特許第5654588号(P5654588)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5654588
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】電極およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01J 9/02 20060101AFI20141218BHJP
   H01J 11/22 20120101ALI20141218BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   H01J9/02 F
   H01J11/22
   H04N5/66 101Z
【請求項の数】2
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-517905(P2012-517905)
(86)(22)【出願日】2010年7月1日
(65)【公表番号】特表2012-532420(P2012-532420A)
(43)【公表日】2012年12月13日
(86)【国際出願番号】US2010040719
(87)【国際公開番号】WO2011002964
(87)【国際公開日】20110106
【審査請求日】2013年6月3日
(31)【優先権主張番号】12/496,920
(32)【優先日】2009年7月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023674
【氏名又は名称】イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒木 正勝
【審査官】 佐藤 仁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−349316(JP,A)
【文献】 特開2006−030853(JP,A)
【文献】 特開平03−176903(JP,A)
【文献】 特開昭51−138898(JP,A)
【文献】 特開昭58−074030(JP,A)
【文献】 特表2008−509439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 1/00− 1/24、
H01J 9/00− 9/18、11/00−17/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光性ペーストを空気中で焼成することで形成される電極であって、前記ペーストが、銅粉末、ホウ素粉末およびガラスフリットを含む無機構成成分と、光重合開始剤、モノマーおよび有機ビヒクルを含む有機構成成分とを含み、銅粉末の平均粒度が2.5μm以下であり、表面抵抗が100Ω以下であり、銅粉末とホウ素粉末の総量に基づくホウ素粉末の含有量が8〜25重量%である、電極。
【請求項2】
プラズマディスプレイパネル用の電極の製造方法であって、ここで前記電極の表面抵抗が100Ω以下であり、
銅粉末、ホウ素粉末およびガラスフリットを含む無機構成成分と、光重合開始剤、モノマーおよび有機ビヒクルを含む有機構成成分とを含み、前記銅粉末の平均粒度が2.5μm以下であり、銅粉末とホウ素粉末の総量に基づくホウ素粉末の含有量が8〜25重量%である感光性ペーストを塗布するステップと;
前記塗布した感光性ペーストを乾燥させるステップと;
前記乾燥した感光性ペーストを露光するステップと;
前記露光した感光性ペーストを現像するステップと;
前記現像した感光性ペーストを空気中で焼成して電極パターンを形成するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気装置の電極、より詳細には電極中に含まれる導電性構成成分における改善に関する。
【背景技術】
【0002】
電極の原料として導電性ペーストが用いられる方法は、周知である。電子デバイスの機能的改善と共に、電極パターンのマイクロ化が進み、デバイス上に微細なラインを形成するために感光性ペーストが使用されている。例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)の解像度を改善するために、微細な電極パターンが用いられる。
【0003】
感光性ペーストの組成には一般に、光重合開始剤、導電性構成成分、ガラスフリット、有機結合剤および溶媒に加えて、モノマーが含まれる。塗布された感光性ペーストはマスクを介して露光され、露光された場所においてモノマーの重合が進行する。その後、現像と焼成が実施され、導電性構成成分および結合剤としてのガラスで構成された電極がこうして形成される。
【0004】
導電性構成成分としては、一般に銀が使用される(例えば米国特許第5047313号明細書および米国特許出願公開第20050287472号明細書)。金、銀およびパラジウムなどの貴金属は空気中で焼成できることから炉の設備投資を低減させることが可能である。しかしながら貴金属は高価であることから、貴金属の使用によって材料コストの急激な増加が引き起こされる。
【0005】
半導体回路などにおいては、導電性構成成分として銅が広く使用されている。銅は銀に比べて安価であるという利点を有する。しかしながら、銅は酸化し易いために、空気中でこれを焼成できず、このため、窒素雰囲気などの下での焼成が必要となることから設備投資が増大する。
【0006】
金属粉末と共にホウ素を用いる方法が、非感光性ペースト中の易酸化性金属の空気焼成を可能にする技術として開示されている(米国特許第4,122,232号明細書)。米国特許第4,122,232号明細書の実施例では、325メッシュよりも微細な銅粉末が使用されている。銅粉末の平均粒度は具体的に記載されていないが、325メッシュを用いて選別された銅粉末の平均粒度は一般に40〜50μmである。
【0007】
しかしながら、この技術を感光性ペーストに応用したところ、さまざまな技術的障害が浮上した。より具体的に言うと、ホウ素は光を散乱させ、感光性ペーストにホウ素を加えた場合、露光させた光が散乱してパターンの形状がそれによって不利な影響を受けるために、問題が生じた。その上、微細度の優れたライン構成を得るためには導電性構成成分中の粒度が小さいことが好ましいが、導電性構成成分の粒度が小さいとその表面積は増大し、その結果酸化がより容易に進行する。酸化が進むのを抑制するためには添加されるホウ素の量を増加させることが好ましいが、ホウ素は導電性が低いことから大量のホウ素を含むと電極の抵抗は増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、ペーストを用いて電極を形成するプロセスにおいて、1)安価な銅粉末の使用を可能にすること、2)空気中での焼成の実施を可能にすること、3)微細なパターンの形成を可能にすること、そして4)低い電極抵抗を可能にすること、という要件を満たす技術を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、導電性構成成分として銅粉末を含み、空気中での焼成により形成され、かつ低い抵抗を有する、微細にパターン化された電極を提供する。
【0010】
背景技術において言及した課題は、本明細書中で詳述される通り、構成成分の含有量、粒度などを制御することによって、解決可能である。
【0011】
より具体的には、本発明は銅粉末、ホウ素粉末およびガラスフリットを含有する無機構成成分と、光重合開始剤、モノマーおよび有機ビヒクルを含有する有機構成成分とを有する感光性ペーストを空気中で焼成することで形成される電極において、銅粉末の平均粒度が2.5μm以下であり、銅粉末とホウ素粉末の総量に基づくホウ素粉末の含有量が8〜25重量%である、電極である。
【0012】
本発明は同様に、プラズマディスプレイパネル用の電極の製造方法において、銅粉末、ホウ素粉末およびガラスフリットを含む無機構成成分と、光重合開始剤、モノマーおよび有機ビヒクルを含む有機構成成分とを有し、銅粉末の平均粒度が2.5μm以下であり、銅粉末とホウ素粉末の総量に基づくホウ素粉末の含有量が8〜25重量%である感光性ペーストを塗布するステップと;塗布した感光性ペーストを乾燥させるステップと;乾燥した感光性ペーストを露光するステップと;露光した感光性ペーストを現像するステップと;現像した感光性ペーストを焼成して電極パターンを形成するステップと、を含む方法でもある。
【0013】
本発明は、安価な導電性構成成分を用いて空気焼成することによる、低抵抗の微細なパターンの形成を可能にする。本発明は、電子デバイス用の電極の生産コストの低減に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】感光性ペーストを用いたアドレス電極の製造方法を示す概略図である。
図2】ホウ素含有量と表面抵抗の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、一例としてプラズマディスプレイパネル(PDP)のアドレス電極のための本発明の使用を通して説明される。PDPアドレス電極のための本発明の使用は好ましいが、本発明の用途がこれに限定されるわけではない。
【0016】
PDPアドレス電極は、感光性ペーストを用いて形成される。最初に、感光性ペーストの組成について説明する。感光性ペーストを調合するためには、必要に応じて溶媒および有機要素を用いて各要素のビヒクルが調合され、次に導電性粉末およびガラスフリットと混合される。その後、得られた混合物を、砂ミキサー例えばロールミキサー、ミキサー、均一ミキサー、ボールミル、ビーズミルを使用して混練して、感光性ペーストを得る。
【0017】
無機構成成分
銅粉末、ホウ素粉末およびガラスフリットが典型的な無機構成成分である。
(I)銅粉末
【0018】
導電性を提供するために銅粉末が添加される。その平均直径は、2.5μm未満、好ましくは2.0μm未満、より好ましくは1.5μm未満である。直径の下限は特に制限されない。ただし、材料コストの観点から見て、0.1μm超の平均直径を有する銅粉末が好ましい。
【0019】
平均直径は、レーザー回折散乱法を使用して粒径分布を測定することによって得られ、D50として定義可能である。Microtracの型式X−100が、市販の装置の一例である。
【0020】
微細な粒度を有する銅粉末を使用することによって、抵抗の低い電極を形成することができる。空気焼成を実施すると酸化が進行し、その結果電極の抵抗が増加することから、微細な銅粉末が使用される場合にはこれまで問題があった。電極抵抗は、本発明において、既定量のホウ素が存在する条件下で微細な銅粉末を使用することによって低減される。
【0021】
銅の形態は、特に限定されていない。それは球形でも薄片状でもあり得る。ただし、感光性ペースト中では球形が好ましい。
【0022】
銅粉末の含有量は、感光性ペーストの総量に基づいて20〜65重量%であることが好ましい。
【0023】
感光性ペーストは、銅粉末以外の金属を含むことができるが、原料コストの削減という観点から見ると、好ましくは、銀、金またはパラジウムなどの貴金属がペースト中に実質的に含有されることはない。本明細書において、「実質的に含有されない」という用語は、貴金属が不純物として非意図的に含有されている場合を包含する概念である。
【0024】
(II)ホウ素粉末
ホウ素粉末は、焼成中の銅の酸化を防止するために用いられる。銅の酸化の結果としてもたらされる電極の抵抗の増大は、ペーストにホウ素粉末を添加することによって抑制することができる。
【0025】
平均粒径は好ましくは3μm未満、より好ましくは2μmである。平均直径は、レーザー回折散乱法を使用して粒径分布を測定することによって得られ、D50として定義可能である。Microtracの型式X−100が、市販の装置の一例である。直径の下限は特に制限されないが、材料コストの観点から見て、0.1μm超の平均直径を有するホウ素粉末が好ましい。
【0026】
小さい粒度のホウ素粉末の使用は、薄い電極を形成する場合に有効である。1〜4μmのフィルム厚を有する薄い電極を形成する場合、粒度の大きいホウ素粉末を使用すると、現像時にフィルムの質の外観を劣化させる原因となる。電極の外観は、以上で規定した小さい粒度を有するホウ素粉末を使用することにより、極めて良好に維持することができる。
【0027】
銅粉末とホウ素粉末の総量に基づくホウ素粉末の含有量は、好ましくは8〜25重量%、より好ましくは9〜22重量%、さらに一層好ましくは10〜19重量%そして最も好ましくは14〜18重量%である。ホウ素含有量が過度に低い場合、銅粉末の酸化は十分に抑制されず、電極の抵抗は増大する。ホウ素含有量が過度に高い場合、導電性構成成分の含有量が低下することから、電極の抵抗は増大する。さらに、ホウ素含有量が過度に高い場合、露光効率が低下し、電極の形状は歪んだ状態となる。
【0028】
感光性ペーストの総量に基づくホウ素粉末の含有量は、2〜18重量%であることが好ましい。
【0029】
(III)ガラスフリット
ガラスフリットは、例えばPDPの背面パネル用として使用されるガラス基板などの基板と組成物の封着特性を増大させることができる。
【0030】
ガラスフリットのタイプとしては、ビスマス系ガラスフリット、ホウ酸系ガラスフリット、リン系ガラスフリット、Zn−B系ガラスフリットおよび鉛系ガラスフリットが含まれる。環境に対して課せられる負担を考慮すると、無鉛ガラスフリットの使用が好ましい。
【0031】
ガラスフリットは、当該技術分野において周知の方法によって調製可能である。例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩などの原料を混合し溶融させ、急冷によりカレットにし、続いて機械的に粉状化(湿式または乾式粉砕)することで、ガラス構成成分を調製することができる。その後、必要な場合、所望の粒度まで分級が実施される。
【0032】
ガラスフリットの軟化点は通常325〜700℃、好ましくは350〜650℃、そしてより好ましくは550〜600℃である。溶融が325℃未満の温度で起こる場合、有機物質は包み込まれた状態となる傾向があり、有機物質のその後の分解により、ペースト内に気泡が発生することになる。一方700℃超の軟化点は、ペーストの接着を弱め、ガラス基板に損傷をもたらすかもしれない。
【0033】
ガラスフリットの比表面積は、10m2/g以下であることが好ましい。平均直径は一般に0.1〜10μmである。ガラスフリットの少なくとも90重量%は0.4〜10μmの粒径を有することが好ましい。
【0034】
ガラスフリットの含有量は、感光性ペーストの総量に基づいて0.1〜5重量%であることが好ましい。この範囲内のガラスフリットの割合が、隣接する成分との結合を保証し、こうして十分に強いバス電極の形成が保証される。
【0035】
有機構成成分
光重合開始剤、モノマー、有機ビヒクルが、典型的な有機構成成分である。通常、有機ビヒクルは、有機ポリマー結合剤と溶媒を含有する。
【0036】
(I)光重合開始剤
光重合タイプのモノマーを光重合するために、光重合開始剤が使用される。光重合開始剤は好ましくは185℃以下で熱不活性であるが、化学線に曝露された時点でフリーラジカルを生成する。
【0037】
光重合開始剤の例としては、共役炭素環系内に2つの分子内環を有する化合物が含まれる。このタイプの化合物は、置換または非置換多核キノンを含む。
【0038】
実際には、キノンの例としては以下のものが含まれる:エチル4−ジメチルアミノベンゾエート、ジエチルチオキサントン、9,10−アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントレンキノエン(phenanthrenequinoen)、ベンゾ[a]アントラセン−7,12ジオン、2,3−ナフタセン−5,12−ジオン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、レテンキノン、7,8,9,10−テトラヒドロナフタセン−5,12−ジオンおよび1,2,3,4−テトラヒドロベンゾ[a]アントラセン−7,12−ジオン。
【0039】
使用してもよい他の化合物としては、米国特許第2,760,863号明細書、同第2,850,445号明細書、同第2,875,047号明細書、同第3,074,974号明細書、同第3,097,097号明細書、同第3,145,104号明細書、同第3,427,161号明細書、同第3,479,185号明細書、同第3,549,367号明細書および同第4,162,162号明細書中に記載されているものが含まれる。
【0040】
光重合開始剤の含有量は、感光性ペーストの総量に基づいて0.1〜10重量%であることが好ましい。
【0041】
(II)光重合モノマー
光重合性モノマーは、特に限定されない。例としては、少なくとも1つの重合性エチレン基を有するエチレン不飽和化合物が含まれる。好ましくは、感光性ペーストは、3つ以上の結合基を伴う少なくとも1つの多点架橋用モノマーを含む。
【0042】
好ましいモノマーの例としては、以下のものが含まれる:(メタ)アクリル酸t−ブチル、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、デカメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、米国特許第3,380,381号明細書中に開示されている化合物、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエチスリトールテトラ(pentaetythritoltetra)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシエチル−1,2−ジ−(p−ヒドロキシエチル)プロパンジメタクリレート、ビスフェノールAジ−[3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル]エーテル、ビスフェノールAジ−[2−(メタ)アクリルオキシエチル]エーテル、1,4−ブタンジオールジ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタンジオールトリ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1−フェニルエチレン−1,2−ジメタクリレート、フマル酸ジアリル、スチレン、1,4−ベンゼンジオールジメタクリレート、1,4−ジイソプロペニルベンゼンおよび1,3,5−トリイソプロペニルベンゼン。ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を表わす。
【0043】
好ましくは、モノマー含有量は、無機構成成分の総量との関係において8〜35重量%である。モノマー含有量が過度に低い場合、露光効率が低下し、電極の幅は過度に狭くなる。一部の場合において、露光不足に起因して配線の断線および短絡が電極内で発生する。一方、モノマー含有量が多すぎると、電極の抵抗が増大し、表面粘着性が増大する。
【0044】
光重合モノマーの含有量は、感光性ペーストの総量に基づいて1〜24重量%であることが好ましい。
【0045】
(III)有機ポリマー結合剤
導電性粉末、ホウ素粉末およびガラスフリットなどの成分が組成物中に分散できるようにするために、有機結合剤が使用される。公知の方法を用いた関係する技術またはスクリーン印刷において基板上に導電性ペーストをコーティングする場合に、コーティングフィルムのコーティング特性および安定性を改善するために、有機ポリマー結合剤が使用される。有機ポリマー結合剤は、感光性ペーストを焼結させることによって電極を形成させる時に除去される。
【0046】
コーティングされ乾燥された感光性ペーストを水性現像用流体で現像しそのパターンを形成させる場合、水性現像用流体を用いた現像能力を考慮して高い解像度を有する有機ポリマー結合剤を使用することが好ましい。この条件を満たすことのできる有機ポリマー結合剤の例としては、非酸性または酸性コモノマーを含有する有機ポリマー結合剤がある。コポリマーまたはインターポリマー(混合ポリマー)も同様に好適である。有機ポリマー結合剤の他の例としては、米国特許出願公開第2007−0001607号明細書中に示されているアクリルポリマー結合剤またはその他のポリマー結合剤がある。
【0047】
有機ポリマー結合剤の含有量は、感光性ペーストの総量に基づいて2〜30重量%であることが好ましい。
【0048】
(IV)溶媒
有機溶媒を使用する主目的は、組成物中に含まれた固体分散物を基板に容易に塗布できるようにすることにある。したがって有機溶媒はまず第1に、適切な安定性を維持しながら固体を分散させることのできる有機溶媒であることが好ましい。第2に、有機溶媒のレオロジー特性は、分散液に有利な塗布特性を与えることが好ましい。
【0049】
有機溶媒は、単一の構成成分であっても、有機溶媒の混合物であってもよい。選択される有機溶媒は、ポリマーおよび他の有機構成成分が中に完全に溶解できるものであることが好ましい。選択される有機溶媒は、組成物中で他の成分に対し不活性であることが好ましい。有機溶媒は、十分に高い揮発性を有することが好ましく、大気中において比較的低温で塗布された場合でも分散液から蒸発できることが好ましい。溶媒は、スクリーン上のペーストが印刷プロセス中に常温で急速に乾燥するほど高い揮発性は有していないことが好ましい。
【0050】
常圧での有機溶媒の沸点は、300℃以下そして好ましくは250℃以下であることが好ましい。
【0051】
有機溶媒の具体例としては、脂肪族アルコール類およびこれらのアルコール類のエステル、例えば酢酸エステルまたはプロピオン酸エステル;テルペン類、例えばツルペンチン、α−またはβ−テルピネオール、またそれらの混合物;エチレングリコールまたはエチレングリコールのエステル、例えばエチレングリコールモノブチルエーテルまたはブチルセロソルブアセテート;ブチルカルビトールまたはカルビトールのエステル、例えばブチルカルビトールアセテートおよびカルビトールアセテート;およびテキサノール(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)が含まれる。
【0052】
溶媒の含有量は、感光性ペーストの総量に基づいて3〜50重量%であることが好ましい。
【0053】
(V)追加の要素
感光性ペースト中には、分散剤、TAOBN(1,4,4−トリメチル−2,3−ジアザビシクロ[3.2.2]−ノン−2−エン−N,N−ジクソイド(dixoide))およびマロン酸などの安定剤、可塑化剤、離型剤(parting agent)、剥離剤(stripping agent)、シリコーン油などの消泡剤、および湿潤剤などの当業者にとって公知の追加の要素が存在し得る。従来の技術に基づいて適切な要素を選択してもよい。
【0054】
以上で指摘した通り感光性ペーストは無機構成成分と有機構成成分を有しており、溶媒を除いた無機構成成分の総量を「有機構成成分重量」と呼称し無機構成成分の総量を「無機構成成分重量」と呼称した場合、[無機構成成分重量]/[有機構成成分重量]の比は好ましくは1.2〜3.5である。有機構成成分の量が過度に少ない場合、露光効率は低下し、パターン形成は極めて困難となる。有機構成成分の量が過度に多い場合、銅粉末の焼結は遅延し、銅粉末の酸化が進行し、その結果電極抵抗は増大する。
【0055】
電極の製造方法
感光性ペーストを用いた電極の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0056】
本発明の電極は、PDP用背面基板のアドレス電極として使用可能である。本発明の電極は、PDP用アドレス電極として適切であるフィルム厚、形状およびピッチを有する。
【0057】
図1は、実用的製造手順を示す概略図である。第1に感光性ペーストはガラス基板上にコーティングされる。ディスペンサーを用いるコーティング方法(106)およびスクリーン印刷により導電性感光性ペースト(104)をガラス基板(102)上に完全にコーティングする(図1(A))。
【0058】
次に、コーティングされた感光性ペーストを乾燥させる。感光性ペーストの層を乾燥させる場合、乾燥条件は特に限定されない。例えば、100℃で18〜20分間乾燥させてよい。同様に、コンベヤ型赤外線乾燥機を用いて感光性ペーストを乾燥させることもできる。
【0059】
次に、乾燥した感光性ペーストはパターン化される。パターン化処理において、乾燥した感光性ペーストは露光され現像される。露光プロセスにおいては、電極パターンを有するフォトマスク(108)が乾燥済み感光性ペースト(104)上に置かれ、これに対し紫外線(110)が照射される(図3(B))。
【0060】
露光条件は、感光性ペーストのタイプおよび感光性ペーストのフィルム厚によって異なる。例えば、200〜400μmの間隙が用いられる露光プロセスにおいては、100mJ/cm2〜2000mJ/cm2の紫外線を使用することが好ましい。照射期間は、好ましくは5〜200秒である。
【0061】
現像はアルカリ溶液により行なうことができる。アルカリ溶液としては、0.4%の炭酸ナトリウム溶液を使用してよい。現像は、基板(102)上の露光済み感光性ペースト層(104)に対しアルカリ溶液(112)を噴霧することによって(図3(C))あるいは露光済み感光性ペースト(104)を有する基板(102)をアルカリ溶液中に浸漬することによって実施できる。
【0062】
次に、パターン化された感光性ペーストは焼結される(図3(D))。組成物は、既定の温度プロファイルを有する焼結炉内で焼結可能である。焼結プロセス中の最高温度は好ましくは400〜600℃、またはより好ましくは500〜600℃である。焼結期間は好ましくは1〜3時間、好ましくは1.5時間である。
【0063】
本発明において、焼成は空気雰囲気中で実施される。以上で指摘した通り、感光性ペーストの組成を制御することにより、空気焼成でさえ低抵抗の微細なパターンを形成することができる。本出願では、「空気中での焼成」または「空気焼成」とは、本質的に、焼成炉内の雰囲気の交換を伴わない焼成を意味し、より具体的には、これには焼成炉内の雰囲気の交換を伴わない焼成および炉内の5vol%以下の雰囲気の交換を伴う焼成の両方が含まれる。
【0064】
焼結および冷却プロセスの後、アドレス電極(114)を伴う基板(103)が得られる(図3(E))。
【0065】
銀ペーストと同じ要領で配線材料として使用した場合には、体積抵抗率を銀の抵抗率に比較して大幅(例えば100倍)に超過させることはできない。体積抵抗率が過度に大きくなった場合、抜本的な設計変更が必要となるため銅との置換は非常に困難になる。銀の体積抵抗率は、室温近くで1.6×10-6Ω・cmであることから、100倍の基準が設定されている場合、体積抵抗率は1.6×10-4Ω・cm以下であることが好ましい。本発明によると、空気ベーキングが実施される場合でも、導電性構成成分として銅を使用することによってこのような低抵抗電極を形成することが可能である。
【0066】
本発明は、電極を有する電子デバイスに応用可能であるが、特に用途がこれに限定されるわけではない。好ましくは、本発明は、PDPの背面パネルの電極に応用可能である。PDPの生産コストは、本発明を使用することによって削減できる。
【実施例】
【0067】
本発明について以下で実施例によりさらに詳細に説明する。実施例は単に例示を目的としたものであり、本発明を限定する意図はない。
【0068】
(A)銅およびホウ素粉末比の効果に関する試験
1.有機構成成分の調製
溶媒としてのテキサノール(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)および有機結合剤として6,000〜7,000の分子量を有するアクリルポリマー結合剤を混合し、混合物を撹拌しながら100℃まで加熱した。全ての有機結合剤が溶解するまで混合物を加熱し撹拌した。得られた溶液を75℃まで冷却した。光重合開始剤としてEDAB(エチル4−ジメチルアミノベンゾエート)、DETX(ジエチルチオキサントン)およびChiba Specialty Chemicals製のIrgacure 907を添加し、安定剤としてTAOBN(1,4,4−トリメチル−2,3−ジアザビシクロ[3.2.2]−ノン−2−エン−N,N−ジクソイド(dixoide))を添加した。全ての固体が溶解するまで混合物を75℃で撹拌した。40ミクロンのフィルターを通して溶液を濾過し、冷却した。
【0069】
2.銅およびホウ素ペーストの調製
2.42重量%のTMPEOTA(トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート)、2.42重量%のBASF製Laromer(登録商標)LR8967(ポリエチルアクリレートオリゴマー)および7.26重量%のSartomer(登録商標)SE399(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート)からなる光重合モノマー、安定剤として0.26重量%のマロン酸、0.04重量%のシリコーン消泡剤(BYK Chemie、 BYK085)を、20.31重量%の上述の有機構成成分と黄色光の下で混合タンク内において混合して、ペーストを調製した。導電性粒子として、1.09重量%のビスマスフリット(日本山村硝子株式会社)、ホウ素粉末(H.C.Starck,Boron Amorphous I、D50=0.9μm)および銅粉末(Ultrafine Powder Technology、D50=1.0μm)を使用した。ホウ素粉末と銅粉末の量は、表1中に示されているように異なる実施例および比較例の間で変動した。実施例および比較例中で使用した量は、表1〜3に示されている。
【0070】
無機材料の粒子が有機材料により湿らされた状態となるまで、ペースト全体を混合した。3本ロールミルを用いて混合物を分散させた。
【0071】
3.電極の調製
ペーストの調製および部品の製造中の汚れによる汚染は欠陥をもたらす結果となることが考えられるため、汚れによる汚染を回避するために予防措置を講じた。
【0072】
3−1:コーティング
200〜400メッシュスクリーンを用いてスクリーン印刷することにより、ガラス基板に対して銅およびホウ素ペーストを塗布した。所望のフィルム厚を確実に得るため適切なスクリーンおよび黒色電極ペースト粘度を選択した。その後ペーストを熱風循環炉内において100℃で20分間乾燥して、4.5〜5.0μmの乾燥フィルム厚を有する銅およびホウ素電極を形成した。
【0073】
3−2:紫外線パターン露光
乾燥したペーストを、平行紫外線放射源(照射:18〜20mW/cm2;露光:200〜2000mJ/cm2)を用いてフォトツールを介して露光した。
【0074】
3−3:現像
露光済み試料をコンベア上に置き、次に現像液として0.4重量%の炭酸ナトリウム水溶液を充填した噴霧式現像装置内に入れた。現像液を30℃の温度に保ち、10〜20psiで噴霧した。
【0075】
現像時間は、以下の要領で決定した。第1に、現像液中で未露光の乾燥フィルムを洗浄する時間(TTC、Time To Clear)を、露光済みパターンを伴う試料の場合と同じ条件として、乾燥したその未露光試料を用いて印刷を行い、測定した。次に、露光されたパターンを伴う試料部品を、現像時間をTTCの1.5倍に設定して現像した。
【0076】
空気ジェットで余剰の水を吹き飛ばすことによって、現像済み試料を乾燥させた。
【0077】
3−4:焼結
1.5時間のプロファイルを用いて空気中でベルト炉内で焼結させることによって、590℃のピーク温度に達した(第1回焼結)。
【0078】
有機構成成分の含有量およびさまざまな銅粉末サイズは一定に保ち、ホウ素の重量と銅およびホウ素を組み合わせた重量との比([B]/[Cu+B])を、5%から50%まで変動させ、焼成した部品の表面抵抗を測定した。
【0079】
表面抵抗の測定用として、ポリ#380メッシュスクリーンを用いてスライドガラス上に試料ペーストをスクリーン印刷して40mm×40mmの正方形の印刷済み部域を形成することで、供試体を調製した。部品を乾燥させ、フォトマスクを使用せずに完全に露光し、その後焼成した。40mm×40mmの部域の対角線を横断して表面上に2つのプローブを適用することによって、焼成済みフィルムの表面抵抗を測定した。この測定のためには、焼成済みフィルムの厚みを3〜5μmの範囲に調整した。
【0080】
以下の方法によって、ライン形成を評価した。パターン露光を伴う現像済み試料片を目視により調べて、現像後に微細なラインが残っているか否かを判定した。より具体的には、試料部品を、100μmのラインパターンフォトマスクを用いて800mJ/cm2で露光し、その後、焼成済みフィルムの厚みを3〜5μmに調整しながら、TTCの1.5倍の現像時間で現像した。
【0081】
現像の後100μmのラインが残っていた場合、これをOK(合格)と評定した。しかし100μmのラインが洗い流されるかまたは数多くの配線破断が観察された場合には、NG(不合格)と評定した。
【0082】
空気焼成条件下で、銅粉末は酸化され易いが、ホウ素重量比が15%および17.5%の試料の場合、表面抵抗は1.0Ω未満であり、ホウ素の存在によって酸化が事実上抑制されることがわかった。5重量%のホウ素含有量を有する試料の場合、酸化が進行したため抵抗は1MΩを上回り、表面抵抗は非常に大きくなった。一方、35重量%および50重量%のホウ素含有量を有する試料において、表面抵抗は、装置の測定上限(100MΩ)よりも大きいものであった。許容抵抗値を100Ωに設定した場合、ホウ素重量と銅とホウ素の組合せ重量との比について、5重量%という値は過小であり、35重量%の値は過大であるとみなすことができる。図2は、ホウ素含有量と表面抵抗の関係を示すグラフである。
【0083】
【表1】
【0084】
(B)銅粉末の直径の効果に関する試験
表2に示されているように、有機構成成分の含有量および銅とホウ素の組合せ重量に対するホウ素の重量の割合([B]/[Cu+B]=17.5重量%)を一定に保ち、銅粉末の平均粒度(D50)を変動させ、焼成した部品内で表面抵抗を測定した。3μmという平均粒度(D50)を有する銅粉末を使用した場合、表面抵抗は34.1Ωまで増大し、このような大きな粒度の銅粉末で所望の低い抵抗値を得ることは困難であることがわかった。
【0085】
【表2】
【0086】
(C)有機および無機組成物の効果に関する試験
銅とホウ素の組合せ重量に対するホウ素の重量の割合([B]/[Cu+B]を17.5重量%で一定に保ち、D50=1.1の銅粉末を用いて、無機構成成分および有機構成成分の量または有機構成成分中のモノマーの量を変動させることによって表3中に示したペーストを調製し、ベーキング後の体積抵抗をフォトパターン化およびパターン化されたラインとの関係において決定した。
【0087】
概してラインを形成せずに測定された表面抵抗について、優れた値が得られた。無機/有機組成物の詳細を調査すると、100μmのラインのパターン形成は、[無機構成成分の重量]/[有機構成成分の重量]の値が3.5以下である場合に優れている傾向にあった。ライン形成は同様に、[モノマー重量]/[無機構成成分の重量]が0.1〜0.3の範囲内であった場合にも優れている傾向にあった。表3に示す通り、[無機構成成分の重量]/[有機構成成分の重量]がさらに小さくなった場合に、抵抗率は増大した。[モノマーの重量]/[有機構成成分の重量]が0.3以上に上昇した場合に、ラインの形成を良好に行うことはできたが、抵抗は増大し、表面粘着性が増大する傾向にあった。
【0088】
体積抵抗率は、以下の方法を用いて評価した。
【0089】
体積抵抗率のためには、幅400μm長さ14.7mmのラインパターンを有するフォトマスクを用いて露光し、現像し、焼成することによって形成されたパターンについて、抵抗を測定した。その後、ライン幅およびフィルム厚から体積抵抗率を計算した。
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
【表5】
【0093】
【表1】
本発明は以下の実施の態様を含むものである。
1.感光性ペーストを空気中で焼成することで形成される電極であって、前記ペーストが、銅粉末、ホウ素粉末およびガラスフリットを含む無機構成成分と、光重合開始剤、モノマーおよび有機ビヒクルを含む有機構成成分とを含み、銅粉末の平均粒度が2.5μm以下であり、銅粉末とホウ素粉末の総量に基づくホウ素粉末の含有量が8〜25重量%である、電極。
2.前記ホウ素粉末の平均粒度が3μm以下であり、前記電極のフィルム厚が1〜4μmである、前記1に記載の電極。
3.プラズマディスプレイパネル用に使用され、体積抵抗率が1.6×10−4Ω・cmである、前記1に記載の電極。
4.プラズマディスプレイパネル用の電極の製造方法であって、
銅粉末、ホウ素粉末およびガラスフリットを含む無機構成成分と、光重合開始剤、モノマーおよび有機ビヒクルを含む有機構成成分とを含み、前記銅粉末の平均粒度が2.5μm以下であり、銅粉末とホウ素粉末の総量に基づくホウ素粉末の含有量が8〜25重量%である感光性ペーストを塗布するステップと;
前記塗布した感光性ペーストを乾燥させるステップと;
前記乾燥した感光性ペーストを露光するステップと;
前記露光した感光性ペーストを現像するステップと;
前記現像した感光性ペーストを空気中で焼成して電極パターンを形成するステップと、
を含む方法。
5.前記ホウ素粉末の平均粒度が3μm以下であり、前記電極のフィルム厚が1〜4μmである、前記4に記載の電極の製造方法。
6.前記無機構成成分の含有量に関して前記モノマーの含有量が8〜35重量%である、前記4に記載の電極の製造方法。
7.前記感光性ペースト中の[無機構成成分重量]/[有機構成成分重量]比が1.2〜3.5であり、ここで前記無機構成成分重量は前記無機構成成分の総重量を意味し、前記有機構成成分重量は溶媒を除いた前記有機構成成分の総重量を意味し、かつ[モノマー重量]/[無機構成成分重量]比が0.1〜0.3である、前記4に記載の電極の製造方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2