特許第5655103号(P5655103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5655103タッチスクリーン及びマイクロプロセッサアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5655103
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】タッチスクリーン及びマイクロプロセッサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20141218BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20141218BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20141218BHJP
【FI】
   G06F3/041 480
   G06F3/01 310Z
   G06F3/048 620
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-26005(P2013-26005)
(22)【出願日】2013年1月25日
(65)【公開番号】特開2013-156998(P2013-156998A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2013年3月27日
(31)【優先権主張番号】61/591,454
(32)【優先日】2012年1月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/591,477
(32)【優先日】2012年1月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/737,999
(32)【優先日】2013年1月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505450755
【氏名又は名称】ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100170715
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 和道
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス アレン ファウ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ パトリック ダーク
(72)【発明者】
【氏名】ディヴィッド マイケル ウィットン
【審査官】 山崎 慎一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/071837(WO,A1)
【文献】 特開2002−149312(JP,A)
【文献】 特開2005−332063(JP,A)
【文献】 特表2013−513865(JP,A)
【文献】 特開2011−054025(JP,A)
【文献】 特開2011−070342(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0233161(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/01
G06F 3/0488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチアセンブリであって、
接触力を受け取るためのタッチ表面と、
前記タッチ表面に結合される少なくとも1つの触覚フィードバック装置と、
前記タッチ表面に操作可能に結合され、起動状態の構成と起動解除状態の構成との間で調節可能である、少なくとも1つのスイッチと、
前記少なくとも1つのスイッチが前記起動状態の構成から前記起動解除状態の構成へと調節されることに応答して、前記少なくとも1つの触覚フィードバック装置を作動させるために、前記少なくとも1つの触覚フィードバック装置及び前記少なくとも1つのスイッチと電気通信する、少なくとも1つのマイクロプロセッサと、
を含み、
前記少なくとも1つのスイッチは、前記起動状態の構成へと付勢され、前記タッチ表面が前記接触力を受け取って移動することに応答して、前記起動解除状態の構成にのみ調節され、
前記少なくとも1つのスイッチの前記起動状態の構成は、閉電気回路を確立する、閉じた構成であり、前記起動解除状態の構成は、前記電気回路を開放する、開いた構成であり、
前記少なくとも1つのスイッチは、少なくとも1つの力検知抵抗器であり、
ベース部を更に含み、前記タッチ表面が、前記ベース部の一方の側上に配置され、
前記少なくとも1つの力検知抵抗器は、前記タッチ表面の反対側上で、前記ベース部に結合され、
前記タッチ表面と前記ベース部との間に配置され、前記力検知抵抗器が前記閉じた構成で、前記タッチ表面を既定の静止位置へ付勢する、少なくとも1つのバネを更に含み、
前記タッチ表面に操作可能に結合され、前記ベース部を貫通して、前記タッチ表面の反対側の、前記ベース部の側に延び、前記少なくとも1つの力検知抵抗器と係合するように付勢される、プランジャーを更に含み、前記タッチスクリーンアセンブリが前記ベース部に向けて移動することに応答して、前記プランジャーが、前記少なくとも1つの力検知抵抗器から分離可能である、タッチアセンブリ。
【請求項2】
前記ベース部に対する前記タッチ表面の移動を限定するために、前記タッチスクリーンモニターと前記ベース部との間に配置される、少なくとも1つのストッパーを更に含む、請求項に記載のタッチアセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのストッパーは、前記ベース部に対する前記タッチ表面の移動を、約0.25mmに限定するように構成される、請求項に記載のタッチアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのストッパーは、弾性材料のものである、請求項に記載のタッチアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの力検知抵抗器は、互いに離間した複数個の力検知抵抗器として更に構成される、請求項に記載のタッチアセンブリ。
【請求項6】
前記複数個の力検知抵抗器は、直列の電気的関係で、互いに電気的に接続される、請求項に記載のタッチアセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのスイッチは、前記タッチ表面が前記接触力を受け取ることに応答して、静電容量を変化させるように構成された静電容量センサーである、請求項に記載のタッチアセンブリ。
【請求項8】
前記マイクロプロセッサは、前記少なくとも1つの静電容量センサーによって検知される前記静電容量を監視して、既定の閾値を超える前記静電容量に応答して、前記触覚フィードバック装置を作動させるように構成される、請求項に記載のタッチアセンブリ。
【請求項9】
前記タッチ表面は、タッチスクリーンモニターである、請求項1に記載のタッチアセンブリ。
【請求項10】
前記触覚フィードバック装置は、電気モーター及び非対称質量体を含む、偏心回転質量振動器である、請求項1に記載のタッチアセンブリ。
【請求項11】
前記触覚フィードバック装置は、圧電素子である、請求項1に記載のタッチアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には、タッチアセンブリに関し、より詳細には、触覚フィードバックを提供するように構成される、タッチアセンブリに関する。
【0002】
関連出願の説明
本出願は、2012年1月27日出願の米国特許仮出願第61/591,454号、及び2012年1月27日出願の同第61/591,477号の利益を主張し、その双方の出願の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
タッチスクリーンアセンブリは、携帯電話、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、自動車などで、ますます一般的になりつつある。自動車では、タッチスクリーンは、例えば、ナビゲーションシステム;ラジオ;暖房、換気、及び空調(HVAC)システムなどを制御するために使用される場合が多い。典型的なタッチスクリーンアセンブリは、人の指が、タッチスクリーンモニターの表面上の既定の場所に接触するか、またはその既定の場所を押して、タッチスクリーンアセンブリに対して接触力を加えることに応答して、作動するように構成される。
【0004】
典型的なタッチスクリーンアセンブリは、車両内に搭載されるタッチスクリーンモニターを含み、このタッチスクリーンモニターは、人が極めて軽くタッチスクリーンモニターに接触する場合であっても、あらゆる接触力に応答して、押され、作動する際には、固定された状態を維持する。このことにより、偶発的な起動が頻繁にもたらされる。一部のタッチスクリーンアセンブリの製造元は、タッチスクリーンモニターの表面に加えられる接触力を、力計を使用して監視し、既定の閾値を超える接触力にのみ応答してタッチスクリーンアセンブリを作動させることによって、この問題を解決することを試みている。一部の場合には、触覚フィードバック手段が提供され、既定の閾値を超える接触力を加えた人に、振動などのある種のフィードバックを提供することにより、その人に、タッチスクリーンモニターの適切な起動を警告する。多くの既知のタッチスクリーンアセンブリで採用されるセンサーは、高解像度の力計であるが、この力計はまた、極めて高価でもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タッチスクリーンモニターの意図的な作動にのみ応答して触覚フィードバックを提供する、より安価なシステムに対する継続的必要性が、依然として残されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、タッチアセンブリに関する。このタッチアセンブリは、接触力を受け取るためのタッチ表面、及びそのタッチ表面に結合される少なくとも1つの触覚フィードバック装置を含む。少なくとも1つのスイッチが、タッチ表面に操作可能に結合され、このスイッチは、起動状態の構成と起動解除状態の構成との間で調節可能である。少なくとも1つのスイッチが起動状態の構成から起動解除状態の構成へと調節されることに応答して、少なくとも1つの触覚フィードバック装置を作動させるために、少なくとも1つのマイクロプロセッサが、少なくとも1つの触覚フィードバック装置及び少なくとも1つのスイッチと電気通信する。このことは、通常起動状態のスイッチは、他の既知のタッチアセンブリで採用されるセンサーよりも、タッチアセンブリ内に容易に設置することができ、時間のかかる較正プロセスを全く必要としないために、有利である。更には、そのスイッチのデジタルな性質が、他の既知のタッチアセンブリ内に見受けられる高精度の力センサーと比較して、信頼性の改善に役立つ。
【0007】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つのスイッチの起動状態の構成は、閉電気回路を確立する、閉じた構成であり、起動解除状態の構成は、その電気回路を開放する、開いた構成である。そのようなスイッチは、例えば、力検知抵抗器とすることができる。
【0008】
本発明の更に別の態様によれば、このタッチアセンブリは、ベース部を含み、タッチ表面が、このベース部の一方の側上に位置し、少なくとも1つのスイッチが、このベース部の反対側上に位置している。プランジャーが、タッチ表面に操作可能に結合され、ベース部を貫通して延び、少なくとも1つのスイッチに対して付勢されて、その少なくとも1つのスイッチを起動し、また、ベース部に対するタッチ表面の移動が、少なくとも1つのスイッチからプランジャーを分離して、その少なくとも1つのスイッチを起動解除する。
【0009】
本発明の更に別の態様によれば、少なくとも1つのスイッチは、静電容量を測定し、その測定された静電容量に基づいて、起動または起動解除するように構成される、少なくとも1つの静電容量センサーである。
【0010】
本発明の、これらの特徴及び有利点、ならびに他の特徴及び有利点は、以下の発明を実施するための形態を参照し、添付図面に関連して考察することによって、より容易に認識されると共に、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の例示的実施形態のタッチアセンブリの平面図である。
図2図1の線1−1を通って取った、第1の例示的実施形態のタッチアセンブリの断面図であり、起動状態の複数個のスイッチを示す。
図3】第1の例示的実施形態のタッチアセンブリの別の断面図であり、起動解除状態の複数個のスイッチを示す。
図4図1の例示的実施形態の、ベース部及び複数個のスイッチの斜視立面図である。
図5】代替の例示的実施形態のタッチアセンブリの断面図である。
図6】代替の例示的実施形態のタッチアセンブリの、ベース部及び複数個のスイッチの斜視立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図を参照すると、類似の番号は、幾つかの視図の全体を通して対応する部分を指示し、第1の例示的タッチアセンブリ20が、図1〜3に全般的に示される。図1に示すように、第1の例示的タッチアセンブリ20は、接触力を受け取るための上側表面24を有するタッチスクリーンモニター22、及びタッチスクリーンモニター22を収容して支持するハウジング26を含む。この例示的実施形態では、タッチスクリーンモニター22として示されるが、タッチアセンブリ20は、接触力を受け取るように構成される、任意の望ましいタイプのタッチ表面を有し得ること、すなわち、モニターである必要はないことを、理解するべきである。
【0013】
図1に示すように、第1の例示的実施形態では、例示的タッチスクリーンモニター22及びハウジング26は、概して矩形の形状を有する。タッチスクリーンモニター22は、例えば、液晶ディスプレイ(liquid crystal display:LCD)モニター、発光ダイオード(light emitting diode:LED)モニター、またはプラズマモニターを含めた、任意の望ましいタイプのフラットパネルモニターとすることができる。図示されていないが、接触力の場所を検知するために、タッチスクリーンモニター22の裏面上に、好ましくは、グリッドが配置される。具体的には、このグリッドは、タッチスクリーンモニター22の上側表面24上での、接触力の座標(X座標及びY座標など)を決定するように構成される。ハウジング26は、任意の望ましい形状を有し得、例えば、ポリマー材料、金属材料、もしくは複合材料を含めた、任意の望ましい材料、または材料の組み合わせで形成することができる。
【0014】
ここで図2を参照すると、この例示的実施形態では、ハウジング26は、締結具、接着剤などのような、任意の望ましい手段を通じて互いに接合される、上側カバー28(または、ベゼル)及び下側カバー30を含む。ベース部32が、ハウジング26内部で、タッチスクリーンモニター22と下側カバー30との間に配置され、プリント回路(又は、配線)基板(メインPCB36)が、ハウジング26内部で、ベース部32と下側カバー30との間に配置される。メインPCB36は、特に、タッチスクリーンモニター22が接触力を検知することに応答して、信号を生成するための、タッチスクリーンモニター22と電気通信する少なくとも1つのマイクロプロセッサ38を含む。図示のように、この例示的実施形態のベース部32は、タッチスクリーンモニター22よりも大きく、タッチスクリーンモニター22の両側で、外向きに延びる。複数個の圧縮バネ40が、タッチスクリーンモニター22とベース部32との間に配置され、ハウジング26の上側カバー28に対して、タッチスクリーンモニター22を、静止位置へと付勢し、既定の距離または間隔で、ベース部32から離間させる。この例示的実施形態では、圧縮バネ40は、弾性材料の塊である。しかしながら、螺旋バネを含めた、任意の望ましいタイプのバネを、代替的に採用することができる点を理解するべきである。圧縮バネ40の剛性、すなわちバネ定数により、タッチスクリーンモニター22を、ハウジング26の上側カバー28との接触から引き離してベース部32に向けて移動させるために必要とされる接触力が、少なくとも部分的に決定される。
【0015】
概してピル(pill)形状の複数のストッパー42が、ベース部32とタッチスクリーンモニター22との間の間隙内で、ベース部32に装着される。ストッパー42は、ベース部32とタッチスクリーンモニター22との間の間隙よりも小さい高さを有して、ベース部32及びハウジング26に対する、タッチスクリーンモニター22の移動を制限する。換言すれば、ストッパー42は、それ以上タッチスクリーンモニター22が移動することを制限する、停止点を提供する。ストッパー42は、好ましくは、弾性材料で形成され、タッチスクリーンモニター22が、過度の接触力に応答して損傷することから保護する。ストッパー42は、好ましくは、タッチスクリーンモニター22の移動を、約0.25mmに限定するように、サイズ決定される。
【0016】
タッチスクリーンモニター22に接触力を加える人に、触覚フィードバックを提供するために、タッチスクリーンモニター22の裏面に、触覚フィードバック装置44が結合される。図2及び図3に示す、第1の例示的実施形態のタッチアセンブリ20では、触覚フィードバック装置44は、非対称質量体48が出力部に結合される、電気モーター50を有する偏心回転質量(eccentric rotating mass:ERM)振動器44である。ERM振動器44は、メインPCB36上のマイクロプロセッサ38と電気通信し、このマイクロプロセッサ38が、ERAM振動器44の作動を制御する。動作時には、電気モーター50がマイクロプロセッサ38によって作動すると、非対称質量体48が回転して振動を発生させ、この振動が、タッチスクリーンモニター22へと移動して、人に感知され、タッチスクリーンモニター22が作動していることを人に警告する。他のタイプの触覚フィードバック装置を代替的に採用して、フィードバックを人に提供することができる点を理解するべきである。
【0017】
タッチアセンブリ20はまた、タッチスクリーンモニター22に結合され、人がタッチスクリーンモニター22を意図的に作動させたか否かを検知するように構成される、複数個のセンサーも含む。具体的には、第1の例示的タッチアセンブリ20のセンサーは、起動状態の構成へと付勢され、タッチスクリーンモニター22が静止位置から離れる方向でベース部32に向けて押し付けられることに応答して、起動解除状態の構成にのみ調節される、スイッチ52である。スイッチ52は、スイッチ52のいずれかの起動解除が、マイクロプロセッサ38に信号を送り、触覚フィードバック装置44を作動させるように、メインPCB36上のマイクロプロセッサ38と電気通信する。スイッチ52のいずれか1つの起動解除によって、その電気回路を開放させることができるように、スイッチ52は全て、互いに直列に配線することができるが、あるいはまた、それらのスイッチ52は、互いに並列に配線することもできる。
【0018】
図4に最良に示すように、第1の例示的タッチアセンブリ20では、スイッチ52、54は、力検知抵抗器(force sensing resistor:FSR52)であり、ベース部32の、タッチスクリーンモニター(この図には示さず)の反対側上で、ベース部32の四隅に位置している。再び図2を参照すると、プランジャー56が、タッチスクリーンモニター22に操作可能に結合され、ベース部32を貫通して、タッチスクリーンモニター22の反対側へと延びる。ベース部32から離れる方向の、上側カバー28に対する、タッチスクリーンモニター22の付勢によって、プランジャー56は、第1の力でFSR52に対して付勢され、この第1の力によって、FSR52は、第1の、極めて低い抵抗を有することになる。タッチスクリーンモニター22の上側表面24に接触力を加えて、タッチスクリーンモニター22を移動させる場合、このことにより、1つ以上のプランジャー56によってFSR52に対して加えられる力が低下して、それらのFSR52の抵抗を増大させる。プランジャー56が、関連するFSR52から完全に分離する場合には(図3に示すように)、その関連するFSR52の抵抗は著しく増大し、このことが、電気回路を効果的に開放する。この回路の開放は、マイクロプロセッサ38がERM振動器44を作動させるトリガーとなり、このERM振動器44が、タッチスクリーンモニター22を振動させて、触覚フィードバックを人に提供する。
【0019】
第1の例示的実施形態では、マイクロプロセッサ38、ERM振動器44、及びFSR52は全て、ワイヤー34によって互いに電気的に接続される。しかしながら、これらの構成要素は、あるいは、互いに無線で通信することも可能である点を理解するべきである。
【0020】
ここで図5を参照すると、代替的実施形態のタッチアセンブリ120が、上述の実施形態に対応する部分を指示する、100の係数によって区別される類似の数字を使用して、全般的に示される。この第2の例示的実施形態は、上述の第1のものに類似しているが、ただし、触覚フィードバック装置144は、上述のERM振動器44ではなく、圧電素子144であり、スイッチ152は、上述のFSR52ではなく、静電容量センサー152である。圧電素子144は、電流が通過して流れると伸展または収縮するように構成される。好ましくは、マイクロプロセッサ138は、圧電素子144を通過する交流電流を送るように構成され、この交流電流が、周期的方式で、圧電素子144を伸展及び収縮させることにより、タッチスクリーンモニター122を振動させる。圧電素子144に印加される交流電流の振幅及び周波数を調節することもまた、人に対する振動の感触を変化させることができる。したがって、タッチアセンブリ120は、人がタッチスクリーンモニター122の第1の場所を押す場合に、ある1つのフィードバックを提供し、人がタッチスクリーンモニター122の異なる場所を押す場合に、異なるフィードバックを提供するように、構成することができる。静電容量センサー152は、プランジャー156によって加えられる力の変化に応答して、静電容量を変化させるように構成される。動作時には、この静電容量の変化は、マイクロプロセッサ138によって測定され、静電容量センサー152によって測定された静電容量が既定の閾値静電容量を超えることに応答して、マイクロプロセッサ138が、圧電素子144を起動して、触覚フィードバックを提供する。静電容量センサー152の厚さは、図5では誇張されているが、これは、図6に示すように、この代替的実施形態の静電容量センサー152は、ベース部132内に組み込まれるためである。スイッチ52、152、及び触覚フィードバック装置44、144は、例示的実施形態に示すものとは異なる様々な装置とすることができる点を理解するべきである。
【0021】
本発明の別の態様は、タッチ表面及び触覚フィードバック装置44、144、ならびに起動状態と起動解除状態との間で調節可能である、少なくとも1つのスイッチ52、152を有する、タッチアセンブリ20、120の操作方法である。少なくとも1つのスイッチ52、152は、タッチ表面に接触力が加えられていない場合には、起動状態にあり、タッチ表面に接触力が加えられることに応答して、起動解除状態に調節されるように、構成される。本方法は、少なくとも1つのスイッチ52、152の状態を監視する工程を含む。本方法は、タッチ表面上に接触力を受け取る工程を続行する。次いで、本方法は、タッチ表面が接触力を受け取ることに応答して、スイッチ52、152を起動解除する工程を進める。本方法は、スイッチ52、152の起動解除に応答して、触覚フィードバック装置44、144を起動して、タッチ表面を振動させる工程を続行する。換言すれば、触覚フィードバック装置44、144の起動のトリガーとなるのは、少なくとも1つのスイッチ52、152の起動ではなく、起動解除である。スイッチ52、152は、FSR52、静電容量センサー152、または任意の望ましいタイプのスイッチとすることができる。触覚フィードバック装置44、144は、ERM振動器44、圧電素子144、又は任意の望ましいタイプの触覚フィードバック装置とすることができる。
【0022】
本方法は、触覚フィードバック装置44、144による、少なくとも1つのスイッチ52、152の継続的な起動解除を防止するために、少なくとも1つのスイッチ52、152が起動解除状態にあることに応答して、少なくとも1つのスイッチ52、152の監視を調節する工程を進めることができる。換言すれば、タッチアセンブリ20、120は、触覚フィードバック装置44、144が、スイッチ52、152の起動解除によって、それ自体を起動するループに入ることを、自動的に防止する。
【0023】
一実施形態では、このことは、触覚フィードバック装置44、144の起動の持続時間よりも長い持続時間の間、少なくとも1つのスイッチ52、152の監視を遅延させることによって達成される。例えば、スイッチ52、152が起動解除状態の構成に調節されることに応答して、触覚フィードバック装置44、144が、4分の1秒間起動するように構成される場合には、タッチアセンブリ20、120は、少なくとも1つのスイッチ52、152の状態の通常監視を継続する前に、4分の1秒よりも長い間、少なくとも1つのスイッチ52、152の状態の監視を自動的に停止する。
【0024】
別の実施形態では、触覚フィードバック装置44、144の自起動を防止することは、既定数の振動が測定されるまで、少なくとも1つのスイッチ52、152の監視を遅延させることによって達成される。例えば、触覚フィードバック装置44、144が、20周期の間、起動するように構成される場合には、タッチスクリーンアセンブリは、その周期を計数して、20周期が計数される後まで、少なくとも1つのスイッチ52、152の状態の監視を自動的に停止する。
【0025】
更に別の実施形態では、触覚フィードバック装置44、144の自起動を防止することは、スイッチ52、152によって生成される信号を測定して、少なくとも1つのスイッチ52、152によって生成される信号が、既定の閾値を超えた後にのみ、触覚フィードバックを再起動することを許容することによって達成される。例えば、少なくとも1つのスイッチ52、152が力検知抵抗器である場合には、タッチスクリーンアセンブリは、その抵抗が既定のレベルを下回るまで、少なくとも1つの力検知抵抗器の状態の監視を自動的に停止することができる。
【0026】
本発明の更に別の態様はまた、タッチスクリーン、ベース部32、132、触覚フィードバック装置44、144、及び少なくとも1つのスイッチ52、152を有する、タッチアセンブリ20、120の操作方法にも関する。少なくとも1つのスイッチ52、152は、起動状態の構成と起動解除状態の構成との間で調節可能であり、起動状態の構成へと付勢される。本方法は、タッチ表面上に接触力を受け取り、そのタッチ表面を移動させる工程を続行する。本方法は、タッチ表面上の接触力の場所を検知することを進める。本方法は、タッチ表面がベース部32、132に対して移動することに応答して、少なくとも1つのスイッチ52、152を、起動解除状態の構成に調節する工程を更に含む。本方法は、接触力の場所が検知され、少なくとも1つのスイッチ52、152が起動解除状態にあることにのみ応答して、信号を送信する工程を続行する。タッチアセンブリ20によって送信される信号は、例えば、触覚フィードバック装置44、144のトリガーとなるものか、または任意の望ましい動作を達成するものとすることができる。このことは、タッチアセンブリ20、120の意図せぬ作動を防ぐため、有益である。例えば、タッチアセンブリ20、120が振動する場合には、少なくとも1つのスイッチ52、152は、起動解除される恐れがあるが、タッチアセンブリ20、120は、接触力の場所が検知されることがないため、作動することはない。あるいは、人が偶然にタッチ表面に軽く触れた場合には、場所が検知されることになるが、タッチアセンブリ20、120は、少なくとも1つのスイッチ52、152が起動解除されることがないため、作動することはない。
【0027】
本発明を、例示的実施形態を参照して説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、その諸要素に関して、様々な変更を実施することができ、等価物で置き換えることができる点が、当業者には理解されるであろう。さらに、本発明の教示に対して、その本質的範囲から逸脱することなく、多くの修正を実施して、特定の状況または材料に適合させることができる。それゆえ、本発明は、本発明を実践するために企図された最良の形態として開示される、特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲に含まれる、全ての実施形態を包含することが意図される。
図1
図2
図3
図5
図4
図6