特許第5654066号(P5654066)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5654066
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】画像化システム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20141218BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20141218BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20141218BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20141218BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   G09G5/00 510X
   G09G5/00 550C
   G09G5/36 520F
   G09G3/20 691G
   G09G3/20 680A
   G09G3/20 633K
   G09F9/30 361
   H04N5/232 Z
【請求項の数】26
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-27983(P2013-27983)
(22)【出願日】2013年2月15日
(62)【分割の表示】特願2008-325297(P2008-325297)の分割
【原出願日】2008年12月22日
(65)【公開番号】特開2013-109373(P2013-109373A)
(43)【公開日】2013年6月6日
【審査請求日】2013年3月14日
(31)【優先権主張番号】61/015,556
(32)【優先日】2007年12月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/338,624
(32)【優先日】2008年12月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ロバート シー、 ギボンズ
【審査官】 中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−169880(JP,A)
【文献】 実開平05−084930(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0227703(US,A1)
【文献】 特開2001−197348(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0176951(US,A1)
【文献】 特開2000−241791(JP,A)
【文献】 特開平07−043702(JP,A)
【文献】 特開平06−051142(JP,A)
【文献】 特開平06−006830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 5/42
H04N 5/232
G02B 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理システム及び表示生成器を含む、画像化システム、ここで:
前記画像処理システムは、複数のカメラから受け取った、対応する複数の信号を処理することにより、オリジナルの画像の中心窩表示領域のために中心窩データを生成するように動作し、かつ、前記オリジナルの画像の周縁表示領域のために周縁データを生成するように動作し、前記周縁表示領域は、前記中心窩表示領域を実質的に囲み、前記周縁データの周縁画素密度は、前記中心窩データの中心窩画素密度より低く;並びに
前記表示生成器は、光ファイバー結合器を含み、前記光ファイバー結合器は、複数の第1の光素子を含み、前記複数の第1の光素子は、1:nの写像率に従って光を伝えることによって、各光素子の横断面を拡張するような態様で、前記中心窩データから前記中心窩表示領域を生成するように動作し、前記光ファイバー結合器は、複数の第2の光素子を含み、前記複数の第2の光素子は、1:mの写像率に従って光を伝えることによって、各光素子の横断面を拡張するような態様で、前記周縁データから、前記周縁表示領域を生成するように動作し、
ここで、前記mは前記nよりも所定の範囲の倍率で大きく、前記所定の範囲の倍率は、前記中心窩表示領域と全ての前記周縁表示領域を表示するのに要する総ピクセル・サイズが、前記オリジナルの画像のピクセル・サイズと等しいまま維持されるような態様で決定される
ように動作する。
【請求項2】
前記所定の範囲の倍率は、前記中心窩表示領域と周縁視野領域との間における相対的な倍率であり、前記中心窩表示領域と前記周縁視野領域との間における角度分解能の相対比率として表現される、請求項1記載の画像化システム。
【請求項3】
前記中心窩表示領域と全ての前記周縁表示領域を表示するのに要する総ピクセル・サイズを、前記オリジナルの画像のピクセル・サイズDと等しいまま前記維持することは、前記倍率Mと共に前記中心窩表示領域の角度サイズθ1と全視野領域の角度サイズθTとを、
pix=θ/α+(θ−θ)/M・α
に従って決定し、上記αは、前記中心窩表示領域の角度分解能を表す、
請求項1記載の画像化システム。
【請求項4】
画像処理システム及び表示生成器を含む、画像化システム、ここで:
前記画像処理システムは、複数のカメラから受け取った、対応する複数の信号を処理することにより、オリジナルの画像の中心窩表示領域のために中心窩データを生成するように動作し、かつ、前記オリジナルの画像の周縁表示領域のために周縁データを生成するように動作し、前記周縁データの周縁画素密度は、前記中心窩データの中心窩画素密度より低く;並びに
前記表示生成器は、光ファイバー結合器を含み、前記光ファイバー結合器は、複数の第1の光素子を含み、前記複数の第1の光素子は、1:nの写像率に従って光を伝えることによって、各光素子の横断面を拡張するような態様で、前記中心窩データから前記中心窩表示領域を生成するように動作し、前記光ファイバー結合器は、複数の第2の光素子を含み、前記複数の第2の光素子は、1:mの写像率に従って光を伝えることによって、各光素子の横断面を拡張するような態様で、前記周縁データから、前記周縁表示領域を生成するように動作し、
ここで、前記mは前記nよりも所定の範囲の倍率で大きく、前記所定の範囲の倍率は、前記中心窩表示領域と全ての前記周縁表示領域を表示するのに要する総ピクセル・サイズが、前記オリジナルの画像のピクセル・サイズと等しいまま維持されるような態様で決定される
ように動作する。
【請求項5】
前記所定の範囲の倍率は、前記中心窩表示領域と周縁視野領域との間における相対的な倍率であり、前記中心窩表示領域と前記周縁視野領域との間における角度分解能の相対比率として表現される、請求項4記載の画像化システム。
【請求項6】
前記中心窩表示領域と全ての前記周縁表示領域を表示するのに要する総ピクセル・サイズを、前記オリジナルの画像のピクセル・サイズDと等しいまま前記維持することは、前記倍率Mと共に前記中心窩表示領域の角度サイズθ1と全視野領域の角度サイズθTとを、
pix=θ/α+(θ−θ)/M・α
に従って決定し、上記αは、前記中心窩表示領域の角度分解能を表す、
請求項5記載の画像化システム。
【請求項7】
前記周縁表示領域は、前記中心窩表示領域を実質的に囲む、請求項4の画像化システム。
【請求項8】
前記中心窩表示領域は、4つの辺を持ち、前記周縁表示領域は、4つの部分領域を含み、前記部分領域の各々は、前記4つの辺の1つの辺に続く、請求項4の画像化システム。
【請求項9】
前記表示生成器は、利用者が着用して動作する、頭に装着する表示器に構成され、前記頭に装着する表示器は、前記利用者の目の少なくとも1つに相対的に、実質的に固定した位置に、前記画像を保持するように動作する、請求項4の画像化システム。
【請求項10】
前記中心窩表示領域及び前記周縁表示領域は、前記利用者に相対的に、水平方向の視野として30度から60度までの範囲を持ち、かつ、垂直方向の視野として20度から50度までの範囲を持つ、請求項9の画像化システム。
【請求項11】
前記mは前記nより、2倍から6倍までの範囲の倍率で大きい、請求項4の画像化システム。
【請求項12】
前記中心窩表示領域は、前記周縁表示領域の視野の30%から50%までの範囲の視野を持つ、請求項4の画像化システム。
【請求項13】
前記1つ以上のカメラは、複数のカメラを含み;
前記1つ以上の信号は、前記複数のカメラから受け取った、複数の信号を含み;並びに
前記画像処理システムは:
前記複数の信号の、第1の部分集合を処理することにより、前記中心窩データを生成し;及び
前記複数の信号の、第2の部分集合を処理することにより、前記周縁データを生成する;
ように動作する、請求項4の画像化システム。
【請求項14】
前記1つ以上のカメラは、1つのカメラを含み;
前記1つ以上の信号は、前記1つのカメラから受け取った1つの信号を含み;及び
前記画像処理システムは、前記1つの信号を処理することにより、前記中心窩データ及び前記周縁データを、生成するように動作する、請求項4の画像化システム。
【請求項15】
1つ以上のカメラから受け取った、対応する1つ以上の信号を処理する工程、ここで、該工程により、画像の中心窩表示領域のために中心窩データを生成し、かつ、前記画像の周縁表示領域のために周縁データを生成し、前記周縁データの周縁画素密度は、前記中心窩データの中心窩画素密度より低い;
表示生成器内の光ファイバー結合器が備える複数の第1の光素子を介して1:nの写像率に従って光を伝えることによって、各光素子の横断面を拡張するような態様で、前記中心窩データから前記中心窩表示領域を生成する工程;
前記表示生成器内の前記光ファイバー結合器が備える複数の第2の光素子を介して1:mの写像率に従って光を伝えることによって、各光素子の横断面を拡張するような態様で、前記周縁データから、前記周縁表示領域を生成する工程;
ここで、前記mは前記nよりも所定の範囲の倍率で大きく、前記所定の範囲の倍率は、前記中心窩表示領域と全ての前記周縁表示領域を表示するのに要する総ピクセル・サイズが、前記オリジナルの画像のピクセル・サイズと等しいまま維持されるような態様で決定される
を含む、画像化方法。
【請求項16】
前記所定の範囲の倍率は、前記中心窩表示領域と周縁視野領域との間における相対的な倍率であり、前記中心窩表示領域と前記周縁視野領域との間における角度分解能の相対比率として表現される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記中心窩表示領域と全ての前記周縁表示領域を表示するのに要する総ピクセル・サイズを、前記オリジナルの画像のピクセル・サイズDと等しいまま前記維持することは、前記倍率Mと共に前記中心窩表示領域の角度サイズθ1と全視野領域の角度サイズθTとを、
pix=θ/α+(θ−θ)/M・α
に従って決定し、上記αは、前記中心窩表示領域の角度分解能を表す、
請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記中心窩表示領域を生成する前記工程は、1:nの写像率によって光を伝える光ファ
イバー結合器を使うことによって、前記中心窩表示領域を生成する工程を含み、前記周縁
表示領域を生成する前記工程は、1:mの写像率によって光を伝える光ファイバー結合器
を使うことによって、前記周縁表示領域を生成する工程を含む、請求項15の方法。
【請求項19】
前記周縁表示領域を生成する前記工程は、前記中心窩表示領域を実質的に囲む、前記周
縁表示領域を生成する工程を含む、請求項15の方法。
【請求項20】
前記中心窩表示領域を生成する前記工程は、4つの辺を持つ前記中心窩表示領域を生成
する工程を含み、前記周縁表示領域を生成する前記工程は、4つの部分領域を含む前記周
縁表示領域を生成する工程を含み、前記部分領域の各々は、前記4つの辺の1つの辺に続
く、請求項15の方法。
【請求項21】
頭に装着する表示器を使う利用者に相対的に、実質的に固定した位置に、前記画像を保
持する工程を更に含む、請求項15の方法。
【請求項22】
実質的に固定した位置に、前記画像を保持する前記工程は、前記利用者に相対的に、水
平方向の視野として30度から60度までの範囲で、かつ、垂直方向の視野として20度
から50度までの範囲で、前記画像を保持する工程を含む、請求項21の方法。
【請求項23】
1:mの写像率によって、前記周縁データから、前記周縁表示領域を生成する前記工程
では、前記mは前記nより、2倍から6倍までの範囲の倍率で大きい、請求項15の方法
【請求項24】
前記中心窩表示領域を生成する前記工程は、前記周縁表示領域の視野の30%から50
%までの範囲の視野を持つ前記中心窩表示領域を生成する工程を含む、請求項15の方法
【請求項25】
1つ以上の信号を処理する前記工程は、前記中心窩データを生成するために、複数のカ
メラからの複数の信号の第1の部分集合を処理する工程、及び、前記周縁データを生成す
るために、前記複数の信号の第2の部分集合を処理する工程を含む、請求項15の方法。
【請求項26】
1つ以上の信号を処理する前記工程は、前記中心窩データ及び前記周縁データを生成す
るために、1つのカメラからの1つの信号を処理する工程を含む、請求項15の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願開示は、一般に、画像化システムに関する。より詳しくは、本願開示は、複数の表示領域を備える画像を生成するように動作する画像化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、特許文献1の優先権を主張する。
【0003】
視覚表示装置は、典型的には、複数の光素子を含む。光素子が、画像の画素を形成する。光素子を、N個の行及びM個の列に配置してもよい。これにより、横N画素*縦M画素の画像を形成できる。通常の型の視覚表示装置は、陰極線管(CRT)又は液晶表示装置(LCD)を含んでもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】20007年12月20日に仮出願した米国特許仮出願番号第61/015,556号、発明の名称「画像化システム」。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、画像データをより効率的に使うことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施例によれば、画像化システムは、処理システム及び表示生成器を含む。処理システムは、カメラから受け取った信号を処理することにより、中心窩表示領域のために中心窩データを生成し、かつ、周縁表示領域のために周縁データを生成するように動作する。周縁データは、中心窩データの画素密度に比べて、低い画素密度を持つ。表示生成器は、1:nの写像率により、中心窩データから、中心窩表示領域を生成し、かつ、1:mの写像率により、周縁データから、周縁表示領域を生成するように動作する。ここでmはnより大きい。
【発明の効果】
【0007】
実施例によっては、様々な効果を提供してもよい。実施例によっては、画像データを、より効率的に使ってもよい。このことは、より高い画素密度を持つ中心窩表示領域、及び、より低い画素密度を持つ周縁表示領域を提供することによる。画像データを効率的に使うことにより、データの圧縮率を上げてもよい。実施例によっては、中心窩表示領域で、より高い解像度を提供してもよく、かつ、周縁表示領域で、より広い視野を提供してもよい。
【0008】
実施例によっては、これらの効果の一部又は全部を享受してもよい。実施例によっては、これらの効果を享受しなくともよい。他の技術的な効果を、当業者は容易に確認してもよい。
【0009】
本願開示の実施例のより詳細な理解は、添付の図面を参照する以下の詳細な記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本願開示の教示による画像化システムの1つの実施例を図式的に示す。
図2A図1の画像化システムで使ってもよい光ファイバー結合器の正面斜視図である。
図2B図1の画像化システムで使ってもよい光ファイバー結合器の後面斜視図である。
図3A図2A及び図2Bの光ファイバー結合器の正面図である。
図3B図2A及び図2Bの光ファイバー結合器の側面図である。
図4図1の画像化システムで処理してもよい画像データの1つの例を示す。
図5図4の対象の画像を処理した結果、図1の画像化システムが生成してもよい画像の1つの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
画像化システムは、映像カメラから受け取った信号から生成される画像を表示する、視覚表示器を含んでもよい。このような映像化システムは、肉眼で対象を見ることに比べて、様々な利点を提供してもよい。例えば、監視システムのような画像化システムは、遠隔地の画像を提供してもよい。別の例としては、画像化システムは、赤外線カメラからの信号を受け取ってもよい。これにより、熱環境の画像を生成できる。
【0012】
視覚表示器は、複数の光素子を含んでもよい。光素子が、画像の画素を形成する。視覚表示器が生成する画像の品質は、その画像の画素密度に比例してもよい。画素密度とは、一般に、画像の単位面積あたりの画素の量を指す。しかし、視覚表示器は、画素化した画像を生成する光素子の密度を限定されてもよい。従って、視野の全てに渡って、一様な画素密度を提供することは、達成困難であってもよい。
【実施例】
【0013】
図1は、本願開示の教示による、画像化システム10の、1つの実施例を示す。画像化システム10は、カメラ12を含む。カメラ12は、表示生成器14に接続する。この接続は、処理回路16を通る。これは、図に示す通りである。カメラ12は、電気信号を生成するように動作する。この電気信号は、対象18が反射する光又は対象18が放射する光を示す。処理回路16は、表示生成器14が使うために、電気信号を処理するように動作する。表示生成器14は、処理された信号から、画像28を生成するように動作する。表示生成器14は、この処理された信号を、処理回路16から受け取る。画像28は、中心窩表示領域24及び周縁表示領域26を含む。
【0014】
画像化システム10の実施例は、様々な効果を提供してもよい。実施例によっては、画像データを、より効率的に使ってもよい。このことは、より高い画素密度を持つ中心窩表示領域24、及び、より低い画素密度を持つ周縁表示領域26を提供することによる。実施例によっては、中心窩表示領域24で、より高い解像度を提供してもよく、かつ、周縁表示領域26で、より広い視野を提供してもよい。
【0015】
処理回路16は、いかなる適切な装置であってもよい。この装置は、1つ以上のカメラ12からの電気信号を処理して、表示生成器14が使うのに適した形式にする。1つの実施例では、処理回路16は、処理装置を含む。この処理装置は、記憶装置に格納された命令を実行する。この記憶装置は、揮発性記憶部品及び不揮発性記憶部品のいかなるもの又はいかなる組み合わせをも含んでよい。揮発性記憶部品の例は、RAM、DRAM、SRAMである。不揮発性記憶部品の例は、ROM、EPROM、EEPROM、PROM、テープ、CD−ROM、ディスク、ディスケット、カートリッジ、等である。処理回路16は、電気信号を処理する。この電気信号は、カメラ12から受け取った信号である。処理回路16は、この処理により、画像28を生成する。この画像28は、中心窩表示領域24及び周縁表示領域26を含む。
【0016】
1つの実施例では、処理回路16は、複数のカメラ12に接続する。複数のカメラ12は、様々な視野で、対象18からの光を検出する。この様々な視野を使って、中心窩表示領域24及び周縁表示領域26を、処理してもよい。別の実施例では、処理回路16は、単一のカメラ12に接続する。この単一のカメラ12は、複数の開口を持つ。この複数の開口が、複数の視野で、対象18からの光を検出する。別の実施例では、処理回路16は、単一のカメラ12からの信号を、処理する。この処理により、処理回路16は、周縁表示領域26の画素密度を、中心窩表示領域24の画素密度に比べて、低くする。
【0017】
表示生成器14は、画像28を生成する、いかなる装置でもよい。画像28は、中心窩表示領域24及び周縁表示領域26を持つ。図に示す特定の実施例では、表示生成器14は、空間光生成器20を含む。空間光生成器20は、光ファイバー結合器22に光学的に結合する。空間光生成器20は、カメラ12が提供する電気信号によって、画素を形成する光を生成する、いかなる適切な装置でもよい。1つの実施例では、空間光生成器20は、陰極線管(CRT)又は液晶表示装置(LCD)を含む。別の実施例では、空間光生成器20は、光源及び光変調装置を含む。光変調装置の例は、デジタル微小鏡装置(DMD)である。DMDは光源からの光を変調する。
【0018】
光ファイバー結合器22は、中心窩表示領域24及び周縁表示領域26を形成するように動作する。光ファイバー結合器22については、後で詳細に記述する。この際に図2A図2Bを参照する。
【0019】
画像28を、いかなる適切な2次元又は3次元の面に形成してもよい。図に示す特定の実施例では、画像28を、外部の表面に投射する。別の実施例では、画像28を、光ファイバー結合器22の2次元の表面から見てもよい。
【0020】
表示生成器14を、いかなる適切な画像化プラットフォームと共に使ってもよい。例えば、画像化プラットフォームとは、頭に装着する表示器でもよい。頭に装着する表示器とは、帽子のようなもので、表示生成器14を、利用者の目の前の決まった位置に保持するものである。頭に装着する表示器に構成された表示生成器14は、中心窩表示領域24を、利用者の目の中心窩の部分に合わせて保持してもよい。別の例としては、画像化プラットフォームとは、監視システムであってもよい。この場合、中心窩表示領域24を使って、対象18の指定した部分の視覚品質を上げてもよい。この場合でも、比較的広い視野を保っていてもよい。
【0021】
人間の目の中心窩とは、網膜の他の部分よりも高い精度で、視覚情報を検知する部位である。中心窩は、目において、視野の中心窩部分に寄与する。中心窩部分の精度は他の部分よりも高い。ほとんどの場合、中心窩部分は、視野の中心部に位置する。画像28の中心窩表示領域24は、中心窩に対して、より多くの視覚情報を提供してもよい。周縁表示領域26は、中心窩表示領域24の周りの情報を、より少ない視覚情報量で表示する。
【0022】
画像28は、利用者の目からの距離に基づいた視野を持ってもよい。特定の実施例では、表示生成器14を、頭に装着する表示器に構成する。この場合、画像28は、次のような視野を持ってもよい。即ち、利用者の目に相対的に、横の幅が約45度、縦の高さが約36度の視野である。別の実施例では、画像28の視野は、いかなる適切な大きさであってもよい。例えば、横の幅として、次の値でもよい:30度より小さい値;30度から60度までの値;又は60度より大きい値。また、例えば、縦の高さとして、次の値でもよい:20度より小さい値;20度から50度までの値;又は50度より大きい値。視野は、見る画像28に対して適切な縦横比率であってもよい。
【0023】
中心窩表示領域24は、画像28のいかなる部分であってもよい。特定の実施例では、表示生成器14を、頭に装着する表示器に構成する。この場合、中心窩表示領域24は、視野のうち、横の幅18度、縦の高さ14.4度を含んでもよい。このとき、周縁表示領域26は、利用者の目に相対的に、横の幅が45度、縦の高さが36度の視野を含んでもよい。従って、中心窩表示領域24は、周縁表示領域26の視野の、約40%であってもよい。別の実施例では、中心窩表示領域24は、画像28のいかなる部分を構成してもよい。この場合、中心窩表示領域24は、画像28の見える領域の次の範囲でもよい:30%より少ない範囲;30%から50%までの範囲;又は50%より大きい範囲。
【0024】
画像28の画素の数を、次の式で表してもよい。
【0025】
pix=θ/α+(θ−θ)/M・α
ここで、Dpixは、画像の画素の数である。θは、中心窩表示領域の角大きさである。θは、視野全体の角大きさである。αは、中心窩表示領域の角分解能である。Mは、中心窩表示領域と周縁表示領域の間の拡大率である。
【0026】
図2Aは、光ファイバー結合器22の1つの実施例の、正面斜視図を示す。図2Bは、光ファイバー結合器22の1つの実施例の、後面斜視図を示す。光ファイバー結合器22は、第1の光素子22aの部分を含む。第1の光素子22aは、空間光生成器20が生成した光を伝えることにより、中心窩表示領域24を形成する。光ファイバー結合器22は、第2の光素子22bの部分を4つ含む。第2の光素子22bは、空間光生成器20が生成した光を伝えることにより、周縁表示領域26を形成する。周縁表示領域26は、4つの部分領域を持つ。これら4つの部分領域は、中心窩表示領域24に続いている。別の実施例では、周縁表示領域26は、いかなる数の部分領域を持ってもよく、かつ、いかなる形の部分領域を持ってもよい。この場合でも、周縁表示領域26の部分領域は、中心窩表示領域24と続いている。
【0027】
図に示す特定の実施例では、第1の光素子22aは、光の進む方向のどの位置で横断面を見ても、概して同じ大きさである。他方、第2の光素子22bが、空間光生成器20から周縁表示領域26に延びるにつれ、第2の光素子22bの横断面は広がって行く。このようにして、中心窩表示領域24の画素の密度は、周縁表示領域26の画素の密度よりも、高くてもよい。
【0028】
表示生成器14が、横方向に1280画素を持つ場合には、光ファイバー結合器22は、周縁表示領域26を拡大してもよい。この場合、約3.9:1の拡大率でもよい。従って、第2の光素子22bの画素の角分解能は、M・αであるから、1.33ミリラジアン(mRad)となる。これにより、周縁表示領域26の画素密度は、約1.33mRadとなる。このような基準によれば、中心窩表示領域24は、18度/0.34mRad即ち924画素を持ってもよい。また、周縁表示領域26は、27度/1.33mRad即ち356画素を持ってもよい。従って、空間光生成器20が提供する横方向の画素数の合計Dpixは、1280であってもよい。別の実施例では、周縁表示領域26は、中心窩表示領域24に対して、いかなる適切な拡大率を持ってもよい。この拡大率は、例えば次の率でもよい:2:1より小さい率;2:1から6:1までの率;又は6:1より大きい率。別の実施例では、表示生成器14は、画素密度のいかなる適切な組み合わせを持ってもよい。例えば、中心窩表示領域24の画素密度は、次の値でもよい:0.20mRadより小さい値;0.20mRadから0.50mRadまでの値;又は0.50mRadよりも大きい値。例えば、周縁表示領域26の画素密度は、次の値でもよい:1.0mRadより小さい値;1.0mRadから1.6mRadまでの値;又は1.6mRadよりも大きい値。
【0029】
図3Aは、図2A及び図2Bの光ファイバー結合器22の正面図を示す。図3Bは、図2A及び図2Bの光ファイバー結合器22の側面図を示す。実施例によっては、入力端から出力端までの光素子の横断面は、結果の画素の大きさに影響してもよい。例えば、横断面がだんだんと大きくなれば、出力の画素は大きくなってもよい。例えば、横断面の大きさが変わらなければ、出力の画素は同じ大きさでもよい。光素子が持つ、出力結果となる画素の大きさに対する影響度を、1:xの写像率と呼んで記述してもよい。ここで1は入力の光を示し、xは出力の光を示す。
【0030】
図に示す実施例では、第1の光素子22aは、1:nの写像率を持ってもよい。また、第2の光素子22bは、1:mの写像率を持ってもよい。ここで、m>nとする。パラメーターであるmとnは、いかなる適切な値でもよい。例えば、mはおよそ次の値でもよい:1;1から4;または4より大きい。また、例えば、nはおよそ次の値でもよい:1;1から2;または2より大きい。ある実施例では、mの値は4であり、nの値は1である。
【0031】
図4は、画像データ118の例を示す。図5は、画像データ118から生成してもよい画像28を示す。この例では、画像データ118は、市松模様を示す。画像データ118は、中心窩データ124及び周縁データ126を含む。中心窩データ124を使って、画像28の中心窩表示領域24を生成する。周縁データ126を使って、画像28の周縁表示領域26を生成する。従って、中心窩データ124の画素密度は、周縁データ126の画素密度よりも低い。実施例によっては、処理システム16は、中心窩データ124と周縁データ126を処理して、それぞれ異なる画素密度を生成してもよい。実施例によっては、第2の光素子22bは、周縁表示領域26の相対的な大きさを、中心窩表示領域24に比べて、大きくしてもよい。
【0032】
本願開示の範囲から離れずに、画像化システム10に対する改変、追加、又は削除を行ってもよい。画像化システム10の部品を、統合してもよいし、切り分けてもよい。例えば、処理回路16の動作を、カメラ12に組み込んでもよい。更に、画像化システム10の動作を行うために、より多い部品を使ってもよく、より少ない部品を使ってもよく、他の部品を使ってもよい。例えば、空間光生成器20は、中心窩表示領域24と周縁表示領域26を、統合して持っていてもよい。その結果、独立した光ファイバー結合器22は要らなくなる。加えて、処理回路16の動作を行う際に、いかなる適切な論理を使ってもよい。この論理は次を含む:ソフトウェア、ハードウェア、及び/又は他の論理。本願で「各」又は「各々」という語を使う場合は、ある集合の1つ1つの要素、又は、ある集合の部分集合の1つ1つの要素を意味する。
【0033】
本願開示の実施例によっては、有利な効果を提供してもよい。実施例によっては、画像データを、より効率的に使ってもよい。このことは、より高い画素密度を持つ中心窩表示領域、及び、より低い画素密度を持つ周縁表示領域を提供することによる。画像データを効率的に使うことにより、データの圧縮率を上げてもよい。実施例によっては、中心窩表示領域で、より高い解像度を提供してもよく、かつ、周縁表示領域で、より広い視野を提供してもよい。
【0034】
本願開示の記述は、少数の実施例に基づいた。しかし、多くの変更、変形、変化、改変、及び改造を、当業者は思いついてもよい。そのような変更、変形、変化、改変、及び改造が、添付の特許請求の範囲に含まれる限り、本願開示は、そのような変更、変形、変化、改変、及び改造を含むことを意図している。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5