(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係るランプ及び照明装置について、図面を参照して説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密には一致しない。また、本願において、数値範囲を示す際に用いる符号「〜」は、その両端の数値を含む。
【0017】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1に係るランプ1の概略構成について、説明する。
【0018】
図1A及び
図1Bは、本発明の実施の形態1に係るランプ1の外観を示す斜視図である。具体的には、
図1Aは、ランプ1を斜め上方から見たときの斜視図であり、
図1Bは、ランプ1を斜め下方から見たときの斜視図である。なお、ランプ1の開口はカバーで塞がれているが、当該カバーは透明な部材であるため、
図1Bでは、ランプ1の内部が透けて見えている。
【0019】
これらの図に示すように、ランプ1は、全体形状が円盤状または扁平状のLEDランプである。具体的には、ランプ1は、GH76p形の口金を有するLEDランプである。さらに具体的には、ランプ1は、例えば外径が50mm〜100mm、高さが30mm〜50mmであり、ランプ1が20W型のLEDランプの場合には、例えば外径は90mm、高さは45mmである。
【0020】
また、ランプ1は、照明器具(図示せず)に取り付けられる支持台20と、発光素子が設けられた実装基板40と、支持台20に接続された筐体50とを備えている。
【0021】
なお、
図1Aでは、ランプ1から光を取り出す側(以下、光照射側という)が下側となるように、また、
図1Bでは、光照射側が上側となるように図示されている。以下、本実施の形態では、
図1Aのように、光照射側が下側となるようにLEDランプを配置した状態を基準として、上(上側)及び下(下側)を規定する。
【0022】
また、筐体50の上面(照明器具側の面)には、円周上に5つの貫通孔51(同図では、貫通孔51a〜51e)が形成されている。そして、当該貫通孔51には、照明器具と電気的に接続するための電気接続ピン52が挿入される。なお、同図では、貫通孔51a、51bに電気接続ピン52a、52bが挿入されているが、貫通孔51c〜51eにも、それぞれ電気接続ピン52c〜52e(図示せず)が挿入される。ここで、例えば、電気接続ピン52a、52bは給電用のピンであり、電気接続ピン52c、52dは調光用のピンであり、電気接続ピン52eはアース用のピンである。なお、例えば調光を行わない場合には、貫通孔51c、51dは形成されず、電気接続ピン52c、52dは挿入されない。
【0023】
次に、本発明の実施の形態1に係るランプ1の詳細構成について、説明する。
【0024】
図2及び
図3は、本発明の実施の形態1に係るランプ1の構成を示す図である。具体的には、
図2は、ランプ1を上下方向に切断した場合の断面の概略図であり、
図3は、ランプ1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。なお、
図2は、各構成要素の位置関係を説明するための概略図であり、各構成要素の接続部分の構造等は省略して示している。
【0025】
これらの図に示すように、ランプ1は、熱伝導シート10、支持台20、熱伝導シート30、実装基板40、筐体50、固定用ネジ60、回路基板70、反射鏡80及び透光性カバー90を備えている。
【0026】
熱伝導シート10は、支持台20を介して伝達される実装基板40からの熱を照明器具側に逃がす伝熱性のシートである。具体的には、熱伝導シート10は、ゴムまたは樹脂製のシートであり、例えばシリコンシートまたはアクリルシートである。
【0027】
支持台20は、照明器具に接続される部材である。具体的には、支持台20の上部には例えばGH76p形の口金構造が形成され、照明器具に取り付けられ固定される。また、支持台20は、実装基板40が取り付けられる台座であって、実装基板40の光照射側とは反対側に配置されている。また、支持台20は、アルミニウムなどの熱伝導性が高い材料で構成することが好ましい。
【0028】
熱伝導シート30は、実装基板40と支持台20とを熱的に接続する熱伝導シートである。つまり、熱伝導シート30は、実装基板40からの熱を支持台20へ効率よく伝達して、当該熱を照明器具側へ逃がすことができる伝熱性のシートである。なお、実装基板40が金属製の基板の場合には、熱伝導シート30は、実装基板40と支持台20とを絶縁する絶縁シートであるのが好ましい。具体的には、熱伝導シート30は、ゴムまたは樹脂製のシートであり、例えばシリコンシートまたはアクリルシートである。なお、熱伝導シート30は、グリスなど液状の部材などであってもよい。
【0029】
実装基板40は、半導体発光素子等の発光素子が設けられた基板である。実装基板40は、例えば、平板状で構成されており、発光素子が搭載される一方の面と支持台20に対して熱的に接続可能な他の面とを有している。また、実装基板40は、熱伝導性が高い材料で構成することが好ましく、例えば、アルミナからなるアルミナ基板により構成される。なお、実装基板40としては、アルミナ基板以外に、窒化アルミニウム等のその他のセラミックス基板、アルミ、銅等の金属基板、あるいは、金属板と樹脂基板との積層構造を有するようなメタルコア基板等を用いても構わない。なお、実装基板40は、特許請求の範囲に記載の「基板」に包含される。
【0030】
具体的には、実装基板40には、発光部41が設けられている。発光部41は、実装基板40に実装された複数のLEDチップ(図示せず)と、封止部材(図示せず)とを備えている。LEDチップは、実装基板40の一方の面上にダイボンディング等によって実装される。なお、LEDチップとしては、例えば、中心波長が440nm〜470nmの青色光を発光する青色発光LEDチップが用いられる。また、封止部材は、LEDチップを封止してLEDチップを保護するとともにLEDチップからの光を波長変換するために、蛍光体を含む樹脂で構成された蛍光体含有樹脂である。封止部材としては、例えば、LEDチップが青色発光LEDである場合、白色光を得るために、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の黄色蛍光体粒子をシリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有樹脂を用いることができる。これにより、発光部41(封止部材)からは、蛍光体粒子によって波長変換された黄色光と青色LEDチップからの青色光とによって白色光が放出される。
【0031】
また、発光部41の外径は、例えば5mm〜50mmであり、ランプ1が20W型のLEDランプの場合には、発光部41の外径は、例えば20mmである。
【0032】
なお、本実施の形態では、丸型の発光部41を例示したが、本発明において、発光部の形状または構造は丸型のものに限定されない。例えば、角型の発光部を用いてもよい。また、複数のLEDチップの並びは特に限定されず、例えば、LEDチップをライン状に封止したり、マトリックス状に封止したり、円形状に封止したりすることができる。
【0033】
筐体50は、光照射側に開口が形成された、ランプ1の光照射側を囲う平盤状で円筒形状の筐体である。具体的には、筐体50は、上部が、固定用ネジ60によって支持台20に固定されており、下部には、透光性カバー90が取り付けられている。そして、筐体50の内方には、熱伝導シート30、実装基板40、回路基板70及び反射鏡80が配置されている。筐体50は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)などの絶縁性を有する合成樹脂からなる樹脂筐体で構成される。
【0034】
また、筐体50は、
図1Aに示したように、実装基板40に実装されたLEDチップを発光するための電力を受電する受電部である電気接続ピン52を有する。つまり、給電用の電気接続ピン52は、交流電力を受電し、受電した交流電力は、リード線を介して回路基板70に入力される。なお、筐体50の構成の詳細な説明については、後述する。
【0035】
固定用ネジ60は、筐体50を支持台20に固定するためのネジである。なお、筐体50と支持台20とは、ネジによって固定されることには限定されない。例えば、筐体50と支持台20とが互いに嵌合する部位を有しており、当該部位で嵌合することで、筐体50が支持台20に接続されることにしてもよいし、接着剤等によって筐体50が支持台20に接着されることにしてもよい。
【0036】
回路基板70は、実装基板40に実装されたLEDチップを発光させるための電源回路基板である。回路基板70は、円形状の開口が形成された円盤状(ドーナツ形状)の基板であり、筐体50の内方かつ反射鏡80の外方に配置されている。そして、筐体50の内方かつ反射鏡80の外方のスペースに、回路基板70に実装された回路素子(電子部品)が配置されている。
【0037】
また、回路基板70は、筐体50の内方の上部に配置されているため、例えば電解コンデンサやチョークコイル等のサイズが大きい回路素子は回路基板70の下面側に配置されるのが好ましい。なお、本実施の形態では、回路基板70は、筐体50の内方かつ反射鏡80の外方に配置されている形態を示したが、その配置箇所は特に限定されるものではなく、適宜設計すればよい。
【0038】
なお、回路基板70は、筐体50の内方かつ反射鏡80の外方に配置されている形態においては、サイズが大きい回路素子は、回路基板70の外側に配置されるのがより好ましい。
図2に示すように、反射鏡80が下に向かって拡径する形状の場合、回路基板70の内側に形成される空間よりも回路基板70の外側に形成される空間の方が大きくなるためである。
【0039】
具体的には、回路基板70には、給電用の電気接続ピン52から受電した交流電力を直流電力に変換するための回路素子(電子部品)などが実装されている。つまり、回路基板70の入力部と給電用の電気接続ピン52とがリード線等によって電気的に接続されており、また、回路基板70の出力部と実装基板40の発光部とがリード線等によって電気的に接続されている。回路基板70によって変換された直流電力は、給電端子を介して実装基板40の発光部に供給される。
【0040】
反射鏡80は、実装基板40の光照射側に配置され、発光部から照射される光を反射する光学部材である。つまり、反射鏡80は、実装基板40に設けられた発光部から出射する出射光を反射して下方に照射する。具体的には、反射鏡80は、実装基板40の下方かつ筐体50の内方に配置され、下方に向かって径が漸次拡大するように形成された円錐台筒状の部位を有している。
【0041】
また、反射鏡80は、絶縁性を有する白色の合成樹脂材料によって構成されている。反射鏡80の材質は、ポリカーボネートが好ましいが、ポリカーボネートには限定されない。なお、反射率を向上させるために、反射鏡80の内面に反射膜をコーティングしても構わない。なお、反射鏡80は、特許請求の範囲に記載の「反射部材」に包含される。また、反射鏡80の構成の詳細な説明については、後述する。
【0042】
透光性カバー90は、筐体50の内部に配置された部材を保護するために筐体50の下面に取り付けられた平盤状の有底円筒形状部材である。透光性カバー90は、筐体50の光照射側に形成された開口を塞ぐように、接着剤、複数のリベットまたはネジ等によって、筐体50の下面に固定されている。
【0043】
また、透光性カバー90は、実装基板40に設けられた発光部から出射する出射光を透光するように、ポリカーボネートなどの光透過率の高い合成樹脂材料によって構成されている。なお、透光性カバー90の内面には、光拡散性を促すための塗料が塗布されていてもよい。また、透光性カバー90には、蛍光体が含まれていてもよい。この場合、発光部から発せられた光の色を透光性カバー90によって変換することができる。ここで、透光性カバー90は、特許請求の範囲に記載の「カバー部材」に包含される。また、透光性カバー90の構成の詳細な説明については、後述する。
【0044】
次に、筐体50の構成の詳細について、説明する。
【0045】
図4は、本発明の実施の形態1に係る筐体50の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、筐体50を斜め下方から見たときの斜視図である。
【0046】
同図に示すように、筐体50は、円環状に構成された筐体側面部53と、筐体側面部53の上方に配置され円形状の開口が形成された円盤状の筐体上面部54とを備えている。つまり、筐体50は、支持台20側に凹むように形成されている。
【0047】
また、筐体側面部53の内面には、周上に等間隔で並ぶ複数のカバー側筐体接続部53a(同図では、円周上に等間隔で並ぶ3つのカバー側筐体接続部53a)が形成されている。ここで、カバー側筐体接続部53aは、透光性カバー90と接続するための接続部である。
【0048】
具体的には、カバー側筐体接続部53aは、後述する透光性カバー90の筐体側カバー接続部92と係合可能な形状を有している。つまり、カバー側筐体接続部53aは、筐体側面部53の内面に形成された凹部である。
【0049】
本実施の形態では、3つのカバー側筐体接続部53aが形成されているが、カバー側筐体接続部53aの数は限定されない。なお、透光性カバー90を筐体50に安定して取り付ける観点からは、2つ以上のカバー側筐体接続部53aが形成されているのが好ましく、3つ以上のカバー側筐体接続部53aが形成されているのがさらに好ましい。
【0050】
さらに、筐体側面部53の内面には、内方に突出した突出部53bが形成されている。ここで、突出部53bは、透光性カバー90の回転を規制するための部位である。具体的には、突出部53bは、上下方向に延びる棒状の突出状部位であり、後述する透光性カバー90の回転規制部96と当接することで、筐体50に対する透光性カバー90の回転を規制することができる。
【0051】
筐体上面部54には、固定用ネジ60を挿入するためのネジ挿入部54a〜54cが形成されている。つまり、3本の固定用ネジ60をネジ挿入部54a〜54cにそれぞれ挿入して、筐体50と支持台20とをネジ止めにより締結する。
【0052】
また、筐体上面部54の開口部内方には、周上に等間隔で並ぶ複数の反射側筐体接続部55(同図では、円周上に対向して配置される2つの反射側筐体接続部55)が配置されている。ここで、反射側筐体接続部55は、反射鏡80と接続するための接続部である。
【0053】
具体的には、反射側筐体接続部55は、後述する反射鏡80の筐体側反射接続部81aと係合可能な形状を有している。つまり、反射側筐体接続部55は、下方に向けて凹んだU字またはV字形状を有している。
【0054】
本実施の形態では、2つの反射側筐体接続部55が配置されている。ここで、反射側筐体接続部55は、透光性カバー90と筐体50との接続が外れた場合に反射鏡80及び透光性カバー90の落下を防止するための二重の落下防止用に配置されているものである。このため、筐体50と反射鏡80との接続箇所の数は、透光性カバー90と筐体50との接続箇所の数、及び透光性カバー90と反射鏡80との接続箇所の数よりも少なく設定されている。
【0055】
なお、反射側筐体接続部55の数は2つには限定されないが、透光性カバー90と筐体50との接続が外れた場合に反射鏡80及び透光性カバー90の落下を防止するためには、2つ以上の反射側筐体接続部55が配置されているのが好ましい。
【0056】
次に、反射鏡80の構成の詳細について、説明する。
【0057】
図5は、本発明の実施の形態1に係る反射鏡80の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、反射鏡80を斜め上方から見たときの斜視図である。
【0058】
同図に示すように、反射鏡80は、下方に向かって径が漸次拡大するように形成された円錐台筒状の反射鏡側面部81と、反射鏡側面部81の底面に接続され円形状の開口が形成された円盤状(ドーナツ形状)の反射鏡底面部82とを備えている。
【0059】
また、反射鏡側面部81の上部には、周上に等間隔で並ぶ複数の筐体側反射接続部81a(同図では、円周上に対向して配置される2つの筐体側反射接続部81a)が形成されている。ここで、筐体側反射接続部81aは、筐体50と接続するための接続部である。
【0060】
具体的には、筐体側反射接続部81aは、筐体50の反射側筐体接続部55と係合可能な形状を有している。つまり、筐体側反射接続部81aは、反射鏡側面部81の上部から外方に突出した突出部である。
【0061】
本実施の形態では、2つの筐体側反射接続部81aが形成されているが、筐体側反射接続部81aの数は限定されない。なお、反射側筐体接続部55と同様に、透光性カバー90と筐体50との接続が外れた場合に反射鏡80及び透光性カバー90の落下を防止するためには、2つ以上の筐体側反射接続部81aが配置されているのが好ましい。
【0062】
また、反射鏡底面部82の外周部には、周上に等間隔で並ぶ複数のカバー側反射接続部82a及び82b(同図では、円周上に等間隔で並ぶ2つのカバー側反射接続部82aと1つのカバー側反射接続部82b)が形成されている。ここで、カバー側反射接続部82a及び82bは、透光性カバー90と接続するための接続部である。
【0063】
具体的には、カバー側反射接続部82aは、後述する透光性カバー90の反射側カバー接続部93と係合可能な形状を有しており、カバー側反射接続部82bは、後述する透光性カバー90の反射側カバー接続部95と係合可能な形状を有している。つまり、カバー側反射接続部82a及び82bは、反射鏡底面部82の外周部に形成された凹部であり、カバー側反射接続部82bの方がカバー側反射接続部82aよりも凹部の幅が大きくなるように形成されている。
【0064】
本実施の形態では、2つのカバー側反射接続部82aと1つのカバー側反射接続部82bとが形成されているが、カバー側反射接続部82a及び82bの数は限定されない。なお、透光性カバー90と筐体50との接続が外れた場合に透光性カバー90の落下を防止するためには、2つ以上のカバー側反射接続部が配置されているのが好ましく、3つ以上のカバー側反射接続部が配置されているのがさらに好ましい。
【0065】
次に、透光性カバー90の構成の詳細について、説明する。
【0066】
図6は、本発明の実施の形態1に係る透光性カバー90の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、透光性カバー90を斜め上方から見たときの斜視図である。
【0067】
また、
図7は、本発明の実施の形態1に係る透光性カバー90と筐体50及び反射鏡80との配置関係を示す図である。具体的には、同図は、筐体50と反射鏡80と透光性カバー90とが組み立てられた状態でランプ1を下方から見たときの図である。
【0068】
これらの図に示すように、透光性カバー90は、円盤状のカバー底面部91を備えている。そして、カバー底面部91から上方に突起するように、筐体側カバー接続部92、反射側カバー接続部93、カバー側面部94及び回転規制部96が配置されている。
【0069】
つまり、周上に等間隔で並ぶ複数の筐体側カバー接続部92(同図では、円周上に等間隔で並ぶ3つの筐体側カバー接続部92)と、周上に等間隔で並ぶ複数の反射側カバー接続部93(同図では、円周上に等間隔で並ぶ3つの反射側カバー接続部93)とが配置されている。
【0070】
そして、筐体側カバー接続部92と反射側カバー接続部93とカバー側面部94と回転規制部96とは、同一円周上の異なる位置に配置されている。つまり、これらは、同一円周上においてランプ中心より見たときに異なる位置に配置されている。なお、筐体側カバー接続部92、反射側カバー接続部93、カバー側面部94及び回転規制部96は、すべてが同一周上に配置されている必要はなく、異なる周上に配置されていてもよい。つまり、これらは、それぞれの周上においてランプ中心より見たときに異なる位置に配置される。
【0071】
ここで、筐体側カバー接続部92は、筐体50と接続するための接続部である。具体的には、筐体側カバー接続部92は、筐体50のカバー側筐体接続部53aと係合可能な形状を有している。つまり、筐体側カバー接続部92は、カバー底面部91から上方に突起した突起部の先端が外方に突出した形状を有している。
【0072】
本実施の形態では、3つの筐体側カバー接続部92が形成されているが、筐体側カバー接続部92の数は限定されない。なお、カバー側筐体接続部53aと同様に、透光性カバー90を筐体50に安定して取り付ける観点からは、2つ以上の筐体側カバー接続部92が形成されているのが好ましく、3つ以上の筐体側カバー接続部92が形成されているのがさらに好ましい。
【0073】
反射側カバー接続部93は、反射鏡80と接続するための接続部である。具体的には、反射側カバー接続部93は、反射鏡80のカバー側反射接続部82a、82bと係合可能な形状を有している。つまり、反射側カバー接続部93は、カバー底面部91から上方に突起した突起部の先端が内方に突出した形状を有している。
【0074】
本実施の形態では、3つの反射側カバー接続部93が形成されているが、反射側カバー接続部93の数は限定されない。なお、カバー側反射接続部と同様に、透光性カバー90と筐体50との接続が外れた場合に透光性カバー90の落下を防止するためには、2つ以上の反射側カバー接続部93が配置されているのが好ましく、3つ以上の反射側カバー接続部93が配置されているのがさらに好ましい。
【0075】
カバー側面部94は、筐体側カバー接続部92と反射側カバー接続部93との間に配置され、カバー底面部91から上方に突起した、透光性カバー90の側面部である。同図に示すように、カバー側面部94には、透光性カバー90の回転位置を位置決めする2つの回転位置決め部94aが配置されている。回転位置決め部94aは、反射側カバー接続部93の両側に配置された、カバー側面部94から透光性カバー90内方に突出する突出部である。
【0076】
つまり、回転位置決め部94aは、反射鏡80のカバー側反射接続部82bと嵌合することで、反射鏡80に対する透光性カバー90の回転位置を位置決めする。ここで、反射側カバー接続部93と、反射側カバー接続部93の両側の2つの回転位置決め部94aとで、反射側カバー接続部95を構成している。つまり、反射側カバー接続部95は、カバー側反射接続部82bと係合する。
【0077】
回転規制部96は、透光性カバー90の回転を規制するための、カバー底面部91から上方に突起した平板状の部位である。つまり、回転規制部96は、筐体50の突出部53bと当接することで、筐体50に対する透光性カバー90の回転を規制する。
【0078】
ここで、
図7に示すように、3つの筐体側カバー接続部92と3つの反射側カバー接続部93(または2つの反射側カバー接続部93と1つの反射側カバー接続部95)とは、等間隔で配置されている。つまり、同図の角R1〜角R6の全ての角度が同じ角度(同図では60°)になるように、筐体側カバー接続部92と反射側カバー接続部93とが等間隔で交互に配置されている。
【0079】
なお、上記において、等間隔とは、正確に等間隔である必要はなく、多少の誤差を含む概念として定義される。つまり、例えば角R1〜角R6において、それぞれ±10°程度の誤差は許容される。
【0080】
次に、筐体50と反射鏡80と透光性カバー90との各接続部における接続状態について、説明する。
【0081】
図8は、本発明の実施の形態1に係る筐体50と反射鏡80との接続状態を示す図である。具体的には、同図は、
図7に示されたランプ1をA−A断面で切断した場合での断面図である。なお、
図8は、筐体50と反射鏡80との接続状態を示すための図であり、筐体50と透光性カバー90との接続状態の詳細については、省略して示している。
【0082】
また、
図9は、本発明の実施の形態1に係る透光性カバー90と筐体50及び反射鏡80との接続状態を示す図である。具体的には、同図は、
図7に示されたランプ1をB−B断面で切断した場合での断面図である。
【0083】
まず、
図9に示すように、透光性カバー90と筐体50とは、筐体側カバー接続部92とカバー側筐体接続部53aとが係合することで、接続されている。また、透光性カバー90と反射鏡80とは、反射側カバー接続部93とカバー側反射接続部82aとが係合することで、接続されている。
【0084】
これに対し、
図8に示すように、筐体50の反射側筐体接続部55と反射鏡80の筐体側反射接続部81aとは、反射鏡80が落下した場合に係合するように、間隔を空けて配置されている。つまり、
図9に示した透光性カバー90と筐体50との接続が外れ、透光性カバー90が反射鏡80とともに落下した場合に、反射側筐体接続部55と筐体側反射接続部81aとが係合する。
【0085】
この場合、反射鏡80と透光性カバー90とは
図9に示したように係合されているため、反射側筐体接続部55と筐体側反射接続部81aとが係合することで、反射鏡80だけでなく透光性カバー90についても落下するのを防ぐことができる。
【0086】
なお、反射側筐体接続部55と筐体側反射接続部81aとは、間隔を空けずに係合状態になっていることにしてもよい。また、反射側筐体接続部55と筐体側反射接続部81aとが係合状態になっており、筐体側カバー接続部92とカバー側筐体接続部53aとが間隔を空けて配置されている、または、反射側カバー接続部93とカバー側反射接続部82aとが間隔を空けて配置されていることにしてもよい。いずれにしても、1組の接続部の係合状態が外れた場合に、他の2組の接続部が係合状態になるため、部材が落下するのを防止することができる。
【0087】
以上のように、本発明の実施の形態1に係るランプ1によれば、筐体50と反射鏡80と透光性カバー90とがそれぞれ接続される構成になっている。つまり、ランプ1は、筐体側反射接続部81aと反射側筐体接続部55とが接続され、カバー側筐体接続部53aと筐体側カバー接続部92とが接続され、反射側カバー接続部93とカバー側反射接続部82aとが接続されるように構成されている。このため、点灯時の熱による劣化等で、筐体50と反射鏡80と透光性カバー90との接続のうちいずれか1つの接続が外れた場合でも、他の2つの接続によって、部材が落下するのを防止することができる。このように、ランプ1は、二重の落下防止機能を備えたランプである。
【0088】
また、ランプ1は、筐体50と反射鏡80と透光性カバー90とがそれぞれ接続箇所で係合可能な構成になっている。つまり、ランプ1は、筐体側反射接続部81aと反射側筐体接続部55、カバー側筐体接続部53aと筐体側カバー接続部92、及び反射側カバー接続部93とカバー側反射接続部82aのそれぞれが互いに係合可能な形状を有している。このため、ランプ1は、接着剤などを用いることなく、簡易に、筐体50と反射鏡80と透光性カバー90とをそれぞれ接続することができる。
【0089】
また、ランプ1の筐体50と反射鏡80と透光性カバー90との接続箇所は、円周上に等間隔で並んでいる。つまり、ランプ1は、筐体側反射接続部81aと反射側筐体接続部55、カバー側筐体接続部53aと筐体側カバー接続部92、及び反射側カバー接続部93とカバー側反射接続部82aのそれぞれが、円周上に等間隔で並んだ構成を有している。このため、筐体50と反射鏡80と透光性カバー90との接続のうちいずれか1つの接続が外れた場合でも、円周上に等間隔で並んだ他の2つの接続によって、部材が落下するのをバランス良く防止することができる。
【0090】
また、筐体側カバー接続部92と反射側カバー接続部93とは、それぞれの周上においてランプ中心より見たときに異なる位置に配置されている。これにより、透光性カバー90製造時の筐体側カバー接続部92及び反射側カバー接続部93の加工を容易に行うことができる。
【0091】
また、透光性カバー90は、回転位置決め部94aを有しているため、反射鏡80に対する透光性カバー90の回転位置を容易に位置決めすることができる。
【0092】
また、透光性カバー90は、回転規制部96を有しているため、筐体50に対する透光性カバー90の回転を容易に規制することができる。
【0093】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る照明装置100について、説明する。
【0094】
図10は、本発明の実施の形態2に係る照明装置100の構成を示す断面図である。なお、本実施の形態に係る照明装置では、上記実施の形態1に係るランプ1を用いている。したがって、同図において、上記実施の形態1で示した構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付している。
【0095】
同図に示すように、照明装置100は、例えばダウンライトであり、照明器具101と、上記実施の形態1に係るランプ1とを備えている。照明器具101は、反射板102と放熱部材104とからなりランプ1を覆うように構成された器具本体と、当該器具本体に取り付けられたソケット103とを備えている。
【0096】
反射板102は、上面に円形の開口が形成された略カップ形状であってランプ1の側方を囲うように構成されている。具体的には、反射板102は、上面が円形の開口が形成された円形の平板部で構成され、この平板部の周縁から下方に向かって内径が漸次拡大するように形成された円筒部を備えている。当該円筒部は、光照射側に開口を有し、また、ランプ1からの光を反射するように構成されている。例えば、反射板102は、絶縁性を有する白色の合成樹脂によって構成されている。なお、反射率を向上させるために、反射板102の内面に反射膜をコーティングしても構わない。なお、反射板102は、合成樹脂製のものに限定されず、金属板をプレス加工して形成されたような金属製の反射板を用いてもよい。
【0097】
ソケット103は、GH76p形口金に対応しているものであり、ランプ1に対して交流電力を供給する円盤状の部材である。ソケット103は、上部が反射板102の上面の平板部に形成された開口内方に挿入されるように配置されている。ソケット103の中央には、支持台20の口金形状に対応した形状の開口部が形成されており、この開口部にランプ1を取り付けることで、ランプ1の上面と放熱部材104の下面とを熱的に接続させる。また、ソケット103の下部の筐体50の電気接続ピン52に対応した位置には、電気接続ピン52が挿入される接続孔が形成されている。
【0098】
放熱部材104は、ランプ1から伝達される熱を放熱する部材である。放熱部材104は、反射板102の上面及びソケット103の上面に当接して配置されている。放熱部材104は、アルミニウムなどの熱伝導性が高い材料で構成することが好ましい。
【0099】
なお、ランプ1は、ソケット103に対して着脱可能に取り付けられている。
【0100】
以上のように、本発明の実施の形態2に係る照明装置100によれば、上記実施の形態1に係るランプ1を備えているため、上記実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0101】
以上、本発明の実施の形態に係るランプ及び照明装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0102】
つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0103】
例えば、上記実施の形態では、筐体50、反射鏡80及び透光性カバー90は、それぞれ係合によって接続されていることとしたが、接続形態は係合には限定されず、例えば、嵌合などによって接続されてもよい。
【0104】
また、上記実施の形態では、筐体50、反射鏡80及び透光性カバー90は、円形状の部材であることとしたが、これに限らない。例えば、筐体50、反射鏡80または透光性カバー90は、楕円形状や四角形や五角形などの多角形状の部材であってもよい。この場合、各接続部は、当該楕円形状や多角形状の周上に等間隔で配置される。
【0105】
また、上記実施の形態では、反射鏡80の全部が筐体50の内方に配置されていることとしたが、反射鏡80の一部のみが筐体50の内方に配置されていることにしてもよい。また、熱伝導シート30、実装基板40及び回路基板70についても、これらの全部または一部が、筐体50の外方に配置されていることにしてもよい。
【0106】
また、上記実施の形態において、発光部41からの光を集光するためのレンズやリフレクタ等の光学部品、または、色調調節のための光学フィルタ等を用いてもよい。但し、これらの部品は、本発明の必須の構成ではない。
【0107】
また、上記実施の形態では、発光素子の一例としてLEDを用いたが、半導体レーザ及び有機EL(Electro Luminescence)等の他の発光素子を用いることも可能である。