特許第5653941号(P5653941)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5653941真空チャンバー内の真空を実現する方法および設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5653941
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】真空チャンバー内の真空を実現する方法および設備
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/18 20060101AFI20141218BHJP
   H01J 37/305 20060101ALI20141218BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   H01J37/18
   H01J37/305 B
   H01L21/30 541G
   H01L21/30 516F
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2011-550593(P2011-550593)
(86)(22)【出願日】2010年2月22日
(65)【公表番号】特表2012-518878(P2012-518878A)
(43)【公表日】2012年8月16日
(86)【国際出願番号】EP2010052218
(87)【国際公開番号】WO2010094801
(87)【国際公開日】20100826
【審査請求日】2013年2月21日
(31)【優先権主張番号】61/154,415
(32)【優先日】2009年2月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/289,407
(32)【優先日】2009年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/306,333
(32)【優先日】2010年2月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505152479
【氏名又は名称】マッパー・リソグラフィー・アイピー・ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】バルトゥセン、サンデル
【審査官】 桐畑 幸▲廣▼
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−218648(JP,A)
【文献】 特開2005−101492(JP,A)
【文献】 特開平04−209979(JP,A)
【文献】 特開昭63−274446(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/18
H01J 37/305
H01L 21/027
F04B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの真空チャンバー内の真空を実現する方法であり、方法は、
複数の真空チャンバーを備えている設備を設けることを備えており、各真空チャンバーは、共有真空システムに接続されており、共有真空システムは、
複数のターボ分子ポンプを備えており、各ターボ分子ポンプは対応真空チャンバーに別々に接続されており、さらに、
少なくとも一つの共通フォアポンプと、
前記少なくとも一つの共通フォアポンプを前記複数のターボ分子ポンプのおのおのに接続するための一つ以上のパイプを備えている配管系を備えており、配管系は、前記配管系内の流れをコントロールする複数の流量調節器を備えており、方法はさらに、
ポンプ吸引のための少なくとも一つの選択された真空チャンバーを選択することと、
前記共有真空チャンバーによって前記少なくとも一つの選択された真空チャンバーを別々にポンプ吸引することを備えており、これは、
第一のポンプ吸引段階において、選択された真空チャンバーを連帯的に第一の圧力値をもつ圧力にポンプ吸引するために前記少なくとも一つの共通フォアポンプを作動させることと、
第二のポンプ吸引段階において、前記選択された真空チャンバーを別々に第二の圧力値をもつ圧力にポンプ吸引するために前記選択された真空チャンバーの前記ターボ分子ポンプを作動させることを備えており、
方法はさらに、
前記ターボ分子ポンプを作動させた後の所定時刻に前記少なくとも一つの共通フォアポンプを停止させることをさらに備えている、少なくとも一つの真空チャンバー内の真空を実現する方法。
【請求項2】
前記第一のポンプ吸引段階は、前記少なくとも一つの共通フォアポンプによって前記選択された真空チャンバーから気体と蒸気を直接的に除去することを備えている、請求項の方法。
【請求項3】
前記第二のポンプ吸引段階は、前記少なくとも一つの共通フォアポンプによって前記選択された真空チャンバーの前記ターボ分子ポンプの出口圧力を所定圧力値よりも低く維持することを備えている、請求項の方法。
【請求項4】
前記真空システムは、各チャンバーの中またはそれに接して入れられた極低温表面を冷却するための共有極低温ポンプシステムをさらに備えている、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、排気中のチャンバー内の圧力が所定しきい値よりも低い圧力値に達したときに真空への動作の第三の段階において前記極低温ポンプシステムを作動させることをさらに備えている、請求項に記載の方法。
【請求項6】
選択された真空チャンバーから前記ターボ分子ポンプを分離するための流量調節器を閉じることと、前記ターボ分子ポンプを停止させることをさらに備えている、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
リソグラフィシステムであり、
複数の真空チャンバーと、
各真空チャンバーに接続された、前記真空チャンバーを排気するために用意された共有真空システムを備えており、前記共有真空システムは、
複数のターボ分子ポンプを備えており、各ターボ分子ポンプは対応真空チャンバーに別々に接続されており、さらに、
少なくとも一つの共通フォアポンプと、
前記少なくとも一つの共通フォアポンプを前記複数のターボ分子ポンプのおのおのに接続するための一つ以上のパイプを備えている配管系を備えており、前記配管系は、前記配管系内の流れをコントロールする複数の流量調節器を備えており、さらに、
前記流量調節器と前記フォアポンプと前記複数のターボ分子ポンプと信号連絡しているコントロールシステムを備えており、前記コントロールシステムは、ポンプ吸引のための少なくとも一つの真空チャンバーの選択と前記少なくとも一つの選択された真空チャンバーの別々のポンプ吸引用をコントロールするように構成されており、
前記コントロールシステムは、
第一のポンプ吸引段階において、選択された真空チャンバーを連帯的に第一の圧力値をもつ圧力にポンプ吸引するために前記少なくとも一つの共通フォアポンプを作動させ、
第二のポンプ吸引段階において、前記選択された真空チャンバーを別々に第二の圧力値をもつ圧力にポンプ吸引するために前記選択された真空チャンバーの前記ターボ分子ポンプを作動させ、
前記ターボ分子ポンプを作動させた後の所定時刻に前記少なくとも一つの共通フォアポンプを停止させるように構成されている、リソグラフィシステム。
【請求項8】
前記共有真空システムは、クライオポンプシステムをさらに備えており、前記クライオポンプシステムは、一つ以上の冷却液リザーバーまたは冷却ユニットと、複数の極低温表面構造体と、前記冷却液リザーバーまたは冷却ユニットを前記極低温表面構造体に接続している冷却ラインを備えており、前記極低温表面構造体は、前記リソグラフィシステムの前記複数の真空チャンバーに分配されている、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記クライオポンプシステムは、一つ以上の極低温表面構造体に向かうまたはそこから遠ざかる前記冷却ラインを介した冷却液の移動をコントロールするための一つ以上の流量調節デバイスをさらに備えている、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも一つの真空チャンバーは、紫外スペクトルの放射を発するための一つ以上の発光ダイオードを備えている、請求項のいずれか一つのシステム。
【請求項11】
少なくとも一つの真空チャンバーは、前記チャンバーの中への紫外放射の結合を可能にするための専用壁部を備えるように用意されている、請求項10のいずれか一つのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空チャンバー設備と、ポンプシステムへの接続のための出口を備えている真空チャンバーと、真空チャンバー内の真空を実現する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業では、高い精度と信頼度をもってより小さい構造体を製造する常に増大する望みは、ウェーハ加工技術に対して多大な要求をする。特に、なるべく低い資本費用と運転費用を維持しながら、また床面積を過度に使用することなく、ウェーハ処理装置のウェーハスループットを最大にすることは重要である。半導体製造環境中の床面積は、非常に高価なだけでなく、必要なクリーンルーム条件を維持するために高い運転費を必要とする。これらの要求を満たすために、リソグラフィ機械装置が可能な限り連続運転のままであることが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、良い経済性を提供する機械装置設計をもたらす高スループット運転を可能にしながら、これらの要件を満たす方法とリソグラフィシステムを提供することをめざす。本発明は、各機械装置が高真空中で運転される機械装置集団を形成する複数の相互独立動作かつ独立点検修理可能なリソグラフィ機械装置に機械装置が分割される設計思想を準備する。経済的に実行可能かつ空間的に効率のいい手法でこの設計思想を実現するために、本発明は、機械装置集団中の真空チャンバー内の真空を実現するために設備を提供する。この目的のために、本発明は、真空チャンバー内の真空を実現する方法を提供し、前記真空チャンバーは、複数の真空チャンバーによって共有されるポンプシステムに接続され、前記方法は、各真空チャンバーを別々にポンプ吸引することを備えている。さらに、本発明は、一つのポンプシステムに接続された複数の真空チャンバーの設備を提供し、前記ポンプシステムは、各真空チャンバーを別々にポンプ吸引するように用意されている。
【0004】
前記真空チャンバーによる同一ポンプシステムの組み合わせの使用によって、真空を確立するための別々の機器を各真空チャンバーに装備する必要がない。その結果、総ポンプシステムのコストは相当に低減され得る。加えて、共有ポンプシステムは、複数のポンプシステムが占めると思われるものよりも少ないfab床面積を占め、それは、それ自体で、経済的かつ機能的利点を提供する。
【0005】
別の側面によれば、本発明は、特に荷電粒子リソグラフィの使用に関連する問題を解決する。そのようなシステムでは、システムの射影カラムの非常に厳格な電磁(EM)シールドの要求と、荷電粒子射影をおこなうことができるために同一空間に標準的高真空を提供する要求との間に、連続的なトレードオフが作られる。二つの要求は、EMシールド要求は、好ましくは、荷電粒子射影をおこなうための空間の全体の閉塞によって実現されるが、高真空を生成する要求は、特に分子流吸込体制では、好ましくは大きい吸込口を必要とする点で、対立する。この問題は、荷電粒子システムの比較的長いポンプ吸引時間を受け入れることと組み合わせて、EMシールド中の小さい開口を使用することによって、一般に妥協に帰着する。
【0006】
本発明の基礎となるさらなる洞察によれば、極低温システムは、高真空を作り出すことと、リソグラフィシステムのポンプ吸引時間を低減することを支援するために有用であるが、EMシールドを最適化するために低減された大きさの吸込口をまだ有している。そのような装置は、極低温システムの高いコストのために、また、極低温ポンプシステムはあらかじめ定められた最低レベルの真空から動作するので従来の真空ポンプシステムを保持する必要性のために冷遇された。しかしながら、この先入観にもかかわらず、本発明は、荷電粒子リソグラフィシステムのためのそのようなポンプの組み合わせを使用し、過度なポンプ吸引時間(すなわち運転にかかわらない時間)を回避しながら、より良いEMシールドを可能にする。荷電粒子システムに対する極低温ポンプシステムの適用はトレードオフを解決する。この組み合わせの経済的な実行可能性と実際的な適用可能性は、集団化機械装置構想と組み合わせて適用されるとき、特に共有ポンプシステムとして適用されときにさらに増大する。
【0007】
本発明の一つの側面は、真空ポンプシステムとクライオポンプシステムを備えているポンプシステムを備えている。特に真空ポンプシステムとクライオポンプシステムの両方によって真空が実現されるならば、そのような組み合わせは、真空チャンバー内の圧力を非常に低い圧力値、たとえば10−6mBarまで低下させるために使用されることが可能である。真空を実現するために、真空ポンプシステムが最初に作動され、それにクライオポンプシステムの作動が続いてもよい。この作動順序は、もしクライオポンプシステムが真空ポンプシステムと同時に作動された場合と比べてより低い圧力値でのクライオポンプシステムの作動をもたらす。より低い圧力値での作動は、クライオポンプシステムがより低い圧力値で飽和するようにし得る。
【0008】
真空ポンプシステムは、フォアポンプと少なくとも一つのターボ分子ポンプを備えていてよい。真空ポンプシステムの作動は、最初にフォアポンプを作動させ、それに少なくとも一つのターボ分子ポンプを作動させることが続くことを備えていてよい。そのような真空ポンプシステムの使用は、1mBarよりも低い圧力値の比較的速い実現をもたらし得る。フォアポンプは、少なくとも一つのターボ分子ポンプを作動させた後に所定の期間だけ停止されてよい。
【0009】
各真空チャンバーは、別々のターボ分子ポンプに接続されてよい。一つの真空チャンバーにつきたった一つのターボポンプの使用は、ポンプの二段設備と配管の低減を可能にする。方法は、真空チャンバーからターボポンプを分離する流量調節デバイスを閉じることと、ターボ分子ポンプを停止させることをさらに備えていてよい。これらの動作は、外部振動の影響の低減をもたらし得る。
【0010】
真空チャンバーには、その真空チャンバーを別々のターボ分子ポンプに接続する出口が設けられ得るから、方法は、出口の断面積を変えることをさらに備え得る。大気圧から比較的粗い真空たとえば1mBarへの初期のポンプ吸引の間は、ポンプ吸引時間を減少させるために出口の断面積は好ましくは大きい。より低い圧力においては、たとえばクライオポンプシステムから十分に利益を得るために、出口のより小さい断面積が望まれ得る。出口の断面積を変えることは、したがって比較的大規模資源効率と組み合わせた比較的速いポンプダウンを可能にし得る。
【0011】
出口の断面積を変えることは、移動可能部材によって出口の少なくとも一部をふさぐことを備えてよい。部材は、プレートの形態を取ってよい。好ましくは、移動可能部材は、ミューメタルなどの電磁シールド材料で構成されている。これは、外部電磁放射に対する真空チャンバー内のコンポーネントの有効なシールドを可能にするが、真空は、部分的にふさがれた出口を介するポンプ吸引によって維持され得る。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態で使用されるクライオポンプシステムは、冷却液リザーバーまたは冷却ユニットと、複数の極低温表面構造体と、冷却液リザーバーまたは冷却ユニットを極低温表面構造体に接続している冷却ラインを備えていてよい。クライオポンプシステムは、一つ以上の流量調節デバイスを備えていてよく、流量調節デバイスは、一つ以上の極低温表面構造体に向かうまたはそこから遠ざかる冷却ラインを介した冷却液の移動をコントロールするように用意されている。好ましくは、クライオポンプシステムは、一つの極低温表面構造体につき二つの流量調節デバイスを備えている。表面構造体の入口と出口の両方にある流量調節デバイスは、クライオポンプシステム内の表面構造体の追加および/または除去を単純化する。極低温表面構造体は、異なる形態、たとえばシールドまたはスパイラルの形態を取り得る。スパイラルは製造するのが比較的容易であり、一方、シールドは大きい表面積を有する。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態では、真空チャンバーの壁が、極低温表面構造体を提供するように用意される。この表面構造体は、いわゆるペルチェの要素のような、熱電冷却素子の形態を取り得る。熱電冷却素子は低電圧で動作することができ、比較的安価であり、水のような通常の冷却液で冷却されながら動作することができる。冷却素子は、真空チャンバーの壁部の外側表面に接触してよい。この場合、電圧接続は、真空チャンバー壁に通される必要がなく、これは、真空チャンバー設計を単純化する。
【0014】
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの真空チャンバーは、紫外スペクトルの放射を発する一つ以上の発光ダイオードを備えている。あるいは、真空チャンバーは、チャンバーの中への紫外放射の結合を可能にするための専用壁部を備えるように用意される。UV放射は、真空チャンバー内の所定の個所において脱気することを誘導するために使用されてよく、増大した脱気は、より有効なポンプダウンと真空チャンバーの内部のより低い圧力値を可能にし得る。
【0015】
本発明は、ポンプシステムへの接続のための出口を備えている真空チャンバーをさらに提供し、出口は可変断面積を有している。可変断面積をもつ出口は、ポンプシステムによって提供されるポンプ吸引能力の変化を可能にする。真空チャンバーの内部の圧力があるしきい値よりも低いならば、低減されたポンプ吸引能力は十分である。出口の断面積がその時刻において低減されることが可能であるならば、真空チャンバーによって使用されていないポンプシステムのポンプ吸引能力は、他の目的に、たとえば別の真空チャンバーのポンプダウンを支援するために使用されることが可能である。
【0016】
出口の断面積を低減することは、移動可能部材たとえばスライド可能プレートを使用することによって実施されてよい。その部材は、出口の少なくとも一部をふさぐことができる。好ましくは、その部材は、外部電磁放射を遮るべきミューメタルのような電磁シールド材料で構成される。
【0017】
加えて、本発明は、少なくとも二つの真空チャンバーと、ポンプシステムと、真空システムのいずれか一つとポンプシステムの間の接続を可能にするための流量調節デバイスを備えている設備の真空を実現する方法に関する。その方法は、流量調節デバイスの変調によってポンプシステムを所定の真空チャンバーに接続していることと、
所定の真空チャンバーをポンプシステムでポンプ吸引することを備えている。その方法は、プロセッサーによって実行されるときに、コンピューター読取可能媒体によっておこなわれ得る。プロセッサーは、流量調節デバイスを調節するためのコントロールユニット中に配置されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明のさまざまな相は、図面に示された実施形態を参照してさらに説明される。
図1図1は、荷電粒子リソグラフィ装置の実施形態の単純化した概略図である。
図2図2は、モジュール式リソグラフィ装置の単純化したブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態による設備の構想を概略的に示している。
図4図4は、多数のポンプに接続された単一の真空チャンバーを概略的に示している。
図5図5は、図4の真空チャンバーに対しておこなわれる可能なポンプ吸引手順のグラフを概略的に示している。
図6図6と7は、真空チャンバーの出口の断面積を変えることを可能にする機構を概略的に示している。
図7図6と7は、真空チャンバーの出口の断面積を変えることを可能にする機構を概略的に示している。
図8図8は、本発明の実施形態による設備を概略的に示している。
図9図9は、本発明の別の実施形態による設備を概略的に示している。
図10A図10Aは、極低温冷却の代替装備を概略的に示している。
図10B図10Bは、極低温冷却の代替装備を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下は、本発明のさまざまな実施形態の説明であり、単なる例として図面を参照して与えられる。
【0020】
説明の全体を通して、表現「真空」は、圧力が10−3mBarよりも低い状態を指している。
【0021】
図1は、荷電粒子リソグラフィ装置100の実施形態の単純化した概略図を示している。そのようなリソグラフィ装置は、たとえば米国特許第6,897,458号と第6,958,804号と第7,019,908号と第7,084,414号と第7,129,502号、米国特許出願公開2007/0064213号、同時継続中の米国特許出願61/031,573号と61/031,594号と61/045,243号と61/055,839号と61/058,596号と61/101,682号に説明されており、それらはすべて本発明の所有者に譲渡されており、参照によってそっくりそのまますべてここに組み込まれる。図1に示された実施形態では、リソグラフィ装置は、拡大する電子ビーム120を生成するための電子源101を備えている。拡大する電子ビーム120は、コリメーターレンズシステム102によってコリメートされる。コリメートされた電子ビーム121は、開口アレイ103に衝突し、それは、ビームの一部を遮断して複数のビームレット122を作り出す。システムは、多数のビームレット122、好ましくは約10,000ないし1,000,000のビームレットを生成する。
【0022】
電子ビームレット122は、一つ以上の電子ビームレットを偏向するための複数のブランカーを備えているビームブランカーアレイ105の平面に電子ビームレット122を合焦させる集光レンズアレイ104を通過する。偏向および非偏向電子ビームレット123は、複数の開口を有するビームストップアレイ108に到着する。ビームレットブランカーアレイ105とビームストップアレイ108は連携して、ビームレット123を遮断または透過するように動作する。ビームレットブランカーアレイ105がビームレットを偏向すれば、それは、ビームストップアレイ108中の対応する開口を通過せず、その代りに遮断される。しかし、ビームレットブランカーアレイ105がビームレットを偏向しないならば、それは、ビームストップアレイ108中の対応する開口を通過し、ビーム偏向器アレイ109と投影レンズアレイ110を通過する。
【0023】
ビーム偏向器アレイ109は、ターゲット130の表面を横切ってビームレットを走査するために、非偏向ビームレットに実質的に垂直なXおよび/またはY方向の各ビームレット124の偏向を提供する。次に、ビームレット124は、投影レンズアレイ110を通過し、ターゲット130上に投影される。投影レンズ設備は、好ましくは約100ないし500倍の縮小率を提供する。ビームレット124は、ターゲットを運ぶための移動可能ステージ132上に配置されたターゲット130の表面に衝突する。リソグラフィ応用装置に関しては、ターゲットは、通常、荷電粒子感応層またはレジスト層が設けられたウェーハで構成される。
【0024】
荷電粒子リソグラフィ装置は、真空環境中で動作する。真空は、荷電粒子ビームによってイオン化されて源に引きつけられるようになり得、分離されて機械装置コンポーネント上に堆積され得、荷電粒子ビームを分散させ得る粒子を除去するために望まれる。少なくとも10−3mBarの真空が一般に必要とされる。真空環境を維持するために、荷電粒子リソグラフィ装置は真空チャンバー140中に設置されている。リソグラフィ装置の主要な要素のすべては、荷電粒子源と、ビームレットをウェーハ上に投影するための投影系機システムと、移動可能ウェハーステージを含み、好ましく共通の真空チャンバー内に収納されている。
【0025】
図2は、モジュール式リソグラフィ装置の主要な要素を示している単純化したブロック図を示している。リソグラフィ装置は、好ましくは、保守の容易さを与えるためにモジュール式方式に設計されている。主要なサブシステムは、好ましくは、自己充足的かつ取り外し可能モジュールで構築され、それにより、それらは、他のサブシステムへの可能な限り少ない外乱で、リソグラフィ機械装置から取り外されることが可能である。これは、真空チャンバー内に閉じ込められたリソグラフィ機械装置にとって特に有利であり、そこでは機械装置へのアクセスは限定される。したがって、不必要に他のシステムを分離または妨害することなく、欠陥のあるサブシステムがすばやく除去され交換されることが可能である。
【0026】
図2に示される実施形態では、これらのモジュール式サブシステムは、荷電粒子ビーム源101とビームコリメート系102を有する照明光学モジュール201と、開口アレイ103と集光レンズアレイ104を有する開口アレイおよび集光レンズモジュール202、ビームレットブランカーアレイ105を有するビームスイッチモジュール203と、ビームストップアレイ108とビーム偏向器アレイ109と投影レンズアレイ110を有する投影光学モジュール204を有している。モジュールは、整列フレームに滑り入るおよびそこから滑り出るように設計されている。図2に示された実施形態では、整列フレームは、整列内側サブフレーム205と整列外側サブフレーム206を備えている。フレーム208は、振動減衰マウント207を介して整列サブフレーム205と206を支持している。ウェーハ130はウェーハテーブル209上にもたれており、それは今度はチャック210に装着されている。チャック210は、ステージショートストローク211とロングストローク212上に鎮座している。リソグラフィ機械装置は、真空チャンバー240中に閉じ込められており、それは、ミューメタルで構成されている層などの一つまたは複数の電磁シールド層215を有している。機械装置は、フレーム部材221によって支持されたベースプレート220上にもたれている。
【0027】
各モジュールは、多数の電気信号および/または光信号と、その動作のための電力を必要とする。真空チャンバーの内側のモジュールは、一般にチャンバーの外側に設置されたコントロールシステムからこれらの信号を受け取る。真空チャンバーは、コントロールシステムから真空ハウジングの中に信号を運ぶケーブルを、ケーブルの周囲の真空シールを維持しながら取り込むためのポートと呼ばれる開口を有している。
【0028】
光学で、各モジュールは、好ましくは、そのモジュールに専用の一つ以上のポートを通って引き回される電気的、光学的、および/または電力のケーブル接続の収集体を有している。これは、特定のモジュールのためのケーブルが、他のどのモジュールのためのケーブルを邪魔することなく、分離、除去、および交換されることを可能にする。ポートは、リソグラフィ機械装置の特定のモジュール式サブシステムに好ましくは専用であり、サブシステムに必要なケーブル接続の数にしたがった大きさと形につくられてよい。たとえば、照明光学サブシステムは大きいポートを必要とし、投影光学サブシステムはわずかに小さいポートを必要とし、他のサブシステムはより小さいポートを必要とし得る。
【0029】
真空チャンバーはまた、チャンバーから空気をポンプ吸引してチャンバーを空にするポンプシステムたとえば一つ以上の真空ポンプへの接続のための一つ以上の開口を備えている。真空ポンプ開口の形状は、状況に基づいて設計されることが可能である。たとえば、開口は、円形、正方形または矩形の設計であってよい。
【0030】
製造環境の内部の床面積すなわち「fab」は、fabを構築し管理する高いコストと、fabが増大するにつれたコストの増大のために、大切である。したがって、fab床の効率的な使用は重要であり、fab中で使用されるシステムたとえば図1と2を参照して論じられたようなリソグラフィ装置は好ましくは床面積を可能な限り少なく占めるように設計される。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態は、図3に示される設備に関する。図3は、複数の真空チャンバー400たとえば図1と2に示されるようなリソグラフィ処理のための一つ以上のモジュールを収容している真空チャンバーを備えている設備を概略的に示している。真空チャンバーはすべて共通のポンプシステム300に接続されている。ポンプシステム300は、各真空チャンバー400を別々にポンプ吸引するように用意されている。
【0032】
各真空チャンバー400内の別々の真空の実現は、多数の流量調節デバイス310たとえばフラップやバルブを、一つ以上のコントロールライン330を介して流量調節デバイス310に接続されたコントロールシステム320によってコントロールすることによって確立され得る。中央コントロールシステム320によるコントロールは効率的なコントロール計画を可能にする。コントロールシステム320は、たとえば適切な圧力センサーの使用によって得られる、各真空チャンバー内の現在の圧力に関するコントロール計画を基づいてよい。
【0033】
中央コントロールシステム320は、コンピュータープログラムを実行するように用意されたプロセッサーで構成されてよい。そのようなコンピュータープログラムは、各真空チャンバー内の真空を実現する方法の実行を可能にする要素を備えていてよい。コンピュータープログラムは、コントロールシステム320の中に装填されることが可能であるコンピューター読取可能媒体に格納されてよい。それから、プロセッサーによって実行されたときに、真空を実現する方法のいくつかの実施形態がおこなわれ得る。
【0034】
別々の真空チャンバー400によるポンプシステム300の少なくとも同一部の合同使用によって、真空の確立のための別々の機器を各真空チャンバー400に装備する必要がない。ポンプシステム300の内部のいくつかのコンポーネントは真空チャンバー400によって共有されてよい。fabにおいて、すべての真空チャンバー400が同時にポンプ吸引されることを必要とすることは非常にまれである。したがって、ポンプシステム300の内部の共有コンポーネントは、異なる真空チャンバー400を同時に取り扱うことができることを必ずしも必要としなくてよい。コンポーネントの要求は、一つよりも多い真空チャンバー400を取り扱うが、もしたった一つの真空チャンバーだけが取り扱われるならば、そのコンポーネントのための要求に対応してよい。その結果、ポンプシステム300の総のコストは相当に低減され得る。加えて、共通ポンプシステム300は好ましくは、複数のポンプシステムが占めると思われるものよりも少ないfab床面積を占め、それは、プロセスラインの重要なコスト低減をもたらし得る。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態において真空を確立するために、図4を参照して説明されるように、多数のコンポーネントが使用され得る。図4は、多数のポンプ410,420,430に接続された単一の真空チャンバー400を備えている設備を概略的に示している。
【0036】
ポンプ410はフォアポンプたとえば粗引きポンプであり、またポンプ420はターボ分子ポンプであり、これはまたターボポンプ420とも呼ばれる。フォアポンプ410とターボポンプ420はいずれもパイプ440を介して真空チャンバー400に接続されている。フォアポンプ410は、ターボポンプ420の信頼できる滑らかな動作を確実にするためにターボポンプ420の出口圧力を下げるために使用され得る。フォアポンプ410がターボポンプ420を支援する範囲は、バルブ451や同様物のような流量調節デバイスによってコントロールされ得る。
【0037】
ポンプ430は、実際にはクライオポンプシステムを指す。クライオポンプシステム430は、真空チャンバー400の外側に置かれた冷却液リザーバーまたは冷却ユニット431と、真空チャンバー400の内部の内側にまたはそれに接して置かれた極低温表面構造体433と、リザーバー431を表面構造体433に接続している冷却ライン432を備えている。冷却液が極低温表面構造体433に供給される範囲は、一つ以上の流量調節デバイスたとえばバルブ453や同様物によってコントロールされ得る。図4のクライオポンプシステム430は、一つの冷却構造体433につき二つのバルブ451を備えている。冷却構造体433の流入口と流出口にあるバルブ451は、クライオポンプシステム430内の冷却構造体433の追加および/または除去を単純化するという長所を有する。これは、設備中のクライオポンプコンポーネントの本当のモジュール式設備を可能にする。
【0038】
真空チャンバー400は、ポンプ410,420を真空チャンバー400から分離するための流量調節デバイスたとえばバルブやフラップを備えていてよい。それから、真空チャンバー400内の圧力レベルは、極低温ポンプシステム430によって単独に維持されてよい。そのような分離は、一つ以上のポンプ410、420の停止と、真空チャンバー400内に結合する制限振動を可能にし得る。そのような振動は、真空チャンバー400内でおこなわれる多数の処理たとえばリソグラフィまたは計測処理における精度を制限することがある。
【0039】
図5は、真空チャンバー400の内部の圧力のグラフを時間の関数としてmBarで概略的に示している。ポンプ吸引の前では、真空チャンバー内の圧力は気圧すなわち約1000mBarに等しい。
【0040】
真空チャンバー400内の真空の実現は三つの段階でおこなわれることができる。第一段階において、時刻tにおいて始まり、フォアポンプ410が、ターボポンプ420が効率的に動作することができる値たとえば1mBarに圧力を減少させるために使用され得る。フォアポンプ410は、チャンバー400から既存の気体と蒸気を効果的に除去する。
【0041】
ターボポンプ420の効率的な動作のための所望の圧力値に到達したとき、ターボポンプ420が時刻tにおいて始動される。それから、ターボポンプ420は、脱気に起因する気体と蒸気を除去することによって、圧力をさらに、この実施形態では少なくとも10−3mBarまでポンプ吸引する。ターボポンプ動作中、フォアポンプ410は、ターボポンプ420の出口圧力が所定圧力値よりも低いままであることを確実にするためにさらに使用されてよい。そのような出口圧力が異なる手法によって確実にされるならば、フォアポンプ410は停止されてよく、それは、使用される電力を制限するうえに、真空チャンバー内の要素に対する振動の影響を制限し得る。
【0042】
さらにより低い圧力の真空を実現する動作の第三段階は、時刻tにおけるクライオポンプシステム430の始動を有している。ターボポンプ420の始動の後のクライオポンプシステム430の作動は、より効率的な真空ポンプ吸引手順を提供する。冷却液リザーバー/冷却ユニット431は、冷却ライン432を介してチャンバー400内の極低温表面構造体433に冷却液を供給し、それは、効果的に表面構造体433を、構造体433に当たる分子がその上に冷凍され得る温度まで冷却する。表面構造体433は、限定された数の分子だけを収容することができる。したがって、表面構造体433の早期飽和を避けるために、クライオポンプシステム430は好ましくは、処理の際、あまりすぐに始動されない。しばしば、チャンバー400の圧力が所定のしきい値よりも低い圧力値に達したら、クライオポンプが始動される。
【0043】
一般に、クライオポンプシステム430は、チャンバー400からの水の除去と、脱気から生成されたチャンバー内の気体の除去に特に適している。水は、多数の処理たとえばリソグラフィにおける主要な汚染物質の一つであるので、真空チャンバー400から特に水が除去されることが望ましい。[0053] ある程度の期間の後、図5では時刻tにおいて、チャンバー内の真空は、均衡値たとえば10−6mBarに到達する。到達する実際の値は、真空チャンバーの大きさと構造やチャンバー内でおこなわれる処理はもちろん、使用されるターボポンプ420とクライオポンプシステム430のタイプに依存する。
【0044】
均衡値に到達した後のある程度の期間、ターボポンプ420は真空チャンバー400から分離されてよい。ターボポンプ420の分離の後、クライオポンプシステム430は真空の生成を維持および/または完了するために動作し続けてよい。クライオポンプシステム430は、可動部品を使用しないので、低温(<4K)システムの他のタイプのポンプによって一般に引き起こされる振動を導入しない。ターボポンプ420を分離することによって、ターボポンプ420によって引き起こされる振動の影響も最小限に抑えられることができる。いくつかの実施形態では、ターボポンプ420は分離の後に停止され、それは、振動を顕著にしておかない。
【0045】
所望の平衡圧力を得るためにクライオポンプシステム430を使用することは本発明のいくつかの実施形態にとって必須ではないことを理解すべきである。適切なターボポンプ420もまた、10−6mBarの真空圧力値に到達し得る。しかしながら、クライオポンプシステム430が図5を参照して説明される方法で使用されるならば、ターボポンプ420に対する要求は低減され得、したがってコスト低減をもたらし得る。
【0046】
真空圧力値圧力をさらに下げるために、クライオポンプシステム430の使用に先立って加熱工程がおこなわれることができる。真空チャンバー400の内部のコンポーネントおよび/またはその壁の加熱は脱気を向上させる。脱気された分子はそれから、ターボポンプ420によって真空チャンバー400からポンプ吸引されてよい。その結果、加熱工程の終了後、クライオポンプが始動される真空圧力値が、より低い圧力値に設定されることが可能である。いくつかの応用装置では、熱が真空チャンバー400内のコンポーネントを破壊することがあるので、加熱はおこなうことができない。
【0047】
しかしながら、真空チャンバー400内の所定の個所において脱気することを誘導するために、たとえば紫外(UV)スペクトル中の放射を発する発光ダイオード(LED)を使用することによって特定の放射が使用されてよい。UV LEDは、真空チャンバー400内に配置されてよい。あるいは、それらは真空チャンバー400の外側に配置されてよく、紫外放射は、たとえば適切な光ファイバーやライトパイプや同様物によって、専用壁部を介して真空チャンバーの中に結合されてよい。
【0048】
好ましくは、真空チャンバー400に面するパイプの断面積は、さらにチャンバーの出口と呼ばれ、可変である。減圧の最中、ポンプ410,420と真空チャンバーの間のチャンバーからのパイプ440を介した流れは、層流(LF)から分子流(MF)に変化する。分子流体制では、脱気の進度は、圧力レベルのさらなる低下の速度の決定においてより支配的になる。いくつかの装置では、MF体制において真空または圧力のさらなる低下を維持することは、前述したように、クライオポンプシステム430を使用することと、流量調節デバイスによって真空チャンバー400をポンプ410,420から分離することだけによって可能である。しかしながら、しばしば、追加の機械装置的なポンプ吸引もまた必要である。真空チャンバーが荷電粒子応用装置を収容するならば、外部電磁界が真空チャンバーの内部で近い将来に起こる動作に障害を与えるのを防止するために外部影響からの十分にシールドすることが重要である。そのような場合、追加の機械装置的なポンプ吸引に使用される出口は大きすぎることがある。
【0049】
図6は、可変断面積をもつ出口が設けられた真空チャンバーの側面の横断面視図を概略的に示している。図7は、図6のVII−VII線に沿った出口の平面図を概略的に示している。
【0050】
図6の真空チャンバー400には、極低温表面構造体433と、一つ以上の(図示されない)ポンプに通じるパイプ440に接続された断面積610をもつ出口が設けられている。真空チャンバー400はさらに、出口の断面積610を部分的にふさぐための移動可能部材620を備えている。図示された実施形態では、移動可能部材620は、開口630が設けられたスライド可能プレートの形態を取っている。開口630は、出口の断面積よりも小さい断面積を有している。部材620を出口上で移動させることによって、たとえば部材が装着されたレール上で部材620をスライドさせることによって、出口の断面積が効果的に低減される。開口630の断面積は、チャンバー400内の所望の真空条件を維持するためにパイプ440に接続されたポンプが十分なポンプ吸引動作を提供することができるようなものであってよい。真空を維持するポンプに対するポンプ吸引条件は、開口の限定された断面積のおかげで、出口の部分的なふさぎがない場合よりも少ない要求で済み得る。
【0051】
レール上にスライドするスライド可能プレートを使用することの代わりに、他のタイプの移動可能部材620が使用されてもよい。たとえば、断面積610は、一つ以上のヒンジのまわりに回転することができる一つ以上の回転部材を備えているドア状構造体によって部分的にふさがれてよい。別の実施形態では、断面積610を部分的にふさぐ構造体を移動させるためにスプリングリーフや同様物が使用されてよい。
【0052】
図6に示されるように、チャンバー400には電磁シールド構造体700が設けられてよい。電磁シールドのために使用される材料は、ミューメタルであってよく、またはそれを含んでいてよい。電磁シールドの存在は、チャンバー400内の荷電粒子を必要とする動作の実行を可能にする。好ましくは、移動可能部材620は、電磁シールド材料たとえばミューメタルで構成されている。部材620中の電磁シールド材料の使用は、外部電磁界の最小限の影響を確実にし、一方、パイプ440に接続された一つ以上のポンプによってチャンバー400内に真空が維持されることが可能である。
【0053】
図6と7に示された実施形態では、スライド方向に断面積の直径に等しいかそれを超える、小さい穴とプレートの端の間の距離を選択することによって、出口の断面積が実質的に連続的な手法でコントロールされることが可能である。
【0054】
多数の真空チャンバーに接続された共通ポンプシステムを有する設備の構想にいま戻り、図8と9は二つの異なる実施形態を概略的に示している。個々の真空チャンバーの別々のポンプ吸引は、図3を参照して論じられたような中央コントロールシステムのコントロールの下で容易にされ得る。
【0055】
図8の設備では、五つの真空チャンバー400が二つのターボ真空ポンプ800を共有している。真空ポンプ800は、真空チャンバー400を少なくとも10−3mBarの真空までポンプ吸引することができる。真空ポンプ800は、図4を参照して論じられたようなフォアポンプとターボポンプの組み合わせを備えてよい。
【0056】
真空ポンプ800は、共有ダクトまたはパイプ810の各端に用意されている。真空ポンプ800は、共通ダクトまたはパイプ810を介してチャンバー400に供給する。共通ダクトまたはパイプ810は、流量調節デバイス815を介して各真空チャンバー400に接続されている。デバイス815は、シールドを提供するために、ミューメタルで作られていてもよく、また、そのようなミューメタル層を有していてもよい。
【0057】
図8に示される設備は、一方または両方の共通真空ポンプ800の使用と、それぞれの流量調節デバイス815を開く/閉じることによって、各チャンバーの真空を別々に実現することを可能にする。流量調節デバイス815は、図6,7を参照して論じられたようなフラップの形態すなわち要素620を取り得る。明示的に示されていないけれども、各真空チャンバー400は、図6と7を参照して論じられたような電磁シールドを備えていてよい。
【0058】
真空チャンバー400内の真空を実現するために一つよりも多くのポンプ800を使用する能力は、より速いポンプ吸引を可能にする。チャンバーのポンプ吸引に費やす時間は、チャンバーを使用する機械装置のスループットを直接的に低下させるので、速いポンプ吸引時間は望ましい。しかしながら、一群の真空チャンバーが集団で用意されるとき、一度にたった一つの真空チャンバーのポンプ吸引のための集団を用意することは受け入れられ得る。これは、たとえば、集団が、リソグラフィ機械装置などの一群の機械装置を有し、同じ長い動作をずらされたスケジュールでおこなうといった場合であってよい。この状況では、一つよりも多くの真空チャンバー400が同時にポンプ吸引される必要はありそうもない。限定された数のポンプの使用は、重要なコスト低減をもたらし得る。この実施形態では、五つのポンプの代わりに、たった二つのポンプが五つのチャンバー間で共有されて使用されている。これは、より速いポンプ吸引と、より低い総コストと、向上されたポンプ余剰を達成するために使用されることが可能である柔軟性に富んだ設備を可能にする。標準的に使用されていたであろう五つのポンプのいずれかの能力よりも大きい能力を二つのポンプが有していさえすれば、そのようなコスト低減は達成され得る。そのような場合、大能力ポンプはより速くポンプ吸引するので、各チャンバーのポンプ吸引時間も低減され得る。
【0059】
さらに、一つよりも多くのポンプを備えた真空チャンバー内の真空を実現する能力は、真空動作の信頼度を改善し得る真空ポンプ余剰を作り出す。図8の設備では、左の真空ポンプが機能不全ならば、右の真空ポンプがその機能を引き継ぐことができる。ただし、一つのポンプが少なく使用されるので、ポンプ吸引は遅くなる。
【0060】
一つ以上のポンプ800によって真空チャンバー400を別々にポンプ吸引する能力に加えて、クライオポンプシステムもまた、チャンバー400によって共有されてよい。そのような場合、チャンバー400内の真空を形成するのを支援するために、分子を、好ましくは水蒸気分子を捕獲するために、各真空チャンバー400に1つ以上の極低温表面構造体433が設けられてよい。この代表的実施形態では、表面構造体433は、クライオポンプシールドの形態を取るが、他の構造体たとえばクライオポンプスパイラルもまた可能である。したがって、図8に示される設備の真空チャンバー400内の真空は、真空ポンプ800とクライオポンプシステム430の極低温表面構造体433によって、たとえば図5を参照して論じられたような方法で、生成されることが可能である。
【0061】
別々の真空チャンバー400内における極低温表面構造体433を有しているクライオポンプシステムの存在は、適切な真空を作り出すために必要とされる真空ポンプ800の大きさを低減するのを助け得る。さらに、それはポンプ吸引時間を低減することを助け得る。さらに、すでに前述したように、クライオポンプシステム430は、低温(<4K)システムの他のタイプによって一般に引き起こされる振動を導入しないように、可動部を使用していない。
【0062】
図8に示される設備は、真空チャンバーが鉛直に積み重ねられた、または並んで配列されることに加えて鉛直に積み重ねられた、多層の積み重ね真空チャンバーを収容するように変更されてよい。たとえば、図8に示された設備で、(二層の場合の)10チャンバーまたは(三層の場合の)15チャンバーの設備を作り出すために、真空チャンバーの二つ、三つ、または可能なより多くの層が使用されてよい。複数チャンバーは共通真空ポンプシステムを利用してよく、共通真空ポンプシステムはチャンバーの各層に対して利用されてよい。真空チャンバーを垂直に積み重ねることはさらに、必要とされる床面積を低減し、それは、真空チャンバーが一部をなすプロセスラインの実質的なコスト低減の原因となる。
【0063】
図9は、本発明の別の実施形態による別の設備を示している。ちょうど図8に示される設備のように、この設備はまた、各真空チャンバー400内の真空を別々に実現する能力を有している。図9では、三つの真空チャンバー400が一つのポンプシステムに接続されている。ポンプシステムは、二つのフォアポンプ410、三つのターボポンプ420と、一つのクライオポンプシステム430を備えている。クライオポンプシステム430は、冷却液リザーバーまたは冷却ユニット431と、極低温表面構造体433と、リザーバー431から冷却液を表面構造体433に供給するための冷却ライン432を備えている。極低温表面構造体433は、各真空チャンバー400に設けられている。
【0064】
図8に示される設備とは対照的に、各真空チャンバー400は、パイプ440を介して別々のターボポンプ420に接続される。一つの真空チャンバー400につきたった一つのターボポンプ420の使用は、配管の低減をともに、ポンプ410,420の二段設備を可能にする。
【0065】
その設備はさらに、フォアポンプ410と中間ライン825の間の接続をコントロールするための多数の流量調節デバイス820たとえばバルブを備えている。いくつかの実施形態では、一つのフォアポンプ410だけが使用されるが、主要フォアポンプの故障またはメンテナンスの場合には別のフォアポンプが代用ポンプとして役立つ。一つのポンプが一つのチャンバーのポンプ吸引に使用され、別のポンプが既にポンプ吸引された他のチャンバーの真空を維持するために使用されるように、複数のフォアポンプが用意されてもよい。加えて、各ターボポンプ420は、さらなる流量調節デバイス830たとえばバルブやフラップを介して中間のライン825に接続されている。調節デバイス820と830のコントロールは、どの真空チャンバー400がポンプ吸引されるべきであるかをコントロールすることを可能にする。
【0066】
極低温表面構造体433は、一つ以上の流量調節デバイス453を介して冷却ライン432に接続されている。これらのデバイス453をコントロールすることによって、各真空チャンバー400は、クライオポンプシステム430に別々に接続され得る。
【0067】
明示的に示されていないけれども、各真空チャンバー400には、図6と7を参照して論じられたような移動可能部材および/または電磁シールドのような他の特徴がさらに設けられてよい。
【0068】
この説明の全体を通して論じられる極低温表面構造体433は、あらゆる適切な形態を取ってよい。いくつかの実施形態では、構造体は、図7と8に概略的に示されたようなシールドの形態を取ってよい。シールドは、製造するのが比較的容易であり、その様相は、その中に存在するコンポーネントに障害を与えることなく、真空チャンバーの形状を考慮して容易に成形されることが可能である。あるいは、極低温表面構造体は、図4と9に概略的に示されたようなスパイラルの形態を取ってよい。スパイラルは、製造するのが比較的容易であるという長所を有する。スパイラルに装着されたシールドの組み合わせのような、他の形状または形状の組み合わせもまた可能である。冷却構造体形状設計は、単位体積あたりのクライオポンプ動作に利用できる比較的大きい表面積を得るように最適化されてよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、極低温冷却の代替的方法として、いわゆるペルチェ効果を使用する熱電冷却素子が使用される。図10Aは、そのような冷却素子900が設けられた真空チャンバー400の一部を概略的に示している。冷却素子900は、二つの異なるタイプの材料910,920を備えており、各材料タイプ910,920は冷却素子の異なる側に設けられている。二つの異なる材料の接合において、熱流束が、冷たい方から熱い方への温度勾配に対して作り出される。
【0070】
一つの材料タイプ910から他の材料タイプ920への熱の移動は、電気エネルギーの消費を引き起こる。冷却素子900を直流電圧源930に接続することは、要素900の一方の側が冷えるようにし、また、他方の側は加熱される。熱電冷却素子の性能は、要素900の加熱側920からの積極的熱除去によって増大し得る。この目的のために、冷却素子900の熱い側920が、冷却構造体940に接して置かれてよい。
【0071】
それから、冷却構造体と熱電冷却素子の組み合わせは、極低温表面構造体に適任としてうってつけであり得る。冷却構造体は、図4と9を参照して以前に論じられた冷却ライン432に相当し得る冷却ライン950を介して冷却液を受け取り得る。しかしながら、冷却構造体940は、以前に示された実施形態で使用されたものとは別の冷却液を使用してよい。たとえば、熱い側920を冷却することは、冷却液として冷却水でおこなわれてよい。
【0072】
図10Aでは、冷却素子900は、真空チャンバー400の外側にそれに接して配置されている。冷却素子900の冷却側910は、冷却素子900のごく近接にある真空チャンバー壁の一部を効果的に冷却する。それから、この壁部は、以前に論じられたような極低温表面構造体の機能を効果的に有している。図10Aを参照して説明されるような冷却素子900の使用は、極低温ポンプ効果を作り出す比較的安価な方法である。前述したように、専用冷却液または取り扱うのが比較的難しい冷却液の使用を必要としない。代わりに、冷却水で十分であってよい。さらに、冷却素子900は低電圧で動作し得る。したがって、要素900は使用するのに安全である。
【0073】
しかしながら、真空チャンバー内の極低温表面構造体の表面積をコントロールすることが望ましいことがある。そのような場合、図10Bに示されるように、冷却素子900は真空チャンバー400の内側に配置されてよい。冷却素子900の冷却側910はいま、極低温表面構造体として役立つ。この実施形態では、真空チャンバー400は、電気供給を可能にする追加ポート960が設けられている必要がある。
【0074】
ペルチェクーラーは低温であまり効率的ではないけれども、それはいくつかの長所を有している。ペルチェ冷却素子は、可動部を有しておらず、低いメインテナンスコストをもたらす。それは、低電圧を使用し、配管と、チャンバーの中への冷却液の導入を必要とすることなく、真空チャンバー内に取り付けられ、したがって、その応用装置の安全性問題を回避し得る。さらに、ペルチェの冷却素子は高価でなく、ターボポンプに対する比較コスト、毎秒1リットルあたりほぼ50ユーロであり、クライオポンプは毎秒1リットルあたりほぼ1ユーロであり、ペルチェ冷却素子は毎秒1リットルあたりほぼ0.1ユーロである。
【0075】
本発明は、上に論じたある実施形態を参照して説明された。これらの実施形態は、本発明の真意および範囲から逸脱することなく、この分野の当業者に良く知られるさまざまな修正および代替形態が可能であることが認識されるであろう。従って、特定の実施形態が説明されたけれども、これらは単なる例であり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]真空チャンバー内の真空を実現する方法であり、前記真空チャンバーは、複数の真空チャンバーによって共有されるポンプシステムに接続され、前記方法は、各真空チャンバーを別々にポンプ吸引することを備えており、前記ポンプシステムは、真空ポンプシステムとクライオポンプシステムを備えている。
[2]前記クライオポンプシステムは、冷却ラインを介して冷却液リザーバーまたは冷却ユニットに接続された複数の極低温表面構造体、または熱電冷却素子を備えた複数の極低温表面構造体を備えている、[1]の方法。
[3]前記真空は、前記真空ポンプシステムと前記クライオポンプシステムの両方によって実現される、[1]または[2]の方法。
[4]前記真空を実現するために、最初に真空ポンプシステムを作動させ、続いてクライオポンプシステムを作動させることを備えている、[3]の方法。
[5]前記真空ポンプシステムは、フォアポンプと少なくとも一つのターボ分子ポンプを備えている、[4]の方法。
[6]前記真空ポンプシステムを作動させることは、最初にフォアポンプを作動させ、続いて少なくとも一つのターボ分子ポンプを作動させることを備えている、[5]の方法。
[7]前記少なくとも一つのターボ分子ポンプを作動させた後に所定の期間だけ前記フォアポンプを停止させることをさらに備えている、[6]の方法。
[8]各真空チャンバーは、別々のターボ分子ポンプに接続されている、[5]〜[8]のいずれか一つの方法。
[9]前記真空チャンバーから前記ターボポンプを分離するために流量調節デバイスを閉じることと、前記ターボ分子ポンプを停止させることをさらに備えている、[8]の方法。
[10]前記真空チャンバーには、前記真空チャンバーを別々のターボ分子ポンプに接続する出口が設けられており、前記方法は、前記出口の断面積を変えることをさらに備えている、[8]の方法。
[11]前記出口の前記断面積を変えることは、移動可能部材によって前記出口の少なくとも一部をふさぐことを備えている、[10]の方法。
[12]ポンプシステムに接続された複数の真空チャンバーの設備を備えているリソグラフィシステムであり、前記ポンプシステムは、各真空チャンバーを別々にポンプ吸引するように用意されている、リソグラフィシステム。
[13]前記リソグラフィシステムは、電磁気シールドが設けられた荷電粒子投影システムを備えており、前記ポンプシステムは、真空ポンプシステムとクライオポンプシステムを備えている、[12]のシステム。
[14]前記クライオポンプシステムは、共有システムとして具体化され、一つ以上の冷却液リザーバーまたは冷却ユニットと、複数の極低温表面構造体と、前記冷却液リザーバーまたは冷却ユニットを前記極低温表面構造体に接続している冷却ラインを備えており、前記極低温表面構造体は、前記リソグラフィシステムの前記複数の真空チャンバーに分配されている、[13]のシステム。
[15]前記クライオポンプシステムは、一つ以上の極低温表面構造体に向かうまたはそこから遠ざかる前記冷却ラインを介した冷却液の移動をコントロールするための一つ以上の流量調節デバイスをさらに備えている、[14]のシステム。
[16]一つの極低温表面構造体につき二つの流量調節デバイスが用意されている、[15]のシステム。
[17]各真空チャンバーが、前記クライオポンプシステムの一つの極低温表面構造体を備えている、[14]〜[16]のいずれか一つのシステム。
[18]前記極低温表面構造体が、クライオポンプシールドの形態を取る、[17]のシステム。
[19]前記極低温表面構造体が、クライオポンプスパイラルの形態を取る、[17]のシステム。
[20]各真空チャンバーの壁が、極低温表面構造体を収容するように用意されている、[14]〜[16]のいずれか一つのシステム。
[21]前記極低温表面構造体が、熱電冷却素子の形態を取る、[20]のシステム。
[22]前記壁の少なくとも一部が、極低温表面構造体として働く、[20]のシステム。
[23]熱電冷却素子は、壁部の外側表面と接触している、[22]のシステム。
[24]前記真空ポンプシステムは、フォアポンプと少なくとも一つのターボ分子ポンプを備えている、[13]〜[23]のいずれか一つのシステム。
[25]各真空チャンバーは、別々のターボ分子ポンプに接続されている、[24]のシステム。
[26]少なくとも一つの真空チャンバーは、前記真空チャンバーから前記真空ポンプシステムを分離するための流量調節デバイスをさらに備えている、[13]〜[25]のいずれか一つのシステム。
[27]前記ポンプシステムへの接続のための出口が前記真空チャンバーに設けられており、前記出口は可変断面積を有している、[12]〜[26]のいずれか一つのシステム。
[28]前記真空チャンバーにはさらに、前記出口の前記断面積の少なくとも一部をふさぐ移動可能部材が設けられている、[27]のシステム。
[29]前記移動可能部材は、前記出口の前記断面積よりも小さい断面積を有する開口を備えたプレートで構成されている、[28]のシステム。
[30]前記移動可能部材は、ミューメタルなどの電磁シールド材料で構成されている、[28]または[29]のシステム。
[31]少なくとも一つの真空チャンバーは、紫外スペクトルの放射を発するための一つ以上の発光ダイオードを備えている、[12]〜[30]のいずれか一つのシステム。
[32]少なくとも一つの真空チャンバーは、前記チャンバーの中への紫外放射の結合を可能にするための専用壁部を備えるように用意されている、[12]〜[30]のいずれか一つのシステム。
[33][12]〜[32]のいずれか一つのシステムであり、少なくとも一つの真空チャンバーは、
一つ以上の照明ビーム(123)を作り出すための照明源(101)と、
基板上に前記ビームを投影するための投影システム(108,109,110)と、
前記基板(130)を運ぶための移動可能基板支持構造体(132)と、
前記真空チャンバーは、基板を運ぶ移動可能基板支持構造体を前記チャンバーの中におよび/またはそこから外に移動させるための少なくとも一つの開口(418)を備えているリソグラフィ装置を収容するように用意されている、システム。
[34]前記照明源は荷電粒子源であり、前記照明ビームは荷電粒子ビームである、[33]のシステム。
[35]前記リソグラフィ装置は、一つ以上の自己充足的かつ取り外し可能モジュール備えており、前記取り外し可能モジュールは、
照明源(101)とビームコリメート系(102)を有する照明光学モジュール(201)と、
開口アレイ(103)と集光レンズアレイ(104)を有する開口アレイおよび集光レンズモジュール(202);
ビームレットブランカーアレイ(105)を有するビームスイッチモジュール(203)と、
ビームストップアレイ(108)とビーム偏向器アレイ(109)と一つ以上の投影レンズアレイ(110)を有する投影光学モジュール(204)の一つ以上を備えている、[34]のシステム。
[36]ポンプシステムへの接続のための出口を備えており、前記出口は可変断面積を有している、真空チャンバー。
[37]前記真空チャンバーにはさらに、前記出口の断面積の少なくとも一部をふさぐための移動可能部材が設けられている、[36]の真空チャンバー。
[38]前記移動可能部材は、前記出口の断面積よりも小さい断面積を有する開口を備えたプレートで構成されている、[37]の真空チャンバー。
[39]前記プレートは、ミューメタルなどの電磁シールド材料で構成されている、[37]または[38]の真空チャンバー
[40]少なくとも二つの真空チャンバーと、ポンプシステムと、前記真空システムのいずれか一つと前記ポンプシステムの間の接続を可能にするための流量調節デバイスを備えている設備内の真空を実現する方法であり、
・前記流量調節デバイスの変調によって前記ポンプシステムを所定の真空チャンバーに接続することと、
・前記所定の真空チャンバーを前記ポンプシステムでポンプ吸引することを備えている、方法。
[41]プロセッサーによって実行されるときに、[40]によって規定された方法をおこなうためのコンピューター読取可能媒体。
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図10A
図10B