特許第5654711号(P5654711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5654711
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】表面被覆材料および製品
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/16 20060101AFI20141218BHJP
   C08L 23/08 20060101ALI20141218BHJP
   C08K 3/00 20060101ALI20141218BHJP
   C08K 5/14 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   E04F15/16 A
   C08L23/08
   C08K3/00
   C08K5/14
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-506703(P2014-506703)
(86)(22)【出願日】2012年4月25日
(65)【公表番号】特表2014-517165(P2014-517165A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】CA2012050261
(87)【国際公開番号】WO2012145844
(87)【国際公開日】20121101
【審査請求日】2014年6月10日
(31)【優先権主張番号】61/480,669
(32)【優先日】2011年4月29日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513273052
【氏名又は名称】アメリカン ビルトレイト (カナダ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】メルシエ, ジャン−クラウド
(72)【発明者】
【氏名】フィッツバック, ステファン
【審査官】 瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−521458(JP,A)
【文献】 特開平08−127679(JP,A)
【文献】 特開2008−144112(JP,A)
【文献】 特表平11−507696(JP,A)
【文献】 特開平01−259047(JP,A)
【文献】 特開平02−240149(JP,A)
【文献】 特開2008−115659(JP,A)
【文献】 特開2008−247973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00−15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量%から0重量%の間のポリオレフィンをベースとするエラストマー材料、
重量%から0重量%の間のアイオノマーを含むポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料、
0重量%から5重量%の間の充填剤、および
.1重量%から重量%の間の過酸化物含有硬化系
を含む床用材料。
【請求項2】
前記硬化系が、過酸化物である、請求項1に記載の床用材料。
【請求項3】
前記硬化系が、前記過酸化物および共作用剤である、またはそれらを含む、請求項1に記載の床用材料。
【請求項4】
前記硬化系が、.25重量%〜重量%の範囲にある、請求項1に記載の床用材料。
【請求項5】
前記過酸化物が、.25重量%〜重量%の範囲にある、請求項1に記載の床用材料。
【請求項6】
前記共作用剤が、.25重量%〜重量%の範囲にある、請求項に記載の床用材料。
【請求項7】
前記ポリオレフィンをベースとするエラストマー材料が、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−アクリルゴムおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の床用材料。
【請求項8】
前記ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料が、低密度ポリエチレン(LDPE)、アイオノマー、酸性コポリマー、アクリレートコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、スチレン−アクリレートコポリマー、スチレン−メチルアクリレートブロックコポリマー、スチレン−ポリオレフィンブロックコポリマー、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の床用材料。
【請求項9】
前記アイオノマーが、重量%未満である、請求項1に記載の床用材料。
【請求項10】
前記充填剤が、石灰石、酸化亜鉛、シリカ、雲母、バライト、ドロマイト、炭酸カルシウム、粘土、アルミナ三水和物、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の床用材料。
【請求項11】
高スチレン樹脂をさらに含む、請求項1に記載の床用材料。
【請求項12】
重量%から0重量%の間のポリオレフィンをベースとするエラストマー材料、
重量%から0重量%の間のアイオノマーを含むポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料、
0重量%から5重量%の間の充填剤、および
.1重量%から重量%の間の過酸化物含有硬化系
を含む床用組成物から硬化された床用製品。
【請求項13】
前記床用製品が、.2g/cm.0g/cmの範囲の密度をする、請求項12に記載の床用製品。
【請求項14】
前記床用製品が、00lbf/in600lbf/inの範囲の張力をする、請求項12に記載の床用製品。
【請求項15】
前記床用製品が、00lbf/in500lbf/inの範囲のモジュラス(10%)をする、請求項12に記載の床用製品。
【請求項16】
前記床用製品が、5%〜20%の範囲の伸びをする、請求項12に記載の床用製品。
【請求項17】
前記床用製品が、50lb/インチ〜25lb/インチの範囲の引裂き強さする、請求項12に記載の床用製品。
【請求項18】
350°Fの温度で30分間のエージング後に分光光度計により耐熱性を測定すると、前記床用製品の平均ΔEが.5〜.5の範囲にある、請求項12に記載の床用製品。
【請求項19】
145°Fの温度で300時間のエージング後に分光光度計により耐光性を測定すると、前記床用製品の平均ΔEがの範囲にある、請求項12に記載の床用製品。
【請求項20】
床用製品を作製する方法であって、
床用材料が提供されるように、
重量%から0重量%の間のポリオレフィンをベースとするエラストマー材料、
重量%から0重量%の間のアイオノマーを含むポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料、
0重量%から5重量%の間の充填剤、および
.25重量%から重量%の間の過酸化物含有硬化系
を組み合わせるステップ、
前記床用材料を前記床用製品の硬化を実現するのに十分な条件に曝露するステップ
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ゴム製床用製品は、通常、硫黄硬化SBR(スチレン−ブタジエンゴム)から作製され、加工温度および硬化温度では熱的に不安定である。これにより変色し、同一生産ラン(production run)内、さらにまたラン間の色むらの制御を困難にしている。NR(天然ゴム)またはNBR(ニトリル−ブタジエンゴム)から作製される床用製品またはそのブレンドも、同様の問題を抱えている。消費者にとって、美的属性が物理的属性と同じ程度に重要になり得るので、これらの問題は、床用製品に関する主な課題である。
【0002】
従来のゴム製床用製品の標準配合は、以下の通りである。
【0003】
・ゴム(SBR、NR、NBR、またはブレンド):20〜50%
・充填剤(粘土、シリカ、石灰石、またはブレンド):40〜70%
・可塑剤/樹脂:2〜10%
・加硫パッケージ:2〜10%。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一部の実施形態では、本発明は、例えば、通常の加工温度または硬化温度において安定な(例えば、その結果、製造中または設置後、変色しない)、タイルまたはシート形態で調製されるゴム製表面被覆(例えば、床用)材料を作製するための新規配合物に関する。一部の実施形態では、提供される床用材料は、従来の床用製品よりも安定している完成床用製品として、またはその製品中で使用される。一部の実施形態では、提供される床用材料および/または製品は、設置後、その色調を長期間、実質的に維持する。一部の実施形態では、提供される床用材料および/または製品は、従来の床用製品と比較して、1種または複数の物理的特徴が改善されていることを示す。一部の実施形態では、こうした物理的特徴には、可撓性、耐摩耗性、耐押込性、およびそれらの組合せの1種または複数が含まれる。
【0005】
とりわけ、色調を実質的に維持する床用材料および/または製品を提供することができる本発明の能力により、一般に調製されているものならびに/または従来のゴム製床用材料および/もしくは製品により使用されているものよりも、薄く、明るく、かつ/またはくっきり(crisp)した色調の床用材料および/または製品の調製および/または使用が可能になる。例えば、一部の実施形態では、着色剤、顔料、色のストリップ(strip)およびチップ(chip)からなる群から選択される色の要素を含有するゴム製床用材料および/または製品が提供される。
【0006】
とりわけ、本発明は、約1重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとするエラストマー材料、約2重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料、約20重量%から約75重量%の間の充填剤、および約0.25重量%から約5重量%の間の過酸化物硬化系を含む床用材料を提供する。
【0007】
一部の実施形態では、提供される床用材料は、1種または複数の従来のゴム製床用材料で観察されるよりも、優れた耐熱性および/または保色性を示す。
【0008】
一部の実施形態では、本発明は、以下からなる群から選択されるポリオレフィンをベースとするエラストマーを利用する床用材料および/または製品を提供する。
【0009】
・エチレン−プロピレンゴム(EPR)
・エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)
・高スチレン−ブタジエンコポリマー
・エチレン−アクリルゴム(例えば、Vamac)
・ブチルゴム(IIR)、および
・それらの組合せ。
【0010】
一部の実施形態では、本発明は、以下からなる群から選択されるポリオレフィンをベースとする熱可塑性樹脂を利用する床用材料および/または製品を提供する。
【0011】
・ポリエチレン(LDPE、LLDPE、ULDPEなど)
・アイオノマー
・酸性コポリマー(E/MMAA、E/MAA)
・アクリレートコポリマー(MA、MMA、BMA/MMA)
・エチレン−オクテンコポリマー
・スチレン−アクリレートコポリマー
・スチレン−メチルアクリレートブロックコポリマー
・スチレン−ポリオレフィンブロックコポリマー、および
・それらの組合せ。
【0012】
とりわけ、本発明は、EPRおよび/またはEPDMが、提供される床用材料および/または製品中において利用されると、硬化温度において特に有用な熱安定特性を示すことを実証する。
【0013】
とりわけ、本発明は、アイオノマーが、提供される床用材料および/または製品中において利用されると、特に有用な耐引掻特性、耐摩耗特性、および/または耐押込特性を示すことを実証する。
【0014】
とりわけ、本発明は、高スチレンコポリマー、アクリル酸メチルコポリマーおよび/またはアクリル酸コポリマーを含んで提供される床用材料および/または製品が、特に加工性および接着性に関する特性、および/または他の望ましい特性を改善することを示し得ることを実証する。
【0015】
一部の実施形態では、提供される床用材料および/または製品は、石灰石、シリカ、粘土、酸化亜鉛、雲母、バライト、ドロマイト、アルミナ三水和物およびそれらの組合せからなる群から選択される1種または複数の充填剤を利用する。一部の実施形態では、充填剤はさらにシリカを含むことができる。一部のこうした実施形態では、提供される床用材料および/または製品は、耐摩耗特性を改善することを実証する。代替的または追加的に、一部の実施形態では、充填剤はアルミナ三水和物を含むことができる。一部のこうした実施形態では、提供される床用材料および/または製品は、耐火特性を示す。
【0016】
一部の実施形態では、本発明は、例えば慣習的な硫黄硬化系以外の、過酸化物硬化を利用する。一部の実施形態では、提供される硬化済み床用製品は、硫黄硬化製品と比較して、耐熱性が改善されていることを示す。一部の実施形態では、耐熱性の改善は、例えば加工中および/または硬化中、ならびに/あるいは設置中の色むらの低減、および/または色調安定性の改善に寄与する。
【0017】
一部の実施形態では、本発明による床用材料および/または製品は、例えばBanburyミキサー中で、原材料を一緒に混合することにより調製される。次に、得られた化合物は、カレンダー成形器またはローラーヘッド型押出成形器により加工される。シートは色を均一にすることができ、または1種もしくは多くの対比色のストリップの添加により大理石模様付け(marbleized)することができ、または、同じもしくは異なる配合の未硬化もしくは硬化済みチップの添加によるチップ装飾を施すことができる。得られたシートは、例えば、連続的な硬化圧縮器で硬化することができ、または特定の寸法のスラブに裁断することができ、圧縮プレスで金型成形することができる。
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
約1重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとするエラストマー材料、約2重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料、
約20重量%から約75重量%の間の充填剤、および
約0.1重量%から約5重量%の間の過酸化物含有硬化系
を含む床用材料。
(項目2)
前記硬化系が、過酸化物である、項目1に記載の床用材料。
(項目3)
前記硬化系が、前記過酸化物および共作用剤である、またはそれらを含む、項目1に記載の床用材料。
(項目4)
前記硬化系が、約0.25重量%〜約3重量%の範囲にある、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目5)
前記過酸化物が、約0.25重量%〜約2重量%の範囲にある、項目1から4のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目6)
前記共作用剤が、約0.25重量%〜約2重量%の範囲にある、項目1および項目3から5のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目7)
前記ポリオレフィンをベースとするエラストマー材料が、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−アクリルゴムおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目8)
前記ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料が、低密度ポリエチレン(LDPE)、アイオノマー、酸性コポリマー、アクリレートコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、スチレン−アクリレートコポリマー、スチレン−メチルアクリレートブロックコポリマー、スチレン−ポリオレフィンブロックコポリマー、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目9)
前記ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料が、アイオノマーを含む、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目10)
前記アイオノマーが、約5重量%未満である、項目9に記載の床用材料。
(項目11)
前記アイオノマーが、約4重量%である、項目9に記載の床用材料。
(項目12)
前記充填剤が、石灰石、酸化亜鉛、シリカ、雲母、バライト、ドロマイト、炭酸カルシウム、粘土、アルミナ三水和物、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目13)
高スチレン樹脂をさらに含む、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目14)
高スチレン樹脂を含まない、項目1から12のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目15)
前記高スチレン樹脂が、約1重量%から約10重量%の間にある、項目13に記載の床用材料。
(項目16)
前記高スチレン樹脂が、約4.9重量%である、項目13に記載の床用材料。
(項目17)
加工補助剤をさらに含む、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目18)
前記加工補助剤が、炭化水素、ビニルコポリマー、フェノールホルムアルデヒドをベースとする樹脂、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される樹脂を含む、項目17に記載の床用材料。
(項目19)
色構成成分をさらに含む、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目20)
前記色構成成分が、顔料を含む、項目19に記載の床用材料。
(項目21)
約1重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとするエラストマー材料、約2重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料、
約20重量%から約75重量%の間の充填剤、および
約0.1重量%から約5重量%の間の過酸化物含有硬化系
を含む床用組成物から硬化された床用製品。
(項目22)
前記床用材料が、約1.2g/cm〜約2.0g/cmの範囲の密度を特徴とする、項目21に記載の床用製品。
(項目23)
前記床用材料が、約500lbf/in〜約1600lbf/inの範囲の張力を特徴とする、項目21に記載の床用製品。
(項目24)
前記床用材料が、約300lbf/in〜約1500lbf/inの範囲のモジュラス(10%)を特徴とする、項目21に記載の床用製品。
(項目25)
前記床用材料が、約25%〜約220%の範囲の伸びを特徴とする、項目21に記載の床用製品。
(項目26)
前記床用材料が、約150lb/インチ〜約225lb/インチの範囲の引裂きを特徴とする、項目21に記載の床用製品。
(項目27)
350°Fの温度で30分間のエージング後に分光光度計により耐熱性を測定すると、平均ΔEが約0.5〜約3.5の範囲にある、項目21に記載の床用製品。
(項目28)
145°Fの温度で300時間のエージング後に分光光度計により耐光性を測定すると、平均ΔEが約1〜約5の範囲にある、項目21に記載の床用製品。
(項目29)
前記硬化系が、過酸化物である、項目21に記載の床用製品。
(項目30)
前記硬化系が、過酸化物および共作用剤である、またはそれらを含む、項目21に記載の床用製品。
(項目31)
前記硬化系が、約0.25重量%〜約3重量%の範囲にある、項目21から30のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目32)
前記過酸化物が、約0.25重量%〜約2重量%の範囲にある、項目21から31のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目33)
前記共作用剤が、約0.25重量%〜約2重量%の範囲にある、項目21から28および項目30から32のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目34)
前記ポリオレフィンをベースとするエラストマー材料が、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−アクリルゴムおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目21から33のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目35)
前記ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料が、低密度ポリエチレン(LDPE)、アイオノマー、酸性コポリマー、アクリレートコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、スチレン−アクリレートコポリマー、スチレン−メチルアクリレートブロックコポリマー、スチレン−ポリオレフィンブロックコポリマーおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目21から34のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目36)
前記ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料が、アイオノマーを含む、項目21から35のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目37)
前記アイオノマーが、約5重量%未満である、項目21から36のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目38)
前記アイオノマーが、約4重量%である、項目21から37のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目39)
前記充填剤が、石灰石、酸化亜鉛、シリカ、雲母、バライト、ドロマイト、炭酸カルシウム、粘土、アルミナ三水和物、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目21から38のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目40)
高スチレン樹脂をさらに含む、項目21から39のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目41)
高スチレン樹脂を含まない、項目21から39のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目42)
前記高スチレン樹脂が、約1重量%から約10重量%の間にある、項目40に記載の床用製品。
(項目43)
前記高スチレン樹脂が、約4.9重量%である、項目40に記載の床用製品。
(項目44)
加工補助剤をさらに含む、項目21から43のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目45)
前記加工補助剤が、炭化水素、ビニルコポリマー、フェノールホルムアルデヒドをベースとする樹脂、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される樹脂を含む、項目44に記載の床用製品。
(項目46)
色構成成分をさらに含む、項目21から35のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目47)
前記色構成成分が顔料を含む、項目46の床用製品。
(項目48)
床用製品を作製する方法であって、
床用材料が提供されるように、
約1重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとするエラストマー材料、
約2重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料、
約20重量%から約75重量%の間の充填剤、および
約0.25重量%から約5重量%の間の過酸化物含有硬化系
を組み合わせるステップ、
前記床用材料を前記床用製品の硬化を実現するのに十分な条件に曝露するステップ
を含む方法。
(項目49)
前記床用材料を色構成成分と組み合わせるステップをさらに含む、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記色構成成分を組み合わせる間に添加して、色を均一にすることができる、項目49に記載の方法。
(項目51)
混合するステップの後に、前記色構成成分をストリップまたはチップとして添加することができる、項目49に記載の方法。
(項目52)
前記硬化するステップが約500°F〜約800°Fの範囲の輻射型電熱器下で行われる、項目48に記載の方法。
(項目53)
前記硬化するステップが約340°F〜約400°Fの範囲の熱媒油加熱器または蒸気加熱器下で行われる、項目48に記載の方法。
(項目54)
前記硬化するステップが約2分〜約12分の範囲の時間で行われる、項目48に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、表面被覆(例えば、床用)材料の組成物、およびそれらの製品、ならびにそれらの作製方法および使用方法を提供する。こうした表面被覆材料は一般に、適切な特性を有するどのような表面でも被覆するのに使用することができる。一部の実施形態では、床用材料は、特に有用である。
【0019】
様々な実施形態では、床用材料またはその床用製品は、少なくともポリオレフィンをベースとするエラストマー材料、ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料、1種または複数の適切な充填剤、および、材料が硬化する際に、相互連結反応を引き起こすことができる過酸化物硬化系を含む。一部の実施形態では、過酸化物硬化系は、過酸化物を含む。一部の実施形態では、過酸化物硬化系は、過酸化物および共作用剤(coagent)を含む。
【0020】
様々な実施形態では、本発明は、例えば、過酸化物硬化系を使用する硬化により、床用材料から調製される床用製品を提供する。こうした床用製品は、硬化系の他に、少なくともポリオレフィンをベースとするエラストマー材料、ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料、および1種または複数の適切な充填剤を含む。
【0021】
他の態様では、本発明は、床用製品を調製する方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、ポリオレフィンをベースとするエラストマー材料、ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料、1種または複数の適切な充填剤、および過酸化物硬化系を混合して床用材料にするステップ、および該床用材料を硬化して、床用製品を製造するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、こうした床用材料またはその床用製品を色パッケージと組み合わせるステップを含む。
【0022】
他の態様では、本発明は、こうした床用材料および/またはその床用製品の使用方法を提供する。
【0023】
組成物
ポリオレフィンをベースとするエラストマー材料
エラストマーとは一般に、粘弾特性を有するポリマーである。一部の実施形態では、本発明により使用されるエラストマー材料は、ポリオレフィンをベースとするものである。
【0024】
本明細書で使用する「ポリオレフィンをベースとする」という用語は、広義には、ホモポリマー、コポリマーまたは任意の修飾ポリマーとすることができる、ポリオレフィンを含有している任意の材料を指す。例示的なポリオレフィンをベースとするエラストマー材料には、以下に限定されないが、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、Vamac(登録商標)などのエチレン−アクリルゴム、およびそれらのコポリマー、または互いにもしくは任意の他のものにより修飾された型のものを含む。一部の実施形態では、エラストマー材料は、高スチレン−ブタジエンコポリマーを含むことができる。
【0025】
一部の実施形態では、本発明によれば、ポリオレフィンをベースとするエラストマー材料は、硬化前の床用材料またはその床用製品の約1重量%〜約50重量%の範囲にある。一部の実施形態では、ポリオレフィンをベースとするエラストマー材料は、約5重量%〜約50重量%の範囲にある。一部の実施形態では、ポリオレフィンをベースとするエラストマー材料は、約5重量%〜約25重量%の範囲にある。一部の実施形態では、ポリオレフィンをベースとするエラストマー材料は、約5重量%〜約15重量%の範囲にある。一部の実施形態では、ポリオレフィンをベースとするエラストマー材料は、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%および約50重量%である。一部の実施形態では、ポリオレフィンをベースとするエラストマー材料は、上の任意の2つの値の範囲にある。
【0026】
一部の実施形態では、提供される床用材料またはその床用製品は、高スチレン樹脂を約0重量%〜約10重量%の範囲で含有する。一部の実施形態では、高スチレン樹脂は、約0重量%〜約6重量%の範囲にある。一部の実施形態では、高スチレン樹脂は、約1重量%〜約5重量%の範囲にある。一部の実施形態では、高スチレン樹脂は、約2重量%〜約5重量%の範囲にある。一部の実施形態では、高スチレン樹脂は、約3重量%〜約5重量%の範囲にある。一部の実施形態では、高スチレン樹脂は、約3重量%〜約6重量%の範囲にある。一部の実施形態では、高スチレン樹脂は、約0重量%〜約2重量%の範囲にある。一部の実施形態では、高スチレン樹脂は、約0重量%〜約1重量%の範囲にある。一部の実施形態では、高スチレン樹脂は、約4重量%である。一部の実施形態では、提供される床用材料は、高スチレン樹脂を含有していない。
【0027】
ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料
熱可塑性樹脂とは、加熱されると溶融し、また十分に冷却するとまさにガラス状態に凍結するポリマーのことである。一部の実施形態では、本発明により使用される熱可塑性材料は、ポリオレフィンをベースとするものである。例示的なポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料には、以下に限定されないが、ポリエチレン(例えば、ポリエチレン(LDPE、HDPEなど);ポリプロピレン;アイオノマー、エチレン−メタクリル酸(E/MAA)およびエチレン−メチルメタクリレート酸(methyl methacrylate acid)(E/MMAA)などの酸性コポリマー;アクリル酸メチル(MA)、メタクリル酸メチル(MMA)およびメタクリル酸ブチル/メタクリル酸メチル(BMA/MMA)などのアクリレートコポリマー;エチレン−オクテンコポリマー;スチレン−アクリレートコポリマー;スチレン−メチルアクリレートブロックコポリマー;およびスチレン−ポリオレフィンブロックコポリマー;ならびにそれらのコポリマー、または互いにもしくは他の任意のものにより修飾された型が含まれる。
【0028】
一部の実施形態では、熱可塑性材料は、アイオノマーである。アイオノマーとは一般に、イオン性基を有する構成モノマーが、少ない比率ではあるが有意な比率で存在するポリマーとして定義される。本明細書で使用するアイオノマーという用語は、部分的にイオン化しているカルボキシレート部分、およびその関連対イオンを含有しているポリマーのことを指す。一部の実施形態では、アイオノマーは、ポリオレフィンをベースとするアイオノマーである。
【0029】
例示的なアイオノマーには、以下に限定されないが、5%から25%の間の部分的に中和されたカルボキシレート部分、0%から30%の間のアクリレート、および45%から95%の間のエチレンを含有するコポリマーまたはターポリマーが含まれる。一部の実施形態では、アイオノマーは、5%から15%の間のカルボキシレート部分、5%から15%の間のアクリレート、および75%から90%の間のエチレンを含有する。カルボキシレート部分を含有している構成モノマーは、以下に限定されないが、メタクリル酸(MAA)およびエチレンアクリル酸(EAA)を含むことができる。例示的な中和されたカルボキシレート部分の対イオンには、以下に限定されないが、アルミニウム、リチウム、ナトリウムおよび亜鉛などの一価から三価の任意のイオン性金属が含まれる。ある実施形態では、亜鉛の対イオンが有用である。例示的なアクリレート構成モノマーには、以下に限定されないが、アクリル酸メチル(MA)、メタクリル酸メチル(MMA)、アクリル酸エチル(EA)、メタクリル酸エチル(EMA)、アクリル酸ブチルおよびメタクリル酸ブチル(BuMA)が含まれる。ある実施形態では、メタクリル酸イソブチル(iBuMA)が有用である。本発明で使用するのに適した例示的な商用ポリマーの商標には、DuPont社からのSURLYN、およびExxonMobil Chemicals社からのIOTEKが含まれる。一部の実施形態では、SURLYN製品(例えば、SURLYN 9020および9320)が本発明に有用である。
【0030】
一部の実施形態では、本発明によれば、ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料は、硬化前の床用材料またはその床用製品の約2重量%〜約50重量%の範囲にある。一部の実施形態では、ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料は、約2重量%〜約25重量%の範囲にある。一部の実施形態では、ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料は、約2重量%〜約15重量%の範囲にある。一部の実施形態では、ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料は、約4重量%と少ない。一部の実施形態では、ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料は、約1重量%、約2重量%、約4重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%および約50重量%である。一部の実施形態では、ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料は、上の任意の2つの値の範囲にある。
【0031】
一部の実施形態では、ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料は、硬化前の床用材料またはその床用製品の約2重量%〜約50重量%の範囲にあるアイオノマーを含む。一部の実施形態では、アイオノマーは、約4重量%〜約10重量%の範囲にある。一部の実施形態では、アイオノマーは5重量%未満である。一部の実施形態では、アイオノマーは、約1重量%、約2重量%、約4重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%および約50重量%である。一部の実施形態では、アイオノマーは、上の任意の2つの値の範囲にある。
【0032】
充填剤
ゴムの価格を下げ、かつ強化するために、ほとんどすべての考えられる物質を充填剤としてゴムに加えることができる。石灰石、酸化亜鉛、シリカ、雲母、バライト、ドロマイト、炭酸カルシウム、粘土、アルミナ三水和物、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される充填剤を、本発明による床用材料に加えることができる。充填剤は、新品(virgin)または再利用品由来のものとすることができる。例示的な新品の充填剤には、石灰石、酸化亜鉛、シリカ、雲母、バライト、ドロマイト、粘土またはカーボンブラックなどの鉱物充填剤が含まれる。重量充填剤には、粉末タングステンなどの金属粒子が含まれる。例示的な再利用充填剤には、石灰石、木粉、ガラスまたは石膏が含まれる。
【0033】
本発明によれば、一部の実施形態では、充填剤が様々な充填剤を組み合わせて含む場合、充填剤の含有量または総含有量は、硬化前の床用材料またはその床用製品の約20重量%〜約75重量%の範囲にある。一部の実施形態では、充填剤の含有量または総含有量は、約50重量%〜約75重量%の範囲にある。一部の実施形態では、充填剤の含有量または総含有量は、約60重量%、約61重量%、約62重量%、約63重量%、約64重量%、約65重量%、約66重量%、約67重量%、約68重量%、約69重量%または約70重量%である。一部の実施形態では、充填剤の含有量または総含有量は、上の任意の2つのおよその値の範囲にある。一部の実施形態では、石灰石が本発明により使用される。石灰石は、粉砕炭酸カルシウム/炭酸マグネシウムであり、通常、カルサイトおよび/またはアラゴナイトから構成される。その価格の安さにより、産業界において、石灰石が最も広範に使用されている充填剤の一つになっている。本発明による適切な石灰石は、通常、0.02μm〜30μmの範囲にある様々な粒子サイズで得ることができる。一部の実施形態では、沈澱法から得られる0.02μm〜0.4μmの石灰石粒子が使用される。
【0034】
一部の実施形態では、再利用ガラスが充填剤として使用され、床用材料中の再利用品の含有量(recycling content)が向上する。再利用ガラスは、産業利用後または消費者使用後の供給源を由来とすることができる。平均粒子サイズは、1μm未満から100μmまで変動し得る。
【0035】
一部の実施形態では、粘土および/または炭酸カルシウムが、本発明により使用される。粘土および炭酸カルシウムは採掘され、砕かれるかまたは粉砕され、さらに粒子サイズによって画分に分離される、天然の鉱物堆積物である。粘土は、2つの等級に通常分離される。すなわち、硬質粘土および軟質粘土である。硬質粘土は、良好な物理特性をもたらす、小さな粒子サイズを通常有する。
【0036】
一部の実施形態では、シリカが充填剤として使用される。いかなる特定の理論にも拘泥されないが、シリカは、材料(例えばゴム製床用材料)の弾性率を向上すると一般に考えられている。シリカは、SBRなど普通なら貧弱な材料に対し、並外れた靭性、とりわけ耐摩耗性を付与することがある。本明細書で使用する場合、「シリカ」という用語は、二酸化ケイ素(シリカ)、シリケート、およびそれらの混合物をベースとする作用剤(agent)のことを指す。用語シリカは、説明を簡潔にするためだけに使用され、本説明または特許請求の範囲を二酸化ケイ素だけに限定するものと解釈すべきでない。様々な実施形態では、シリカは、約10nmから約20ミクロンの間のサイズを有する粒子形態とすることができる。
【0037】
硬化系
当業者により理解される通り、加硫とは、硫黄または他の硬化系を添加することにより、ゴムまたは関連ポリマーをより耐久性のある材料に変換するための化学過程である。提供される床用材料中の重要な成分は、材料を硬化してその床用製品を調製する際に、相互連結反応を引き起こす硬化系である。一般に、硬化系には、以下に限定されないが、硫黄系、過酸化物、ウレタン架橋剤、金属酸化物などが含まれる。
【0038】
従来のゴム製床用材料/製品の多くが、硫黄をベースとする硬化系を使用している。一部の実施形態では、硫黄をベースとする硬化系は、硫黄および1種または複数の「促進剤」(例えば、スルフェンアミド、チウラムまたはチアゾール)を含有しており、これらは硫黄の相互連結反応をより迅速かつより効果的に行わせる。加硫化学反応に重要な役割を果たす他の成分は、「活性化剤」として公知であり、一般には酸化亜鉛およびステアリン酸がある。こうした活性化剤は、促進剤と一緒になって反応し、亜鉛硫黄錯体を形成することができ、ひいては、ジエンエラストマーに硫黄が付加して硫黄の相互連結を作る際の重要中間体となる。
【0039】
代替的または追加的に、硬化系は硫黄以外の作用剤を含有する。一部の実施形態では、本発明による硬化系は、硫黄系を含有していない。一部の実施形態では、硬化系は過酸化物を含有する。
【0040】
過酸化物は、ペルオキシド基、すなわち酸素−酸素単結合または過酸化物陰イオンを含有する化合物と定義することができる。過酸化物は一般に、加熱時に分解してラジカルを形成し、これが、ポリマー分子上の基から水素を引き抜く。次に、様々な分子上でこのように形成した炭素ラジカルが結合し、炭素−炭素相互連結を作る。いかなる特定の理論にも拘泥されないが、硫黄による相互連結を有する製品よりも、C−C相互連結を有する製品の方が、熱的および酸化的攻撃に対してより耐性があり、やはりまたその強度はより高いが弾性はより低いと考えられる。
【0041】
本発明により使用することができる過酸化物は、有機および/または無機過酸化物を含有する。有機過酸化物の例示的な群には、以下に限定されないが、Akzo Nobel社(Arnhem、オランダ)から入手可能な化合物の、それぞれTrigonoxおよびPerkadoxファミリーが含まれる。例示的な有機過酸化物には、以下に限定されないが、環式ペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ペルオキシカーボネート、ペルオキシジカーボネート、ジミリスチルペルオキシジカーボネート、ジセチルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ペルオキシエステルおよびペルオキシケタールが含まれる。
【0042】
例示的な環式ペルオキシドには、以下に限定されないが、3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリペルオキソナン、および3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパンが含まれる。こうした環式ペルオキシドは、例えば、Akzo Nobel社(Arnhem、オランダ)からTrigonox 301およびTrigonox 311という商品名で市販されている。
【0043】
例示的なジアシルペルオキシドは、以下に限定されないが、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシドが含まれる。こうしたジアシルペルオキシドは、例えば、Akzo Nobel社(Arnhem、オランダ)からTrigonox 36という商品名で市販されている。
【0044】
例示的なジアルキルペルオキシドには、以下に限定されないが、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ−tert−アミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド、およびジ(tert−ブチル(terbutyl)ペルオキシイソプロピル)ベンゼンが含まれる。こうしたジアルキルペルオキシドは、例えば、Akzo Nobel社(Arnhem、オランダ)からTrigonox 101、Trigonox 145、Trigonox 201、Trigonox B、Trigonox T、およびPerkadox 14−40という商品名で市販されている。
【0045】
例示的なヒドロペルオキシドには、以下に限定されないが、tert−アミルヒドロペルオキシドおよび1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシドが含まれる。こうしたヒドロペルオキシドは、例えば、Akzo Nobel社(Arnhem、オランダ)からTrigonox TAHPおよびTrigonox TMBHという商品名で市販されている。
【0046】
例示的なペルオキシカーボネートには、以下に限定されないが、tert−ブチルペルオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、tert−アミルペルオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、およびtert−ブチルペルオキシイソプロピルカボネートが含まれる。こうしたペルオキシカーボネートは、例えば、Akzo Nobel社(Arnhem、オランダ)からTrigonox 117、Trigonox 131、およびTrigonox BPICという商品名で市販されている。
【0047】
例示的なペルオキシジカーボネートには、以下に限定されないが、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネート、およびジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネートが含まれる。こうしたペルオキシジカーボネートは、例えば、Akzo Nobel社(Arnhem、オランダ)からTrigonox EHP、Trigonox SBPおよびPerkadox 16という商品名で市販されている。
【0048】
例示的なペルオキシエステルには、以下に限定されないが、tert−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−アミルペルオキシネオデカノエート、tert−アミルペルオキシピバレート、tert−アミルペルオキシベンゾエート、tert−アミルペルオキシアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルペルオキシネオデカノエート、tert−ブチルペルオキシネオヘプタノエート、tert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシジエチルアセテート、tert−ブチルペルオキシイソブチレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、クミルペルオキシネオデカノエート、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、およびtert−ブチルペルオキシアセテートが含まれる。こうしたペルオキシエステルは、例えば、Akzo Nobel社(Arnhem、オランダ)からTrigonox 121、Trigonox 123、Trigonox 125、Trigonox 127、Trigonox 133、Trigonox 141、Trigonox 21、Trigonox 23、Trigonox 257、Trigonox 25、Trigonox 27、Trigonox 41、Trigonox 421、Trigonox 423、Trigonox 425、Trigonox 42、Trigonox 99、Trigonox CおよびTrigonox Fという商品名で市販されている。
【0049】
例示的なペルオキシケタールには、以下に限定されないが、1,1−ジ(tert−アミルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ブタンおよびブチル4,4−ジ(tert−ブチルペルオキシ)バレレートが含まれる。こうしたペルオキシケタールは、例えば、Akzo Nobel社(Arnhem、オランダ)からTrigonox 122、Trigonox 22、Trigonox 29、Trigonox DおよびTrigonox 17という商品名で市販されている。
【0050】
有機過酸化物に関する他の例には、以下に限定されないが、ジアシルペルオキシド、ジクミルペルオキシド(例えば、Perkadox BC−40K−PD)、ジミリスチルペルオキシジカーボネート(例えばPerkadox 26)、ジセチルペルオキシジカーボネート(例えばPerkadox 24L)、およびジイソプロピルペルオキシジカーボネート(例えばPerkadox IPP)が含まれる。
【0051】
一部の実施形態では、硬化系は、過酸化物および共作用剤を含有する。共作用剤は過酸化物と共に使用されて、硬化速度を調節して硬化効率を改善し、架橋密度を高める。これは、また混合中の加工性の改善における可塑剤としても作用する。
【0052】
本発明による使用に適した共作用剤は、多官能性アクリル製品、またはアクリレート製品、あるいは高次ビニルポリマーとすることができる。例示的な共作用剤には、以下に限定されないが、SR−516、SR−517、SR−519(Sartomer社から)、Ricon 150(Cray Valley社から)が含まれる。
【0053】
硬化前および/または硬化後の本発明による床用材料中の硬化系の量が重要である。一部の実施形態では、硬化系は、床用材料および/またはその床用製品の約1重量%未満である。一部の実施形態では、硬化系は、約0.1重量%〜約5重量%の範囲にある。一部の実施形態では、硬化系は、約0.25重量%〜約5重量%の範囲にある。一部の実施形態では、硬化系は、約0.25重量%〜約3重量%の範囲にある。一部の実施形態では、硬化系は、約0.25重量%〜約2重量%の範囲にある。
【0054】
ある実施形態では、硬化系は、床用材料および/またはその床用製品の約0.1重量%〜約5重量%の範囲の過酸化物を含有する。ある実施形態では、硬化系は、約0.25重量%〜約5重量%の範囲の過酸化物を含有する。ある実施形態では、硬化系は、約0.25重量%〜約2重量%の範囲の過酸化物を含有する。
【0055】
ある実施形態では、硬化系は、床用材料および/またはその床用製品の約0.1重量%〜約5重量%の範囲にある共作用剤も含有する。ある実施形態では、硬化系は、約0.25重量%〜約5重量%の範囲の共作用剤を含有する。ある実施形態では、硬化系は、約0.25重量%〜約2重量%の範囲の共作用剤を含有する。
【0056】
加工補助剤
一般に、製造中の作業性(workability)を改善するため、材料の本来の特性を拡充もしくは改変するため、または新たに改善された特性を発現するために、こうしたゴム材料または可塑性材料に添加される化学物質は、元の材料中には存在していない。様々な実施形態では、本発明による床用材料には、得られた床用材料に様々な特性、ならびに硬化前または硬化中の材料の機械的特性および作業特性を付与し易くするための加工補助剤が含まれる。
【0057】
一部の実施形態では、加工時または後の使用時のいずれかにおいて材料を軟化および可塑化するために、可塑剤(例えば、樹脂)が床用材料に添加される。例えば、高いガラス転移温度(および、それに対応して遅い分子運動)を有するエラストマーは、低温可塑剤、すなわち内部潤滑剤として作用する相溶性液体を添加することによって、改善することができる。適切な可塑剤の例には、R.E.Carroll、Inc.社からのSunpar製品(例えば、Sunpar 150、Sunpar 2280など)などのパラフィン油が含まれる。代替的または追加的に、混合および押出成形をより容易にするために、石油などの他のものも、加工補助剤として床用材料に加えることができる。ある実施形態では、ジスフラモール TOF(リン酸トリオクチル)が、可塑特性を有する難燃剤として、本発明により使用される。
【0058】
一部の実施形態では、加工補助剤は、軽量の脂肪族樹脂および脂肪酸誘導体の混合物である。Struktol W80、Struktol WB 42、Struktol EF−44、Struktol RP−28(Struktol社から)などの市販物質が、本発明により有用となり得る。一部の実施形態では、加工補助剤は、炭化水素(脂肪族炭化水素など)、ビニルコポリマー、フェノールホルムアルデヒドをベースとする樹脂、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される樹脂を含む。例示的な樹脂は、Nevtac 99(Nevchem社から)、Eastotac C−100W(Eastman社から)、SP−1077(SI Group社から)、Piccotex LC樹脂(Eastman社から)とすることができる。
【0059】
色構成成分
様々な実施形態では、本発明による床用材料には、1種または複数の色構成成分が含まれる。色構成成分は、任意の形状で、任意のパターンを有しており、色を有する任意の形態の物質とすることができる。以下に限定されないが、染料、顔料、生物顔料、インク、塗料、着色用化学物質などを含む着色剤を、色構成成分として使用することができる。代替的または追加的に、色のストライプもしくはチップ、または色を有する任意の物質/複合物を使用することができる。
【0060】
顔料は、無機材料、有機材料、またはそれらの組合せとすることができる。例示的な顔料には、以下に限定されないが、赤色、黄色または茶色の酸化鉄(例えば、Red RB 2097、Mapico 1075、Brun B−135)、酸化チタン(例えば、TiO 2073)、酸化クロム(例えば、Green G−4099)、フタロシアニン(phtalocyanine)グリーン(例えば、Green Hostassin GG)、フタロシアニン(phtalocyanine)ブルー(例えば、Hostassin Blue A2R)、ジアニシジンオレンジ(例えば、Irgalite orange Mor)、ダイアリライドイエロー(Diarylide Yellow)(例えば、Permanent Yellow G11−1101)、モノアゾ/ベンゾイミダゾロンレッド(例えば、Carmin Graphtol HF4C、Red Hostassin HF2B)、モノアゾ/ベンゾイミダゾロンバイオレット(例えば、Bordeaux PV HF3R Novoperm)が含まれる。
【0061】
追加構成成分
本発明による床用材料に、追加の構成成分を加えることができる。例は、以下に限定されないが、硬化剤、潤滑剤、抗接着剤(anti−stick agent)、作業性向上助剤(working adjuvant)、エージング防止剤(age−retarding agent)、難燃剤、保護ワックス(例えば、パラフィンワックス、ポリエチレングリコールなど)などの保護性化学物質が含まれる。一部の実施形態では、本発明による過酸化物硬化系を使用することにより、一部の保護性化学物質を必要としないことがある。一部の実施形態では、例えば、抗酸化剤(オゾン劣化防止剤など)を必要としないことがある。
【0062】
一部の実施形態では、脂肪族または芳香族ホスフェートをベースとする化合物などの、亜リン酸系難燃剤が使用される。例には、以下に限定されないが、Disflamoll DPK、Disflamoll TKP、Disflamoll TP、Disflamoll DPO、Disflamoll TOF(LanXESS社から)が含まれる。
【0063】
調製
本発明において提供される床用材料は、標準的なゴム加工用装置を用い、当業者に公知のゴム加工技法を使用して調製することができる。例えば、本発明による床用材料を混合および硬化するために、広範囲の機器および方法を使用することができる。
【0064】
一般的な加工は、混合および硬化のステップを含むことができる。
【0065】
一部の実施形態では、素練りおよび軟化を行った後、床用材料を混合する。さらに当業者によく理解される通り、これらの操作は、通常、大きな密閉式混合器内、またはゴム用ロール器上のいずれかにおいて、回分で実施される。密閉式機器の卓越した例は、Banbury(登録商標)ミキサーである。一部の実施形態では、混合は、素練りに使用されるものと類似した機器上で、時には軟化直後に実施される。
【0066】
一部の実施形態では、硬化系は混合中に組み込まれる。他の実施形態では、硬化系は、早期硬化の危険性を最小限にするために、混合の終わりに加えられる。
【0067】
一部の実施形態では、床用材料の混合後および硬化前に成形を行う。成形の一ステップは、例えば、押出成形、金型成形、カレンダー成形などにより行うことができる。本発明による床用材料由来の床用製品を調製するために、押出成形器を使用することができる。それらは、後ほどある長さに裁断することができる、長く連続している製品または様々なプロファイルを製造するために一般に使用される。カレンダー成形器は、広いシートを作製するために使用することができる。一部の実施形態では、成形は、材料が硬化しない条件下で、床用材料をカレンダー成形することにより行われ、シートが形成される。トランスファー成形用および射出成形用金型では、床用材料が通路を介して必要とする形状の金型チャンバ内に流され、ここで、加圧下で硬化される。
【0068】
通常、硬化は、道具(例えば、圧縮器(press)、金型など)中、加圧下で行われ、蒸気もしくは熱媒油または電気により、相互連結反応が起こる温度まで加熱される。硬化条件は、高温で数分または数秒とすることができる。一部の実施形態では、高温は、約220°F〜約380°Fの範囲にある。一部の実施形態では、高温は、約240°F〜約320°Fの範囲にある。一部の実施形態では、高温は、約340°F〜約380°Fである。一部の実施形態では、高温は、約340°F〜約400°Fである。一部の実施形態では、高温は、約220°F、約230°F、約240°F、約250°F、約260°F、約270°F、約280°F、約290°F、約300°F、約310°F、約320°F、約330°F、約340°F、約350°F、約360°F、約370°F、約380°F、約390°F、約400°Fである。一部の実施形態では、高温は、上の任意の2つのおよその値の範囲にある。
【0069】
一部の実施形態では、輻射型電熱器を約500°F〜800°Fに加熱して、床用材料を硬化する。
【0070】
一般に、混合および/または硬化を含めた床用材料由来の床用製品を調製する方法は、1気圧超または大気圧付近の圧力下で行われる。操作圧力は、様々なステップにおいて、および/または本方法の一ステップ中に変動し得る。一部の実施形態では、圧力は約40lbf/in〜約2000lbf/inの範囲にある。得られる床用製品の所望の物理特性に応じて、様々な圧力が使用される。ある実施形態では、圧力は、約40lbf/in〜約100lbf/inの範囲にある。いかなる特定の理論にも拘泥されないが、約40lbf/in〜約100lbf/inの圧力範囲が、シートを作製するのに適していると考えられる。ある実施形態では、圧力は、約500lbf/in〜約2000lbf/inの範囲にある。いかなる特定の理論にも拘泥されないが、約500lbf/in〜約2000lbf/inの圧力範囲が、タイルを作製するのに適していると考えられる。
製品および使用
本発明において提供される床用材料は、硬化後、床用製品を生成する。こうした床用製品は、実質的に平面であり、かつ弾力性がある。様々な実施形態では、提供される床用製品は、ゴム製シートの床用被覆材、ゴム製床用タイルなどの弾力性のある床用製品の典型的な特性を示す。標準規格および試験方法は、ASTM F 1344(ゴム製床用タイルに関する)、ASTM F 1859(ゴム製床用シートに関する)、およびASTM
F 1514に記載されており、これらの各々の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0071】
本発明による床用材料から調製される床用製品の所望の特性は、こうした構成成分の重量百分率、サイズ、様々な構成成分の品質、ならびに調製方法および調製条件などの要因に依存し得る。
【0072】
例えば、様々な圧力が、本発明による床用製品を作製するために使用される。一部の実施形態では、シートを作製するための圧力は、約40lbf/in〜約100lbf/inの範囲にある。一部の実施形態では、タイルを作製するための圧力は、約500lbf/in〜約2000lbf/inの範囲にある。
【0073】
ポリマーおよび他の構成成分の割合が、床用材料およびそれから得られる床用製品の様々な特性、例えば、張力、モジュラス、伸び、引裂き、デュロ(duro)(すなわち、硬度)、密度、押込み、熱安定性、UV安定性などに影響を及ぼすことができる。こうした床用製品の特性はまた、床用材料が調製されて製造される方法および条件によって、調節することもできる。
【0074】
一部の実施形態では、本出願による床用製品の張力は、約500lbf/in〜約1600lbf/inの範囲にある。一部の実施形態では、床用製品の張力は、約500lbf/in〜約1500lbf/inの範囲にある。一部の実施形態では、床用製品の張力は、約520lbf/in〜約1500lbf/inの範囲にある。一部の実施形態では、床用製品の張力は、約520lbf/in〜約1035lbf/inの範囲にある。一部の実施形態では、床用製品の張力は、約785lbf/in〜約1500lbf/inの範囲にある。一部の実施形態では、床用製品の張力は、約785lbf/in〜約1035lbf/inの範囲にある。一部の実施形態では、床用製品の張力は、約785lbf/in、約865lbf/in、約960lbf/in、約950lbf/in、約900lbf/in、約520lbf/in、約910lbf/in、約760lbf/in、約1030lbf/in、約1035lbf/in、約1230lbf/in、約1235lbf/in、約1240lbf/in、約1245lbf/in、約1250lbf/in、約1255lbf/in、約1260lbf/in、約1265lbf/in、約1270lbf/in、約1275lbf/in、約1280lbf/in、約1290lbf/in、または約1230lbf/inである。一部の実施形態では、床用製品の張力は、上の任意の2つの値の範囲にある。
【0075】
一部の実施形態では、本出願による床用製品のモジュラス(10%)は、約300lbf/in〜約1500lbf/inの範囲にある。一部の実施形態では、床用製品のモジュラス(10%)は、約505lbf/in〜約700lbf/inの範囲にある。一部の実施形態では、床用製品のモジュラス(10%)は、約725lbf/in〜約1030lbf/inの範囲にある。一部の実施形態では、床用製品のモジュラス(10%)は、約1000lbf/in、約1050lbf/in、約1055lbf/in、約1060lbf/in、約1065lbf/in、約1070lbf/in、約1075lbf/in、約1080lbf/in、約1085lbf/in、約1090lbf/in、約1095lbf/in、約1100lbf/in、約1105lbf/in、約1110lbf/in、約1115lbf/in、約1120lbf/in、約1125lbf/in、約1130lbf/in、約1135lbf/in、約1140lbf/in、約1145lbf/in、または約1150lbf/inである。一部の実施形態では、床用製品のモジュラス(10%)は、上の任意の2つの値の範囲にある。
【0076】
一部の実施形態では、本出願による床用製品の伸びは、約25%〜約220%の範囲にある。一部の実施形態では、床用製品の伸びは、約115%〜約205%の範囲にある。一部の実施形態では、床用製品の伸びは、約185%、約150%、約140%、約125%、約205%、約135%、約190%、約115%、約110%、約105%、約100%、約95%、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%である。一部の実施形態では、床用製品の伸びは、上の任意の2つの値の範囲にある。
【0077】
一部の実施形態では、本出願による床用製品の引裂きは、約150lb/インチ〜約225lb/インチの範囲にある。一部の実施形態では、床用製品の引裂きは、約150lb/インチ〜約200lb/Poの範囲にある。一部の実施形態では、床用製品の引裂きは、約160lb/インチ〜約190lb/Poの範囲にある。一部の実施形態では、床用製品の引裂きは、約150lb/インチ、約155lb/インチ、約160lb/インチ、約165lb/インチ、約170lb/インチ、約175lb/インチ、約180lb/インチ、約185lb/インチ、約190lb/インチ、約195lb/インチ、約200lb/インチ、約205lb/インチ、約210lb/インチ、約215lb/インチ、約220lb/インチ、または約225lb/インチである。一部の実施形態では、床用製品の引裂きは、上の任意の2つの値の範囲にある。
【0078】
一部の実施形態では、本出願による床用製品の密度は、約1.2g/cm〜約2.0g/cmの範囲にある。一部の実施形態では、床用製品の密度は、約1.20g/cm、約1.30g/cm、約1.40g/cm、約1.50g/cm、約1.60g/cm、約1.65g/cm、約1.66g/cm、約1.67g/cm、約1.68g/cm、約1.69g/cm、約1.70g/cm、約1.80g/cm、約1.90g/cmまたは約2.00g/cmである。一部の実施形態では、床用製品の密度は、上の任意の2つの値の範囲にある。
【0079】
一部の実施形態では、水密度と比較した本出願による床用製品の比重は、約1.2〜約2.0の範囲にある。いくつかの実施形態では、床用製品の比重は、約1.20、約1.30、約1.40、約1.50、約、1.60、約1.65、約1.66、約1.67、約1.68、約1.69、約1.70、約1.80、約1.90、または約2.00である。一部の実施形態では、床用製品の比重は、上の任意の2つの値の範囲にある。
【0080】
試験方法ASTM 1514は、指定した期間にわたる高温への曝露からの変色に対する床用製品の抵抗性を測定するために使用することができる。変色は、試験方法ASTM D 2244に準拠して、白色蛍光灯(CWF)および日昼光(D−65)などの光源を備えた分光光度計により測定する。試験方法に準拠して試験した場合、床用製品の変色は、平均ΔEを有するものとする。一部の実施形態では、本発明による床用製品の平均ΔEは、同じ試験条件下の標準(例えば、硫黄をベースとする硬化系を含む)床用製品のそれよりも著しく小さい。
【0081】
一部の実施形態では、本発明による明るい色を有する床用製品は、色調安定性の点で利点を有する。典型的には、白色またはベージュ色の材料を色調解析に使用することができる。当業者であれば、変色は最初の色調に依存することを理解しており、例えば黒色材料は、非常にわずかな変色、またはほとんど変色しないことを示し得る。
【0082】
一部の実施形態では、350°Fの温度で30分間のエージング後に分光光度計により耐熱性を測定すると、床用製品の平均ΔEは約0.5〜約3.5の範囲にある。一部の実施形態では、350°Fの温度で30分間のエージング後に分光光度計により耐熱性を測定すると、床用製品の平均ΔEは約2〜約3の範囲にある。一部の実施形態では、350°Fの温度で30分間のエージング後に分光光度計により耐熱性を測定すると、床用製品の平均ΔEは、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約2.3、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約3、約3.1、または約3.5である。一部の実施形態では、350°Fの温度で30分間のエージング後に分光光度計により耐熱性を測定すると、床用製品の平均ΔEは、上の任意の2つの値の範囲にある。
【0083】
キセノンアーク灯装置を使用する試験方法ASTM F 1515は、光安定性を行うために使用することができる。変色は、試験方法ASTM D 2244に準拠して測定される。一部の実施形態では、145°Fの温度で300時間のエージング後に分光光度計により耐光性を測定すると、床用製品の平均ΔEは約1〜約5の範囲にある。一部の実施形態では、145°Fの温度で300時間のエージング後に分光光度計により耐熱性を測定すると、床用製品の平均ΔEは約2〜約3の範囲にある。一部の実施形態では、145°Fの温度で300時間のエージング後に分光光度計により耐熱性を測定すると、床用製品の平均ΔEは、約0.5、約1.1、約2.1、約2.7、約3、約3.3、約3.8、約3.9、約4.6または約5である。一部の実施形態では、145°Fの温度で300時間のエージング後に分光光度計により耐熱性を測定すると、床用製品の平均ΔEは、上の任意の2つの値の範囲にある。
【実施例】
【0084】
本発明の態様は、以下の実施例を参照してさらに理解することができ、これらは、包括的なものではなく、決して本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきでない。
【0085】
(実施例1)
この実施例では、充填剤として石灰石を添加した。追加的または代替的に、アルミナ三水和物を使用することができる。一部の実施形態では、充填剤の例示的な組成物は、石灰石およびアルミナ三水和物を含む、またはこれらからなる。例えば、充填剤は、(総配合物の)約8重量%のアルミナ三水和物を含むことができる。本発明による床用材料および/または床用製品の例示的な配合物が表1に示されている。
【0086】
【表1】
床用材料の特性、例えば色調安定性は、実質的に以下の基準に準拠して測定した。耐熱性は、350°Fの温度で30分間の分光光度計による変色で測定した一方、耐光性は145°Fの温度で300時間の分光光度計による変色で測定した。
【0087】
【表2】
(実施例2)
上で論じた通り、本発明による床用材料および/または製品は、1種または複数の充填剤を利用することができる。この実施例では、石灰石の他にシリカを充填剤として使用した。いかなる特定の理論にも拘泥されないが、シリカは、本発明による床用材料および/または床用製品の表面を硬くかつきれいにし易くする。再利用ガラスも同様に加えた。一部の実施形態では、充填剤の例示的な組成物は、石灰石、再利用ガラス、シリカ、およびアルミナ三水和物を含む、またはこれらからなる。例えば、充填剤は、(総配合物の)47.4重量%の石灰石、(総配合物の)10.5重量%の再利用ガラス、(総配合物の)2.6重量%のシリカ、および(総配合物の)7.9重量%のアルミナ三水和物を含むことができる、またはこれらからなることができる。
【0088】
床用材料および/または床用製品の例示的な配合物が表3に示されている。
【0089】
【表3】
床用材料の特性、例えば色調安定性は、実質的に以下の基準に準拠して測定した。耐熱性は、350°Fの温度で30分間のエージング後の分光光度計による変色で測定した一方、耐光性は145°Fの温度で300時間のエージング後の分光光度計による変色で測定した。
【0090】
【表4】
以下に限定されないが、特許、特許出願、論文、書籍、専門書、およびウエブページを含めた、本出願において引用されたすべての文献および類似の資料は、こうした文献および類似の資料の形式にかかわらず、参照によりそれらの全体に明確に組み込まれている。1つまたは複数の組み込まれた文献および類似の資料が、以下に限定されないが、定義した用語、用語の使い方、記載した技法などを含め、本出願とは異なるまたは矛盾する場合、本出願が支配する。
【0091】
本明細書で使用した文頭部分は、体系的な目的だけのものであり、決して記載されている本主題を限定するものとして解釈すべきではない。
【0092】
本発明は、様々な実施形態および実施例と共に記載されているが、本発明がこうした実施形態または実施例に限定されることを意図するものではない。それどころか、本発明は、当業者により理解される通り、様々な代替、変更および等価物を包含する。
【0093】
本発明は、特定の例示的な実施形態を参照して特に示されかつ説明されているが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を行い得ることを理解すべきである。したがって、本発明の範囲および趣旨、ならびにその等価物に達する実施形態はすべて特許請求されている。