(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
バルブプレート(1)と、前記バルブプレート(1)が懸架されるバルブロッド(2)とを備えている真空バルブであって、前記バルブプレート(1)は、前記真空バルブが開放されている開位置と、前記真空バルブが閉塞されるとともに前記バルブプレート(1)がバルブ開口部(22)を密封する閉位置との間を変位可能であって、請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の懸架装置によって、前記バルブプレート(1)が前記バルブロッド(2)に懸架されていることを特徴とする真空バルブ。
【背景技術】
【0002】
バルブロッドに対するバルブプレートの懸架装置が提案されている(特許文献1参照)。バルブロッドに連結されている横梁部材は、バルブロッドの端部を取り付けるための小開口部を有する第1プレートを備え、横梁部材は第1プレートにネジ止めされている。バルブロッドに対する中央連結部の両側において、第1プレートに対して弾性ベアリングブロックが取り付けられ、第1プレートとは反対側で第2プレートが当該ブロックに対して取り付けられている。第1プレート及び第2プレートのそれぞれはバルブプレートに対してネジ止めされている。
【0003】
弾性ベアリングブロックには、シリンダ状の力伝達要素が埋設されている。弾性ベアリングブロック及び力伝達要素によって、バルブロッドに対して垂直な軸線回りにバルブロッドの揺動が可能となる。これにより、バルブプレートのシール部材が、バルブシートに対して均等に押し付けられる。
【0004】
バルブロッドに対して垂直な軸線回りのバルブプレートの揺動は、バルブロッドの突出自在な部分を通じてバルブプレートに閉塞力が作用し、当該閉塞力によりバルブプレートがバルブシートに対して押し付けられる真空バルブにおいて特に有利である。バルブロッドを通じて伝達される閉塞力はバルブロッドを撓ませる。これにより、たとえば0.5°以上の範囲でバルブプレートがバルブロッドに対して揺動する。そして、バルブシートに対してバルブプレートが平行移動し、バルブプレート又はバルブシートに設けられているシール部材に均等に荷重がかかる。
【0005】
突出自在なバルブロッドを有する真空バルブとして、たとえばさまざまな形態のL型バルブが知られている。いわゆる揺動バルブにも、突出自在なバルブロッドが存在する。揺動バルブによれば、バルブロッドに対してたとえば垂直な軸回りにバルブロッドが揺動することにより、バルブプレートがバルブ開口部を開放している位置から、バルブ開口部を覆う一方でバルブシートから離れている位置まで変位する。
【0006】
L型バルブとしてはさまざまな形態のものが知られている(特許文献2〜5参照)。
【0007】
バルブプレートに第1及び第2横梁部材が連結されている真空バルブが知られている(特許文献6参照)。バルブプレートをその面に沿って、バルブ開口部を開放している位置から、バルブ開口部を覆う一方でバルブシートから離れている位置まで変位させるため、第1ピストンシリンダユニットが用いられる。バルブプレートをバルブシートに対して押し付けるため、第2ピストンシリンダにより駆動され、横梁部材の横端部に当接するロッドが用いられる。
【0008】
横梁部材は、連結部材を通じてバルブプレートに対して連結されている。横梁部材との連結部の両側において、この連結部材は、横梁部材の長手方向にのびる連結アームを有している。連結アームはその端部において、横梁部材の長手方向にのびる連結レッグに連結されている。連結レッグは、横梁部材の長手方向について離れている多数の場所でバルブプレートにネジ止めされている。これにより、横梁部材の名が手方向について均等に力が伝達される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1〜
図6には、バルブプレート1をバルブロッド2に懸架させる、本発明の第1実施形態としての懸架装置が示されている。懸架装置は、横梁部材3により構成されている。横梁部材3は、中央連結部4においてバルブロッド2に対して堅固に連結されている。また、横梁部材3は、中央連結部4の両横にある横連結部5、6においてバルブプレート1に対して堅固に連結されている。横梁部材3は、バルブプレート1及びバルブロッド2に対して直接的又は短絡的に連結されている。すなわち、横梁部材3は、中央連結部4においてバルブロッド2に対して近接し、横連結部5、6においてバルブプレート1に対して近接している。
【0019】
横梁部材3は、一対の連結ネジ8、9によりバルブプレート1に対して連結されている。これと同様に、横梁部材3は、連結ネジ7によりバルブロッド2に対して連結されている。
【0020】
横梁部材3は、バルブロッド2に対する連結のために継手部材10を備えている。継手部材10は、バルブロッド2の端部が挿入される大径貫通孔を有する。バルブロッド2の先端面には、大径貫通孔の内側において小径貫通孔12に挿入される連結ネジ7が螺着されるネジ孔11が設けられている。継手部材10の大径貫通孔においてバルブロッド2は回動可能とされている。
【0021】
バルブプレート1に対して横梁部材3を連結するため、横梁部材3の両横端部には連結ネジ8、9が通される貫通孔13、14が設けられている。連結ネジ8、9は、バルブプレート1のネジ孔15、16に螺着される。
【0022】
横梁部材3は、その中央範囲17においてバルブプレート1から離間している。その様子が
図3に示されている。この間隔はさまざまに変更されうる。中央範囲17は、中央連結部4を含む領域及びその左右両側に隣接して突出部18までいたる領域に広がっている。突出部18は、横連結部5、6の領域に形成されている。横梁部材3の横連結部5、6を有する両横端部は、屈曲形状に形成されている。横端部は、
図15〜
図20を参照して後述するように直線状に形成されていてもよい。
【0023】
バルブプレート1は、回転モーメントの作用によって、たとえば−1°〜+1°の範囲で揺動軸線19の回りに揺動することができる。揺動軸線19は、バルブロッド2の縦軸線20に対して垂直であり、バルブプレート1の主平面に対して平行である。
【0024】
バルブロッド2によってバルブプレート1がバルブシートに押し付けられ、バルブロッド2が撓んだ場合に、揺動軸線19の回りの回転モーメントが生成される。横梁部材3のねじれ又はひねりにより、揺動軸線19の回りにバルブプレート1が揺動することができる。揺動軸線19の回りのたとえば80[Nm]以上の回転モーメントにより、バルブプレート1が揺動軸線19の回りにバルブロッド2に対して0.4°以上の揺動角度だけ揺動される。
【0025】
バルブプレート1は、横梁部材3を構成する素材の弾性によって、揺動軸線19の回りにバルブロッド2に対して揺動することができる。横梁部材3は金属から形成されていることが好ましい。
【0026】
バルブロッド2に対してバルブプレート1に作用する外力がない元位置から、バルブプレート1は揺動軸線19の回りに0.5°以上、好ましくは1°以上の角度だけ揺動することができる。これにより、バルブプレート1は、外力が作用しなくなったことに応じて元位置に復帰することができる。横梁部材3が弾性を有するように構成されているため、当該揺動が実現されている。
【0027】
バルブロッド2に対してバルブプレート1に作用する外力がない元位置からの揺動角度は、理論上は3°以下であり、通常は1°以下である。
【0028】
本実施形態では横梁部材3は単一素材により一体的に形成されているが、適当な素材等、相互に連結される複数の部材により構成されていてもよい。
【0029】
横梁部材3をバルブロッド2に対して連結するための連結ネジ7は、バルブロッド2の縦軸線20に対して平行に配置されている。横梁部材3をバルブプレート1に対して連結するための連結ネジ8、9は、バルブプレート1の平面に対して垂直に、かつ、揺動軸線19に対して垂直に配置されている。
【0030】
バルブプレート1をバルブシートに対して密封するため、バルブプレート1に弾性シール部材26が設けられている。弾性シール部材26は、溝に配置されているOリング又はバルブプレート1に設けられる加硫シール部材により構成されていてもよい。バルブシートに弾性シール部材が設けられ、当該シール部材に当接するシール面がバルブプレート1に設けられてもよい。
【0031】
図1には、揺動軸線19に対して平行に配置されているバルブプレート1の中心線60が示されている。中心線60は、弾性シール部材26と、バルブロッド2の縦軸線20とが交わる2つの位置(
図4に示されている弾性シール部材26の交点)の中心を通っている。弾性シール部材26が、揺動軸線19及び中心線60に対して平行な2つの部分(端部において連結部分により連結されている)を有している場合、中心線60はバルブプレート1の正面から見て(
図1参照)、当該2つの部分の中心に配置されている。
【0032】
揺動軸線19は、当該揺動軸線19に対して平行に配置されているバルブプレート1の中心線60から離間している。この間隔bが
図1に示されている。間隔bは、弾性シール部材26とバルブロッド2の縦軸線20との2つの交点の間隔の1/5以上である。揺動軸線19は、バルブロッド2が横梁部材3から突出している方向とは反対の方向について中心線60から離間している。
【0033】
中心線60から揺動軸線19が離間していることにより、閉塞状態において弾性シール部材26が均等に押圧されうる。間隔bは、バルブプレート1がバルブシートに押し付けられる状態において、中心線60を挟んで対向するシール部材26の2つの部分に対してほぼ同等の強さの圧力が作用するように設定される。当該圧力の偏差は20%以下であることが好ましい。
【0034】
シール部材26がバルブシートに設けられ、これに当接するシール面がバルブプレート1に設けられている場合、バルブの閉塞状態においてシール部材に当接するシール面に関しても前記と同様のことが言える。
【0035】
揺動軸19は、横梁部材3においてバルブプレート1から離れている中央範囲を通ってのびている。
【0036】
図7及び
図8には本発明の懸架装置が用いられている真空バルブの実施形態が示されている。
図8は真空バルブの開放状態を示し、
図7は真空バルブの閉塞状態を示している。
【0037】
バルブプレート1は、第1ピストンシリンダユニット23によって開位置(
図8参照)から中間位置まで変位可能である。バルブプレート1は、開位置において壁部21に設けられているバルブ開口部22を開放している。バルブプレート1は、中間位置においてバルブ開口部22を覆う一方で、バルブ開口部22の周囲に設けられているバルブシート24から離れている。
【0038】
バルブプレート1を開位置から中間位置に変位させる際、バルブロッド2は軸線方向に動かされ、バルブプレート1は主平面に沿って動かされる。バルブロッド2は、第1ピストンシリンダユニット23のピストン25に連結され、第1ピストンシリンダユニット23のピストンロッドを構成していてもよい。
【0039】
バルブプレート1を中間位置から閉位置まで変位させるため、第2ピストンシリンダユニット27が用いられる。バルブプレート1は、閉位置においてバルブシート24に対して押し付けられ、バルブプレート1に設けられている弾性シール部材26がバルブ開口部22を密閉する。弾性シール部材26はバルブシート24に設けられてもよい。
【0040】
第2ピストンシリンダユニット27は、第1ピストンシリンダユニット23の、軸線29の回りに揺動可能なシリンダ28に対して連結されている。第2ピストンシリンダユニット27のピストン30は、軸線29の回りにシリンダ28を揺動させるためにドライブハウジング31から突出している。
【0041】
第1ピストンシリンダユニット23のシリンダ28をシールするために、当該シリンダ28とバルブハウジング33との間に配置されている弾性シール部材59が用いられる。バルブロッド2は、図示しないが同様の手法によってシリンダ28からシールされている。
【0042】
この代わりに、一方の側でバルブハウジング33に対してシールされた状態で連結され、他方の側でバルブロッド2に対してシールされた状態で連結される蛇腹状シール部材が設けられていてもよい。
【0043】
真空バルブを開放するため、ピストン30が動かされ、これによりバネ部材32がシリンダ28を逆方向に揺動させ、バルブプレート1を閉位置から中間位置に変位させる。この状態で、バルブプレート1は第1ピストンシリンダユニット23により開位置に動かされる。
【0044】
壁部21は、バルブハウジング33の一部であって、ドライブハウジング31が堅固に連結される部分により構成されている。壁部21は真空チャンバの一部であってもよい。この場合、真空チャンバの開口部によってバルブ開口部22が構成される。バルブハウジング33は、真空チャンバの真空領域に壁部21が配置されるように収容される構造物を構成してもよい。バルブプレートをバルブロッドに懸架するための本発明の懸架装置を有する真空バルブの構成は、前記した変形実施形態に採用されうる。
【0045】
本発明の第2実施形態が
図9〜
図14に示されている。バルブハウジング33は、
図10に破線で示されている真空チャンバ34の内側に取り付けられる構造物として構成されている。真空チャンバ34の内側への取り付け方法は公知である。
【0046】
真空バルブを開閉するためのアクチュエータを有するドライブハウジング31が、バルブハウジング33に対して堅固に固定されている。
【0047】
バルブプレート1は、開位置から中間位置を経て閉位置まで変位することができる。バルブプレート1は、開位置ではバルブ開口部22を開放している。バルブプレート1は、中間位置ではバルブ開口部22を覆う一方でバルブ開口部22の周囲に設けられているバルブシート24から離れている。閉位置ではバルブプレート1に設けられている弾性シール部材26がバルブシート24に設けられているシール面に対して押し付けられる。シール部材26はバルブシート24に設けられ、シール面がバルブプレート1に設けられてもよい。
【0048】
本発明の懸架装置によってバルブプレート1を懸架しているバルブロッド2をその軸線方向36に動かすことにより、バルブプレート1を開位置から中間位置まで変位させるため、ピストン25を有する第1ピストンシリンダユニットが用いられる。当該ピストン25は、楔部材35によってバルブロッド2に連結されている。ピストン25のためのシリンダ空間には、ベアリングユニット37が設けられている。シリンダカバー58は、ピストン25のためのシリンダ空間が閉じられる。
【0049】
ベアリングユニット37は、ドライブハウジング31に対して、バルブロッド2の軸線方向36に対して垂直であり、かつ、バルブ開口部22の指定軸線39に対して平行な方向38及びその反対方向に変位可能に設けられている。ベアリングユニット37は、軸線方向36及びその反対方向にバルブロッド2を案内する。
【0050】
ドライブハウジング31に対してベアリングユニット37を方向38に動かすことにより、バルブプレート1を中間位置から閉位置まで変位させることができる。そのために、ベアリングユニット37とドライブハウジング31との間に配置されているバネ部材40が機能する。
【0051】
真空バルブを開放するため、バルブプレート1は閉位置から中間位置まで変位し、この際、ピストン30を有する第2ピストンシリンダユニットにより、ベアリングユニット37が方向38とは反対方向に動かされる。ピストン30のためのシリンダ空間41はベアリングユニット37の内側に形成されている。ピストン30はピストンロッド42に対して取り付けられている。ピストンロッド42は、ドライブハウジング31に対して固定され、ベアリングユニット37を通る貫通孔を貫通している。
【0052】
真空バルブの閉塞状態において、バルブプレート1をバルブシート24に対して押し付ける閉塞力を強めるため、ドライブハウジング31とベアリングユニット37との間にある空間43に圧縮空気等の圧縮媒体が供給されてもよい。
【0053】
バルブロッド2を真空領域から案内するため蛇腹部材44が用いられる。バルブロッド2の一部であって、バルブプレート1とは反対側でベアリングユニット37から突出している端部が、真空バルブの閉塞状態においてストッパ45に当接する。ストッパ45は、バルブロッド2においてバルブプレート1と同じ側にあって、ドライブハウジング31又は底に連結されている部材に設けられている。これによりバルブプレート1の閉位置において、ベアリングユニット37からバルブプレート1への力伝達効率の向上が図られる。
【0054】
図11には作用力のダイヤグラムが示されている。バルブロッド2に作用するたとえば2000[N]以上の力はバルブロッド2を撓ませる。これにより、揺動軸線19(
図9参照)の回りのたとえば80[Nm]以上の回転モーメントが生じ、横梁部材3がねじれ、かつ、バルブプレート1が揺動軸線19の回りに例えば0.4°だけ揺動する。
【0055】
バルブプレート1をバルブロッド2に懸架させるための、前記のL型バルブに適用されうる本発明の第2実施形態としての懸架装置が
図15〜
図20に示されている。横梁部材3の形状が、
図1〜
図6に示されている第1実施形態と比較して異なる。第1実施形態では、横梁部材3の横連結部5、6及び突出部18が設けられている両端部は屈曲形状に形成されている。これに対して第2実施形態では、横梁部材3の両端部は直線状に形成されている。
【0056】
横連結部5、6を含む部分に一対の突出部18が設けられている。当該一対の突出部18の間に存在する中央範囲17において横梁部材3はバルブプレート1から離間している(
図19及び
図20の間隔a参照)。
【0057】
中央連結部4において、バルブロッド2の一端部が挿入される継手部材10が設けられてもよい。横梁部材3は、一対の連結ネジ8、9によりバルブプレート1に対して連結されている。同様に、横梁部材3は、連結ネジ7によりバルブロッド2に対して連結されている。
【0058】
横梁部材3がその弾性によってねじれることにより、バルブプレート1は、バルブロッド2に対して揺動軸線19の回りに揺動される。バルブプレート1の揺動範囲又は回転モーメントにより実現される揺動角度は、第1実施形態のそれと同等である。
【0059】
揺動軸線19はバルブプレート1の中心線60から、
図16に示されている間隔bだけ離間している。中心線60の位置及び中心線60の揺動軸線からの間隔は、前記した第1実施形態のそれと同様である。
【0060】
バルブプレート1をバルブロッド2に懸架させるための本発明の第3実施形態の懸架装置が
図21〜
図23に示されている。懸架装置は、次に説明するように前記実施形態とは異なる形状の横梁部材3により実現されている。横梁部材3は、バルブプレート1とともに単一の素材により一体的に形成されている。別個の部材が溶接等、素材の一体化によって相互に連結されることにより一体的に構成されてもよい。別個の部材がネジ止めされることによって相互に連結されてもよい。
【0061】
横梁部材3中央連結部4の領域においてバルブロッド2に対して連結されている。バルブロッド2の端部が、横梁部材3の連結部材47の内側の、連結ネジが貫通して保持されているクリアランス46に挿入される。当該連結ネジは、横梁部材3の中央連結部材47を貫通して配置され、バルブロッド2のネジ孔に螺着される。
【0062】
中央連結部材47から左右両側に一対の枝部50、51のそれぞれまで、一対のアーム48、49が延設されている。一対の枝部50、51のそれぞれから、横連結部54、55又は56、57まで第1枝部52及び第2枝部53のそれぞれが延設されている。当該連結部54〜57において、横梁部材3はバルブプレート1に対して連結されている。
【0063】
中央連結部材47及びその左右両側にのびている一対のアーム48、49を有する横梁部材3の中央範囲17において、横梁部材3はバルブプレート1から離間している。一対の枝部50、51のそれぞれから延設されている枝部52、53は最初は同様にバルブプレート1から離間しており、連結部54〜57に近づくほど、バルブプレート1に対して近接している。バルブプレート1及び横梁部材3と同一の素材により形成されている場合、連結部54〜57は接合素材より形成されている。
【0064】
各枝部52は、枝部50又は51から連結部54又は56に近づくほど中央連結部4から遠く離間している。このため、各アーム48、49は前方に張り出している。各枝部53は、枝部50又は51から連結部55又は57に近づくほど中央連結部4に接近している。
【0065】
第3実施形態によれば、中央連結部4の左右両側で二対の連結部54、55又は56、57が設けられている。これにより、バルブプレート1に対して正確に力が伝達され、当該連結部54〜57は、強度の高い素材により形成されうる。
【0066】
2対以上、すなわち4つ以上の横連結部54〜57よりも多い横連結部が、対応する枝部により構成されてもよい。
【0067】
横梁部材3のねじれにより、バルブプレート1はバルブロッド2に対して揺動軸線19の回りに揺動することができる。揺動軸線19の回りの回転モーメントにより実現される揺動範囲及び揺動角度の大きさは、前記実施形態のそれと同程度である。横梁部材3のひねりはアーム48、49の領域で生じる。アーム48、49は相応の細さ又は薄さに形成される。
【0068】
バルブプレート1及び横梁部材3を有する一体成形体が(更なる加工過程と組み合わせられる)押し出し成形により形成されてもよい。
【0069】
すべての前記実施形態において、揺動軸線19は、バルブロッド2の縦軸線20に対して垂直であり、横梁部材3は、揺動軸線19の方向に大きなサイズを有している。揺動軸線19の方向についての横梁部材3のサイズは、これに垂直な方向についての横梁部材3のサイズよりも5倍以上大きいことが好ましい。
【0070】
バルブプレート1をバルブロッド2に懸架させるためのすべての前記実施形態の懸架装置は、L型バルブに適用される。L型又は揺動バルブ等の他のバルブ、特に、バルブシートに対するバルブプレートの押圧力を伝達する、突出自在なバルブロッドを有するバルブに当該懸架装置は適用可能である。
【0071】
揺動軸線19及び縦軸線20に対して平行なバルブプレート1の主平面において、揺動軸線19の方向についてのバルブプレート1のサイズは、バルブロッド2の縦軸線20の方向についてのバルブプレート1のサイズよりも大きいことが好ましい。揺動軸線19の方向についてのバルブプレート1のサイズは、バルブロッド2の縦軸線20の方向についてのバルブプレート1のサイズよりも3倍以上、好ましくは5倍以上大きい。
【0072】
バルブプレート1のサイズは、揺動軸線19の方向について200〜400[mm]の範囲内であり、縦軸線20の方向について30〜80[mm]の範囲内である。
【0073】
横梁部材3は、前記実施形態とは異なる形態でバルブロッド2に対して連結されてもよい。たとえば、横梁部材3は、バルブロッド2の大径貫通孔に挿入される、バルブプレート20の縦軸線の方向にのびる突出部を備えていてもよい。