許第5653566号(P5653566)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5653566
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】消音装置及びその生産方法
(51)【国際特許分類】
   F01N 1/10 20060101AFI20141218BHJP
   F01N 1/02 20060101ALI20141218BHJP
   F01N 1/06 20060101ALI20141218BHJP
   F01N 1/08 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   F01N1/10 G
   F01N1/02 L
   F01N1/06 G
   F01N1/08 L
   F01N1/08 N
   F01N1/08 Q
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-513972(P2014-513972)
(86)(22)【出願日】2012年5月14日
(65)【公表番号】特表2014-518987(P2014-518987A)
(43)【公表日】2014年8月7日
(86)【国際出願番号】EP2012058918
(87)【国際公開番号】WO2012168039
(87)【国際公開日】20121213
【審査請求日】2014年1月28日
(31)【優先権主張番号】102011077183.2
(32)【優先日】2011年6月8日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513212291
【氏名又は名称】エーバーシュペッヒャー・エグゾースト・テクノロジー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ、ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】シュグ、ノーバート
【審査官】 谷川 啓亮
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0116586(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0101434(US,A1)
【文献】 実開昭51−046844(JP,U)
【文献】 特開2006−342679(JP,A)
【文献】 特開昭49−057234(JP,A)
【文献】 特開2010−138807(JP,A)
【文献】 実開昭52−009401(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0219749(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 1/00 − 1/24
F01N 13/00 − 99/00
G10K 11/00 − 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動車の内燃エンジンの排気システム用の消音装置であって、
周方向(5)に閉鎖され、軸方向(4)に互いに離れている長手方向における2つの端部の各々上に端部ベース(6)を備える周方向シェル(3)を備えるハウジング(2)と、
前記ハウジング(2)内に配置され、少なくとも1つの排気ガス用吸気パイプ(8)と少なくとも1つの排気ガス用排気パイプ(10)とを備える消音装置挿入物(15)とを備え、
前記シェル(3)は、周方向(5)に分割され、前記パイプ(8、10)の一方が内部から挿入される少なくとも1つの開口(7、9)を有する少なくとも1つのシェル部分(11、12)を備え、
分割した前記シェル(3)は、少なくとも1つの吸気シェル部分(11)と1つの排気シェル部分(12)とを備え、
前記吸気シェル部分(11)は、前記吸気パイプ(8)が内部から挿入される少なくとも1つの吸気開口(7)を備え、
排気シェル部分(12)は、内部から前記1つの排気パイプ(10)が挿入される少なくとも1つの排気開口(9)を備え、
前記各端部ベース(6)は、前記消音装置挿入物(15)とは別の構成部品とされ、前記吸気パイプ(8)及び前記排気パイプ(10)を当該消音装置内部に閉鎖する消音装置。
【請求項2】
前記各端部ベース(6)は、前記軸方向(4)に開口を有していない請求項1に記載の消音装置。
【請求項3】
前記消音装置挿入部(15)の全ての吸気パイプ(8)と全ての排気パイプ(10)が、内部から前記吸気開口(7)及び排気開口(9)内に挿入される請求項1又は請求項2に記載の消音装置。
【請求項4】
前記各吸気パイプ(8)及び/または前記各排気パイプ(10)は、L字状に角度を持ち、前記各パイプ(8、10)の第一脚部(24、26)が、前記各開口(7、9)内に挿入され、前記各パイプ(8、10)の第二脚部(25、27)が、長手方向中心軸(28、29)の周りを回転可能に前記消音装置挿入部(15)上に配置される請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の消音装置。
【請求項5】
少なくとも1つの前記吸気開口(7)と少なくとも1つの前記排気開口(9)が互いに対向する位置に配置されている請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の消音装置。
【請求項6】
前記端部ベース(6)の少なくとも1つは、じょうご状に、外側に向いた屈曲を有し、前記屈曲は、ハウジング(2)内で、追加容量を制限し、ハウジング(2)の内部(23)を、すなわち、前記シェル(3)の軸方向外部を軸方向に拡大させることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の消音装置。
【請求項7】
前記周方向(5)の前記シェル(3)は、
2つの前記シェル部分(11、12)に分割され、前記吸気シェル部分(11)及び前記排気シェル部分(12)のみを備え、
2つの前記シェル部分(11、12)は、周方向端部(14、18)の領域において互いに締結され、及び/または、
前記シェル部分(11、12)の前記周方向端部(14、18)が、前記軸方向(4)に平行して直線的に伸び、及び/または、
2つの前記シェル部分(11、12)が前記周方向端部(14、18)の領域において径方向に重複し、及び/または、
一方の前記シェル部分(11)が他方の前記シェル部分(12)内に径方向に挿入される請求項に記載の消音装置。
【請求項8】
前記消音装置挿入部(15)が2つの中間ベース(16)を備え、
第一中間ベース(16)は、第一端部ベース(6)を用いて第一チャンバ(30)を軸方向に制限し、
前記第一中間ベース(16)は、第二中間ベース(16)を用いて第二チャンバ(31)を軸方向に制限し、
前記第二中間ベース(16)は、第二端部ベース(6)を用いて第三チャンバー(32)を軸方向に制限し、
少なくとも1つの前記吸気パイプ(8)は、前記第二チャンバ(31)を通じて延び、前記第一中間ベース(16)を通過して、前記第一チャンバ(30)に流体的に接続され、
少なくとも1つの前記排気パイプ(10)が、前記第三チャンバ(32)を通じて前記第一チャンバ(30)に流体的に接続され、第二中間ベース(16)、第二チャンバ(31)を通過し、第一中間ベース(16)を通過する請求項1乃至請求項のいずれかに記載の消音装置。
【請求項9】
前記消音装置挿入部(15)は、少なくとも1つの接続パイプ(33)を備え、前記接続パイプ(33)は、前記第二チャンバ(31)を通して延在し、少なくとも1つの前記中間ベース(16)を通過し、他の前記チャンバ(30、32)の少なくとも1つに流体的に接続され、及び/または、
少なくとも1つの前記吸気パイプ(8)が、前記第二チャンバ(31)内で孔が開けられ、及び/または
少なくとも1つの前記排気パイプ(10)が前記第二チャンバ(31)内、及び/または前記第三チャンバ(32)内で孔が開けられ、及び/または、
前記少なくとも1つの前記接続パイプ(33)が、前記第二チャンバ(31)内で孔が開けられ、及び/または、
前記第二チャンバ(31)及び/または前記第三チャンバ(32)は、吸音手段で充填されている請求項に記載の消音装置。
【請求項10】
1つの前記シェル部分(12)が、前記周方向(5)に180度以上延在する請求項又は請求項に記載の消音装置。
【請求項11】
消音装置挿入部(15)が、前記吸気シェル部分(11)内または前記排気シェル部分(12)内に径方向に挿入され、少なくとも1つの前記吸気パイプ(8)が内部から少なくとも1つの前記吸気開口(7)内に挿入され、または少なくとも1つの前記排気パイプ(10)が内部から少なくとも1つの前記排気開口(9)内に挿入され、
前記排気シェル部分(12)は、前記吸気シェル部分(11)に径方向に取り付けられ、または、前記吸気シェル部分(11)は、前記排気シェル部分(12)に径方向に取り付けられ、少なくとも1つの前記排気パイプ(10)が内部から少なくとも1つの前記排気開口(9)内に挿入され、または少なくとも1つの前記吸気パイプ(8)が内部から少なくとも1つの前記吸気開口(7)内に挿入される請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の消音装置の生産方法。
【請求項12】
自動車の内燃エンジンの排気システム用の消音装置であって、
周方向(5)に閉鎖され、軸方向(4)に互いに離れている長手方向における2つの端部の各々上に端部ベース(6)を備える周方向シェル(3)を備えるハウジング(2)と、
前記ハウジング(2)内に配置され、少なくとも1つの排気ガス用吸気パイプ(8)と少なくとも1つの排気ガス用排気パイプ(10)とを備える消音装置挿入物(15)とを備え、
前記シェル(3)は、周方向(5)に分割され、前記パイプ(8、10)の一方が内部から挿入される少なくとも1つの開口(7、9)を有する少なくとも1つのシェル部分(11、12)を備え、
分割した前記シェル(3)は、少なくとも1つの吸気シェル部分(11)と1つの排気シェル部分(12)とを備え、
前記吸気シェル部分(11)は、前記吸気パイプ(8)が内部から挿入される少なくとも1つの吸気開口(7)を備え、
排気シェル部分(12)は、内部から前記1つの排気パイプ(10)が挿入される少なくとも1つの排気開口(9)を備え、
前記各吸気パイプ(8)及び/または前記各排気パイプ(10)は、L字状に角度を持ち、前記各パイプ(8、10)の第一脚部(24、26)が、前記各開口(7、9)内に挿入され、前記各パイプ(8、10)の第二脚部(25、27)が、長手方向中心軸(28、29)の周りを回転可能に前記消音装置挿入部(15)上に配置される消音装置。
【請求項13】
自動車の内燃エンジンの排気システム用の消音装置であって、
周方向(5)に閉鎖され、軸方向(4)に互いに離れている長手方向における2つの端部の各々上に端部ベース(6)を備える周方向シェル(3)を備えるハウジング(2)と、
前記ハウジング(2)内に配置され、少なくとも1つの排気ガス用吸気パイプ(8)と少なくとも1つの排気ガス用排気パイプ(10)とを備える消音装置挿入物(15)とを備え、
前記シェル(3)は、周方向(5)に分割され、前記パイプ(8、10)の一方が内部から挿入される少なくとも1つの開口(7、9)を有する少なくとも1つのシェル部分(11、12)を備え、
分割した前記シェル(3)は、少なくとも1つの吸気シェル部分(11)と1つの排気シェル部分(12)とを備え、
前記吸気シェル部分(11)は、前記吸気パイプ(8)が内部から挿入される少なくとも1つの吸気開口(7)を備え、
排気シェル部分(12)は、内部から前記1つの排気パイプ(10)が挿入される少なくとも1つの排気開口(9)を備え、
前記消音装置挿入部(15)が2つの中間ベース(16)を備え、
第一中間ベース(16)は、第一端部ベース(6)を用いて第一チャンバ(30)を軸方向に制限し、
前記第一中間ベース(16)は、第二中間ベース(16)を用いて第二チャンバ(31)を軸方向に制限し、
前記第二中間ベース(16)は、第二端部ベース(6)を用いて第三チャンバー(32)を軸方向に制限し、
少なくとも1つの前記吸気パイプ(8)は、前記第二チャンバ(31)を通じて延び、前記第一中間ベース(16)を通過して、前記第一チャンバ(30)に流体的に接続され、
少なくとも1つの前記排気パイプ(10)が、前記第三チャンバ(32)を通じて前記第一チャンバ(30)に流体的に接続され、第二中間ベース(16)、第二チャンバ(31)を通過し、第一中間ベース(16)を通過する消音装置。
【請求項14】
前記消音装置挿入部(15)は、少なくとも1つの接続パイプ(33)を備え、前記接続パイプ(33)は、前記第二チャンバ(31)を通して延在し、少なくとも1つの前記中間ベース(16)を通過し、他の前記チャンバ(30、32)の少なくとも1つに流体的に接続され、及び/または、
少なくとも1つの前記吸気パイプ(8)が、前記第二チャンバ(31)内で孔が開けられ、及び/または
少なくとも1つの前記排気パイプ(10)が前記第二チャンバ(31)内、及び/または前記第三チャンバ(32)内で孔が開けられ、及び/または、
前記少なくとも1つの前記接続パイプ(33)が、前記第二チャンバ(31)内で孔が開けられ、及び/または、
前記第二チャンバ(31)及び/または前記第三チャンバ(32)は、吸音手段で充填されている請求項13に記載の消音装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルの特徴を有する、特に自動車の内燃エンジンについての排気システム用消音装置に関する。本発明は、更にこのような消音装置の生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消音装置は、様々な方法により生産及び構成が可能である。シェル設計においては、消音装置のハウジングを形成するために、少なくとも2つのシェル体が互いに締結される。そして、吸気パイプ及び排気パイプは、シェル体を通して提供され、またはシェル体の接続領域を通して提供される。チューブ設計の場合、消音装置挿入物は、チューブ状ハウジング内に対して軸方向に挿入される。チューブ状ハウジングは、軸方向表面端部において2つの端部ベースにより閉鎖されている。実際のところ、吸気パイプ及び排気パイプは、端部ベースを挿通させて配設される。しかし、チューブ体を通して、すなわち、ハウジングのシェルを通して、このようなチューブの通路を決める必要がある場合、ハウジングの内部において各パイプを消音装置内の挿入物に接続すると、著しく複雑になる。ラップ設計では、ハウジングのシェルを形成するために、消音装置挿入物及び端部ベースのユニットを予め組み立てておき、次にシートメタル体で覆っている。ここで、複数のパイプのうちの1つであってもシェル貫通が必要となる限り、貫通開口がプレート本体上に予め用意され、消音装置挿入物のラップ配設は、この通路開口から開始される。
【0003】
ラップ設計の改良が、DE 10 2008 056 350 A1に示されている。これは、ハウジングが周方向に閉鎖した周方向シェルと、互いに距離を置いた2つの長手方向端部上のそれぞれにある端部ベースとを備える消音装置であって、消音装置挿入物がハウジングに配置され、少なくとも1つの排気ガス用吸気パイプと、少なくとも1つの排気ガス用排気パイプとを備える消音装置を開示している。シェルは、周方向に分割されているため、正確には2つのシェル部分を備える。一方のシェル部分は、内部からパイプの1つが挿入される開口を有している。生産のために、当該開口を備えたシェル部分が、消音装置挿入物及び2つの端部ベースから形成されているユニットに取り付けられる。この後、開口を有さない他方のシェル部分が、消音装置の軸方向に対して径方向に取り付けられ、このシェル部分は、端部ベース及び消音装置挿入物により構成されるユニットに、周方向において広く嵌合する。その後、2つのシェル部分の周方向端部は、シェルを気密性が高い状態で閉鎖するために接合される。これに加えて、端部ベースが、気密性が高い状態でシェル部分に接合される。既知の消音装置の場合、少なくとも1つの追加パイプが一つの端部ベースを挿通して配設されるため、当該追加パイプを挿通させるために、当該端部ベースは、そのための通路開口を有している。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、上記に最初に記載したタイプの消音装置の改善、または少なくとも別の実施の形態について述べている問題に取り組むものであり、特に簡単に生産可能とすることを目的とする。特に、排気システム内、好ましくは車両内の消音装置のコンパクトな配置を実現するものである。
【0005】
本発明によると、上記問題は、独立請求項の基本概念を通して解決される。そして、好ましい実施の形態が、従属請求項の基本概念である。
【0006】
本発明は、少なくとも2つのシェル部分、すなわち、吸気シェル部分及び排気シェル部分が作られるように、周方向においてシェルを分割する案に基づく。吸気シェル部分及び
排気シェル部分は、実際には別々に生産された部品である。吸気シェル部分は、少なくとも1つの吸気開口を備え、吸気パイプが内部から各吸気開口に挿入される。排気シェル部分は、少なくとも1つの排気開口を備え、排気パイプが内部から各排気開口内に挿入される。吸気開口は、径方向に、シェルまたは吸気シェル部分を貫通している。排気開口は、径方向にシェルまたは排気シェル部分を貫通している。したがって、提案した構造によれば、原則として、全てのガス運搬接続部がシェルを通じて提供可能となるように、吸気シェル部分を通じて1つまたは複数の吸気パイプを提供し、排気シェル部分を通じて1つまたは複数の排気パイプを提供する。すなわち、シェルを通してこれらを供給することが可能である。これにより、端部ベースの構成を簡単にすることが可能である。このため、端部ベースを、消音装置への挿入物とは、完全に独立した構造とすることも同様に可能である。このため、この構造によれば、端部ベースが同じであっても、異なる消音装置挿入物を用いることが可能になる。この構造は、消音装置を車両上に収容するのに特に好都合である。
【0007】
ここで、シェルにより周方向が制限され、2つの端部ベースにより軸方向が制限されるハウジングの内部に、消音装置挿入物が配置される。
【0008】
したがって、消音装置挿入物の全ての吸気パイプ及び全ての排気パイプが、このような吸気開口および排気開口に対して内部から挿通される。言いかえると、2つの端部ベースを完全に閉じて構成できる、すなわち、端部ベースを開口無しで設計することができる。
【0009】
別の好ましい実施の形態では、各吸気パイプをL字状に角度を持たせることができ、各吸気パイプの第一脚部が各吸気開口に挿入され、各吸気パイプの第二脚部が、消音装置挿入物上(例えば、消音装置挿入物の中間ベース上)の長手方向中心軸の周りに回転可能に配置される。これに対する追加又は代替として、各排気パイプをL字状に角度を持たせることができ、各排気パイプの第一脚部が各排気パイプに挿入され、各排気パイプの第二脚部が、消音装置挿入物上(特に、消音装置挿入物の中間ベース上)の長手方向中心軸の周りに回転可能に配置される。実際には、各第二脚部の各長手方向中心軸は、消音装置の軸方向に略平行に延在する。このため、消音装置の組み立て中に、生産関連の位置公差を非常に簡単に補正可能である。消音装置挿入物上の各パイプの回転可能な配置は、例えば、スライディングシートを介して実現可能である。
【0010】
別の好ましい実施の形態では、少なくとも1つの吸気開口を、少なくとも1つの排気開口と向かい合う位置に配置することができる。このため、消音装置の組み立てを、実質的に簡略化することができる。例えば、消音装置挿入物を排気シェル部分に挿入することができ、そこで各排気パイプを各排気開口に挿通させることが可能である。これに続いて、吸気シェル部分を取り付けることができ、そこで各吸気パイプを各吸気開口に挿通させることができる。
【0011】
別の好ましい実施の形態では、少なくとも1つの端部ベースに、外側に屈曲を持たせることができる。これは、ハウジングにおいて更に容量が大きくなることを制限しつつ、ハウジング内部を軸方向に拡大させる。この場合の外側への凸状屈曲を、じょうご形または円錐形に構成することができる。このような屈曲した端部ベースを活用して、軸方向に確保できる設置空間を、内部容量を拡大するために効果的に利用することもできる。これにより、特にハウジングの容量を、シェルにより囲まれる領域を超えて軸方向に拡大させることができ、その結果、各追加容量は、軸方向にシェル外部に位置している。
【0012】
実際には、シェルは、周方向に2つのシェル部分、すなわち吸気シェル部分及び排気シェル部分のみを有している。このため、接続点の数は最小限に低減する。しかし、本質的には、3つ以上のシェル部分を有する実施の形態も可能である。
【0013】
シェル部分が2つだけ設けられているとした場合、2つのシェル部分を周方向端部の領域で互いに締結することができる。例えば、この周方向端部は、ハウジングの軸方向に平行して直線的に延びる。これに対する追加又は代替として、2つのシェル部分を、周方向端部の領域において径方向に重複させることが可能である。特に、一方のシェル部分を他方のシェル部分に対して径方向に挿入することができる。例えば、このために、各シェル部分と端部ベース、又は、妥当であれば少なくとも1つの消音装置挿入物の中間ベースと各シェル部分との間に、スライドイン開口または溝を径方向に形成するために、一方のシェル部分の周方向端部に角度を持たせたり、段状にすることができ、そしてこの中に他方のシェル部分の周方向端部を、周方向に挿入または導入するという方法も採れる。例えば、スロット及びキープラグ接続をこのように実現することができ、これを、気密性が高い状態で、非常に簡単に閉鎖することができる。
【0014】
別の好ましい実施の形態では、消音装置挿入物は、2つの中間ベースを備えることができる。中間ベースは、シェルを著しく硬くできる。特に、中間ベースを軸方向に端部ベースと一致させて構成すれば、これらは、特に外形が揃った状態でシェルの内形に接触して配置される。第一中間ベースは、第一チャンバを第一端底部で軸方向に区切ることができ、このチャンバは、ハウジング内部に形成される。さらに、第二中間ベースは、第二中間ベースで第二チャンバを軸方向に区切ることができる。したがって、この第二チャンバは、ハウジング内部において軸方向に第一チャンバの後に続いている。さらに、第二中間ベースは、第二端部ベースで第三チャンバを軸方向に区切ることができ、この第三チャンバは、ハウジング内部に配置され、軸方向に第二チャンバの後に続いている。実際には、次に少なくとも1つの吸気パイプが、第二チャンバを通じて伸び、第一中間底部を通過し、流体的に第一チャンバに接続される。各排気パイプは、第二中間底部、第二チャンバを通過し、第一中間ベースまでを通過することができる。したがって、吸気パイプ及び排気パイプは、第一チャンバにおいて開放するため、消音装置は、比較的低い通気抵抗を有する。
【0015】
好ましい実施の形態によると、消音装置挿入物は、第二チャンバを通じて延在し、少なくとも一方の中間ベースを通過して他のチャンバ(すなわち、第一チャンバ及び第三チャンバ)の少なくとも1つに流体的に接続されている少なくとも1つの接続パイプを備えることができる。これにより、例えば、第三チャンバは、特にホルムヘルツ共振器を実現するための共鳴チャンバとして機能することができる。
【0016】
さらに、またはもう一つの方法として、第二チャンバ内に、少なくとも1つの吸気パイプ、及び/または少なくとも1つの排気パイプ、及び/または少なくとも1つの接続パイプを貫通させてもよい。このため、第二チャンバを吸収チャンバとして利用することができる。特に、このために第二チャンバを吸音手段で充填することができる。第三チャンバにおいて、少なくとも1つの排気パイプを更に貫通させることができ、その結果、第三チャンバを例えば、吸収チャンバとして利用することもできる。このために、第三チャンバを吸音手段で充填することができる。
【0017】
特に実用的なことは、1つのシェル部分が周方向に180度以上延在する構成である。これは排気シェル部分に関して好適である。
【0018】
特に好ましい実施の形態によると、消音装置は、まさに1つの吸気パイプと2つの排気パイプを所有し、対応する排気開口は、吸気開口と対向して位置しているシェル上に位置している。
【0019】
消音装置挿入物が、径方向に排気シェル部分内に挿入され、少なくとも1つの排気パイ
プが、少なくとも1つの排気開口に対して内部から挿入されるようにして、ここで示す消音装置が生産される。この後、吸気シェル部分が、排気シェル部分に径方向において取り付けられ、少なくとも1つの吸気パイプが少なくとも1つの吸気開口に内部から挿入される。あるいは、消音装置挿入物が吸気シェル部分に径方向に挿入され、少なくとも1つの吸気パイプが少なくとも1つの吸気開口に内部から挿入される。この後、排気シェル部分が吸気シェル部分に径方向に取り付けられ、少なくとも1つの排気パイプが少なくとも1つの排気開口に内部から挿入される。
【0020】
次に、吸気ベースを吸気シェル部分の取り付け前または取り付け後に取り付けることができる。例えば、吸気ベースを、吸気シェル部分の取り付け前に排気シェル部分に軸方向に取り付けることができる。あるいは、吸気シェル部分の取り付け後、吸気ベースを軸方向にシェルに取り付けることができる。別の実施の形態によると、端部ベースは、消音装置挿入物と一体的に形成され、そのため、消音装置挿入物は端部ベースと共に排気シェル部分内に挿入される。
【0021】
端部ベースは、気密性が高い状態でシェルに接合されている。シェル部分は、気密性が高い状態で互いに接合されている。パイプは、気密性が高い状態で、開口においてシェルに接合されている。この目的のために、例えば、各シェル開口をカラーで囲むことが可能である。この場合、各カラーを径方向に外側に突出させ、例えば、通路として構成できる。
【0022】
シェル部分、すなわち、吸気シェル部分および排気シェル部分の各々が単独のパーツとして製造できるため、その結果、これらを非常に高い費用効果で実現することができる。
【0023】
少なくとも2つのシェル部分は、同じ材料、特に同じ壁厚で製造される。ただし、別の実施の形態として、吸気シェル部分及び排気シェル部分を、異なる壁厚及び/または異なる材料から設けることも可能である。
【0024】
本発明のさらに重要な特徴及び効果は、図面を活用して、下位クレーム及び添付図面の説明から得られる。
【0025】
上記特徴及び以下でさらに説明する特徴を、本発明の範囲を逸脱しない限り、記載された各組み合わせで使用可能なだけでなく、別の組み合わせまたは単独でも使用可能であることを理解されたい。
【0026】
本発明の好ましい実施例は、図示され、下記にてより詳細に説明され、そこでの同一の参照符号は、同じ、類似、または機能的に同じ部品に関することを示す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、排気シェル部分を透明として示した消音装置の斜視図である。
図2図2は、別方向からの消音装置の斜視図である。
図3図3は、吸気シェル部分の斜視図である。
図4図4は、消音装置挿入部および2つの端部ベースの配置の斜視図である。
図5図5は、消音装置の生産前ユニットの斜視図である。
図6図6は、排気シェル部分の斜視図である。
図7図7は、組み立て済みのユニットに排気シェル部分を組み立てる際の消音装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1から7によると、特に、ここでは図略の自動車についての、内燃エンジンの排気シ
ステムへの組み込みに適している消音装置1は、シェル設計においてハウジング2を備えている。したがって、ハウジング2は、長手方向または軸方向4、及び周方向5に延在するシェル3を備える。ハウジング2は、2つの端部ベース6をさらに有し、端部ベース6は、互いに間隔がおかれたシェル3の2つの長手方向端部に配置されている。実際には、消音装置1は、車両後部の消音装置として構成され、特に車両の床下上の横方向組付けに適している。
【0029】
ハウジング2は、シェル3を貫通する少なくとも1個の吸気開口7を備え、この吸気開口7を通してハウジング2の内部23に配置されている吸気パイプ8を、図略の排気システムのパイプに接続することができる。ハウジング2は、少なくとも1つの排気開口9を備え、この排気開口9は、ここで示す消音装置1において、同様にシェル3に形成されている。これを通じて、少なくとも1つの排気開口9、ハウジング2の内部23に配置されている排気パイプ10を、排気システムとして対応する他のパイプに接続することができる。図1の例では、このような排気開口9が2つ設けられている。したがって、ここでは、2つの排気パイプ10が設けられている。なお、図2から図7の例では、1つの排気パイプ10しか設けられていないので、その場合は、排気開口9も1つしか設けられない。消音装置1は、まさに、1つの吸気開口7及び1つの吸気パイプ8、2つの排気開口9及び2つの排気パイプ10を備えていることが好ましい。
【0030】
シェル3は、周方向5に分割されているので、シェル3は、少なくとも2つのシェル部分11、12を備えている。一方のシェル部分11は、吸気開口7を備える。以下吸気シェル部分11として説明する。他方のシェル部分12は、少なくとも1つの排気開口9を備える。以下排気シェル部分12として説明する。ここに示す実施形態の場合、シェル3は、厳密には2つのシェル部分を有し、各シェル部分は、単独の部品として構成されている。図1及び図2に反映されている組立て状態では、2つのシェル部分11、12は、気密性が高い状態で互いに固定接合されている。実際には、全ての吸気開口7は、吸気シェル部分11内に形成されている。一方、全ての排気開口9は、排気シェル部分12内に形成されている。
【0031】
ここで示す実施形態によれば、シェル部分11、12は、シェル開口7、9のそれぞれにカラー13を有することが可能である。このカラー13は、それぞれのシェル部分11、12におけるこれ以外の外面形状に対して、外側に突出し、シェル開口7、9のそれぞれを取り囲む。この場合、各カラー13は、それぞれのシェル部分11、12に一体成型される。シェル部分11、12のそれぞれは、特に、形成シートメタル部、好ましくは、完全に独立した部品として設計することが可能である。
【0032】
吸気開口7に付与された吸気パイプ8は、内部から同軸状に吸気開口7に挿入されている。特に、吸気パイプ8は、同軸状に対応のカラー13内に突出する。ここで、実際には、吸気パイプ8は、対応のカラー13と略同一面で終結する。組み立て状態では、吸気パイプ8を、対応のカラー13に固定接合することができる。このために、環状の密閉した円周溶接線が適切である。これと同様に、各排気開口9に付与された排気パイプ10は、内部から対応の排気開口9内に同軸状に挿入される。ここでも、各排気パイプ10は、同軸状に対応のカラー13内に突出する。ここでも、実際には、排気パイプ10は、対応のカラー13と略同一面上で終結する。組み立てた状態では、各排気パイプ10は、対応のカラー13に固定接合され、ここでも環状の密閉した周方向溶接線が適切である。パイプ8、10は、対応する開口7、9のカラー13に固定され、パイプ8、10を用いて、例えば、各カラー13を少し超えて突出するための溶接線は、カラー13の面の端部をパイプ8、10のそれぞれの外部に接合させることができる。シェル部分11、12のそれぞれは、実際には、単品から生産されている。
【0033】
図1に示す実施の形態では、吸気パイプ8及び2つの排気パイプ10の各々は、L字状に角度を有しているので、吸気パイプ8は、第一脚部24および第二脚部25を備え、2つの排気パイプ10の各々は、第一脚部26および第二脚部27を備えている。吸気パイプ8の第一脚部24は、内部から吸気開口7内に挿通される。吸気パイプ8の第二脚部25は、長手方向中心軸28の回りを回転可能に配置され、この長手方向中心軸28は、軸方向4に略平行に延在する。2つの排気パイプ10の第一脚部26の各々は、内部から排気開口9内に挿通される。排気パイプ10の第二脚部27の各々は、長手方向中心軸29の回りを回転可能に配置され、長手方向中心軸29も同様に、軸方向4に略平行に延在する。
【0034】
吸気パイプ8は、第一下部中間ベース16上の第二脚部25の長手方向中心軸28の回りを回転可能に、例えば、スライディングシートにより実装されている。2つの排気パイプ10は、例えば、スライディングシート内で、少なくとも1つの中間ベース16、好ましくは、両方の中間ベース16上の第二脚部27の長手方向中心軸29の周りを回転可能に実装されている。
【0035】
ここで示す実施形態では、全ての吸気パイプ8は、シェル3を貫通する吸気開口7に挿入され、各排気パイプ10は、シェル3を貫通する排気開口9にさらに挿入されており、2つの端部ベース6は完全に閉鎖して構成することができ、その結果、これら2つの端部ベース6は、軸方向に開口を有していない。
【0036】
実際には、一方の各吸気開口7及び他方の各排気開口9は、シェル3上で互いに正反対に位置している。
【0037】
各吸気パイプ8及び各排気パイプ10は、ハウジング2の内部23に配置されている消音装置挿入物15の構成部品とされる。
【0038】
この場合、ハウジング2は、周方向5ではシェル3に取り囲まれ、軸方向4では端部ベース6により制限された内部23を囲んでいる。
【0039】
図1に示す実施形態では、2つの端部ベース6は、消音装置挿入物15とは別の構成部品を形成している。そして消音装置挿入物15は、2つの中間ベース16、すなわち、図1下部に示す第一中間ベース16および図1上部に示す第二中間ベース16を備える。第一に、下部中間ベース16は、下部端部ベース6で第一チャンバ30を軸方向に制限する。下部中間ベース16は、上部中間ベース16で第二チャンバ31を軸方向に制限する。第二に、上部中間ベース16は、上部の端部ベース6で軸方向に第三チャンバ32を軸方向に制限する。
【0040】
吸気パイプ8が、第二チャンバ31を先に通って延びるように、吸気開口7は、吸気シェル部分11上に置かれている。下部中間ベース16は第一チャンバ30に流体的に接続される。吸気パイプ8は、第三チャンバ32と直接の相互作用はない。このために、吸気開口7は、第二チャンバ31に与えられているシェル3の軸方向部分に配置されている。これとは対照をなして、2つの排気開口9は、第三チャンバ32に与えられているシェル3の軸部分に配置されている。したがって、2つの排気パイプ10は、第三チャンバ32を通じて第一チャンバ30に流体的に接続され、上部中間ベース16、第二チャンバ31を通過し、下部中間ベース16を通過する。
【0041】
ここで、消音装置挿入物15は、更に、接続パイプ33を備え、この接続パイプ33は、第二チャンバ31を通って延びる。この例では、少なくとも第一に、下部中間ベース16は、第一チャンバ31に流体的に接続されている。さらに、またはもう一つの方法とし
て、接続パイプ33を、第二チャンバ31を通して、上部中間ベース16の上側の第三チャンバ32に流体的に接続することもできる。
【0042】
ここで、吸気パイプ8には、第二チャンバ31において穿孔34が設けられている。ここで、2つの排気パイプ10には、第三チャンバ32内でのみ穿孔35が設けられている。接続パイプ33には、第二チャンバ31においてのみ穿孔36が設けられている。第二チャンバ31を、ここでは図示しない吸音材または吸音手段で充填することができる。同様に、第三チャンバ32を、吸音材または吸音手段で充填することができる。あるいは、首部を、接続パイプ33を通じて形成することができるホルムヘルツ共振器の共鳴チャンバとして第三チャンバ32を形成することも同様に可能である。この場合、接続パイプ33は、両方の中間ベース16を貫通する。
【0043】
以下、消音装置1の生産方法について、図3〜7を参照してより詳細に説明する。ここでは、消音装置1のさらなる特徴をより詳細に説明する。
【0044】
図3に示すように、吸気シェル部分11は、排気シェル部分12とは別に生産される、または後者から分離されている。いずれの場合も、2つの吸気シェル部分11、12は、生産後は別々の部品である。形成シートメタル部としてのシェル部分11、12の各々の単品生産が好ましい。各カラー13は、この場合、例えば挿通路として、シェル部分11、12の各々に一体成型されることは、明らかである。吸気シェル部分11は、シェル3の全周の10〜40%に及んで延在する。本例では、吸気シェル部分11は、シェル3の全周の約20%に及んで延在する。結果として、排気シェル部分12は、シェル3の全周の180度以上に及んで延在する。
【0045】
吸気シェル部分11の周方向端部14は、直線的に、好ましくは、消音装置1の軸方向4に平行して延在する。
【0046】
図4に示す挿入物15は、吸気シェル部分11とは別に、そして排気シェル部分12とも別に生産される。この挿入物15は、少なくとも吸気パイプ8と、少なくとも1つの排気パイプ10を備える。図2〜7の例では、挿入物15は、2つの端部ベース6を備えることもできる。図4では、比較的複雑な消音装置挿入部1が、単に模範的に再現されおり、この場合、3つの中間ベース16を備える。さらに、結合パイプ17を設けることができる。図4に示す挿入物15は、少なくとも1つの接続パイプ33も備えることができることは明らかである。ここでも、中間ベース16を用いて、ハウジング2の内部23において複数のチャンバを形成することが可能であり、これらは、反響チャンバ、吸収チャンバ、共鳴チャンバ、及びこれらのあらゆる組合わせとして構成することができる。消音装置挿入物15は、それ自体で予め完全に組み立てることが可能である。図2〜7の実施の形態では、挿入物15は、端部ベース6と共に予め組立てが可能である。
【0047】
図5に示すように、予め完全に組立てた消音装置挿入物15を、予め完全に組立てが可能なユニット18を形成するために、吸気シェル部分11に接合できる。非常に簡単な方法で位置公差を補正することができるので、吸気シェル部分11の挿入物15への組立は、比較的簡単であることが分かる。このことは、とりわけ吸気パイプ8は、第二脚部25の長手方向中心軸28の周りを回転可能に実装され、その結果、第一脚部24の姿勢を調整できることで担保される。
【0048】
さらに、吸気パイプ8を、吸気開口7内に、特に吸気開口7を通じて挿入ができ、その結果、対応するカラー13に非常に簡単に接続できる。ここでも、端部ベース6を吸気シェル部分11に簡単に接続でき、この場合も、形状公差及び位置公差を簡単に補正することができる。
【0049】
このユニット18があれば、排気シェル部分12がないことにより、ハウジング2の内部23に面する吸気シェル部分11の内側に簡単にアクセスできることが図5から明らかである。その結果、例えば、中間ベース16を内部から吸気シェル部分11に締結することができる。例えば、中間ベース16を、吸気シェル部分11の内部に溶接することができる。このため、ユニット18には、非常に高い安定性が与えられる。
【0050】
図6に示すように、排気シェル部分12は、吸気シェル部分11とは別であって、また、挿入物15とも別に生産される。上記挿入物15は、同様に、特に単品から生産される形成シートメタル部であることが好ましい。排気シェル部分12は、同様に、吸気シェル部分11に、補足的な直線周方向端部19を有し、消音装置1の軸方向4に平行に延在する。この場合に、特に有利とされるのは、シェル3の全周において吸気シェル部分11が周方向に占める部分とは異なる部分よりも、排気シェル部分12が周方向に大きい寸法となっている実施形態である。これによれば、排気シェル部分12の周方向端部19上で各重複領域20を実現することができ、組み立てた状態では、径方向外側が、周方向5における周方向端部14上で吸気シェル部分11に重複する。できる限り気密性を高くして、またできる限り簡単にこの重複を実現するために、吸気シェル部分11、又は、ここでも同様に、各周方向端部19上の排気シェル部分12は、外側に段状になった縁21を備えることができる。この場合、段上縁21の段高さは、吸気シェル部分11の材料厚に一致している。重複領域20は、排気シェル部分12の組み立て時における公差補正をさらに可能にする。
【0051】
図7に示すように、シェル3の周方向輪郭に従って、またはユニット18の周方向輪郭に対応して予め形成される排気シェル部分12が、ユニット18に取り付けられる。このため、排気シェル部分12を軸方向4に対して横方向に取り付けることができる。その場合、吸気シェル部分11がないことで形成される排気シェル部分12の開放側22を、ユニット18上に配置することができる。これは、使用シェル材の柔軟性により簡単に可能となる。ここで、重複部分20が吸気シェル部分11の周方向端部14に重なるように、排気シェル部分12をユニット18上に位置させる。続いて、排気シェル部分12を締結する。例えば、排気シェル部分12を、段状縁21に沿って吸気シェル部分11に固定接合することができる。例えば、外部から与えられる溶接線を設けることができる。さらに、例えば、溶接線により、排気シェル部分12を端部ベース6に固定接合する。これに加えて、排気シェル部分12を、外部から少なくとも1つの中間ベース16にさらに固定接合することができる。例えば、外部から施されたタック溶接は、排気シェル部分12を内部に配置された中間ベース16に外部から接続することができる。
【0052】
排気シェル部分12を取り付ける際、排気パイプ10は、内部から第一脚部26を用いて排気開口9に挿入され、その結果、これらは対応するカラー13内に突出し、さらにはこれらカラー13を通って、またそれ以降にも突出する。排気パイプ10は、第二脚部27の各中心軸29の周りに回転可能なので、公差補正をここにおいても実施できる。
【0053】
排気シェル部分12の取り付けに続いて、次に消音装置1は、図1及び2に応じて示されているものを反映する。
【0054】
まず、排気シェル部分12を消音装置挿入物15に取り付け、その後、挿入物15及び排気シェル部分12により形成されるユニット18に対して、吸気シェル部分11を取り付ける程度に、上記組立作業を変更することができるのは明らかである。
【0055】
シェル3の周方向5における分割において、各部分におけるシェルの材料厚及び/または壁厚を変えることがさらに可能である。例えば、吸気シェル部分11の壁厚は、排気シ
ェル部分12の壁厚よりも大きい。例では、吸気シェル部分11の壁厚を、排気シェル部分12の厚さの少なくとも50%または少なくともその2倍にすることができる。このため、吸気シェル部分11には、例えば、より優れた寸法安定性を与えることができ、これによりユニット18の剛性が増す。同時に、消音装置1を、重量及び生産コストの面で最適化する。さらに、またはもう一つの方法として、吸気シェル部分11及び排気シェル部分12に異なる材料を使用することが可能である。このため、例えば、強度や剛性といった別の条件に適合させることも可能である。
【0056】
さらに、またはもう一つの方法として、分割を通して、ここでは図示しない補強ビードをシェル部分11、12の各々に設けることが比較的簡単に可能である。これにより、シェル3またはハウジング2の安定性を著しく向上させることができる。これらビードは、例えば、周方向5に延在する。特に、例えば、吸気シェル部分11の内部上または排気シェル部分12の溝状くぼみの形態で中間ベース16及び/または端部ベース6を位置させるのにこれらを利用できるように、これらを配置することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7