(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反転把持部の一対のアームは、前記ガイドレールに一体に設けられる第1アームと、前記スライドバーに、前記第1アームと対向するように一体に設けられる第2アームとからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のヤットコ用アダプタ。
前記ガイドレールと前記把持部の一方のアームとの間に、前記把持部の一方のアームと前記ガイドレールとのなす角度を所定の角度に保つ支持部材を介在させたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のヤットコ用アダプタ。
【背景技術】
【0002】
従来、間接機材を用いて行う間接活線作業において、
図10〜
図12に示すように、架線40の活線部分を絶縁シート41で覆い、上方から絶縁シート41にシートクリップ42を取り付ける場合、特許文献1、2に記載のようなヤットコ1を用い、ヤットコ1の把持部2にシートクリップ42を装着し、ヤットコ1の操作部のレバーを操作することにより、シートクリップ42を絶縁シート41に取り付けている。
【0003】
このような作業においては、作業者の安全を確保するために、高所作業車等において、作業者が架線40の下方からヤットコ1の操作部のレバーを操作し、把持部2に装着したシートクリップ42を絶縁シート41に取り付けている。
【0004】
しかし、上記のような構成のヤットコ1は、操作部に対する把持部2の角度を0〜90度の範囲内でしか調整できないため、
図11に示すように、作業位置を架線40に対してほぼ水平となる位置まで上げて、その位置で操作部のレバーを操作してシートクリップ42の取り付けを行わなければならず、作業者の安全を確保することが難しい。また、架線40の高さ、作業箇所等によっては、作業位置を上げることができないため、絶縁シート41にシートクリップ42を取り付けることが困難になる。
【0005】
上記のような問題に対処するため、作業者と補助者の二名で作業を行い、
図12に示すように、補助者が絶縁シート41の向きをほぼ水平となるように修正して支え、この状態で架線40の下方から作業者がヤットコ1の操作部のレバーを操作して、把持部2に装着したシートクリップ42を絶縁シート41に水平方向から取り付けことが考えられる。
【0006】
しかし、作業者と補助者の二名が必要になるとともに、絶縁シート41の向きを修正する作業、修正した向きに絶縁シート41を支える作業、シートクリップ42を絶縁シート41に取り付けた後に、絶縁シート41を元の向きの戻す作業等が必要になり、作業効率が非常に悪くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、間接機材を用いて行う間接活線作業等に適用した場合に、絶縁シートへのシートクリップの取り付けを容易に、効率良く、かつ安全に行うことができるヤットコ用アダプタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、開閉可能な一対のアームを有する把持部と、前記一対のアームを開閉させる操作部とを備えたヤットコに取り付けられて用いられるヤットコ用アダプタであって、前記把持部の両アームの先端に、両アームの開閉方向に延出するように取り付けられるとともに、両アームの開閉に応じて互いに相対的にスライド可能な一対のスライド部材と、前記把持部の両アームと反対方向に開口するとともに、前記両スライド部材の相対移動に追従して開閉可能な一対のアームとからなる反転把持部を備え、前記一対のスライド部材は、前記一方のアームの先端に固定された状態に取り付けられるガイドレールと、該ガイドレールによって相対的にスライド可能に案内されるとともに、前記他方のアームの先端に連結ピンを介して回動可能に取り付けられるスライドバーとからなり、該スライドバーには、該スライドバーのスライド方向に対して所定の角度をなす方向に延出する長孔が設けられ、該長孔内に前記連結ピンが該長孔の長手方向に相対的に移動可能に挿通されていることを特徴とする。
【0010】
本発明のヤットコ用アダプタによれば、ヤットコの操作部を操作して把持部の一対のアームを開閉させると、両アームの開閉に応じて反転把持部の一対のスライド部材が互いに相対的にスライドし、両スライド部材のスライドに追従して反転把持部の一対のアームが開閉し、反転把持部の両アーム間に対象物が把持される。
この場合、反転把持部の一対のアームは、ヤットコの把持部の両アームと反対方向に開口しているので、例えば、上方の作業対象物に対して下方からヤットコの操作部を操作することにより、反転把持部に把持した対象物を作業対象物に上方から取り付けることができる。従って、そのような作業を作業者一人で行うことができるので、作業効率を高めことができるとともに、作業者の安全を確保することもできる。
また、ヤットコの操作部を操作して把持部の一対のアームを閉じたときに、把持部の一方のアームの先端に対してガイドレールが回動するようなことはなく、操作部に対するガイドレールの角度を所定の角度に保った状態で、ガイドレールに沿ってスライドバーを相対的にスライドさせることができ、反転把持部の一対のアームを閉じることができる。従って、上方の作業対象物に対して下方からヤットコの操作部を操作することにより、反転把持部に把持した対象物を作業対象物に上方から取り付けるような場合に、操作部に対するスライドレール及びスライドバーの角度を所定の角度に保った状態で対象物を取り付けることができるので、作業効率を高めることができるとともに、作業者の安全を確保することもできる。
なお、ガイドレールを把持部の一方のアームに固定しても、スライドバーを把持部の他方のアームに連結する連結ピンをスライドバーの長孔の長手方向に逃すことができるので、把持部の一対のアームの開閉動作を妨げるようなことはなく、ガイドレールに沿ってスライドバーを円滑にスライドさせることができる。
【0011】
また、本発明は、開閉可能な一対のアームを有する把持部と、前記一対のアームを開閉させる操作部とを備えたヤットコに取り付けられて用いられるヤットコ用アダプタであって、前記把持部の両アームの先端に、両アームの開閉方向に延出するように取り付けられるとともに、両アームの開閉に応じて互いに相対的にスライド可能な一対のスライド部材と、前記把持部の両アームと反対方向に開口するとともに、前記両スライド部材の相対移動に追従して開閉可能な一対のアームとからなる反転把持部を備え、前記一対のスライド部材は、前記一方のアームの先端に固定された状態に取り付けられるガイドレールと、該ガイドレールによって相対的にスライド可能に案内されるとともに、連結バーを介して前記他方のアームの先端に連結されるスライドバーとからなり、該スライドバーと前記連結バーとの間、及び前記連結バーと前記他方のアームの間が回動可能に構成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明のヤットコ用アダプタによれば、ヤットコの操作部を操作して把持部の一対のアームを閉じたときに、把持部の一方のアームの先端に対してガイドレールが回動するようなことはなく、操作部に対するガイドレールの角度を所定の角度に保った状態で、ガイドレールに沿ってスライドバーを相対的にスライドさせることができ、反転把持部の一対のアームを閉じることができる。従って、上方の作業対象物に対して下方からヤットコの操作部を操作することにより、反転把持部に把持した対象物を作業対象物に上方から取り付けるような場合に、操作部に対するスライドレール及びスライドバーの角度を所定の角度に保った状態で対象物を取り付けることができるので、作業効率を高めることができるとともに、作業者の安全を確保することもできる。
なお、ガイドレールを把持部の一方のアームに固定しても、スライドバーと連結バーとの連結部、連結バーと把持部の他方のアームとの連結部が回動可能に構成されているので、把持部の一対のアームの開閉動作を妨げるようなことはなく、ガイドレールに沿ってスライドバーを円滑にスライドさせることができる。
【0013】
さらに、本発明において、前記反転把持部の一対のアームは、前記ガイドレールに一体に設けられる第1アームと、前記スライドバーに、前記第1アームと対向するように一体に設けられる第2アームとからなることを特徴とする。
【0014】
本発明のヤットコ用アダプタによれば、ガイドレールとスライドバーとが相対的にスライドすることにより、それに追従して第1アームと第2アームとが互いに接近又は離間する方向に移動し、第1アームと第2アームとの間に対象物が把持され、又は把持状態が解除されることになる。
【0015】
さらに、本発明において、前記ガイドレールと前記把持部の一方のアームとの間に、前記把持部の一方のアームと前記ガイドレールとのなす角度を所定の角度に保つ支持部材を介在させたことを特徴とする。
【0016】
本発明のヤットコ用アダプタによれば、ヤットコの把持部の一方のアームと反転支持部のガイドレールとのなす角度を所定の角度に保つことができるので、それらのなす角度が変化することによってガイドレールとスライドバーとの相対的なスライドを阻害するようなことはなく、ガイドレールとスライドバーとを円滑に相対的にスライドさせることができる。
【0017】
さらに、本発明において、前記反転把持部の第1アーム及び第2アームに工具用のアダプタを取り付けたこととしてもよい。
【0018】
本発明のヤットコ用アダプタによれば反転把持部に各種の工具を装着できるので、各種の作業に適用することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
以上、説明したように、本発明のヤットコ用アダプタによれば、ヤットコの把持部の開口の向きに対して、ヤットコ用アダプタの把持部の開口部の向きを反転させることができるので、例えば、作業者の上方の対象物に対して上方から部材を取り付けるような場合に、作業者が対象物の下方からヤットコを操作して、ヤットコ用の反転把持部に把持した部材を上方から対象物に取り付けることができる。従って、対象物の向きを修正する等の作業が不要となるので、対象物への部材の取り付け作業を容易に、効率良く、かつ安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明によるヤットコ用アダプタの第1の実施の形態を示した平面図である。
【
図3】第1の実施の形態のヤットコ用アダプタをヤットコに取り付けた状態を示した平面図であって、反転把持部を閉じた状態を示した説明図である。
【
図4】第1の実施の形態のヤットコ用アダプタをヤットコに取り付けた状態を示した平面図であって、反転把持部を開いた状態を示した説明図である。
【
図6】ヤットコ用アダプタに取り付けた対象物(シートクリップ)を絶縁シートに取り付けた状態を示した説明図である。
【
図7】本発明によるヤットコ用アダプタの第2の実施の形態を示した平面図である。
【
図9】第2の実施の形態のヤットコ用アダプタをヤットコに取り付けた状態を示した平面図であって、反転把持部を開いた状態を示した説明図である。
【
図10】従来のヤットによる対象物(シートクリップ)を絶縁シートに取り付ける方法を示した説明図である。
【
図11】従来のヤットによる対象物(シートクリップ)を絶縁シートに取り付ける方法を示した説明図である。
【
図12】従来のヤットによる対象物(シートクリップ)を絶縁シートに取り付ける方法を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜
図4には、本発明によるヤットコ用アダプタの第1の実施の形態が示されている。本実施の形態のヤットコ用アダプタ20は、間接機材を用いて行う間接活線作業等に適用され、例えば、
図6に示すように、架線40の活線部分を絶縁シート41で覆い、架線40の上方からヤットコ1を用いて絶縁シート41に対象物であるシートクリップ42を取り付ける作業に有効なものである。
【0022】
ヤットコ1は、例えば、
図5に示すように、開閉自在なアルミ合金製の一対のC形状のアーム(第1アーム3及び第2アーム4)からなる把持部2と、把持部2の両アーム3、4を開閉させる操作部6とを備え、把持部2の両アーム3、4に本実施の形態のヤットコ用アダプタ20が着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0023】
操作部6は、絶縁材からなるパイプ状の操作ロッド7と、操作ロッド7に対して略平行に設けられる絶縁材からなるパイプ状の連結ロッド8と、アルミ合金製のL形状の操作レバー9とを備え、操作ロッド7の先端7bに取付金具10を介して把持部2の第1アーム3及び第2アーム4が取り付けられるようになっている。
【0024】
取付金具10は、操作ロッド7の先端7bに取り付けられる基部11と、基部11の先端に一体に設けられるアーム取付部12とから構成され、アーム取付部12に第1アーム3の基端3aが固定され、第1アーム3の基端3aに第2アーム4の基端4aが噛合され、この状態で第2アームの基端4aが第1アーム3の基端3aに連結ピン5を介して回動自在に連結されている。
【0025】
第1アーム3は、
図5に想像線で示すように、アーム取付部12に対する取付角度が調整可能に構成され、第1アーム3のアーム取付部12に対する取付角度を調整することにより、第1アーム3の操作ロッド7の軸線に対する開き角度を調整することができる。
【0026】
操作ロッド7の基端7a側にはレバー取付部14が設けられ、このレバー取付部14に操作レバー9が連結ピン15を介して回動自在に連結され、連結ピン15を中心として操作レバー9が操作ロッド7に接近又は離間する方向(
図5の矢印方向)に回動するようになっている。
【0027】
連結ロッド8は、先端8bが連結金具16を介して第2アーム4の基端4a近傍に回動自在に連結されるとともに、基端8aが連結ピン13を介して操作レバー9の先端9aに回動自在に連結され、操作レバー9を操作ロッド7に接近又は離間する方向に回動させることにより、操作レバー9に追従して連結ロッド8が操作ロッド7に沿う方向(
図5の上下方向)に移動するようになっている。
【0028】
連結金具16は、連結ロッド8の先端8bに固定される筒状の基部17と、基部17の先端に一体に設けられる角度調整部18とを備え、角度調整部18が連結ピン(図示せず)を介して第2アーム4の基端4a近傍に回動自在に連結されている。角度調整部18の第2アーム4に対する連結位置を調整することにより、第2アーム4の第1アーム3に対する開閉角度を調整できるようになっている。
【0029】
本実施の形態のヤットコ用アダプタ20は、
図1及び
図2に示すように、相対的にスライド可能な一対のスライド部材21、30と、両スライド部材21、30に追従して開閉可能な一対のアーム27、34とを備え、両アーム27、34によって反転把持部35が構成されている。
【0030】
一方のスライド部材21は、互いに平行をなすように設けられる一対のレール部23、23と、両レール部23、23間に設けられる長方形状の案内溝22とを備えたガイドレール21であって、このガイドレール21の案内溝22内に他方のスライド部材30である帯板状のスライドバー30が挿入され、このスライドバー30が案内溝22の両縁の一対のレール部23、23によってスライド可能に案内されている。
【0031】
ガイドレール21の基端21a側には第1取付部24が設けられ、スライドバー30の基端30a側には第2取付部31が設けられ、ガイドレール21の先端21bに一方のアームである第1アーム27が一体に設けられ、スライドバー30の先端30bに他方のアームである第2アーム34が一体に設けられている。
【0032】
第1取付部24は、ボックス状の本体24aと、本体24aをヤットコ1の第1アーム3の先端3bに固定する固定ねじ25と、本体24aをガイドレール21の基端21aに固定する固定ピン26とを備え、
図3及び
図4に示すように、第1取付部24の本体24aをヤットコ1の第1アーム3の先端3bに固定することにより、ガイドレール21がヤットコ1の第1アーム3の先端3bに、ヤットコ1の把持部2(第1アーム3及び第2アーム4)の開閉方向に延出するように取り付けられる。
【0033】
第1取付部24の本体24aには、
支持部材28が取り付けられ、この支持部材28でガイドレール21を下方から支持した状態で、ガイドレール21の基端21aを第1取付部24に固定ピン26で固定することにより、ガイドレール21とヤットコ1の第1アーム3とのなす角度が所定の角度に保たれている。
【0034】
第2取付部31は、ボックス状の本体31aと、本体31aをヤットコ1の第2アーム4の先端4bに固定する固定ねじ32と、本体31aをスライドバー30の基端30aに回動自在に連結する連結ピン33とを備え、
図3及び
図4に示すように、第2取付部31の本体31aをヤットコ1の第2アーム4の先端4bに固定することにより、スライドバー30がヤットコ1の第2アーム4の先端4bに、ヤットコ1の把持部2(第1アーム3及び第2アーム4)の開閉方向に延出するように取り付けられる。
【0035】
スライドバー30の基端30aには、スライドバーのスライド方向に対して所定の角度をなす方向(図中上方)に延出する略円弧状の長孔30cが設けられ、この長孔30c内に連結ピン33が長孔30cの長手方向に移動可能に挿通されている。
【0036】
第1アーム27は、
図1及び
図2に示すように、長方形板状をなすものであって、ガイドレール21の先端21bに、ガイドレール21の長手方向と直交し、かつ、ガイドレール21の下縁から
図1及び
図2の下方に所定の長さ突出するように、一体に設けられている。
【0037】
第2アーム34は、
図1及び
図2に示すように、長方形板状をなすものであって、スライドバー30の先端30bに、スライドバー30の長手方向と直交し、かつ、スライドバー30の下縁から
図1及び
図2の下方に所定の長さ突出するように、一体に設けられている。
【0038】
第1アーム27と第2アーム34とにより、ヤットコ1の把持部2で対象物42を把持する方向と反対方向から対象物42を把持する反転把持部35が構成される。例えば、
図3及び
図4に示すように、ヤットコ1の把持部2を上方向に向けた場合には、ヤットコ用アダプタ20の反転把持部35を下方に向けることができるので、反転把持部35で上方から対象物42を把持することが可能となる。
【0039】
そして、上記のように構成した本実施の形態のヤットコ用アダプタ20を用いて対象物であるシートクリップ42を把持するには、
図6に示すように、ヤットコ1の操作部6の操作レバー9(
図5参照)を握ることにより、ヤットコ1の把持部2の第2アーム4を回動させて、第1アーム3と第2アーム4とを閉じる方向に相対的に移動させる。
【0040】
把持部2の第2アーム4を回動させて、第1アーム3と第2アーム4とを閉じる方向に相対的に移動させると、ヤットコ用アダプタ20の反転把持部35のスライドバー30がガイドレール21に沿ってスライドし、反転支持部35の第1アーム27と第2アーム34とが互いに接近する方向に相対的に移動し、第1アーム27と第2アーム34との間に対象物であるシートクリップ42が把持される。
【0041】
従って、ヤットコ1の操作部6の操作ロッド7を鉛直方向に向けた状態で、ヤットコ用アダプタ20の反転把持部35を下方に向けて、反転把持部の第1アーム27と第2アーム34との間にシートクリップ42を把持することができるので、架線40の活線部分を絶縁シート41で覆い、上方から絶縁シート41にシートクリップ42を取り付けるような場合に、補助の作業者を必要とすることなく、その作業を一人の作業者で行うことができ、作業効率を大幅に高めることができる。
【0042】
さらに、従来のように、作業位置を架線40と水平な位置まで上げる必要がなく、架線40の下方からヤットコ1の操作部6の操作レバー9を操作して、架線40に取り付けた絶縁シート41に対して上方からシートクリップ42を取り付けることができので、作業者の安全性を確保することができる。
【0043】
さらに、ガイドレール21をヤットコ1の把持部2の第1アーム3に固定しているので、ヤット1の操作部6の操作レバー9を操作して、把持部2の第1アーム3と第2アーム4とを閉じる方向に相対的に移動させても、把持部2の第1アーム3に対してガイドレール21が回動するようなことはなく、操作部6に対するガイドレール21の角度を所定の角度に保った状態で、ガイドレール21に沿ってスライドバー30を相対的にスライドさせることができ、反転把持部35の第1アームと第2アーム34とを閉じることができる。
【0044】
従って、上方の絶縁シート41に対して、下方からヤットコ1の操作部6の操作レバー9を操作して、反転把持部35に把持したシートクリップ42を絶縁シート41の上方から取り付けるような場合に、操作部6に対するガイドレール21及びスライドバー30の角度を所定の角度に保った状態でシートクリップ42を取り付けることができ、作業効率を高めることができるとともに、作業者の安全を確保することもできる。
【0045】
なお、ガイドレール21をヤットコ1の把持部2の第1アーム3に固定しても、スライドバー30を把持部2の第2アーム4に回動自在に連結する連結ピン33をスライドバー30の長孔30cの長手方向に逃すことができるので、把持部2の第1アーム3と第2アーム4の開閉動作を妨げるようなことはなく、ガイドレール21に沿ってスライドバー30を円滑にスライドさせることができる。
【0046】
図7〜
図9には、本発明によるヤットコ用アダプタの第2の実施の形態が示されている。本実施の形態のヤットコ用アダプタ20は、ガイドレール21の基端21aをヤットコ1の第1アーム3の先端3bに第1取付部24を介して固定するとともに、スライドバー30の基端30aに連結バー29の一端を連結ピン33を介して回動自在に連結し、連結バー29の他端を連結ピン33を介してヤットコ1の第2アーム4の先端4bに固定した第2取付部31に回動自在に連結したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
【0047】
そして、本実施の形態のヤットコ用アダプタ20にあっても、前記第1の実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他、本実施の形態では、ガイドレール21をヤットコ1の把持部2の第1アーム3に固定しているので、ヤット1の操作部6の操作レバー9を操作して、把持部2の第1アーム3と第2アーム4とを閉じる方向に相対的に移動させても、把持部2の第1アーム3に対してガイドレール21が回動するようなことはなく、操作部6に対するガイドレール21の角度を所定の角度に保った状態で、ガイドレール21に沿ってスライドバー30を相対的にスライドさせることができ、反転把持部35の第1アームと第2アーム34とを閉じることができる。
【0048】
従って、上方の作業対象物に対して下方からヤットコ1の操作部6の操作レバー9を操作することにより、反転把持部35に把持した対象物を作業対象物に上方から取り付けるような場合に、操作部6に対するガイドレール21及びスライドバー30の角度を所定の角度に保った状態で対象物を取り付けることができ、作業効率を高めることができるとともに、作業者の安全を確保することもできる。
【0049】
なお、ガイドレール21をヤットコ1の把持部2の第1アーム3に固定しても、スライドバー30を把持部2の第2アーム4に連結バー29を介して連結し、連結バー29と第2アーム4との間、連結バー29とスライドバー30との間を連結ピン33によって回動自在に構成しているので、把持部2の第1アーム3と第2アーム4の開閉動作を妨げるようなことはなく、ガイドレール21に沿ってスライドバー30を円滑にスライドさせることができる。
なお、スライドバー30に対して連結バー29を回動させる場合には、ガイドレール21のレール部23に連結バー29を逃す溝(図示せず)を設ける等の方法をとればよい。
【0050】
なお、上記の各実施の形態の説明においては、反転把持部35の第1アーム27と第2アーム34との間にシートクリップ42を直接把持したが、図示はしないが、第1アーム37及び第2アーム34に既存のアダプタを装着し、このアダプタ間でシートクリップ42を把持するように構成してもよい。
【0051】
また、図示はしないが、反転把持部35の第1アーム27及び第2アーム34に既存のアダプタを取り付け、このアダプタにラジオペンチ、カッター等の工具を取り付け、作業者の上方の対象物に対して下方からヤットコ1の操作部6を操作して、上方から対象物に対してラジオペンチ、カッター等の工具を用いて各種の作業を行ってもよい。