(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5654682
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】燃料、好適にディーゼル燃料を内燃機関へと供給するポンプユニット、及び、関連する組立方法
(51)【国際特許分類】
F02M 59/44 20060101AFI20141218BHJP
F16B 21/18 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
F02M59/44 T
F16B21/18 F
F02M59/44 N
【請求項の数】18
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-526410(P2013-526410)
(86)(22)【出願日】2011年8月24日
(65)【公表番号】特表2013-540930(P2013-540930A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】EP2011064537
(87)【国際公開番号】WO2012028507
(87)【国際公開日】20120308
【審査請求日】2013年2月28日
(31)【優先権主張番号】MI2010A001594
(32)【優先日】2010年9月1日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】501125231
【氏名又は名称】ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】リグリェッティ、ガエターノ
【審査官】
赤間 充
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−003835(JP,A)
【文献】
実開昭49−017936(JP,U)
【文献】
実開昭48−104936(JP,U)
【文献】
特開平09−310710(JP,A)
【文献】
特開2004−218459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 59/44
F16B 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を内燃機関へと供給するポンプユニットであって、前記ポンプユニットは、ポンプ本体(2)と、前記ポンプ本体(2)内に形成された少なくとも1つのシリンダ(5)と、前記シリンダ(5)内に摺動自在に嵌め込まれた少なくとも1つの第1の直径(D2)を有するピストン(7)と、前記ピストン(7)上に装着された支持板(11)と、前記燃料を前記シリンダ(5)内に引き込むための吸入行程の間に前記ピストン(7)を移動させるための、前記ポンプ本体(2)と前記支持板(11)との間に配置されたばね(10)と、前記シリンダ(5)内に入れられた前記燃料を圧縮するための圧縮行程の間に前記ピストン(7)を移動させるための作動装置と、を備え、前記支持板(11)は、前記ピストン(7)の縦軸(6)と平行に当該支持板(11)を貫いて形成された開口部(12)であって、前記支持板(11)を通じて前記ピストン(7)を挿入するための挿入座部(14)と、前記ピストン(7)を前記支持板(11)に嵌入するための嵌入座部(15)と、前記ピストン(7)が前記挿入座部(14)と前記嵌入座部(15)との間を通れるようにするための連絡部(16)と、を含む上記開口部(12)を有し、前記連絡部(16)は、その狭い初期構成において、前記第1の直径(D2)よりも僅かに小さい第1の幅(L1)を有し、前記連絡部(16)には、自由端(18)をそれぞれが有する弾性的に変形自在な2つのアーム部(17)が側方に連接し、
前記挿入座部(14)と前記嵌入座部(15)とは略円形であり、前記アーム部(17)は前記挿入座部(14)の前記略円形の形状を構成することを特徴とする、燃料を内燃機関へと供給するポンプユニット。
【請求項2】
前記連絡部(16)は、前記2つのアーム部(17)を広げた後の、その広がった最終構成において、前記第1の直径(D2)に少なくとも等しい第2の幅(L2)を有する、請求項1に記載のポンプユニット。
【請求項3】
前記アーム部(17)はそれぞれ、前記広がった最終構成への当該アーム部(17)の移動を可能にするよう設計された掴持手段(19)を有する、請求項2に記載のポンプユニット。
【請求項4】
前記アーム部(17)はそれぞれ、前記広がった最終構成へと当該アーム部(17)を移動させるための少なくとも1つの拡張ツールが嵌め込まれるように設計された掴持座部(19)を有する、請求項2又は3に記載のポンプユニット。
【請求項5】
前記挿入座部及び前記嵌入座部(14、15)の湾曲部の中心(C1、C2)は、前記挿入座部及び前記嵌入座部(14、15)の湾曲部の半径の和よりも小さく互いに距離を置いて配置される、請求項4に記載のポンプユニット。
【請求項6】
前記開口部(12)は、前記アーム部(17)の弾性的変形の後に当該アーム部(17)を収容するための、前記連絡部(16)とは反対の側に配置された2つの凹部(20)をさらに有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポンプユニット。
【請求項7】
前記ピストン(7)は、第2の直径(D1)を有し、前記ピストン(7)の外表面上に形成され前記第1の直径(D2)を有する少なくとも1つの環状溝(8)を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポンプユニット。
【請求項8】
前記挿入座部(14)は、前記第2の直径(D1)よりも僅かに大きい第3の直径(D3)を有し、前記嵌入座部(15)は、前記第1の直径(D2)よりも僅かに大きく前記第2の直径(D1)よりも僅かに小さい第4の直径(D4)を有する、請求項7に記載のポンプユニット。
【請求項9】
前記環状溝(8)は、前記縦軸(6)と平行に測定された、前記支持板(11)の厚さよりも大きい高さ(H)を有する、請求項7又は8に記載のポンプユニット。
【請求項10】
前記2つのアーム部(17)は、前記開口部(12)の側壁(13)から当該開口部(12)内へと突き出ている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のポンプユニット。
【請求項11】
少なくとも前記アーム部(17)がその狭い初期構成により配置される場合に、各アーム部(17)は、略V字型の形状を有し、前記挿入座部(14)の部分と前記嵌入座部(15)の部分とを画定するために、他方のアーム部(17)と協働する、請求項10に記載のポンプユニット。
【請求項12】
前記燃料がディーゼル燃料である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のポンプユニット。
【請求項13】
燃料を内燃機関へと供給するポンプユニットの組立方法であって、前記ポンプユニットは、ポンプ本体(2)と、前記ポンプ本体(2)内に形成された少なくとも1つのシリンダ(5)と、前記シリンダ(5)内に摺動自在に嵌め込まれ及び支持板(11)を貫いて伸長し及び少なくとも1つの第1の直径(D2)を有するピストン(7)と、前記燃料を前記シリンダ(5)内に引き込むための吸入行程の間に前記ピストン(7)を移動させるための、前記ポンプ本体(2)と前記支持板(11)との間に配置されたばね(10)と、前記シリンダ(5)内に入れられた前記燃料を圧縮するための圧縮行程の間に前記ピストン(7)を移動させるための作動装置と、を備え、前記支持板(11)は、前記ピストン(7)の縦軸(6)と平行に当該支持板(11)を貫いて形成された開口部(12)であって、前記支持板(11)を通じて前記ピストン(7)を挿入するための挿入座部(14)と、前記ピストン(7)を前記支持板(11)に嵌入するための嵌入座部(15)と、前記ピストン(7)が前記挿入座部(14)と前記嵌入座部(15)との間を通れるようにするための連絡部(16)と、を含む上記開口部(12)を有し、前記連絡部(16)には、自由端(18)をそれぞれが有する弾性的に変形自在な2つのアーム部(17)が側方に連接し、前記連絡部(16)は、その狭い初期構成において、前記第1の直径(D2)よりも僅かに小さい第1の幅(L1)を有し、前記挿入座部(14)と前記嵌入座部(15)とは略円形であり、前記アーム部(17)は前記挿入座部(14)の前記略円形の形状を構成し、
前記組立方法は、
前記挿入座部(14)へと前記ピストン(7)を案内する工程と、
広がった最終構成を前記連絡部(16)に対して与えるために、前記アーム部(17)を広げる工程であって、前記広がった最終構成では、前記連絡部(16)が前記第1の直径(D2)に少なくとも等しい第2の幅(L2)を有する、前記広げる行程と、
前記連絡部(16)を通って前記挿入座部(14)から前記嵌入座部(15)へと前記ピストン(7)を移動させるために、前記縦軸(6)に対して前記ピストン(7)と前記支持板(11)とを互いに対して横方向に移動させる工程と、
を含む、燃料を内燃機関へと供給するポンプユニットの組立方法。
【請求項14】
前記ピストン(7)は、前記連絡部(16)に当たることなく、前記挿入座部(14)から前記嵌入座部(15)へと移動させられる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ピストン(7)を前記嵌入座部(15)内で半径方向に固定するために、前記アーム部(17)を解放する工程をさらに含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記ピストン(7)は、第2の直径(D1)を有し、前記ピストン(7)の外表面上に形成され前記第1の直径(D2)を有する少なくとも1つの環状溝(8)を含み、
前記組立方法は、
前記環状溝(8)が前記連絡部(16)と一線上に揃うように、前記挿入座部(14)を通じて、前記ピストン(7)と前記支持板(11)とを互いに対して軸方向に移動させる工程と、
前記連絡部(16)を経由して前記環状溝(8)を動かすために、前記ピストン(7)と前記支持板(11)とを互いに対して半径方向に移動させる工程と、
を更に含む、請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記環状溝(8)は、前記ピストン(7)の中間点に形成され、前記縦軸(6)と平行に測定された、前記支持板(11)の厚さよりも大きい高さ(H)を有し、
前記方法は、
前記ピストン(7)に対して前記支持板(11)を軸方向に固定するために、前記嵌入座部(15)を通じて、前記ピストン(7)と前記支持板(11)とを互いに対して軸方向に移動させる工程をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記燃料がディーゼル燃料である、請求項13〜17のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料、好適にディーゼル燃料を内燃機関へと供給するポンプユニットに関する。
特に、本発明は、ポンプ本体と、内燃機関へと燃料を供給するよう設計されたピストンポンプと、ピストンポンプに燃料を供給するよう設計された歯車ポンプと、に関する。
ピストンポンプは、ポンプ本体内に形成された少なくとも1つのシリンダと、ピストンと、を備え、ポンプ本体とピストン上に装着された支持板との間に配置されたばねの推力が掛かった状態での、シリンダ内へと燃料を引き込むための吸引行程、及び、作動装置の推力が掛かった状態での、シリンダ内に入れられた燃料を圧縮するための圧縮行程が行われるように、ピストンはシリンダ内に摺動自在に嵌め込まれる。
支持板は、ピストンの縦軸に対して平行に支持板を貫いて形成された開口部であって、支持板を通してピストンを挿入するための座部と、ピストンを支持板に嵌入するための座部と、ピストンが挿入座部と嵌入座部との間を通れるようにするための連絡部と、を含む上記開口部を含む。
【背景技術】
【0002】
一般に、ピストンには、当該ピストンの外表面上に形成された環状溝が設けられ、ピストンは、連絡部の幅よりも僅かに大きい直径を有し、挿入座部は、略円形の形状を有し、及び、ピストンの直径よりも僅かに大きい直径を有し、嵌入座部は、略円形の形状を有し、及び、環状溝の直径よりも僅かに大きい直径を有する。
【0003】
ピストンがいったん挿入座部に案内されてしまうと、最初に、ピストンと支持板とは、環状溝が半径方向に連絡部と一線上に揃うまで、互いに対して軸方向に移動させられ、その後、連絡部を経由して環状溝を動かすことによりピストンが挿入座部から嵌入座部へと移されるように、ピストンと支持板とが互いに対して半径方向に移動させられる。
【0004】
連絡部の幅は環状溝の直径よりも小さいため、ピストンが挿入座部から嵌入座部へと移動させられる場合には、環状溝が連絡部に当たる。従って、主として、ピストン上への支持板の取り付けにより、環状溝への損傷、ピストンからの金属粒子の分離、従って、ピストンの疲労強度の低下、及び、シリンダ内部でピストンが動かなくなること(seizing)が引き起こされるという事実により、上記タイプの公知のポンプユニットには複数の欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の欠点が無く簡素で安価に製造される燃料、好適にディーゼル燃料を内燃機関へと供給するためのポンプユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、請求項1〜12において請求される燃料、好適にディーゼル燃料を内燃機関へと供給するポンプユニットが提供される。
【0007】
本発明はさらに、燃料、好適にディーゼル燃料を内燃機関へと供給するポンプユニットの組立方法に関する。
【0008】
本発明によれば、請求項13〜17において請求される燃料、好適にディーゼル燃料を内燃機関へと供給するポンプユニットの組立方法が提供される。
【0009】
ここで、非限定的な実施例を示す添付の図面を参照しながら本発明を記載することにする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】明確さのために一部が削除された、本発明に係るポンプユニットの好適な実施形態の概略的な断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、符号1は全体において、燃料、特にディーゼル燃料を内燃機関(図示せず)へと供給するポンプユニットを表している。
【0012】
ポンプユニット1は、所与の縦軸3を有する中央孔(図示せず)が設けられたポンプ本体2と、内燃機関(図示せず)へと燃料を供給するよう設計されたピストンポンプ4と、ポンプ4に燃料を供給するよう設計された図示されない公知の歯車ポンプと、を備える。
【0013】
ポンプ4は、ポンプ本体2内に形成され及び軸3の周りに均等に分散され及び軸3に対してほぼ垂直に交わる縦軸6をそれぞれが有する複数のシリンダ5(そのうちの1つが
図1で示される)を備える。
【0014】
各シリンダ5内には、軸6と同軸上にシリンダ5内に装備された関連するピストン7が摺動自在に嵌め込まれ、各シリンダ5は直径D1を有し、各シリンダ5には、ピストン7自体の中間点にピストン7の外表面上に形成され直径D1よりも小さい直径D2を有する環状溝8(
図2)が設けられる。
【0015】
ピストン7は、提案するケースでは駆動軸(図示せず)を備える作動装置9による関連するシリンダ5に沿った往復直線運動によって移動させられ、上記駆動軸は、軸3の同軸上にポンプ本体2を貫いて伸長し、及び、ポンプ本体2に関して軸3の周りを回転するように装備され、及び、スリーブ(図示せず)を通じて転がり軸受(図示せず)を介して回転自在に嵌め込まれた偏心部を有する。
【0016】
スリーブ(図示せず)は、軸3に対して平行な縦軸を有し、及び、シリンダ5の数と等しい数の複数の平面が設けられた円柱面が外からスリーブに連結し、上記複数の平面はそれぞれ、関連するピストン7と平面自体との間に配置された各円板要素(図示せず)に対面している。
【0017】
作動装置9はさらに、各ピストン7のためにそれぞればね10を含み、このばね10は、関連する軸6と同軸上に装着され、及び、ポンプ本体2と、関連する軸6に対して直角にピストン7上に装備された略平坦な支持板11と、の間に配置され、及び、関連する円板要素(図示せず)に接触させた状態でピストン7自体を移動させ及び正常に保持するように設計されている。
【0018】
駆動軸(図示せず)の回転に従って、各ピストン7は、関連するシリンダ5内へと燃料を引き込むための行きの(outward)吸引行程の間には関連するばね10によって、及び、関連するシリンダ5内に入れられた燃料を圧縮するための戻りの(return)圧縮行程の間には、駆動軸(図示せず)の偏心部によって、スリーブ(図示せず)によって、及び、関連する座金(図示せず)によって、移動させられる。
【0019】
図3に示されるように、上記板11は開口部12を有し、この開口部12は、軸6に対して平行に上記板11を貫いて形成され、及び、軸6とほぼ同一平面上にある対称面Sを有し、成形された側壁13が開口部12に連接し、開口部12は、上記板11を通してピストンを挿入するための座部14と、上記板11にピストンを嵌入するための座部15と、座部14と座部15との間の通過を可能にする連絡部16と、を含む。
【0020】
座部14は、略円形の形状を有し、及び、軸6とは異なる湾曲部の中心C1を有し、及び、ピストン7の直径D1よりも僅かに大きい直径D3を有し、座部15は、略円形の形状を有し、及び、軸6に沿ってほぼ配置された湾曲部の中心C2を有し、及び、ピストン7の直径D1よりも僅かに小さく上記溝8の直径D2よりも僅かに大きい直径D4を有する。
【0021】
さらに、中心C1とC2との間の距離が、2つの座部14及び15の湾曲部の半径の和よりも小さいことが指摘される。
【0022】
連絡部16には、上記壁13から開口部12内へと突出した弾性的に変形自在な2つのアーム部17が側方に連接し、この2つのアーム部17は、上記面Sとは反対の側に伸びており、2つのアーム部17はそれぞれ、提案するケースでは軸6に対して平行に上記板11上に形成された穴19がそれぞれ設けられた自由端18を有する。
【0023】
アーム部17は、通常では、狭い初期構成(
図3)において配置され、この狭い初期構成では、上記部16は、平面Sに対して直角に測定された、上記溝8の直径D2よりも僅かに小さい幅L1を有し、各アーム部17は、略V字型の形状を有し、座部14の部分と座部15の部分とを画定するために、他方のアーム部17と協働する。
【0024】
開口部12はさらに2つの凹部20を含み、この2つの凹部20は平面Sとは反対の側に形成され、2つの凹部20には、上記壁13と、関連するアーム部17と、が連接している。
【0025】
上記板11をピストン7上に取り付けるために、
ピストン7が挿入座部14に挿入され、
上記溝8が半径方向に連絡部16と一線上に揃うように、上記板11がピストン7に沿って軸方向に移動させられ、
連絡部16を広がった最終構成(図示せず)とするために、アーム部17が、例えば穴19内に嵌め込まれた拡張ツール(splaying tool)を用いて、関連する凹部20内で外へ広げられ(splay)、上記広がった最終構成では、上記部16は、平面Sに対して直角に測定された、幅L1よりも大きく上記溝8の直径と少なくとも等しい幅L2を有し、
上記部16を経由して上記溝8が動かすために、ピストン7が、座部14から嵌入座部15へと半径方向に移動させられ、
アーム部17は、ピストン7を座部15内で半径方向に固定するために解放される。
【0026】
上記溝8は、提案するケースでは、上記板11の厚さよりも大きい高さHを有し、上記板11は、最終的に、ピストン7と接触した状態で移動させられる。
【0027】
アーム部17の上記広がった最終構成によって、ピストン7が、連絡部16に当たることなく座部14から座部15へと半径方向に移動することが可能となり、従って、上記溝8への損傷、ピストン7からの金属粒子の分離、ピストン7の疲労強度の低下、及び、シリンダ5内部でピストン7が動かなくなることが防止される。