(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5654639
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】移動体の端部検出装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20141218BHJP
G01B 11/24 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
G01B11/00 C
G01B11/24 M
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-128609(P2013-128609)
(22)【出願日】2013年6月19日
(62)【分割の表示】特願2009-102818(P2009-102818)の分割
【原出願日】2009年4月21日
(65)【公開番号】特開2013-213829(P2013-213829A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2013年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000143031
【氏名又は名称】コーデンシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098969
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 正行
(72)【発明者】
【氏名】福田 英二
(72)【発明者】
【氏名】平光 康裕
【審査官】
▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭48−003860(JP,A)
【文献】
特開昭54−154351(JP,A)
【文献】
特開昭63−139511(JP,A)
【文献】
特開昭60−220803(JP,A)
【文献】
特開2001−183110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Z方向に移動する移動体のX方向の端部の位置を非接触状態で検出する装置において、
Y方向に光を発する発光素子と、
移動体の通路を間にして前記発光素子とY方向に対向し、X方向に昇順又は降順に配列したn個(nは3以上の正の整数)の受光素子D1、D2、・・・Dnと、
隣り合う受光素子の受光の有無ないし受光量の差を各々比較し、比較した結果を異なる電圧もしくは信号で出力する比較器C1、C2、・・・Cn−1と、
前記比較器C1、C2、・・・Cn−1の出力に基づいて、遮光された受光素子の数と比例又は反比例する電圧もしくは信号、又は設定した電圧もしくは信号に達した旨の信号を出力する演算部と
を備え、
前記各受光素子Dmの出力端子が二つに分岐され、その一方が増幅器を介して比較器Cmの非反転入力端子に接続され、他方が別の増幅器を介して比較器Cm−1の反転入力端子に接続されており、
前記演算部が、前記比較器C1、C2、・・・Cn−1の後段に各々接続されたトランジスタQ1、Q2、・・・Q20と、トランジスタQ1、Q2、・・・Q20の動作に基づいて抵抗分圧比が段階的に切換えられる分圧回路とを有する
ことを特徴とする移動体の端部検出装置。
【請求項2】
更に、前記演算部の出力値を移動体のX方向の端部位置情報に変換する変換テーブルを備える請求項1に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物体(以下、「移動体」)を走行あるいは回転させている間に、その端部の位置を検出する装置に関する。この発明は、特に移動体の蛇行、反り、よれ、偏芯の有無を判定するために好適に用いられる。
【背景技術】
【0002】
印刷用紙、搬送用無端ベルト、記録媒体ディスク、プラスチックシートなどの移動体は、走行又は回転中に蛇行、反り、よれ、偏芯などの予定外の動きをすると、印刷、搬送、記録が適正に行われない。そこで、これを防止するために、移動体の端部の位置を検出し、検出データに応じて移動体の動きが制御されている。
このような移動体の端部の位置を検出するために、従来より発光器と、発光器からの光を受光する受光器とを備え、検出対象物の有無を光学的に検出するフォトインタラプタ(特許文献1)やCCDセンサが知られている。受光器は、フォトインタラプタの場合はフォトトランジスタ、CCDセンサの場合はフォトトランジスタ及びCCDからなる。
【0003】
CCDセンサは分解能が高く、これを受光器に用いた例として、移動体の移動方向に直交する方向に直線状に配置された複数の光電変換素子(CCD)からなるエッジ位置検出装置が提案されている(特許文献2)。この装置においては、各光電変換素子は、受光量に応じた一定の電圧を出力する。そして、発光器と受光器との間を移動体が通過する際に、移動体により遮光された光電変換素子の出力値と移動体により遮光されていない光電変換素子の出力値との中間の出力値を示す光電変換素子の位置が移動体の端部に対応すると判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−010179号公報
【特許文献2】特許第3932512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、フォトインタラプタは、発光器の光量変化や受光素子の感度の影響を受けやすいため、複雑な補正回路を必要とし高コストを強いられるか、又は分解能の低下に甘んじなければならない。また、CCDセンサは、それ自体高価であるうえ、信号処理に高いコストがかかる。しかも発光器及び受光器の品質のバラツキに伴って出力値がばらつくため、制御や調整が複雑である。そして、いずれの方式も対応可能な移動体のサイズが装置毎に定まっている。
【0006】
それ故、この発明の第一の課題は、補正回路が無くても精度のばらつきが無く、発光素子または受光素子の各個別の特性や、発光素子または受光素子の汚れなどに起因する受光量の差異に影響されることがなく、高精度で検出可能な端部検出装置を提供することにある。第二の課題は、種々のサイズの移動体に適応可能な検出装置を提供することにある。第三の課題は、小型で耐久性に優れた端部検出装置を安価に提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
その課題を解決するために、この発明の移動体の端部検出装置は、
Z方向に移動する移動体のX方向の端部の位置を非接触状態で検出する装置において、
Y方向に光を発する発光素子と、
移動体の通路を間にして前記発光素子とY方向に対向し、X方向に昇順又は降順に配列したn個(nは3以上の正の整数)の受光素子D1、D2、・・・Dnと、
隣り合う受光素子の受光の有無ないし受光量の差を各々比較し、比較した結果を異なる電圧もしくは信号で出力する比較器C1、C2、・・・Cn−1と、
前記比較器C1、C2、・・・Cn−1の出力に基づいて、遮光された受光素子の数と比例又は反比例する電圧もしくは信号、又は設定した電圧もしくは信号に達した旨の信号を出力する演算部と
を備えることを特徴とする。
【0008】
この発明の装置では、一次元に配列したn個(nは3以上の正の整数)の受光素子の隣り合う受光素子の受光の有無を対応する比較器が各々比較して、二値化された信号などの異なる電圧もしくは信号で出力する。例えば、隣り合う受光素子の一方又は両方が受光したときは
ローレベルの電圧を、両方が受光していないときは
ハイレベルの電圧を各比較器が出力する。そして、演算部が、前記比較器C1、C2、・・・Cn−1の出力に基づいて、遮光された受光素子の数と比例又は反比例する電圧もしくは信号、又は設定した電圧もしくは信号に達した旨の信号を出力する。これにより、演算部が出力する値とX方向の位置とが一次相関を示す。従って、X方向の既知の位置に対応する演算部の出力値を予め取得しておくことで、出力値から移動体のX方向端部位置を判定することができる。
【0009】
前記演算部は、前記比較器C1、C2、・・・Cn−1の後段に各々接続されたトランジスタQ1、Q2、・・・Q20と、トランジスタQ1、Q2、・・・Q20の動作に基づいて抵抗分圧比が段階的に切換えられる分圧回路とを有する。この構成によれば、比較器の出力に基づいてトランジスタが各々ON/OFFし、抵抗分圧比を切換える。一つのトランジスタの切換えで、出力値が一段増減するため、低コストで前記の一次相関が達成される。前記演算部は、比較器Cmの出力を比較器Cm−1の出力に累積減算又は累積加算することによって出力するものであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明の装置によれば、移動体によって遮光されている受光素子と遮光されていない受光素子とで比較器が差動をとることができれば足りる。このため、光量が低くても支障ないし、補正回路が無くても精度のばらつきが無く、発光素子または受光素子の各個別の特性や、発光素子または受光素子の汚れなどに起因する受光量の差異に影響されることがない。その結果、高精度で安定的な検出が可能である。また、演算部が出力する値とX方向の位置とが一次相関を示すので、種々のサイズの移動体に適応可能である。更に、補正回路を要しないので小型であり、非接触で検出するので耐久性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1の端部検出装置を示す斜視図である。
【
図2】(a)は同装置の正面図、(b)は同装置の平面図、(c)は同装置の右側面図、(d)は(a)のAA矢視断面図である。
【
図3】同装置に用いられている受光器を示す正面図である。
【
図6】フォトダイオードの位置と演算部の出力電圧との関係を示すグラフである。
【
図7】演算部から出力される電圧値と端部位置情報とを関連付けた変換テーブルである。
【
図8】X方向の端部位置情報の経時変化を示す図である。
【
図9】移動体が回転ディスクであるときの端部位置検出装置の使用方法を示す平面図である。
【
図10】移動体が給紙カセットの押し上げ板であるときの端部位置検出装置の使用方法を示す鉛直方向断面図である。
【
図11】移動体が長いウェブGであるときの端部位置検出装置の使用方法を示し、(a)が平面図、(b)が(a)のBB矢視断面図である。
【
図12】実施形態5の検出装置に用いられる受光器を示す正面図である。
【
図13】実施形態6の検出装置の回路ブロック図である。
【
図14】実施形態7の検出装置の回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
−実施形態1−
この発明の端部検出装置を実施形態に基づいて図面とともに具体的に説明する。
図1は実施形態の端部検出装置を示す斜視図、
図2(a)は同装置の正面図、
図2(b)は同装置の平面図、
図2(c)は同装置の右側面図、
図2(d)は
図2(a)のAA矢視断面図、
図3は同装置に用いられている受光器を示す正面図、
図4は同装置の使用状態を示す斜視図、
図5は同装置の回路ブロック図である。
【0013】
便宜上、
図4において向かって左右方向をX方向、上下方向をY方向とする。検出装置1は、Z方向に移動する移動体としての印刷用紙PのX方向の端部の位置を非接触状態で検出するもので、発光素子2、受光素子アレイ3、保持体4、集積回路5及び演算部6を備える。
【0014】
発光素子2は、Y方向に光を発する発光ダイオードであって、その表面にはコリメートレンズ2aが取り付けられている。受光素子アレイ3は、移動体Pの通路を間にして発光素子2とY方向に対向し、X方向に0.1mmピッチで配列した21個の受光素子としてのフォトダイオードD1、D2、・・・D21からなる。保持体4は、樹脂にてコの字型に一体成形されたモノリシック構造をなし、移動体Pの通路と干渉しないように空間を保って一方の側に発光素子2、他方の側に受光素子アレイ3を保持している。フォトダイオードD1、D2、・・・D21は、保持体4の連結部分4aに近い側から遠い側に向かって降順に配列されている。
【0015】
集積回路5は、受光素子アレイ3に各フォトダイオードと電気的に接続するように保持体4に固定されている。集積回路5には、
図5に示すように多数の増幅器、比較器及び信号調整回路が組み込まれている。演算部6は、トランジスタQ1、Q2、・・・Q20と、トランジスタQ1、Q2、・・・Q20の動作に基づいて抵抗分圧比が段階的に切換えられる抵抗R1〜R21を含む分圧回路とからなる。フォトダイオードD1の出力端子は増幅器を介して比較器C1の入力端子に接続されている。そして、フォトダイオードD1を除く各フォトダイオードDmの出力端子は二つに分岐しており、一方の分岐がそれぞれ増幅器A012、A022・・・を介してCmの非反転入力端子に接続され、他方の分岐がそれぞれ増幅器A021、A031・・・を介して比較器Cm−1の反転入力端子に接続されている。尚、増幅器の符号は、全て図示すると図面が煩雑となるので省略するが、三桁の数字のうち最も右側の数字「1」及び「2」がそれぞれ比較器の反転入力端子及び非反転入力端子に接続していることを示し、残り二桁がフォトダイオードの符号の数字と対応している。
【0016】
各比較器Cmの出力端子は、それぞれ対応するトランジスタQmのベースに接続されている。抵抗R1〜R21は、出力をステップ電圧とするための主要素であって互いに直列に接続されており、R1側の末端の電極がGNDに接続され、R22側の末端の電極が電源端子に接続されている。R1〜R21は各抵抗間(抵抗RmとRm+1との間)で各トランジスタQmのコレクタと接続されている。エミッタはGNDに接続されている。各トランジスタのON/OFFにより、抵抗分圧が行われ、抵抗分圧値に見合った出力がなされる。抵抗R21とR22との接続点より、ボルテージフォロア回路7を介して出力電圧Voutが取り出される。
【0017】
比較器C1はフォトダイオードD1、D2の光電流を
各々増幅器
A012、A021を介して差動を取り、C2はD2、D3の光電流を
各々増幅器
A022、A031を介して差動を取り、C20はD20、D21の光電流を
各々増幅器
A202、A211を介して差動を取る。比較器には各々S1〜S20の信号安定回路が信号安定化のために設けられている。差動増幅器8は比較器C1〜C20の動作を安定させるためのもので、その入力端子にフォトダイオードD21と定電流源9が接続され、出力端子に信号安定回路S21を介して比較器C20が接続されている。
【0018】
この構成によれば、比較器Cmが
HIGHとなるとトランジスタQmがONとなって、コレクタに電流が流れ、抵抗R1〜R20の合成抵抗がRmとRm+1との間で分断される。従って、フォトダイオードD1からD21までの範囲における遮光の程度に応じて比較器Cm、トランジスタQmが動作し、抵抗分圧比が切り替わって出力電圧値
【0020】
として出力される。
図6はフォトダイオードの位置と演算部の出力電圧との関係を示すグラフであり、横軸の数字は比較器の番号と対応している。全てのダイオードが受光した時は出力が3.3V、全てが遮光された時は出力が0.8Vとなる。例えばD10とD11との間に移動体の端部が位置していてD1からD10までのダイオードだけが遮光され、D11以降は受光したとする。この場合、C1からC10までの比較器は、各々
HIGHとなり、R1〜10までがGNDレベルにショートカットされ、分圧抵抗値が減少して出力値2Vを出力する。
【0021】
ボルテージフォロア回路7は、CPU、ROM及びRAMを含む図略のコンピュータに接続されており、出力電圧値2Vがコンピュータ処理により
図7の変換テーブルに基づいて2mmという端部位置情報に変換される。変換テーブルは、電圧値と端部位置情報とが一次相関を示すように関連付けたものであり、ハードディスク、CDなどの記憶媒体に記憶されている。コンピュータは、移動体のX方向の端部位置情報を既定値と比較することにより移動体端部が所望の位置にあるかどうかを判定し、更に、既定値からどれだけ離れているかを判定する判定部を備える。即ち、例えば既定値を1.5mm、所望の位置が1.5±0.1mmとしたとき、判定部は前記移動体の端部が所望の位置に無いと判定し、0.5mm離れていると判定する。こうして端部の位置及びそのずれの程度を検出することができる。この既定値は移動体のX方向サイズに応じて定めればよい。
【0022】
移動体は、放置していても自動的に既定の位置に矯正されることがある。従って、移動体の端部が所望の位置から外れる度に位置ずれと判定していては、機械的に矯正する際に多大のエネルギー損失を生じる。そこで、このような場合、前記判定部は、更に、移動体のX方向の端部位置情報を一定時間連続して取得し、前記取得した端部位置情報を時系列に比較することにより移動体端部が所望の位置にあるかどうかを判定し、更に、所望の位置からどれだけ離れているかを判定する。例えば、
図8に示すように端部位置情報を連続して取得し、端部位置が1.5±0.1mmの範囲を超えている時間がt時間に達したとき、これを検出して位置ずれ信号を発する。また、そのt時間内における変位の方向及び量に基づいて移動体の蛇行、反り又はよれの有無を判定する。
【0023】
検出装置1によれば、移動体によって遮光されている受光素子と遮光されていない受光素子とで比較器が差動をとることさえできれば、それらの受光素子間が移動体の端部位置であると特定できる。このため、発光器の光量の不安定さに起因して光量が低くなっても支障ないし、補正回路が無くても精度のばらつきが無い。即ち、発光素子または受光素子の各個別の特性や、発光素子または受光素子の汚れなどに起因する受光量の差異に影響されることがない。その結果、検出幅±1mm、検出分解能0.1mmという高精度で移動体の端部位置を検出可能である。また、演算部が出力する電圧値とX方向の位置とが一次相関を示すので、種々のサイズの移動体に適応可能である。更に、補正回路を要しないので小型であり、非接触で検出するので耐久性に優れる。
【0024】
受光素子の受光量によっては、比較器が差動を取りにくい場合があるときは、受光素子の受光量を電圧値として出力したのち、その電圧値が一定値以上か否かをもって、2種類の信号、もしくは一種類の信号と無信号を出力する閾値判断回路を受光素子に接続するとよい。これにより、比較器による信号の二値化が容易に達成される。閾値判断回路は比較器に内在されていてもよいし、比較器と受光素子との間に設けられていても良い。
検出装置1は、移動体のX方向の位置を矯正するだけのためには通常単独で用いられるが、移動体のX方向の両端部付近に各々配置して、各端部の位置を検出してもよく、これにより蛇行、反り又はよれの有無を判定精度が向上する。
【0025】
−実施形態2−
図9は、移動体が回転ディスクWであるときの端部位置検出装置の使用方法を示す平面図である。検出装置1は、ディスクテーブルにおけるX方向の一端部に一つ、Z方向の一端部に一つ、合計2つ設置されている。そして、回転中のディスクの周縁の位置情報を一定時間連続して取得し、位置情報を時系列に比較し、偏芯の有無が判定される。
【0026】
−実施形態3−
図10は、移動体が給紙カセットの押し上げ板Mであるときの端部位置検出装置の使用方法を示す鉛直方向断面図である。押し上げ板Mは、上面に用紙を載せるように給紙カセットK内の底に設置されており、下面に指示棒Bが連なっている。紙が送りローラ11、12で送られてその量が減る度に、給紙カセットK内で押し上げ板Mが上昇する。検出装置1は、給紙カセットKの底より下方に延びた指示棒Bの下端の軌道を間にして発光素子(図示省略)及び受光素子アレイ3が対向するように設置されている。そして、押し上げ板Bが所定の高さに位置するかどうかを装置1が検出している。
【0027】
−実施形態4−
図11は、移動体が長いウェブGであるときの端部位置検出装置の使用方法を示し、(a)が平面図、(b)が(a)のBB矢視断面図である。検出装置1は、ウェブの左右両端に一つずつ合計2つ設置されている。走行中のウェブGの両端の位置情報を一定時間連続して取得し、位置情報を時系列に比較し、たわみ、蛇行、反りの有無が判定される。
【0028】
−実施形態5−
以上の実施形態はいずれも移動体のX方向の端部位置を検出するものであるが、
図4における受光素子アレイ3に代えて、
図12に示すように受光素子がZ方向に配列した受光素子アレイ13を用いることにより、移動体のZ方向の端部位置を検出することもできる。
【0029】
−実施形態6−
図13は、実施形態6の検出装置の回路ブロック図である。この実施形態では実施形態1における演算部6に代えて比較器Cmの出力を比較器Cm−1の出力に累積減算又は累積加算するコンピュータプログラムが演算部16として機能する。尚、コンピュータプログラムに代えて論理回路を用いてもよい。
【0030】
−実施形態7−
図14は、実施形態7の検出装置の回路ブロック図である。この実施形態では実施形態1における各比較器Cmの後段に電圧レギュレータBmが接続され、比較器の出力が所定の電圧信号に制御されて各々トランジスタQmに入力される。これにより基準電圧Vrefなどの比較器に与えられる電圧にばらつきがあっても実施形態1〜6と同様に高精度に移動体の端部位置を検出することができる。尚、電圧レギュレータBmは比較器Cmの前段に接続されていても良い。
【0031】
−実施形態8−
実施形態6において演算部16が、累積減算又は累積加算後の値が設定した電圧又は信号に達したことを判定し、達した場合にその旨を信号によって出力するようにしてもよい。即ち、
図6において、2Vに達するまでは出力せず、2Vに達したときにその旨を出力するようにするのである。
【符号の説明】
【0032】
1 端部検出装置
2 発光素子
3 受光素子アレイ
4 保持体
5 集積回路
6 演算部