特許第5654461号(P5654461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5654461細胞内有用成分を選択的に抽出および分離するための、噴霧法と減圧の組合せによる、植物または動物原料の細胞破砕
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  • 特許5654461-細胞内有用成分を選択的に抽出および分離するための、噴霧法と減圧の組合せによる、植物または動物原料の細胞破砕 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5654461
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】細胞内有用成分を選択的に抽出および分離するための、噴霧法と減圧の組合せによる、植物または動物原料の細胞破砕
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/06 20060101AFI20141218BHJP
【FI】
   C12N1/06
【請求項の数】16
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-521478(P2011-521478)
(86)(22)【出願日】2009年8月6日
(65)【公表番号】特表2011-529694(P2011-529694A)
(43)【公表日】2011年12月15日
(86)【国際出願番号】EP2009005689
(87)【国際公開番号】WO2010015398
(87)【国際公開日】20100211
【審査請求日】2012年6月27日
(31)【優先権主張番号】102008036723.0
(32)【優先日】2008年8月7日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505180243
【氏名又は名称】ウーデ・ハイ・プレッシャー・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】ディールケス・ヘリベルト
(72)【発明者】
【氏名】シュタインハーゲン・フォルクマー
(72)【発明者】
【氏名】ボルク・ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】リュートゲ・クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】クネツ・ツェリコ
【審査官】 櫛引 明佳
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第91/001367(WO,A1)
【文献】 特開昭62−285777(JP,A)
【文献】 特開2006−187231(JP,A)
【文献】 特開昭62−095101(JP,A)
【文献】 特開昭56−020548(JP,A)
【文献】 特開2006−129716(JP,A)
【文献】 米国特許第05306637(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
C12N 1/00
C12M 1/00
B01D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力負荷、噴霧および減圧の組合せと、それに続く細胞内有用成分の選択的抽出および分離による、生物由来の懸濁された原料の細胞破砕方法であって、
a)生物由来の原料からなる懸濁液用の受け器として使用される少なくとも1つの貯蔵容器を提供すること、および
b)溶媒用の受け器として使用される少なくとも1つの別の貯蔵容器を提供すること、続いて、
c)以下:
− 生物由来の原料からなる懸濁液を、増圧装置を用いて100〜2500barの圧力とすること、
− 溶媒を増圧装置を用いて100〜2500barの圧力とすること、
− 溶媒および懸濁液を100〜2500barの圧力下で輸送管内で一緒にし、混合して溶液混合物にすること、および
− 溶液混合物を、100〜2500barの圧力下および10〜90℃の温度下で、少なくとも1つのノズルを介して、より低い圧力を有する細胞破砕用ユニットへ噴霧すること、
によって、細胞破砕のためのユニット中で細胞抽出物調製すること、および細胞抽出物の調製と同時に、細胞抽出物に抽出用溶媒を貫流させることにより抽出を行うこと、続いて
d)分離ステップにおいて圧力降下させる中、細胞有用成分を含む気体細胞有用成分から分離すること
を特徴とする方法。
【請求項2】
生物由来の原料からなる懸濁液と混合される溶媒が、エタン、プロパン、ブタン、二酸化炭素、笑気、エチレン、プロピレン、ブチレンジメチルエーテル、六フッ化硫黄、R134a、R125、R32、R141b、フロンおよびそれらの混合物を含む群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
生物由来の原料からなる懸濁液と混合される溶媒が、炭化水素ではない超臨界流体であることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一つに記載の方法。
【請求項4】
生物由来の原料からなる懸濁液を、噴霧の前に溶媒で飽和させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
生物由来の原料からなる懸濁液を、噴霧の前に溶媒で過飽和させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
使用された溶媒が回収され、そして溶媒用貯蔵容器に返送されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
懸濁液を生成する前に、洗浄、ろ過、細砕、粉砕またはふるい分けにより生物由来の原料を前処理することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
圧力負荷、噴霧および減圧の組合せによる、生物由来の懸濁された原料の細胞破砕のための方法が、高圧ホモジナイザー、ボールミル、超音波ホモジナイザー、フレンチプレスおよび衝突噴流装置(Prallstrahlapparaturen)による細胞破砕を含む機械的方法の群から選ばれる別の破砕方法と組み合わされることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
圧力負荷、噴霧および減圧の組合せによる、生物由来の懸濁された原料の細胞破砕のための方法が、抗生物質、キレート剤、カオトロピック剤、界面活性剤による細胞破砕およびアルカリ処理を含む化学的方法の群から選ばれる別の破砕方法と組み合わされることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
圧力負荷、噴霧および減圧の組合せによる、生物由来の懸濁された原料の細胞破砕のための方法が、酵素、ファージまたは自己分解による細胞破砕を含む生物学的方法の群から選ばれる別の破砕方法と組み合わされることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
圧力負荷、噴霧および減圧の組合せによる、生物由来の懸濁された原料の細胞破砕のための方法が、凍結と融解、熱分解または減圧による細胞破砕を含む物理的方法の群から選ばれる別の破砕方法と組み合わされることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
使用される生物由来の懸濁された原料が藻類であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】
生物由来の懸濁された原料中に含まれるカロテノイド類の細胞有用成分が抽出されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
生物由来の懸濁された原料中に含まれる細胞有用成分アスタキサンチンが抽出されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
生物由来の懸濁された原料中に含まれる、脂肪および油の物質クラスの細胞有用成分が抽出されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
生物由来の懸濁された原料に対する溶媒の割合が1〜90kg/kgの範囲にあることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、得られた成分を続いて選択的に抽出および分離するために、細胞の減圧と組み合わせた噴霧法による植物または動物原料の細胞破砕方法に関する。
【背景技術】
【0002】
これに関連して、公知の機械的細胞破砕法には、一方では、大抵は高圧下で行なわれる回転刃を用いたホモジナイズ、攪拌型ボールミル内での破砕、サンプルを高圧下で狭い開口部を通すプレス、さらには超音波ホモジナイザーを用いた方法もある。
【0003】
上に挙げた機械的方法の欠点は、摩擦のため細胞にせん断力が作用し、これが優勢となると高速では熱が発生し、その結果、高温が生じることである。これは、生成する細胞抽出物の成分に有害な影響を与えるおそれがある。
【0004】
より優しい方法は、細胞の物理的減圧である。ここではヘンリーの法則に従い、ガス圧がより高いと細胞内の懸濁ガスが濃縮され、突然の圧力軽減により細胞膜が破裂する。これは、溶解された気体が十分素早く流出できず、次第に大きくなるガス泡の形で細胞内で起泡することによって起こる。このため、細胞が破裂し細胞内容物が放出されるまで、細胞に作用する機械的負荷が増加する。
【0005】
減圧法の欠点は、とりわけ、比較的簡単に破砕できる細胞しか効率よく破砕できないことであり、そのため、酵素の使用といった非機械的破砕法の追加的な適用が必要となる。またそうすると大規模の破砕法が割に合わなくなる。
【0006】
従来技術によると、抽出は超臨界流体によって行なわれる。超臨界流体とは、純物質のそれぞれの相図で定義される臨界温度および臨界圧力より高い温度、圧力で存在する気体または液体と理解される。利点は、超臨界領域においては難溶性物質の溶解度が上昇することにある。その上、圧力または温度の変化を介してさらに溶解度を制御することができる。一例は、国際公開第2008/05537号(A1)(特許文献1)に記載されるように、超臨界二酸化炭素を用いた、チャノキの脱カフェイン法である。しかし、例えば、超臨界二酸化炭素または超臨界プロパンによる、油、ショウガ、黒コショウ、またはチリパウダーの抽出といった、化学工業および食品工業における別の適用も確立されている。
【0007】
さらに、国際公開第2008/061716号(A1)(特許文献2)は、抽出法のさらなる改善を記載し、そこでは、圧力をさらに上げることなく溶解度をさらに上昇させるために通常使用される共沸剤が省略される。
【0008】
欧州特許第0941140号(B1)(特許文献3)では、超臨界状態または臨界状態に近い状態にある二酸化炭素を用いた、発酵培地からの様々な生成物の抽出が記載されている。この特許に記載される抽出は、水ベースの懸濁液を前提とする。細胞破砕と物質の抽出の同時実施についてのいかなる示唆もない。超臨界状態または臨界状態に近い状態にある溶媒は二酸化炭素であるため、水に対して比較的良好な溶解度を示し、含水量の高い抽出物が得られると予想される。その上、選択された抽出温度が比較的高いため、抽出された物質と水との様々な加水分解反応が起こり得る。
【0009】
米国特許第5,306,637号(特許文献4)は、酵素による可溶化を、後に続く突然の緩和と結合した細胞破砕法を記載しているが、この緩和によって細胞が破裂し、細胞内に含まれている有用成分が効率的に放出される。ただし、使用される圧力が低いため、長い飽和時間が予想される。この発明は、微生物細胞を破砕するために、並びにタンパク質または核酸といった細胞内構成要素を抽出するために、超臨界状態または超臨界状態に近い状態にある二酸化炭素を利用し、この二酸化炭素には任意選択で、硫黄酸化物、一酸化窒素、過酸化水素、エタノールといった共沸剤、またはこれらの共沸剤の混合物が加えられる。タンパク質または核酸の単離は、使用される気体中でのこれらの物質の溶解性に基づくのではなく、懸濁液からのこれらの物質の沈殿に基づく。この場合、気体混合物の回収がきわめて困難であるため、そこに記載される方法は工業的規模では利用されない。
【0010】
国際公開第91/01367号(特許文献5)では、まず、気体として存在し、かつ臨界温度が0〜100℃にある一溶媒を選択する。この溶媒を、その溶媒の臨界圧力に近いかそれよりも高い圧力、および各溶媒の臨界温度に近い温度にする。続いて、この溶媒を細胞材料の懸濁液と混合して、記載の条件下において細胞を溶媒で飽和させる。次のステップで圧力を下げると、細胞膜が部分的に破壊され、細胞構成要素が放出される。その後、破砕された細胞材料を第2のタンクに投入する。しかし、従来技術から公知であるように、このようにして溶解されるべき放出されたタンパク質および核酸は、超臨界状態または臨界状態に近い状態にある溶媒に対する溶解性がきわめて低いと予想される。
【0011】
したがって、従来技術に見られる細胞破砕法の絶えざる改善にもかかわらず、単離されるべき物質の相当な残滓が依然として細胞抽出物中に残っていると結論される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2008/05537号(A1)
【特許文献2】国際公開第2008/061716号(A1)
【特許文献3】欧州特許第0941140号(B1)
【特許文献4】米国特許第5,306,637号
【特許文献5】国際公開第91/01367号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、現行の方法を改善することによって、細胞抽出物に由来する所望の難溶性細胞内有用成分を、超臨界溶媒または臨界状態に近い状態にある溶媒中で最大限の収率および純度で得る必要性が依然としてあり、本明細書に記載する発明はそれを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、圧力負荷、噴霧および減圧の組合せと、それに続く細胞内有用成分の選択的抽出および分離により、生物由来の懸濁された原料を細胞破砕するための本発明による方法によって解決され、ここでは少なくとも1つの貯蔵容器が、生物由来の原料からなる懸濁液用の受け器として使用され、少なくとも1つの別の貯蔵容器が溶媒用の受け器として使用され、細胞破砕するためのユニット内で細胞抽出物が調製され、続いて抽出ステップでは細胞抽出物を気体が貫流し、分離ステップでは圧力降下の下で、細胞有用成分を含む気体が細胞有用成分から分離される。その際、生物由来の原料からなる懸濁液は、増圧装置を用いて圧力100〜2500barにされ、溶媒も同じく増圧装置を用いて圧力100〜2500barにされ、その後、溶媒と懸濁液を100〜2500barの圧力下にある輸送管内を一緒に案内し、混合して溶液混合物にした後、溶液混合物を、少なくとも1つのノズルを通して100〜2500barの圧力下および10〜90℃の温度下で、圧力がより低い容器内へ噴霧する。この方法により、生物由来の懸濁された原料の細胞破砕と細胞有用成分の溶解とが同時に行なわれるようになる。
【0015】
ここで一般的には、生物由来の懸濁された細胞材料と溶媒からなる溶液混合物の圧力が高く選ばれるほど、細胞破砕は改善されることが当てはまる。ここでは機器コストに関して、かつ処置技術上の理由から、1300〜1600barの間の圧力範囲であるともっとも好都合である。
【0016】
本方法の一形態においては、生物由来の原料からなる懸濁液と混合される溶媒は、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、ブチレン、別の飽和炭化水素、または不飽和炭化水素、二酸化炭素、笑気、ジメチルエーテル、六フッ化硫黄、R134a、R125、R32、R141b、フロンおよびそれらの混合物を含む群から選ばれる。場合により、生物由来の原料からなる懸濁液と混合される溶媒は、炭化水素ではない超臨界流体である。超臨界状態または臨界状態に近い状態にある溶媒は、事実上その中に水が不溶であることを特徴としている。
【0017】
任意選択で、生物由来の原料からなる懸濁液を、噴霧に先立ち溶媒で飽和または過飽和させてもよい。
【0018】
本方法のもう1つの有利な形態では、懸濁液を生成する前に、洗浄、ろ過、細砕、粉砕、またはふるい分けにより生物由来の原料を前処理する。
【0019】
圧力負荷、噴霧および減圧により、生物由来の懸濁された原料を細胞破砕するための本発明の方法の別の可能な形態(Ausgestaltungsmoeglichkeit)は、別の破砕方法との組合せに関するものである。この別の破砕方法は、一方では、高圧ホモジナイザー、ボールミル、超音波ホモジナイザー、フレンチプレスおよび衝突噴流装置(Prallstrahlapparaturen)による細胞破砕を含めた機械的方法の群から選ばれる。代案として、この破砕方法は、抗生物質、キレート剤、カオトロピック剤、界面活性剤による細胞破砕およびアルカリ処理を含む化学的方法の群から選ばれる。その際、細胞壁は透過性にされるか、またはケン化される。加えて、本発明の方法を、酵素、ファージまたは自己分解による細胞破砕を含めた生物学的方法の群から選ばれる破砕方法と組み合わせることもできる。任意選択で、この方法は、凍結と融解、熱分解または減圧による細胞破砕を含む物理的方法の群から選ぶこともできる。
【0020】
場合により、使用される生物由来の懸濁された原料は藻類からなる。
【0021】
本方法の別の可能な形態は、抽出される細胞有用成分に関する。これは、一方では、例えばカロチン、またはキサントフィルといったカロテノイド類の細胞有用成分である。あるいは、抽出されるべき細胞有用成分はアスタキサンチンである。加えて、生物由来の懸濁された原料中に含まれている、脂肪および油の物質クラスからなる細胞有用成分の抽出も考えられる。
【0022】
発明の例示的一実施形態が、図1に示され、以下に詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】圧力負荷、噴霧および減圧の組合せと、それに続く細胞内有用成分の選択的抽出および分離による、生物由来の懸濁された原料の細胞破砕のための本発明の方法の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、生物由来の懸濁された原料を収容する貯蔵容器1、並びに溶媒を収容する別の貯蔵容器4を示す。生物由来の懸濁された原料2をポンプ3を介して100〜2500barの圧力にする。溶媒5もポンプ6を介して同様に100〜2500barの圧力にする。その際、生物由来の懸濁された原料2および溶媒5は同一圧力にされてもよいし、あるいは圧力が異なってもよい。続いて、加圧下にある生物由来の原料7と加圧下にある溶媒8とを、同じく100〜2500barの圧力下にある輸送管内で混合して溶液混合物9にする。この輸送管圧力は圧力測定器10を介して制御される。その後、溶液混合物よりも圧力が低い容器12内に溶液混合物9を運び込むが、その際、溶液混合物の運び込みは、溶液混合物9を容器12に噴霧するノズル11を介して行なわれる。それゆえ、溶液混合物9の圧力降下と噴霧プロセスは同時に起こる。容器12には抽出用溶媒16が供給され、この抽出用溶媒は溶液混合物9に対して逆流で供給される。ここで抽出用溶媒16は貯蔵容器4に由来するので、この溶媒は、噴霧法と減圧の組合せによる細胞破砕に使用される溶媒にも相当する。抽出自体は、従来技術の標準条件に従って行なわれる。抽出された物質は、溶媒も含めて流れ13により、分離装置として機能する容器14に運ばれ、抽出された物質はその分離装置中で圧力降下に続いて溶媒から分離される。その際回収された溶媒は、回収15を通して再び、溶媒を収容する貯蔵容器4に運ばれ、抽出された物質は、流れ18として容器14から取り出される。
【0025】
あるいは、溶媒17が抽出のために容器14に送られ、この容器は、この場合は抽出容器として機能し、その中で容器12からの細胞破砕材料である流れ13に対して溶媒が逆流して運ばれる。その際、抽出は、従来技術の標準条件に従って行なわれる。圧力は、抽出の際には容器12内で保たれている圧力と比べて変わらない。この変形方法の場合、分離装置として機能する追加の容器が必要である(図1には示されていない)。
【0026】
ここで維持すべき工程パラメータは、溶媒5として二酸化炭素を使用する場合は、300〜2500barの圧力範囲、10〜90℃の温度範囲、および、生物由来の懸濁された原料2に対する溶媒5の割合が5〜90kg/kgであると最適である。C2〜C4炭化水素を使用して方法が実施される場合は、圧力範囲は100〜2500barの値に定めることが可能であり、その際、生物由来の懸濁された原料2に対する溶媒5の割合は1〜60kg/kgに制限する必要がある。この方法は、バッチ運転で行っても、連続法で行ってもよい。
【0027】
こうして定義された、きわめて高い圧力、低温、および工程の可能な連続的作業を特徴とする工程条件により、所望の細胞有用成分を高濃度および高純度で得ることができる。
なお、本願は特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.圧力負荷、噴霧および減圧の組合せと、それに続く細胞内有用成分の選択的抽出および分離による、生物由来の懸濁された原料の細胞破砕方法であって、
・少なくとも1つの貯蔵容器が、生物由来の原料からなる懸濁液用の受け器として使用され、そして
・少なくとも1つの別の貯蔵容器が溶媒用の受け器として使用され、
・細胞破砕のためのユニット中で細胞抽出物が調製され、続いて
・抽出ステップにおいて、細胞抽出物を気体が貫流し、そして
・分離ステップにおいて圧力が降下する中、細胞有用成分を含む気体が細胞有用成分から分離され、
・生物由来の原料からなる懸濁液が、増圧装置を用いて100〜2500barの圧力とされ、
・溶媒が増圧装置を用いて100〜2500barの圧力とされ、
・溶媒および懸濁液を100〜2500barの圧力下で輸送管内で一緒にし、混合して溶液混合物にする、
方法において、
・溶液混合物を、100〜2500barの圧力下および10〜90℃の温度下で、少なくとも1つのノズルを介して、より低い圧力を有する容器内へ噴霧すること、
を特徴とする方法。
2.生物由来の原料からなる懸濁液と混合される溶媒が、エタン、プロパン、ブタン、二酸化炭素、笑気、エチレン、プロピレン、ブチレン、別の飽和炭化水素または不飽和炭化水素、ジメチルエーテル、六フッ化硫黄、R134a、R125、R32、R141b、フロンおよびそれらの混合物を含む群から選ばれることを特徴とする、上記1に記載の方法。
3.生物由来の原料からなる懸濁液と混合される溶媒が、炭化水素ではない超臨界流体であることを特徴とする、上記1または2のいずれか一つに記載の方法。
4.生物由来の原料からなる懸濁液を、噴霧の前に溶媒で飽和させることを特徴とする、上記1〜3のいずれか一つに記載の方法。
5.生物由来の原料からなる懸濁液を、噴霧の前に溶媒で過飽和させることを特徴とする、上記1〜3のいずれか一つに記載の方法。
6.使用された溶媒が回収され、そして溶媒用貯蔵容器に返送されることを特徴とする、上記1〜5のいずれか一つに記載の方法。
7.懸濁液を生成する前に、洗浄、ろ過、細砕、粉砕またはふるい分けにより生物由来の原料を前処理することを特徴とする、上記1〜6のいずれか一つに記載の方法。
8.圧力負荷、噴霧および減圧の組合せによる、生物由来の懸濁された原料の細胞破砕のための方法が、高圧ホモジナイザー、ボールミル、超音波ホモジナイザー、フレンチプレスおよび衝突噴流装置(Prallstrahlapparaturen)による細胞破砕を含む機械的方法の群から選ばれる別の破砕方法と組み合わされることを特徴とする、上記1〜7のいずれか一つに記載の方法。
9.圧力負荷、噴霧および減圧の組合せによる、生物由来の懸濁された原料の細胞破砕のための方法が、抗生物質、キレート剤、カオトロピック剤、界面活性剤による細胞破砕およびアルカリ処理を含む化学的方法の群から選ばれる別の破砕方法と組み合わされることを特徴とする、上記1〜8のいずれか一つに記載の方法。
10.圧力負荷、噴霧および減圧の組合せによる、生物由来の懸濁された原料の細胞破砕のための方法が、酵素、ファージまたは自己分解による細胞破砕を含む生物学的方法の群から選ばれる別の破砕方法と組み合わされることを特徴とする、上記1〜9のいずれか一つに記載の方法。
11.圧力負荷、噴霧および減圧の組合せによる、生物由来の懸濁された原料の細胞破砕のための方法が、凍結と融解、熱分解または減圧による細胞破砕を含む物理的方法の群から選ばれる別の破砕方法と組み合わされることを特徴とする、上記1〜10のいずれか一つに記載の方法。
12.使用される生物由来の懸濁された原料が藻類であることを特徴とする、上記1〜11のいずれか一つに記載の方法。
13.生物由来の懸濁された原料中に含まれるカロテノイド類の細胞有用成分、例えばカロチンまたはキサントフィルが抽出されることを特徴とする、上記1〜12のいずれか一つに記載の方法。
14.生物由来の懸濁された原料中に含まれる細胞有用成分アスタキサンチンが抽出されることを特徴とする、上記1〜13のいずれか一つに記載の方法。
15.生物由来の懸濁された原料中に含まれる、脂肪および油の物質クラスの細胞有用成分が抽出されることを特徴とする、上記1〜14のいずれか一つに記載の方法。
16.生物由来の懸濁された原料に対する溶媒の割合が1〜90kg/kgの範囲にあることを特徴とする、上記1〜15のいずれか一つに記載の方法。
【0028】
以下に、2つの例に基づき、本発明に記載の方法を、例えば国際公開第91/01367号(A1)(特許文献5)に記載されるような従来技術の方法から区別する。
【実施例】
【0029】
例1:
A.本発明による方法:
固形物濃度が181.1g/kgで油含有量が約13.7重量%(乾燥重量に対して)である、藻類ヘマトコッカス・プルビアリス(Hematococcus pluvialis)の水性懸濁液1kgを、ポンプを用いて1500barの圧力にした後、加圧下で溶媒である二酸化炭素と混合する。その際に生成した溶液混合物を、300barというより低い圧力を有する圧力容器内へノズルを通して噴霧する。噴霧工程と組み合わせた減圧により、藻類は溶液混合物中で破砕され、溶液混合物は圧力容器内へ微細噴霧される。続いて破砕された藻類を含む噴霧された溶液混合物を、圧力容器において、溶媒である二酸化炭素の逆流中で圧力変化なしに300barで抽出する。抽出された物質は、溶媒である二酸化炭素とともに分離装置に運ばれ、この分離装置中で圧力降下に続いて溶媒から分離される。この例においては、生物由来の懸濁された原料に対する、溶媒である二酸化炭素の割合は、90kg/kgである。この場合に得られる生成物は、およそ0.27kgであり、油と水のエマルジョンからなり、油を含有する相は沈降によって分離される。その結果、藻類懸濁液1kg当たり得された油の総量は20.1gである。
B.従来技術の方法:
固形物濃度が181.1g/kgで油含有量が約13.7重量%(乾燥重量に対して)である、藻類ヘマトコッカス・プルビアリス(Hematococcus pluvialis)の水性藻類懸濁液1kgを、ポンプを用いて1500barの圧力にした後、加圧下で溶媒である二酸化炭素と混合する。その際に生成した溶液混合物を、ノズルを通して容器内へと大気圧まで減圧するが、微細噴霧はしない。減圧により、藻類は溶液混合物中で破砕される。続いて、破砕された藻類懸濁液を、圧力が300barの圧力容器に運び、そこで噴霧する。破砕された藻類を含む噴霧された溶液混合物を、逆流中の溶液混合物で抽出する。つまり、この方法においては、減圧と噴霧は2つの連続する工程段階で行なわれ、同時には行なわれない。続いて抽出された物質は、溶媒とともに分離装置に運ばれ、抽出された物質はこの分離装置中で圧力降下に続いて溶媒から分離される。この例においては、生物由来の懸濁された原料に対する、溶媒である二酸化炭素の割合は、110kg/kgである。この場合に得られる生成物は約0.20kgであり、油と水のエマルジョンからなり、油を含有する相は沈降によって分離される。その結果、藻類懸濁液1kg当たり得された油の総量が15.8gである。
【0030】
例1に従って得られた結果は、本発明の方法によって21.4%という生成物収率の上昇が達成できたと解釈できる。
【0031】
例2:
A.本発明による方法:
固体濃度が181.1g/kgで油含有量が約13.7重量%(乾燥重量に対して)である、藻類ヘマトコッカス・プルビアリス(Hematococcus pluvialis)の水性懸濁液1kgを、ポンプを用いて1000barの圧力にした後、加圧下で溶媒であるプロパンと混合する。その際に生成した溶液混合物を、50barというより低い圧力を有する圧力容器内へノズルを通して噴霧する。噴霧工程と組み合わせた減圧により、藻類は溶液混合物中で破砕され、溶液混合物は圧力容器内へ微細噴霧される。破砕された藻類を含む噴霧された溶液混合物を、続いて圧力容器内において、溶媒であるプロパンの逆流中で、圧力変化なしに50barで抽出する。抽出された物質は、溶媒とともに分離装置に運ばれ、この分離装置中で圧力降下に続いて溶媒から分離される。この例においては、生物由来の懸濁された原料に対する、溶媒であるプロパンの割合は、8kg/kgである。この場合に得られる生成物は、ほぼ純粋な油からなる。藻類懸濁液1kg当たり得された油の総量は22.1gである。
A.従来技術の方法:
固体濃度が181.1g/kgで油含有量が約13.7重量%(乾燥重量に対して)である、藻類ヘマトコッカス・プルビアリス(Hematococcus pluvialis)の水性藻類懸濁液1kgを、ポンプを用いて1000barの圧力にした後、加圧下で溶媒であるプロパンと混合する。その際に生成した溶液混合物を、ノズルを通して容器内へと大気圧まで減圧するが、微細噴霧はしない。減圧により、藻類は溶液混合物中で破砕される。続いて、破砕された藻類懸濁液を、圧力が50barの圧力容器に運び、そこで噴霧する。破砕された藻類を含む噴霧された溶液混合物を、逆流中の溶液混合物で抽出する。つまり、この方法においては、減圧と噴霧は2つの連続する工程段階で行なわれ、同時には行なわれない。抽出された物質は、続いて、溶媒とともに分離装置に運ばれ、抽出された物質はこの分離装置中で圧力降下に続いて溶媒から分離される。この例においては、生物由来の懸濁された原料に対する、溶媒であるプロパンの割合は、11kg/kgである。この場合に得られる生成物は、ほぼ純粋な油からなる。藻類懸濁液1kg当たり得られた油の総量は18.8gである。
【0032】
例2に基づいて得られた結果は、本発明の方法によって15%という生成物収率の上昇が達成できたと解釈できる。
【0033】
例3:
A.本発明による方法:
固形物濃度が181.1g/kgでアスタキサンチン含有量が約3.0重量%(乾燥重量に対して)である、藻類ヘマトコッカス・プルビアリス(Hematococcus pluvialis)の水性懸濁液0.9kgを、ポンプを用いて2400barの圧力にした後、加圧下で溶媒である二酸化炭素と混合する。その際に生成した溶液混合物を、500barというより低い圧力を有する圧力容器内へノズルを通して噴霧する。噴霧工程と組み合わせた減圧により、藻類は溶液混合物中で破砕され、溶液混合物は圧力容器内へ微細噴霧される。破砕された藻類を含む噴霧された溶液混合物を、続いて圧力容器内において、溶媒である二酸化炭素の逆流中で、圧力変化なしに500barで抽出する。抽出された物質は、溶媒である二酸化炭素とともに分離装置に運ばれ、この分離装置中で圧力降下に続いて溶媒から分離される。この例においては、生物由来の懸濁された原料に対する、溶媒である二酸化炭素の割合は、88kg/kgである。この場合に得られる生成物は、約0.29kgであり、油、アスタキサンチンおよび水からなるエマルジョンで構成され、油を含有する相は沈降によって分離される。次いで、油を含有する相から、投入された藻類材料の総アスタキサンチン含有量を基準として88.1%の収率でアスタキサンチンを単離できる。
B.従来技術の方法:
固形物濃度が181.1g/kgでアスタキサンチン含有量が約3.0重量%(乾燥重量に対して)である、藻類ヘマトコッカス・プルビアリス(Hematococcus pluvialis)の水性藻類懸濁液0.9kgを、ポンプを用いて2400barの圧力にした後、加圧下で溶媒である二酸化炭素と混合する。その際に生成した溶液混合物を、ノズルを通して容器内へと大気圧まで減圧するが、微細噴霧はしない。減圧により、藻類は溶液混合物中で破砕される。続いて、破砕された藻類懸濁液を、圧力が500barの圧力容器に運び、そこに噴霧する。破砕された藻類を含む噴霧された溶液混合物を、逆流中の溶液混合物で抽出する。つまり、この方法においては、減圧と噴霧は2つの連続する工程段階で行なわれ、同時には行なわれない。続いて抽出された物質は、溶媒とともに分離装置に運ばれ、抽出された物質はこの分離装置中で圧力降下に続いて溶媒から分離される。この例においては、生物由来の懸濁された原料に対する、溶媒である二酸化炭素の割合は、115kg/kgである。この場合に得られる生成物は、約0.22kgであり、油、アスタキサンチンおよび水からなるエマルジョンで構成され、油を含有する相は沈降によって分離される。次いで、油を含有する相から、投入された藻類材料の総アスタキサンチン含有量を基準として72.3%の収率でアスタキサンチンを単離できる。
【0034】
例3に従って得られた結果は、本発明の方法によって、21.8%という生成物収率の上昇が達成できたと解釈できる。
【0035】
例4:
A.本発明による方法:
固形物濃度が181.1g/kgでアスタキサンチン含有量が約3.0重量%(乾燥重量に対して)である、藻類ヘマトコッカス・プルビアリス(Hematococcus pluvialis)の水性懸濁液0.9kgを、ポンプを用いて1600barの圧力にした後、加圧下で溶媒であるブタンと混合する。その際に生成した溶液混合物を、150barというより低い圧力を有する圧力容器内へノズルを通して噴霧する。噴霧工程と組み合わせた減圧により、藻類は溶液混合物中で破砕され、溶液混合物は圧力容器内へ微細噴霧される。破砕された藻類を含む噴霧された溶液混合物を、続いて圧力容器内において、溶媒であるブタンの逆流中で、圧力変化なしに150barで抽出する。抽出された物質は、溶媒であるブタンとともに分離装置に運ばれ、抽出された物質はこの分離装置中で圧力降下に続いて溶媒から分離される。この例においては、生物由来の懸濁された原料に対する、溶媒であるブタンの割合は、8kg/kgである。この場合に得られる生成物は、約26.1gであり、油とアスタキサンチンからなる。次いで、油を含有する相から、投入された藻類材料の総アスタキサンチン含有量を基準として92.6%の収率でアスタキサンチンを単離できる。
B.従来技術の方法:
固形物濃度が181.1g/kgでアスタキサンチン含有量が約3.0重量%(乾燥重量に対して)である、藻類ヘマトコッカス・プルビアリス(Hematococcus pluvialis)の水性藻類懸濁液0.9kgを、ポンプを用いて1600barの圧力にした後、加圧下で溶媒であるブタンと混合する。その際に生成した溶液混合物を、ノズルを通して容器内へと大気圧まで減圧するが、微細噴霧はしない。減圧により、藻類は溶液混合物中で破砕される。続いて、破砕された藻類懸濁液は、圧力が150barの圧力容器に運ばれ、そこに噴霧される。破砕された藻類を含む噴霧された溶液混合物を、逆流中の溶液混合物で抽出する。つまりこの方法においては、減圧と噴霧は2つの連続する工程段階で行なわれ、同時には行なわれない。抽出された物質は、続いて、溶媒とともに分離装置に運ばれ、抽出された物質はこの分離装置中で圧力降下に続いて溶媒から分離される。この例においては、生物由来の懸濁された原料に対する、溶媒であるブタンの割合は、11kg/kgである。この場合に得られる生成物は、約0.22gであり、油とアスタキサンチンからなる。次いで、油を含有する相から、投入された藻類材料の総アスタキサンチン含有量を基準として78.4%の収率でアスタキサンチンを単離できる。
【0036】
例4に従って得られた結果は、本発明による方法によって、18.1%の生成物収率の上昇が達成できたと解釈できる。
【0037】
発明がもたらす利点:
・内部の細胞構成要素に作用する化学的および物理的負荷がほんのわずかであるので、優しい細胞破砕法である。
・細胞核またはミトコンドリアといった接近しにくい細胞内小器官の破砕も含めて、サンプル破砕度が上昇する。
・細胞破砕後のホモジナイズ度が一様であるため、後続の抽出が容易になる。
・手間のかかる、原料の乾燥を省略できる。
・所望の細胞有用成分の濃度および純度が高い。
【符号の説明】
【0038】
1 生物由来の懸濁された原料を収容する貯蔵容器
2 生物由来の懸濁された原料
3 ポンプ
4 貯蔵容器
5 溶媒
6 ポンプ
7 加圧下にある生物由来の懸濁された原料
8 加圧下にある溶媒
9 溶液混合物
10 圧力測定器
11 噴射ノズル
12 容器
13 流れ
14 容器
15 回収
16 抽出用溶媒
17 溶媒
18 流れ
19 抽出された物質
図1