特許第5654859号(P5654859)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5654859
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】切断機
(51)【国際特許分類】
   B23D 49/14 20060101AFI20141218BHJP
   B27B 19/09 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   B23D49/14
   B27B19/09
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-275945(P2010-275945)
(22)【出願日】2010年12月10日
(65)【公開番号】特開2012-121116(P2012-121116A)
(43)【公開日】2012年6月28日
【審査請求日】2013年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】稲井 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】林 雅訓
【審査官】 足立 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−046204(JP,U)
【文献】 米国特許第04730397(US,A)
【文献】 実開平02−117823(JP,U)
【文献】 実開昭62−117018(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 49/08−49/16
B27B 3/00−3/40,19/09
B28D 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと該モータを冷却する冷却用ファンとを収容したハウジングの前方に、前記モータの駆動で往復動するロッドを下向きに突出させて、該ロッドの下端に被切断材を切断する切断刃を連結した切断機であって、
前記ハウジングの左右の側面に、前記冷却用ファンによる冷却用空気を、前記ロッドに対して該ロッドと交差する方向で前記ロッドの左右の後方側から前方側へ吹き出す第1の吹き出し通路を一対形成し
前記左右の側面に、前記切断刃による前記被切断材の切断部位に対して前記冷却用空気を吹き出す第2の吹き出し通路を一対形成し、
前記ハウジングの下方に着脱可能に取り付けられて、前記第1の吹き出し通路及び前記第2の吹き出し通路とは非接触で、前記第1の吹き出し通路及び前記第2の吹き出し通路から前記ハウジングの前方までを覆うカバー部材を備えたことを特徴とする切断機。
【請求項2】
前記第1の吹き出し通路と前記第2の吹き出し通路とは、前記冷却用ファンの風下側から分岐して形成されたことを特徴とする請求項に記載の切断機。
【請求項3】
前記ハウジングと前記カバー部材の内面との間で、前記第1の吹き出し通路から吹き出した前記冷却用空気を前記ロッドへ導き、前記第2の吹き出し通路から吹き出した前記冷却用空気を前記切断部位へ導くことを特徴とする請求項又はに記載の切断機。
【請求項4】
モータと該モータを冷却する冷却用ファンとを収容したハウジングの前方に、前記モータの駆動で往復動するロッドを下向きに突出させて、該ロッドの下端に連結体を介して被切断材を切断する切断刃を連結した切断機であって、
前記ハウジングの側面に、前記冷却用ファンによる冷却用空気を、上死点位置の前記連結体に向けて吹き出す吹き出し通路を形成し
前記ハウジングの下方に着脱可能に取り付けられて、前記吹き出し通路とは非接触で、前記吹き出し通路から前記ハウジングの前方までを覆うカバー部材を備えたことを特徴とする切断機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、モータとモータを冷却する冷却用ファンとを収容したハウジングの前方に、前記モータの駆動で往復動するロッドを下向きに突出させて、該ロッドの下端に被切断材を切断する切断刃を連結した切断機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ハウジングの前方で下向きに突出して往復動するロッドの下端に連結したブレードで被切断材を切断し、被切断材を前記ブレードで切断するときに発生した切断屑が飛散することを抑制した切断機が開示されている。特許文献1の切断機では、モータの冷却用空気の吹き出しノズルの吹き出し口をブレードの前側において後方へ向けて開口させることで、冷却用空気をブレードの前側から後方へ緩やかに吹き出させて、冷却用空気がブレードによる被切断材の切断部位の前方を覆うエアカーテンとして機能する。これにより、切断屑が冷却用空気に遮られて前方へ飛散することが抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4248766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の切断機では切断屑が前方へ飛散することは抑制できても、切断部位から吹き上がった切断屑が、ハウジングにおけるロッドの突出部分からハウジング内に侵入することが懸念されていた。
【0005】
この発明は、このような状況に鑑み提案されたものであって、ハウジングにおける切断刃を連結したロッドが突出する部分からハウジング内に切断屑が侵入することを抑制した切断機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明に係る切断機は、モータと該モータを冷却する冷却用ファンとを収容したハウジングの前方に、前記モータの駆動で往復動するロッドを下向きに突出させて、該ロッドの下端に被切断材を切断する切断刃を連結した切断機であって、前記ハウジングの左右の側面に、前記冷却用ファンによる冷却用空気を、前記ロッドに対して該ロッドと交差する方向で前記ロッドの左右の後方側から前方側へ吹き出す第1の吹き出し通路を一対形成し、前記左右の側面に、前記切断刃による前記被切断材の切断部位に対して前記冷却用空気を吹き出す第2の吹き出し通路を一対形成し、前記ハウジングの下方に着脱可能に取り付けられて、前記第1の吹き出し通路及び前記第2の吹き出し通路とは非接触で、前記第1の吹き出し通路及び前記第2の吹き出し通路から前記ハウジングの前方までを覆うカバー部材を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項の発明は、請求項において、前記第1の吹き出し通路と前記第2の吹き出し通路とは、前記冷却用ファンの風下側から分岐して形成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項の発明は、請求項又はにおいて、前記ハウジングと前記カバー部材の内面との間で、前記第1の吹き出し通路から吹き出した前記冷却用空気を前記ロッドへ導き、前記第2の吹き出し通路から吹き出した前記冷却用空気を前記切断部位へ導くことを特徴とする。
【0011】
請求項の発明に係る切断機は、モータと該モータを冷却する冷却用ファンとを収容したハウジングの前方に、前記モータの駆動で往復動するロッドを下向きに突出させて、該ロッドの下端に連結体を介して被切断材を切断する切断刃を連結した切断機であって、前記ハウジングの側面に、前記冷却用ファンによる冷却用空気を、上死点位置の前記連結体に向けて吹き出す吹き出し通路を形成し、前記ハウジングの下方に着脱可能に取り付けられて、前記吹き出し通路とは非接触で、前記吹き出し通路から前記ハウジングの前方までを覆うカバー部材を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1及びの発明に係る切断機によれば、切断刃が被切断材を切断するときに発生する切断屑は、第1の吹き出し通路や吹き出し通路から吹き出す冷却用空気によってロッドの前方側へ吹き飛ばされる。したがって、切断屑がハウジングにおけるロッドの突出部分からハウジング内に侵入することを抑制できる。
請求項の発明によれば、切断屑はロッドの左右の両側から前方側へ吹き飛ばされる。したがって、切断屑が、ロッドの左右でハウジングにおけるロッドの突出部分に向かうことが遮られて該突出部分からハウジング内に侵入することを効果的に抑制できる。
請求項の発明によれば、第2の吹き出し通路から吹き出した冷却用空気が切断部位から発生する切断屑を吹き飛ばすことで、被切断材を切断刃で切断するときに被切断材に引かれた墨線や切断刃の刃先が切断屑で隠れることを防止できる。したがって、刃先と墨線(切断位置)を視認し易くして切断作業の効率が向上する。
請求項の発明によれば、第1及び第2の吹き出し通路をそれぞれ独立して形成する場合に比べて両吹き出し通路が占有する空間を削減することで、両吹き出し通路を合理的かつコンパクトに形成可能となる。
請求項の発明によれば、第1及び第2の吹き出し通路から吹き出した各冷却用空気は、ハウジングとカバー部材の内面との間を該内面に沿って流通してロッドや切断部位に導かれることになる。したがって、各冷却用空気を切断機の周囲の空気の流れの影響を受けずに確実にロッドや切断部位に導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態のジグソーの全体斜視図でハウジングからカバー部材を取り外した状態を示した図である。
図2】カバー部材をハウジングから取り外したジグソーの側面図である。
図3】カバー部材をハウジングから取り外したジグソーの要部底面図である。
図4】ジグソーの要部横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を図1ないし図4を参照しつつ説明する。図1ないし図4に示すようにジグソー1は、ハウジング10と、ロッド20と、ブレード30と、第1の吹き出し通路40(40A、40B)と、第2の吹き出し通路50(50A、50B)と、カバー部材60とを備えている。なお、ジグソー1は本発明の切断機の一例である。
【0015】
ハウジング10は樹脂製の左右の半割ハウジングを組み付けて形成されて、ハウジング10の上方にはハンドルHが設けられている。ハンドルHには、ジグソー1を作動又は停止させるためのトリガ11を有するスイッチが収容されている。ハウジング10の後端(図1ないし4の左側)にはジグソー1に電力を供給する電源コードCが装着されている。
【0016】
ハウジング10の中央部には駆動源としてのモータM(図4参照。)が収容されて、ハウジング10の前方には往復動機構(図示せず。)が収容されている。モータMの出力軸にはモータMの冷却用ファンFが取り付けられている。加えて前記出力軸には往復動機構の駆動ギヤが噛み合わされている。さらにハウジング10の前方には、ロッド20が往復動機構によってハウジング10の上下方向Yへ往復動可能に支持されている。図2に示すように、ロッド20の下端部はハウジング10から下向きに突出している。この下端部にはブレード取付部21が設けられている。ブレード30は直線状の形状を有し、その基端部がブレード取付部21に着脱可能に連結される。なお、ブレード30は本発明の切断刃の一例であり、ブレード取付部21は本発明の連結体の一例である。
【0017】
図1、2、4に示すように、冷却用ファンFの風下側の近傍でハウジング10の左側面には空気吹出口12Aが形成されて、前記風下側の近傍でハウジング10の右側面には空気吹出口12Bが形成されている。図1及び図2に示すように、第1の吹き出し通路40Aと第2吹き出し通路50Aとは、前記左側面に空気吹出口12Aから分岐して形成されている。さらに、第1の吹き出し通路40Bと第2の吹き出し通路50Bとは、前記右側面に空気吹出口12Bから分岐して形成されている。なお、図4における上側はハウジング10の左側を示し、図4における下側はハウジング10の右側を示す。
【0018】
第1の吹き出し通路40Aは、ハウジング10の左側面においてハウジング10の前後方向Xに延設されて凹溝状に形成されている。第1の吹き出し通路40Aの上流端は空気吹出口12Aに接続されて、第1の吹き出し通路40Aの下流端はハウジング10の前面と繋げられて開口した上でロッド20の左後方側からブレード取付部21の上死点位置P1に向けられている。一方、第1の吹き出し通路40Bは、ハウジング10の右側面において前記前後方向Xに延設されて凹溝状に形成されている。第1の吹き出し通路40Bの上流端は空気吹出口12Bに接続されて、第1の吹き出し通路40Bの下流端は、前記第1の吹き出し通路40Aと同様に開口してロッド20の右後方側から前記上死点位置P1に向けられている。なお、第1の吹き出し通路40A、40Bは本発明の吹き出し通路の一例である。
【0019】
図1ないし図3に示すように、第2の吹き出し通路50Aは、ハウジング10の左側面に沿ってブレード30による被切断材Wの切断部位P2に向けて傾斜して延設されて凹溝状に形成されている。第2の吹き出し通路50Aの上流端は上記の空気吹出口12Aに接続されて、第2吹き出し通路50Aの下流端はハウジング10の底面と繋げられて開口した上でブレード30の左後方側から前記切断部位P2に向けられている。一方、第2の吹き出し通路50Bは、ハウジング10の右側面に沿って前記切断部位P2に向けて傾斜して延設されて凹溝状に形成されている。第2の吹き出し通路50Bの上端側は上記の空気吹出口12Bに接続されて、第2の吹き出し通路50Bの下流端は、前記第2の吹き出し通路50Aと同様に開口してブレード30の右後方側から前記切断部位P2に向けられている。なお、図3における上側はハウジング10の左側やブレード30の左側を示し、図3における下側はハウジング10の右側やブレード30の右側を意味する。
【0020】
加えて図1ないし図3に示すように、ハウジング10の下方には前後方向Xに延びる中空の集塵路14が形成されている。集塵路14の前端下面には集塵口15が開口する。集塵路14に接続した集塵機を運転することで、切断部位P2から発生した切断屑は集塵口15から集塵路14内に吸引される。
【0021】
カバー部材60はハウジング10の下方にネジ止めして取り付けられる。カバー部材60は、アルミニウム製であって図3及び図4に示すようにハウジング10の下方で上記の空気吹出口12A、12B、第1の吹き出し通路40A、40B、第2の吹き出し通路50A、50Bからハウジング10の前方に当たるハウジング10におけるロッド20の突出部分を非接触で覆う正面視略U字状に成形されている。図1及び図4に示すように、カバー部材60の前端縁には、左側面と連続してカバー部材60の内側方向の斜め前方へ突出する左壁部60Aと、右側面と連続して前記内側方向の斜め前方へ突出する右壁部60Bとが形成されている。カバー部材60をハウジング10に取り付けたときは、各吹き出し通路40A、40B、50A、50Bの外側がカバー部材60の内面で閉塞された上で、左壁部60Aはロッド20の左側に向けられて右壁部60Bはロッド20の右側に向けられる。図1及び図2に示すように、カバー部材60には下向きに突出して被切断材Wの上面に当接させるベース61が連設されている。
【0022】
次にジグソー1の動作を説明する。ベース61を被切断材Wの上面に当接させて、トリガ11をハンドルH内に向けて押し込むことでスイッチがオン状態になるとモータMが駆動される。これに伴って往復動機構の駆動ギヤが回転すると、ロッド20と共にブレード30が上下方向Yに往復動して被切断材Wに引かれた墨線に沿って被切断材Wを切断する。加えてモータMの駆動に伴って冷却用ファンFが回転すると、モータMの冷却用空気がハウジング10の吸気口からハウジング10内に吸気されてモータMを冷却する。その後冷却用ファンFの風下側へ流入した冷却用空気は、空気吹出口12Aから吹き出すときに第1の吹き出し通路40A及び第2の吹き出し通路50Aに導かれる。加えて前記冷却用空気は、空気吹出口12Bからも吹き出して第1の吹き出し通路40B及び第2の吹き出し通路50Bにも導かれる。
【0023】
第2の吹き出し通路50A、50Bに導かれた各冷却用空気は、カバー部材60の内面に当接しながら各吹き出し通路50A、50Bと前記内面との間の空間を流下して切断部位P2へ導かれて切断部位P2から発生する切断屑を吹き飛ばす。これに対し、第1の吹き出し通路40Aに導かれた冷却用空気は、カバー部材60の内面に沿って前進し左壁部60Aでロッド20の左側に導かれてロッド20と交差する方向へ前進することで、切断部位P2から吹き上がった切断屑をロッド20の前方側へ吹き飛ばす。第1の吹き出し通路40Bに導かれた冷却用空気も、カバー部材60の内面に沿って前進し右壁部60Bでロッド20の右側へ導かれてロッド20と交差する方向へ前進することで、前記吹き上がった切断屑をロッド20の前方側へ吹き飛ばす。したがって冷却用空気は、ロッド20の左右で切断屑がハウジング10におけるロッド20の突出部分に向かうことを遮ることになる。なお、第1の吹き出し通路40A、40Bは本発明の一対の第1の吹き出し通路の一例である。
【0024】
また、ハンドルHを下方、集塵路14を上方にそれぞれ位置させた上で、ブレード30を上下方向Yに往復動させて被切断材Wを切断するときは、切断屑が、切断部位P2よりも下方に位置するハウジング10におけるロッド20の突出部分側へ落下する。このような場合でも、ロッド20の左右に導かれた冷却用空気は切断部位P2から落下した切断屑をロッド20の前方側へ吹き飛ばすため、切断屑が前記突出部分からハウジング10内に侵入することを抑制できる。
【0025】
<本実施形態の効果>
本実施形態のジグソー1では、冷却用ファンFの風下側から空気吹出口12Aを通じて第1の吹き出し通路40Aに導かれた冷却用空気や前記風下側から空気吹出口12Bを通じて第1の吹き出し通路40Bに導かれた冷却用空気によって、ブレード30が被切断材Wを切断するときに発生する切断屑がロッド20の前方側へ吹き飛ばされる。したがって、切断屑がハウジング10におけるロッド20の突出部分からハウジング10内に侵入することを抑制できる。
【0026】
また第1の吹き出し通路40A、40Bに導かれた冷却用空気が前進してロッド20の左右に導かれることで、切断屑はロッド20の左右の両側から前方側へ吹き飛ばされる。したがって、切断屑が、ロッド20の左右でハウジング10におけるロッド20の突出部分に向かうことが遮られて該突出部分からハウジング10内に侵入することを効果的に抑制できる。
【0027】
さらに冷却用ファンFの風下側から空気吹出口12Aを通じて第2の吹き出し通路50Aに導かれた冷却用空気や前記風下側から空気吹出口12Bを通じて第2の吹き出し通路50Bに導かれた冷却用空気が、切断部位P2から発生する切断屑を吹き飛ばすことで、被切断材Wをブレード30で切断するときに被切断材に引かれた墨線やブレード30の刃先が切断屑で隠れることを防止できる。したがって、刃先と墨線(切断位置)を視認し易くして切断作業の効率が向上する。
【0028】
加えて、冷却用ファンFの風下側の近傍に形成された空気吹出口12Aから第1の吹き出し通路40Aと第2の吹き出し通路50Aとを分岐して形成したため、第1の吹き出し通路40Aと第2の吹き出し通路50Aとをそれぞれ独立して形成する場合に比べて両吹き出し通路40A、50Aが占有する空間を削減することで、両吹き出し通路40A、50Aを合理的かつコンパクトに形成可能となる。
さらに、前記風下側の近傍に形成された空気吹出口12Bから第2の吹き出し通路40Bと第2の吹き出し通路50Bとを分岐して形成したため、両吹き出し通路40B、50Bも、両吹き出し通路40A、50Aと同様に合理的かつコンパクトに形成可能となる。
【0029】
さらに加えて、第1の吹き出し通路40A、40Bに導かれた冷却用空気は、ハウジング10とカバー部材60の内面との間を該内面に沿って前進してロッド20に導かれることになり、第2の吹き出し通路50A、50Bに導かれた冷却用空気は、ハウジング10とカバー部材60の内面と間を該内面に沿って流下して切断部位P2に導かれることになる。したがって、各冷却用空気をジグソー1の周囲の空気の流れの影響を受けずに確実にロッド20や切断部位P2に導くことができる。
【0030】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において構成の一部を適宜変更して実施できる。例えば、上述した実施形態では第1の吹き出し通路40A、40Bをハウジング10の左右の側面に形成したがこれに限らず、一つの第1の吹き出し通路を冷却用ファンFの風下側に連通させてハウジング10内に形成して、第1の吹き出し通路の下流端をロッド20の真後に開口させることで冷却用空気をロッド20と直交する方向へ前進するように吹き出してもよい。また、二つ以上の第1の吹き出し通路を冷却用ファンFの風下側に連通させてハウジング10内に形成して、第1の吹き出し通路の下流端をロッド20に向けて開口させてもよい。
【0031】
さらに上述した実施形態では第2の吹き出し通路50A、50Bをハウジング10の左右の側面に形成したがこれに限らず、一つ以上の第2の吹き出し通路を冷却用ファンFの風下側に連通させてハウジング10内に形成して、第2の吹き出し通路の下流端を切断部位P2に向けてハウジング10の底面に開口させてもよい。加えて上記のように第1の吹き出し通路をハウジング10内に形成する場合には、第2の吹き出し通路をハウジング10内で前記風下側から第1の吹き出し通路と分岐させて形成してもよい。
【0032】
さらに加えて上述した実施形態では各空気吹出口12A(12B)から第1の吹き出し通路40A(40B)と第2の吹き出し通路50A(50B)とをそれぞれ一つずつ分岐させて形成したがこれに限らず、例えば各空気吹出口12A、12Bから一つの第1の吹き出し通路と二つ以上の第2の吹き出し通路とを分岐させて形成してもよい。
【符号の説明】
【0033】
1・・ジグソー、10・・ハウジング、20・・ロッド、21・・ブレード取付部、30・・ブレード、40A、40B・・第1の吹き出し通路、50A、50B・・第2の吹き出し通路、60・・カバー部材、F・・冷却用ファン、M・・モータ、P1・・ブレード取付部の上死点位置、P2・・被切断材の切断部位、W・・被切断材。
図1
図2
図3
図4