特許第5655134号(P5655134)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許56551343次元シーンにおけるテクスチャを生成する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5655134
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】3次元シーンにおけるテクスチャを生成する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20141218BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20141218BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20141218BHJP
   H04N 13/00 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   G01B11/00 H
   G01C3/06 110B
   G01C3/06 140
   G06T1/00 315
   H04N13/00
【請求項の数】20
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-502774(P2013-502774)
(86)(22)【出願日】2011年3月30日
(65)【公表番号】特表2013-530380(P2013-530380A)
(43)【公表日】2013年7月25日
(86)【国際出願番号】US2011030413
(87)【国際公開番号】WO2011123483
(87)【国際公開日】20111006
【審査請求日】2014年3月3日
(31)【優先権主張番号】61/319,395
(32)【優先日】2010年3月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510060316
【氏名又は名称】オムロン サイエンティフィック テクノロジーズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】OMRON SCIENTIFIC TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】ティヤギ, アンブリッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ドリンカード, ジョン
【審査官】 神谷 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−300605(JP,A)
【文献】 特開2008−033819(JP,A)
【文献】 特開2008−232776(JP,A)
【文献】 特開2002−022424(JP,A)
【文献】 特開平08−339498(JP,A)
【文献】 特開2003−153290(JP,A)
【文献】 特開2009−210470(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0263903(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
G01C 3/00− 3/32
G01S 7/48− 7/51
G01S 17/00−17/95
G06T 1/00− 1/40
G06T 3/00− 5/50
G06T 9/00− 9/40
H04N 13/00−17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体又は他の種類の多視点撮像システムを含む装置において実現される3D撮像の方法であって、該方法は、構成された監視境界により定義されるボリュームを監視することを含み、該監視することは
実行時モードでは、
前記定義されるボリュームとオーバーラップする視野を有する前記多視点撮像システムの複数センサを用いて、前記監視されるボリュームに対応する視野に対する多視点画像データを取り込み、
多視点対応アルゴリズムを用いて、前記複数センサからの多視点画像データを処理することで、前記視野に入る物体の位置を判定し、
前記構成された監視境界に対して前記視野に入る物体の位置を比較し、何れかの物体が前記構成された監視境界内に存在するか否かを判断し、
学習モードにおいて、前記実行時モードにおける動作のための準備時では、
十分に高密度の3Dレンジデータが判定できない視野内に何れかの低テクスチャ領域があるか否かを判定し、
1以上の低テクスチャ領域が特定された場合、
前記1以上の低テクスチャ領域に合成テクスチャを投影するために、テクスチャツールを制御するか又は前記テクスチャツールを制御するように前記装置の操作者を誘導するための出力データ又は信号を生成し、
前記特定された低テクスチャ領域のうち1以上が前記合成テクスチャを用いて照明されている間に、前記多視点撮像システムの複数センサを用いて、前記視野に対する多視点画像データを取り込み、
前記低テクスチャ領域の3D測距のための十分なテクスチャが提供されたか否かを判定し、そのようなテクスチャが提供された場合には、前記視野の3Dレンジマップ内における前記低テクスチャ領域に対する対応する3Dレンジデータを更新し、前記構成された監視境界に対して十分なテクスチャが提供されたことを、前記操作者に対して提供する
ことにより、前記構成された監視境界を検証する
ことに基づいていることを特徴とする方法。
【請求項2】
十分なテクスチャが提供されなかった場合、前記構成された監視境界に対して十分なテクスチャが提供されなかったことを、前記操作者に対して提供することを更に備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記合成テクスチャを投影するテクスチャツールを前記操作者が制御する場合、十分なテクスチャが提供されなかった低テクスチャ領域に少なくとも合成テクスチャを投影するために、前記テクスチャツールの制御の際に前記操作者を誘導するための出力データ若しくは信号を生成することを更に備えることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記操作者を誘導するための前記出力データ若しくは信号を生成することは、前記視野内の合成テクスチャの所望の位置決めに対する実際の位置決めに関して前記操作者に対して視覚的なガイダンスを提供する情報を生成すること、を含むことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記操作者を誘導するための前記出力データ若しくは信号を生成することは、前記視野の視覚的な描写を表示させることを含み、該視覚的な描写は、前記視野内で前記装置が現在検出した合成テクスチャの場所、十分なテクスチャが提供されなかった低テクスチャ領域が前記視野内で存在する場所、の少なくとも1つを示すことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項6】
十分なテクスチャが提供されず且つ前記操作者が合成テクスチャを投影するテクスチャツールを制御する場合、前記方法は更に、前記視野の視覚的な描写を表示させる出力データ若しくは信号を生成することを含み、前記視覚的な描写は、前記視野に合成テクスチャを投影するテクスチャツールに対する前記操作者の制御に基づいて、十分に高密度の3Dレンジデータを有する低テクスチャ領域を塗りつぶすと見なされる前記装置によってなされる処理を示すことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
最初に前記視野に対する3Dレンジマップを生成するために、前記学習モード時に前記視野に対する前記複数センサによって取り込まれ且つ前記多視点対応アルゴリズムを用いて処理される多視点画像データから自動的に境界情報を導出することに基づいて、前記学習モード時における動作の一部として、前記構成された監視境界を自動的に学習することを更に備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記構成された監視境界を検証することは、構成された3Dレンジデータに対して許容範囲内であることを検証すること、を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記装置は、前記合成テクスチャに対してキャリブレートされていないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記装置は前記テクスチャツールを制御し、前記テクスチャツールを制御するように前記出力データ若しくは信号を生成することは、前記視野に合成テクスチャを投影するように前記テクスチャツールを誘導するための信号を前記装置が生成することを含む、ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
立体又は他の種類の多視点撮像システムを含み、且つ構成された監視境界により定義されるボリュームを監視するように構成されている装置であって、該装置は1以上の処理回路を有しており、該1以上の処理回路は、
実行時モードでは、
前記定義されるボリュームとオーバーラップする視野を有する前記多視点撮像システムの複数センサを用いて、前記監視されるボリュームに対応する視野に対する多視点画像データを取り込み、
多視点対応アルゴリズムを用いて、前記複数センサからの多視点画像データを処理することで、前記視野に入る物体の位置を判定し、
前記構成された監視境界に対して前記視野に入る物体の位置を比較し、何れかの物体が前記構成された監視境界内に存在するか否かを判断し、
学習モードにおいて、前記実行時モードにおける動作のための準備時では、
十分に高密度の3Dレンジデータが判定できない視野内に低テクスチャ領域があるか否かを判定し、
1以上の低テクスチャ領域が特定された場合、
前記1以上の低テクスチャ領域に合成テクスチャを投影するために、テクスチャツールを制御するか又は前記テクスチャツールを制御するように前記装置の操作者を誘導するための出力データ又は信号を生成し、
前記低テクスチャ領域のうち1以上が前記合成テクスチャを用いて照明されている間に、前記多視点撮像システムの複数センサを用いて、前記視野に対する多視点画像データを取り込み、
前記低テクスチャ領域の3D測距のための十分なテクスチャが提供されたか否かを判定し、そのようなテクスチャが提供された場合には、前記視野の3Dレンジマップ内における前記低テクスチャ領域に対する対応する3Dレンジデータを更新し、前記構成された監視境界に対して十分なテクスチャが提供されたことを、前記操作者に対して提供する
ことにより、前記構成された監視境界を検証する
ように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項12】
前記装置は、コンピュータインターフェース及びディスプレイのうち少なくとも1つを含む入出力回路を有し、十分なテクスチャが提供されなかった場合、前記1以上の処理回路は、前記入出力回路を用いて、前記構成された監視境界に対して十分なテクスチャが提供されなかったことを前記操作者に対して提供するように構成されていることを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記操作者は合成テクスチャを投影するテクスチャツールを制御し、前記1以上の処理回路は、前記入出力回路を用いて、合成テクスチャの所望の位置決めに対する実際の位置決めに関して前記操作者に対して視覚的なガイダンスを提供するように構成されていることを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記1以上の処理回路は、前記コンピュータインターフェース若しくは前記ディスプレイを介して前記視野の視覚的な描写を表示させることに基づいて前記視覚的なガイダンスを提供するように構成されており、該視覚的な描写は、前記視野内で現在検出した合成テクスチャの場所、十分なテクスチャが提供されなかった低テクスチャ領域が前記視野内で存在する場所、の少なくとも1つを示すことを特徴とする請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記1以上の処理回路は、前記視野の視覚的な描写に、前記視野に合成テクスチャを投影するテクスチャツールに対する前記操作者の制御に基づいて、十分に高密度の3Dレンジデータを有する低テクスチャ領域を塗りつぶすと見なされてなされる処理を示させるように構成されていることを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記1以上の処理回路は、最初に前記視野に対する3Dレンジマップを生成するために、前記学習モード時に前記複数センサによって取り込まれ且つ前記多視点対応アルゴリズムを用いて処理される多視点画像データから自動的に境界情報を導出するように構成されていることに基づいて、前記学習モード時における動作中に、前記構成された監視境界を自動的に学習するように構成されていることを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項17】
前記1以上の処理回路は更に、前記視野内に何れかの低テクスチャ領域が存在するか否かに関しては、前記学習モード時に取り込まれた前記多視点画像データから、若しくはそれらから判定された初期の3Dレンジマップから判定するように構成されていることを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記1以上の処理回路は、構成された監視境界が、構成された3Dレンジデータに対して許容範囲内であることを検証するように構成されていることを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項19】
前記装置は、前記合成テクスチャに対してキャリブレートされていないことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記装置は前記テクスチャツールを制御し、前記1以上の処理回路は、前記視野内の低テクスチャ領域に合成テクスチャを投影するように前記テクスチャツールを制御するように構成されていることを特徴とする請求項11記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、マシンビジョン及び3次元撮像に関し、特に、3次元シーンにおけるテクスチャの生成に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、多視点再構成技術は、複数のセンサの各々により閲覧されるシーンの2次元(2D)画像間の対応を最初に確立する。例えば2つのカメラは、既知の角度及び並進オフセットで同一の領域を撮像するように重複する視野を有するように構成される。3次元(3D)シーン再構成は、異なるビューの間の幾何学的関係を与えられた2D画像間の対応の三角測量を含む。
【0003】
複数のビューにわたる対応関係を確立する作業は、関係する各2Dビュー内のロバスト性を有する画像特徴の抽出に依存する。通常、そのような特徴は、画像コントラストの局所的な変動により特徴付けられる。これらのコントラストの局所的な変動は、一般に「テクスチャ」と呼ばれる。一般的な場合、閲覧シーンは正常な対応のための十分なテクスチャを有さない表面に対応する領域を含むことがあり、シーンの完全な3D再構成を得ることが困難又は不可能となる。そのような領域は「テクスチャレス」と呼ばれる。いくつかの一般的な例は、平坦で均一に塗装及び照明された壁、床又はテーブルである。
【0004】
多くの場合、テクスチャが不十分であるため画像の対応を得ることができないという危険性は2つの方法の少なくとも一方を使用して改善される。第1の方法は、ペインティング又はテクスチャ付きマーカの添付等により問題の表面を変更する。別の手法は、テクスチャレスな領域にテクスチャを「追加」するために撮像中に領域に構造光を投影することを含む。
【0005】
主に全体的にテクスチャを有するビューを常に有する必要のあるアプリケーションは上記の改善から利益を得る。しかし、監視領域が広い場合、そのような改善はコストが高く且つ不便であることが多い。例えば、システムのセットアップ中に構成される境界により定義される所定の領域を監視することを意図する検出装置を仮定する。そのような境界は物理的表面に対応してもよく、あるいは3Dボリュームにより定義される仮想表面を表してもよい。立体カメラの使用に基づくマシンビジョンシステムは、そのようなシステムの好適な実施例を提供する。
【0006】
立体視に基づく装置は、検出可能な最小サイズより大きい物体の存在及び位置を確立するのに必要な基準を使用して被監視ボリューム内の3Dポイントのクラスタを解析する何らかの種類の立体視センサ又はレンジデータ解析器を含む。物体の位置は、被監視ボリュームを定義する構成された境界に対して比較され、侵入が発生したか否かが判定される。
【0007】
境界を構成するための1つの手法は、ユーザが手動入力する境界座標に依存する。例えば許可されたユーザは、定義された座標に従って監視境界を手動で構成するために、装置に対するインタフェースを提供するPCベースの構成ツールにアクセスできる。この手法では、ユーザがシステムのセットアップ前に境界を計算するか又は知っている必要があり、不便な場合がある。
【0008】
境界を構成するための別の方法は、装置に境界を測定させることである。この手法は一般に「学習」モードと呼ばれ、装置は閲覧領域内に既存する物理的表面の位置を自動的に学習する。境界は、学習された物理的表面に沿って位置決めされ且つ指定された公差/スタンドオフにより分離されるように自動的に構成される。その後、ユーザは、アプリケーション上の必要に応じて、構成された学習による境界を受け入れるか又は変更する。しかし、自動的に学習される境界の何らかの部分がテクスチャレスである限り、装置はそのような部分を認識しないか又は十分な精度で測距しない。ユーザが境界の問題部分に対する座標を手動入力してもよいが、そのような手動入力はユーザにとって不便であり、境界情報の完全な自動取得の妨げとなる。
【0009】
更に、そのような装置のセットアップ中、構成された境界(被監視ボリュームを定義する)がセンサの視野(例えば、装置内に含まれる立体視カメラの視野内)の投影特性と一致するように注意する必要がある。換言すると、構成された境界の各部分は、センサの視野内のどの場所でも影にならずに閲覧可能である必要がある。更に、境界が構成されると、通常、ユーザはそれらの有効性をチェックする必要がある。チェックは、特定のテクスチャ付きテストピース又はテストパネルを各境界にわたり移動することにより行われる。そのような手法は時間がかかり且つ不便であるため、誤りが生じやすい。更に、いくつかの安全に関するアプリケーションにおいて、センサからの最長距離内又は構成された境界からの最短距離内に物理背景が存在することを保証する必要のある場合がある。これらの条件の手動検証は、オペレータにとって困難な作業でもある。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、立体又は他の種類の多視点撮像システムを含む装置において実現される3D撮像の方法を教示する。この方法は、構成された監視境界により定義されるボリュームを監視することを含み、該監視することは、実行時モードでは、前記定義されるボリュームとオーバーラップする視野を有する前記多視点撮像システムの複数センサを用いて、前記監視されるボリュームに対応する視野に対する多視点画像データを取り込むことに基づいている。更に、実行時モードでは、この方法は、多視点対応アルゴリズムを用いて、前記複数センサからの画像データを処理することで、前記視野に入る物体の位置を判定し、前記構成された監視境界に対して前記視野に入る物体の位置を比較し、何れかの物体が前記構成された監視境界内に存在するか否かを判断することを含む。
【0011】
更に、学習モードにおいて、前記実行時モードにおける動作を実行する前記装置のための準備時では、前記方法は、前記構成された監視境界を検証することを含む。ここで、前記構成された監視境界の検証は、十分に高密度の3Dレンジデータが判定できない視野内に何れかの低テクスチャ領域があるか否かを判定することに基づいている。1以上の低テクスチャ領域が特定された場合、前記方法は、前記1つ以上の低テクスチャ領域に合成テクスチャを投影するために、テクスチャツールを制御するか又は前記テクスチャツールを制御するようにユーザを誘導するための出力データ又は信号を生成すること、前記特定された低テクスチャ領域のうち1以上が前記合成テクスチャを用いて照明されている間に、前記多視点撮像システムの複数センサを用いて、前記視野に対する多視点画像データを取り込み、前記低テクスチャ領域の3D測距のための十分なテクスチャが提供されたか否かを判定し、そのようなテクスチャが提供された場合には、前記視野の3Dレンジマップ内における前記低テクスチャ領域に対する対応する3Dレンジデータを更新し、前記構成された監視境界に対して十分なテクスチャが提供されたことを、前記装置の操作者に対して提供する、ことを含む。
【0012】
また、本開示は、立体又は他の種類の多視点撮像システムを含み、且つ構成された監視境界により定義されるボリュームを監視するように構成されている装置の詳細の一例を提供する。該装置は1以上の処理回路を有しており、該1以上の処理回路は、実行時モードでは、前記定義されるボリュームとオーバーラップする視野を有する前記多視点撮像システムの複数センサを用いて、前記監視されるボリュームに対応する視野に対する多視点画像データを取り込み、多視点対応アルゴリズムを用いて、前記複数センサからの画像データを処理することで、前記視野に入る物体の位置を判定し、前記構成された監視境界に対して前記視野に入る物体の位置を比較し、何れかの物体が前記構成された監視境界内に存在するか否かを判断するように構成されている。
【0013】
これに対し、前記実行時モードにおける動作のための準備のために、前記1以上の処理回路は、学習モード時には、前記構成された監視境界を検証するように構成されている。境界検証は、十分に高密度の3Dレンジデータが判定できない視野内に低テクスチャ領域があるか否かを判定するように構成されている前記1以上の処理回路に基づいている。1以上の低テクスチャ領域が特定された場合、前記1以上の処理回路は、1つ以上の低テクスチャ領域に合成テクスチャを投影するために、テクスチャツールを制御するか又は前記テクスチャツールを制御するようにユーザを誘導するための出力データ又は信号を生成し、前記低テクスチャ領域のうち1以上が前記合成テクスチャを用いて照明されている間に、前記多視点撮像システムの複数センサを用いて、前記視野に対する多視点画像データを取り込み、前記低テクスチャ領域の3D測距のための十分なテクスチャが提供されたか否かを判定し、そのようなテクスチャが提供された場合には、前記視野の3Dレンジマップ内における前記低テクスチャ領域に対する対応する3Dレンジデータを更新し、前記構成された監視境界に対して十分なテクスチャが提供されたことを、前記装置の操作者に対して提供する。
【0019】
当然、本発明は上記の特徴及び利点に限定されない。実際、当業者は、以下の詳細な説明を読み且つ添付の図面を参照することにより更なる特徴及び利点を認識するだろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、マシンビジョンシステムを含む装置の一実施形態を示すブロック図である。
図2a】、
図2b】、
図2c図2a〜図2cは、マシンビジョンシステムにより撮像されるシーンにテクスチャを人工的に追加するために、パターン光を投影するように構成されるテクスチャツールにより投影される合成テクスチャパターンの例を示す図である。
図3図3は、視野内の1つ以上の領域が3D測距のための十分な「自然」テクスチャを有さず且つそのような領域に対する3Dレンジデータを得るために合成テクスチャが使用される場合に、例えば図1の装置により撮像されたシーンに対する3Dレンジデータを得る一実施形態を示す論理フローチャートである。
図4図4は、例えば図1の装置及びその視野内の表面に対する合成テクスチャの投影の一実施形態を示す図である。
図5図5は、視野内の1つ以上の領域が3D測距のための十分な「自然」テクスチャを有さず且つそのような領域に対する3Dレンジデータを得るために合成テクスチャが使用される場合に、例えば図1の装置により撮像されたシーンに対する3Dレンジデータを得る方法の別の実施形態を示す論理フローチャートである。
図6図6は、例えば図1の装置により撮像されたシーンに対する3Dレンジデータを得る方法の更に別の実施形態を示す論理フローチャートである。
図7図7は、視野内の「影になる」領域を示す図1の装置の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本明細書において考えられるマシンビジョン装置10の一実施形態を示す。示される装置10は、視野からの画像データを2つ以上の視点から取り込めるようにする多視点機能を有する(マシン)撮像システム12(例えば、立体カメラシステム)を備える。多視点撮像システム12は、1つ以上の画像プロセッサ14を更に含むか又はそれに関連付けられる。画像プロセッサ14は専用の視覚処理リソースであってもよく、あるいは、装置10に同様に含まれる1つ以上の制御プロセッサ16内に組み込まれてもよい。後者のオプションは、低コストのシステムにおいて及び/あるいは制御プロセッサ16が十分に強力であるか、線形処理又はマシンビジョンに使用される他の数値アルゴリズムの実行に対して特に適応される場合に魅力的である。
【0022】
1つ以上の実施形態において、制御プロセッサ16は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ASIC、FPGA又は他のデジタル処理回路を備える。画像プロセッサ14及び/又は制御プロセッサ16が1つ以上のマイクロコントローラ及び/又はDSP等の中のプログラム可能デジタルプロセッサを使用して実現される場合、そのようなプログラム可能デジタル処理回路網は、格納されたコンピュータプログラム命令の実行に基づいて、本明細書において提示される処理方法を実行するように特に構成されることが理解されるだろう。すなわち、画像プロセッサ14及び制御プロセッサ16は、示されるメモリ20、あるいは画像プロセッサ14及び/又は制御プロセッサ16がアクセスできる別のコンピュータ可読媒体に保持された1つ以上の格納されたコンピュータプログラムの実行に基づく特定の機械、すなわち個別化処理回路として構成される。
【0023】
構成の一例として、図面は、機械警備センサ又は他の3Dボリューム監視センサとしての動作等の装置10のトップレベルの機能性を備えるトップレベル又は「ノーマル」アプリケーション22を示す。示される「学習モード」アプリケーション24は、トップレベルプログラム22のサブセット又は付属物であってもよい。構成の本例において、学習モードアプリケーション24は、装置10の初期セットアップ又は再構成のために呼び出される。メモリ20は、機械警備又は他の3Dボリューム監視設備における装置10の動作に関連する監視される背景等に対する学習したレンジ情報等の他のデータを保持することが理解されるだろう。この点において、メモリ20は2つ以上のメモリ回路及び/又は2種類以上のメモリを備える場合がある。例えばメモリ20は、RAM及びROM又はEPROM(又はEEPROM、又はFLASH)を含む。尚、画像プロセッサ14及び制御プロセッサ16は、作業データ及び/又はプログラムを格納するためのワンチップメモリを含む場合がある。
【0024】
装置10の実施形態における更なる詳細によると、制御プロセッサ16は、取り込み制御器30、境界データマネージャ32、3D画像データ評価器34及び誘導データ生成器36を含む。尚、これらの回路は、制御プロセッサ16によるコンピュータプログラム命令の実行を介して機能要素としてプログラムで実現されてもよい。当然、これらの回路の一部又は全ては専用回路網で実現されてもよく、あるいは専用回路網及びソフトウェア回路網の何らかの組み合わせで実現されてもよい。更に、画像プロセッサ14により実行される画像関連処理の一部と制御プロセッサ16により実行される画像関連処理の一部とは重複する場合があり、画像プロセッサ14により実現される特定の画像処理は使用される撮像システムの構成に依存することが理解されるだろう。多視点撮像システム12が立体カメラ、すなわち重複する視野を有する2つ以上のカメラを使用するシステムである場合、マシンビジョン及び3Dレンジを抽出するための既知の立体撮像アルゴリズムが装置10により使用される。
【0025】
示される装置10は、USBインタフェース等のPCインタフェース42、キーパッド/タッチスクリーン44、ディスプレイ及び/又は視覚表示器の集合46、並びにテクスチャツール48のうちのいずれか1つ以上を含む入出力(I/O)回路網40を更に含む。テクスチャツール48は、多視点撮像システム12及び装置10の関連する画像プロセッサ14による3Dレンジ/特徴を抽出するための十分な自然テクスチャを有さない表面上に「合成テクスチャ」を投影するように構成された光源である。
【0026】
従って、少なくとも1つの実施形態において、装置10は、多視点撮像システム12の多視点センサにより取り込まれた3Dシーンを評価し且つ当該3Dシーンの何らかの部分が3Dレンジを判定するための十分な自然テクスチャを有さないかを判定するように構成される。そのようなテクスチャを有さない部分が存在する場合、装置10は、自身に含まれるテクスチャツール48を起動し、視野内の低テクスチャ領域に合成テクスチャを投影する。1つの例において、テクスチャツール48は一般に視野を照明するフラッドパターンを提供し、テクスチャツール48の「照準合わせ」は通常は必要ない。別の実施形態において、テクスチャツール48はより指向性であり、装置10は、パン/チルト/ズーム制御を使用して、3D測距のための十分な自然テクスチャを有さない視野の特定の部分への合成テクスチャの投影を方向付ける。
【0027】
この点において、少なくとも1つの実施形態における装置10は、多視点センサにより提供された各視点から取り込まれた画像を表すデジタルデータセットを例えば既知の立体視処理アルゴリズムに従って評価し且つそのような画像又はそれらから得られた合成画像の何らかの部分が正確に測距されないかを判定するように構成されることが理解されるだろう。テクスチャツール48が指向性である場合、装置10は、視野内の低テクスチャ領域にテクスチャツール48を向けるために必要なパン/チルト設定を決定し、合成テクスチャが低テクスチャ領域に投影されている間に少なくとも低テクスチャ領域に対する画像データを再度取り込む。(尚、照明ビームのサイズを増加又は減少するために使用可能なテクスチャツール48の「ズーム」制御が更に存在する場合がある。)
装置10は、新しく取り込まれた画像データを評価し、必要に応じて他の低テクスチャ領域に対して処理を繰り返すか、あるいは、適切なレンジ情報が得られるか又は繰り返しの数がプログラム上の限度に到達するまで同じ低テクスチャ領域に対する処理を繰り返す。これらの動作の一部として、装置10は、テクスチャツール48により投影されている合成テクスチャの種類及び/又はパターンを変更する場合がある。
【0028】
例えば図2a〜図2cを参照する。図2aは、光の「ドット」のアレイに基づく合成テクスチャパターンを示す。ドットはランダムパターンで構成されてもよく、種々のサイズ及び照明強度のドットを含んでもよい。そのようなアレイは、例えばLEDのアレイを使用して作成されるか、あるいは所望のドットパターンを用いてプリント又は形成されたマスクを介して投影される一般的な光源を使用して作成される。図2bは、回折格子を用いて生成されるマルチスケールテクスチャパターンを含む別の合成テクスチャパターンを示す。更に、図2cは、懐中電灯等のビームを用いて生成されるような強度減衰パターンを含む更に別の考えられるパターンを示す。
【0029】
テクスチャツールの実現例は、複数の異なる方法で実現可能である。1つの可能な実現例は、シーン上に投影可能なテクスチャパターンを提供できる発光ダイオード(LED)の所望の構成から構成される。別の変形例において、変更されたパターンフィルタを前方に有するか又は有さない強力な光源(例えば、懐中電灯)がシーンのテクスチャを生成するために使用される。あるいは、強力なレーザ光源がシーンの所望のテクスチャを同様に生成できるパターン回折格子を介して透過される。更に、新規の安価なハンドヘルド投影器技術の出現により、システムは要望に応じて高解像度の動的テクスチャパターンを生成できる。投影されるテクスチャパターンのいくつかの例を図2a、図2b及び図2cに示す。
【0030】
テクスチャツール48(「テクスチャブラシ」とも呼ばれる)の特定の実現例に関係なく、ツール48は、それにより所定の表面上に投影された合成テクスチャが装置10により測定されるか、あるいは確実にセンシング若しくは検出されるような十分な強度で反射されるように、十分なエネルギーを放出する必要がある。換言すると、テクスチャツールは、テクスチャツール48により照明された領域に対する装置10により取り込まれた画像データにおいて有意な変化を生成するのに十分な強度で合成テクスチャを投影する必要がある。
【0031】
投影されるパターンは、対応する画像データセット内の画像データの局所近傍が一意のシグネチャを有することで異なるビューにわたり明確にマッチングされることを保証することにより、ビューにわたり特徴のロバスト性を有する対応関係を容易にするように設計される必要がある。多視点撮像システム12の異なる角度/ビューから得られた画像内のテクスチャパターンを互いに関連させる本機能は、テクスチャパターンが対応アルゴリズムにより採用されるマッチングウィンドウ内で繰り返さないことを必要とする。
【0032】
更に、合成テクスチャを付与したシーンの表面は装置10から種々の距離に存在するため、テクスチャパターンは複数の縮尺/解像度のテクスチャを含む必要がある。生成されるテクスチャパターンはランダムであってもよく、あるいは、テクスチャツール48の特定の実現例及び立体相関アルゴリズムに依存して構成されてもよい。
【0033】
本明細書において開示される1つ以上の実施形態の別の利点は、テクスチャツール48を装置の位置に対して較正される必要がないことである。更に、テクスチャツール48により生成されたテクスチャパターン/信号を装置10により個別に識別する必要がなく、それにより投影されたテクスチャパターンの特定の特性を装置10が事前に認識する必要もない。テクスチャツール48は、装置10の多視点撮像システム12内の複数の撮像センサ又はデバイスにより取得された同一シーンの複数のビューの間のビュー対応を容易にするシーンの更なる特徴を単に生成することにより、装置10により実現される3D視覚アルゴリズムの3D測距性能を向上する。これらの利益は、装置10により実現される特定のマシンビジョンアルゴリズムに関係なく有用である。
【0034】
合成テクスチャ58を適用する場合であっても、シーン内の3D物体又は特徴により生じる自己隠蔽の問題により、「測距可能」ではない小さい部分が視野54により表される画像シーン内に依然として存在する場合がある。そのような隠蔽の問題は、多視点三角測量撮像システムでは一般的である。簡潔に述べると、装置10から見えないシーン内に、影になる領域が存在する場合がある。同様に、装置10から遠距離に存在するシーンのいくつかの部分はテクスチャツール48から装置10に十分なエネルギーを反射できない場合があるため、視野54により表される撮像シーンの背景に対して装置10により生成される3Dレンジマップ内に間隙又は穴が生じる可能性が残る。
【0035】
特に、1つ以上の実施形態におけるテクスチャツール48は、2種類以上の合成テクスチャを提供し且つ1つのパターンから別のパターンへの手動又は自動切り替えを提供する。1つ以上の実施形態におけるテクスチャツール48は、例えば1つのドットパターンから別のドットパターンへ変更するか又は1つのマルチスケールテクスチャパターンから別のマルチスケールテクスチャパターンへ変更することにより、1種類のパターン内でもパターンの詳細を変更するように更に構成される。手動切り替えの実施形態において、テクスチャツール48は、オペレータ(ユーザ)がパターン及び/又はパターンの種類を変更できるようにする選択リング又はダイヤルを有する。テクスチャツール48が装置10の制御要素として組み込まれる場合等の自動切り替えの実施形態において、装置10はテクスチャツール48を起動し且つオプションでテクスチャツール48により投影される合成テクスチャのパターン及び/又はパターンの種類を変更するための制御信号を生成する。
【0036】
例えば取り込み制御器30は、多視点撮像システム12を直接制御するか又は撮像プロセッサ14を介して間接制御して、境界データマネージャ32により管理される関連する境界データを有する定義された監視ボリュームに関連する1つ以上の3Dシーンを取り込む。そのようなデータは、キーパッド/タッチスクリーン44を使用し且つ/又はPCインタフェース42を介してオペレータにより装置10に提供される。PCインタフェース42は、構成アプリケーションを実行するか又は装置10上で実行する構成ソフトウェアとの対話インタフェースを提供するラップトップコンピュータ又は他のPCに装置10を接続する。
【0037】
いずれの場合も、装置10は、画像プロセッサ14により出力された後処理済みデジタル画像を含む撮像データを取得する。すなわち、画像プロセッサ14は、3D画像評価器34により評価するためのデジタル画像データを生成するために、多視点撮像システム12に含まれる多視点センサからの”raw”センサデータを処理するように構成される。その場合、1つ以上の実施形態において、3D画像評価器34は、デジタル画像により表される3Dシーン内の何らかの領域が3Dレンジを正確に判定するための十分なテクスチャを有さないかを判定するように構成される。そのような十分なテクスチャを有さない領域が存在する場合、1つ以上の実施形態における誘導データ生成器36は誘導信号を生成する。装置10がテクスチャツール48を組み込み且つ制御する実施形態において、誘導信号はテクスチャツール48を起動し且つ必要に応じてそれを制御するための制御信号として理解される。
【0038】
図3は、立体又は他の種類の多視点撮像システム12を含む装置10において実現される3D撮像の1つの方法の一実施形態を示す。示される方法100は、多視点撮像システムの視野に対する多視点画像データを取り込むこと(ブロック102)と、対応する3Dレンジデータを判定するための十分なテクスチャを有さず低テクスチャ領域と見なされる視野内の領域を識別するために多視点画像データを評価すること(ブロック104)とを含む。
【0039】
1つ以上の低テクスチャ領域が識別される場合、方法100は、1つ以上の低テクスチャ領域に合成テクスチャを投影するために、テクスチャツール48を制御するか又はテクスチャツール48を制御するようにユーザを誘導するための出力データ又は信号を生成すること(ブロック106)を含む。それに対応して、方法100は、合成テクスチャを用いて照明されている間に少なくとも1つ以上の低テクスチャ領域に対する多視点画像データを取り込むこと(ブロック108)と、低テクスチャ領域の3D測距のための十分なテクスチャが提供されたかを判定し、そのようなテクスチャが提供された場合に低テクスチャ領域に対する対応する3Dレンジデータを更新すること(ブロック110)とを含む。
【0040】
方法100は、ユーザが所望の監視境界に対応するデータを装置10に入力するか又は装置10が境界情報を「学習する」等の先行動作を含む場合がある。例えば方法100は、低テクスチャ領域に対応する更新された3Dレンジデータを使用すること含む、装置10により取得された視野に対する3Dレンジデータの使用により、視野内の監視境界を構成する等の後続動作を含むように拡張される。更に、方法100は、装置10による構成された監視境界の検証を含むように拡張される。そのような態様の選択された実施形態を本明細書中で以下に詳細に説明する。
【0041】
1つ以上の他の実施形態において、装置10はテクスチャツール48を組み込まない。その代わりに、テクスチャツール48は、低テクスチャ領域に合成テクスチャを投影するためにオペレータにより使用される。この構成の一例のために図4を参照する。図4において、装置10の示される実施形態が立体カメラ50−1及び50−2を含むことがわかる。これらは、装置10に含まれる多視点撮像システム12の多視点センサとして機能することが理解されるだろう。
【0042】
立体カメラ50−1及び50−2は、低テクスチャ領域56を含む重複視野54を有する。装置10の3D画像データ評価器は、立体視野54内に含まれる3Dシーンに対する取得したデジタル画像データの処理に基づいて低テクスチャ領域56を識別する。それに対応して、誘導生成器36は、テクスチャツール48を向ける必要のある場所にオペレータを誘導するための例えば指示及び/又は視覚表示器である誘導信号を生成し、それにより、オペレータは低テクスチャ領域56に合成テクスチャ58を投影する。
【0043】
一般に、本明細書において考えられる撮像されたシーンに対する高密度3Dレンジマップを生成するためのアルゴリズムは、テクスチャツール48の使用に依存する。第1のステップとして、装置10は多視点撮像システム12を介してシーンを取り込み、例えばシーンに対するレンジデータを表す初期3Dレンジマップである初期レンジ情報を判定するために画像データを処理する。これは、多視点撮像システム12内の2つ以上のカメラにより取り込まれた2D画像内の画素に対するレンジデータを得ることとして理解される。この初期測距は、テクスチャツール48を介する合成テクスチャ56の適用を行わずに実行される。
【0044】
装置10は初期データを評価し、十分なテクスチャを有さないためレンジ情報を含まないシーン内の領域を識別する。例えば装置10は、視野54内の低テクスチャ領域56を識別する。各低テクスチャ領域56に対して、装置10は低テクスチャ領域56の1つ以上に合成テクスチャ58を投影するためにテクスチャツール48を使用するようにオペレータ又は他のユーザを誘導する。それに対応して、装置10は、テクスチャツール48により照明されるシーン内の表面から反射される光が多い場合に生じる信号飽和を回避するために、多視点撮像システム12を調節する。同様に、1つ以上の実施形態におけるアルゴリズムは、低テクスチャ領域56の処理に集中することでシーンの無関係な部分を無視することにより、シーンの動的要素(例えば、テクスチャツール48を操作するユーザ)による望ましくない干渉に対して更にロバスト性を有する(影響を受けにくくなる)。いずれの場合も、装置10は、合成テクスチャ58がシーンの物体の表面上に投影されている間にシーンのレンジ情報を更新する。更なる観察が必要である場合、装置10はユーザを更に誘導し、3Dレンジ画像が十分に高密度で有効なレンジ測定値を含む場合(あるいは、測距の試行回数が所定の限度に到達した場合)、そのような誘導を停止する。
【0045】
上記のアルゴリズムを考慮して、図5は、前述の方法100の変形又は拡張であると考えられる方法の一実施形態の一例を提供する。この場合、示される方法120は、(所望の)監視境界がユーザにより装置10に手動入力されるか又は装置10にロードされるという仮定に基づく。その場合、装置10は、境界を検証するために、視野に対する高密度レンジマップを取り込む。
【0046】
更に詳細には、方法120は、装置10により実現される動作アルゴリズムを表す。この動作アルゴリズムにおいて、低テクスチャ領域56が識別され、対応するテクスチャツールの誘導がオペレータ(ユーザ)に提供されるか又はテクスチャツール48が装置10に組み込まれる場合は装置10がテクスチャツール48を制御する。装置10は、例えば格納されたコンピュータプログラム命令を前述の制御プロセッサ16を介して実行することにより、示される論理フローチャートにより実現される処理を実行する。
【0047】
示される非限定例である方法120は、学習モードに入るか否かの判定を含む(ブロック122)。本明細書において、装置10が学習モードに入る必要があるかを反復チェックする「無限」ループを示すことによりフローチャートを簡略化する。そのような反復チェックは、通常の実行時動作の途中に実行される場合があることが理解されるだろう。例えば学習モードのチェックは、装置10が領域の監視を提供する自身のトップレベル/ノーマルアプリケーションを実行している間に実行される。当然、装置10がノーマルアプリケーションに従って動作するための適切な構成を有さない場合、装置10は自動的に学習モードに入る。あるいは、装置10は、動作の学習モードに入る必要があることを示す入力信号がI/O回路網40を介して受信されるかを監視する。これは、外部で生成された信号の読み出し又は検出、並びに/あるいは許可されたコードが装置10に入力されたかの判定を含む。
【0048】
学習モードが起動されると(ブロック122においてYES)、視野に対する境界情報が判定される(ブロック124)。このステップは、装置10が現在の視野54に対するデータの取り込みに基づいて境界情報を自動的に導出することを含んでもよく、装置10が1つ以上の構成ファイルを読み出し且つ/又はユーザ入力を受信すること含んでもよく、あるいは双方の組み合わせを含んでもよい。従って、画像データを取り込み且つ3D画像処理を実行する次のステップ(ブロック126)は、境界データを判定するステップに含まれる。
【0049】
その後、装置10は、何らかの境界領域が十分なテクスチャを含まないかを判定する(ブロック128)。本明細書において、「十分な」は、レンジ情報を判定するための画像データの正確な空間処理をサポートするのに必要なテクスチャの最低レベルを示す。装置の多視点撮像システム12の解像度及び関係する3Dアルゴリズムに依存して決定される識別可能なテクスチャのより低い限界が存在する場合があるが、当業者には即座に理解されるように、「十分なテクスチャ」の実際の意味は当面のアプリケーションに必要な信頼性及び精度のレベルに依存する。
【0050】
次に、装置10は、必要に応じて、(識別された)低テクスチャ領域56に合成テクスチャを投影するためにテクスチャツール48を制御するか又はテクスチャツール48を制御するようにユーザを誘導し、更新された画像データを取り込む(ブロック130)。一実施形態において、ユーザを「誘導すること」は、例えばオンスクリーン命令又は他の視覚的誘導を提供することを含み、装置10は、合成テクスチャの所望の位置決めに対するユーザの実際の位置決めに関するフィードバックデータを提供する。例えば装置10は、実際の視野の画像又はその簡略図のいずれかである視野54の視覚的描写を表示させる。そのような場合、装置10は、投影された合成テクスチャ58が視野54内で現在検出されている場所を示し且つ/又は低テクスチャ領域56が視野54内で存在する場所を示す。
【0051】
次に、装置10は、十分なテクスチャが提供されたかを判定する(ブロック132)。新しい画像データが不十分である場合(ブロック134においてNO)、必要に応じて、装置10はテクスチャツール制御又は誘導ステップ(ブロック130)及び判定ステップ(ブロック132)を繰り返す。更に、ユーザがテクスチャツール48を使用して所定の時間に視野54の相対的に小さい部分しか照明できない場合があるため、装置10は更なる低テクスチャ領域56が残っているかをチェックする(ブロック136)。
【0052】
すなわち、装置10は、テクスチャツール48を使用して照明するか又はテクスチャツール48を使用して照明するようにユーザに命令する必要のある他の何らかの低テクスチャ領域56が存在するかをチェックする。そのような低テクスチャ領域56が存在する場合(ブロック136においてYES)、装置は必要に応じて誘導ステップ(ブロック130)及び判定ステップ(ブロック132)を繰り返すが、生成される誘導はそのような低テクスチャ領域56毎に更新される。更に、1つ以上の実施形態において、装置10は、境界の3D撮像/測距が徐々に完成する様子を示すために、更新された境界情報を提供又は表示するように構成される。
【0053】
すなわち、装置は、ユーザにより投影された合成テクスチャ58からの3Dレンジデータの取得に応答して表示された背景情報を十分なデータで補充することにより、低テクスチャ領域56の補充が進行中であることをユーザが確認できるようにする(この場合、「補充する」とは、低テクスチャ領域56に対する3Dレンジ情報を取得するための十分なテクスチャを装置10に提供することであると理解される)。これは、装置10が、強調表示されるか又は示される低テクスチャ領域56の相対的な場所と共に視野54の表現を表示し(又は外部表示するためにデータを提供し)且つ低テクスチャ領域56がテクスチャツール48から投影された合成テクスチャ58を使用して正常に測距される際に表示情報を更新することにより実行可能である。
【0054】
照明を必要とする低テクスチャ領域56がそれ以上存在しない場合(ブロック136においてNO)、方法120において、次に装置10は構成された境界を検証する(ブロック138)。境界検証処理の例を本明細書中で以下に更に詳細に説明する。
【0055】
上記の処理において、ブロック134により表される評価に対して画像データが「十分」ではないと判定することは、低テクスチャ領域56と識別された領域の1つ以上に対して不十分なテクスチャがテクスチャツール48を使用するユーザにより提供されたと装置10が判定することを含む。尚、装置10は、領域が装置10により正常に測距されるまで、あるいは何らかの構成された試行数の限度の下で、所定の低テクスチャ領域56上に合成テクスチャ58を投影するようにユーザを繰り返し誘導するように構成可能である。更に、試行を繰り返す必要がある場合、装置10はテクスチャの投影角度を変更し且つ/又は投影される合成テクスチャ58を変更するようにユーザを誘導する(テクスチャツール48によりユーザはそのような変更を行えると仮定する)。
【0056】
一実施形態において、ユーザがPCツールを使用して境界情報を最初に入力し、その後、装置10が指定された境界に対する3D/レンジ情報を取り込み、必要に応じてテクスチャを追加するようにユーザを誘導する。あるいは、装置10は、(初期)3D/レンジ情報の取り込み及び検出された低テクスチャ領域の識別に基づき、境界定義ステップを実行又はサポートする。
【0057】
低テクスチャ領域56の判定に関して、1つ以上の実施形態において、装置10は、例えば個々のカメラからの2D画像である2D画像を解析して画像データ(例えば、画素データ)の近傍におけるコントラストの変動が少ない領域を検出することにより、現在の視野内の低テクスチャ領域56を識別する。場所(x,y)におけるテクスチャに対するアドホック尺度の一例は以下のように定義可能である。
【数1】
式中、L(x,y)は2D画像における画素の場所(x,y)の絶対強度値を示し、Thは閾値に等しい。
【0058】
上記の式は、所定の点(x,y)の周囲の7×7近傍を評価して、当該領域における局所テクスチャ尺度を計算する。内項|L(x−i,y−j)−L(x,y)|は、参照画素(x,y)の強度に対する近傍画素(x−i,y−j)の強度の絶対差分を測定する。上記の式において定義される尺度は、中央(参照)画素から十分に異なる(すなわち、絶対強度差分が閾値Thを上回る)画素の数に等しい。これらの十分に異なる画素の数が近傍内に多いほど、良好なテクスチャ尺度を示す。同様に、この尺度の値が小さい領域は「テクスチャレス」であると考えられる。
【0059】
更に、装置10は、検出された「テクスチャレス」領域を検査するために、所定のレンジ画像における対応する領域を解析する。従って、テクスチャレス領域は有効な3D測定値を計算できる十分な画像特徴を有さないと理解可能である。上述のように、少なくとも1つの実施形態において、装置10はテクスチャツール48を含み、必要に応じてテクスチャを自動で追加するためにテクスチャツール48を制御するように構成される。少なくとも1つのそのような実施形態において、装置10は、例えば学習モードで選択可能に起動するテクスチャツール48を組み込む。1つ以上の他の実施形態において、学習モードアプリケーション24を実行することにより、装置10は視野54から画像データを取り込み、当該データの3D解析を実行し、正確な3D撮像のための十分なテクスチャを有さない視野54内の領域を識別する。従って、学習モードアプリケーション24の実行に従って、装置10は、通常はインストーラ又は他の許可された人物であるユーザと対話し、識別された低テクスチャ領域56に合成テクスチャ58を投影するためにハンドヘルド投影器等のテクスチャツール48を使用するようにユーザに命令する。
【0060】
一実施形態において、装置10は、当該処理の一部として接続PC(例えば、ラップトップコンピュータ)と通信する。例えば接続PCは、接続装置10との間でデータを転送するように構成されたスタンドアロンプログラムであってもよく、あるいは装置10により提供又はサポートされるブラウザプログラム又は他のアプレットであってもよいプログラムを実行する。
【0061】
いずれの場合も、装置10は接続PCに情報を転送し、正確な3D撮像及び対応する測距のための十分なテクスチャを有さない視野54内の領域を識別する。1つの例として、装置10は、低テクスチャ領域56を強調表示した視野/背景データを転送する。この表示は、ユーザがテクスチャツール48を使用して低テクスチャ領域56に合成テクスチャ58を投影すると自動更新される(例えば、リアルタイム又はほぼリアルタイムに)。それに加えて又はその代わりに、装置10のI/O回路網40は、キーパッド及びディスプレイ等の1つ以上のユーザインタフェース要素を含む(尚、表示機能及び入力機能の双方を提供するためにタッチスクリーンが使用されてもよい)。図1に示すようなキーパッド/タッチスクリーン44並びにディスプレイ/視覚表示器46等のこれらのインタフェース要素は、接続PCを置き換えるか又は補足する。
【0062】
従って、1つ以上の実施形態において、装置10は、投影された合成テクスチャ58を自動的に検出し、必要な画像解析を実行し、十分な背景測距精度が達成されたかを判定し、背景データの当該部分を更新するためにPC(又は自身のディスプレイ)に情報を送出する。このように、ユーザは、合成テクスチャ58の追加を依然として必要とする背景領域を通知される。尚、ディスプレイは、そのような不十分なテクスチャが検出される上記背景領域若しくは領域56を強調表示し且つ必要に応じて合成テクスチャ58を位置決めするための矢印又は他の誘導を提供し、取り込みが実行中である時を示すこと等により、ユーザによる合成テクスチャ58の投影を誘導するために使用可能である。
【0063】
従って、1つ以上の実施形態において、装置10は立体監視システムの一種であり、立体監視システムで使用される監視境界を検証する方法を提供する。そのような実施形態における装置10は、装置が自身の視野(FOV)に入り込む物体の位置を判定するために多視点対応アルゴリズムを使用できるように構成された2つ以上の撮像デバイス(例えば、カメラ50)を使用する。装置10は、FOVに入り込む物体の位置と事前に定義された監視境界とを比較し且つ検出された物体が事前に定義された監視境界の内側に存在するか否かを判定するように構成される。尚、第1の境界又は警告境界、並びにより近い侵入境界等の複数の境界が構成される場合がある。
【0064】
一般に、事前に定義された監視境界は、シーン内の静止物体、表面又は構造と重なり合わない(又はそれらの影にならない)ように構成される。しかし、影響を受ける領域が十分な画像コントラストを有さないため、装置10がシーン内の静止物体、表面又は構造の位置を測定できない場合がある。従って、1つ以上の実施形態において、装置10は監視境界が構成される境界構成ステップ及び検証ステップを提供する。
【0065】
検証ステップにおいて、装置10は、初期画像データが3Dレンジ情報を計算するための十分なテクスチャ情報を有さないシーン内の領域を識別する。装置10は、テクスチャツール48を使用して、当該領域内の表面に合成テクスチャを投影することによりそれらの低テクスチャ領域を人工的に照明する。その場合、合成テクスチャは、低テクスチャ領域に対して装置10により有効な奥行き測定値を生成するための十分な変動を有する種々の光強度のパターンを含む。尚、装置10はテクスチャツール48を直接制御してもよい。あるいは、オペレータがテクスチャツール48を制御してもよく、その場合、装置10は、合成テクスチャを投影するためにテクスチャツール48を向けるべき場所をユーザに対して示す誘導/指示信号を生成することにより、そのような使用を「誘導」する。
【0066】
装置10は、投影された合成テクスチャを追加することにより得られたレンジデータを使用して判定又は更新された奥行きマップを使用して、以前に検出されなかった表面の位置と所望の境界表面とを比較する。尚、合成テクスチャは不規則パターンの形態の投影光であり、1つ以上の実施形態における装置10はユーザによるテクスチャツール48の使用を誘導するためにユーザと対話するように構成される。いくつかの例において、装置10は、合成テクスチャを必要とせずにシーン全体に対する3Dレンジデータを計算できる。他の例において、十分な自然テクスチャを有さない複数の領域が存在する場合がある。
【0067】
しかし、装置10が定義された3Dボリュームを監視するマシンビジョンシステムとして使用されることが理解されるだろう。装置10の非限定適用例は監視、セキュリティ又は機械警備のための使用を含み、その場合、システムの目的は定義された3Dボリュームに侵入する物体を検出することである。そのようなボリュームは、通常、装置10の初期構成及びセットアップ中にオペレータにより判定されるプログラム境界により定義される。この点において、本明細書における教示は、装置10が十分な精度及び/又は十分な密度の3Dレンジ情報を判定するための十分な自然テクスチャを境界領域の1つ以上の部分が有さない場合に、そのような境界の信頼性の高い構成において大きな利点を提供する。この場合、「十分な密度」の1つの例は、3Dレンジデータが、多視点画像の所定の小領域内に規則的に分布されたレンジポイントの何らかの定義された最小数に対して計算可能であることを必要とする。
【0068】
いずれの場合も、本明細書中の少なくとも1つの実施形態に対して考えられる装置10は、境界設定処理を簡略化し、監視されているシーンの高密度レンジマップを都合よく学習することにより、所定のアプリケーションに対する境界の安全性の検証を容易にする。その際、装置10は、完全な3Dレンジ情報を得るために、必要に応じて合成テクスチャ58を投影するためにテクスチャツール48を戦略的に使用するか又はその使用を誘導することにより、境界の学習を容易にするという利点を有する。
【0069】
機械警備及び領域監視の分野におけるアプリケーションでは、初期セットアップ中に完全な3Dシーンレンジマップを学習する必要がある。これは、3D世界座標系に対する保護/監視境界を定義するためにユーザにより最終的に使用される(例えば、構成ツールを使用して)。同一の3Dシーンレンジマップは、投影された影の検証と共に、3Dレンジマップの評価及びシーン内のテクスチャを十分に有さないか又は部分的に有する物体の識別に基づいて、選択された保護/監視境界を検証するために装置10により更に使用可能である。
【0070】
そのようなアプリケーションにおいて、装置10は最初にシーンを解析し、十分なテクスチャを含むシーンの場所で有効なレンジ測定値を得る。その後、装置10は、使用可能なレンジ情報を生成するための十分なテクスチャを有さないシーン内の領域を自動的に識別する。装置10は、テクスチャツール48を使用して識別された低テクスチャ領域にテクスチャを「追加」するようにユーザに命令する。
【0071】
そのように命令されると、ユーザはテクスチャツール48を使用して、閲覧シーンの十分なテクスチャを有さない部分に光パターンを投影する。ユーザは、単にテクスチャツール48を使用してシーンの方向に向けることにより、投影パターンを物理的表面に放ってシーン内にテクスチャを効果的に「ペイントする」。それに対応して、装置10は、シーンのテクスチャ不足部分に対する有効なレンジデータを生成するために、当技術において既知であるような何らかの1つ以上の対応及び三角測量アルゴリズムにより、この「合成」テクスチャを解析する。それにより、装置10により実現される処理はシーンのより完全な3Dレンジマップを生成する。
【0072】
一例として、ユーザはPCツールを使用して境界情報を最初に入力し、その後、センサは背景に対する3D/レンジ情報を取り込み、必要に応じてテクスチャを追加するようにユーザを誘導する。あるいは、センサは、(初期)3D/レンジ情報の取り込み及び検出された低テクスチャ領域の識別に基づく境界定義ステップを実行又はサポートする。
【0073】
テクスチャツール48の1つの種類は、FOV全体に対する高密度テクスチャ投影を提供する。この種類のツールは、装置のFOV全体を「ペイントする」という利点を有し、必ずしも特定の低テクスチャ領域に移動されるか又は向けられる必要はない。より安価であり且つ必要とする電力の少ない別の種類のテクスチャツール48は、装置10のFOVより狭いFOVを有する。すなわち、このテクスチャツール48は装置10のFOV全体を同時に照明しないため、装置10のより広いFOV内の特定の低テクスチャ領域にテクスチャを提供するための照準合わせを必要とする。そのため、テクスチャツール48は例えばパン/チルト/ズーム制御される移動可能な光源であり、装置10により誘導されるユーザにより照準を合わせられるか、あるいは装置10により自動的に移動される。尚、テクスチャツール48はテクスチャ投影のために可視光又は赤外線光を使用する場合がある。
【0074】
図6は、直前に上述した処理又はその変形例を実行するために装置10により実現されるアルゴリズムの一実施形態に対する論理フローチャートの別の例を示す。本明細書において、示される方法140は、装置10がシーンの高密度レンジマップを取り込んだ後に例えば監視境界を定義するために取り込んだ情報を使用する1つ以上の実施形態において装置10により実行される処理を示す。従って、そのような処理は「自動的に」境界を学習する一実施形態と見なされる。例えば処理は、装置10を「学習」又は「構成」モードにすることにより始動又は開始される。1つの例として、装置10は、ユーザによる許可されたラップトップコンピュータと装置10との接続、装置10のユーザインタフェースへの事前に定義されたコードの入力、装置10への定義された制御信号の適用、あるいはそのような動作の何らかの組み合わせの実行に応答して、構成モードに入る。
【0075】
いずれの場合も、方法140における動作アルゴリズムの実施形態は方法100の拡張又は変形と見なされ、装置10が視野に対する初期背景レンジマップを取り込むか又は得ることから開始する(ブロック142)。初期背景レンジマップは、例えば、装置10が取り込んだ多視点画像データから装置10が視野に対して計算できる3Dレンジデータセットを含む。
【0076】
方法140において、次に装置10は低テクスチャ領域56の存在に対して初期背景レンジマップを評価する(ブロック144)。1つ以上の低テクスチャ領域56が識別される場合(ブロック146においてYES)、方法140において、次に装置10は、識別された低テクスチャ領域56の1つ以上に合成テクスチャ58を投影するために、テクスチャツール48を制御するか又はテクスチャツール48を制御するようにユーザを誘導する(ブロック148)。(これは、そのような低テクスチャ領域56の全てが照明されるように、テクスチャツール48が視野の塗りつぶしを提供することであってもよい。)
方法140において、次に装置10は、合成テクスチャ58が存在する間に、通常は視野全体に対してであるが少なくとも低テクスチャ領域56の1つ以上に対して新しい画像データを取得し、低テクスチャ領域56の1つ以上に対する3Dレンジデータを判定するか又は少なくとも判定を試み、投影された合成テクスチャ58により十分に高密度の3Dレンジデータが提供された低テクスチャ領域56に対する初期背景レンジマップを更新する(ステップ150)。例えば十分に高密度の3Dレンジデータがブロック144で識別された低テクスチャ領域56の全てに対して取得されなかった場合、ブロック148及び150は繰り返される(ブロック152においてYES)。しかし、そのような繰り返しは、例えば全体に対して定義された試行数及び/又は識別された低テクスチャ領域56毎に定義された試行数に限定されてもよい。上述のように、装置によるテクスチャツール48の制御又はテクスチャツール48の制御に関するユーザの誘導は、繰り返される処理ブロックにわたり変化してもよい。例えば、テクスチャツール48は各繰り返しにおいて異なる低テクスチャ領域56に向けられてもよく、ユーザはそのようにテクスチャツール48を向けるように誘導されてもよく、あるいは、ユーザは繰り返し間で異なるテクスチャパターン又は強度を使用するか又はテクスチャツール48の照準視野を変更するように指示されてもよい。
【0077】
装置10が視野における背景を学習すると、すなわち、十分に高密度の3Dレンジデータが視野全体にわたる背景に対して取得されると、方法140において、次に装置10は学習した背景に対する監視境界を定義するか又は得る(ブロック154)。更に、方法140において、次に装置10は、ユーザが学習された境界の何らかの面を変更したい場合は、学習された境界を閲覧し(あるいは、境界を表すデータを閲覧し)且つ学習された境界を変更する機会をユーザに提供する(ブロック156)。そのような変更が行われると、方法140において、次に装置10は監視境界の有効性を検証する(ブロック158)。
【0078】
例えば前述のように、装置10は視野の投影特性を検証する。例えば、装置10の視野内の物体を示す図7を参照する。更に詳細には、物体は、学習された監視境界62により境界付けられる監視ゾーン60内に存在する。物体が装置10の視野の一部を望ましくなく「影にする」ことにより、無効な境界を有する影になる領域を作成することがわかる。検証ステップは、測定された3Dレンジデータと構成された境界の位置とを比較することにより、そのような無効な境界を判定できる。投影座標(例えば、装置10の多視点撮像システム12を中心とする球面座標)において、構成された境界が全ての場所で背景表面に対応する測定された3Dレンジポイントより装置10に近接する場合、この境界は有効である。換言すると、構成された境界は、センサの視点から見た場合に学習された背景表面の背後になってはならない。
【0079】
特に、開示された発明の変形及び他の実施形態は、上述の説明及び関連する図面において提示された教示の利益を有する当業者により着想されるだろう。従って、本発明は開示された特定の実施形態に限定されるべきではなく且つ変形及び他の実施形態は本開示の範囲に含まれることを意図することが理解されるべきである。特定の用語が本明細書中で採用されるが、それらは包括的であり且つ説明するために使用されており、限定する目的で使用されない。
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5
図6
図7