特許第5655014号(P5655014)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5655014
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20141218BHJP
【FI】
   F25B1/00 387K
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-553917(P2011-553917)
(86)(22)【出願日】2011年2月15日
(86)【国際出願番号】JP2011053165
(87)【国際公開番号】WO2011099628
(87)【国際公開日】20110818
【審査請求日】2012年6月29日
(31)【優先権主張番号】特願2010-30526(P2010-30526)
(32)【優先日】2010年2月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100159651
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 成男
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】木口 行雄
【審査官】 新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−005169(JP,A)
【文献】 特開平07−234039(JP,A)
【文献】 特開2006−250435(JP,A)
【文献】 特開2000−065445(JP,A)
【文献】 特開2006−112668(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/076945(WO,A1)
【文献】 特開2000−274885(JP,A)
【文献】 特開2006−125699(JP,A)
【文献】 特開2006−145054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に接続される複数の圧縮機を備えた室外機と、複数の室内機とで冷凍サイクルを構成する空気調和機において、
それぞれの上記圧縮機内に規定量以上溜まった潤滑油を取出す均油管と、
これら均油管から潤滑油分を導き、複数の流路に分配するディストリビュータと、
このディストリビュータの分配流路と各圧縮機の冷媒吸込み管とを連通し、それぞれの圧縮機へ潤滑油を戻す油戻し管とを具備し、
上記ディストリビュータは、上記複数の圧縮機に接続される冷媒吸込み管の水平部分に配管固定具を介して、水平姿勢にして上記冷媒吸込み管に取付け固定される
ことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
上記圧縮機は3台、並列に備えられ、
最も潤滑油が流入し易い上記油戻し管に、油還流遮断弁が開閉自在に設けられる
ことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台の圧縮機を備えた室外機と、複数の室内機とで冷凍サイクルを構成する空気調和機に係り、特に各圧縮機に均等に潤滑油を溜めるための油戻し構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の被空調箇所を備えた建築物に最適な空気調和機がある。この種の空気調和機においては、各圧縮機に規定量以上溜まった潤滑油を、それぞれ均油管を介して取出し、取出した潤滑油を不足している圧縮機にまわすようにした、油戻し回路を備えている。
【0003】
また、各圧縮機から吐出される高温高圧のガス冷媒に、潤滑油の油分が含まれていて、圧縮機が複数台あるので、吐出される潤滑油の量も無視できない。そこで、冷凍サイクルにオイルセパレータが設けられ、吐出ガス中に含まれる潤滑油の油分を分離する。分離された潤滑油分も、油戻し回路を介して各圧縮機に戻される。
【0004】
問題は、過不足無く潤滑油を均等に、各圧縮機に戻すことができるか否かである。油量のアンバランスを回避するため、油戻し回路に電磁切換え弁を設けことが考えられるが、コストに影響が出る。油面検出を目的とし、油戻し回路にキャピラリーチューブを取付けると、圧縮機の運転容量変化や運転台数変化に対応できず、油戻り量に差異が生じる。
【0005】
例えば、3台の圧縮機に接続する戻し用の潤滑油を分配する分岐管として、T字管に代る、3分配可能な分岐部を用いた例が開示されている(例えば、日本国特開2006−112668号公報)。
【0006】
具体的に上記分岐部は、潤滑油の流入口を備えたストレーナ部と、このストレーナ部の流出口に一端を接続された接続管部と、この接続管部の他端に接続されたディストリビュータとから構成される。上記ディストリビュータの端部には、複数の流出路が設けられ、それぞれが流出口に連通される。
【発明の開示】
【0007】
通常、冷媒分流用として使用されるディストリビュータは、配管疲労破壊を回避するために、圧縮機等の振動源からある程度の距離を存して設けられる。ところが、油戻し用のディストリビュータにおける2次側配管は、アキュームレータと圧縮機の吸込み部とを連通する冷媒吸込み管に接続される。
【0008】
したがって、圧縮機の極く近い位置にディストリビュータが設けられることとなり、圧縮機の駆動に伴う振動が、2次側配管からディストリビュータに伝播し、配管疲労破壊を招き易い。しかも、上記文献に開示された分流器は、流入口を下部、流出口を上部に向けて略垂直姿勢をなし、潤滑油が下から上へ向って流れるように取付けられる。
【0009】
分岐部が斜めに設置されていると、配管内の潤滑油に偏りが生じ、分岐部で分流する場合に偏ったままで分流されてしまう。このような理由から分岐部を垂直姿勢にすると記載されているが、その反面、圧縮機から伝播する振動が拡大し易い構造となって、より配管疲労破壊が進んでしまう。
【0010】
本発明は上記事情にもとづきなされたものであり、その目的とするところは、複数の圧縮機を備え、各圧縮機へ均等に油を戻すのに備えられるディストリビュータを容易、かつ確実に固定し、製造バラツキの低減化を得るとともに、圧縮機の駆動に伴う配管応力集中を回避して、配管疲労破壊の防止をなす空気調和機を提供しようとするものである。
【0011】
上記目的を満足するため本発明は、並列に接続される複数の圧縮機を備えた室外機と、複数の室内機とで冷凍サイクルを構成する空気調和機において、それぞれの圧縮機内に規定量以上溜まった潤滑油を取出す均油管と、これら均油管から潤滑油分を導き複数の流路に分配するディストリビュータと、このディストリビュータの分配流路と各圧縮機の冷媒吸込み管とを連通しそれぞれの圧縮機へ潤滑油を戻す油戻し管とを具備し、上記ディストリビュータは、上記複数の圧縮機に接続される冷媒吸込み管の水平部分に配管固定具を介して、水平姿勢にして冷媒吸込み管に取付け固定される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明における一実施の形態に係る、空気調和機の冷凍サイクル構成図である。
図2図2は、同実施の形態に係る、圧縮機への油戻し構造を示す斜視図である。
図3図3は、同実施の形態に係る、ディストリビュータの構造を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて説明する。
【0014】
図1は、空気調和機の冷凍サイクル構成図である。
【0015】
この空気調和機は、1台の室外機1と、複数台(ここでは4台)の室内機2A〜Dとから構成される。
【0016】
上記室外機1には、複数台の圧縮機である、第1の圧縮機3aと、第2の圧縮機3bと、第3の圧縮機3cが備えられる。各圧縮機3a〜3cに接続される吐出冷媒管4a〜4cには逆止弁5a〜5cが設けられ、さらに吐出冷媒管は1本の冷媒管6に集合される。換言すれば、第1〜第3の圧縮機3a〜3cは冷媒管6に対して並列に接続される。
【0017】
この冷媒管6には、ガス冷媒に含まれる潤滑油分を分離する機能を有するオイルセパレータ7、四方弁8の第1のポートQa及び第2のポートQb、並列に接続される2台の室外熱交換器9a,9b、並列に接続される2個の室外膨張弁10a,10b、リキッドタンク11、室外機1の液管20の接続部である第1のパックドバルブ12が接続される。上記四方弁8の第3のポートQcに接続される冷媒管13は、室外機1のガス管21の接続部となる第2のパックドバルブ14に接続される。四方弁8の第4のポートQdに接続される冷媒管は、アキュームレータ15内に接続される。
【0018】
このアキュームレータ15内部でU字状に曲成される冷媒管16は、第1〜第3の圧縮機3a〜3cの吸込み部に設けられるアキュームレータ17a〜17cの手前で3本に分岐され、それぞれ圧縮機3a〜3cに接続される。
【0019】
特にアキュームレータ15内でU字状に曲成され、第1〜第3の圧縮機3a〜3cに沿って延出される冷媒管16を、主冷媒吸込み管と呼ぶ。(ただし、前述の「吐出冷媒管4a〜4c」に対比して、「冷媒吸込み管」を「吸込み冷媒管」と称す。以下、同様)この主吸込み冷媒管16から分岐され第1の圧縮機3aのアキュームレータ17aに接続される冷媒管18aを、第1の吸込み冷媒管と呼ぶ。
【0020】
同様に、主吸込み冷媒管16から分岐され第2の圧縮機3bのアキュームレータ17bに接続される冷媒管18bを、第2の吸込み冷媒管と呼び、主吸込み冷媒管16から分岐され第3の圧縮機3cのアキュームレータ17cに接続される冷媒管18cを、第3の吸込み冷媒管と呼ぶ。
【0021】
後述するように、アキュームレータ15から導出される冷媒は、主吸込み冷媒管16から、第1〜第3の吸込み冷媒管18a〜18cを介して第1〜第3の圧縮機3a〜3cにそれぞれ吸込まれる。したがって、第1の圧縮機3aが最も上流側に位置し、以下、第2の圧縮機3bと、第3の圧縮機3cの順に下流側に位置する。
【0022】
上記第1のパックドバルブ12には、上記室内機2A〜2Dへ向って延出される液管20が接続される。同様に、上記第2のパックドバルブ14には、室内機2A〜2Dへ向って延出されるガス管21が接続される。
上記液管20は端末部において複数本に分岐され、各室内機2A〜2D内に備えられる室内熱交換器23a〜23dに対して、それぞれ膨張弁24a〜24dを介して接続される。上記ガス管21も端末部において複数本に分岐され、各室内機2A〜2D内の上記室内熱交換器23a〜23dに接続される。
【0023】
以上で、空気調和機の冷凍サイクル回路が構成されている。
なお、室外機1に備えられる室外熱交換器9a、9bに対向して室外ファン25が配置され、上記第1〜第3の圧縮機3a〜3c等とともにリモコン(図示しない)と電気的に接続される室外制御部によって運転を制御される。
【0024】
室外機1にはインバータが備えられ、商用後流電源の電圧を整流し、整流後の電圧を室外制御部の指令に応じた周波数の後流電圧に変換して出力する。上記第1〜第3の圧縮機3a〜3cは、容量可変型であり、インバータの出力によりそれぞれ駆動される。
各室内機2A〜2Dに備えられる室内熱交換器23a〜23dに対向して室内ファン26a〜26dが配置される。これら室内ファン26a〜26dは、上記リモコンに対する運転操作によって駆動制御される。
【0025】
さらに、室外機1には均油回路が設けられていて、以下、詳細に説明する。
第1の圧縮機3aのケース側面における所定の高さ位置に第1の均油管30aの一端が接続され、この均油管30aの他端は油溜め管体31に接続される。第1の均油管30aには、逆止弁32aとキャピラリーチューブ33aが設けられ、このキャピラリーチューブ33aの下流側に第1の温度センサ34が設けられる。
【0026】
第2の圧縮機3bのケース側面における所定の高さ位置に第2の均油管30bの一端が接続され、この均油管30bの他端は上記油溜め管体31に接続される。第2の均油管30bには、逆止弁32bとキャピラリーチューブ33bが設けられ、このキャピラリーチューブ33bの下流側には第2の温度センサ35が設けられる。
【0027】
第3の圧縮機3cのケース側面における所定の高さ位置に第3の均油管30cの一端が接続され、この均油管30cの他端は上記油溜め管体31に接続される。第3の均油管30cには、逆止弁32cとキャピラリーチューブ33cが設けられ、このキャピラリーチューブ33cの下流側には第3の温度センサ36が設けられる。
【0028】
上記油溜め管体31の一端部には、高圧側冷媒管6から分岐するバイパス管38が接続され、このバイパス管38にキャピラリーチューブと第4の温度センサ39が設けられる。油溜め管体31の他端部には、均油案内管40とバランス管41が接続される。
上記均油案内管40は、第1の電磁開閉弁42を介して後述するディストリビュータ43の流入口に接続される。油溜め管体31と第1の電磁開閉弁42との間における均油案内管40には第5の温度センサ44が設けられる。
【0029】
上記バランス管41には、第2の電磁開閉弁46と、逆止弁47が設けられるとともに、室外機1の端面に設けられるバランス管用パックドバルブ48に接続される。このバランス管用パックドバルブ48には、複数の室外機を並列に接続する場合に、それぞれの室外機に備えられる圧縮機と潤滑油の油量のバランスをとるために備えられる。
【0030】
上記バランス管41における逆止弁47とバランス管用パックドバルブ48との間に、補助バイパス管49の一端部が接続される。補助バイパス管49の他端部は、アキュームレータ15と第1の吸込み冷媒管18aとの間の主吸込み冷媒管16に接続され、この中途部には、逆止弁50aと第4の電磁開閉弁50bとの並列回路が接続される。
【0031】
一方、上記オイルセパレータ7の底部には第1の油導出管51が接続され、オイルセパレータ7の側部には第2の油導出管52が接続される。
上記第1の油導出管51には、キャピラリーチューブと第3の電磁開閉弁53が設けられ、均油案内管40における第1の電磁開閉弁42とディストリビュータ43との間に接続される。第2の油導出管52には、キャピラリーチューブのみが設けられ、均油案内管40における油溜め管体31と第1の電磁開閉弁42との間に接続される。
【0032】
上記ディストリビュータ43は、後述するように水平姿勢にして取付けられるものであり、一方の端面に1つの流入口が開口され、他方の端面には3つの流出口が設けられる。ディストリビュータ43の内部において、流入口に接続される流路が3つに分岐され、それぞれの流路が上記流出口に連通する。
【0033】
図3に示すように、ディストリビュータ43の側面視において、第1の流出口Rfは上部左側に位置し、第2の流出口Rgは下部中央に位置し、第3の流出口Rhは上部右側に位置する。なお、第1の流出口Rfと第3の流出口Rhとは略同じ高さに位置する。
【0034】
第1の流出口Rfには第1の油戻し管55が接続され、この油戻し管55は主吸込み冷媒管16から分岐する第1の吸込み冷媒管18aに接続される。第2の流出口Rgには第2の油戻し管56が接続され、この油戻し管56は主吸込み冷媒管16から分岐する第2の吸込み冷媒管18bに接続される。
【0035】
第3の流出口Rhには第3の油戻し管57が接続され、この油戻し管57は主吸込み冷媒管16から分岐する第3の吸込み冷媒管18cに接続される。なお、3台備えられる圧縮機3a〜3cのうちで、真ん中に配置される第2の圧縮機3bに接続される第2の油戻し管56のみに、電磁開閉弁である油還流遮断弁58が設けられる。
以上で、均油回路が構成される。
【0036】
図2は、実際の、第1〜第3の圧縮機3a〜3c周りにおける配管構造を示す斜視図である。
【0037】
図の右側部に第1の圧縮機3aが配置され、真ん中に第2の圧縮機3bが配置され、左側部に第3の圧縮機3cが配置される。いずれの圧縮機3a〜3cも縦型をなし、上端部には吐出冷媒管4a〜4cが突設され、かつそれぞれの側部に沿ってアキュームレータ17a〜17cが設けられる。
【0038】
第1の圧縮機3aの上方部から設置面に沿って延出される管は、ここでは図示しないアキュームレータ15に接続される主吸込み冷媒管16であり、第3の圧縮機3cの近傍部位まで設けられる。主吸込み冷媒管16における第1の圧縮機3aの近傍部位にはT字管60が設けられていて、第1の吸込み冷媒管18aが接続される。
【0039】
第1の吸込み冷媒管18aは、第1の圧縮機3aに接続されるアキュームレータ17aに沿って一旦立ち上がり形成された後、逆U字状に曲成される。そして、配置面まで延出してからU字状に曲成され、アキュームレータ17a上方で再び逆U字状に曲成されてから、アキュームレータ17aの上端部に接続される。
【0040】
また、第2の圧縮機3bの近傍部位における主吸込み冷媒管16にもT字管61が設けられていて、ここには第2の吸込み冷媒管18bが接続される。第2の吸込み冷媒管18bも、上述した第1の吸込み冷媒管18aと全く同様に曲成され、第2の圧縮機3bに沿って設けられるアキュームレータ17bの上端部に接続される。
【0041】
上記主吸込み冷媒管16の端末部には、直接、第3の吸込み冷媒管19cが連設される。この第3の吸込み冷媒管18cも第1、第2の吸込み冷媒管18a,18bと全く同様に曲成される。そして、第3の圧縮機3cに沿って設けられるアキュームレータ17cの上端部に接続される。
【0042】
一方、主吸込み冷媒管16における各圧縮機3a〜3cの設置面に沿って設けられる部位である、主吸込み冷媒管16の水平姿勢の一部に、配管固定具62を介して上記ディストリビュータ43が取付けられる。すなわち、ディストリビュータ43は主吸込み冷媒管16の水平部位に沿って取付けられるところから、水平姿勢をなす。
【0043】
図におけるディストリビュータ43の左側部には、ここでは図示しない油溜め管体31から延出される均油案内管40が接続される。右側部からは、上部に2本、下部に1本、合計3本の油戻し管55,56,57が延出される。
【0044】
上部側で、かつ一方の管は第1の油戻し管55として、一旦、主吸込み冷媒管16の水平部分に沿うとともに、第1の吸込み冷媒管18aに沿って立ち上がり形成され、この中途部に接続される。下部側の管は、第2の油戻し管56として、一旦、主吸込み冷媒管16の水平部分に沿うとともに第2の吸込み冷媒管18bに沿って立ち上がり形成される。
【0045】
そして、第2の油戻し管56は、第2の吸込み冷媒管18bの逆U字状に曲成される部位と略同一高さに水平に曲成され、上記油還流遮断弁58が接続される。図において、油還流遮断弁58の弁体のみを示し、電磁コイル部については省略している。
【0046】
油還流遮断弁58から出た第2の油戻し管56は、第2の吸込み冷媒管18bに配管固定具62を介して固定され、下方部位で第2の吸込み冷媒管18bに接続される。ディストリビュータ43の上部側で他方の管は第3の油戻し管57として、均油案内管40と並行するよう折曲され、第3の吸込み冷媒管18cの立ち上がり部分に接続される。
【0047】
つぎに、冷凍サイクル回路における冷媒の流れを説明する。
第1〜第3の圧縮機3a〜3cが駆動されると、それぞれの圧縮機3a〜3cから吐出される高温高圧のガス冷媒が、それぞれに接続される吐出冷媒管4a〜4cを介して冷媒管6に導かれる。そして、ガス冷媒は冷媒管6によりオイルセパレータ7に供給され、ここでガス冷媒に含まれる潤滑油分が分離される。
【0048】
オイルセパレータ7を出たガス冷媒は四方弁8に導かれ、冷房運転時においては室外熱交換器9a,9bに導かれて室外空気と熱交換する。ガス冷媒は凝縮液化し、液冷媒に変って室外膨張弁(10a、10b)、リキッドタンク11、第1のパックドバルブ12、液管20を順に介して各室内機2A〜2Dに導かれる。
【0049】
室内機2A〜2Dにおいて、膨張弁24a〜24dにより断熱膨張して室内熱交換器23a〜23dに流れ、それぞれの室内熱交換器23a〜23dで室内空気と熱交換して蒸発する。このとき、室内空気から蒸発潜熱を奪い、室内空気を冷気に変える。室内ファン26a〜26dの作用で冷気が室内に吹出され、冷房作用をなす。
【0050】
上記室内熱交換器23a〜23dから導出される蒸発冷媒は、室内機2A〜2Dを出て、ガス管21、第2のパックドバルブ14から室外機1に導かれる。室外機1において四方弁8からアキュームレータ15に導かれ、気液分離された後、主吸込み冷媒管16から第1〜第3の吸込み冷媒管18a〜18cに分流される。
【0051】
蒸発冷媒は、第1〜第3の吸込み冷媒管18a〜18cからアキュームレータ17a〜17cを介して第1〜第3の圧縮機3a〜3cに吸込まれる。それぞれの圧縮機3a〜3cにおいて圧縮され、高温高圧のガス冷媒になって上述の系路を循環する。
【0052】
暖房運転時は、四方弁8を切換えることにより冷房運転時とは反対方向に冷媒が導かれる。各室内機2A〜2Dの室内熱交換器23a〜23dにおいて冷媒が凝縮し、室内空気に凝縮熱を放出する。室内空気は暖気に変って室内に吹出され、室内の暖房作用をなす。
【0053】
つぎに、均油回路における潤滑油の流れについて説明する。
第1〜第3の圧縮機3a〜3cの各密閉ケース内に潤滑油が貯溜されているが、この油面高さが、それぞれの側部に接続された第1〜第3の均油管30a〜30cの接続位置よりも高い場合がある。
【0054】
第1〜第3の均油管30a〜30cの接続位置を越えている分の潤滑油が第1〜第3の圧縮機3a〜3cにおける余剰分として、第1〜第3の均油管30a〜30cに導出される。そして潤滑油は、キャピラリーチューブ33a〜33cを介して油溜め管体31に導かれる。
【0055】
上記油溜め管体31には、高圧側冷媒管6からバイパス管38に分流された微小量の高圧のガス冷媒が流入している。油溜め管体31に流入した潤滑油は、バイパス管38からキャピラリーチューブを介して加わる圧力により、均油案内管40に導かれる。
【0056】
この均油案内管40に設けられる第1の電磁開閉弁42は、通常、開放制御されていて、油溜め管体31から流れた潤滑油はディストリビュータ43に案内される。ディストリビュータ43では、流入口から3方向に分離された流路に導かれ、それぞれの流出口から流出される。
【0057】
すなわち、ディストリビュータ43において潤滑油は、第1〜第3の油戻し管55〜57のそれぞれに均等に分流される。そして、第1〜第3の油戻し管55〜57から第1〜第3の吸込み冷媒管18a〜18cに導かれる。特に、第2の油戻し管56に導かれる潤滑油は、開放制御されている油還流遮断弁58を流通する。
【0058】
第1〜第3の吸込み冷媒管18a〜18cに流入した潤滑油は、冷凍サイクル中を循環しアキュームレータ15から導出される蒸発冷媒とともに、第1〜第3の圧縮機3a〜3cに吸込まれる。
【0059】
例えば、第1の圧縮機3aの油面高さが第1の均油管30aの接続位置よりも高く、第2の圧縮機3bの油面高さが第2の均油管30bの接続位置よりも低く、第3の圧縮機3cの油面高さは第3の均油管30cの接続位置である場合。すなわち、各圧縮機3a〜3cで、互いの油面レベルに偏りが生じることがある。
【0060】
このとき、第1の圧縮機3aに接続する第1の均油管30aへ潤滑油が流入し、第2の圧縮機3bに接続する第2の均油管30bへ高圧のガス冷媒が流入する。これらの均油管30a,30bに流入した潤滑油とガス冷媒は油溜め管体31に集合し、ここから流出するときは混合状態になって均油案内管40に導かれる。
【0061】
そして、均油案内管40からディストリビュータ43に流入し、3つの流路に均等に分流される。ディストリビュータ43から第1〜第3の油戻し管55〜57と、第1〜第3の吸込み冷媒管18a〜18c等を介して第1〜第3の圧縮機3a〜3cに導かれる。
【0062】
このようにして、潤滑油の油量の多い側の圧縮機、例えば第1の圧縮機3aから、油量の少ない側の圧縮機、例えば第2の圧縮機3bへ潤滑油が移動する。そのため、第1〜第3の圧縮機3a〜3cにおける油面レベルが迅速にバランスする。
【0063】
一方、第1〜第3の圧縮機3a〜3cから吐出されるガス冷媒中には、それぞれに貯留されている潤滑油一部が混合している。これらの混合流体は吐出冷媒管4a〜4cへ吐出され、高圧側冷媒管6からオイルセパレータ7に導かれる。このオイルセパレータ7で、潤滑油分はガス冷媒から分離される。
【0064】
オイルセパレータ7の底部に接続される第1の油導出管51には第3の電磁開閉弁53が設けられているが、この電磁開閉弁53は通常、閉成状態にある。そのため、ここで分離された潤滑油分は一旦オイルセパレータ7に貯溜され、ガス冷媒のみが四方弁8に導かれる。
【0065】
オイルセパレータ7内に貯溜する潤滑油が増え、ついには側部に接続される第2の油導出管52の接続位置まで上昇する。この油導出管52の接続位置を越えた分の潤滑油が、油導出管52から均油案内管40に流入し、ディストリビュータ43と第1〜第3の油戻し管55〜57を介して上述のように第1〜第3の圧縮機3a〜3cに戻される。
【0066】
何らかの事情により、全ての圧縮機3a〜3cの密閉ケース内における油面レベルが一斉に低下する場合がある。このときは、オイルセパレータ7底部の第1の油導出管51に設けられる第3の電磁開閉弁53へ開放信号が出されるとともに、均油案内管40の第1の電磁開閉弁42に閉成信号が出される。
【0067】
オイルセパレータ7内に貯留されていた全ての潤滑油が、第1の油導出管51から均油案内管40へ導かれ、ディストリビュータ43、第1〜第3の油戻し管55〜57、主吸込み冷媒管16、第1〜第3の吸込み冷媒管18a〜18c等を介して第1〜第3の圧縮機3a〜3cに吸込まれて、これら圧縮機3a〜3cに均等に分配される。
【0068】
本発明における実施の形態では、油戻し用のディストリビュータ43を各圧縮機3a〜3cに接続される主吸込み冷媒管16の水平部分に、配管固定具62を介して取付け、水平姿勢とした。
すなわち、上記ディストリビュータ43では、分配側の2次側配管が第1〜第3の吸込み冷媒管18a〜18cに接続され、第1〜第3の圧縮機3a〜3cの極く近い位置に設けられることになる。
【0069】
そのため、第1〜第3の圧縮機3a〜3cの駆動に伴う振動が、第1〜第3の吸込み冷媒管18a〜18cと主吸込み冷媒管16を介してディストリビュータ43に伝播し易い。
しかしながら、上述したようにディストリビュータ43を水平姿勢にして主吸込み冷媒管16に取付け固定することで、同一振動系となり配管疲労破壊を防止できる。
【0070】
また、ディストリビュータを垂直姿勢にする場合は、製造工程においてディストリビュータの傾き修正手間がかかり、接続配管との寸法管理が面倒であるが、本発明ではディストリビュータ43を水平姿勢にして主吸込み冷媒管16に取付け固定したので、これらの管理手間がかからず、製品バラツキの低減化や、製造コストの削減が可能となる。
【0071】
複数台の圧縮機を備えた室外機1において、運転している圧縮機と、運転を停止している圧縮機が混在することがある。このような運転状況では、均油回路を介して還流する潤滑油の比率が均等にならない場合がある。
例えば、第1の圧縮機3aと、第2の圧縮機3bが運転し、第3の圧縮機3cが運転を停止している。このときは、ディストリビュータ43から第1の油戻し管55介して第1の圧縮機3aへ戻される潤滑油の量と、第2の油戻し管56を介して第2の圧縮機3bへ戻される潤滑油の量が同量である。
【0072】
上記ディストリビュータ43は、1つの流入口に対して3つの流路を備え、それぞれに均等に潤滑油が流れるよう構成されている。当然ながら、ディストリビュータ43から第3の油戻し管57へも同量の潤滑油が導かれ、第3の圧縮機3cへ向う。
【0073】
ところが、上述したように第3の圧縮機3cは運転を停止しているから、第3の油戻し管57から第3の吸込み冷媒管18cに流れる潤滑油は第3の圧縮機3cに吸込まれない。この潤滑油は行き場を失うこととなり、第3の吸込み冷媒管18cから主吸込み冷媒管16に流れる。
【0074】
そして、上流側である第2の圧縮機3bの吸引力により、第3の油戻し管57に流れる潤滑油のほとんど大部分が第2の吸込み冷媒管18bに導かれる。ここで第2の油戻し管56を介して導かれる潤滑油と合流し、第2の圧縮機3bに吸込まれてしまう。
【0075】
結局、第1の圧縮機3aと、第2の圧縮機3bに還流する潤滑油の量の比率は、1:2となり、第2の圧縮機3bでは潤滑油が溜まり過ぎる反面、第1の圧縮機3aでは油不足状態となる。
【0076】
本発明では、第2の油戻し管3bに油還流遮断弁58を備えていて、上記状況では油還流遮断弁58を閉成するよう制御される。このことから、ディストリビュータ43から第1の油戻し管55と、第3の油戻し管57には潤滑油が導かれるが、第2の油戻し管56には潤滑油が流れなくなる。
【0077】
第1の油戻し管55から第1の圧縮機3aへ潤滑油が還流し、第3の油戻し管57から第2の圧縮機3bへ潤滑油が還流する。運転を停止している第3の圧縮機3cへは潤滑油が還流しないことは変りが無い。
すなわち、3台あるうちの真ん中の圧縮機3bに連通する第2の油戻し管56に油還流遮断弁58を備え、上記状況下で閉成制御する。図3に示したように、ディストリビュータ43の第1の流出口Rfと第3の流出口Rhとは略同じ高さに位置していることから、第1の油戻し管55と第3の油戻し管57へは略同量の潤滑油が流入する。すなわち、第1の圧縮機3aと、第2の圧縮機3bとに同量ずつの潤滑油が還流され、互いに潤滑油の過不足の発生がない。
【0078】
さらに、第1〜第3の圧縮機3a〜3cのいずれかにおいて一時的な油不足状態が発生した場合にも、油還流遮断弁58を開閉制御することで、運転中の圧縮機に保有する潤滑油の量を調整することができる。
例えば、油還流遮断弁58を閉成している間に、第2の圧縮機3bが油不足に陥る場合がある。油不足は、バイパス管38に設けられる第4の温度センサ39と、第1〜第3の均油管30a〜30cに設けられる第1〜第3の温度センサ35〜37との検知温度の比較から知ることができる。
【0079】
第1〜第3の均油管30a〜30cに潤滑油が流れる場合は、これらの検知温度がバイパス管38の検知温度よりも高くなる。逆に、第1〜第3の均油管30a〜30cに冷媒が流れる場合は、これらの検知温度よりもバイパス管38の検知温度が高くなり、第1〜第3の圧縮機3a〜3cが油不足に陥っていることがわかる。
【0080】
上述のように、油還流遮断弁58を閉成している間に第2の圧縮機3bが油不足に陥ることを検知すると、油還流遮断弁58を開放制御する。図3に示したように、ディストリビュータ43の第2の流出口Rgは3つの流出口の中で最も下部側に位置していることから、第2の流出口Rgに接続される油戻り管56に流入する潤滑油は、油戻り管55、57に流入する潤滑油よりも多くなる。したがって、第2の油戻し管56から第2の圧縮機3bへ戻る潤滑油の量が増加し、第1の圧縮機3aと、第2の圧縮機3bに保有する潤滑油の量がバランスする。
【0081】
なお、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明によれば、ディストリビュータの固定が容易、かつ確実となり、製造バラツキが低減されるとともに、圧縮機の駆動に伴う配管疲労破壊を防止できる等の効果を奏する空気調和機が得られる。
図1
図2
図3