(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5653836
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】ダイカスト鋳造装置
(51)【国際特許分類】
B22D 17/22 20060101AFI20141218BHJP
B22D 17/20 20060101ALI20141218BHJP
B22C 9/06 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
B22D17/22 D
B22D17/20 Z
B22D17/22 B
B22D17/22 F
B22D17/22 Q
B22C9/06 B
B22C9/06 Q
B22C9/06 D
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-109840(P2011-109840)
(22)【出願日】2011年5月16日
(65)【公開番号】特開2012-240062(P2012-240062A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2013年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】外崎 修司
(72)【発明者】
【氏名】古川 雄一
(72)【発明者】
【氏名】八百川 盾
(72)【発明者】
【氏名】岩田 靖
【審査官】
川崎 良平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−137246(JP,A)
【文献】
特開2010−075939(JP,A)
【文献】
特開2008−284555(JP,A)
【文献】
特開2007−222880(JP,A)
【文献】
特開2007−136466(JP,A)
【文献】
特開2006−239738(JP,A)
【文献】
特開2006−205185(JP,A)
【文献】
特開平09−248654(JP,A)
【文献】
特開平09−103864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C 9/06
B22D 17/20,17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶湯を一時的に貯めておくスリーブと、
スリーブ内の溶湯をキャビティへ射出するプランジャと、
スリーブ先端に配置されており、キャビティへ通じているランナへ溶湯を案内するスプルコアと、
を備えており、
プランジャチップ先端面と対向するスプルコア前面に、溶湯をランナへと案内する溝を形成するスプルコア部分の材料よりも熱伝導率が高い高熱伝導材が配置されていることを特徴とするダイカスト鋳造装置。
【請求項2】
前記高熱伝導材の表面に、カーボン、タルク、及び、ボロンナイトライドのいずれかを主成分とする物質の被膜が析出形成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイカスト鋳造装置。
【請求項3】
前記溝を形成する部分を含むスプルコア本体が鉄を主成分とする合金で作られており、前記高熱伝導材は銅を主成分とする合金で作られていることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイカスト鋳造装置。
【請求項4】
スプルコア内部に、高熱伝導材の裏面に直接に冷却液が接する冷却液流路が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のダイカスト鋳造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカスト鋳造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイカスト鋳造装置では、射出するための溶湯を一時的に貯めておくスリーブの先端に、キャビティに通じているランナへ溶湯を導くスプルコアを備えるものがある。スプルコアは溶湯によって熱せられるので非常に高温となる。スプルコアを冷却するため、スプルコア内部に冷却液の流路を設けることが例えば特許文献1に開示されている。また、特許文献1では、熱伝導率の良い材料としてベリリウム銅でスプルコアを作ることも提案されている。
【0003】
他方、スリーブの溶湯をキャビティへ押し出した後、スリーブ内でスプルコアとプランジャチップの間に残った溶湯が凝固した塊はビスケットと呼ばれる。特許文献2には、ビスケットを早く作ることが(即ち、スリーブに残った溶湯を早く凝固させることが)、鋳造のサイクルタイムを短縮することにつながると述べられている。スプルコアを冷却することは、スプルコアの寿命を延ばすのみならず、スリーブに残った溶湯(スリーブ残留溶湯)を早く凝固させるのにも役立つ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−75939号公報
【特許文献2】特開平9−103864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スプルコアの温度を低く保つことはスリーブ残留溶湯の凝固を促進するが、他方、溶湯の射出時にスプルコアの温度が低いと、キャビティへ向かって流れている溶湯がスプルコアに触れた途端に凝固して小さな凝固片となり、それがキャビティへと運ばれてしまうことがある。本明細書は、小さな凝固片の発生を抑制しつつ、スリーブ残留溶湯を早く凝固させるダイカスト鋳造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示するダイカスト鋳造装置は、プランジャチップ先端面と対向するスプルコア前面に、溶湯をランナへと案内する溝(ガイド溝)を形成するスプルコア部分の材料よりも熱伝導率が高い高熱伝導材を配置することを特徴とする。以下、プランジャチップ先端面と対向するスプルコアの前面を「衝突面」と称する場合がある。スプルコア前面は、射出時に溶湯が勢いよく衝突するからである。また、スプルコアに形成されている溝であり溶湯をランナへと案内する溝を「ガイド溝」と称する。通常、ガイド溝は、スプルコア前面の縁に形成される。
【0007】
ガイド溝では溶湯の流れが速い。そこで、このガイド溝には高熱伝導材を用いず、過度な伝熱性を持たせない。それにより、ガイド溝を流れる間に溶湯が凝固してしまうことを抑制する。他方、衝突面には高熱伝導材を配し、射出後、衝突面に接する溶湯を冷め易くする。すなわち、ビスケット形成までの時間を短くすることができる。
【0008】
強度確保の観点から、ガイド溝を形成する部分を含むスプルコア本体は、鉄を主成分とする合金(鋼材)で作るのがよい。高熱伝導材には、銅を主成分とする合金(あるいは純銅)を用いるのがよい。鋼材の熱伝導率は概ね20[W/mK]であるのに対して、銅を主成分とする合金は、100[W/mK]以上の熱伝導率を確保できる。鋼材の代表例であるSKD61の熱伝導率は約23[W/mK]である。銅を主成分とする合金の代表例は、ベリリウム銅であり、その熱伝導率は約200[W/mK]である。
【0009】
本明細書が開示するダイカスト鋳造装置の一態様ではさらに、衝突面(高熱伝導材の表面)に、溶湯の金属に対して親和性が低い物質の被膜が析出形成されていることが好ましい。親和性が低い物質として好適なのは、カーボン、タルク、及び、ボロンナイトライドのいずれかを主成分とする物質である。それらの物質は、アルミニウムに対して低親和性である。それらの物質は、離型剤として知られている。上記のダイカスト鋳造装置では、そのような物質を単に塗布するのではなく、析出形成する。「被膜を析出形成する」とは、ガスあるいは液体から析出した物質(カーボン等)を直接に金属表面に固着させて被膜を形成することをいう。例えば、上記の物質(カーボン)を含むガス中に高熱伝導材を曝露し加熱すると、ガス中からカーボンが析出して高熱伝導材に固着する。被膜は例えばそのようにして析出形成する。単に塗布しただけでは高温の溶湯の流れによって被膜が剥離してしまうが、析出形成された被膜は固着度が強く、剥離し難い。
【0010】
上記被膜の作用について説明する。スプルコア衝突面の表面に溶融金属との親和性が低い物質で被膜を形成することによって、衝突面における溶融金属と被覆物との密着性が低下し熱伝導率が下がる。ただし、溶湯に高圧が加わると密着性が上がり、被膜の熱伝導率は上昇する。このことは別の観点からみると、溶融金属と被覆物との密着性が上がると、みかけの接触面積は変わらないが、微視的に見たときの実接触面積が増えて熱伝達量が増加する、ということである。一般に、溶湯射出前のスリーブ内の圧力は常圧に近く、1[kPa]程度である。他方、アルミダイキャストの場合、射出後に溶湯に加わる圧力は30〜80[MPa]である。すなわち、溶湯の圧力は射出前後で1万倍以上の差がある。それほど大きな圧力が加わると、高圧により溶湯が物理的に被膜に押しつけられ密着性が上がり、熱伝導率は飛躍的に増大する(密着性が上がり、熱伝達量が増加する)。すなわち、そのような被膜を衝突面に形成すれば、溶湯射出完了まで(キャビティが溶湯で満たされて溶湯の圧力が増大する前まで)は、高熱伝導率材を覆う被膜との低密着性により衝突面の熱伝導率が低く抑えられるため溶湯は凝固し難くなる。他方、溶湯射出後、スリーブ残留溶湯の圧力が数十[MPa]まで上昇すると被膜の熱伝導率が上昇し、高熱伝導材の効果が表れて、スリーブ残留溶湯の冷却が促進され、ビスケット形成が早まる。すなわち、衝突面に配した高熱伝導材とその表面の低親和性被膜の組み合わせにより、溶湯射出前は溶湯冷却能力が低く、射出後になって溶湯冷却能力が高まるという鋳造装置を実現できる。
【0011】
スリーブ残留溶湯の冷却能力をさらに高めるために、スプルコア内部に、高熱伝導材の裏面に直接に冷却液が接する冷却液流路が設けられていると、一層好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図5】ビスケット形成図のスプルコア付近の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、
図1を参照して、実施例のダイカスト鋳造装置100の全体を説明する。以下、ダイカスト鋳造装置100を単に鋳造装置100と称する。なお、図では、発明の説明に必要な部品のみを示しており、通常の鋳造装置が備える部品の幾つかは図示を省略している。鋳造装置100は、アルミニウムの成型品を鋳造するための装置である。すなわち、鋳造装置100の溶湯はアルミニウムであり、装置100は、アルミダイカスト鋳造装置である。鋳造装置100は、固定型12と可動型26で一組の金型セットを構成する。金型を閉じると(固定型12と可動型26が密着すると)、対象品を形成するための閉空間であるキャビティCVが形成される。可動型26は、図示しないアクチュエータ(不図示)によって、固定型12に密着したり、固定型12から離れたり移動する。
【0014】
固定型12にはスリーブ20が取り付けられている。スリーブ20は、キャビティCVへ流し込む前の溶湯Wを一時的に溜めておく筒である。スリーブ20はスプルブッシュと呼ばれることもある。スリーブ20の内部の空間WSとキャビティCVは、ランナ14(湯道)によって連通している。なお、ランナ14は、固定型12と可動型26で囲まれた流路であり、金型が閉じたときに形成される。
【0015】
スリーブ20の内部には、溶湯を押し出すプランジャ6が備えられている。プランジャ6は、プランジャチップ2とロッド4からなる。プランジャ6はいわゆるピストンであり、プランジャチップ2はピストンヘッドに相当する。プランジャチップ2の後端にロッド4が連結され、そのロッド4の後端にはアクチュエータ(不図示)が連結されている。アクチュエータがロッド4を前進/後退させることによって、プランジャチップ2がスリーブ内を摺動する。
【0016】
スリーブ20の上方には溶湯Wを供給するための供給口16が設けられている。溶湯Wは、ラドル18によって供給口16から供給される。
【0017】
スリーブ20内の溶湯Wを射出する際、プランジャ6によって押し出された溶湯Wは高速でランナ14へと流れ込む。スリーブ20の先端に相当する可動型26の部位であり、溶湯Wがランナ14に流れ込む位置にはスプルコア30が配置されている。スプルコアは、「分流子」とも呼ばれ、スリーブ20内の溶湯Wが可動型26に激しく衝突することを防ぐ役割と、スリーブ20内の溶湯Wをランナ14へスムーズに導く役割を担う。
【0018】
図1の符号24は冷却液の供給/回収装置であり、冷却液は、流路28を通じてスプルコア30へと流れる。
【0019】
図2から
図5を参照してスプルコア30を詳細に説明する。なお、図に付した座標系のZ軸は、鉛直上方を指している。
図2、
図5、及び
図1は、鉛直面を含む断面を示している。
図3は鉛直上方から見たスプルコア30の平面図を示しており、
図4はスプルコア30の斜視図を示している。
【0020】
スプルコア30は、可動型26に嵌挿される円柱形のベース30bと、ベース30bより小径であり、スリーブ20に嵌挿される円柱形の突部30aの2段円柱形をしている。突部30aの登頂面が、スリーブ20に嵌挿されたときにプランジャチップ2の先端面に対向する衝突面30c(スプルコア前面)に相当する。スプルコア30全体は、鉄を主成分とする合金である鋼材SKD61で作られている。衝突面30cには銅プレート34(高熱伝導材)が取り付けられている。銅プレート34は、銅を主成分とする合金であり、例えば、ベリリウム銅で作られている。
【0021】
図2〜
図4に示されているように、衝突面30cはスリーブ内空間WSに面し、ベース30bの側面の一部はランナ14に面する。衝突面30cの縁から、ランナ14に面しているベース30b側面にかけてガイド溝32が形成されている。スリーブ内の溶湯Wは、ガイド溝32を通ってランナ14へ流れ込み、さらにキャビティCVへと達する。ガイド溝32は、スリーブ内の溶湯Wをランナ14へスムーズに導くための流路に相当する。
【0022】
衝突面30c、及び、ガイド溝32の表面、すなわち、溶湯に接触する面には、カーボン被膜36が形成されている。なお、
図2において衝突面30cとガイド溝32に付した太線が、カーボン被膜36を表している。他の図ではカーボン被膜の図示は省略している。カーボン被膜36は、スプルコア30を窒化雰囲気下でアセチレンガス等とともに加熱し、ガス内のカーボンをスプルコア表面に直接に析出させて形成している。従って、単に塗布した場合とは異なり、高温の溶湯がスプルコア30の表面を流れても被膜36は剥がれ難い。カーボン被膜36の厚みは、5〜60μm程度である。なお、カーボン被膜36を形成するのに先立って、銅プレート34の表面には下地としてニッケルをめっきしてある。カーボンは銅の表面には固着し難いが、ニッケルの上では良く固着するからである。カーボン被膜の析出・形成の方法については、特願2011−045622号、特願2011−003482号(いずれも本願の出願時には未公開)に開示があるのでそちらを参照されたい。
【0023】
図1、
図2に示されているように、スプルコア30の内部には、冷却液を流す流路28(冷却液流路)が設けられている。
図2によく示されているように、流路28は、銅プレート34の裏面に接している。冷却液供給/回収装置24から送られた冷却液は、流路28を通り、銅プレート34の裏面に直接に接して銅プレート34を冷却した後、流路28を通り冷却液供給/回収装置24へと戻る。
【0024】
上記の鋳造装置100の利点を説明する。スプルコア30のガイド溝32を形成している部分はSKD61で作られている。他方、衝突面30cには、銅プレート34が取り付けられている。銅プレート34が、スリーブ内空間WSに露出している。銅プレート34の熱伝導率は、SKD61の熱伝導率よりも格段に高い。ちなみに、SKD61の熱伝導率は約23[W/mK]であり、ベリリウム銅の熱伝導率は約200[W/mK]である。そのため、衝突面30cと比較すると、ガイド溝32では溶湯は冷え難い。さらに、ガイド溝32と衝突面30cの表面(銅プレート34の表面)にはカーボン被膜が形成されている。カーボン被膜は、常圧下(約1[kPa]程度a)では熱伝導率が低い。これは、溶湯(アルミ)がカーボン被膜に密着しないからである。それゆえ、ガイド溝32を溶湯が流れている間は、溶湯はさほど冷やされず、固化し難い。従って凝固片が発生し難い。すなわち、この鋳造装置100は、凝固片がキャビティへ流れ込み難い構造を有している。
【0025】
一方、スリーブ20内の溶湯をキャビティCVへ射出した後、スリーブ内の残留溶湯が凝固してビスケットを作る。
図5に、溶湯射出後のスプルコア周辺の拡大図を示す。スプルコア前面30c(銅プレート34の表面)とプランジャ6(プランジャチップ2)の前面との間に残った溶湯が凝固するとビスケットBSとなる。溶湯射出後、スリーブ内の圧力は数十[MPa]まで上昇する。そうすると、アルミ溶湯がカーボン被膜に物理的に押し付けられ密着度が上がり、カーボン被膜の断熱性が顕著に低下する(カーボン被膜の熱伝導率が顕著に高まる)。そうすると溶湯の熱は高熱伝導率の銅プレート34を介し、さらには銅プレート34の裏面を流れる冷却液へと伝導する。その結果、スリーブ残留溶湯が急速に冷やされ、短時間でビスケットが形成される。ビスケットを短時間で形成できるということは、鋳造のサイクルタイムの短縮につながる。
【0026】
上記のとおり、溶湯の射出前、溶湯の圧力が低いうちは、溶湯はさほど冷却されず、従って凝固片の発生が抑制される。溶湯射出が完了し、スリーブ残留溶湯の圧力が高まると、衝突面30cの熱伝導率が上昇し、冷却液の助けもあってスリーブ内残留溶湯は急速に冷やされ、ビスケットが生成される。
【0027】
なお、スプルコア30は、溶湯をランナ14へ案内するガイド溝32を備えている。
図2に示されているように、ガイド溝32はほぼ直角に湾曲している。溶湯射出後、ガイド溝32に残ったスリーブ残留溶湯も凝固する。ガイド溝32に沿って溶湯も湾曲したまま凝固する。この湾曲した溶湯凝固部分はビスケットに繋がっている。溶湯射出後、金型(固定型12と可動型26)を開いたとき、この湾曲した溶湯凝固部分がビスケットをしっかり支えるので、ビスケットはスプルコア30に密着したままとなる。そのため、金型を開いてもスリーブ残留溶湯(ビスケット)の凝固が促進される。ビスケットが半固化した状態で金型を開くことができるので、鋳造サイクルタイムのさらなる短縮が見込まれる。
【0028】
上記の鋳造装置100についての留意点を述べる。実施例ではスプルコア30の被膜36はカーボンを主成分とする物質であった。被膜は、カーボンナノフィラメント、あるいは、フラーレンを主体とする物質で形成されているとなお効果的である。また、カーボンではなく、タルクやボロンナイトライドの被膜であってもよい。また、ガイド溝の形状は上記の形状に限られない。
【0029】
鋳造装置100は、アルミニウムを溶湯に用いるアルミダイカスト鋳造装置である。本明細書が開示する技術は、アルミだけでなく、他の金属を溶湯に用いるダイカスト鋳造装置に適用することもできる。
【0030】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0031】
2:プランジャチップ
4:ロッド
6:プランジャ
12:固定型
14:ランナ
16:供給口
18:ラドル
20:スリーブ
24:冷却液供給/回収装置
26:可動型
28:冷却液流路
30:スプルコア
30a:突部
30b:ベース
30c:衝突面(スプルコア前面)
32:ガイド溝
34:銅プレート(高熱伝導材)
36:カーボン被膜
100:ダイカスト鋳造装置
CV:キャビティ
W:溶湯
WS:スリーブ内空間