特許第5654507号(P5654507)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5654507火炎を収容及び/又は鎮静するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5654507
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】火炎を収容及び/又は鎮静するための装置
(51)【国際特許分類】
   A62C 2/00 20060101AFI20141218BHJP
   B65D 19/44 20060101ALI20141218BHJP
   B65D 85/00 20060101ALI20141218BHJP
   B65D 85/18 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   A62C2/00 X
   B65D19/44 D
   B65D85/00
   B65D85/18 A
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-45779(P2012-45779)
(22)【出願日】2012年3月1日
(62)【分割の表示】特願2008-503039(P2008-503039)の分割
【原出願日】2006年3月16日
(65)【公開番号】特開2012-110747(P2012-110747A)
(43)【公開日】2012年6月14日
【審査請求日】2012年3月26日
【審判番号】不服2014-439(P2014-439/J1)
【審判請求日】2014年1月9日
(31)【優先権主張番号】60/663,212
(32)【優先日】2005年3月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】11/283,883
(32)【優先日】2005年11月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512054090
【氏名又は名称】フェデラル エクスプレス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ペルツ,ジェフリー イー.
【合議体】
【審判長】 中村 達之
【審判官】 加藤 友也
【審判官】 藤原 直欣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−177791(JP,A)
【文献】 特開2000−317005(JP,A)
【文献】 特開2003−239424(JP,A)
【文献】 特開2005−54503(JP,A)
【文献】 実開昭60−5825(JP,U)
【文献】 実開昭48−31094(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C2/00
B65D19/44
B65D85/00
B65D85/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
火炎の収容及び/又は鎮静のための装置であって、上記装置は、
パレットの上に置かれた少なくとも1つの物品を少なくとも覆うように構成された可撓性の障壁を備え、上記少なくとも1つの物品に関連する火災は、上記可撓性の障壁の下に収容される状態及び/又は鎮静される状態であり、
上記可撓性の障壁は、
可撓性シートと、
該可撓性シートの1つの表面を覆う熱膨張性材料の1つの層と、更に
対象物が上記パレット上で移動することを防止するように形成された荷物用ネット材料と、
を具備する装置において、
上記熱膨張性材料の1つの層は、火炎が上記可撓性の障壁の下で発生した場合に膨張して、上記可撓性の障壁外部からの空気が酸素及び/又は別の燃料を上記火炎に供給するために上記可撓性の障壁の下に侵入することを妨げる、装置。
【請求項2】
上記可撓性シートの第2の表面を覆う熱膨張性材料の第2の層をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記可撓性シートは加工繊維及び加工布の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
上記可撓性シートは耐火性繊維、ガラス繊維布、e−ガラス繊維布及びs−ガラス繊維布の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
上記パレットに隣接した少なくとも1つの物品の周囲に上記可撓性の障壁を締め付けるように構成された少なくとも1本のひもをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
上記荷物用ネット材料は、上記可撓性の障壁として集約された一体構造の一部である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
上記可撓性の障壁は上記可撓性シートの複数の区域から形成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
上記可撓性の障壁と操作可能に結合された1つの管をさらに備え、該管は上記可撓性の障壁の下に消火剤を供給できるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つの物品を貯蔵又は輸送するためのパレットの上に置かれた上記少なくとも1つの物品に関連した火炎の収容及び/又は鎮静のための方法であって、上記方法は、
上記少なくとも1つの物品上への可撓性の障壁の設置手順を含み、上記可撓性の障壁は、可撓性シートと、該可撓性シートの1つの表面を覆う熱膨張性材料の層とを含み、上記少なくとも1つの物品に関連する火炎は、上記可撓性の障壁の下に収容される状態及び/又は鎮静される状態であり、上記少なくとも1つの物品上への可撓性の障壁の設置手順は、上記少なくとも1つの物品に関連する火炎が発生する前に、実施される、方法において、
上記熱膨張性材料の1つの層は、火炎が上記可撓性の障壁の下で発生した場合に膨張して、上記可撓性の障壁外部からの空気が酸素及び/又は別の燃料を上記火炎に供給するために上記可撓性の障壁の下に侵入することを妨げる、方法。
【請求項10】
上記可撓性の障壁を上記少なくとも1つの物品の上記パレットの周囲にひもで締め付ける方法をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
上記可撓性の障壁は、上記可撓性シートの第2の表面を覆う熱膨張性材料の第2の層をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
火炎の収容及び/又は鎮静のための装置であって、上記装置は、
台座構造物の上に置かれた少なくとも1つの物品を少なくとも覆うように構成された可撓性の障壁を備え、
上記可撓性の障壁は、
可撓性シートと、
該可撓性シートの1つの表面を覆う熱膨張性材料の1つの層と、更に
上記可撓性の障壁に操作可能に関連する管であって、消火剤が上記可撓性の障壁の下に設置されることを可能にするように形成される管と、
を具備する装置において、
上記熱膨張性材料の1つの層は、火炎が上記可撓性の障壁の下で発生した場合に膨張して、上記可撓性の障壁外部からの空気が酸素及び/又は別の燃料を上記火炎に供給するために上記可撓性の障壁の下に侵入することを妨げる、装置。
【請求項13】
積荷であって、
車両を経由して運搬されるように形成されるパレットと、
上記パレットに設置される少なくとも1つの対象物と、
上記少なくとも1つの対象物に関連する火炎の収容及び/又は鎮静のための装置と、を具備する積荷において、
上記装置は、
上記パレットの上に置かれた上記少なくとも1つの対象物を少なくとも覆う可撓性の障壁を備えており、
上記可撓性の障壁は、
可撓性シートと、
該可撓性シートの1つの表面を覆う熱膨張性材料の1つの層と、を具備する積荷において、
上記熱膨張性材料の1つの層は、火炎が上記可撓性の障壁の下で発生した場合に膨張して、上記可撓性の障壁外部からの空気が酸素及び/又は別の燃料を上記火炎に供給するために上記可撓性の障壁の下に侵入することを妨げる、積荷。
【請求項14】
上記パレットは航空機を介して運搬されるように形成される、請求項13に記載の積荷。
【請求項15】
火炎の収容及び/又は鎮静のための装置であって、この装置は、
台座構造物の上に置かれた少なくとも1つの物品を少なくとも覆うように構成された可撓性の障壁を備え、
上記可撓性の障壁は、
可撓性シートと、
該可撓性シートの1つの表面を覆う熱膨張性材料の1つの層と、
上記可撓性の障壁が該可撓性の障壁の下への空気の侵入を防止するように、上記台座構造物に隣接する上記少なくとも1つの物品の周りに上記可撓性の障壁を締め付けるように構成される少なくとも1つのひもと、
を具備する装置において、
上記熱膨張性材料の1つの層は、火炎が上記可撓性の障壁の下で発生した場合に膨張して、上記可撓性の障壁外部からの空気が酸素及び/又は別の燃料を上記火炎に供給するために上記可撓性の障壁の下に侵入することを妨げる、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照例として本願に組み込まれて開示されている2005年3月21日出願の米国暫定出願No.60/663,212及び2005年11月22日出願の米国特許出願No.11/283,883の優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は火炎を収容及び/又は鎮静するための装置に関する。特に本発明は、台座構造物に置かれた物品と結合されて火炎を収容及び/又は鎮静するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
物品は、例えば運搬に容易となるように整理したり改良したりするために、台座構造物に乗せて保管及び/又は輸送される。例えば積荷は、貯蔵され、後に航空機、トラック、船舶及び/又は列車で出荷されるパレット上に載置される。パレットは工業規格、例えば国際航空輸送(IATA)ULD技術マニュアルに示される規格に従っている。例えば、航空機による貨物の出荷に使用される2つの型式のパレットとして、約244cm(96インチ)×約318cm(125インチ)の寸法のPMCパレットと、約224cm(88インチ)×約318cm(125インチ)の寸法のPAGパレットがある。他の型式のパレットも知られている。
【0004】
パレットに置かれる貨物の例としては、例えば衣類を収納した段ボール箱、有害物質の容器、及び/又は爆発物がある。一般的に、パレットに置かれる物品は、例えば雨にさらされたときに貨物の乾燥を保つ収縮包装プラスチック、及び/又は輸送中にパレット上で貨物のずれを防ぐパレット用ネット以外の他の何かによって囲まれていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなパレットは航空機で輸送され、航空機の客室に露出した状態で積み込まれるが、その際、例えば一端航空機が満載になり離陸準備ができたとき、航空機の乗務員がパレットに接近できないことがある。その結果、航空機の客室に置かれたパレットに火事が発生すると、乗務員は火事の起きているパレットに接近できるとは限らず、それゆえ乗務員が手持ち用消火器で火を抑えたり消したりする試みを妨げられる。このような事態は、航空機及び/又は航空機に乗った乗務員と乗客全ての生存に対して重大な危機を招く。
【0006】
台座構造物に置かれた1つまたは複数の物品と結合された、火炎を収容及び/又は鎮静するための装置の提供が強く望まれている。台座構造物に置かれた1つまたは複数の物品と結合された、火炎を収容及び/又は鎮静するための方法の提供も強く望まれている。例えば、パレットに置かれた1つまたは複数の物品と結合された、火炎を収容及び/又は鎮静するための装置及び/又は方法の提供が強く望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は1つまたは複数の上記要望を満足させるものである。本発明が1つまたは複数の上記要望を未然に防ぐことができても、本発明のいくつかの面は必ずしもそれらを未然に防ぐことができないことが理解されるべきである。
【0008】
以下の記載において、ある面と実施形態が明らかになる。本発明は、広い意味で、1つ又は複数のこれらの面と実施形態の特徴を備えなくても実施することができることが理解されるべきである。これらの面と実施形態は単に例示に過ぎないことが理解されるべきである。
【0009】
本発明は、実施形態で示され、広い意味で以下に記載された1つの面において、台座構造物上に置かれた少なくとも1つの物品を少なくとも実質上は覆うように構成される可撓性の障壁を含む、火炎を収容及び/又は鎮静する装置を含むことができる。上記可撓性の障壁は、可撓性のシートと、該可撓性シートの少なくとも1つの表面を実質上覆う熱膨張材料の層を含むことができる。
【0010】
他の面において、台座構造物に置かれた少なくとも1つの物品に結合して火炎を収容及び/又は鎮静するための方法は、上記少なくとも1つの物品上に設置される可撓性の障壁を含んでもよい。該可撓性の障壁は、可撓性のシートと、該可撓性のシートの表面を実質上覆う熱膨張性材料の層を含んでもよい。
【0011】
上述した構成及び手順の処理を離れて、本発明は以下に説明する多くの他の処理を含むことができる。以上の記載及び以下の記載のいずれもが単に例示としてなされることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】火炎の収容及び/又は鎮静のための装置の1つの例示的実施形態を含む概略組立図である。
図2】可撓性障壁の例示的実施形態の概略部分断面図である。
図3】火炎の収容及び/又は鎮静のための装置の他の例示的実施形態を含む概略組立図である。
図4】可撓性障壁の例示的実施形態の概略組立図である。
図5A図4の線分A−Aに沿ってとられた断面図である。
図5B図4の線分B−Bに沿ってとられた断面図である。
図5C図4の線分C−Cに沿ってとられた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面は合体されて本明細書の一部を構成する。上記図面は例示的な実施形態を示しており、記載とともに本発明のいくつかの理念を説明する役目を果たす。
【0014】
以下に、本発明のいくつかの例示的な実施形態について、参考図により詳しく説明する。図面及び記載には、同一の又は類似の部品を参照するために、できるだけ同一の符号が使われる。
【0015】
図1は台座構造物10と、該台座構造物10に置かれた1つ又は複数の物品12を描写している。上記台座構造物10には、例えばパレット(物品の保存用及び/又は輸送用パレット等)が含まれる。上記物品12には、例えば製品を収納した段ボール箱、有害物質の容器、及び/又は爆発物が含まれる。上記物品12は、火炎の収容及び/又は鎮静のために、例えば手段14によって少なくとも実質上覆われる。例えば、上記手段14の1つの例示的実施形態には、上記台座構造物10に置かれた上記物品12を少なくとも実質上覆うために配設された可撓性の障壁16が含まれる。上記手段14にはさらに、適切な位置で上記可撓性の障壁16を縛るためのひも18が含まれる。上記物品12はまた、例えばプラスチック材料(収縮包装用プラスチック材料等)(不図示)及び/又は網材料20(貨物用網材料等)によって、例えば上記物品12の輸送中のズレを防止するために少なくとも実質上覆われる。
【0016】
図2を参照すると、上記可撓性の障壁16のいくつかの実施形態には可撓性シート22、例えば加工繊維又は布(耐火性繊維、ガラス繊維布(e−ガラス繊維布、s−ガラス繊維布及び/又は当業者に知られている他の全てのガラス繊維布等)、及び/又は加工ガラス繊維布等)でできた可撓性シートが含まれる。上記可撓性の障壁16にはさらに、熱膨張性材料の1つの又は複数の層24を含む。例えば可撓性の障壁16には、可撓性シート22の片面又は両面に施された熱膨張性材料の1つの層が含まれる。上記熱膨張性材料には、例えば時々PyroBlok(登録商標)として市販されている可撓性ラテックス製材料が含まれ、さらに当業者に知られている他の全ての適切な熱膨張性材料が使用される。
【0017】
再び図1を参照すると、可撓性の障壁16は上記台座構造物10に置かれた上記物品12の上に設置され、上記可撓性の障壁16は、上記物品12に対して例えばひも18によって強く引きつけられる。上記可撓性の障壁16は、例えば裏返したバッグのような構造物の形をしており(例えば図4参照)、上記可撓性の障壁16は、上記台座構造物10上の上記物品12の下部の周囲を、例えば上記可撓性の障壁16の端部の下、及び/又は上記可撓性の障壁16の境界内を移動できる空気の量を実質上制限するようにしっかりと締め付けている。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、上記手段14は、例えば上記台座構造物10の近くのネット材料20の下に収容される上記物品12に対してしっかりと締め付けられる。上記手段14は、例えば上記可撓性の障壁16の下に、火炎の熱が炎を上記可撓性の障壁16を越えて広げるのに十分なくらい大きくさせてしまうほど、十分な空気の入る余地がないように十分にぴったりと密着する。例えば、いくつかの実施形態によれば、火炎の熱が増大して、その熱が上記熱膨張性材料24を活性化させ、例えば上記熱膨張性材料24が膨張して焦げ、上記可撓性の障壁16は、該可撓性の障壁外部からの空気が上記障壁の下から酸素及び/又は火炎の他の燃料を供給するために進入することを妨げる。このような方法で、上記火炎は実質上収容され、及び/又は鎮静される。
【0019】
いくつかの実施形態(不図示)によれば、上記火炎を収容及び/又は鎮静するための装置は、ネット材料を加えた一体成型品として一体で形成される。いくつかの実施形態(不図示)によれば、上記火炎を収容及び/又は鎮静するための装置は、上記可撓性の障壁16がネット材料の上に設置され、上記台座構造物10の台座の周りに締め付けられるように構成される。
【0020】
図3に示す例示的実施形態では、上記火炎を収容及び/又は鎮静するための装置には、例えば上記可撓性の障壁16の頂点に設置される管26(可撓性の管等)が含まれる。上記管26は、上記可撓性の障壁16の下に消火剤が供給(注入等により)されるように構成される。
【0021】
図4に示す例示的実施形態を参照すると、上記可撓性の障壁16は、例えば開いた底部を有するおおよそ箱のような形状に構成される。いくつかの実施形態によれば、上記可撓性の障壁16は、可撓性シート22を単一の構成要素として形成される。他の実施形態によれば、上記可撓性の障壁16は例えば図4に示されるように上記可撓性シート22の多くの区域から形成される。上記手段14には、例えば上記可撓性の障壁16の内部に消火剤が供給できるように構成された管26が含まれる。いくつかの実施形態によれば、上記可撓性の障壁16には、該可撓性の障壁16を台座構造物に固定できるように1本又は複数本のひも18が具備される。
【0022】
上記可撓性シート22の多くの区域により形成される可撓性の障壁においては、例えば図4に示される例示的実施形態において、上記区域は、例えば継ぎ目28、32及び/又は34によってお互いに固定される。例えば継ぎ目28は、上記可撓性の障壁材料の2つの区域を、上記可撓性の障壁16の上面及び/又は側面に沿ってお互いに固定する。図5Aに図式的に示されるように、例えば上記可撓性シート22の1つの区域は、上記可撓性シート22の4つの層が1つ又は複数の縫い目の列30によりお互いに固定されるように上記可撓性シート22の上記区域の各々の端部を折り返すことにより、上記可撓性シート22の別の区域に固定される。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、上記可撓性の障壁16の下端部に沿った継ぎ目32は、例えば図5Bに図式的に示されるように、1本又は複数本のひも18を受けるためのスリーブを提供するように構成される。上記継ぎ目32は、例えば上記可撓性シート22の1つの区域の1つの端部を、それ自体の上に少なくとも1度(例えば2度)折り返すことにより形成される。図5Bに示すように、例えば上記可撓性シート22の上記区域の上記端部はそれ自体の上に2度折り返されて、上記可撓性シート22の3つの層が1つ又は複数の縫い目の列30によってお互いに固定される。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、可撓性の障壁16の上記側面は上記可撓性シート22の1つ又は複数の区域から形成され、該区域は上記可撓性の障壁16の上面部分を形成する上記可撓性シート22の1つ又は複数の区域に、継ぎ目34に沿って固定される。図5Cを参照すると、例えば上記継ぎ目34は上記可撓性シート22の隣接する区域の端部をお互いに折り返すことにより形成され、上記可撓性シート22の4つの層が1つ又は複数の縫い目30の列によりお互いに固定される。
【0025】
ここに記載された構造及び方法論に対して様々な変更や変形が行えることは当業者にとって明白である。したがって、本発明が上記明細書で論じた対象に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、本発明は上記の変更及び変形を含むことを意図している。
【符号の説明】
【0026】
10 台座構造物
12 物品
14 手段
16 障壁
18 ひも
20 プラスチック材料及び/又は網材料
22 可撓性シート
24 熱膨張性材料(の層)
26 管
28、32、34 継ぎ目
30 継ぎ目の列
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C