(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
ランダムアクセス手順の実行に関する発明概念及び特徴は、現在の3GPP技術から進化したLTE(Long Term Evolution)システム又は他のいわゆる4G通信システムの観点から説明される。しかしながら、その具体的な事項が本発明の特徴を限定するものではなく、他のタイプの移動通信及び/又は無線通信システム並びに方法にも適用することができる。
【0007】
以下、「移動端末(Mobile Terminal)」という用語は、様々なタイプのユーザデバイス、例えば移動通信端末、ユーザ装置(User Equipment; UE)、移動装置(Mobile Equipment; ME)や、様々なタイプの無線通信技術をサポートする他の装置を意味する。
【0008】
第2世代(2G)移動通信とは、音声信号をデジタル方式で送受信するものであり、CDMA、GSMなどがある。前記GSMから発展したGPRSが提案されたが、前記GPRSは、前記GSMに基づいたパケット交換データサービス(packet switched data service)を提供するための技術である。
【0009】
第3世代(3G)移動通信とは、音声信号だけでなく、映像及びデータも送受信するものであり、3GPPは、IMT−2000移動通信システムを開発し、無線アクセス技術(Radio Access Technology; RAT)としてWCDMAを採択した。このようなIMT−2000とWCDMAとの組み合わせをUMTSということができるが、これはUTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)を含む。
【0010】
第3世代移動通信においては、今後データトラフィックが急速に増加すると予測されるので、より広い帯域幅を有する進化したネットワーク(LTEネットワーク)を構築するための標準化作業が行われている。前記LTE技術はE−UTRAN(Evolved-UTRAN)を有するE−UMTS(Evolved-UMTS)に用いられ、前記E−UTRANでは無線アクセス技術(RAT)としてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を用いる。
【0011】
図1はE−UMTSのネットワーク構造の一例を示す図である。
【0012】
図1から分かるように、E−UMTSシステムは、既存のUMTSシステムから進化したシステムであり、基礎的な標準化作業が3GPPにより行われている。E−UMTSシステムはLTEシステムとも呼ばれる。
【0013】
一般に、E−UMTSネットワークはE−UTRANとCN(コアネットワーク)に区分される。E−UTRANは、移動端末(ユーザ装置(UE))10と、基地局(eNode B(eNB))21、22、23(総称して20)と、ネットワークのエンドに位置して外部ネットワークに接続するサービングゲートウェイ(S−GW)31と、移動端末の移動を管理する移動管理エンティティ(MME)32とを含む。1つのeNode B20には1つ以上のセルが存在する。
【0014】
図2はUEとeNB間の制御プレーンにおける無線インタフェースプロトコルの構造の一例を示す図であり、
図3はUEとeNB間のユーザプレーンにおける無線インタフェースプロトコルの構造の一例を示す図である。
【0015】
前記無線インタフェースプロトコルは、3GPP無線アクセスネットワーク規格に準拠し、水平的には、物理層、データリンク層、及びネットワーク層に区分され、垂直的には、データ情報の伝送のためのユーザプレーン、及び制御信号の伝送のための制御プレーンに区分される。
【0016】
前記プロトコル層は、通信システムでよく知られている開放型システム間相互接続(Open System Interconnection:OSI)参照モデルの下位3層に基づいて、L1(第1層)、L2(第2層)、及びL3(第3層)に区分される。
【0017】
以下、
図2に示す制御プレーンの無線プロトコル及び
図3に示すユーザプレーンの無線プロトコルの各層を説明する。
【0018】
第1層の物理層は、物理チャネルを利用して上位層に情報伝送サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位にあるメディア・アクセス制御(Media Access Control:MAC)層とトランスポートチャネルを介して接続されており、前記トランスポートチャネルを介してMAC層と物理層間のデータ伝送が行われる。また、異なる物理層間、すなわち送信側物理層と受信側物理層間では、物理チャネルを介してデータ伝送が行われる。
【0019】
前記送信側物理層及び受信側物理層に存在する前記物理チャネルには、同期チャネル(Synchronization Channel:SCH)、プライマリー共通制御物理チャネル(Primary Common Control Physical Channel:PCCPCH)、セカンダリー共通制御物理チャネル(Secondary Common Control Physical Channel:SCCPCH)、個別物理チャネル(Dedicated Physical Channel:DPCH)、ページング表示チャネル(Paging Indicator Channel:PICH)、物理ランダム・アクセス・チャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)、物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)などがある。
【0020】
第2層のMAC層は、論理チャネルを介して、上位層である無線リンク制御(Radio Link Control:RLC)層にサービスを提供する。前記論理チャネルは、伝送される情報の種類に基づいて、制御プレーンの情報を伝送する制御チャネルと、ユーザプレーンの情報を伝送するトラフィックチャネルに分けられる。
【0021】
第2層のRLC層は、信頼性のあるデータ伝送をサポートし、各無線ベアラ(Radio Bearer; RB)のサービス品質(Quality of Service:QoS)の保証とそれによるデータ伝送を担当する。RB固有のQoSを保証するために、RB毎に1つ又は2つの独立したRLCエンティティが存在し、RLC層は、様々なQoSをサポートするために、透過モード(Transparent Mode:TM)、非確認モード(Unacknowledged Mode:UM)、及び確認モード(Acknowledged Mode:AM)の3つのRLCモードを提供する。
【0022】
第2層のパケット・データ収束プロトコル(Packet Data Convergence Protocol:PDCP)層は、IPv4やIPv6などのIPパケットを帯域幅の小さい無線区間で効率的に伝送するために、相対的にサイズが大きく不要な制御情報を含むIPパケットのヘッダのサイズを小さくするヘッダ圧縮機能を実行する。また、PDCP層は、制御プレーンのデータ、例えばRRCメッセージの暗号化を行うために使用される。PDCP層は、ユーザプレーンのデータの暗号化も行う。
【0023】
第3層の最上位に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)層は、制御プレーンでのみ定義され、無線ベアラ(RB)の設定、再設定、及び解除に関連して論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルの制御を担当する。
【0024】
ここで、RBとは、UEとE−UTRAN間のデータ伝送のために第2層により提供されるサービスを意味する。
【0025】
前記トランスポートチャネルにはランダム・アクセス・チャネル(Random Access Channel:RACH)がある。前記RACHチャネルは、アップリンクで短いデータを伝送するために使用され、特に、個別無線リソースが割り当てられていない端末にアップリンクで伝送しなければならないシグナリングメッセージ又はユーザデータがある場合に使用される。あるいは、基地局(eNB)が端末にランダムアクセス手順を行うことを指示する場合に使用されることもある。
【0026】
以下、LTEシステムが提供するランダムアクセス手順をより詳細に説明する。
【0027】
前記ランダムアクセス手順は次のような場合に端末が行う。
・基地局との接続(RRC接続)がないため、端末が初期接続を行う場合
・ハンドオーバー手順で端末がターゲットセルに最初にアクセスする場合
・基地局の命令により要求される場合
・アップリンクの時間同期が取れていないか、又は無線リソースを要求するために使用される指定された無線リソースが割り当てられていない状況で、アップリンクへのデータが発生する場合
・無線リンク障害(radio link failure)又はハンドオーバー失敗(handover failure)時の復旧手順の場合
【0028】
前記LTEシステムで、このようなランダムアクセス手順は、コンテンションベースのランダムアクセス手順(contention based random access procedure)と非コンテンションベースのランダムアクセス手順(non-contention based random access procedure)に区分される。前記コンテンションベースのランダムアクセス手順と非コンテンションベースのランダムアクセス手順の区分は、ランダムアクセス手順で使用されるランダムアクセスプリアンブルを端末が直接選択したか、基地局が選択したかによって決定される。
【0029】
前記非コンテンションベースのランダムアクセス手順では、端末は基地局が端末に直接割り当てたランダムアクセスプリアンブルを使用する。よって、前記基地局が特定の前記ランダムアクセスプリアンブルを前記端末にのみ割り当てた場合、前記ランダムアクセスプリアンブルは前記端末のみ使用し、他の端末は前記ランダムアクセスプリアンブルを使用しない。従って、前記ランダムアクセスプリアンブルと前記ランダムアクセスプリアンブルを使用する端末間に1:1の関係が成り立つため、衝突がないといえる。この場合、前記基地局は、前記ランダムアクセスプリアンブルを受信するとすぐに前記ランダムアクセスプリアンブルを送信した端末が分かるため、効率的であるといえる。
【0030】
逆に、前記コンテンションベースのランダムアクセス手順では、端末が使用できる複数のランダムアクセスプリアンブルからランダムに選択して送信するため、常に複数の端末が同じランダムアクセスプリアンブルを使用する可能性がある。従って、基地局がある特定のランダムアクセスプリアンブルを受信したとしても、前記ランダムアクセスプリアンブルをどの端末が送信したかが分からない。
【0031】
以下、
図4を参照してコンテンションベースのランダムアクセス手順を説明する。
図4は端末と基地局間のコンテンションベースのランダムアクセス手順を示すフローチャートである。
【0032】
1)まず、コンテンションベースのランダムアクセス手順では、端末は、システム情報又はハンドオーバーコマンドで示されたランダムアクセスプリアンブルの集合からランダムに1つのランダムアクセスプリアンブルを選択し、前記ランダムアクセスプリアンブルを送信できるPRACHリソースを選択し、送信を行う。
【0033】
ここで、前記プリアンブルをRACH MSG1という。また、端末が直接プリアンブルをランダムに選択することをコンテンションベースのRACH手順(contention based RACH procedure)といい、このようにして選択されたプリアンブルをコンテンションベースのプリアンブル(contention based preamble)という。一方、前記端末にネットワークからRRC又はPDCCHで前記プリアンブルが割り当てられた場合、これを非コンテンションベースのRACH手順といい、そのプリアンブルを個別プリアンブル(Dedicated Preamble)という。
【0034】
2)端末は、前記のようにランダムアクセスプリアンブルを送信した後、前記基地局からのシステム情報又はハンドオーバーコマンドで示されたランダムアクセス応答受信ウィンドウ内で前記端末のランダムアクセス応答の受信を試みる。
【0035】
より詳細には、ランダムアクセス応答情報(すなわち、RACH MSG2)はMAC PDU(Protocol Data Unit)の形式で伝送され、前記MAC PDUはPDSCHで伝送される。また、前記PDSCHで伝達される情報を前記端末が適切に受信できるように、前記端末にはPDCCHで制御情報が共に伝達される。すなわち、前記PDCCHの情報は、前記PDSCHを受信する必要がある端末の情報、前記PDSCHの無線リソースの周波数及び時間情報、並びに前記PDSCHの伝送形式などを含む。
【0036】
前記端末は、前記PDCCHを正常に受信した場合、前記PDCCHの情報に基づいて、前記PDSCHで送信されるランダムアクセス応答を適切に受信する。ここで、前記ランダムアクセス応答には、ランダムアクセスプリアンブル識別子(ID)、ULグラント(アップリンク無線リソース)、一時C−RNTI(Temporary C-RNTI(Radio Network Temporary Identifier)、及び時間調整コマンド(Time Alignment Command)などが含まれる。ここで、前記ランダムアクセスプリアンブル識別子を必要とするのは、1つのランダムアクセス応答に1つ以上の端末のためのランダムアクセス応答情報が含まれるので、前記ULグラント、一時C−RNTI、及び時間調整コマンド情報がどの端末に有効であるかを通知するためである。前記ランダムアクセスプリアンブル識別子は、前述の手順で選択したランダムアクセスプリアンブルと一致する。前記手順1)で個別プリアンブルが使用された場合、MSG2がこれに対応する応答を含んでいると、ランダムアクセス手順は終了する。
【0037】
3)前記端末は、端末自身に有効なランダムアクセス応答を受信した場合、前記ランダムアクセス応答に含まれる情報をそれぞれ処理する。
【0038】
すなわち、前記端末は、時間調整コマンドを適用し、一時C−RNTIを保存する。また、前記ULグラントを利用して、前記端末のバッファに保存されているデータ又は新しく生成されたデータを前記基地局に送信する。通常、前記ULグラントで送信されるデータ、すなわちMAC PDUをRACH MSG3という。
【0039】
前記ULグラントに含まれるデータ(以下、メッセージ3ともいう)の中には、必ず端末の識別子が含まれなければならない。これは、コンテンションベースのランダムアクセス手順では基地局がどの端末により前記ランダムアクセス手順が行われるかを判断できないことから、今後の衝突を解決するために端末を識別できるようにするためである。
【0040】
ここで、前記端末の識別子を含める方法には2つの方法がある。まず、端末が前記ランダムアクセス手順の前に既に該当セルで割り当てられた有効なセル識別子を有する場合、前記端末は、前記ULグラントで前記端末のセル識別子を送信する。それに対して、前記ランダムアクセス手順の前に有効なセル識別子が割り当てられていない場合、前記端末は、前記端末の固有識別子(例えば、S−TMSI又は任意ID(Random ID))を含めて送信する。一般に、固有識別子はセル識別子より長い。前記端末は、前記ULグラントでデータを送信した場合、衝突解決タイマー(Contention Resolution Timer)を開始する。
【0041】
4)前記端末は、前記ランダムアクセス応答に含まれるULグラントで前記端末の識別子を含むデータを送信した後、衝突解決のために前記基地局の指示を待つ。すなわち、特定のメッセージを受信するために前記PDCCHの受信を試みる。
【0042】
前記PDCCHを受信する方法にも2つの方法がある。前述のように、第1の方法、すなわち前記ULグラントで送信された識別子がセル識別子の場合は、そのセル識別子を用いて前記PDCCHの受信を試みる。そして、第2の方法、すなわち前記識別子が固有識別子の場合は、前記ランダムアクセス応答に含まれる一時C−RNTIを用いて前記PDCCHの受信を試みる。
【0043】
前記第1の方法においては、前記衝突解決タイマーが満了する前に前記端末のセル識別子によりPDCCH(以下、メッセージ4という)を受信した場合、前記端末は、ランダムアクセス手順が正常に行われたと判断し、ランダムアクセス手順を終了する。前記第2の方法においては、前記衝突解決タイマーが満了する前に一時セル識別子によりPDCCHを受信した場合、前記PDCCHの指示に従って前記PDSCH内のデータを確認する。通常、前記PDSCH内のデータ(又は、MAC PDU)をRACH MSG4ともいう。前記データに前記端末の固有識別子が含まれている場合、前記端末は、ランダムアクセス手順が正常に行われたと判断し、ランダムアクセス手順を終了する。
【0044】
次に、前記物理チャネルでダウンリンクデータ、すなわち基地局から端末へのデータを受信する方法を説明する。
【0045】
図5は基地局から端末へのチャネルであるPDCCHとPDSCH間の関係の一例を示す図である。
【0046】
図5から分かるように、基地局から端末へのダウンリンクにおいて、物理チャネルは大きく2つ、すなわちPDCCHとPDSCHがある。
【0047】
前記PDCCHは、ユーザデータの伝送とは直接関連がなく、物理チャネルの運用に必要な制御情報が伝送される。簡単に説明すると、前記PDCCHは、他の物理チャネルの制御に使用されるともいえる。特に、前記PDCCHは、端末が前記PDSCHを受信するのに必要な情報の伝送に使用される。ある特定の時点である特定の周波数帯域を利用して伝送されるデータが、どの端末のためのものであるか、どんなサイズのデータであるかなどの情報が前記PDCCHで伝送される。従って、各端末は特定の送信時間間隔(Transmit Time Interval:TTI)で前記PDCCHを受信し、前記PDCCHにより、端末自身が受信するデータが伝送されるか否かを確認し、端末自身が受信するデータが伝送されることが通知される場合、前記PDCCHが示す周波数などの情報を利用して、前記PDSCHを受信する。つまり、前記PDSCHのデータがどの端末(1つ又は複数の端末)に伝送されるかに関する情報、前記端末がどのように前記PDSCHのデータを受信して復号化すべきかに関する情報は、PDCCHに含まれて伝送されるといえる。
【0048】
例えば、特定のサブフレームで、Aという無線リソース情報(例えば、周波数位置)と、Bという伝送形式情報(例えば、伝送ブロックサイズ、変調方式、符号化情報など)が、CというRNTIでCRCマスキングされてPDCCHで伝送されると仮定する。ここで、該当セルにある1つ又は2つ以上の端末は、端末自身が有するRNTI情報を利用して前記PDCCHをモニタする。よって、CというRNTIを有する端末では、前記PDCCHを復号化したときにCRCエラーが発生しなくなる。従って、前記端末は、Bという伝送形式情報とAという無線リソース情報を利用して、前記PDSCHを復号化してデータを受信する。それに対して、CというRNTIを有しない端末では、前記PDCCHを復号化したときにCRCエラーが発生する。従って、前記端末は、前記PDSCHを受信しない。
【0049】
前記過程で各PDCCHにより、どの端末に無線リソースが割り当てられたかを示すために、RNTIが伝送されるが、前記RNTIには個別RNTI(Dedicated RNTI)と共通RNTI(Common RNTI)がある。前記個別RNTIは、1つの端末に割り当てられ、前記端末に該当するデータの送受信に使用される。前記個別RNTIは、基地局に情報が登録されている端末にのみ割り当てられる。これとは異なり、前記共通RNTIは、基地局に情報が登録されておらず、前記個別RNTIが割り当てられない端末が基地局とデータをやり取りする場合、あるいはシステム情報のように複数の端末に共通に適用される情報の伝送に使用される。
【0050】
前述のように、E−UTRANを構成する2つの重要な要素は基地局と端末である。
【0051】
1つのセルにおける無線リソースは、アップリンク無線リソースとダウンリンク無線リソースとから構成される。基地局は、アップリンク無線リソース及びダウンリンク無線リソースの割り当て及び制御を担当する。つまり、基地局はどの時点でどの端末にどの無線リソースを使用させるかを決定する。例えば、基地局は、3.2秒後に100MHzから101MHzの周波数をダウンリンクデータ伝送のためにユーザ1に0.2秒間割り当てることを決定することができる。そして、基地局は、このように決定した後、これを該当端末に通知して前記端末にダウンリンクデータを受信させる。同様に、基地局は、いつどの端末にどの無線リソースをどれだけ使用させてアップリンクでデータを伝送させるかを決定し、また、この決定を前記端末に通知して、前記決定された期間に前記端末に前記決定された無線リソースを使用させてデータを伝送させる。
【0052】
従来技術とは異なり、基地局が無線リソースをダイナミックに管理することにより、効率的な無線リソースの使用が可能になる。従来技術においては、1つの端末が1つの無線リソースを呼接続中に継続して使用するようにしていた。これは、特に近年、多くのサービスがIPパケットをベースとすることを考えると非合理的である。その理由は、ほとんどのパケットサービスが、呼接続中に継続してパケットを生成するのではなく、呼の途中に何も伝送しない区間が多いからである。それにもかかわらず1つの端末に継続して無線リソースを割り当てるのは非効率的である。これを解決するために、E−UTRANシステムにおいては、端末が必要とする場合にのみ、またサービスデータがある間にのみ、上記のような方式で端末に無線リソースを割り当てる方式を用いる。
【0053】
図6はMAC層で行われるHARQ動作の一例を示す図であり、以下、前記HARQ動作について詳細に説明する。
【0054】
1)まず、基地局は、HARQ方式でデータを端末に送信するために、PDCCHでスケジューリング情報を送信する。
【0055】
前記スケジューリング情報は、端末識別子又は端末グループ識別子(すなわち、UE ID又はGroup ID)、割り当てられた無線リソースの位置(すなわち、リソース割り当て(resource assignment))、伝送パラメータ(すなわち、変調方式、ペイロードサイズ、MIMO関連情報など)、HARQプロセス情報、冗長(redundancy)バージョン、新規データインジケータ(New Data Indicator)などを含む。
【0056】
前記スケジューリング情報は再送においてもPDCCHで伝送され、当該情報はチャネル環境に応じて変更される。例えば、チャネル環境が初期伝送時よりよければ、前記変調方式又はペイロードサイズを変更して高いビットレートで伝送し、逆に、チャネル環境が初期伝送時よりよくなければ、より低いビットレートで伝送することができる。
【0057】
2)前記端末は、TTI毎に前記制御チャネル(PDCCH)をモニタし、受信されるスケジューリング情報を確認する。前記端末に関するスケジューリング情報がある場合、前記PDCCHに関連した時間において、物理共有チャネル(Physical Shared Channel:PSCH)を介して基地局からデータを受信する。
【0058】
3)前記端末は、データを受信すると、これをソフトバッファに保存した後、前記データの復号化を試みる。前記端末は、前記復号化の結果に応じてHARQフィードバックを基地局に送信する。すなわち、前記端末は、正常に復号化が行われた場合にACK信号を、正常に復号化が行われていない場合にNACK信号を基地局に送信する。
【0059】
4)前記基地局は、ACK信号を受信した場合、データ送信が正常に行われたと判断し、次のデータを送信する。それに対して、NACK信号を受信した場合、前記基地局は、データ送信が正常に行われていないと判断し、適切な時点で同じデータを同じフォーマット又は異なるフォーマットで再送する。
【0060】
5)前記NACK信号を送信した端末は、再送されるデータの受信を試みる。前記端末は、伝送されるデータが初期伝送であるか、以前のデータの再送であるかを、前記PDCCH内にあるNDIを考慮して判断する。
【0061】
前記NDIフィールドは、1ビットのフィールドであって、新しいデータが伝送される度に0→1→0→1→…のように切り替えられ(toggled)、再送に対しては同一ビット値が用いられる。すなわち、前記端末は、前記NDIフィールドの値が以前の伝送時の値と同じか否かを比較することにより、データの再送であるか否かが分かる。
【0062】
6)前記端末は、再送されたデータを受信した場合、これを以前に正常に復号化が行われていないまま前記ソフトバッファに保存されたデータと様々な方式で結合して再び復号化を試み、正常に復号化が行われればACK信号を、正常に復号化が行われなければNACK信号を基地局に送信する。前記端末は、データの復号化が正常に行われるまで、NACK信号の送信及びデータの再送受信過程を繰り返す。
【0063】
以上、ダウンリンク方向(基地局から端末への方向)におけるHARQを説明した。
【0064】
一方、アップリンク方向(端末から基地局への方向)では同期HARQ(Synchronous HARQ)が用いられる。ここで、同期HARQとは、各データの伝送のための時間間隔が同じである方法を意味する。すなわち、前記端末が最初の送信を行った後に再送を行わなければならない場合、前記再送は前記最初の送信から所定時間後に発生する。これは、同じ時間間隔を用いることにより、数多くの再送時点でPDCCHを用いてスケジューリング情報を送信しなければならないことから発生する無線リソースの浪費を減らすとともに、端末がPDCCHを正常に受信していないことから適切な再送が行えなくなる状況を減らすという効果がある。
【0065】
このような同期HARQ方式では、最大伝送回数(maximum number of transmission)又は最大再送回数(maximum number of retransmission)という値が用いられる。
【0066】
前記最大伝送回数は、前記最大再送回数より1大きい値であり(即ち、Max. # of re-Tx = Max. # of Tx + 1)、2つの値は同じ目的を有する。これらの値は、HARQにより伝送される(又は、再送される)あるデータブロックが最大何回の再送を行えるかを示す。このように最大再送回数を制限するのは、再送が無制限に行われることにより発生し得るデータの伝送遅延又は障害を最小限に抑えるとともに、複数のユーザで無線リソースを分けて使用する移動通信環境を考慮するためである。
【0067】
前記端末は、その最初の送信に対して基地局からNACK信号を受信する場合、再送を行い、前記最大再送回数に達すると(依然として正常に受信されないと)、当該データの更なる送信を中断し、当該データをバッファから削除する。
【0068】
前述の従来技術においては、基地局と接続された端末に最大伝送回数に関する値が受信される。接続が成立する間、前記端末は前記値を用いてHARQを行う。
【0069】
一方、端末が基地局から無線リソースを割り当てられる方法には次の2つがある。
【0070】
第1に、前記端末に割り当てられた個別識別子、すなわちC−RNTIを用いてPDCCHで無線リソースを割り当てられる方法がある。第2に、前記端末がRACH手順により無線リソースを割り当てられる場合(すなわち、RACH MSG3の送信のための無線リソース)、無線リソースをRACH MSG2により割り当てられる方法がある。
【0071】
第1の方法の場合、前記基地局はどの端末にどの無線リソースを割り当てたかが分かる。従って、前記基地局は各端末に設定された最大伝送回数を考慮した時間だけ、無線リソースを割り当てることができる。
【0072】
それに対して、第2の方法の場合、前記基地局はどの端末にどの無線リソースを割り当てたかが分からない。従って、前記基地局は、どの端末が前記無線リソースを使用するかが分からず、各端末に設定された最大伝送回数が分からないため、所定の時間に必要な量の無線リソースを割り当てられないという問題が発生する。
【0073】
例えば、実際に無線リソースを使用する端末に設定された最大伝送回数が基地局が予想した最大伝送回数より大きい場合、端末が任意に無線リソースをさらに使用することにより、無線リソースの衝突が発生する。また、例えば、実際に無線リソースを使用する端末に設定された最大伝送回数が基地局が予想した最大伝送回数より小さい場合、端末が基地局から割り当てられた全ての無線リソースを使用しないことにより、無線リソースの浪費が発生する。
【0074】
そこで、本発明者らは、少なくとも上記問題を認識し、これを解決するための本発明の特徴を提供する。すなわち、本発明の目的は、端末が無線リソースを効率的に使用して再送を行えるようにすることにある。また、本発明の目的は、無線リソースを効率的に使用できるようにして、セル内での無線リソースの衝突を最小限に抑えることにある。
【0075】
上記目的を達成するために、本発明は、移動端末と前記移動端末によりランダムアクセス手順を行う方法を提供し、これは、基地局にランダムアクセスプリアンブルを送信し、前記基地局からランダムアクセス応答を受信し、前記基地局からアップリンクグラントを利用してアップリンク伝送を行うことにより達成される。前記アップリンク伝送は、HARQの最大伝送回数パラメータを使用して行われ、前記HARQの最大伝送回数パラメータは、前記基地局から受信されるシステム情報ブロックに含まれる。
【0076】
本発明を使用することにより、端末が無線リソースを効率的に使用して再送を行えるようにし、セル内での無線リソースの衝突を低減することができる。
【0077】
本発明の特徴はLTEシステムに適用される。しかしながら、本発明の特徴は、これに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を適用できる全ての通信システム及び方法に適用することができる。
【0078】
本明細書で使用される技術用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されるものであり、本発明を限定するものではない。また、本明細書で使用される技術用語は、本明細書に特に断らない限り、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に一般的に理解される意味に解釈されるべきであり、過度に包括的な意味に解釈されたり、過度に縮小された意味に解釈されるべきではない。さらに、本明細書で使用される技術用語が本発明の思想を正確に表現していない誤った技術用語である場合は、当業者が正しく理解できる技術用語で代替して理解すべきである。さらに、本発明で使用される一般的な用語は、辞書に定義されている通り、又は前後の文脈で解釈されるべきであり、過度に縮小された意味に解釈されるべきではない。
【0079】
そして、本明細書で使用される単数の表現は、文脈上明らかに他の意味を表すものでない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」や「構成される」などの用語は、明細書に記載された様々な構成要素又は様々な段階の全てを必ず含むと解釈されるべきではなく、その一部の構成要素又は段階を含まないこともあり、さらなる構成要素又は段階を含むこともあると解釈されるべきである。
【0080】
また、本明細書で使用される「第1」、「第2」などのように序数を含む用語は様々な構成要素を説明するために使用されるが、前記構成要素は前記用語により限定されるものではない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的でのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲から外れない限り、第1構成要素は第2構成要素と命名してもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名してもよい。
【0081】
ある構成要素が他の構成要素に「連結」又は「接続」されていると言及された場合は、他の構成要素に直接的に連結又は接続されていることもあり、中間にさらに他の構成要素が存在することもある。それに対して、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」又は「直接接続」されていると言及された場合は、中間にさらに他の構成要素が存在しないと理解すべきである。
【0082】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明するが、図面番号に関係なく同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付し、これに関する重複説明は省略する。なお、本発明を説明するにあたって、関連公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を不明にする場合は、その詳細な説明を省略する。また、添付図面は本発明の思想を容易に理解させるためのものにすぎず、添付図面により本発明の思想が制限されるように解釈されてはならない。本発明の思想は、添付図面の他に、全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと解釈されるべきである。
【0083】
以下、「移動端末」という用語が使用されるが、これはUE(User Equipment)、ME(Mobile Equipment)、MS(Mobile Station)などのように呼ばれてもよい。また、移動端末は、携帯電話、PDA、スマートフォン、ノートブック/ラップトップコンピュータなどのように通信機能を備えた携帯が可能な機器でもよく、パソコン(PC)、車載装置などのように携帯が不可能な機器でもよい。
【0084】
図7は本発明によるランダムアクセス手順を示すフローチャートである。
【0085】
本発明においては、
図7に示すように、基地局は、1つのセルにおいて、全ての端末が共通に用いるHARQの第1最大伝送回数値、すなわち最大伝送回数の共通値を設定し、これをシステム情報内に含めて端末に送信する。ここで、前記最大伝送回数の共通値は、max−HARQ−Msg3Txパラメータ内に含まれる。また、前記基地局は、第2最大伝送回数値、すなわち最大伝送回数の個別値を設定し、これを個別メッセージ(又は、システム情報ブロック(System Information Block:SIB))内に含めて各端末に送信する。ここで、前記最大伝送回数の個別値は、max−HARQ−Txパラメータ内に含まれる。
【0086】
すると、前記端末は、前記HARQの個別最大伝送回数及び共通最大伝送回数を取得する(S110)。すなわち、前記端末のRRC層は、前記max−HARQ−Msg3Txパラメータ内に含まれる前記共通最大伝送回数、及び前記max−HARQ−Txパラメータ内に含まれる前記個別最大伝送回数を受信し、MAC層に転送する。
【0087】
その後、前記個別無線リソースが割り当てられていない状態で前記基地局に送信すべきシグナリングメッセージ又はユーザデータがある場合、前記端末のMAC層は、RACHプリアンブルを選択し、前記選択されたプリアンブル(RACH MSG1)を送信する(S120)。ここで、前記個別無線リソースが割り当てられていないことは、前記無線リソースが前記端末のみ使用するように設定されていないことを意味する。すなわち、前記無線リソースが複数の端末により同時に使用可能な場合を意味する。又は、前記無線リソースが端末個別識別子、すなわちC−RNTIで割り当てられていない場合を意味する。又は、前記端末に割り当てられた無線リソースがセミパーシステントスケジューリング(Semi-Persistent Scheduling:SPS)により設定された無線リソースでない場合を意味する。
【0088】
すると、前記基地局は、前記端末がランダムアクセス応答(RACH応答)又はRACH MSG2を適切に受信できるように、前記端末にPDCCHで制御情報を送信する。ここで、前記PDCCHの情報は、ランダムアクセス応答(RACH応答)又はRACH MSG2を含むPDSCHを受信する必要がある端末の情報、前記PDSCHの無線リソースの周波数及び時間情報、並びに前記PDSCHの伝送形式などを含む。
【0089】
前記端末は、前記PDCCHを正常に受信した場合、前記PDCCHの情報に基づいて、前記PDSCHで送信されるランダムアクセス応答又はRACH MSG2を適切に受信する(S130)。ここで、前記ランダムアクセス応答には、ランダムアクセスプリアンブル識別子(ID)、ULグラント(アップリンク無線リソース)、一時C−RNTI、及び時間調整コマンド(時間同期補正値)が含まれる。
【0090】
前記端末は、前記ランダムアクセス応答又はRACH MSG2を受信すると、前記ランダムアクセス応答に含まれる情報をそれぞれ処理する。すなわち、時間調整コマンドが適用され、C−RNTIが保存される。
【0091】
また、前記端末は、前記ULグラントを利用して、MAC層内のアップリンクデータ(MAC PDU又はRACH MSG3)を前記基地局に送信する(S140)。
【0092】
次に、前記端末のMAC層は、前記基地局からNACK信号が受信されたか否かを確認する(S150)。前記NACK信号が受信された場合、前記端末のMAC層は、前記共通最大伝送回数を用いて前記アップリンクデータを再送する(S150)。
【0093】
図8は本発明による端末と基地局間のコンテンションベースのランダムアクセス手順を示すフローチャートである。
【0094】
図8から分かるように、本発明による方法は、端末100がRRCアイドルモードにあるとき、アップリンク方向、すなわち端末100から基地局(eNB)200方向にデータを送信する場合、HARQの最大伝送回数の共通値を用いる。また、端末100は、コンテンションベースのRACHを行う場合、RACH MSG3を送信するために、HARQの最大伝送回数の共通値を用いる。このような過程を具体的に説明すると、次の通りである。
【0095】
1)まず、端末100は、RRCアイドルモードにある場合、システム情報又はハンドオーバーコマンドで示されたランダムアクセスプリアンブルの集合からランダムに1つのランダムアクセスプリアンブルを選択し、前記ランダムアクセスプリアンブルを送信できるPRACHリソースを選択し、送信を行う。ここで、前記プリアンブルをRACH MSG1という。端末が直接プリアンブルをランダムに選択することをコンテンションベースのRACH手順といい、このようにして選択されたプリアンブルをコンテンションベースのプリアンブルという。
【0096】
2)端末100は、前記のようにランダムアクセスプリアンブルを送信した後、基地局200からのランダムアクセス応答の受信を試みる。
【0097】
より詳細には、ランダムアクセス応答情報(RACH MSG2ともいう)はMAC PDUの形式で伝送され、前記MAC PDUはPDSCHで伝送される。また、前記PDSCHで伝達される情報を端末100が適切に受信できるように、基地局200は、端末100にPDCCHで制御情報を共に伝達する。すなわち、前記PDCCHの情報は、前記PDSCHを受信する必要がある端末の情報、前記PDSCHの無線リソースの周波数及び時間情報、並びに前記PDSCHの伝送形式などを含む。
【0098】
3)端末100は、前記PDCCHを正常に受信した場合、前記PDCCHの情報に基づいて、前記PDSCHで送信されるランダムアクセス応答を適切に受信する。ここで、前記ランダムアクセス応答には、ランダムアクセスプリアンブル識別子(ID)、ULグラント(アップリンク無線リソース)、一時C−RNTI(無線ネットワーク一時識別子)、及び時間調整コマンド(時間同期補正値)などが含まれる。
【0099】
4)端末100は、有効なランダムアクセス応答を受信した場合、前記ULグラントを利用して、前記端末のバッファに保存されているデータ又は新しく生成されたデータを前記基地局に送信する。通常、前記ULグラントで送信されるデータ、すなわちMAC PDUをRACH MSG3という。前記データ、すなわちMAC PDU又はRACH MSG3は、前記端末の識別子を含む。
【0100】
5)端末100は、前記ランダムアクセス応答に含まれるULグラントで前記端末の識別子を含むデータを送信した後、衝突解決のために基地局200の指示を待つ。すなわち、特定のメッセージを受信するために前記PDCCHの受信を試みる。
【0101】
6)端末100は、基地局200からNACK信号を受信した場合、HARQの共通最大伝送回数を用いて、前記データ、すなわちMAC PDU又はRACH MSG3を再送する。前記再送は前記共通最大伝送回数に達するまで繰り返される。前述のように、前記共通最大伝送回数はSIBで受信されてもよい。
【0102】
7)その後、端末100がRRC接続モードに移行すると、端末100は、アップリンクデータをHARQの個別最大伝送回数を用いて送信する。
【0103】
図9は本発明による端末と基地局間のコンテンションベースのランダムアクセス手順を示すフローチャートである。
【0104】
図9から分かるように、端末100がRRC接続モードにあっても、コンテンションベースのRACH手順を行う場合は、HARQの共通最大伝送回数を用いる。
【0105】
すなわち、端末100がRRC接続モードに移行すると、個別RRCシグナリングにより最大伝送回数の個別値を受信したとしても、端末100がコンテンションベースのRACH手順を行う場合は、基地局200はどの端末が送信を試みるかが分からないため、端末100は最大伝送回数の共通値を用いる。
【0106】
それに対して、端末100が個別プリアンブルに基づいて非コンテンションベースのRACH手順を行う場合は、基地局200はどの端末が送信を試みるかが分かるため、端末100は最大伝送回数の個別値を用いる。すなわち、前記端末が個別プリアンブルを前記基地局に送信した後、RACH MSG2が受信されると、前記RACH MSG2により割り当てられた無線リソースを使用するか、又はその後に割り当てられた無線リソースを使用してデータを送信する際、HARQの最大伝送回数の個別値を用いる。
【0107】
前記最大伝送回数の共通値はシステム情報により前記基地局から受信することができ、コンテンションベースのRACH手順の場合、前記最大伝送回数の共通値はRACH MSG3の伝送に用いることができる。
【0108】
それに対して、非コンテンションベースのRACH手順の場合、UL−SCH伝送のために、HARQの最大伝送回数の個別値は、個別プリアンブルのための応答を含むRACH応答メッセージの受信後に用いることができる。
【0109】
以上説明した本発明は次のように変形することもできる。
【0110】
本発明は、HARQ動作の効率を向上させるために、RACHのプリアンブルグループの特性も考慮する。実際のRACHのコンテンションベースのプリアンブルは、端末が送信するメッセージのサイズと端末が使用できる電力量を考慮して、2つのRACHプリアンブルグループに分けられる。従って、これを考慮して、本発明においては、基地局は、各RACHプリアンブルグループに対応する最大伝送回数値を端末に通知し、前記端末は、端末自身が使用するRACHプリアンブルグループに対応する最大伝送回数値をRACH MSG3の送信に用いることができる。
【0111】
また、本発明においては、基地局がRACH MSG2を用いて無線リソースを割り当てる際、最大伝送回数値を任意に設定することができる。すなわち、前記基地局は、RACH MSG2で割り当てられる無線リソースに限って最大伝送回数値を任意に設定することができる。このために、前記基地局は、前記RACH MSG2にさらに最大伝送回数の一時値を含めて前記端末に送信する。すると、前記端末は、受信された前記RACH MSG2内に含まれる最大伝送回数の一時値を用いてアップリンクでデータを送信する。
【0112】
以上、最大伝送回数値について説明したが、本発明の概念は最大再送回数値にも適用することができる。
【0113】
本発明の特徴及び特性は次のように説明することもできる。
【0114】
(1)RRC_ConnectedモードのUEに対して、1つの共通値が全てのHARQプロセス/論理チャネルのためのMAX_NUMBER_OF_ReTXとして用いられる。
・これは、個別C−RNTIを用いてPDCCH上にパーシステントスケジューリング又はダイナミックスケジューリングにより割り当てられるUL−SCHリソースに適用される。
【0115】
(2)RACH手順を行うUEに対して、RACH MSG3はUL−SCHを使用し、HARQを適用する。
・UL−SCHリソースに対し:
・・システム情報を介してMAX_NUMBER_OF_ReTXが通知される。
・・・この値はRACH MSG3に適用される。
【0116】
(3)RACH手順を行うUEに対して、RACH MSG3はUL−SCHを使用し、HARQを適用する。
・UL−SCHリソースに対し:
・・システム情報を介してRACHのためのMAX_NUMBER_OF_ReTXが通知される。
・・個別RRCシグナリングを介してUEのためのMAX_NUMBER_OF_ReTXが通知される。
・・・2つのMAX_NUMBER_OF_ReTXが同一である場合
・・・・前記MAX_NUMBER_OF_ReTXはRACH MSG3に適用される。
・・・前記2つの値が異なる場合
・・・・システム情報を介して受信した値が適用される。
・・・・又は、個別RRCシグナリングを介して受信した値が適用される。
・・・・又は、2つのより少ない値が適用される。
・・・・又は、2つのより大きい値が適用される。
・・・・又は、RACHメッセージ2を介してMAX_NUMBER_OF_ReTXが通知される。この値はRACH MSG3のHARQに適用される。
・・・・又は、使用されたRACHプリアンブルグループによって、各RACHプリアンブルグループはMAX_NUMBER_OF_ReTXを割り当てられる。
・・・・・従って、前記UEは、RACH MSG1で送信された前記使用されたRACHプリアンブルグループに関するMAX_NUMBER_OF_ReTX値を用いる。
・・・・・各RACHグループのMAX_NUMBER_OF_ReTX値は、システム情報により示される。
【0117】
また、本発明の特徴及び特性は次のように説明することもできる。
【0118】
HARQ動作のために、前記端末(又は、UE)は、全てのHARQプロセスと全ての論理チャネルにおいて同じ最大伝送回数に設定される。
【0119】
また、前記「最大伝送回数」の設定は、RRCシグナリングにより行われる。従って、基地局(すなわち、eNB)が特定のUEにUL−SCHリソースを割り当てる際、前記eNBは割り当てられた無線リソースのための最大伝送回数を知っている。
【0120】
RACHメッセージ3(RACH MSG3)の場合、前記eNBは、RACH MSG3のための割り当てられた無線リソースの最大伝送回数を直接的には知らない。これは、前記eNBがどのUEに無線リソースが割り当てられるかを知らないからである。
【0121】
よって、次の5つの状況を考慮することができる。
【0123】
RACHは、UEがRRC_IDLEモードからRRC_CONNECTEDモードに移行するときに使用することができる。また、RACHは、UEがRRC_CONNECTEDモードにあるときに使用することができる。
【0124】
RRC接続が行われるまで、UEにはいかなる個別設定情報も提供されない。従って、「最大再送回数」値は他の方法により提供されるべきである。簡単な方法としてシステム情報を利用する方法がある。又は、予め定められたデフォルト値を利用する方法も考慮することができる。
【0125】
しかしながら、前記デフォルト値利用方法を用いるか否かに関係なく、デフォルト値が適切でない場合、代替メカニズムとしてシステム情報利用方法を採用することができる。
【0126】
提案1:RACH MSG3の送信のために、RRC_IDLEモードのUEは、システム情報により受信した値を前記「最大伝送回数」に適用する。
【0127】
(2)コンテンションベース対非コンテンションベース
【0128】
コンテンションベースのRACHの場合、UEがRRC接続モードであり、個別RRCシグナリングにより「最大伝送回数」値を受信しても、UEはRACH MSG 3の送信のためにこの値を使用してはならない。これは、衝突解決が終わるまで、eNBはどのUEが割り当てられたUL−SCHで送信を行うか分からないからである。
【0129】
コンテンションベースのRACHの場合、eNBはどのUEが送信を行うか分からないが、非コンテンションベースのRACHの場合、eNBはどのUEが送信を行うか分かる。よって、UEに個別プリアンブルが割り当てられた場合、UEはデフォルト値を用いる必要がなくなる。
【0130】
実際に、非コンテンションベースのRACH手順の場合、UEがRACH応答メッセージ内のプリアンブルを識別すると、前記RACH手順は成功とみなされる。すると、前記RACHメッセージ3の送信は正常なUL−SCH伝送となる。このような意味で、非コンテンションベースのRACHにおいて、UEのために設定された値は前記RACHメッセージ3のための「最大伝送回数」のために用いられる。
【0131】
提案2:コンテンションベースのRACHの場合、システム情報で受信される「最大伝送回数」は、RACH MSG3の送信のために用いられる。すなわち、個別RRCシグナリングにより設定された前記値は用いられない。
【0132】
提案3:非コンテンションベースのRACHの場合、UL−SCH伝送のために、前記UEのために設定された「最大伝送回数」値は、前記使用された個別プリアンブルのための応答を含むRACH応答メッセージを受信した後に用いられる。
【0134】
コンテンションベースのRACH手順の場合、使用可能なプリアンブルは2つのグループに分類される。グループの選択は無線状態又は伝送されるメッセージのサイズによる。
【0135】
eNBがRACH MSG3のためのUL−SCHリソースを割り当てる場合、様々な方法を用いることができる。例えば、eNBは異なるトランスポートブロック(Transport Block:TB)サイズを設定することができ、各グループに対して「最大伝送回数」などのHARQ動作ポイントを設定することができる。又は、成功率を高めるために、セルのエッジに位置するUEが小さいメッセージサイズを許容するプリアンブルグループを選択すると、eNBは他のグループより前記プリアンブルグループに対してより大きい「最大伝送回数」値を設定することができる。
【0136】
従って、各グループに対して異なる値を設定するためにシグナリングがサポートされる。
【0137】
提案4:「最大伝送回数」値は、各プリアンブルグループ毎に別途シグナリングされる。
【0139】
提案1:SRB1のためにUEにより用いられる最大UL伝送回数のためのデフォルト値を提供する。
【0140】
ここで、同じUL伝送回数値が全ての無線ベアラに適用される。「最大UL伝送回数」のためのデフォルト値が必要な場合、このデフォルト値はSRB1のためのものではなく、全ての無線ベアラのためのものである。しかしながら、デフォルト値が「最大UL伝送回数」のために存在するか否かは明らかにする必要がある。
【0141】
提案5:デフォルト値が「最大UL伝送回数」のために存在するか否かが提案される。必要であれば、前記デフォルト値は全ての無線ベアラのために用いられる。
【0143】
eNBがUEに個別RACHプリアンブルを割り当てた場合、これは前記値が「最大UL伝送回数」値であることを示す。この値は用いられ、システム情報又は個別プリアンブルを割り当てるPDCCHにより通知される。
【0144】
eNBがRACH応答メッセージを送信する際、eNBは「最大UL伝送回数」のための値を選択的に含む。この値はプリアンブル毎に又はメッセージ毎に含まれる。プリアンブル毎の割り当ての場合、前記プリアンブルに関連するUEは、HARQのための値を用いなければならない。メッセージ毎の割り当ての場合、メッセージ内でプリアンブル伝送が確認された全てのUEは、HARQのための前記値を用いなければならない。
【0145】
最初のHARQ伝送にのみ、すなわちRACHメッセージ3の送信のために、「最大UL伝送回数」に対する受信値が用いられる。その後、UE毎に設定された通常値又は受信されたSIB内の値が用いられる。
【0146】
さらに、本発明の特徴及び特性は次のように説明することもできる。
【0147】
様々なMAC手順のうち、ランダムアクセス手順は、ランダムアクセス手順初期化過程とランダムアクセス応答受信過程とを含む。
【0148】
前記ランダムアクセス手順は、PDCCH命令又はMACサブ層自体により開始することができる。前記PDCCH命令又はRRCは、ランダムアクセスプリアンブルとPRACHリソースを選択的に示す。
【0149】
前記手順が開始される前に、次のような情報が使用可能であると仮定する。
・パラメータ:Msg3 HARQの最大伝送回数
【0150】
一旦ランダムアクセスプリアンブルが伝送されると、測定ギャップの発生に関係なく、UEは、3つのサブフレーム以外にプリアンブル伝送[7]の終了を含むサブフレームから始まり、長さra−ResponseWindowSizeサブフレームを有するTTIウィンドウ[RA_WINDOW_BEGIN?RA_WINDOW_END]において、以下に定義されるRA−RNTIにより識別されるランダムアクセス応答のためのPDCCHをモニタしなければならない。ランダムアクセスプリアンブルが伝送されるPRACHに関連する前記RA−RNTIは、次の通り計算される。
RA−RNTI=t_id+10*f_id
ここで、t_idは、特定PRACHの最初のサブフレームのインデックスであり(0≦t_id<10)、f_idは、周波数領域の昇順の前記サブフレーム内の特定PRACHのインデックスである(0≦f_id<6)。
【0151】
UEは、前記伝送されたランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセスプリアンブル識別子を含むランダムアクセス応答を正常に受信した後、ランダムアクセス応答のモニタを中止することができる。
【0152】
・前記TTIのためのダウンリンク割り当てがRA−RNTIのためのPDCCHで伝送され、受信された前記TBが正常に復号化されると、測定ギャップの発生に関係なく、UEは次のように動作する。
・ランダムアクセス応答がバックオフインジケータサブヘッダを含む場合:
・UEは、前記バックオフインジケータサブヘッダのBIフィールドに示されたようにUE内のバックオフパラメータ値を設定する。
・そうでなければ、UEは、UE内のバックオフパラメータ値を0msに設定する。
・ランダムアクセス応答が伝送されたランダムアクセスプリアンブルに対応するランダムアクセスプリアンブル識別子を含む場合(5.1.3節を参照)、UEは、
・前記ランダムアクセス応答を正常に受信したとみなし、
・受信したタイミングアドバンスコマンド(Timing Advance Command)(5.2節を参照)を処理し、
・下位層に最後のプリアンブル伝送に適用されたパワーランピング(power ramping)の量を示し(すなわち、(PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER−1)*POWER_RAMP_STEP)、
・前記受信されたULグラント値を処理してこれを前記下位層に示し、
・ランダムアクセスプリアンブルが明確にシグナリングされ、シグナリングされたランダムアクセスプリアンブルIDが000000ではない場合(すなわち、MACにより選択されない場合)
・UEは、前記ランダムアクセス手順が正常に完了したとみなす。
・そうでなければ、前記ランダムアクセスプリアンブルがUE MACにより選択される場合
・UEは、前記一時C−RNTIを、前記ランダムアクセス応答メッセージで提供されるULグラントに対応する最初の送信前に、前記ランダムアクセス応答メッセージで受信される値に設定し、
・前記ランダムアクセス応答メッセージが前記ランダムアクセス手順で最初に正常に受信したメッセージの場合
・前記送信がCCCH論理チャネルのために行われるのではなければ、UEは、前記マルチプレクシング及びアセンブリエンティティに、後続のアップリンク伝送時にC−RNTI MAC制御素子を含むように指示し、
・前記「マルチプレクシング及びアセンブリ」エンティティから伝送されたMAC PDUを取得し、これをMsg3バッファに保存する。
【0153】
衝突解決などのためにアップリンク伝送が必要な場合、前記eNBは、前記ランダムアクセス応答に80ビットより少ないグラントを含んではならないことが分かる。
【0154】
また、ランダムアクセス手順で、同じグループのランダムアクセスプリアンブルのためのランダムアクセス応答に含まれるアップリンクが、ランダムアクセス手順の間に割り当てられる最初のアップリンクと異なるサイズを有する場合、UEの動作は定義されないことが分かる。
【0155】
HARQプロセスにおいて、各HARQプロセスはHARQバッファに関連する。各HARQプロセスは、現在のバッファでMAC PDUのために発生した伝送回数を示す状態変数(state variable)CURRENT_TX_NBと、現在のバッファでMAC PDUのためのHARQフィードバックを示す状態変数HARQ_FEEDBACKを維持しなければならない。前記HARQプロセスが成立すると、CURRENT_TX_NBは0に初期化される。
【0156】
一連の冗長バージョンは0,2,3,1である。変数CURRENT_IRVは前記一連の冗長バージョンのインデックスである。前記変数はアップデートされたモジュロ4である。
【0157】
ランダムアクセス応答内のULグラントによってMsg3の新しい伝送が行われることを除き、新しい伝送と適応的再送はリソースでPDCCHに示されたMCSにより行われる。非適応的再送は、最後に伝送を試みたときに使用されたのと同じリソース、同じMCSで行われる。
【0158】
UEには、HARQの最大伝送回数とRRCによるMsg3 HARQの最大伝送回数が設定される。前記Msg3バッファ内に保存されているMAC PDUの伝送を除いた、全てのHARQプロセス及び全ての論理チャネルの伝送において、最大伝送回数はHARQの最大伝送回数に設定されなければならない。前記Msg3バッファ内に保存されているMAC PDUの伝送において、最大伝送回数はMsg3 HARQの最大伝送回数に設定される。
【0159】
MAC−Main Configurationフィールドの内容(descriptions)に関連して、「maxHARQ−Tx」はパラメータmax−HARQ−Txを有する。RRCConnectionSetupメッセージ内にこのパラメータがなければ、予め定められたデフォルト値が用いられる。
【0160】
RACH−ConfigCommonフィールドの内容に関連して、「maxHARQ−Msg3Tx」はパラメータmax−HARQ−Msg3−Txを有する。このパラメータはコンテンションベースのランダムアクセスのために使用され、その値は整数である。
【0161】
本発明は、端末によりランダムアクセス手順を行う方法を提供する。この方法はLTEシステム、UMTSシステムなどで行うことができる。ランダムアクセスプリアンブルを基地局に送信し、前記基地局からランダムアクセス応答を受信し、前記基地局からのアップリンクグラントを利用してアップリンク伝送を行う過程が行われ、ここで、前記アップリンク伝送は、HARQの最大伝送回数パラメータを使用して行われ、前記HARQの最大伝送回数パラメータは、前記基地局から受信されるシステム情報ブロック(SIB)に含まれる。
【0162】
ここで、前記アップリンクグラントは、前記受信されたランダムアクセス応答に含まれてもよい。前記ランダムアクセスプリアンブルは、前記端末内のMAC層で選択されてもよい。前記アップリンク伝送は移動端末識別子を含んでもよく、前記アップリンクグラントはHARQ情報に関連するものである。前記アップリンクグラント及び前記HARQ情報は、前記MAC層の下位層から受信されてもよい。前記ランダムアクセス応答は、一時的に保存されるメッセージの生成をトリガすることができ、前記HARQの最大伝送回数パラメータは、前記端末のHARQバッファをいつフラッシュするかを決定するのに使用される。
【0163】
また、本発明は、システム情報又は個別メッセージによりHARQの最大伝送回数パラメータを受信するRRC層と、前記RRC層から2種類のHARQの最大伝送回数パラメータを受信するMAC層とから構成された端末を提供する。ここで、第1の種類のHARQの最大伝送回数パラメータは、RACH手順に関連するデータの伝送のために使用され、第2の種類のHARQの最大伝送回数パラメータは、その他のタイプの伝送のために使用される。
【0164】
ここで、前記RACH手順に関連するデータの伝送は、RACH MSG3メッセージを使用してもよい。前記第1の種類のHARQの最大伝送回数パラメータは前記システム情報により受信され、前記第2の種類のHARQの最大伝送回数パラメータは前記個別メッセージにより受信される。前記RACH手順に関連するデータの伝送は、RACHアクセス応答で受信されるアップリンクグラントを利用するアップリンク伝送と定義される。前記RACHアクセス応答は、一時的に保存されるメッセージの生成をトリガする。ここで、MSG3は、いわゆるMSG3バッファ内に保存される。前記HARQの最大伝送回数パラメータは、前記端末のHARQバッファをいつフラッシュするかを決定するのに使用される。前記HARQの最大伝送回数及びMsg3 HARQの最大伝送回数は、前記RRC層により設定される。Msg3バッファに保存されているMAC PDUの伝送を除いた、全てのHARQプロセス及び全ての論理チャネルの伝送において、最大伝送回数はHARQの最大伝送回数に設定されなければならない。Msg3バッファに保存されているMAC PDUの伝送において、最大伝送回数はMsg3 HARQの最大伝送回数に設定されなければならない。
【0165】
本明細書で説明された特徴は、急速に増加するデータトラフィックに備えて第3世代移動通信に次いで開発されたいわゆるLTE技術に適用することができる。LTE技術は、より広い帯域幅をサポートできる進化したネットワーク開発の一態様であり、E−UTRANという用語が使用される。
【0166】
しかしながら、本明細書で説明された特徴及び特性は、LTEに限定されるものではなく、GSM、GPRS、CDMA、CDMA2000、WCDMA、IEEE802.xx、UMTSなどの他の様々な通信システム及び方法に適応、適用及び実現することができる。
【0167】
また、前述した本発明の方法は、ソフトウェア、ハードウェア、又はこれらの組み合わせにより実現することができる。例えば、本発明の方法は、プロセッサ(CPU)により実行可能なソフトウェアプログラムのコードやコマンドとして実現することができ、記憶媒体(例えば、メモリ、ハードディスクなど)に保存することができる。
【0168】
本発明の方法の所定の態様は、移動端末又はネットワークエンティティ(例えば、
図1のRNC、Node B)で実現することができる。前記移動端末又はネットワークエンティティが
図2及び
図3のプロトコルを含むことは、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば理解できる。
【0169】
以上、本発明の一部の実施形態を説明したが、これらの実施形態が本明細書で説明された特徴を限定するものではない。つまり、全ての合理的で様々な変形、変更、及び改善は本発明の一部である。