特許第5655136号(P5655136)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5655136-電界放出用の蛍光材料及びその調製方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5655136
(24)【登録日】2014年11月28日
(45)【発行日】2015年1月14日
(54)【発明の名称】電界放出用の蛍光材料及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 11/08 20060101AFI20141218BHJP
   C09K 11/64 20060101ALI20141218BHJP
   C09K 11/78 20060101ALI20141218BHJP
【FI】
   C09K11/08 B
   C09K11/08 J
   C09K11/64CPB
   C09K11/78CPB
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-511499(P2013-511499)
(86)(22)【出願日】2010年5月25日
(65)【公表番号】特表2013-530268(P2013-530268A)
(43)【公表日】2013年7月25日
(86)【国際出願番号】CN2010073239
(87)【国際公開番号】WO2011147083
(87)【国際公開日】20111201
【審査請求日】2013年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】511215230
【氏名又は名称】オーシャンズ キング ライティング サイエンスアンドテクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ミンジェ
(72)【発明者】
【氏名】ワン イェウェン
(72)【発明者】
【氏名】ル ティン
(72)【発明者】
【氏名】マ ウェンボ
【審査官】 馬籠 朋広
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−086877(JP,A)
【文献】 特開平04−089888(JP,A)
【文献】 特開平03−026781(JP,A)
【文献】 特開昭54−106085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 11/00−11/89
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界放出用の蛍光材料の調製方法において、
Zn1−xAlO、xの取る値の範囲が0<x≦0.05である、を調製するステップ1と、
酸化イットリウムまたはシュウ酸イットリウムと、希土元素ユロピウムまたはテルビウムの酸化物またはシュウ酸塩と、を秤量し、その後研磨して混合物を形成するステップ2と、
ステップ1におけるZn1−xAlOとステップ2における混合物とを混合し、その後撹拌、乾燥してZn1−xAlO、酸化イットリウムまたはシュウ酸イットリウム、及び希土元素ユロピウムまたはテルビウムの酸化物またはシュウ酸塩からなる混合物を得るステップ3と、
ステップ3における混合物を焼成処理した後、Zn1−xAlO、酸化イットリウム・ユロピウムまたは酸化イットリウム・テルビウムからなる混合物、すなわち前記電界放出用の蛍光材料を得るステップ4と、を含む、ことを特徴とする電界放出用の蛍光材料の調製方法。
【請求項2】
前記ステップ1において、ゾルゲル法でZn1−xAlOを調製し、具体的は、亜鉛塩及びアルミ塩原料を取って、溶剤メチルセロソルブまたはエタノール溶液で容器に直接溶解し、さらに安定剤モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのうちの1種を加え、調製されたZn1−xAlOの濃度が0.05mol/L〜0.70mol/Lであり、40℃〜70℃の水浴で4時間〜6時間撹拌して、澄明な前駆体溶液を得、さらに60℃加熱乾燥箱内に56時間〜90時間熟成し、前記Zn1−xAlOを得るステップを含む、ことを特徴とする請求項に記載の電界放出用の蛍光材料の調製方法。
【請求項3】
ステップ2から得られた混合物において、希土元素イットリウムと希土元素ユロピウムまたはテルビウムとのモル比が99.9:0.1〜92:8であり、前記混合物はメノウ乳鉢において5分間〜120分間研磨する、ことを特徴とする請求項に記載の電界放出用の蛍光材料の調製方法。
【請求項4】
ステップ3において、グラム当たりの、ステップ2における混合物に添加されるZn1−xAlOが0.15mL〜1mLであり、Zn1−xAlOの、酸化イットリウム・ユロピウムまたは酸化イットリウム・テルビウムに占める質量百分率を0.1%〜30%にし、且つ15℃〜70℃の水浴に入れて5分間〜10時間磁力撹拌または手動撹拌し、その後40℃〜80℃の加熱乾燥箱に入れ、5時間〜30時間乾燥する、ことを特徴とする請求項に記載の調製方法。
【請求項5】
ステップ4において、ステップ3から最終に形成された混合物をコランダム坩堝に加え、空気雰囲気または還元雰囲気に置いて、700℃〜1400℃で0.5時間〜8時間処理する、ことを特徴とする請求項に記載の電界放出用の蛍光材料の調製方法。
【請求項6】
前記還元雰囲気が水素ガスと窒素ガスとの混合気体または炭素粉末により形成された還元雰囲気である、ことを特徴とする請求項に記載の電界放出用の蛍光材料の調製方法。
【請求項7】
水素ガスと窒素ガスとの体積比が5:95である、ことを特徴とする請求項に記載の電界放出用の蛍光材料の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光電子及び照明技術分野に関し、具体的には電界放出発光素子に応用できる蛍光材料及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電界放出ディスプレイ(FED)は、新しく開発された平面パネル型ディスプレーであり、その稼動原理が従来の陰極線管(CRT)と類似で、電子線が表示画面における蛍光粉を衝撃することによって画像を形成させる。その異なる処はCRTが陰極を加熱して熱電子を発生し、且つ電磁場によって電子偏角を制御し、蛍光スクリーンにおいてスキャンしてアドレスを探すが、FEDの電子放出方法は巨視的では平面状であり、電子の前に直接向けて射出するから対応する画素が発光するまで、偏向コイルの必要がなく且つ稼動電圧が低く、非常に薄いFEDパネルディスプレイ(FPD)に調製されることができる。その他のFPDと比べ、FEDは明度、視角、応答時間、稼動温度範囲、及びエネルギー消耗などの点において共に潜在的な利点を有し、一方、優良性能のFEDを調製することの重要な要因の1つは蛍光粉の調製である。
【0003】
FED用の蛍光材料は一般的に無機粉末であり、導電性が比較的悪く、電子線のビーム電流の密度が高い時に蛍光粉の表面に電子の富化が発生しやすく、電子の富化はFED陰極−蛍光粉の間の電圧を降下させ、電子線のエネルギーが下げられ、それによって、蛍光粉の発光性が低下するため、蛍光粉の導電性を向上することは蛍光粉の発光性の向上に有利である。そのため、如何にして蛍光粉の導電性を向上することは、これまでから、材料化学及び材料物理学の分野における発光材料研究の重要な内容になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的な課題はプロセスが簡単で、実験条件に対する要求が高くなく、及び蛍光粉の導電性を増強できる電界放出用の蛍光粉材料及びその調製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的な課題を解決する技術的な手段は、電界放出用の蛍光材料を提供し、前記蛍光材料がZn1−xAlO、酸化イットリウム・ユロピウムまたは酸化イットリウム・テルビウムからの混合物、式中、xの取る値の範囲が0<x≦0.05である。本発明の蛍光粉材料において、前記Zn1−xAlOの、酸化イットリウム・ユロピウムまたは酸化イットリウム・テルビウムに占める質量百分率が0.1%〜30%であり、前記希土元素イットリウムと希土元素ユロピウムまたはテルビウムとのモル比が99.9:0.1〜92:8である。
【0006】
また、電界放出用の蛍光材料の調製方法であって、
Zn1−xAlO、xの取る値の範囲が0<x≦0.05である、を調製するステップ1と、
酸化イットリウムまたはシュウ酸イットリウムと、希土元素ユロピウムまたはテルビウムの酸化物またはシュウ酸塩と、を秤量し、その後研磨して混合物を形成するステップ2と、
ステップ1におけるZn1−xAlOとステップ2における混合物とを混合し、その後撹拌、乾燥してZn1−xAlO、酸化イットリウムまたはシュウ酸イットリウム、及び希土元素ユロピウムまたはテルビウムの酸化物またはシュウ酸塩からなる混合物を得るステップ3と、
ステップ3からの混合物を焼成処理した後、Zn1−xAlO、酸化イットリウム・ユロピウムまたは酸化イットリウム・テルビウムからなる混合物、すなわち前記電界放出用の蛍光材料を得るステップ4と、を含む。
【0007】
本発明の方法において、ステップ1には、ゾルゲル法でZn1−xAlOを調製し、具体的は、亜鉛塩及びアルミ塩原料を取って、溶剤メチルセロソルブまたはエタノール溶液で容器に直接溶解し、さらに安定剤モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのうちの1種を加え、調製されたZn1−xAlOの濃度が0.05mol/L〜0.70mol/Lであり、40℃〜70℃の水浴で4時間〜6時間撹拌して、澄明な前駆体溶液を得、さらに60℃加熱乾燥箱内に56時間〜90時間熟成し、前記Zn1−xAlOを得るステップを含む。
【0008】
本発明の方法において、ステップ2から得られた混合物において、希土元素イットリウムと希土元素ユロピウムまたはテルビウムとのモル比が99.9:0.1〜92:8であり、前記混合物はメノウ乳鉢において5分間〜120分間研磨する。
【0009】
本発明の方法において、ステップ3には、グラム当たりの、ステップ2における混合物に添加されるZn1−xAlOが0.15mL〜1mLであり、Zn1−xAlOの、酸化イットリウム・ユロピウムまたは酸化イットリウム・テルビウムに占める質量百分率を0.1%〜30%にし、且つ15℃〜70℃の水浴に入れて5分間〜10時間磁力撹拌または手動撹拌し、その後40℃〜80℃の加熱乾燥箱に入れ、5時間〜30時間乾燥する。
【0010】
本発明の方法において、ステップ4には、ステップ3から最終に形成された混合物をコランダム坩堝に加え、空気雰囲気または還元雰囲気に置いて、700℃〜1400℃で0.5時間〜8時間処理する。
【0011】
本発明の方法において、前記還元雰囲気が水素ガスと窒素ガスとの混合気体または炭素粉末により形成された還元雰囲気であり、水素ガスと窒素ガスとの体積比が5:95である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は蛍光粉に導電物質Zn1−xAlOを導入することによって、蛍光粉の表面に密集していた電子を有効に導出されることができ、調製された酸化イットリウム・ユロピウムまたは酸化イットリウム・テルビウム蛍光粉の陰極線励起下での発光明度を向上させる。また、本発明の方法は調製プロセスが簡単で、設備に対する要求が低く、調製周期が低いなどの長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下、図面及び実施例に合わせて本発明に対してさらに説明する。
図1図1は、本発明にかかる電界発射用の蛍光材料の調製方法のフローシートである。
図2図2は、陰極線励起のスペクトル図であり、曲線1が実施例3により調製されたサンプルのスペクトル図、曲線2がZn1−xAlO未添加のサンプルのスペクトル図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の目的、技術的解決手段及び長所をより明確にするため、以下、図面及び実施例に合わせて、本発明に対してさらに詳細に説明する。理解すべきなのは、ここで説明する具体的な実施例は本発明を解釈するために用いられるのみであり、本発明を限定することではない。
【0015】
本発明は電界放出用の蛍光材料を提供し、前記蛍光材料がZn1−xAlO、酸化イットリウム・ユロピウムまたは酸化イットリウム・テルビウムからの混合物、式中、xの取る値の範囲が0<x≦0.05である。本発明の蛍光粉材料において、前記Zn1−xAlOの、酸化イットリウム・ユロピウムまたは酸化イットリウム・テルビウムに占める質量百分率が0.1%〜30%であり、前記希土元素イットリウムと希土元素ユロピウムまたはテルビウムとのモル比が99.9:0.1〜92:8である。
【0016】
図1を参照し、図1は本発明の調製方法のフローシートを示し、該調製方法は、
Zn1−xAlO、xの取る値の範囲が0<x≦0.05である、を調製するステップS01と、
酸化イットリウムまたはシュウ酸イットリウムと、希土元素ユロピウムまたはテルビウムの酸化物またはシュウ酸塩と、を秤量し、その後研磨して混合物を形成するステップS02と、
ステップS01におけるZn1−xAlOとステップS02における混合物とを混合し、その後撹拌、乾燥してZn1−xAlO、酸化イットリウムまたはシュウ酸イットリウム、及び希土元素ユロピウムまたはテルビウムの酸化物またはシュウ酸塩からなる混合物を得るステップS03と、
ステップS03からの混合物を焼成処理した後、Zn1−xAlO、酸化イットリウム・ユロピウムまたは酸化イットリウム・テルビウムからなる混合物、すなわち前記電界放出用の蛍光材料を得るステップS04と、を含む。
【0017】
本発明の方法において、ステップS01には、ゾルゲル法でZn1−xAlOを調製し、具体的は、亜鉛塩及びアルミ塩原料を取って、溶剤メチルセロソルブまたはエタノール溶液で容器に直接溶解し、さらに安定剤モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのうちの1種を加え、調製されたZn1−xAlOの濃度が0.05mol/L〜0.70mol/Lであり、40℃〜70℃の水浴で4時間〜6時間撹拌して、澄明な前駆体溶液を得る。さらに60℃加熱乾燥箱内に56時間〜90時間熟成し、前記Zn1−xAlOを得るステップを含む。
【0018】
本発明の方法において、ステップS02から得られた混合物において、希土元素イットリウムと希土元素ユロピウムまたはテルビウムとのモル比が99.9:0.1〜92:8であり、前記混合物はメノウ乳鉢において5分間〜120分間研磨する。ステップS03には、グラム当たりの、ステップS02における混合物に添加されるZn1−xAlOが0.15mL〜1mLであり、Zn1−xAlOの、酸化イットリウム・ユロピウムまたは酸化イットリウム・テルビウムに占める質量百分率を0.1%〜30%にし、且つ15℃〜70℃の水浴に入れて5分間〜10時間磁力撹拌または手動撹拌し、その後40℃〜80℃の加熱乾燥箱に入れ、5時間〜30時間乾燥し、Zn1−xAlO、酸化イットリウムまたはシュウ酸イットリウム、及び希土元素ユロピウムまたはテルビウムの酸化物またはシュウ酸塩からの混合物を得る。ステップS04には、ステップS03から最終に形成された混合物をコランダム坩堝に加え、空気雰囲気または還元雰囲気に置いて、700℃〜1400℃で0.5時間〜8時間処理する。前記還元雰囲気が体積比5:95の、水素ガスと窒素ガスとの混合気体または炭素粉末により形成された還元雰囲気であってもよい。
【0019】
本発明は、蛍光粉に導電物質Zn1−xAlOを導入することによって、蛍光粉の表面に密集していた電子を有効に導出されることができ、調製された酸化イットリウム・ユロピウムまたは酸化イットリウム・テルビウム蛍光粉の陰極線励起下での発光明度を向上させる。また、本発明の方法は調製プロセスが簡単で、設備に対する要求が低く、調製周期が低いなどの長所を有する。
【0020】
以下、複数の実施例を通じて例を挙げて、本発明の電界放出用の蛍光材料の異なる調製方法及びその他の特徴などを説明する。
【0021】
実施例1
室温下で、2.9452gZn(NO)・6HO、0.0241g AlCl・6HO及び0.6mLCNOを精確に量って容器に入れ、その後総容積が50mlになるようにメチルセロソルブを加え、溶解して、0.20mol/Lの亜鉛・アルミ混合溶液を得、且つ50℃の水浴条件下で5時間撹拌して、澄明な前駆体溶液を得、さらに60℃の加熱乾燥箱に置いて56時間熟成し、Zn0.99Al0.01Oコロイドを得る。
【0022】
酸化イットリウム2.1226g、酸化ユロピウム0.2112gを秤量し、メノウ乳鉢において50分間研磨して、イットリウム・ユロピウム酸化物の混合物を得る。0.40mLZn0.99Al0.01Oコロイド及び2gイットリウム・ユロピウム酸化物の混合物を取って、30分間手動撹拌した後60℃の加熱乾燥箱に置いて10時間乾燥して、Zn0.99Al0.01Oコロイド及びイットリウム・ユロピウム酸化物の混合物を得る。前記混合物をコランダム坩堝に入れ、空気雰囲気において900℃で3時間処理した後、Zn0.99Al0.01O及び酸化イットリウム・ユロピウムの混合物、すなわち電界放出用の蛍光材料を得る。
【0023】
実施例2
室温下で、2.4810g ZnCl・2HO、0.1448gAlCl・6HO及び1.5mL C11NOを精確に量って容器に入れ、その後総容積が50mlになるように体積比が3:1であるエタノールと水との混合溶液を加え、溶解して、0.30mol/Lの亜鉛・アルミ混合溶液を得、且つ60℃の水浴条件下で6時間撹拌して、澄明な前駆体溶液を得、さらに60℃の加熱乾燥箱に置いて70時間熟成し、Zn0.96Al0.04Oコロイドを得る。
【0024】
酸化イットリウム9.0234g、酸化ユロピウム0.0141gを秤量し、メノウ乳鉢において120分間研磨して、イットリウム・ユロピウム酸化物の混合物を得る。0.80mLZn0.96Al0.04Oコロイド及び2gイットリウム・ユロピウム酸化物の混合物を取って、5分間手動撹拌した後40℃の加熱乾燥箱に置いて30時間乾燥して、Zn0.96Al0.04Oコロイド及びイットリウム・ユロピウム酸化物の混合物を得る。前記混合物をコランダム坩堝に入れ、空気雰囲気において700℃で8時間処理した後、Zn0.96Al0.04O及び酸化イットリウム・ユロピウムの混合物、すなわち電界放出用の蛍光材料を得る。
【0025】
実施例3
室温下で、0.5460g Zn(CHCOO)・2HO、0.0047gAl(NO)・9HO及び0.4mLC15Nを精確に量って容器に入れ、その後総容積が50mlになるように体積比が4:1であるエタノールと水との混合溶液を加え、溶解して、0.05mol/Lの亜鉛・アルミ混合溶液を得、且つ70℃の水浴条件下で4時間撹拌して、澄明な前駆体溶液を得る。さらに60℃の加熱乾燥箱に置いて90時間熟成し、Zn0.995Al0.005Oコロイドを得る。
【0026】
酸化イットリウム2.1452g、酸化ユロピウム0.1760gを秤量し、メノウ乳鉢において80分間研磨して、イットリウム・ユロピウム酸化物の混合物を得る。0.30mLZn0.995Al0.005Oコロイド及び2gイットリウム・ユロピウム酸化物の混合物を取って、10時間磁力撹拌した後80℃の加熱乾燥箱に置いて5時間乾燥して、Zn0.995Al0.005Oコロイド及びイットリウム・ユロピウム酸化物の混合物を得る。前記混合物をコランダム坩堝に入れ、空気雰囲気において1400℃で0.5時間処理した後、Zn0.995Al0.005O及び酸化イットリウム・ユロピウムの混合物、すなわち電界放出用の蛍光材料を得る。
【0027】
図2を参照し、曲線1は実施例3により調製されたサンプルのスペクトル図で、曲線2はZn1−xAlO未添加のサンプルのスペクトル図である。図2から分かるように、500nm〜700nmの範囲内に、該実施例3により調製されたサンプルの発光強度が、Zn1−xAlO未添加のサンプルの発光強度の1.73倍である。
【0028】
実施例4
室温下で、1.0865gZn(CHCOO)・2HO、0.0188g Al(NO)・9HO及び0.4mL CNOを精確に量って容器に入れ、その後総容積が50mlになるように体積比が5:1であるエタノールと水との混合溶液を加え、溶解して、0.10mol/Lの亜鉛・アルミ混合溶液を得、且つ40℃の水浴条件下で5時間撹拌して、澄明な前駆体溶液を得る。さらに60℃の加熱乾燥箱に置いて80時間熟成し、Zn0.99Al0.01Oコロイドを得る。
【0029】
酸化イットリウム2.0775g、酸化ユロピウム0.2815gを秤量し、メノウ乳鉢において5分間研磨して、イットリウム・ユロピウム酸化物の混合物を得る。0.9mLZn0.99Al0.01Oコロイド及び2gイットリウム・ユロピウム酸化物の混合物を取って、3時間磁力撹拌した後50℃の加熱乾燥箱に置いて20時間乾燥して、Zn0.99Al0.01Oコロイド及びイットリウム・ユロピウム酸化物の混合物を得る。前記混合物をコランダム坩堝に入れ、空気雰囲気において1200℃で2時間処理した後、Zn0.99Al0.01O及び酸化イットリウム・ユロピウムの混合物、すなわち電界放出用の蛍光材料を得る。
【0030】
実施例5
室温下で、2.1292g Zn(CHCOO)・2HO、0.1125gAl(NO)・9HO及び0.6mLCNOを精確に量って容器に入れ、その後総容積が50mlになるようにメチルセロソルブを加え、溶解して、0.20mol/Lの亜鉛・アルミ混合溶液を得、且つ60℃の水浴条件下で5時間撹拌して、澄明な前駆体溶液を得る。さらに60℃の加熱乾燥箱に置いて75時間熟成し、Zn0.97Al0.03Oコロイドを得る。
【0031】
酸化イットリウム2.2129g、酸化テルビウム0.0748gを秤量し、メノウ乳鉢において30分間研磨して、イットリウム・テルビウム酸化物の混合物を得る。2mLZn0.97Al0.03Oコロイド及び2gイットリウム・テルビウム酸化物の混合物を取って、5時間磁力撹拌した後70℃の加熱乾燥箱に置いて20時間乾燥して、Zn0.97Al0.03Oコロイド及びイットリウム・テルビウム酸化物の混合物を得る。前記混合物をコランダム坩堝に入れ、炭素還元雰囲気において1000℃で3時間処理した後、Zn0.97Al0.03O及び酸化イットリウム・テルビウムの混合物、すなわち電界放出用の蛍光材料を得る。
【0032】
実施例6
室温下で、3.1937g Zn(CHCOO)・2HO、0.1688gAl(NO)・9HO及び0.9mLCNOを精確に量って容器に入れ、その後総容積が50mlになるようにメチルセロソルブを加え、溶解して、0.30mol/Lの亜鉛・アルミ混合溶液を得、且つ60℃の水浴条件下で4時間撹拌して、澄明な前駆体溶液を得る。さらに60℃の加熱乾燥箱に置いて65時間熟成し、Zn0.97Al0.03Oコロイドを得る。
【0033】
シュウ酸イットリウム5.6776g、シュウ酸ユロピウム0.4128gを秤量し、メノウ乳鉢において70分間研磨して、イットリウム・ユロピウムシュウ酸塩の混合物を得る。1mLZn0.97Al0.03Oコロイド及び2gイットリウム・ユロピウムのシュウ酸塩の混合物を取って、8時間磁力撹拌した後70℃の加熱乾燥箱に置いて15時間乾燥して、Zn0.97Al0.03Oコロイド及びイットリウム・ユロピウムシュウ酸塩の混合物を得る。前記混合物をコランダム坩堝に入れ、空気雰囲気において900℃で5時間処理した後、Zn0.97Al0.03O及び酸化イットリウム・ユロピウムの混合物、すなわち電界放出用の蛍光材料を得る。
【0034】
実施例7
室温下で、4.2583g Zn(CHCOO)・2HO、0.2251gAl(NO)・9HO及び2mL C11NOを精確に量って容器に入れ、その後総容積が50mlになるようにメチルセロソルブを加え、溶解して、0.40mol/Lの亜鉛・アルミ混合溶液を得、且つ60℃の水浴条件下で6時間撹拌して、澄明な前駆体溶液を得る。さらに60℃の加熱乾燥箱に置いて78時間熟成し、Zn0.97Al0.03Oコロイドを得る。
【0035】
シュウ酸イットリウム5.9192g、シュウ酸テルビウム0.1404gを秤量し、メノウ乳鉢において100分間研磨して、イットリウム・テルビウムのシュウ酸塩の混合物を得る。0.6mLZn0.97Al0.03Oコロイド及び2gイットリウム・テルビウムのシュウ酸塩の混合物を取って、8時間磁力撹拌した後70℃の加熱乾燥箱に置いて15時間乾燥して、Zn0.97Al0.03Oコロイド及びイットリウム・テルビウムシュウ酸塩の混合物を得る。前記混合物をコランダム坩堝に入れ、体積比が95:5である窒素ガスと水素ガスとの混合気体において900℃で5時間処理した後、Zn0.97Al0.03O及び酸化イットリウム・テルビウムの混合物、すなわち電界放出用の蛍光材料を得る。
【0036】
実施例8
室温下で、7.2984g Zn(CHCOO)・2HO、0.6565gAl(NO)・9HO及び2mL CNOを精確に量って容器に入れ、その後総容積が50mlになるように体積比が6:1であるエタノールと水との混合溶液を加え、溶解して、0.70mol/Lの亜鉛・アルミ混合溶液を得、且つ50℃の水浴条件下で4時間撹拌して、澄明な前駆体溶液を得る。さらに60℃の加熱乾燥箱に置いて85時間熟成し、Zn0.95Al0.05Oコロイドを得る。
【0037】
シュウ酸イットリウム5.6776g、酸化テルビウム0.0748gを秤量し、メノウ乳鉢において90分間研磨して、イットリウム・テルビウムシュウの化合物の混合物を得る。1.5mLZn0.95Al0.05Oコロイド及び2gイットリウム・テルビウムの化合物の混合物を取って、8時間磁力撹拌した後60℃の加熱乾燥箱に置いて12時間乾燥して、Zn0.95Al0.05Oコロイド及びシュウ酸イットリウムと酸化テルビウムの混合物を得る。前記混合物をコランダム坩堝に入れ、体積比が95:5である窒素ガスと水素ガスとの混合気体において900℃で5時間処理した後、Zn0.95Al0.05O及び酸化イットリウム・テルビウムの混合物、すなわち電界放出用の蛍光材料を得る。
【0038】
実施例9
室温下で、6.9733g ZnSO・7HO、0.1283gAl(SO)及び1.5mL CNOを精確に量って容器に入れ、その後総容積が50mlになるように体積比が7:1であるエタノールと水との混合溶液を加え、溶解して、0.50mol/Lの亜鉛・アルミ混合溶液を得、且つ60℃の水浴条件下で6時間撹拌して、澄明な前駆体溶液を得る。さらに60℃の加熱乾燥箱に置いて90時間熟成し、Zn0.97Al0.03Oコロイドを得る。
【0039】
酸化イットリウム2.1226g、酸化ユロピウム0.2112gを秤量し、メノウ乳鉢において60分間研磨して、イットリウム・ユロピウムの酸化物の混合物を得る。0.7mLZn0.97Al0.03Oコロイド及び2gイットリウム・ユロピウムの酸化物の混合物を取って、4時間磁力撹拌した後70℃の加熱乾燥箱に置いて15時間乾燥して、Zn0.97Al0.03Oコロイド及びイットリウム・ユロピウム酸化物の混合物を得る。前記混合物をコランダム坩堝に入れ、空気雰囲気において800℃で5時間処理した後、Zn0.97Al0.03O及び酸化イットリウム・ユロピウムの混合物、すなわち電界放出用の蛍光材料を得る。
【0040】
実施例10
室温下で、9.6620g ZnSO・7HO、0.2395gAl(SO)及び4.7mL C15Nを精確に量って容器に入れ、その後総容積が50mlになるようにメチルセロソルブを加え、溶解して、0.70mol/Lの亜鉛・アルミ混合溶液を得、且つ60℃の水浴条件下で46時間撹拌して、澄明な前駆体溶液を得、さらに60℃の加熱乾燥箱に置いて60時間熟成し、Zn0.96Al0.04Oコロイドを得る。
【0041】
酸化イットリウム2.1452g、酸化ユロピウム0.1760gを秤量し、メノウ乳鉢において20分間研磨して、イットリウム・ユロピウムの酸化物の混合物を得る。0.7mLZn0.96Al0.04Oコロイド及び2gイットリウム・ユロピウムの酸化物の混合物を取って、4時間磁力撹拌した後70℃の加熱乾燥箱に置いて8時間乾燥して、Zn0.96Al0.04Oコロイド及びイットリウム・ユロピウム酸化物の混合物を得る。前記混合物をコランダム坩堝に入れ、空気雰囲気において900℃で5時間処理した後、Zn0.96Al0.04O及び酸化イットリウム・ユロピウムの混合物、すなわち電界放出用の蛍光材料を得る。
【0042】
以上説明したのは本発明の好適な実施例にすぎず、本発明を制限するものではない。本発明の主旨及び原則内で行われたいずれの修正、等価の変更及び改良等は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2