(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技者が投入した貨幣の金額を示す有価価値情報を記憶する有価価値情報記憶手段と、 有価付与操作が実行されたことに応じて、前記有価価値情報を対価として予め定められた大きさの遊技価値を遊技者に付与する有価価値付与処理を実行する有価価値付与手段と、
前記有価価値情報を、前記有価価値付与手段による遊技価値の付与に応じて減算更新する有価価値情報更新手段と、
遊技者が獲得した遊技価値の大きさを獲得価値情報として記憶する獲得価値情報記憶手段と、
再遊技操作が実行されたことに応じて、前記獲得価値情報を対価として前記遊技価値を遊技者に付与する再遊技付与処理を実行する再遊技付与手段と、
前記獲得価値情報を、遊技者が遊技価値を獲得したことに応じて加算更新する一方、前記再遊技付与手段による遊技価値の付与に応じて減算更新する獲得価値情報更新手段と、
前記獲得価値情報記憶手段及び前記有価価値情報記憶手段のそれぞれに遊技価値を付与可能な情報が記憶されている状況において前記有価付与操作が実行されたことを特定する有価付与操作特定手段と、を備え、遊技者により遊技価値が使用されることで遊技が進行する遊技機に対応した遊技場用システムであって、
前記再遊技付与手段は、前記有価付与操作特定手段が前記有価付与操作の実行を特定している状況において特別操作が実行されたことに応じて、その有価付与操作が前記再遊技操作であったものとして、前記獲得価値情報を対価として前記遊技価値を付与する特別付与処理を実行するものであり、
前記有価価値情報更新手段は、前記特別付与処理が実行されたことに応じて、前記有価付与操作特定手段が前記有価付与操作の実行を特定する前の状態に前記有価価値情報を戻すものであることを特徴とする遊技場用システム。
前記獲得価値情報記憶手段に前記遊技価値を遊技者に付与可能な前記獲得価値情報が記憶されている状況にて、遊技者により貨幣が投入された場合、前記特別付与処理の実行を禁止する禁止状態設定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載した遊技場用システム。
前記再遊技付与手段は、前記有価付与操作特定手段が前記有価付与操作の実行を特定してから前記遊技価値が遊技者により使用されるまでの特別操作許容期間が経過した場合、又は前記有価付与操作特定手段が前記有価付与操作の実行を特定してから当該有価付与操作に基づく前記有価価値付与手段による遊技価値の付与が終了するまでの特別操作許容期間が経過した場合、その有価付与操作に基づいて付与した遊技価値について前記特別付与処理を実行しないものであることを特徴とする請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、獲得価値情報に基づく払出を可能であるとしても、例えば残り金額が少ない場合や所謂交換レートが小さい場合のように有価価値情報に基づく払出による遊技者の不利益が小さい場合、遊技者によっては有価価値情報に基づく払出を望むことが考えられる。このため、有価価値情報に基づく払出を完全に禁止すると、遊技者が望む払出を実現できなく虞がある。その一方、上記した場合とは逆に、遊技者によっては有価価値情報に基づく払出よりも獲得価値情報に基づく払出の方が自分にとって有利である場合等では有価価値情報に基づく払出を避けることも考えられる。
【0006】
又、獲得価値情報に基づく払出が可能である場合、貸出操作を通常とは異なるもの(例えば通常であれば1回のところを2回とする等)とすることもできるが、遊技者が操作に慣れてくることで、貸出操作を通常とは異なるものとしたとしても、遊技者が誤って貸出操作を行うことが十分に考えられる。このような事情により、有価価値情報及び獲得価値情報に基づく払出を実行可能とする上で未だ改善の余地がある。尚、この間題は、有価価値情報及び獲得価値情報に基づく払出が可能であれば、カード式玉貸機及び計数機が一体化されているか否かに関わらず該当する。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者が意図せず有価価値情報に基づく遊技価値の付与が実行された場合に、遊技者に不利益が発生することを抑制することができる遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載した発明は、遊技者が投入した貨幣の金額を示す有価価値情報を記憶する有価価値情報記憶手段と、有価付与操作が実行されたことに応じて、前記有価価値情報を対価として予め定められた大きさの遊技価値を遊技者に付与する有価価値付与処理を実行する有価価値付与手段と、前記有価価値情報を、前記有価価値付与手段による遊技価値の付与に応じて減算更新する有価価値情報更新手段と、遊技者が獲得した遊技価値の大きさを獲得価値情報として記憶する獲得価値情報記憶手段と、再遊技操作が実行されたことに応じて、前記獲得価値情報を対価として前記遊技価値を遊技者に付与する再遊技付与処理を実行する再遊技付与手段と、前記獲得価値情報を、遊技者が遊技価値を獲得したことに応じて加算更新する一方、前記再遊技付与手段による遊技価値の付与に応じて減算更新する獲得価値情報更新手段と、前記獲得価値情報記憶手段及び前記有価価値情報記憶手段のそれぞれに遊技価値を付与可能な情報が記憶されている状況において前記有価付与操作が実行されたことを特定する有価付与操作特定手段と、を備え、遊技者により遊技価値が使用されることで遊技が進行する遊技機に対応した遊技場用システムであって、前記再遊技付与手段は、前記有価付与操作特定手段が前記有価付与操作の実行を特定している状況において特別操作が実行されたことに応じて、その有価付与操作が前記再遊技操作であったものとして、前記獲得価値情報を対価として前記遊技価値を付与する特別付与処理を実行するものであり、前記有価価値情報更新手段は、前記特別付与処理が実行されたことに応じて、前記有価付与操作特定手段が前記有価付与操作の実行を特定する前の状態に前記有価価値情報を戻すものであることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載した発明は、前記獲得価値情報記憶手段に前記遊技価値を遊技者に付与可能な前記獲得価値情報が記憶されている状況にて、遊技者により貨幣が投入された場合、前記特別付与処理の実行を禁止する禁止状態設定手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載した発明は、前記再遊技付与手段は、前記有価付与操作特定手段が前記有価付与操作の実行を特定してから前記遊技価値が遊技者により使用されるまでの特別操作許容期間が経過した場合、又は前記有価付与操作特定手段が前記有価付与操作の実行を特定してから当該有価付与操作に基づく前記有価価値付与手段による遊技価値の付与が終了するまでの特別操作許容期間が経過した場合、その有価付与操作に基づいて付与した遊技価値について前記特別付与処理を実行しないものであることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載した発明は、遊技機での遊技者を特定可能な会員IDが記録された顧客特定媒体と、前記会員IDと対応付けて前記獲得価値情報を有価価値情報として累積的に記憶するための有価価値情報用口座が開設された管理手段と、を備え、前記有価付与操作としての口座媒体操作が実行されたことに応じて、前記有価価値情報用口座に記憶した前記有価価値情報を対価として遊技価値を遊技者に付与するものであり、前記獲得価値情報を前記有価価値情報として前記有価価値情報用口座に記憶した後に前記有価価値情報を対価として遊技価値を付与する場合、前記獲得価値情報を前記有価価値情報として前記有価価値情報用口座に記憶することなくその獲得価値情報を対価として遊技価値を付与する場合よりも、同じ大きさの遊技価値を付与するための対価が大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載した発明によれば、遊技者が貨幣を投入したことで、その投入した貨幣の金額を示す有価価値情報を対価として予め定められた大きさの遊技価値を遊技者に付与する有価付与操作を実行している状況で、特別操作が実行されると、その有価付与操作が再遊技操作であったものとして、獲得価値情報を対価として遊技価値を付与する特別付与処理を実行し、有価付与操作の実行を特定する前の状態に有価価値情報を戻すので、遊技者が誤って有価付与操作を実行した場合であっても、特別操作を実行することで、その有価付与操作が再遊技操作であったものとして遊技価値を付与することができ、遊技者に不利益が発生することを抑制することができる。
【0013】
請求項2に記載した発明によれば、遊技価値を遊技者に付与可能な獲得価値情報が記憶されている状況で遊技者が貨幣を投入した場合には、遊技者が有価価値情報に基づく遊技価値の付与を希望していると考えられ、即ち、遊技価値を遊技者に付与可能な獲得価値情報が記憶されている状況で行われた有価付与操作は誤操作である可能性が低いので、獲得価値情報に基づく遊技媒体の付与を禁止することで、実際の運用に合わせて獲得価値情報に基づく遊技価値の付与を禁止することができる。
【0014】
請求項3に記載した発明によれば、有価付与操作の実行を特定してから遊技価値が遊技者により使用された場合には遊技者が次の有価付与操作を行うと考えられ、又、遊技者が誤って有価付与操作を実行した場合にはその有価付与操作による遊技価値の付与が開始されたタイミングで誤りに気付くと考えられるので、有価付与操作による遊技価値の付与が継続している期間だけ特別付与処理を実行可能とすることで、特別付与処理を実行可能な期間を必要以上に設けることを回避することができる。
【0015】
請求項4に記載した発明によれば、獲得価値情報を有価価値情報として有価価値情報用口座に記憶した後に有価価値情報を対価として遊技価値を付与する場合、獲得価値情報を有価価値情報として有価価値情報用口座に記憶することなくその獲得価値情報を対価として遊技価値を付与する場合よりも、同じ大きさの遊技価値を付与するための対価が大きいので、有価価値情報用口座を利用して遊技するよりも、有価価値情報用口座を利用することなく再遊技した方が遊技者にとって有利とすることができる。即ち、有価価値情報用口座から有価価値情報を対価として遊技価値を付与する場合には所謂手数料分に相当する遊技価値が遊技者にとって不利となるので、有価価値情報用口座から有価価値情報を対価として遊技価値を付与する有価付与操作が再遊技操作であったものとして、有価付与操作の実行を特定する前の状態に有価価値情報を戻すことで、遊技者にとっての利点を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場用システム1は、遊技機2に対応して貸出装置3が設置されている。遊技場内の管理室には管理装置4(管理手段に相当)が設置されている。2台の遊技機2及び2台の貸出装置3に対応して1台の中継装置5が設置されている。管理装置4は、中継装置5を介して遊技機2及び貸出装置3とLAN6により接続されており、遊技機2側(遊技機2、貸出装置3等)から出力される遊技信号を中継装置5を介して受信する。尚、
図1では省略したが、実際には数百台の遊技機2が管理装置4の管理対象となっている。又、本実施形態では遊技機2としてパチンコ遊技機を想定しており、遊技媒体(遊技価値に相当)としてパチンコ玉を想定している。
【0018】
遊技機2には、図柄変動用の表示部(役物)7、図柄変動開始用の始動口8、大当たり時に開放する大入賞口9、遊技媒体を盤面に発射するためのハンドル10、払出された遊技媒体を受けて貯留する上玉受皿11、上玉受皿11から溢れた遊技媒体を受けて貯留する下玉受皿12、下玉受皿12に貯留された遊技媒体を落下させるためのレバー13等が設けられている。
【0019】
遊技機2側からは次に示す遊技信号が出力され、管理装置4では以下のようにして遊技情報を特定する。
「アウト信号」=使用玉を回収するアウトBOXから出力される信号である。回収(使用、打込)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、アウト信号数×10をアウト(使用玉数)として特定する。尚、遊技機2から出力されても良い。
「セーフ信号」=遊技機2から出力される信号である。払出玉10玉に対して1パルスが出力されるので、セーフ信号数×10をセーフ(払出玉数)として特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0020】
「スタート信号」=遊技機2から出力される信号である。始動口8への入賞に応じて変動(動作)する表示部7における図柄変動(役物作動)1回につき1パルスが出力される。尚、始動口8への入賞に応じて出力される始動入賞信号をスタート信号としても良い。尚、役物作動又は始動入賞数をスタートとして特定する。
「大当たり信号」=遊技機2から出力される信号である。所定条件が成立(表示部7において特定図柄を表示する等)した場合に発生し、大入賞口9等への入賞率が高まる大当たり中にレベル信号が出力される。
【0021】
「貸出信号」=貸出装置3から出力される信号である。遊技者から貨幣(有価価値に相当)を受付けた場合に遊技者に貸出される貸出玉125玉(500円)に対して1パルスが出力されるので、貸出信号数×125を貸出玉数として特定する。
「再遊技信号」=貸出装置3から出力される信号である。遊技者が遊技により獲得した玉のうち貸出装置3にて計数した計数玉(獲得玉)を対価として払出される遊技玉1玉に対して1パルスが出力されるので、再遊技信号数×1を再遊技玉数として特定する。
【0022】
貸出装置3は、各種情報を表示する表示機能及び遊技者からの操作入力を受付ける入力機能を有するタッチパネル式の情報表示部14、遊技者が貨幣を投入する貨幣投入口15、発行釦16、貸出釦17、再遊技釦18、遊技媒体を遊技機2の上玉受皿11へと払出す玉払出口19、カード挿入口20等を備えている。貸出装置3の下部には計数部21が設けられており、その計数部21に案内腕22に支持された可動玉受皿23が旋回可能に設けられている。
【0023】
図2は、貸出装置3の機能ブロックを概略的に示している。貸出装置3は、CPUを主体とする制御部24(有価価値付与手段、有価価値情報更新手段、再遊技付与手段、獲得価値情報更新手段、有価付与操作特定手段、禁止状態設定手段に相当)、HDD、RAM、ROM等からなる記憶部25(有価価値情報記憶手段、獲得価値情報記憶手段に相当)、信号を送受信するためのインターフェイスからなる送受信部26、貨幣投入口15に投入された貨幣を受付ける貨幣受付部27、玉払出口19から玉を払出す玉払出部28、カード挿入口20に挿入された会員カード30(顧客特定媒体に相当)に記録されているカード情報(会員を特定可能な会員ID等)を読取るカードリーダ29、上記した情報表示部14、発行釦16、貸出釦17、再遊技釦18、計数部21等を備えている。
【0024】
貸出装置3は、遊技者が貨幣を投入したことに応じて遊技媒体を貸出す機能(CRユニットの機能)、遊技者が遊技により獲得した遊技媒体を計数する機能(計数機の機能)、遊技者が遊技により獲得した遊技媒体を使用しての再遊技を可能とする機能(再プレイ機の機能)を有しており、以下の動作を行う。即ち、本実施形態では、遊技機2毎に設けられている貸出装置3が計数機能を有することで、遊技機2毎に計数機が設けられている構成と等価となる。
【0025】
(a)遊技者が貨幣を貨幣投入口15に投入すると、その投入された貨幣を貨幣受付部27にて受付け、その受付けた金額を示す金額情報(有価価値情報に相当)を記憶部25に記憶する。
(b)遊技者が貸出釦17を押下し、貸出操作(有価付与操作に相当)を行うと、記憶部25に記憶している金額情報を対価として単位数分の遊技媒体(500円で125玉)を玉払出口19から遊技機2の上玉受皿11に払出す(有価付与処理を実行する)。又、単位数分の遊技媒体を払出したことに応じて、記憶部25に記憶している金額情報を減算更新する。
【0026】
(c)遊技者が遊技機2のレバー13を操作し、遊技者が遊技にて獲得した遊技媒体(獲得遊技媒体に相当)を可動玉受皿23へと導くと、その可動玉受皿23へと導かれた玉を計数部21にて計数し、その計数した獲得玉数を示す獲得玉情報(獲得価値情報に相当)を記憶部25に記憶する。遊技者が遊技にて遊技媒体を獲得することに応じて、記憶部25に記憶している獲得玉情報を加算更新する。
(d)遊技者が再遊技釦18を押下し、再遊技操作又は特別操作を行うと、記憶部25に記憶している獲得玉情報のうち所定数の遊技媒体(再遊技玉)を玉払出口19から遊技機2の上玉受皿11に払出す(再遊技付与処理又は特別付与処理を実行する)。又、遊技媒体を払出したことに応じて、記憶部25に記憶している獲得玉情報を減算更新する。
【0027】
次に、上記した構成の作用について、
図3乃至
図9を参照して説明する。貸出装置3は、本発明に関連して、玉貸出処理、通常再遊技処理、特別再遊技処理、金額情報変更処理、現金受付処理を行う。以下、これらの処理について順次説明する。
【0028】
(1)玉貸出処理
貸出装置3は、玉貸出処理を開始すると、貸出操作が行われたか否かを判定する(S1)。ここで、貸出装置3は、遊技者が貨幣を貨幣投入口15に投入した状態で貸出釦17を押下したと判定し、貸出操作が行われたと判定すると(S1:YES)、単位数分の遊技媒体(500円で125玉)を払出可能な金額情報を記憶部25に記憶しているか否かを判定し(S2)、単位数分の遊技媒体を払出可能な金額情報を記憶部25に記憶していると判定すると(S2:YES)、その単位数分の遊技媒体を玉払出口19から遊技機2の上玉受皿11に払出す(S3)(有価価値付与処理を実行する)。
【0029】
次いで、貸出装置3は、その時点で記憶部25に記憶している金額情報(後述する減算更新前の金額情報)を記憶し(S4)、単位数分の遊技媒体を払出したことに応じて、その時点で記憶部25に記憶している金額情報から払出した単位数分の遊技媒体の金額情報を差引き、記憶部25に記憶している金額情報を減算更新する(S5)。次いで、貸出装置3は、獲得玉情報を記憶部25に記憶しているか否かを判定し(S6)、獲得玉情報を記憶部25に記憶していると判定すると(S6:YES)、特別再遊技払出禁止フラグを「0」に設定しているか否か、即ち、貸出操作を再遊技操作として金額情報(残高)を元に戻すことを許可しているか否かを判定する(S7)。
【0030】
ここで、貸出装置3は、特別再遊技払出禁止フラグを「0」に設定している、即ち、貸出操作を再遊技操作として金額情報を元に戻すことを許可していると判定すると(S7)、第1特別報知を実行し(S8)、玉貸出処理を終了してリターンする。即ち、貸出装置3は、獲得玉情報が記憶されているにも関わらず、遊技者が貸出操作を行った場合には、その貸出操作が誤って行ったものであるか否かを遊技者に確認させるために、第1特別報知として
図8に示す表示画面を情報表示部14に表示する。
図8に示す表示画面では、残金(残高)に基づく遊技媒体の払出を実行中であること、残金が減算されていること(
図8では6000円から5500円への減額)を報知すると共に、貸出操作が誤って行ったものであるか否かを遊技者に確認させ、貸出操作が誤って行ったものであれば再遊技操作を行うように促す内容を報知する。この場合、貸出装置3は、金額情報に基づく払出が終了するまで
図8に示す表示画面の表示を継続し、遊技者は、
図8に示す表示画面の表示が継続している期間で再遊技操作を行うことができ、貸出操作を再遊技操作として金額情報を元に戻すことができる。即ち、遊技者は金額情報に基づく払出が終了するまで、その金額情報に基づく払出を獲得玉情報に基づく払出へと変更することができ、金額情報に基づく貸出操作を行う前の状態へと戻すことができる。
【0031】
(2)通常再遊技処理
貸出装置3は、通常再遊技処理を開始すると、再遊技操作が行われたか否かを判定する(S11)。ここで、貸出装置3は、遊技者が再遊技釦18を押下したと判定し、再遊技操作が行われたと判定すると(S11:YES)、獲得玉情報を記憶部25に記憶しているか否かを判定し(S12)、獲得玉情報を記憶部25に記憶していると判定すると(S12:YES)、最大で150玉(150玉未満であれば、その150玉未満の玉)の遊技媒体を玉払出口19から遊技機2の上玉受皿11に払出す(S13)(再遊技付与処理を実行する)。次いで、貸出装置3は、遊技媒体を払出したことに応じて、その時点で記憶部25に記憶している獲得玉情報から払出した遊技媒体を差引き、記憶部25に記憶している獲得玉情報を減算更新し(S14)、通常再遊技処理を終了してリターンする。
【0032】
(3)特別再遊技処理
貸出装置3は、特別再遊技処理を開始すると、特別再遊技払出禁止フラグを「0」に設定しているか否か、即ち、貸出操作を再遊技操作として金額情報を元に戻すことを許可しているか否かを判定する(S21)。ここで、貸出装置3は、特別再遊技払出禁止フラグを「0」に設定している、即ち、貸出操作を再遊技操作として金額情報を元に戻すことを許可していると判定すると(S21:YES)、遊技者が貸出操作を行ったことに応じて遊技媒体の払出中であるか否かを判定する(S22)。
【0033】
貸出装置3は、遊技者が貸出操作を行ったことに応じて遊技媒体の払出中であると判定すると(S22:YES)、単位数(例えば500円に相当する125玉)以上の獲得玉情報)を記憶部25に記憶しているか否かを判定し(S23)、単位数以上の獲得玉情報を記憶部25に記憶していると判定すると(S23:YES)、再遊技操作(特別操作に相当)が行われたか否かを判定する(S24)。即ち、本実施形態では再遊技操作と特別操作とは同じ操作である。又、遊技者が貸出操作を行ったことに応じて遊技媒体の払出中である期間(遊技媒体の払出開始から払出終了までの期間)が特別操作許容期間である。
【0034】
ここで、貸出装置3は、遊技者が再遊技釦18を押下したと判定し、再遊技操作が行われたと判定すると(S24:YES)、この場合は上記した通常再遊技処理にて払出す玉数とは異なり、上記した玉貸出処理にて払出す玉数に合わせて、125玉の遊技媒体を玉払出口19から遊技機2の上玉受皿11に払出す(S25)(特別付与処理を実行する)。次いで、貸出装置3は、遊技媒体を払出したことに応じて、その時点で記憶部25に記憶している獲得玉情報から払出した遊技媒体を差引き、記憶部25に記憶している獲得玉情報を減算更新し(S26)、金額情報に基づく遊技媒体の払出中に遊技者が再遊技釦18を押下した(特別付与処理を実行した)ことを示すべく特別実行フラグを「1」に設定し(S27)、特別再遊技処理を終了してリターンする。
【0035】
(4)金額情報変更処理
貸出装置3は、金額情報変更処理を開始すると、特別実行フラグを「1」に設定しているか否か、即ち、金額情報に基づく遊技媒体の払出中に遊技者が再遊技釦18を押下したか否かを判定する(S31)。ここで、貸出装置3は、特別実行フラグを「1」に設定している、即ち、金額情報に基づく遊技媒体の払出中に遊技者が再遊技釦18を押下したと判定すると(S31:YES)、記憶部25に記憶している金額情報を、その遊技媒体の払出に基づく減算更新前の金額情報に変更し(元に戻し)(S32)、第2特別報知を実行し(S33)、特別実行フラグを「0」に設定し(S34)、金額情報変更処理を終了してリターンする。即ち、貸出装置3は、遊技者が本来は再遊技釦18を押下すべきところを誤って貸出釦17を押下してしまい、その誤りに気付いて再遊技釦18を押下した場合には、金額情報を元に(貸出釦17を誤って押下する前の状態に)戻すことを遊技者に知らせるために、第2特別報知として
図9に示す表示画面を情報表示部14に表示する。
図9に示す表示画面では、残金(残高)を誤操作を行う(貸出釦17を誤って押下する)前の状態に戻すこと(
図9では5500円から6000円への増額)、残金を戻すことに応じて獲得玉情報を減算することを報知する。この場合、貸出装置3は、獲得玉情報に基づく払出が終了するまで
図9に示す表示画面の表示を継続する。
【0036】
(5)現金受付処理
貸出装置3は、現金受付処理を開始すると、金額情報を記憶部25に記憶しているか否かを判定し(S41)、現金が投入されたか否かを判定する(S43)。ここで、貸出装置3は、金額情報を記憶部25に記憶していないと判定すると(S41:NO)、特別再遊技払出禁止フラグを「0」に設定し、即ち、貸出操作を再遊技操作として金額情報を元に戻すことを許可する(S42)。
【0037】
又、貸出装置3は、遊技者が貨幣を貨幣投入口15に投入したことで現金が投入されたと判定すると(S43:YES)、その時点で記憶部25に記憶している金額情報に投入された現金に相当する金額情報を加え、記憶部25に記憶している金額情報を加算更新し(S44)、単位数以上の獲得玉情報を記憶部25に記憶しているか否かを判定する(S45)。次いで、貸出装置3は、単位数以上の獲得玉情報を記憶部25に記憶していると判定すると(S45:YES)、特別再遊技払出禁止フラグを「1」に設定し、即ち、貸出操作を再遊技操作として金額情報を元に戻すことを禁止し(獲得遊技媒体数情報に基づく遊技媒体の付与を禁止し)(S46)、現金受付処理を終了してリターンする。
【0038】
尚、上述した一連の処理において、特別再遊技払出禁止フラグを「1」に設定している場合(S21:NO)、ステップS25の単位数の玉を再遊技玉として払出すことがなく(特別付与処理を実行することがなく)、この点に着眼すれば、「再遊技付与手段は、獲得価値情報が記憶された後に遊技者が貨幣を投入した場合、その獲得価値情報について特別付与処理を実行しないようにするものである」とすることも可能である。又、特別再遊技払出禁止フラグを「1」に設定している場合(S21:NO)、ステップS24の再遊技操作(特別操作)が行われたか否かを判定することがなく、この点に着眼すれば、「再遊技付与手段は、獲得価値情報が記憶された後に遊技者が貨幣を投入した場合、特別操作が実行されたことを特定しない」とすることも可能である。これらの場合、再遊技付与手段が、特別付与処理の実行を禁止する禁止状態設定手段として機能する。
【0039】
以上に説明したように本実施形態によれば、遊技者が貨幣を投入した状態で貸出釦17を押下して貸出操作を行ったことに応じて遊技媒体の払出中であるときに、遊技者が再遊技釦18を押下すると、その貸出操作が再遊技操作であったものとして再遊技媒体を払出し、記憶部25に記憶している金額情報を貸出釦17が押下される前の状態に戻すようにしたので、遊技者が本来は再遊技釦18を押下すべきところを誤って貸出釦17を押下してしまった場合であっても、その誤りに気付いて再遊技釦18を押下することで、その貸出操作が再遊技操作であったものとして遊技媒体を払出すことができる。
【0040】
又、再遊技媒体を遊技者に払出可能な獲得玉数情報が記憶部25に記憶されている状況で遊技者が貨幣を投入した場合には遊技者が金額情報に基づく遊技媒体の払出を希望していると考えられ、即ち、再遊技媒体を遊技者に払出可能な獲得玉数情報が記憶部25に記憶されている状況で行われた貸出操作は誤操作である可能性が低いので、獲得玉数情報に基づく遊技媒体の払出を禁止することで、実際の運用に合わせて獲得玉数情報に基づく遊技媒体の払出を禁止することができる。
【0041】
又、遊技者が誤って貸出操作を実行した場合にはその貸出操作による遊技媒体の払出が開始されたタイミングで誤りに気付くと考えられるので、遊技者が貸出操作を行ったことに応じて遊技媒体を払出している期間だけ再遊技釦18の押下を受付けるようにすることで、記憶部25に記憶している金額情報を貸出釦17が押下される前の状態に戻す処理を実行する期間を必要以上に設けることを回避することができる。
【0042】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
計数機の機能である計数部21と、CRユニットの機能である貨幣受付部27や貸出釦17とが別々に設けられ、計数部21を有する計数機と、貨幣受付部27や貸出釦17等を有するCRユニットとの間で特別付与処理を実行したことを示す信号(特別信号)を送受信することで、上記した実施形態と同様の機能を実現するようにしても良い。
【0043】
特別操作許容期間は、遊技者が貸出操作を行ったことに応じて遊技媒体の払出が開始されてから予め定められた数の玉が使用されるまでの期間であっても良い。即ち、遊技者に遊技価値を付与した後、予め定められた大きさの遊技価値が遊技者に使用されるまで特別操作の実行を許容するようにしても良い。この場合、予め定められた大きさの遊技価値が遊技者に使用された際には、その遊技価値の使用前に付与していた遊技価値については特別付与処理を実行しないことになる。払出された玉が使用されるまでの期間としては、例えばBサ(ベース中のアウト−セーフ)が「250玉」に到達するまでの期間である等、どのような期間であっても良い。又、この場合、特別操作は再遊技操作に限らない。即ち、特別操作許容期間が長くなると、特別操作許容期間において、貸出操作に基づく払出しを誤操作であるとして再遊技操作に基づく払出しに戻すことを希望しないにも関わらず、再遊技操作を行うことを希望することがあり得るが、その場合に特別操作と再遊技操作とが同じであると、新たな再遊技操作に基づく払出しを行うことができなくなる虞があるので、特別操作を再遊技操作と異ならせることで、新たな再遊技操作に基づく払出しを行うことができる。
【0044】
通常再遊技処理における再遊技操作に基づいて払出す遊技媒体の玉数は、最大で150玉(150玉未満であれば、その150玉未満の玉)に限らず、貸出操作に基づいて払出す遊技媒体の玉数と同数であっても良く、即ち、最大で125玉(125玉未満であれば、その125玉未満の玉)であっても良い。
【0045】
現金受付処理において、金額情報を記憶部25に記憶していないと判定した場合に、現金が投入されたか否かを判定することなく、現金投入を受付けないようにしても良い。
獲得玉情報が単位数以下であっても、貸出操作に基づく払出を再遊技操作に基づく払出に変更するようにしても良い。即ち、単位数以下の獲得玉情報に相当する玉数を再遊技操作に基づく払出とするようにしても良い。
【0046】
遊技機2はパロット(登録商標)やスロットマシンであっても良い。スロットマシンの場合であれば、遊技者が獲得したメダルをスロットマシン毎に計数することになる。
再遊技釦18とは別に、遊技者が特別操作を行うために押下可能な釦(特別釦)を設け、遊技者が貸出釦17を押下した後に特別釦を押下した場合に、貸出操作に基づく払出を再遊技操作に基づく払出に変更するようにしても良い。即ち、特別操作を任意に変更することが可能である。
【0047】
大当たり状態(特別遊技状態)が発生すると、大当たり状態では獲得遊技媒体が増えていき、この大当たり状態で遊技者が行う貸出操作は遊技者が金額情報に基づく払出を敢えて希望しているものである考えられるので、大当たり状態が発生した場合に、特別再遊技払出禁止フラグを「1」に設定しても良い。即ち、「遊技者により遊技価値が使用されることで遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機に対応した遊技場用システムであって、再遊技付与手段は、特別操作許容期間が経過しておらず且つ特別遊技状態が発生していない状況において、特別操作が実行されたことを条件として特別付与処理を実行する」としても良い。
【0048】
又、大当たりが発生した状態で持玉がなければ、遊技者が慌てて貸出操作を行うことが考えられるので、大当たり状態が発生してから所定期間が経過した場合に、特別再遊技払出禁止フラグを「1」に設定しても良い。即ち、「再遊技付与手段は、特別遊技状態が発生しているとしても、その特別遊技状態が発生してから所定期間が経過していない状況において特別操作が実行された場合に特別付与処理を実行する」としても良い。
【0049】
有価価値情報には、現金投入に基づく情報だけでなく所謂貯玉が含まれても良い。この場合、管理装置4にて会員毎の会員IDと対応付けられた貯玉口座(有価価値情報用口座に相当)が設けられ、会員IDを特定可能な会員カード30がカード挿入口20に挿入され、その会員カード30に記録されている会員IDがカードリーダ29により読取られた上で、その会員IDに対応する貯玉口座から貯玉を払出す払出操作(口座媒体操作)が実行された場合に、貯玉を払出すようにしても良い。その場合、当日に獲得した遊技媒体(当日玉)を貯玉として遊技場へと一旦預入れる場合と、当日に獲得した遊技媒体を貯玉として遊技場へと預入れることなく再遊技玉として再遊技する場合とについて、前者よりも後者の方が遊技者にとって有利である、即ち、遊技場へと一旦預入れた貯玉を払出す際には手数料が必要であることから、当日に獲得した遊技媒体を貯玉とするよりも再遊技玉とする方が遊技者にとって有利である。即ち、貯玉口座から貯玉を払出す操作が再遊技操作であったものとして、貯玉口座に預入れられている貯玉を、貯玉の払出操作を行う前の状態に戻すことで、遊技者にとっての利点を高めることができる。このような構成によれば、「有価価値情報に基づく遊技価値の付与よりも、獲得価値情報に基づく遊技価値の付与の方が遊技者にとって有利であることを条件として、有価付与操作が再遊技操作であったものとして、獲得価値情報を対価として遊技価値を付与している」ということも可能である。
【0050】
遊技価値を付与することには、遊技媒体そのものを遊技者に払出すものが含まれるだけでなく、クレジット等のようにデータとして使用可能な遊技媒体数を記憶していくものが含まれる。即ち、遊技者が使用可能な遊技媒体を仮想遊技媒体として貯留記憶する貯留記憶手段を備えた構成としても良い。例えば所定数の玉(封入玉)を内部に封入しておき、封入玉を発射位置から遊技領域に発射し、遊技領域を経た玉を再び回収して発射位置に導くことにより、封入玉を循環使用して所定の遊技を行う封入玉式遊技機内にて玉が循環する、又は遊技者に触れられることなく玉が循環することで遊技が進行する封入式遊技機に本発明を適用しても良い。この場合、有価価値情報と獲得価値情報とをそれぞれ記憶し、遊技者が有価付与操作及び再遊技操作の何れかを実行した場合に、対応した情報を封入式遊技機にて玉の発射に使用する情報に変換するものが考えられる。