(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1はハイブリッド型ステント15、ガイド・ワイヤ20、バルーン式血管形成カテーテル30、および基端側および先端側のエラストマー・チューブ32Pおよび32Dを含むシステム10の先端側部分の長手方向に沿う断面図である。バルーン式血管形成カテーテル30は内側軸部11、外側軸部12、膨張可能なバルーン14、バルーン膨張用内孔部16、ガイド・ワイヤ用内孔部17、基端側放射線不透過マーカー帯域18Pおよび先端側放射線不透過マーカー帯域18Dを有している。
図1に示すように、バルーン14はステント15の隙間の中に拡張した状態で形成されており、このような方式は「嵌め合わせ方式(nesting)」と呼ばれる技法である。バルーン式血管形成カテーテルのバルーン上にステントを嵌め合わせるための方法が本明細書に参考文献として含まれる米国特許出願第09/444,105号に詳細に記載されている。
【0022】
一般に、ステント15は脈管用ステントの技術分野において周知の形状記憶合金の金属材料である「ニチノール(Nitinol)」により作成されている。ステント15の端部部分の金属材料の転移温度は37℃よりも低いことが好ましい。一方、形状記憶合金により完全に作成されているハイブリッド型ステントの場合に、ステント15の中央部分における転移温度は39℃よりも高いことが好ましい。この転移温度は形状記憶金属材料のステントが空気中においてその所定の状態を採ることによりその公称の拡張状態の直径になる温度として定義される。端部部分における転移温度が体温よりも僅かに低い場合は、ステント15は室温でその拡張状態になろうとしない。しかしながら、ステント15が人体の中に配置されてバルーン14が膨張されることにより、チューブ32Pおよびチューブ32Dが長手方向に沿って外側に移動してこれらのチューブ32Pおよびチューブ32Dにより被覆されていたステント15の両側の自己拡張型端部部分が表面に現れると、ステントの各端部部分は拡張状態の直径になる。従って、さらに大きな直径を有して柔軟性の低い場合に不所望な作用を示すシースを必要とせずに狭窄部位にステント15が供給できる。
【0023】
基端側および先端側のエラストマー・チューブ32Pおよび32Dは一般にシリコーン・ゴムまたはポリウレタンまたは類似のプラスチック材料のようなエラストマー(弾性体)により作成できる。これらのチューブ32Pおよび32Dは溶媒によりそれぞれ膨張して
図1に示すような状態で配置される。その後、このエラストマー材料から溶媒が蒸発すると、各チューブ32Pおよび32Dはステント15の各端部部分の外周に接合する。この状態において、これらのチューブ32Pおよび32Dはステントを患者の脈管系の中に導入する際のステント15の各端部部分の膨張を阻止できる。
【0024】
図2はシステム10’の先端側部分の長手方向に沿う断面図であり、バルーン14’が完全に膨張されてステント15’が半径方向に外側に拡張している。
図2に示す形態を実現するためには、
図1のバルーン14を少なくとも6気圧、好ましくは、10気圧乃至24気圧の圧力まで膨張することが必要である。このバルーン14が膨張する際に、基端側チューブ32Pおよび先端側チューブ32Dはそれぞれバルーン14の中心部分から長手方向に沿って外側に移動して、
図2におけるチューブ32P’およびチューブ32D’の形状および位置になる。このことにより、バルーン14’の各端部部分における被覆を除去するという所望の作用が実現でき、各端部部分はそれぞれの形状記憶特性によりその所定の状態に復帰しようとする。なお、この所定状態はステント15’の公称の最大直径を有する円筒体である。
【0025】
バルーン14’が完全に膨張すると、バルーン14’の中央の長さL4の部分のみが拡張状態のステント15’を狭窄部位の中に配置するための半径方向に外側に向かう力を加えるように作用する。この膨張状態のバルーン14’の中央部分の長さL4は約10気圧の膨張圧力において空気中で測定できる。また、バルーンにより拡張可能なステント15(または15’)の中央部分の長さはL1である。基端側の自己拡張型のステント部分は長さL2を有しており、先端側の自己拡張型の端部部分は長さL3を有している。ハイブリッド型ステント15’の各端部部分L2およびL3はそれぞれの形状記憶に基づく所定の状態であるので外側に拡張している。この所定の状態はステント15をバルーン14上に取り付ける前にステント15の金属材料の形状記憶に設定される。バルーン14’は長さL4の中に位置する狭窄部分を拡張するためにかなり大きな力を加えることができる。しかしながら、ステント15’の各端部部分L2およびL3はこれらの端部部分の自己拡張性により生じる最少量の力のみを加えることができる。このことは拡張状態のステント15’の各エッジ部に近接する脈管壁部の部分に対するバルーンにより生じる損傷を最少にできる点で理想的な状態である。この目的を達成するためには、ステント15’の合計の長さ、すなわち、L1+L2+L3=L5をバルーン14’の中央部分の長さL4よりも4mm乃至20mm長くする必要がある。なお、ステント15’の各端部部分の長さL2および長さL3は異なっていてもよいが、最も有望な形態は長さL2が長さL3にほぼ等しくなるようにステント15をバルーン14’上に配置する形態である。さらに、ステント15’の中央部分の長さL1はバルーン14’の長さL4に比べて幾分長くてもよく、あるいは、幾分短くてもよい。
【0026】
ハイブリッド型ステント15はその中央部分にその端部部分とは異なる熱処理を加えることにより、形状記憶合金のニチノール(Nitinol)により形成できる。すなわち、ステント15はその中央部分において37℃よりも明らかに高い転移温度を示すように熱処理され、その各端部部分は当該端部部分において37℃よりも明らかに低い転移温度を示すように熱処理される。さらに、ステント15は当該ステント15の(長さL1を有する)中央部分においてステンレス・スチールのような金属材料を使用して、この中央部分に長さL2および長さL3をそれぞれ有するニチノール(Nitinol)の端部部分を溶接することにより形成できる。
【0027】
人体の脈管内にステントを供給する技術分野において周知であるように、バルーン14’がステント15’を脈管内において拡張し、その後に、バルーン14’が収縮し、さらに、バルーン式血管形成カテーテル30およびガイド・ワイヤ20が患者の体外に取り出される。
【0028】
米国特許第5,059,166号において記載されているような放射性同位体型ステントはステント内における組織成長の問題を排除できることが知られている。しかしながら、放射性同位体型ステントは当該ステントの各エッジ部分の直ぐ先の領域において過剰な組織成長を生じることも知られている。このような過剰な組織成長は放射性同位体型ステントの各エッジ部分の直ぐ先の領域におけるバルーンによる損傷および放射線の作用の組合せにより引き起こされると考えられる。一方、上記の本発明のシステム10は拡張状態のステント15’の各エッジ部分およびその直ぐ先の領域におけるバルーンによる損傷の問題を排除するので、放射性同位体型ステントの場合にこのシステム10を使用することが極めて有利である。一般に、ステント15を放射性にするためにリン32(
32P)のようなβ粒子線を放射する同位体を使用することが好まれる。しかしながら、パラジウム103(
103 Pd)のようなガンマ線エミッターもステントを放射性にするために使用されている別の良好な同位体である。ガンマ線エミッターは光子を放射する同位体として本明細書において定義される。望ましくは、リン32型ステントは0.1マイクロキューリー乃至100マイクロキューリーの放射能強度を有しており、パラジウム103型ステントは0.1ミリキューリー乃至100ミリキューリーの放射能強度を有している。
【0029】
嵌め合わせ方式が本発明の好ましい実施形態であるが、ステントが「嵌め合わせ」されていなくてもバルーン上にけん縮されている場合は、このシステムが十分に実施できることが当然に理解されると考える。このような状況を
図3におけるシステム40により示す。このシステム40はガイド・ワイヤ20、バルーン式血管形成カテーテル31およびハイブリッド型ステント35を含む。この構成はシステム40の先端側部分が人体の脈管内に導入される際にステント35の自己拡張型の端部部分が外側に拡張することを阻止するためにシース41を使用している。さらに、ステント35が、例えば、冠動脈の中の狭窄部位内に配置された後に、シース41は基端側方向に引き戻されてステント35が露出する。その後、このステント35の自己拡張型の端部部分が半径方向に外側に向かって拡張する。この際に、バルーン34が迅速に拡張してステント35の全体を動脈壁部に対して良好な位置に配置する。その後、バルーン式血管形成カテーテル31、ガイド・ワイヤ20およびシース41は患者の身体から引き出される。
【0030】
図4は本発明のハイブリッド型ステントの一実施形態の長手方向に沿う断面図である。実際は、
図4のハイブリッド型ステント45は中実の壁部を有していなくてもよく、その代わりに、レース状の薄い壁部を有する円筒体とすることができる。このハイブリッド型ステント45は自己拡張型の端部部分46および48およびバルーン式拡張可能型の中央部分47を有している。各端部部分46および48の材料は形状記憶金属材料とすることができ、あるいは、本質的に自己拡張性の(ステンレス・スチールのような)慣用的な材料により構成できる。中央部分47の金属材料および構成はハイブリッド型ステント45が体温では自己拡張しないが膨張するバルーンの使用により拡張できるように設定できる。
【0031】
図5はハイブリッド型ステント50の長手方向に沿う断面図であり、このステント50の全長にわたる部分が自己拡張型の金属部分51と、自己拡張性でない慣用的な金属材料により形成したバルーン式拡張型の中央部分52とにより形成されている。
図5はハイブリッド型ステント50が中実の壁部を有するチューブであることを示している図であるが、実は、このステント50はレース状で中実でない壁部を有する薄い壁部のチューブであってもよいことが当然に理解されると考える。
図5の構成の場合に、ステント部分51における各端部部分は自己拡張型であり、中央部分52はバルーン式拡張可能型である。このハイブリッド型ステント50の典型的な金属材料は各端部部分を含むステント50の全長にわたって形状記憶合金のニチノール(Nitinol)とすることができ、バルーン式拡張可能型の中央部分52においては、ステンレス・スチールまたはタンタルのような金属材料、あるいはステンレス・スチールの外側および内側チューブの間にタンタルを挟んだ複合式チューブ材料とすることができる。
【0032】
図5はステント50の自己拡張型の部分51における凹み部分の中に配置した中央部分52を示している図である。しかしながら、自己拡張型部分51が均一な壁厚を有していて、バルーン式拡張可能型の中央部分52が自己拡張型部分51に対して長手方向に沿う中心部分に同軸に配置されていてもよいことが当然に理解されると考える。中央部分52が自己拡張性になることを防ぐために、当該中央部分52を自己拡張型部分51の外表面部上に同軸に取り付けることができる。あるいは、自己拡張型部分51および中央部分52を例えばスポット溶接等により一体に固定して取り付けることにより、中央部分52を自己拡張型部分51の内表面部に配置できる。
【0033】
ハイブリッド型ステント50における有利な構成は37℃よりも低い転移温度を有するニチノール(Nitinol)により作成した自己拡張型部分51およびタンタルにより作成したバルーン式拡張型の中央部分52を備えていることである。このタンタルの理想的な壁厚は約0.06mmである。また、自己拡張型部分51の理想的な壁厚はその中央部分において0.06mmにほぼ等しく、その各端部部分においてその2倍の厚さである。このようなハイブリッド型ステント50の構成は理想的な放射線不透過性を有し、その各端部部分は自己拡張型のニチノール(Nitinol)ステントにおけるほぼ最適な壁厚を有する。従って、この構成によれば、中央部分52を動脈の狭窄領域内に理想的に配置することができると共に、自己拡張型部分51の各端部部分を近接する正常な動脈部分内に理想的に配置できる。この結果、ステント50の各エッジ部分はステント50の中央部分52よりも僅かに基端側および先端側に存在する正常な動脈壁部に対して最少の気圧性外傷を生じる。従って、本発明によれば、従来のバルーン式拡張可能型ステントに比して、エッジ部分による切り裂きの発生が有意差をもって減少できる。
【0034】
ステントにおけるあらゆるバルーン式拡張可能型の部分のための金属材料がステンレス・スチールまたはタンタルまたは2個のステンレス・スチールのチューブの間にタンタルを挟んだ複合式サンドイッチ構造のような慣用的な材料として定められていることが当然に理解されると考える。もちろん、ステントが自己拡張性である状態でステンレス・スチールのような慣用的な金属材料によりステントを作成することが可能である。例えば、ウォールステント(Wallstent(登録商標))(ミネソタ州プリマス、Schneider社)がこのような自己拡張型ステントである。なお、バルーン式拡張可能型であって自己拡張型でないようにするためには、このバルーン式膨張可能型ステントを慣用的な金属材料(すなわち、体温よりも低い温度において形状記憶特性を示さない材料)により作成し、パルマツ−シャッツ(Palmaz-Shatz)ステントにおいて使用されている構成のような自己拡張型ではない構成を有するようにすればよい。本発明のステントが慣用的なバルーン式拡張可能型の金属材料により形成した中央部分とウォールステント(Wallstent(登録商標))において使用されているような自己拡張性の構成を伴う慣用的な金属材料の使用により自己拡張性を有して作成された端部部分とを有することが可能であると考えられる。
【0035】
種々の別の変形、適応および別の構成が本明細書において記載した種々の教示に鑑みて当然に可能になる。それゆえ、本明細書に記載する特許請求の範囲およびその実施態様の範囲および趣旨を維持する限りにおいて本発明は本明細書に特定的に記載した以外の様式で実施可能であることが当然に理解されると考える。
【0036】
本発明の実施態様及び参考態様は以下の通りである。
(A)人体の脈管の開通性を維持するためのシステムにおいて、
柔軟性のガイド・ワイヤと、
前記ガイド・ワイヤが内部において摺動自在に移動できる内孔部を有し、さらに、膨張可能なバルーンが配置されている先端側部分を有するバルーン式血管形成カテーテルとを備えており、前記バルーンを約10気圧の圧力まで膨張した時にこのバルーンがその円筒形の中央部分において長さL4を有し、さらに、
前記バルーン式血管形成カテーテルのバルーン上に取り付けた予備拡張状態のハイブリッド型ステントを備えており、当該ステントが拡張状態の長さL5を有していて、L5>L4であり、さらに、前記ステントがバルーンにより拡張可能な中央部分および自己拡張性の端部部分を有しているシステム。
(1)前記端部部分が一定の転移温度を有する形状記憶合金により形成されており、前記転移温度が37℃よりも低い温度であり、当該転移温度よりも高い温度において前記端部部分がその所定の状態になろうとする実施態様(A)に記載のシステム。
(2)前記ステントの前記端部部分を形成するためにニチノール(Nitinol)が使用されている実施態様(1)に記載のシステム。
(3)前記ステントの拡張状態において当該ステントが前記膨張状態のバルーン上における概ね長手方向に沿う中央の位置に配置されている実施態様(A)に記載のシステム。
(4)前記長さL5は4mm乃至20mmであって、前記膨張状態のバルーンの長さL4よりも長い実施態様(A)に記載のシステム。
(5)前記ステントが前記バルーン式血管形成カテーテルのバルーン上にけん縮されている実施態様(A)に記載のシステム。
【0037】
(6)前記ステントが非拡張状態のステントの隙間の中にバルーンの部分を膨張させることにより膨張状態のバルーン上に嵌め合わせされる実施態様(A)に記載のシステム。
(7)前記ステントの各自己拡張型端部部分がエラストマーの端部チューブにより少なくとも部分的に被覆されており、当該エラストマー端部チューブが、ステントのバルーン式膨張可能型の中央部分を拡張するためにバルーンが膨張する際に、ステントの各エッジ部分よりも先の領域において外側に向かって摺動するように構成されている実施態様(A)に記載のシステム。
(8)前記ハイブリッド型ステントが放射性同位体型ステントである実施態様(A)に記載のシステム。
(9)前記放射性同位体型ステントがβ粒子線のエミッターである実施態様(8)に記載のシステム。
(10)前記β粒子線のエミッターがリン32(32P)である実施態様(9)に記載のシステム。
【0038】
(11)前記β粒子線のエミッタ−が0.1マイクロキューリー乃至100マイクロキューリーの供給源強度を有する実施態様(9)に記載のシステム。
(12)前記放射性同位体型のハイブリッド型ステントがガンマ線エミッターである実施態様(8)に記載のシステム。
(13)前記ガンマ線エミッターがパラジウム103(103 Pd)である実施態様(12)に記載のシステム。
(14)前記ガンマ線エミッターが0.1マイクロキューリー乃至100マイクロキューリーの供給源強度を有する実施態様(12)に記載のシステム。
(15)人体の脈管の狭窄部位内に自己拡張型のステントを配置するための方法において、
(a)自己拡張型の端部部分を有するハイブリッド型ステントをバルーン式血管形成カテーテルの先端部分に配置されたバルーン上に配置する工程を備えており、前記自己拡張型の端部部分が37℃よりも低い一定の転移温度を有する形状記憶金属により形成されており、前記ステントが前記バルーンを10気圧の圧力まで膨張させる際の当該バルーンの円筒形の中央部分の長さL4よりも長い長さL5を有しており、さらに、
(b)前記バルーン式血管形成カテーテル上に取り付けた前記ステントを人体の脈管内における狭窄部位の中に挿入する工程と、
(c)前記バルーンの中にコントラスト媒体または膨張用媒体を少なくとも6気圧の圧力まで注入する工程と、
(d)前記バルーンを収縮する工程と、
(e)前記バルーン式血管形成カテーテルを人体から取り外す工程とを備えている方法。
【0039】
(16)前記ハイブリッド型ステントが放射性同位体型のハイブリッド型ステントである実施態様(15)に記載の方法。
(17)前記ステントを作成している金属がニチノール(Nitinol)である請求項2に記載のシステム。
(B)人体の脈管の開通性を維持するためのシステムにおいて、
柔軟性のガイド・ワイヤと、
前記ガイド・ワイヤが内部において摺動自在に移動できる内孔部を有し、さらに、膨張可能なバルーンが配置されている先端側部分を有するバルーン式血管形成カテーテルとを備えており、前記バルーンを約10気圧の圧力まで膨張した時にこのバルーンがその円筒形の中央部分において長さL4を有し、さらに、
前記膨張可能なバルーン上にけん縮した予備拡張状態のハイブリッド型金属ステントを備えており、当該ステントが拡張状態において長さL5を有し、さらに、一定の転移温度を有する形状記憶金属により形成されている端部部分を有しており、前記転移温度が37℃よりも低い温度であって、当該転移温度よりも高い温度において前記ステントがその公称の拡張状態の直径を有している時の状態であるその所定の状態になろうとするシステム。
(18)前記ステントがその拡張状態において前記膨張状態のバルーン上における概ね長手方向に沿って中央の位置に配置される実施態様(B)に記載のシステム。
(19)前記長さL5が4mm乃至20mmであって、前記膨張状態のバルーンの長さL4よりも長い実施態様(B)に記載のシステム。
(20)前記ハイブリッド型ステントが放射性同位体型のハイブリッド型ステントである実施態様(B)に記載のシステム。
【0040】
(C)人体の脈管の開通性を維持するためのシステムにおいて、
柔軟性のガイド・ワイヤと、
前記ガイド・ワイヤが内部において摺動自在に移動できる内孔部を有し、さらに、膨張可能なバルーンが配置されている先端側部分を有するバルーン式血管形成カテーテルと、
前記膨張可能なバルーン上に配置された予備拡張状態のハイブリッド型金属ステントとを備えており、当該ステントが一定の転移温度を有する形状記憶金属により形成されている端部部分を有しており、前記転移温度が37℃よりも低い温度であって、当該転移温度よりも高い温度において前記ステントがその公称の拡張状態の直径を有している時の状態であるその所定の状態になろうとし、さらに、前記ステントが人体の温度で膨張可能なバルーンである中央部分を有しているシステム。
(21)前記ステントの全体がニチノール(Nitinol)により作成されている実施態様(C)に記載のシステム。
(22)前記ニチノール(Nitinol)のステントが37℃よりも明らかに高い転移温度を有するように熱処理された中央部分と、37℃よりも明らかに低い転移温度を有するように熱処理された端部部分とを有している実施態様(C)に記載のシステム。
(23)前記ステントがバルーン式膨張可能型の中央部分に固定して取り付けた自己拡張型の端部部分を有している実施態様(C)に記載のシステム。
(24)前記端部部分がニチノール(Nitinol)により形成されていて、前記中央部分がステンレス・スチールにより形成されている実施態様(C)に記載のシステム。
(25)前記端部部分がニチノール(Nitinol)により形成されていて、前記中央部分がタンタルにより形成されている実施態様(C)に記載のシステム。
【0041】
(26)前記ステントがその拡張状態において前記膨張状態のバルーン上における概ね長手方向に沿って中央の位置に配置される実施態様(C)に記載のシステム。
(27)前記ハイブリッド型ステントが放射性同位体型のハイブリッド型ステントである実施態様(C)に記載のシステム。
(D)人体の脈管の中に配置するためのハイブリッド型ステントにおいて、自己拡張型である端部部分と、慣用的な金属材料により形成されているバルーン式拡張可能型であって自己拡張型でないステント構成を有する中央部分とを有しているハイブリッド型ステント。
(28)前記端部部分が37℃よりも低い一定の転移温度を有する形状記憶合金により形成されている実施態様(D)に記載のハイブリッド型ステント。
(29)前記端部部分が自己拡張型の構成で慣用的な金属材料により形成されている実施態様(D)に記載のハイブリッド型ステント。
(30)前記中央部分がステンレス・スチールにより形成されている実施態様(D)に記載のハイブリッド型ステント。
【0042】
(31)前記中央部分がタンタルにより形成されている実施態様(D)に記載のハイブリッド型ステント。
(32)前記中央部分が2個のステンレス・スチールのチューブの間にタンタルの中央チューブを挟むことにより構成した複合体チューブにより形成されている実施態様(D)に記載のハイブリッド型ステント。
(33)前記自己拡張型の端部部分が自己拡張型の構成でステンレス・スチールにより作成されており、前記バルーン式拡張可能型の中央部分がバルーン式拡張可能型の構成でステンレス・スチールにより作成されている実施態様(D)に記載のハイブリッド型ステント。
(34)2個の部材片により形成されていて、第1の部材片が前記ハイブリッド型ステントの全長にわたって延在するニチノール(Nitinol)ステントであり、第2の部材片が前記第1の部材片の長手方向に沿って中央の位置に配置されている凹み部分の中に配置されたステンレス・スチールにより形成されている中央部分により構成されている実施態様(D)に記載のハイブリッド型ステント。
(35)2個の部材片により形成されていて、第1の部材片が前記ハイブリッド型ステントの全長にわたって延在するニチノール(Nitinol)ステントであり、第2の部材片が前記第1の部材片の長手方向に沿って中央の位置に配置されている凹み部分の中に配置されたタンタルにより形成されている中央部分により構成されている実施態様(D)に記載のハイブリッド型ステント。
【0043】
(36)2個の部材片により形成されていて、第1の部材片が前記ハイブリッド型ステントの全長にわたって延在するニチノール(Nitinol)ステントであり、第2の部材片が2個のステンレス・スチールのチューブの間に挟んだタンタルにより形成される中央チューブを有する複合体チューブにより形成されている中央部分であり、当該複合体チューブが前記第1の部材片の長手方向に沿って中央の位置に配置された凹み部分の中に配置されている実施態様(D)に記載のハイブリッド型ステント。
(E)人体の脈管の中に移植するのに適しているハイブリッド型ステントにおいて、2個の部材片により形成されていて、第1の部材片が中央部分と2個の端部部分とを有する自己拡張型ステントであり、第2の部材片が前記自己拡張型ステントよりも短い長さのバルーン式拡張可能型ステントであり、前記自己拡張型ステントが前記ハイブリッド型ステントの全長にわたって延在しており、前記第2の部材片が前記自己拡張型ステントの中央部分において同軸に配置されていて、前記バルーン式拡張可能型ステントが前記自己拡張型ステントの中央部分の拡張を拘束するように構成されているハイブリッド型ステント。
(37)前記バルーン式拡張可能型ステントが前記自己拡張型ステントの外側に同軸に取り付けられている実施態様(E)に記載のハイブリッド型ステント。
(38)前記バルーン式拡張可能型ステントがステンレス・スチールにより作成されている実施態様(E)に記載のハイブリッド型ステント。
(39)前記バルーン式拡張可能型ステントがタンタルにより作成されている実施態様(E)に記載のハイブリッド型ステント。
(40)前記自己拡張型ステントがステンレス・スチールにより作成されている実施態様(E)に記載のハイブリッド型ステント。
(41)前記自己拡張型ステントがニチノール(Nitinol)により作成されている実施態様(E)に記載のハイブリッド型ステント。