(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
下端面の長さ方向にガイド溝を凹設した引戸を、床面との間に隙間を開けて開閉方向に移動自在に吊持し、引戸が移動する軌道下の床面に間隔を置いてガイド突起を挿設する一方、該ガイド突起を磁力により突出口から突出させて前記ガイド溝に係合することにより引戸を案内するマグネットガイドを備え、該マグネットガイドが前記ガイド突起を磁力により吸引する磁石と、その磁石を搭載し、長さ方向基端を枢支して揺動可能に片持ちし、長さ方向先端が所定高さ突出した傾き角度位置に係止する吸着台とを有した引戸ガイド装置において、
前記マグネットガイドは、前記磁石と、磁石の磁力により吸引する前記ガイド突起が突き当たる当接面との間に減音部を設け、該減音部を間に介在させて前記磁石から前記当接面を遠ざける一方、該当接面を前記磁石から遠ざける距離だけ床面に接近させて前記突出口を突出した前記ガイド突起が加速する距離を短く設定してなることを特徴とする、引戸ガイド装置。
前記マグネットガイドは、前記当接面に前記ガイド突起が突き当たる衝突音を共振し合って減音する空気層を、前記減音部に形成してなることを特徴とする、請求項1に記載の引戸ガイド装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、一般に、引戸は、気密性に配慮した部屋であっても、床面との間に僅かに隙間(扉下チリ)を開けた状態で吊り込み、反対に通気性に配慮した部屋では、床面との間に隙間を大きく開けた状態で吊り込まれるなど、床面との間の隙間の大きさにバラツキがある。従って、従来の引戸ガイド装置は、引戸の走行時、磁力によりガイドピンを吸引して床面の取付穴から突出し、その頭部をガイド溝に係合して引戸を案内するが、引戸と床面間の隙間が大きく開いていると、それだけ床面から突出したガイドピンが加速する距離が長くなるために、床側のガイドピン上に引戸側の磁着体が至ると、そのたびに吸引したガイドピンの頭部が強く磁着体に衝突し、その結果、加速する距離が長い分だけ大きな衝突音となって響きわたり不快な騒音になっているという課題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、引戸の走行時、磁力により床面から突出するガイド突起の衝突音を減音して引戸を静かに案内する引戸ガイド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、下端面長さ方向にガイド溝20を凹設した引戸10を、床面fとの間に隙間dを開けて開閉方向に移動自在に吊持し、引戸10が移動する軌道下の床面fに間隔を置いてガイド突起15を挿設する一方、ガイド突起15を磁力により突出口19から突出させて前記ガイド溝20に係合することにより引戸10を案内するマグネットガイド29・30を備え
、該マグネットガイド29・30が前記ガイド突起15を磁力により吸引する磁石Mと、その磁石Mを搭載し、長さ方向基端を枢支して揺動可能に片持ちし、長さ方向先端が所定高さ突出した傾き角度位置に係止する吸着台17とを有した引戸ガイド装置Gにおいて、 磁石Mの磁力により吸引する前記ガイド突起15が突き当たる当接面50との間に減音部40を設け、該減音部を間に介在させて前記磁石Mから前記当接面50を遠ざける一方、該当接面50を前記磁石Mから遠ざけた距離Lだけ床面fに接近させて前記突出口19を出た前記ガイド突起15が加速する距離Sを短く設定してなることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の引戸ガイド装置Gにおいて、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、前記マグネットガイド29・30は、前記当接面50に前記ガイド突起15が突き当たる衝突音を共振し合って減音する空気層45を前記減音部40に形成してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、引戸の走行時、マグネットガイドは、搭載磁石と、その磁石の磁力により吸引するガイド突起が突き当たる当接面との間に減音部を設け、この減音部を間に介在させて当接面を磁石から遠ざける一方、当接面を磁石から遠ざかる距離だけ床面に接近させて、突出口を突出したガイド突起が加速する距離を短く設定する構成にするから、当接面が磁石から離れるために、それだけ磁石の磁力に基づくガイド突起に対する吸引力が弱められる一方で、当接面を磁石から遠ざける距離だけ床面に接近し、それだけ加速する距離を短くし、床面から突出するガイド突起が加速を増す前に当接面に突き当たることから、その結果、ガイド突起が当接面に突き当たる衝突音を軽減して静かに引戸の走行を案内することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、マグネットガイドは、当接面にガイド突起が突き当たる衝突音を共振し合って減音する空気層を減音部に形成するから、引戸の走行時に、ガイド突起が減音部の当接面に突き当たると弾性変形して衝撃を緩衝し、これにより、ガイド突起の衝突音を軽減し、しかも、空気層の中で衝突音が共振し合って外部へ伝搬するのが抑えられ、これにより、ガイド突起が当接面に突き当たる衝突音を著しく効果的に減音して不快な騒音になるのを防止し、静かに引戸の走行を案内することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1は本発明に係る第1実施形態の引戸ガイド装置の内部構造を示し、
図2は引戸ガイド装置の全体を示し、
図3は引戸ガイド装置を備えた扉構造体を引戸の全開状態で示している。図示例の扉構造体は、天井側に固定した引戸レールに戸車を介して係合した引戸10を図中左右の開閉方向に走行自在に吊持し、開閉時は、ハンドル11を持って引戸10を開閉方向に走行して床Fと仕切壁Wで囲んだ開口部を開閉する構造になっている。そこで、引戸10をスライドさせて開口部を開閉するとき、本発明の引戸ガイド装置Gを作動し、開閉方向に走行する引戸10が横振れしないで直進するように案内する。
【0013】
引戸10は、例えば木製パネルで、上下の横框と、左右の縦框と、各框間の縦桟および横桟とで格子状に組んだ枠体を間に挟んで一対の鏡板材を張り合わせて組み立て、下部側の横框には、下端面10aの長さ方向に沿って取付溝12を穿設する。
【0014】
引戸ガイド装置Gは、床Fに配設する床側ガイドg1と、引戸10の取付溝12に内設する扉側ガイドg2とからなる。
【0015】
床側ガイドg1は、複数のガイド体a・b・cからなる。ガイド体a・b・cは、
図1〜
図4に示すように、それぞれ固定筒13と、位置決めケース14と、位置決めケース14に挿設するガイド突起15を備える。固定筒13は、内周が八面体の樹脂製円管で、外周面に斜め下向きに多数の引っ掛け爪13a…を突設している。位置決めケース14は、樹脂製で、上下両端を開口し、固定筒13の内形に合わせて外周が八面体状のケース本体部14aと、ケース本体部14aの図中上端に開いた突出口19の周縁から円形鍔状に延びるフラットな取付板部14bとからなる。ケース本体部14aは、内側に重ねて上側開口が突出口19の筒状ガイド穴21を形成する。
【0016】
図示例のガイド突起15は、それぞれ位置決めケース14のガイド穴21に入れ子状に重ねて組み入れる円筒状の第1凸状部材24と、第1凸状部材24に入れ子状に重ねて組み入れるピン状の第2凸状部材25とからなる。
【0017】
そこで、ガイド体a・b・cは、固定筒13を、引戸10が走行する軌道の下の床面fに間隔をあけて予め凹設した取付穴x・y・zに嵌め入れ、穴周壁に引っ掛け爪13a…を引っ掛けて抜け止め状態で内設し、固定筒13内に位置決めケース14のケース本体部14aを嵌め込み、取付板部14bを床面fに殆ど段差なく載せた状態で位置決めケース14を固定筒13に嵌着する。以って、戸先側のガイド体aと中間のガイド体bと戸尻側のガイド体cをそれぞれ組み立て、引戸10が移動する軌道下の床面fに床側ガイドg1を形成する。
【0018】
他方、扉側ガイドg2は、取付溝12において、両端の凹溝12aに内設する一対のマグネットガイド29・30と、両端凹溝12a間の中間凹溝12bに敷設するガイドレール16とからなる。
【0019】
マグネットガイド29・30は、それぞれ支持ケース35と、支持ケース35に格納する吸着台17と、吸着台17に搭載する磁石Mを備える。
【0020】
支持ケース35は、樹脂製で、取付溝12の両端凹溝12aでの溝形状に合わせて細長い直方形の箱体をなし、一対の対向側板部35a間に、ガイド突起15を案内するガイド溝20の両端溝部20aを形成する。支持ケース35は、
図4および
図5に示すように、上側に吸着台17の取付ロ32を開けると共に底部35bに昇降口34を開け、長さ方向先端の上板片部35cにねじ挿通穴41設ける一方、基端側には、一対の対向側板部35aの上側にそれぞれ軸受穴を穿設すると共に平行な一対の連結凸部35dを角状に突設する。
【0021】
更に、支持ケース35は、対向側板部35aにおいて、軸受穴の下方の内側板面に吸着台17を所定の傾斜角度位置に受け止めるために、上端面が底部35bに向かうに従い次第に低くなるように傾斜した受け止め段部44を形成する。一方、対向側板部35aの上縁には、吸着台17の飛び出しを規制する押えリブ35eを内向きに凸設する。加えて、対向側板部35aの底部35b側の下端縁49には、突出状態でガイド溝20の両端溝部20aに係合するガイド突起15を中間溝部20bへと案内する突起案内部18を設ける。
【0022】
吸着台17は、樹脂製で、磁石Mを入れる横長箱形の磁石収納部39を設け、磁石収納部39の基端側に揺動支点の凸部17a(
図2参照)を設ける一方、磁石収納部39の底側に、ガイド突起15が突き当たる先端がショベル状に屈曲した減音部40を設けて全体をゴンドラ状に成形する。磁石収納部39には、幅方向に対向した側壁上縁に、磁石Mの飛び出しを規制する押えリブ17bを互いに内向きに突設する。
【0023】
減音部40は、突出状態のガイド突起15が突き当たると、衝突音が共振し合って外部へ伝搬するのを抑制する空気層45を設け、しかも、ガイド突起15が突き当たる外側の板状部位40aと内側の板状部位40b間に空気層45を有する中空壁で、ガイド突起15が突き当たる外側の板状部位40aを、ガイド突起15が突き当たると弾性変形して衝撃を緩衝する厚さに成形した減音構造になっている。
【0024】
磁石Mは、厚肉な矩形板状の強磁性の第1磁石m1と、同じ矩形板状でも弱磁性の第2磁石m2の2体に分けてなる。
【0025】
そこで、マグネットガイド29・30は、これら第1磁石m1を磁石収納部39の先端側に嵌め込み、基端側に第2磁石m2を嵌め込んで吸着台17に搭載し、凸部17aを軸受穴42に嵌合して基端を支持ケース35に枢支し吸着台17を支持ケース35内で揺動自在に片持ちする一方、係止段部17eを受け止め段部44に係止し、突出状態のガイド突起15が当接面50に当たる減音部40が昇降口34から所定高さ突出した傾き角度位置に保持して組み立てる。
【0026】
即ち、マグネットガイド29・30は、搭載磁石Mと、その磁石Mの磁力により吸引するガイド突起15が突き当たる当接面50との間に減音部40を設け、この減音部40を間に介在させて磁石Mから当接面50を遠ざける一方、当接面50を磁石Mから遠ざかる距離だけ床面fに接近させて、突出口19を突出したガイド突起15が加速する距離を短く設定する構成になっている。
【0027】
ガイドレール16は、
図2に示すように、略角パイプ状をなすレール本体16a内に走行溝20の中間溝部20bを形成し、中間溝部20bを挟んだ両側に係止片16bを平行に列設する。一方、レール本体16aの上板部16cには、幅方向両側の角縁をマグネットガイド29・30の連結凸部35dの凸形状に合わせて屈曲させて連結用の係合段部16dを形成する。
【0028】
そこで、扉側ガイドg2は、引戸10のガイド溝20の両端凹溝20a内に、互いの連結凸部35dを向き合わせてマグネットガイド29・30を嵌め込み、連結凸部35dにガイドレール16の係合段部16dを係合して互いに一直線に合わせた状態で、ガイドレール16をマグネットガイド29・30に連結してから、上板部35cを溝底面にねじ止めして組み立て扉側ガイドg2をガイド溝20に内設する。この組立初期状態において、扉側ガイドg2は、マグネットガイド29・30の吸着台17を、受け止め段部44に係止段部を係止して減音部40が昇降口34から所定高さ突出した傾き角度位置において保持する。
【0029】
さて、図示扉構造体では、閉時、
図3に示すように、全開した引戸10を、ハンドル11を持って矢示する閉方向に引くと、引戸レールの案内で戸車を転動しながら閉方向に引戸10が動き出して開口部を閉じ始めるが、この閉止途中、引戸ガイド装置Gは、床側ガイドg1の中間ガイド体bにおいて、入れ子状に立ち上がったガイド突起15の第2凸状部材25の頭部25aがガイドレール16の係止片16bに係止して引戸10を閉方向に案内する。
【0030】
それから、引戸10が閉方向にさらに直進し、扉側ガイドg2の戸尻側マグネットガイド30が床側ガイドg1の中間ガイド体bに近づいて、
図1に示すように、吸着台17の磁石収納部39の先端側に嵌め込んだ磁石Mの第1磁石m1がガイド突起15の上に至ると、磁力により第2の凸状部材25が第1凸状部材24から引き上がる。第2凸状部材25が引き上がると、外側の第1凸状部材24が位置決めケース14から、入れ子式に突出し、第2凸状部材25の頭部25aが吸着台17の当接面50に突き当たる。すると、ガイド突起15は、引戸10の走行に従い、吸着台17の磁石収納部39の基端側に嵌め込んだ磁石Mの第2磁石m2で吸引して突出した状態のまま、第2凸状部材25の頭部25aを、吸着台17の底面を滑らしながら、突起案内部18で案内してガイド溝20の両端溝部20aに係合してから突起案内部18に係止し、そのままガイドレール16の係止片16bに係止する。一方、そのとき、ガイドレール16の戸尻側で突起案内部18に係止した中間ガイド体bの第2凸状部材15は、昇降口34を通って戸尻側マグネットガイド30から外れる。従って、その後、引戸10は、戸先側ガイド体aのガイド突起15の案内で移動して開口部を全閉する。
【0031】
図6は、例えば扉下チリ寸法がd=15mmの場合(a)磁石Mから当接面50を遠ざけた(4.5mm)減音部40を備える本発明の引戸ガイド装置Gと(b)磁石Mに当接面50´が近付けて(2mm)内部に空気層45´を備えた従来の引戸ガイド装置G´との減音効果を比較して示す。
【0032】
従来の引戸ガイド装置G´でも、引戸10の走行時、
図6(b)に示すように、扉側ガイドg2の磁石Mの磁力によりガイド突起15が位置決めケース14の突出口から突出し、第2凸状部材25の頭部25aが当接面50´に突き当たり、引戸10の走行に従い、突起案内部18の案内でガイド溝20の両端溝部20aに係合して引戸10が横振れしないで開閉方向に直進するように案内する。
ところが、この引戸10の走行時に、引戸10と床面f間の隙間dが大きく開いていると(d=15mm)、それだけ床面fから突出したガイド突起15が加速する距離S´が長くなり(S´=7.90mm)、しかも、磁石Mと当接面50´間の距離Lが近いために(L´=2mm)磁力に基づく吸引力も強くなるので、ガイド突起15が当接面50´に強く衝突し、大きな衝突音となって広く響きわたり不快な騒音となって発生する。
【0033】
しかし、本発明の引戸ガイド装置Gでは、引戸10の走行時、
図6(a)に示すように、マグネットガイド29(30)は、搭載した磁石Mと、その磁石Mの磁力により吸引するガイド突起15が突き当たる当接面50との間に減音部40を設け、この減音部40を間に介在させて当接面50を磁石Mから遠ざける一方、当接面50を磁石Mから遠ざかる距離Lだけ床面fに接近させて、突出口19を突出したガイド突起15が加速する距離Sを短く設定する。従って、図示例では、当接面50が磁石Mから4.5mmも離れるために、それだけ磁石Mの磁力に基づくガイド突起15に対する吸引力が弱められる一方で、当接面50を磁石Mから遠ざける距離Lだけ床面fに接近し、それだけ加速する距離Sを短くするため、床面fから突出するガイド突起15が加速を増す前に当接面50に突き当たり、その結果、ガイド突起15が当接面50に突き当たる衝突音を軽減して静かに引戸10の走行を案内することができる。
【0034】
しかも、本発明の引戸ガイド装置Gでは、マグネットガイド29(30)は、減音部40に、ガイド突起15が突き当たるとその衝突音が共振し合って吸収する空気層45を設け、しかも、ガイド突起15が突き当たる空気層45の外側の板状部位40aを、ガイド突起15が当接面50に突き当たると弾性変形して衝撃を緩衝する厚さに成形した減音構造になっているため、引戸10の走行時に、ガイド突起15が減音部40の外側の板状部位40aに突き当たると、外側の板状部位40aが弾性変形して衝撃を緩衝し、これにより、ガイド突起15の衝突音を軽減し、しかも、空気層45の中で衝突音が共振し合って外部へ伝搬するのが抑えられ、これにより、ガイド突起15が当接面50に突き当たる衝突音を著しく効果的に減音して不快な騒音になるのを防止し、静かに引戸10の走行を案内することができる。
【0035】
上述した図示例では、引戸10と床面f間の隙間(d=15mm)が大きく開けた扉構造体に、本発明の引戸ガイド装置Gを適用した例を示したが、本発明は、例えば
図7に示すように、引戸10と床面f間の隙間dが小さく、例えば扉下チリ寸法がd=7mmの扉構造体に適用した場合でもガイド突起15の衝突音を軽減することができる。
【0036】
即ち、図示他例の引戸ガイド装置Gでは、
図7に示すように、マグネットガイド29(30)が搭載した磁石Mと、その磁石の磁力により吸引するガイド突起15が突き当たる当接面50との間に減音部40を設け、この減音部40を間に介在させて当接面50を磁石Mから遠ざける一方、当接面50を磁石Mから遠ざかる距離Lだけ床面fに接近させて、突出口19を突出したガイド突起15が加速する距離Sを短く設定する。従って、図示他例でも、当接面50が磁石Mから4.5mmも離れるために、それだけ磁石Mの磁力に基づくガイド突起15に対する吸引力が弱められる一方で、当接面50を磁石Mから遠ざかる距離Lだけ床面fに接近し、それだけ加速する距離Sを短くするため(S=0.5mm)、床面fから突出するガイド突起15が加速を増す前に当接面50に突き当たるから、その結果、上記実施例と同様に、ガイド突起15が当接面50に突き当たる衝突音を軽減して静かに引戸10の走行を案内することができる。
【0037】
以上の図示引戸ガイド装置Gにおいて、マグネットガイド29(30)は、当接面50にガイド突起15が突き当たる衝突音を共振し合って減音する空気層45を、減音部40に形成する。しかし、本発明は、マグネットガイド29(30)が搭載する磁石Mと、ガイド突起15が突き当たる当接面50間に減音部40を介在させて、磁石Mから当接面50を遠ざける一方、当接面50を磁石Mから遠ざける距離Lだけ床面fに接近させてガイド突起15が加速する距離Sを短くし、以って、ガイド突起15が当接面50に突き当たる衝突音を軽減する点に特徴がある。従って。マグネットガイド29(30)は、搭載する磁石Mと、ガイド突起15が突き当たる当接面50間に、磁石から当接面を引き離す減音部40を介在させる構成であればよく、例えば
図8に示すように、減音部40を、ガイド突起15が当接面50に突き当たると弾性変形して衝撃を緩衝する中実な弾性材で形成することもできる。
【解決手段】引戸ガイド装置Gのマグネットガイド29・30は、ガイド突起15を磁力により吸引する磁石Mを搭載し、該磁石と、その磁石の磁力により吸引する前記ガイド突起が突き当たる当接面50との間に減音部40を設け、該減音部を間に介在させて前記磁石から前記当接面を遠ざける一方、該当接面を前記磁石から遠ざける距離Lだけ床面fに接近させて前記突出口19を突出した前記ガイド突起が加速する距離Sを短く設定した減音構造を備え、引戸10の走行時に、ガイド突起が加速しないうちに当接面に突き当たるため、ガイド突起の衝突音を軽減して衝突音を効果的に減音する。