【課題を解決するための手段】
【0004】
一部の実施形態では、本発明は、例えば、通常の加工温度または硬化温度において安定な(例えば、その結果、製造中または設置後、変色しない)、タイルまたはシート形態で調製されるゴム製表面被覆(例えば、床用)材料を作製するための新規配合物に関する。一部の実施形態では、提供される床用材料は、従来の床用製品よりも安定している完成床用製品として、またはその製品中で使用される。一部の実施形態では、提供される床用材料および/または製品は、設置後、その色調を長期間、実質的に維持する。一部の実施形態では、提供される床用材料および/または製品は、従来の床用製品と比較して、1種または複数の物理的特徴が改善されていることを示す。一部の実施形態では、こうした物理的特徴には、可撓性、耐摩耗性、耐押込性、およびそれらの組合せの1種または複数が含まれる。
【0005】
とりわけ、色調を実質的に維持する床用材料および/または製品を提供することができる本発明の能力により、一般に調製されているものならびに/または従来のゴム製床用材料および/もしくは製品により使用されているものよりも、薄く、明るく、かつ/またはくっきり(crisp)した色調の床用材料および/または製品の調製および/または使用が可能になる。例えば、一部の実施形態では、着色剤、顔料、色のストリップ(strip)およびチップ(chip)からなる群から選択される色の要素を含有するゴム製床用材料および/または製品が提供される。
【0006】
とりわけ、本発明は、約1重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとするエラストマー材料、約2重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料、約20重量%から約75重量%の間の充填剤、および約0.25重量%から約5重量%の間の過酸化物硬化系を含む床用材料を提供する。
【0007】
一部の実施形態では、提供される床用材料は、1種または複数の従来のゴム製床用材料で観察されるよりも、優れた耐熱性および/または保色性を示す。
【0008】
一部の実施形態では、本発明は、以下からなる群から選択されるポリオレフィンをベースとするエラストマーを利用する床用材料および/または製品を提供する。
【0009】
・エチレン−プロピレンゴム(EPR)
・エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)
・高スチレン−ブタジエンコポリマー
・エチレン−アクリルゴム(例えば、Vamac)
・ブチルゴム(IIR)、および
・それらの組合せ。
【0010】
一部の実施形態では、本発明は、以下からなる群から選択されるポリオレフィンをベースとする熱可塑性樹脂を利用する床用材料および/または製品を提供する。
【0011】
・ポリエチレン(LDPE、LLDPE、ULDPEなど)
・アイオノマー
・酸性コポリマー(E/MMAA、E/MAA)
・アクリレートコポリマー(MA、MMA、BMA/MMA)
・エチレン−オクテンコポリマー
・スチレン−アクリレートコポリマー
・スチレン−メチルアクリレートブロックコポリマー
・スチレン−ポリオレフィンブロックコポリマー、および
・それらの組合せ。
【0012】
とりわけ、本発明は、EPRおよび/またはEPDMが、提供される床用材料および/または製品中において利用されると、硬化温度において特に有用な熱安定特性を示すことを実証する。
【0013】
とりわけ、本発明は、アイオノマーが、提供される床用材料および/または製品中において利用されると、特に有用な耐引掻特性、耐摩耗特性、および/または耐押込特性を示すことを実証する。
【0014】
とりわけ、本発明は、高スチレンコポリマー、アクリル酸メチルコポリマーおよび/またはアクリル酸コポリマーを含んで提供される床用材料および/または製品が、特に加工性および接着性に関する特性、および/または他の望ましい特性を改善することを示し得ることを実証する。
【0015】
一部の実施形態では、提供される床用材料および/または製品は、石灰石、シリカ、粘土、酸化亜鉛、雲母、バライト、ドロマイト、アルミナ三水和物およびそれらの組合せからなる群から選択される1種または複数の充填剤を利用する。一部の実施形態では、充填剤はさらにシリカを含むことができる。一部のこうした実施形態では、提供される床用材料および/または製品は、耐摩耗特性を改善することを実証する。代替的または追加的に、一部の実施形態では、充填剤はアルミナ三水和物を含むことができる。一部のこうした実施形態では、提供される床用材料および/または製品は、耐火特性を示す。
【0016】
一部の実施形態では、本発明は、例えば慣習的な硫黄硬化系以外の、過酸化物硬化を利用する。一部の実施形態では、提供される硬化済み床用製品は、硫黄硬化製品と比較して、耐熱性が改善されていることを示す。一部の実施形態では、耐熱性の改善は、例えば加工中および/または硬化中、ならびに/あるいは設置中の色むらの低減、および/または色調安定性の改善に寄与する。
【0017】
一部の実施形態では、本発明による床用材料および/または製品は、例えばBanburyミキサー中で、原材料を一緒に混合することにより調製される。次に、得られた化合物は、カレンダー成形器またはローラーヘッド型押出成形器により加工される。シートは色を均一にすることができ、または1種もしくは多くの対比色のストリップの添加により大理石模様付け(marbleized)することができ、または、同じもしくは異なる配合の未硬化もしくは硬化済みチップの添加によるチップ装飾を施すことができる。得られたシートは、例えば、連続的な硬化圧縮器で硬化することができ、または特定の寸法のスラブに裁断することができ、圧縮プレスで金型成形することができる。
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
約1重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとするエラストマー材料、約2重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料、
約20重量%から約75重量%の間の充填剤、および
約0.1重量%から約5重量%の間の過酸化物含有硬化系
を含む床用材料。
(項目2)
前記硬化系が、過酸化物である、項目1に記載の床用材料。
(項目3)
前記硬化系が、前記過酸化物および共作用剤である、またはそれらを含む、項目1に記載の床用材料。
(項目4)
前記硬化系が、約0.25重量%〜約3重量%の範囲にある、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目5)
前記過酸化物が、約0.25重量%〜約2重量%の範囲にある、項目1から4のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目6)
前記共作用剤が、約0.25重量%〜約2重量%の範囲にある、項目1および項目3から5のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目7)
前記ポリオレフィンをベースとするエラストマー材料が、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−アクリルゴムおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目8)
前記ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料が、低密度ポリエチレン(LDPE)、アイオノマー、酸性コポリマー、アクリレートコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、スチレン−アクリレートコポリマー、スチレン−メチルアクリレートブロックコポリマー、スチレン−ポリオレフィンブロックコポリマー、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目9)
前記ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料が、アイオノマーを含む、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目10)
前記アイオノマーが、約5重量%未満である、項目9に記載の床用材料。
(項目11)
前記アイオノマーが、約4重量%である、項目9に記載の床用材料。
(項目12)
前記充填剤が、石灰石、酸化亜鉛、シリカ、雲母、バライト、ドロマイト、炭酸カルシウム、粘土、アルミナ三水和物、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目13)
高スチレン樹脂をさらに含む、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目14)
高スチレン樹脂を含まない、項目1から12のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目15)
前記高スチレン樹脂が、約1重量%から約10重量%の間にある、項目13に記載の床用材料。
(項目16)
前記高スチレン樹脂が、約4.9重量%である、項目13に記載の床用材料。
(項目17)
加工補助剤をさらに含む、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目18)
前記加工補助剤が、炭化水素、ビニルコポリマー、フェノールホルムアルデヒドをベースとする樹脂、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される樹脂を含む、項目17に記載の床用材料。
(項目19)
色構成成分をさらに含む、前記項目のいずれか一項に記載の床用材料。
(項目20)
前記色構成成分が、顔料を含む、項目19に記載の床用材料。
(項目21)
約1重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとするエラストマー材料、約2重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料、
約20重量%から約75重量%の間の充填剤、および
約0.1重量%から約5重量%の間の過酸化物含有硬化系
を含む床用組成物から硬化された床用製品。
(項目22)
前記床用材料が、約1.2g/cm
3〜約2.0g/cm
3の範囲の密度を特徴とする、項目21に記載の床用製品。
(項目23)
前記床用材料が、約500
lbf/in2〜約1600
lbf/in2の範囲の張力を特徴とする、項目21に記載の床用製品。
(項目24)
前記床用材料が、約300
lbf/in2〜約1500
lbf/in2の範囲のモジュラス(10%)を特徴とする、項目21に記載の床用製品。
(項目25)
前記床用材料が、約25%〜約220%の範囲の伸びを特徴とする、項目21に記載の床用製品。
(項目26)
前記床用材料が、約150lb/インチ〜約225lb/インチの範囲の引裂きを特徴とする、項目21に記載の床用製品。
(項目27)
350°Fの温度で30分間のエージング後に分光光度計により耐熱性を測定すると、平均ΔEが約0.5〜約3.5の範囲にある、項目21に記載の床用製品。
(項目28)
145°Fの温度で300時間のエージング後に分光光度計により耐光性を測定すると、平均ΔEが約1〜約5の範囲にある、項目21に記載の床用製品。
(項目29)
前記硬化系が、過酸化物である、項目21に記載の床用製品。
(項目30)
前記硬化系が、過酸化物および共作用剤である、またはそれらを含む、項目21に記載の床用製品。
(項目31)
前記硬化系が、約0.25重量%〜約3重量%の範囲にある、項目21から30のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目32)
前記過酸化物が、約0.25重量%〜約2重量%の範囲にある、項目21から31のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目33)
前記共作用剤が、約0.25重量%〜約2重量%の範囲にある、項目21から28および項目30から32のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目34)
前記ポリオレフィンをベースとするエラストマー材料が、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−アクリルゴムおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目21から33のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目35)
前記ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料が、低密度ポリエチレン(LDPE)、アイオノマー、酸性コポリマー、アクリレートコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、スチレン−アクリレートコポリマー、スチレン−メチルアクリレートブロックコポリマー、スチレン−ポリオレフィンブロックコポリマーおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目21から34のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目36)
前記ポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料が、アイオノマーを含む、項目21から35のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目37)
前記アイオノマーが、約5重量%未満である、項目21から36のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目38)
前記アイオノマーが、約4重量%である、項目21から37のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目39)
前記充填剤が、石灰石、酸化亜鉛、シリカ、雲母、バライト、ドロマイト、炭酸カルシウム、粘土、アルミナ三水和物、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目21から38のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目40)
高スチレン樹脂をさらに含む、項目21から39のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目41)
高スチレン樹脂を含まない、項目21から39のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目42)
前記高スチレン樹脂が、約1重量%から約10重量%の間にある、項目40に記載の床用製品。
(項目43)
前記高スチレン樹脂が、約4.9重量%である、項目40に記載の床用製品。
(項目44)
加工補助剤をさらに含む、項目21から43のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目45)
前記加工補助剤が、炭化水素、ビニルコポリマー、フェノールホルムアルデヒドをベースとする樹脂、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される樹脂を含む、項目44に記載の床用製品。
(項目46)
色構成成分をさらに含む、項目21から35のいずれか一項に記載の床用製品。
(項目47)
前記色構成成分が顔料を含む、項目46の床用製品。
(項目48)
床用製品を作製する方法であって、
床用材料が提供されるように、
約1重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとするエラストマー材料、
約2重量%から約50重量%の間のポリオレフィンをベースとする熱可塑性材料、
約20重量%から約75重量%の間の充填剤、および
約0.25重量%から約5重量%の間の過酸化物含有硬化系
を組み合わせるステップ、
前記床用材料を前記床用製品の硬化を実現するのに十分な条件に曝露するステップ
を含む方法。
(項目49)
前記床用材料を色構成成分と組み合わせるステップをさらに含む、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記色構成成分を組み合わせる間に添加して、色を均一にすることができる、項目49に記載の方法。
(項目51)
混合するステップの後に、前記色構成成分をストリップまたはチップとして添加することができる、項目49に記載の方法。
(項目52)
前記硬化するステップが約500°F〜約800°Fの範囲の輻射型電熱器下で行われる、項目48に記載の方法。
(項目53)
前記硬化するステップが約340°F〜約400°Fの範囲の熱媒油加熱器または蒸気加熱器下で行われる、項目48に記載の方法。
(項目54)
前記硬化するステップが約2分〜約12分の範囲の時間で行われる、項目48に記載の方法。