特許第5654448号(P5654448)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノキア コーポレイションの特許一覧

<>
  • 特許5654448-エリアイベント対応標示 図000008
  • 特許5654448-エリアイベント対応標示 図000009
  • 特許5654448-エリアイベント対応標示 図000010
  • 特許5654448-エリアイベント対応標示 図000011
  • 特許5654448-エリアイベント対応標示 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5654448
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】エリアイベント対応標示
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/42 20060101AFI20141218BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   H04M3/42 U
   H04M1/00 R
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-504490(P2011-504490)
(86)(22)【出願日】2009年3月25日
(65)【公表番号】特表2011-521516(P2011-521516A)
(43)【公表日】2011年7月21日
(86)【国際出願番号】FI2009050222
(87)【国際公開番号】WO2009127776
(87)【国際公開日】20091022
【審査請求日】2010年11月5日
【審判番号】不服2013-9487(P2013-9487/J1)
【審判請求日】2013年5月23日
(31)【優先権主張番号】61/045,531
(32)【優先日】2008年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】398012616
【氏名又は名称】ノキア コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】ハリバーラ イスモ
(72)【発明者】
【氏名】セッパラ マルッタ
【合議体】
【審判長】 田中 庸介
【審判官】 山中 実
【審判官】 山本 章裕
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/052400(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/42, H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロケーションサービスの提供に用いられるサーバの動作方法であって、
エリア形状性能インジケータを端末から受信することと、
エリアイベントに関連付けられた形状に前記端末が対応するか否かを、前記受信したエリア形状性能インジケータに基いて判断することと、
前記形状に対応するという判断に応じて前記端末に、前記形状に基づくエリアイベント要求を送信することと、
前記形状に対応しないという判断に応じて、前記形状前記端末が対応する形状に変換すると共に、前記変換した形状に基づくエリアイベント要求を、前記端末に送信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記端末は、セキュアユーザプレーンロケーション(Secure User Plane Location; SUPL)対応端末である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エリア形状性能インジケータは、地理的ターゲットエリア形状パラメータを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ロケーションサービスの提供において用いられるサーバの処理手段実行されると、請求項1ないしのいずれか一項に記載の方法を前記サーバに実行させるコンピュータコードを備える、コンピュータプログラム。
【請求項5】
ロケーションサービスの提供に用いられるサーバであって、
エリア形状性能インジケータを端末から受信する手段と、
エリアイベントに関連付けられた形状に前記端末が対応するか否かを判断する手段と、
前記形状に対応するという判断に応じて前記端末に、前記形状に基づくエリアイベント要求を送信する手段と、
前記形状に対応しないという判断に応じて、前記形状前記端末が対応する形状に変換すると共に、前記変換した形状に基づくエリアイベント要求を、前記端末に送信する手段と、
を備える、装置。
【請求項6】
前記端末は、セキュアユーザプレーンロケーション対応端末である、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記エリア形状性能インジケータは、地理的ターゲットエリア形状パラメータを含む、請求項5または6に記載の装置。
【請求項8】
ロケーションサービスの提供に用いられるサーバと、エリアイベントをトリガする端末とを有するシステムであって、
前記端末は、前記サーバへ、エリア形状性能インジケータを伝送する手段を備え
前記サーバは、
前記エリア形状性能インジケータを前記端末から受信する手段と、
エリアイベントに関連付けられた形状に前記端末が対応するか否かを判断する手段と、
・ 前記形状に対応するという判断に応じて前記端末に、前記形状に基づくエリアイベント要求を送信する手段と、
・ 前記形状に対応しないという判断に応じて、前記形状前記端末が対応する形状に変換すると共に、前記変換した形状に基づくエリアイベント要求を、前記端末に送信する手段と、
を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、モバイル機器ロケーションサービスの分野に関する。より具体的には、本発明は、ロケーションプロトコルに関するエリアイベントのトリガのため端末が対応するエリア形状の種類を標示することに関する。
【背景】
【0002】
本節は、請求項に列挙する本発明に背景または内容を提供する。本節における説明は、追求され得る概念を含んでいるが、必ずしも過去に着想または追求された概念であるとは限らない。したがって、本明細書において別途明示されない限り、本節に説明するものは、本出願における説明および請求項に対する従来技術ではなく、本節に含めることによって従来技術であると認めるものではない。
【0003】
種々のロケーションプロトコルは、例えば、携帯電話機または他のセルラー端末の位置を決めるように規定されている。各セルラーシステムまたはモバイルネットワーク型は、一般に、独自のロケーションプロトコルを利用する。例えば、モバイル通信用途グローバルシステム(Global System for Mobile Communications; GSM)のシステムは、無線リソース用ロケーションサービスプロトコル(Radio Resource Location Services Protocol; RRLP)と呼ばれるプロトコルを利用することができる。広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access; WCDMA)ネットワークは、無線リソース制御(Radio Resource Control; RRC)と呼ばれるプロトコルを利用することができる。CDMAネットワークは、米国電気通信産業協会-801(Telecommunications Industry Association-801; TIA-801)と呼ばれるプロトコルを利用することができる。
【0004】
これらの制御プレーンプロトコルに加え、オープンモバイルアライアンス(Open Mobile Alliance; OMA)標準化機構は、セキュアユーザプレーンロケーション(Secure User Plane Location; SUPL)と呼ばれ得るスキームを導入している。SUPLは、ユーザプレーンデータベアラを利用して、位置情報の転送を提供することができる。加えて、SUPLは、ユーザプレーンデータベアラを利用して、SUPL対応端末(SUPL enabled terminal; SET)とSETが動作するネットワークとの間で測位技術関連プロトコルを搬送することができる。位置情報は、SETの位置を計算するために利用可能である。
【0005】
これらのプロトコルの多くは、例えば、測位報告があるイベントに基づいてトリガされる「トリガ測位」と一般に呼ばれるものに対応する。これらのイベントは、例えば、タイマー、無線測定、ユーザ位置の全て、あるいはそのいずれかに基づくことができる。ユーザ位置イベントは、一般に、2つのカテゴリに分類される。第1の位置イベントの種類には、端末の位置がある規定の制限を超えて変更した時のシナリオが含まれる。別の種類の位置イベントは、ある地理的エリアに関連付けられるか、あるいは関連することが可能である。これらのユーザ位置イベントは、一般に、エリアイベントトリガに関連する一定の基準を満たす場合にトリガされ、エリアイベントトリガが基づく種々の種類のエリアを規定することが可能である。例えば、ユーザ位置イベントは、例えば、ユーザがあるエリアを出入りする場合にトリガされることが可能であり、これらのエリアは、異なる形状によって表現可能である。種々の標準規格またはプロトコルにおいて従来利用されている形状には、例えば、円形(中心点、座標、半径により定義される)、楕円形(中心、長半径、短半径、および配向角により定義される)、および多角形(多角形の頂点の座標により定義される)が含まれる。
【0006】
また、エリアは、特定の都市内の一定の数のブロック等の、より大きな地理的エリアの所定の部分の群によって規定されることも可能である。加えて、トリガは、ユーザによる特定のエリアへの進入時または特定のエリアからの退出時のいずれかに起動するように設定可能である。上述のように、トリガの起動は、一定のトリガ関連基準を満たす場合に発生する。トリガの起動時に、他の何らかの行動またはイベントがトリガされる。例えば、トリガ測位は、ユーザに対するリマインダを開始するために使用可能であり、例えば、デパートへの入店時に、新しい傘の購入をユーザにリマインドする通知がユーザに送信または表示される。
【0007】
上述のように、OMA SUPL等の標準規格によって、ロケーションサーバは、端末がエリアイベントをトリガするために、いくつかの種類のエリア形状(例えば、円形、楕円形、多角形)を規定することが可能になる。しかしながら、従来の標準規格またはプロトコルでは、端末に対応する形状またはロケーションサーバもしくは端末に好適な形状を端末が標示することを可能にするシステムまたは方法は存在しない。さらに、上記標準規格またはプロトコルは、特定されていない優先順位を含む状況に対処しない。さらに、標準規格またはプロトコルは、一定のエリアイベントパラメータを規定するが、これらのエリアイベントパラメータの適切な使用について十分規定されていない。
【発明の概要】
【0008】
端末がエリア形状性能標示をロケーションサーバに送信することを可能にする種々の実施形態について説明する。使用事例シナリオに応じて、ロケーションサーバは、エリアイベント要求を端末に送信する前に、以下の動作のうちの少なくとも1つを実行することができる。ロケーションサーバは、要求エンティティが許可し、かつ端末が対応する形状を選択することができる。代替として、ロケーションサーバは、要求された形状に端末が対応しない場合、ある近似機能によって、要求された形状を対応する形状に変換することができる。さらに、ロケーションサーバは、要求(許可)された形状のいずれにも端末が対応しない場合、セッションを終了することを選択することができる。異なる優先順位が、種々のエリア形状に割り当てまたは関連付けられることにも留意されたい。
【0009】
種々の実施形態によると、ロケーションサーバは、端末がどのエリア形状に対応するかを判断し、使用事例シナリオ毎に最良「適合」するものを選択することができる。加えて、上述するエリアイベント特徴により、ロケーションサーバは、エリアイベントが正確にトリガされることを確認することができる。さらに、異なるセグメントにおける端末は、異なる種類のエリア形状に対応することができる。例えば、低カテゴリかつ低消費電力指向、あるいはそのいずれかの端末は、計算的に要求の少ない形状に対応することができ、一方、より機能豊富な端末は、より複雑な形状に対応することができる。
【0010】
本発明の種々の実施形態に関するこれらの利点および特徴、ならびに他の利点および特徴と、その動作の機構および方式とは、添付の図面を併用して、以下の発明を実施するための形態によって明確にされている。添付の図面では、後述のいくつかの図面における同一要素は、同一の数表示で示されている
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の実施形態について、添付の図面を参照することによって説明する。
図1】種々の実施形態に従うシグナリングシーケンスのグラフ表現である。
図2】種々の実施形態に従って実行される動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の種々の実施形態がその内部に実装され得るシステムの概略図である。
図4】本発明の種々の実施形態の実装とともに使用可能である電子機器の斜視図である。
図5図4の電子機器に含まれ得る回路の略図である。
【詳細な説明】
【0012】
本明細書に説明する種々の実施形態は、エリア形状性能をロケーションサーバに標示するシステムおよび方法を提供する。種々の実施形態は、OMA SUPLプロトコルに関連して後述されるが、異なるロケーション標準規格またはプロトコル、例えば、OMA動きロケーションプロトコル(Motion Location Protocol ; MLP)を利用する他のシステムまたはネットワークにおいて、種々の実施形態を実装してもよいことに留意されたい。
【0013】
種々の実施形態によると、端末は、エリア形状性能標示をロケーションサーバに送信する。使用事例シナリオに応じて、ロケーションサーバは、エリアイベント要求を端末に送信する前に、以下の動作のうちの少なくとも1つを実行することができる。ロケーションサーバは、要求エンティティが許可し、かつ端末が対応する形状を選択することができる。代替として、ロケーションサーバは、要求された形状に端末が対応しない場合、ある近似機能によって、要求された形状を対応する形状に変換することができる。さらに、ロケーションサーバは、要求された(許可された)形状のいずれにも端末が対応しない場合、セッションを終了することを選択することができる。異なる優先順位、端末がエリア形状性能標示を送る前に種々のエリア形状に割り当てもしくは関連付けられることが可能であるか、または本明細書において静的に規定されることが可能であることに留意されたい。例えば、形状(例えば、円形、楕円形、多角形)のうちの1つは、好適な形状または少なくとも対応する必要のあるデフォルト形状であってもよく、その形状について位置情報に基づいたトリガを規定することができる。
【0014】
SUPLセッションは、SETまたはネットワークによって始動可能である。OMA SUPLプロトコルに関連する場合、種々の実施形態は、図1に示すように実装可能であり、図1は、SUPLエージェント100、SUPLエージェントが関連付けられるホームSUPLロケーションプラットフォーム(Home SUPL Location Platform; H-SLP)110、およびターゲットSUPL対応端末(SUPL enabled terminal; SET)120の間のメッセージのシグナリングシーケンスのグラフ表現である。ネットワーク始動サービスが、SUPLネットワーク内から生じるサービスであることに留意されたい。また、ネットワーク始動サービスでは、SUPLエージェント100がネットワークに存在し、そのネットワークにおいて、SUPLエージェント100が、ネットワークリソースにアクセスして位置情報を入手する1つ以上のサービスアクセスポイントを指すことにも留意されたい。
【0015】
加えて、ネットワーク始動サービスでは、SUPLロケーションプラットフォーム(SUPL location platform; SLP)およびSETは、種々の機能・メッセージングの両方あるいは一方に対応することができ、その機能・メッセージングの両方あるいは一方には、例えば、SUPL INIT、すなわち、SETとのSUPLセッションを始動するためにSLPが使用するメッセージであって、セッションID、測位方法、SLPモード情報、およびトリガの種類(例えば、特定のエリアイベントに関連付けられる)を含むことが可能であるメッセージと、SUPL POS INIT、すなわち、SLPとの測位プロトコルセッションを始動する際にSETにより使用可能であるメッセージであって、セッションID、位置識別子(lid)、およびSET性能情報(例えば、対応するエリア形状を標示する)を含むことが可能であるメッセージとが含まれる。追加の機能性およびメッセージングには、例えば、SUPL POS、すなわち、測位手順を交換するためにSLPとSETとの間で使用可能であるメッセージであって、セッションID情報および測位プロセスメッセージを含むことが可能であるメッセージ、例えば、RRLP/RRC/TIA-801メッセージと、SUPL REPORTメッセージ、すなわち、測位結果または報告を送信可能であるメッセージであって、セッションIDおよび位置情報を含むメッセージと、SUPL END、すなわち、既存のSUPLセッションを終了させるためのメッセージであって、セッションID情報を含むメッセージとが含まれることが可能であり、また対応する。さらに、機能・方法の両方あるいは一方には、例えば、SUPL TRIGGERED START、すなわち、SET性能情報要素(IE)を含んで送信され、かつセッションID、lid、およびバージョン情報を含むことが可能であるメッセージと、SUPL TRIGGERED RESPONSE、すなわち、エリアイベントパラメータIEに含まれるトリガパラメータを含んで応答するためのメッセージであって、地理的ターゲット情報(以下に詳述する)を含むメッセージとが含まれることが可能である。SLPが、SUPLサービス管理および測位判断を担うことが可能であるネットワークエンティティであることに留意されたい。
【0016】
図1に示すように、130において、モバイルロケーションプラットフォーム−トリガ位置報告要求(MLP TLRR)メッセージがSUPLエージェント100からH-SLP110に送信され、このメッセージは、例えば、ms-id(ターゲットSET120の測位を標示する)、client-id(要求クライアントを標示する)、およびqop(例えば、クライアントから要求される測位の質または精度を標示する)を含む。132において、H-SLP110は、SET探索およびルーティング情報プロセスを実行する。134において、SUPL INITメッセージが、ターゲットSET120に送信される。136において、ターゲットSET120は、データ接続設定を実行する。138において、SUPL TRIGGERED STARTメッセージが送信される。上述のように、SUPL TRIGGERED STARTメッセージは、SET性能IEを含んで送信される。種々の実施形態によると、「地理的ターゲットエリア形状」と呼ばれ得るパラメータが、SET性能IEのエリアイベント性能情報に追加される。本パラメータは、SET、例えばターゲットSET120が対応する地理的ターゲットエリア形状を以下のように規定する。
ASN.1に規定される新しいパラメータ:
GeoAreaShapesSupported ::= SEQUENCE {
circularArea BOOLEAN,
ellipticalArea BOOLEAN,
polygonArea BOOLEAN,
…}
代替として、例えば、標準規格において円形をサポートすることが必須であると規定される場合、パラメータは以下のようになってもよい。
GeoAreaShapesSupported ::= SEQUENCE {
ellipticalArea BOOLEAN,
polygonArea BOOLEAN,
…}
【0017】
140において、SUPL TRIGGERED RESPONSEメッセージが、エリアイベントパラメータIEに含まれるトリガパラメータを含んで送信され、このメッセージは、地理的ターゲットエリア規定を含む。例えば、円形エリアが、必須な形状として規定されてもよい。円形エリアに関連する計算負荷が低いため、これは、対応する主要形状として「当然の」選択である。しかしながら、前述のように、種々の実施形態が、円形を利用することに限定されず、例えば、楕円形、多角形等との使用に実装可能であることに留意されたい。142において、要求されたIDパラメータを含むMLPトリガ位置報告回答(TLRA)が、H-SLP110からSUPLエージェント100に送信される。144において、SUPL POS INITメッセージがH-SLP110から送信され、146において、SUPL POSメッセージングが、H-SLP110とターゲットSET120との間で発生する。148において、SUPL REPORTがH-SLP110から送信され、150において、ターゲットSET120は、任意のエリアイベントを確認する。152において、ターゲットSET120は、SUPL REPORTをH-SLP110に返送し、154において、H-SLP110は、計算されたreq_idおよびposresult情報を含むMLPトリガ位置報告(MLP Triggered Location Report; TLREP)メッセージをSUPLエージェント110に送信する。156において、追加のメッセージングが、発生および繰り返されてもよく、158において、SUPL ENDメッセージが、H-SLP 110からターゲットSET120に送信される。
【0018】
表1および表2は、OMA SUPLシグナリングに対する上述の修正を示す。例えば、表1は、地理的ターゲットエリア形状情報をSET性能パラメータに含めることを示す。表2は、エリアイベントトリガパラメータの構造について説明し、これは、トリガタイプパラメータがエリアイベントに設定される場合に必要とされてもよい。例えば、表2は、例えば、円形が、楕円形および多角形のエリア形状よりも優先されることを示す。

[表1]
[表2]

【0019】
種々の実施形態によると、図2は、例えば、端末からロケーションサーバに送信可能であるエリア形状性能情報の使用を達成するために実行される動作を示す。200において、ロケーションサーバの観点から、エリア形状性能インジケータが、例えば、SET等の端末から受信される。210において、使用事例シナリオに応じて、ロケーションサーバは、要求された形状にSETが少なくとも対応するか否かを判断することができる。要求された形状が、許可され、かつ対応する場合、220において、その要求された形状が選択される。要求された形状にSETが対応しない場合、230において、ロケーションサーバは、要求された形状を、ある近似機能によって、対応する形状に変換することができる。さらに、240において、ロケーションサーバは、要求(許可)された形状のいずれにもSETが対応しない場合に、セッションを終了することを選択することができる。250において、要求された形状が選択または変換される場合、前述のように選択されるか、または対応する形状に変換される要求された形状に基づいて、エリアイベント要求が、SETに送信される。
【0020】
種々の実施形態によると、ロケーションサーバは、端末がどのエリア形状に対応するかを判断し、使用事例シナリオ毎に最良「適合」するものを選択することができる。加えて、上述するエリアイベントの特徴により、ロケーションサーバは、エリアイベントが正確にトリガされることを確認することができる。さらに、異なるセグメントの端末は、異なる種類のエリア形状に対応することができる。例えば、低カテゴリかつ低消費電力指向、あるいはそのいずれかの端末は、計算的に要求の少ない形状に対応することができ、一方、より機能豊富な端末は、より複雑な形状に対応することができる。またさらに、ロケーションサーバは、端末がどの形状に対応するかを認識していることから、要求された形状を対応する形状に変換する変形機能を提供してもよい。
【0021】
図3は、本発明の種々の実施形態が利用可能であり得るシステム10を示し、このシステムは、1つ以上のネットワークを介して通信可能である複数の通信機器を備える。システム10は、携帯電話機ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(Local Area Network; LAN)、Bluetoothパーソナルエリアネットワーク、イーサネットLAN、トークンリングLAN、広域ネットワーク、インターネット等を含むがこれらに限定されない有線ネットワークまたは無線ネットワークの任意の組み合わせを備えてもよい。システム10は、有線および無線の両方の通信機器を含んでもよい。
【0022】
例示のために、図3に示すシステム10は、携帯電話機ネットワーク11およびインターネット28を含む。インターネット28に対する接続性には、長距離無線接続、短距離無線接続、ならびに種々の有線接続が含まれるが、これらに限定されない。種々の有線接続には、電話線、ケーブル線、電力線、およびその同等物を含むがこれらに限定されない。
【0023】
システム10の例示的通信機器には、携帯電話機形式の電子機器12、携帯情報端末(personal digital assistant; PDA)および携帯電話機14の組み合わせ、PDA16、一体型メッセージング機器(Integrated Messaging Device; IMD)18、デスクトップ型コンピュータ20、ノート型コンピュータ22等が含まれるが、これらに限定されない。通信機器は、固定型または移動中の個人によって持ち運ばれるような携帯型であってもよい。また、通信機器は、自動車、トラック、タクシー、バス、電車、ボート、飛行機、自転車、バイク等を含むが、これらに限定されない輸送手段に位置してもよい。通信機器の一部または全部は、信号およびメッセージを送受信してもよく、無線接続25から基地局24を介してサービスプロバイダと通信してもよい。基地局24は、携帯電話機ネットワーク11とインターネット28と間の通信を可能にするネットワークサーバ26に接続されてもよい。システム10は、追加の通信機器および異なる型の通信機器を含んでもよい。
【0024】
通信機器は、種々の伝送技術を使用して通信してもよく、この通信技術には、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access; CDMA)、モバイル通信のためのグローバルシステム(Global System for Mobile Communications; GSM)、ユニバーサルモバイル通信システム(Universal Mobile Telecommunications System; UMTS)、時分割多元接続(Time Division Multiple Access; TDMA)、周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access; FDMA)、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(Transmission Control Protocol/Internet Protocol; TCP/IP)、ショートメッセージサービス(Short Messaging Service; SMS)、マルチメディアメッセージサービス(Multimedia Messaging Service; MMS)、電子メール、インスタントメッセージサービス(Instant Messaging Service; IMS)、Bluetooth、IEEE 802.11等が含まれるが、これらに限定されない。本発明の種々の実施形態の実装に関与する通信機器は、無線接続、赤外線接続、レーザ接続、ケーブル接続、およびその同等物を含むが、これらに限定されない種々の媒体を使用して通信してもよい。
【0025】
図4および図5は、本発明が実装され得る1つの代表的な電子機器12を示す。しかしながら、本発明が、1つの特定の型の機器に限定されるように意図されないことを留意されたい。図4および図5の電子機器12は、筺体30、液晶ディスプレイ形式のディスプレイ32、キーパッド34、マイクロホン36、イヤホン38、バッテリ40、赤外線ポート42、アンテナ44、本発明の一実施形態に従うUICC形式のスマートカード46、カード読み取り器48、無線インターフェース回路52、コーデック回路54、制御器56、およびメモリ58を含む。個々の回路および要素は、全て、当技術分野において周知の型を含む。
【0026】
本明細書において説明する種々の実施形態は、方法ステップまたはプロセスの一般的な内容において説明され、これは、ネットワーク環境におけるコンピュータにより実行されるプログラムコード等の、コンピュータにより実行可能な命令を含むコンピュータ可読媒体において具現化されるコンピュータ製品によって、一実施形態において実装されてもよい。コンピュータ可読媒体は、読み取り専用メモリ(Read Only Memory; ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory; RAM)、コンパクトディスク(compact disc; CD)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disc; DVD)等を含むが、これらに限定されない着脱式および非着脱式ストレージ機器を含んでもよい。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーティン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造等を含んでいる。コンピュータにより実行可能な命令、関連のデータ構造、およびプログラムモジュールは、本明細書に開示する方法のステップを実行するためのプログラムコードの例を表す。特定の一連のこのような実行可能な命令または関連のデータ構造は、このようなステップまたはプロセスにおいて説明する機能を実装するための対応する動作の例を表す。
【0027】
本発明の実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、アプリケーション論理、またはソフトウェア、ハードウェア、およびアプリケーション論理の組み合わせに対して実装されてもよい。ソフトウェア、アプリケーション論理、ハードウェアの全て、あるいはそのいずれかは、チップセット、モバイル機器、デスクトップ、ラップトップ、またはサーバ上に存在してもよい。種々の実施形態のソフトウェアおよびウェブ実装は、種々のデータベース検索ステップまたはプロセス、相関ステップまたはプロセス、比較ステップまたはプロセス、ならびに決定ステップまたはプロセスを達成するために、法則に基づく論理および他の論理を含む標準的なプログラミング技法により達成可能である。また、種々の実施形態は、ネットワーク要素またはモジュール内において全体的または部分的に実装されてもよい。本明細書および以下の請求項で使用する際、単語の「構成要素」および「モジュール」は、1つ以上の種類のソフトウェアコード、ハードウェア実装、手動入力を受信するための装置を使用する実装の全て、あるいはそのいずれかを包含するように意図されることに留意されたい。
【0028】
前述の例において説明する個々の具体的な構造は、以下の請求項において説明する具体的な機能を実行するための手段の代表的な構造を構成するように理解されるべきであるが、用語の「手段」を請求項で使用しない場合、請求項における制限が、「ミーンズプラスファンクションクレーム」の制限を構成するものとして解釈されるべきではない。加えて、前述の説明における用語の「ステップ」の使用は、請求項における任意の具体的な制限を、「ステッププラスファンクションクレーム」制限を構成するものとして解釈するように使用されるべきではない。交付済みの特許、特許出願、および非特許出版物を含む個々の参考文献について本明細書に説明するか、あるいは述べている範囲において、このような参考文献は、以下の請求項の範囲を制限するものとして意図されず、解釈されるべきではない。
【0029】
実施形態に関する前述の説明は、例示目的および説明目的のために提示されている。前述の説明は、包括的であるように、または開示される厳密な形式に本発明の実施形態を限定するように意図されず、また、上記教示を考慮した修正および変形が可能であるか、または、これらの修正および変形は、種々の実施形態の実践により入手されてもよい。本明細書において論じられる実施形態は、種々の実施形態およびその実用的な用途に関する原理および性質を説明して、種々の実施形態における本発明および想定される特定の使用に適合する種々の修正を有する本発明を当業者が利用できるように、選択および説明されている。本明細書に説明する実施形態の特徴は、方法、装置、モジュール、システム、およびコンピュータプログラム製品の全ての可能な組み合わせで組み合わせられてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5